JP2004064898A - ステッピングモータの駆動制御方法及びその装置、回転駆動装置並びに画像形成装置 - Google Patents

ステッピングモータの駆動制御方法及びその装置、回転駆動装置並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ステッピングモータの脱調の発生を防止しつつ、振動や回転ムラを抑制することができるステッピングモータの駆動制御方法及びその装置並びに回転駆動装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】ステッピングモータ110の定速駆動時にステッピングモータ110に供給する駆動電流を、加減速駆動時よりも小さくするように、加減速駆動時と定速駆動時との間で駆動電流を切り換える。この駆動電流の切り換えは、ステッピングモータ110の加減速駆動から定速駆動に切り換わった直後に行うのが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータの駆動制御装置、並びにその装置を備えた回転駆動装置及び複写機、プリンタ、FAXなどの画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ステッピングモータは、そのドライバーに駆動パルス信号を入力することにより、駆動パルス信号のパルス数に応じて決まった角度だけ回転させることができる。そのため、フィードバック信号を用いることなく、ステッピングモータによる回転体の回転制御を容易に行うことができるので、複写機やプリンタ等の画像形成装置についても広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ステッピングモータは制御が容易な反面、自起動領域を超えた回転中(スルー領域での回転中)に1瞬でも脱調するような大きなトルクが外部から加わって脱調してしまうと、駆動パルス信号の周波数を自起動領域内に落とさない限り、正常な回転を続けることができなくなるという問題点を有している。
また、ステッピングモーターは基本的に1ステップ毎の動いては止まる事の繰り返しなので、振動や回転ムラが発生するおそれがあるという問題点も有している。
例えば、カラープリンターにおいてはカラー画像を作成中に現像ローラを回転駆動するステッピングモータが脱調すれば、それ以前に感光体ドラム上に作られた色の画像は無駄になってしまう。そのため、ステッピングモータの脱調に対して極力マージンを大きくとりたい。しかし、トルクを上げて脱調しにくくするために駆動電流を大きくすると、振動や回転ムラが大きくなる。特に高画質を目的とした液体現像方式の画像形成装置においては、感光体ドラムや現像ローラ等の僅かな回転ムラも、回転斑(濃度ムラ)として画像に忠実に再現されてしまう。
【0004】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものである。その目的は、ステッピングモータの脱調の発生を防止しつつ、振動や回転ムラを抑制することができるステッピングモータの駆動制御方法及びその装置並びに回転駆動装置及び画像形成装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ステッピングモータの定速駆動時に該ステッピングモータに供給する駆動電流を、加減速駆動時よりも小さくするように、該加減速駆動時と該定速駆動時との間で該駆動電流を切り換えることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、ステッピングモータに駆動電流を供給する駆動電源と、該ステッピングモータの定速駆動時に供給する駆動電流を、加減速駆動時よりも小さくするように、該加減速駆動時と該定速駆動時との間で該駆動電流を切り換える制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2のステッピングモータの駆動制御装置において、上記駆動電流の切り換えを、上記ステッピングモータの加減速駆動から定速駆動に切り換わった直後に行うことを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項2のステッピングモータの駆動制御装置において、上記駆動電流の切り換えを、上記ステッピングモータの定速駆動から減速駆動に切り換わる直前に行うことを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項2、3又は4のステッピングモータの駆動制御装置において、上記駆動電源を、外部から入力される