JP2004066103A - カキ貝殻焼成粉末からなるホルムアルデヒド吸着剤及びかかるホルムアルデヒド吸着剤を含む住宅内装材 - Google Patents

カキ貝殻焼成粉末からなるホルムアルデヒド吸着剤及びかかるホルムアルデヒド吸着剤を含む住宅内装材 Download PDF

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Ushio Tsuda
津田 潮
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TSUDA FOREST IND
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Abstract

【課題】カキの養殖・水揚げに伴って副次的に発生するカキ貝殻の有効な利用方法を提供する。
【解決手段】カキ貝殻を焼成して粉砕することによって製造されるカキ貝殻焼成粉末からなることを特徴とするホルムアルデヒド吸着剤。かかるホルムアルデヒド吸着剤を含有することを特徴とする住宅内装材も提供される。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカキの養殖・水揚げに伴って発生するカキ貝殻の有効な利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カキは日本人が好んで食する貝類であり、全国各地で養殖・水揚げされている。収穫されたカキは通常カキ貝殻を取り除かれ、剥き身の状態で出荷される。従ってカキ養殖場や水揚げ場においてはカキの出荷に伴い多量のカキ貝殻(全国で約15万トン/年)が発生することになる。
【0003】
このカキ貝殻の利用法としては、カキ貝殻を粉砕して酸性土壌を改質する肥料として利用する方法が従来知られている。しかし、この方法で利用されているカキ貝殻は全国のカキ貝殻発生量の1割にも満たず、大部分のカキ貝殻は廃棄物として処理されているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的はカキの養殖・水揚げに伴って副次的に発生するカキ貝殻の有効な利用方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上述の課題を解決するために鋭意研究した結果、カキ貝殻を焼成後、粉砕して粉末にしたカキ貝殻焼成粉末は、いわゆるシックハウス症候群の主要原因物質であるホルムアルデヒドを多量に吸着することを意外にも見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明によればカキ貝殻を焼成して粉砕することによって製造されるカキ貝殻焼成粉末からなることを特徴とするホルムアルデヒド吸着剤が提供される。
【0007】
また、本発明によればかかるホルムアルデヒド吸着剤を含有することを特徴とする住宅内装材が提供される。好ましくは、前記住宅内装材は塗料組成物、壁紙、障子紙、襖紙、及び畳からなる群から選択される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のホルムアルデヒド吸着剤の原料であるカキ貝殻は、養殖または水揚げされたカキを剥き身に加工して出荷する際に副次的に多量に発生するものであり、その主成分はタンパク質などの有機物と炭酸カルシウムである。
【0009】
カキ貝殻は剥き身を分離された後そのまま焼成に供することもできるが、異臭の発生を防止するためにはまず洗浄して不純物を除去し、乾燥させることが好ましい。
【0010】
このようにして準備されたカキ貝殻は主成分の一つである有機物を炭酸カルシウムに化学変化させるため、及びカキ貝殻の粉砕を容易にするために焼成される。この焼成は市販の焼成炉を用いて行うことができる。焼成温度は上記化学変化が生ずる温度であれば特に限定されないが、例えば700〜800℃で行うことができる。この温度で焼成すると有機物は炭化して黒灰色になり、次いで酸化分解気化して白灰色の炭酸カルシウムになる。また、カキ貝殻は密度が1.7g/mlと高く強靭であるためそのままでは粉砕し難いが、焼成すると極めて脆弱となり、簡単に粉砕できるようになる。なお、焼成時間は30分〜1時間程度で十分である。
【0011】
焼成完了後、カキ貝殻は比表面積を増大させるために粉砕される。この粉砕は振動ミル等の粉砕機を用いて行えばよい。また、粉砕粒度は特に限定されるものではないが、例えば50μmを上限とすることができる。
【0012】
かくして製造されたカキ貝殻焼成粉末は以下の実施例で示す通り、ホルムアルデヒド吸着性能において優れている。この理由は未だ完全には明らかになっていないが、元来多孔質であるカキ貝殻を焼成することにより酸化分解気化した炭酸カルシウムがホルムアルデヒドを吸着しやすくなり、更に粉砕により比表面積が増大してホルムアルデヒドガスとの接触面積が増加するためであると考えられる。
【0013】
かかるカキ貝殻焼成粉末からなる本発明のホルムアルデヒド吸着剤は、近年大きな社会問題となっているいわゆるシックハウス症候群の主要原因物質であるホルムアルデヒドを吸着するために住宅の内装のあらゆる部分において適用することができる。例えば、本発明のホルムアルデヒド吸着剤を塗料と混合すれば、内装用に好適なホルムアルデヒド吸着性塗料組成物を得ることができる。
【0014】
また、本発明のホルムアルデヒド吸着剤を紙に混入すればホルムアルデヒド吸着性の壁紙、障子紙、襖紙等を製造することができるし、畳床に混入すればホルムアルデヒド吸着性の畳を製造することができる。
