JP2004063897A - 高周波用コンデンサ及びそれを用いた高周波電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波回路で使用されるコンデンサに関し、自己共振周波数をより高周波側にシフトさせてコンデンサの周波数特性を広帯域化させた高周波用コンデンサ及びそれを用いた高周波電子部品を提供する。
【解決の手段】誘電体シート上に形成される複数個のコンデンサで1個の高周波用コンデンサを合成し、前記複数個のコンデンサはそれぞれのコンデンサを構成する電極の少なくも一方の電極がライン状の電極によって接続する構成とした。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話、自動車電話等の無線機器の回路部等において、特に高周波回路部で使用される高周波用コンデンサ及びそれを用いた高周波電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話等の高周波回路において低温同時焼成セラミック多層基板(LTCC)を用いた高周波部品が使用されている。その構成はセラミック多層基板の内部に導体パターンによりコンデンサ又はコイルを形成して内蔵させ、必要に応じて前記基板の表面に個別部品を搭載する構成としている。特に前記内蔵されたコンデンサは前記基板を構成する層を誘電体層とし、積層方向で前記誘電体層を介して上下の電極を対向させる構成としている。
【0003】
図10は図11に示す等価回路のローパスフィルタ(LPF)を多層基板で構成した際の構造を説明した分解斜視図である。更に、図12は図10に示した各シートを積層し、側面に端子をつけて高周波部品とした時のLPF10の外観を示した図である。
【0004】
該LPF10は図10に示すように、多層基板を構成する誘電体シート11〜17からなる。誘電体シート17上には略全面を覆うGND電極50が形成され、電極51、52、53、54によりLPF10の側面に形成される電極63、61、64、66に接続する。誘電体シート16上には、前記GND電極50と誘電体シート16を挟んで対向する電極31、36が形成され、該電極31、36はLPF10のコンデンサC1、C2を構成する。電極31、36は電極33、38によりLPF10の側面に形成される電極62、65に接続する。
【0005】
誘電体シート13〜15は前記コンデンサと後述するコイルとの電気的影響を低減させるためのスペーサーとして機能させる層である。また、誘電体シート13上と誘電体シート12上にはそれぞれコイル導体22、21を形成し、これらのコイル導体はそれぞれの一方の端部で誘電体シート12を貫通するスルーホール電極23により接続する。一方、前記コイル導体21、22のそれぞれの他方の端部はLPF10の側面に形成される電極62、65に接続する。
【0006】
従ってLPF10は電極62、65を入出力端子とし、その他の電極63、61、64、66をGND(接地)端子とする高周波部品となる。
【0007】
該構成のLPF10に関し、コイルL1を約5nHとし、コンデンサを約5pFとして試作した時の信号の入出力に関する周波数特性を図13に示す。図13においてLPF10は1GHz付近を通過帯域とし、2GHz付近に減衰極を有する特性となった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記LPF10には下記のような問題があった。
【0009】
前記LPF10のローパスフィルタ特性として2GHz以上の周波数帯域の減衰量が欲しい場合、LPF10の試作結果として得られた図13に示す電気特性は、2GHz帯付近で十分な減衰特性が得られているが、4GHz以降の周波数帯域では20dB以上の減衰量は得られない状況を示している。即ち、広帯域にわたる減衰帯域がとれないことを示している。
【0010】
これは図11に示すコンデンサC1、C2コンデンサの自己共振周波数が原因であり、理想素子のコンデンサは自己共振周波数が無いので、高周波帯になるに従い、コンデンサC1、C2のインピーダンスは小さくなるが、実際のコンデンサは特定周波数で自己共振してインピーダンスが極小となり、更により高い周波数帯では逆にインピーダンスが増大する。そのためLPF10で除去すべき高周波信号のインピーダンスを下げることができず、図13に示すように高周波帯の減衰量を悪化させてしまうことになっていた。
【0011】
更に、十分な高調波対策を講じるためにはLPF10の段数を増やすことが考えられるが、結局部品点数が増えるので、高周波部品としての形状の小型化が困難となる。その上、LPF10の多段化の設計は通過させる信号に対し、LPF10による挿入損失の増大を招く。特に、携帯電話等の高周波回路の設計では挿入損失の増大は受信系では受信回路中の信号のS/N比の悪化を招き、また送信系では電力消費の増大につながり、バッテリー駆動時間が短くなる等の問題が生じる。