制御信号のHighレベル及びLowレベルに対応して上記駆動電流が切り換わるように構成し、上記制御手段を、上記駆動電流を切り換える際に該駆動電源に出力する制御信号のHighレベルとLowレベルとを切り換えるように構成したことを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項2、3又は4のステッピングモータの駆動制御装置において、上記駆動電源を、外部から入力される複数ビットの制御データに基づいて上記駆動電流が切り換わるように構成し、上記制御手段を、上記駆動電流を切り換える際に該駆動電源に出力する制御データの内容を該駆動電流の値に対応付けて切り換えるように構成したことを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項2、3、4、5又は6のステッピングモータの駆動制御装置において、上記駆動電流に代えて又は上記駆動電流とともに、上記ステッピングモータの加減速駆動時に印加する駆動電圧が、定速駆動時よりも大きくなるように、該加減速駆動時と該定速駆動時との間で該駆動電圧を切り換えることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、回転体を回転駆動するためのステッピングモータと、該ステッピングモータの駆動を制御する駆動制御装置とを備えた回転駆動装置であって、該駆動制御装置として、請求項2、3、4、5又は6の駆動制御装置を用いたことを特徴とするものである。
請求項9の発明は、回転体と、該回転体を回転駆動するためのステッピングモータと、該ステッピングモータの駆動を制御する駆動制御装置とを備えた画像形成装置であって、該駆動制御装置として、請求項2、3、4、5又は6の駆動制御装置を用いたことを特徴とするものである。
【0006】
ステッピングモータの加減速駆動時は脱調が発生しやすいため大きなトルクを必要とする。一方、ステッピングモータの定速駆動時にトルクを大きくしてしまうと、各1ステップ毎のトルクも大きくなって振動や回転ムラが発生しやすくなる。
そこで、請求項1乃至8の発明においては、ステッピングモータの加減速駆動時に、ステッピングモータに供給する駆動電流を大きくすることにより、トルクを大きくして脱調の発生を防止している。一方、定速駆動時に駆動電流を加減速駆動時よりも小さくすることにより、トルクを小さくして振動及び回転ムラの発生を抑制している。このようにステッピングモータの加減速駆動時と定速駆動時との間で駆動電流の大きさを切り換えることにより、加減速駆動時のステッピングモータの脱調の発生を防止しつつ、定速駆動時の振動や回転ムラを抑制することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を画像形成装置としての電子写真方式のカラープリンタ(以下「プリンタ」という)に適用した一実施形態について説明する。
まず、図2に基づいて本実施形態に係るプリンタの全体構成について説明する。転写材としての転写紙201、202はそれぞれ、転写材収容手段としての第1給紙カセット203及び第2給紙カセット204に収納されている。この第1給紙カセット203及び第2給紙カセット204はプリンタ本体に対して着脱自在に設けられている。カセット203、204の一端部には給紙手段としての給紙ローラ205、206がそれぞれ対応して設けられており、この給紙ローラ205、206はカセット203、204内の転写紙201、202を給紙するようになっている。給紙ローラ205、206は転写紙をそれぞれの転写紙搬送路207、208に供給する。この転写紙搬送路207、208の転写紙搬送方向上流には回転体であるレジストローラ対209が設けられている。また、レジストローラ対209の下流にはレジストセンサー211が設けられている。このセンサー211は転写紙搬送路207、208に供給された転写紙201、202がそれぞれレジストローラ対209の直前まで搬送されたことを検出し、制御手段としての後述の主制御基板500(図2参照)に検知信号を出力する。
【0008】
上記主制御基板500にはレジストセンサー211及び操作パネル上のコピースタートスイッチからの出力信号がそれぞれ入力される。これらの入力信号に基づいて給紙ローラ205、206、レジストローラ対209および画像形成に必要な作動を制御する。具体的には、上記制御基板500等で構成される制御手段は、第1、2カセット203、204がセットされており、上記コピースタートスイッチからの信号が入力されると、給紙ローラ205、206の一方を作動させる。そして、給紙カセット203、204に収納された転写紙201、202の一方を対応する転写紙搬送路207、208を通してレジストローラ対209に搬送する。搬送された転写紙がレジストセンサー211に達すると減速を開始し、予め決められた時間後に転写紙を停止させ、レジストローラ対209に転写紙先端が突き当たった状態で待機させる。