【0015】
以上、本発明によれば従来廃棄物として処理されていたカキ貝殻を焼成・粉砕することにより、シックハウス症候群の防止に有効なホルムアルデヒド吸着剤を提供することができる。
【0016】
【実施例】
次に、本発明のホルムアルデヒド吸着剤及びこれを含む住宅内装材のホルムアルデヒド吸着効果について実施例を用いて説明する。なお、これらの実施例は例示のみの目的で示すものであり、何ら本発明を限定するものではない。
【0017】
実施例1
(1) カキ貝殻焼成粉末の製造
剥き身を分離した後のカキ貝殻約1kgを水洗いして不純物を除去し、天日で1週間乾燥させた。乾燥後、800℃に設定した焼成炉で1時間焼成した。室温までカキ貝殻が冷却した後、粉砕粒度を30μmに設定した振動ミルで粉砕し、約500gのカキ貝殻焼成粉末を得た。
【0018】
(2) ホルムアルデヒド吸着性能の測定
(1)で製造したカキ貝殻焼成粉末のホルムアルデヒド吸着性能を以下の方法で測定した。比較の対象としてはブランク及び市販の竹炭を用いた。結果を以下の表1に示す。
測定方法
▲1▼ 試験ガス(ホルムアルデヒド)の作成
容積10リットルのテドラーバッグ内に1.7μlの37%ホルムアルデヒド溶液を入れ、2リットルのドライエアを入れた後、バッグの両端を交互に押して内部ガスを混合した。その後、バッグが一杯になるまでドライエアを入れ、遮光して2時間静置したものを試験ガスとした。
▲2▼ 試料作成と分析
容積1リットルのフッ素樹脂バッグの片面に切り込みを入れ、そこからサンプル(カキ貝殻焼成粉末又は竹炭)1gを入れたシャーレを入れて密閉した。また、シャーレのみを入れて密閉したものをブランクとした。
試験ガスの濃度を検知管((株)ガステック 91L)で測定した後、フッ素樹脂バッグ内に試験ガスを一杯になるまで入れて静置した。10分経過後のフッ素樹脂バッグ内の試験ガス濃度を検知管で測定した。
【0019】
【表1】
Figure 2004066103
【0020】
表1から明らかな通り、本発明のカキ貝殻焼成粉末は竹炭と同レベルの優れたホルムアルデヒド吸着性能を示す。
【0021】
実施例2
(1) カキ貝殻焼成粉末を含有する塗料組成物の調製
実施例1で製造したカキ貝殻焼成粉末を用いて以下の表2に示す配合の塗料組成物を調製した。
【0022】
【表2】
Figure 2004066103
【0023】
(2) ホルムアルデヒド吸着性能の測定
(1)で調製したカキ貝殻焼成粉末含有塗料組成物のホルムアルデヒド吸着性能を以下の方法で測定した。比較の対象としてはブランクを用いた。結果を以下の表3に示す。
測定方法
▲1▼ 試験ガス(ホルムアルデヒド)の作成
容積10リットルのテドラーバッグ内に1.7μlの37%ホルムアルデヒド溶液を入れ、2リットルの清浄空気を入れた後、バッグの両端を交互に押して内部ガスを混合し元ガスとし、このガスより500cc分取し10リットルの清浄空気を入れ遮光し2時間静置したものを試験ガス(0.57ppm)とした。
▲2▼ 試料作成と分析
容積1リットルのテドラーバッグに切り込みを入れ、そこからサンプル(カキ貝殻焼成粉末含有塗料組成物)1gをシャーレに採取して清浄空気で10分乾燥したものを入れて密閉し、試験ガスを1リットル入れた。また、シャーレのみを入れて密閉し、試験ガスを1リットル入れたものをブランクとした。
各試料から、10分後、30分後、6時間後にそれぞれ500ml/minで1分間ホルムアルデヒド捕集管にサンプル吸着捕集しアセトニトリルで脱着したものをHPLC(高速液体クロマトグラフ)で分析を行った。
【0024】
【表3】
Figure 2004066103
【0025】
表3から明らかな通り、本発明のカキ貝殻焼成粉末含有塗料組成物は開始後の10分間でホルムアルデヒドの90%近くを吸着し、優れたホルムアルデヒド吸着性能を示す。
【0026】
【発明の効果】
本発明は上述の通り構成されているので、従来廃棄物として処理されていたカキ貝殻からホルムアルデヒド吸着剤を製造することができる。かかるホルムアルデヒド吸着剤は様々な住宅内装材に添加又は混入してシックハウス症候群を防止するために用いることができる。

Claims (3)

  1. カキ貝殻を焼成して粉砕することによって製造されるカキ貝殻焼成粉末からなることを特徴とするホルムアルデヒド吸着剤。
  2. 請求項1記載のホルムアルデヒド吸着剤を含有することを特徴とする住宅内装材。
  3. 住宅内装材が塗料組成物、壁紙、障子紙、襖紙、及び畳からなる群から選択されることを特徴とする請求項2記載の住宅内装材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007190129A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Kimiwaka Aikawa 空気清浄機
JP2007313397A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Aomori Prefecture Voc吸着剤およびその製造方法
JP2012512977A (ja) * 2008-12-19 2012-06-07 サン−ゴバン アドフォル ホルムアルデヒドをトラップできる物質を含む塗装カンバスおよびその製造方法

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