【0009】
一方、上記4組の画像形成部1は、感光体ドラム10、液体現像剤を用いた液体現像装置(以下「現像装置」という)40等から構成されている。そして、各画像形成部1Y、1M、1C、1Kの現像装置40Y、40M、40C、40Kで用いるイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーにより、フルカラー画像を形成することができる。これらのトナーは、ボールミルや3本ロールなどで混合分散し、さらに溶媒に分散して製造される。特に、本実施形態では、固形分20%程度で100〜10000mPa・sの高粘度の液体現像剤に調整されたトナーを使用した。
【0010】
なお、4組の画像形成部1はそれぞれ同じ構成となっているので、以下、ブラックトナーを使用する画像形成部1Kについて説明する。
画像形成部1Kは、像担持体としての感光体ドラム10K、帯電手段としての一様帯電器20K、レザー光LBを照射するレーザ書込装置30、現像手段としての湿式現像ユニット40Kを備えている。更に、画像形成部1Kは、除電手段としての除電装置(LED)50K、クリーニングブレードを有する感光体クリーニング装置60K等を備えている。
上記湿式現像ユニット40Kは、現像剤担持体としての現像ローラ41Kと、液体現像剤を溜める現像タンク42Kと、汲み上げローラ43Kと、計量ローラ44K等から構成されている。上記汲み上げローラ43Kは、現像タンク42K内の液体現像剤に浸漬するように配置されている。上記計量ローラ44Kは、汲み上げローラ43Kから汲み上げられた液体現像剤を薄層化して現像ローラ41Kに塗布するものである。上記液体現像剤は絶縁体溶媒であるキャリアー液体中に顕像化粒子であるトナー粒子が高濃度に分散された高粘度の液体現像剤である。
上記中間転写ユニット7は、懸架ローラ71〜76、これらの懸架ローラ71〜76に張架された中間転写体としての中間転写ベルト70、1次転写電荷付与手段、及びクリーニングブレードを有するクリーニング装置79等から構成されている。本実施形態では、上記1次転写電荷付与手段として1次転写バイアスローラ77K、77Y、77M、77Cを備えている。
上記紙転写ユニット80は、2次転写電荷付与手段としての2次転写バイアスローラ81及び2次転写バイアスローラ81に接続された図示しない2次転写電源から構成されている。
上記中間転写ベルト70は、懸架部材としての懸架ローラ71〜76及び感光体ドラム10K、10Y、10M、10Cに所定の張力で張架され、矢印の様に反時計方向に回転可能となっている。また、1次転写バイアスローラ77Kが感光体ドラム10Kに対向し、この1次転写バイアスローラ77Kと感光体ドラム10Kとの間に、中間転写ベルトを挟み込むような配置となっている。1次転写バイアスローラ77Kは1次転写バイアスを与える電極ともなっており、1次転写バイアスローラ77Kには図示しない1次転写電源から所定の転写バイアスが印加される。2次転写電荷付与手段としての2次転写バイアスローラ81は、上記懸架ローラ73に対向するように配置され、2次転写バイアスを与える電極ともなっている。2次転写バイアスローラ81には図示しない2次転写電源から所定の転写バイアスが印加される。
【0011】
次に、本実施形態のカラープリンタの作像動作について説明する。
図2に示すように、感光体ドラム10Kを矢印方向に回転駆動しながら帯電器20Kで一様に帯電した後、レーザー書き込み装置30からレーザ光LBを照射して感光体ドラム10K上に静電潜像を形成する。一方、現像タンク42Kの高粘性液体現像剤に浸漬されている汲み上げローラ43Kに付着した液体現像剤は、計量ローラ44Kを介して現像ローラ41K上に均一に、たとえば0.5〜20μm程度の厚さに塗布される。そして、上記感光体ドラム10Kに現像ローラ41Kを接触させ、感光体ドラム10Kの表面に形成された静電潜像に液体現像剤中のトナーを電界の力で移行させて現像し、トナー像を形成する。
次いで、上記トナー像が形成された感光体ドラム10Kを回転させることにより、感光体ドラム10K上のトナー像が、感光体ドラム10Kと中間転写ベルト70とが当接する1次転写位置に移動する。そして、この1次転写位置で、中間転写ベルト70裏面に1次転写バイアスローラ77Kを介し、正極性トナーの逆極性である負極性バイアス電圧(例えば、−300〜−500V)を印加する。この印加電圧によって発生した電界で、感光体ドラム10K上のトナー像のトナーを、中間転写ベルト70に引き寄せ、中間転写ベルト70上に転写する(1次転写)。以下同様に、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーを中間転写ベルト70に転写してフルカラーの画像を形成する。
次いで、上記フルカラーのトナー像が転写された中間転写ベルト70を回転させることにより、中間転写ベルト70上のフルカラーのトナー像の転写された部分が2次転写位置に移動する。この中間転写ベルト70の上のフルカラー画像の移動にタイミングを合わせてレジストローラ対209から転写紙201又は転写紙202が再給紙される。そして、2次転写位置において、上記転写紙201又は転写紙202裏面に2次転写バイアスローラ81を介して、負極性のバイアス電圧(例えば−800〜−2000V)を印加し、さらに所定の圧力(例えば50N/cm程度)をかける。この印加電圧によって発生した電界と圧力とによって、中間転写ベルト70のトナーを転写紙201又は転写紙202に引き寄せ、転写紙201又は転写紙202にY、M、C、K4色のトナー像を一括転写する(2次転写)。
この後、トナー像が転写された転写紙201又は転写紙202は、分離装置85により、吸着している中間転写ベルト70から分離され、定着装置90で定着処理がなされた後に装置本体から排出される。
一方、1次転写後の感光体ドラム10Kの表面は、除電装置(LED)50Kで残留電荷が除電され、その表面がクリーニング装置60Kによってクリーニングされ、未転写トナーが回収除去され、次の作像に備える、これを繰り返すことで多数枚の複写を行う。
【0012】
次に、本発明の特徴部に係る構成及び制御について説明する。
本実施形態のプリンタにおいて、給紙ローラ205、206、レジストローラ対209、感光体ドラム10Y、10M、10C、10K、その他の回転体の回転駆動に、ステッピングモータが多数使用されている。これらの回転体のうち、感光体ドラムには回転斑(回転ムラ)を少なくするために大きく重い(慣性質量が大きい)図示しないフライホイールが取り付けられている。そのため、感光体ドラムのステッピングモータの加減速駆動時には特に大きなトルクが必要である。ステッピングモータの定速駆動を行う画像形成時はフライホイール効果が発揮されるため、小トルクに切りかえる効果が顕著である。従って、以下の説明では感光ドラムの回転駆動を例に説明する。
【0013】
図3は、上記ステッピングモータの駆動電流の制御を行う制御系の一例を示す説明図である。この制御系は、感光体ドラムを回転駆動するステッピングモータ110を駆動制御するものである。このステッピングモータ110は、制御手段としての主制御基板500により駆動電源としてのドライバー501を介して駆動制御される。ステッピングモータ110の駆動制御装置は、これらの主制御基板500及びドライバー501を用いて構成されている。また、この駆動制御装置とステッピングモータ110とにより、上記感光体ドラム等の回転体を駆動する回転駆動装置が構成されている。
上記主制御基板500は、CPU500a、RAM及びROM等からなる記憶手段としての図示しないメモリ、図示しないインターフェース部などにより構成されている。そして、主制御基板500からドライバー501に駆動制御信号(パルス信号)が入力され、この駆動制御信号に基づいてドライバー501からステッピングモータ110に駆動電流が供給されることにより、ステッピングモータ110が回転駆動される。また、ステッピングモータ110に供給する駆動電流は、主制御基板500からドライバー501に入力される駆動電流制御信号を変化させることによって切り換えることができる。この駆動電流制御信号をHighレベル又はLowレベルにすることにより、駆動電流を上記高めの電流値(例えば1.4A)にしたり、上記低めの電流値(例えば0.4A)にしたりすることができる。ドライバー501側にはロータリコードスイッチが設けられ、上記駆動電流制御信号のHighレベル及びLowレベルに対応する駆動電流の値は、ロータリコードスイッチの値で設定される。
【0014】
図4は、上記ステッピングモータの駆動電流の制御を行う制御系の他の構成例を示す説明図である。上記図3の制御系では、1本の駆動電流制御信号をHighレベル又はLowレベルにすることにより、各レベルに対応するようにロータリコードスイッチで設定された駆動電流の値に切り換えている。これに対し、図4の制御系では、駆動電流の値に対応した複数ビット(図4の例では4ビット)の駆動電流制御データ(駆動電流切り換えDATA0〜3)をドライバー501に入力している。この場合は、上記ロータリコードスイッチは設けられず、駆動電流の値は、駆動電流制御データの数値によって直接決まるようになっている。
【0015】
図1は、本実施形態のプリンタにおける感光体ドラム用ステッピングモータの加速駆動時、定速駆動時及び減速駆動時のパルス速度(■)及び駆動電流(◆)の変化を示すグラフである。プリント動作開始時には、ステッピングモータ110の駆動電流を大きな値(例えば1.4A)に設定し、脱調が起きないような大きなトルクで感光体ドラム10をまわし始める。そして、加速駆動が終わり定速駆動に移ると、駆動電流を小さな値(例えば0.4A)に設定し、トルクを小さくして振動及び回転ムラ(回転斑)を抑制する。その状態で予め指定され枚数の画像形成を行う。画像形成が終了すると、駆動電流を再び大きな値(例えば1.4A)に設定し、脱調が起きないような大きなトルクで減速停止を行う。ステッピングモータの回転が停止したら、非常に小さい停止保持電流を流すか、あるいは完全に駆動電流の供給を停止する。
【0016】
図5は、他の制御例における感光体ドラム用ステッピングモータの加速駆動時、定速駆動時及び減速駆動時のパルス速度(■)及び駆動電流(◆)の変化を示すグラフである。この制御例では、上記大きな駆動電流(1.4A)を、加速駆動を終了した後少し定速度駆動になったところまで流し続けている。これにより、加速駆動から定速駆動への切り換り時の脱調が発生しやすい不安定なところでも大トルクにして脱調の発生を確実に防止できる。但し、この場合でも画像形成を開始するのは駆動電流を小さな電流(0.4A)に切り替えた後である。
【0017】
図6は、他の制御例における感光体ドラム用ステッピングモータの加速駆動時、定速駆動時及び減速駆動時のパルス速度及(■)び駆動電流(◆)の変化を示すグラフである。この制御例では、上記小さな駆動電流(0.4A)を流している定速駆動から減速駆動に切り換わる際に、減速駆動開始の少し前から大きな駆動電流(1.4A)を流し始めている。これにより、定速駆動から減速駆動への切り換り時の脱調が発生しやすい不安定なところでも大トルクにして脱調の発生を確実に防止できる。但し、この場合でも画像形成が完了してから、大きな駆動電流(1.4A)に切り替える。
【0018】
以上、本実施形態によれば、上記ステッピングモータ110の駆動電流の切り換えにより、加減速時にトルクを大きくしてステッピングモータ110の脱調の発生を防止することができる。そして、定速駆動を行う画像形成動作時にはトルクを小さくして感光体ドラムの振動や回転ムラを抑制し、回転斑等のない高画質の画像を形成することができる。
また、本実施形態によれば、上記駆動電流の切り換えを、ステッピングモータ110の加減速駆動から定速駆動に切り換わった直後に行うことができる。この場合は、加速駆動から定速駆動への切り換り時の脱調が発生しやすい不安定なところでも大トルクにして脱調の発生を確実に防止できる。
また、本実施形態において、上記駆動電流の切り換えを、ステッピングモータ110の定速駆動から減速駆動に切り換わる直前に行うことができる。この場合は、定速駆動から減速駆動への切り換り時の脱調が発生しやすい不安定なところでも大トルクにして脱調の発生を確実に防止できる。
また、本実施形態によれば、主制御基板500からドライバー501に入力される制御信号のHighレベル及びLowレベルを切り換えることにより、上記駆動電流を切り換えることができる。この場合は、駆動電流の切り換え制御が簡易になる。
また、本実施形態において、主制御基板500からドライバー501に入力される複数ビットの制御データの内容を切り換えることにより、上記駆動電流の値を切り換えることができる。この場合は、制御データで駆動電流の値を直接設定することができるので、ドライバー501側にロータリーコードスイッチが不要になる。更に、ステッピングモータの脱調の発生を主制御基板500で監視し、その監視結果に基づいて加減速駆動時の駆動電流及び低速駆動時の駆動電流の値を任意に設定できる。
【0019】
なお、上記実施形態では、ステッピングモータの駆動電流を切り換えているが、駆動電圧を切り換えるように制御してもよい。
また、上記実施形態では、ステッピングモータで感光体ドラムを回転駆動する場合について説明したが、本発明は、ステッピングモータでレジストローラ、現像ローラ等の他の回転体を回転駆動する場合にも適用できるものである。
また、本発明は、液体現像剤を用いた湿式の電子写真プリンタに限定されることなく、ステッピングモータを使用していれば乾式の電子写真プリンタや、複写機、FAXなどの他の画像形成装置にも適用できるものである。
また、本発明は、画像形成装置に限定されることなく、ステッピングモータを使用していれば画像形成装置以外の各種装置にも適用できるものである。
【0020】
【発明の効果】
請求項1乃至9の発明によれば、加減速駆動時と定速駆動時との間で駆動電流又は駆動電圧を切り換えることにより、加減速駆動時にはトルクを大きくしてステッピングモータの脱調の発生を防止することができる。そして、定速駆動時にはトルクを小さくして振動や回転ムラを抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタにおける感光体ドラム用ステッピングモータの加速駆動時、定速駆動時及び減速駆動時のパルス速度及び駆動電流の変化を示すグラフ。
【図2】同プリンタの概略構成図。
【図3】同プリンタのステッピングモータの駆動制御を行う制御系の一例を示す説明図。
【図4】変形例に係る制御系の説明図。
【図5】他の制御例における感光体ドラム用ステッピングモータの加速駆動時、定速駆動時及び減速駆動時のパルス速度及び駆動電流の変化を示すグラフ。
【図6】更に他の制御例における感光体ドラム用ステッピングモータの加速駆動時、定速駆動時及び減速駆動時のパルス速度及び駆動電流の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
500 主制御基板
500a CPU
501 ドライバー
110 ステッピングモータ

Claims (9)

  1. ステッピングモータの定速駆動時に該ステッピングモータに供給する駆動電流を、加減速駆動時よりも小さくするように、該加減速駆動時と該定速駆動時との間で該駆動電流を切り換えることを特徴とするステッピングモータの駆動制御方法。
  2. ステッピングモータに駆動電流を供給する駆動電源と、
    該ステッピングモータの定速駆動時に供給する駆動電流を、加減速駆動時よりも小さくするように、該加減速駆動時と該定速駆動時との間で該駆動電流を切り換える制御手段とを備えたことを特徴とするステッピングモータの駆動制御装置。
  3. 請求項2のステッピングモータの駆動制御装置において、
    上記駆動電流の切り換えを、上記ステッピングモータの加減速駆動から定速駆動に切り換わった直後に行うことを特徴とするステッピングモータの駆動制御装置。
  4. 請求項2のステッピングモータの駆動制御装置において、
    上記駆動電流の切り換えを、上記ステッピングモータの定速駆動から減速駆動に切り換わる直前に行うことを特徴とするステッピングモータの駆動制御装置。
  5. 請求項2、3又は4のステッピングモータの駆動制御装置において、
    上記駆動電源を、外部から入力される制御信号のHighレベル及びLowレベルに対応して上記駆動電流が切り換わるように構成し、
    上記制御手段を、上記駆動電流を切り換える際に該駆動電源に出力する制御信号のHighレベルとLowレベルとを切り換えるように構成したことを特徴とするステッピングモータの駆動制御装置。
  6. 請求項2、3又は4のステッピングモータの駆動制御装置において、
    上記駆動電源を、外部から入力される複数ビットの制御データに基づいて上記駆動電流が切り換わるように構成し、
    上記制御手段を、上記駆動電流を切り換える際に該駆動電源に出力する制御データの内容を該駆動電流の値に対応付けて切り換えるように構成したことを特徴とするステッピングモータの駆動制御装置。
  7. 請求項2、3、4、5又は6のステッピングモータの駆動制御装置において、上記駆動電流に代えて又は上記駆動電流とともに、上記ステッピングモータの加減速駆動時に印加する駆動電圧が、定速駆動時よりも大きくなるように、該加減速駆動時と該定速駆動時との間で該駆動電圧を切り換えることを特徴とするステッピングモータの駆動制御装置。
  8. 回転体を回転駆動するためのステッピングモータと、該ステッピングモータの駆動を制御する駆動制御装置とを備えた回転駆動装置であって、
    該駆動制御装置として、請求項2、3、4、5、6又は7の駆動制御装置を用いたことを特徴とする回転駆動装置。
  9. 回転体と、該回転体を回転駆動するためのステッピングモータと、該ステッピングモータの駆動を制御する駆動制御装置とを備えた画像形成装置であって、
    該駆動制御装置として、請求項2、3、4、5、6又は7の駆動制御装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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