【0012】
本発明は、これらの不都合に鑑みてなされたものであり、高周波部品の形状の増大を極力抑え、且つ通過する高周波信号の損失の増大を抑えて、高周波特性を改善できる高周波部品を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本願第1の発明は、複数の誘電体シートにより構成される多層基板に形成される高周波用コンデンサであって、前記高周波用コンデンサは複数のコンデンサにより合成して形成されると共に、前記複数のコンデンサを構成するそれぞれのコンデンサ電極の少なくとも一方の電極は、前記多層基板を構成する誘電体シート上に形成されるライン状の電極によりそれぞれ接続されることを特徴とする高周波用コンデンサである。
【0014】
この構成により、目的のコンデンサ容量を1個で構成する高周波コンデンサに比べ、複数のコンデンサで前記高周波コンデンサと同程度のコンデンサ容量構成することにより、コンデンサの自己共振周波数を高周波側にシフトさせることができる。従って、広帯域の高周波回路の設計に適した高周波コンデンサを提供することができる。更に、前記複数のコンデンサを構成する電極の双方を前記ライン状の電極により接続することにより本願に係る高周波用コンデンサの広帯域化の効果が得られる。
【0015】
本願第2の発明は、複数の誘電体シートにより構成される多層基板に形成される高周波用コンデンサであって、前記高周波用コンデンサを構成する少なくとも一方の電極は少なくとも1個以上の切り欠き部を有する形状に形成された高周波用コンデンサである。
【0016】
この構成により、目的のコンデンサ容量を1個で構成する高周波コンデンサに比べ、前記切り欠き部により1個のコンデンサを複数のコンデンサで形成した構造となり、前記高周波コンデンサと同程度のコンデンサ容量構成することにより、コンデンサの自己共振周波数を高周波側にシフトさせることができる。従って、広帯域の高周波回路の設計に適した高周波コンデンサを提供することができる。更に、前記複数のコンデンサを構成する電極の双方に前記切り欠き部を形成することにより本願に係る高周波用コンデンサの広帯域化の効果が得られる。
【0017】
本願第3の発明に係る高周波コンデンサは、本願第1又は2の発明において、前記複数のコンデンサは略同一容量で構成されることを特徴とする。
【0018】
この構成により、高周波コンデンサを構成する2つの端子間の高周波帯での低インピーダンス帯域が広くなり、高周波回路の広帯域化に適した高周波コンデンサを提供できる。
【0019】
本願第4の発明に係る高周波コンデンサは、本願第1又は2の発明において、前記複数のコンデンサは異なる容量で構成されることを特徴とする。
【0020】
この構成により、高周波コンデンサを構成する2つの端子間の高周波帯での低インピーダンス帯域を複数の帯域に作ることが可能となり、高周波回路の広帯域化に適した高周波コンデンサを提供できる。
【0021】
本願第5の発明に係る高周波コンデンサは、本願第1乃至4の何れかに記載の発明において、前記複数のコンデンサは前記多層基板を構成する同一の誘電体シートを前記複数のコンデンサの誘電体層として含むことを特徴とする。
【0022】
この構成により、製造時において前記複数のコンデンサのそれぞれで形成されるコンデンサ容量値を安定化させ、これにより前記複数のコンデンサの合成により形成される高周波コンデンサの容量値を安定化させる。
【0023】
本願第5の発明は、本願第1乃至5の何れかに記載の発明に係る高周波コンデンサを用いた高周波電子部品とした。
【0024】
この構成により、広帯域設計された高周波電子部品を提供することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る高周波電子部品の実施の形態を図面に従って説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
図2は本発明に係る高周波部品であるローパスフィルタの等価回路を示した図である。図2では、コイルL1の両端に設けていた接地用のコンデンサをそれぞれ略均等に構成した。即ち従来の例の図11で示したコンデンサC1、C2(容量値C1、C2)に対し、図2で示すコンデンサC11、C12、C21、C22(容量値C11、C12、C21、C22)はそれぞれC1≒C11+C12、C2≒C21+C22であって、且つC11≒C12、C21≒C22とした。そのため、コンデンサの個数が増える構成となるが、コンデンサが形成するコンデンサ容量値の合計は変わらないので、従来例におけるコンデンサのパターン領域は本実施の形態においても各コンデンサを個別化するための領域を除けば同程度の領域で形成することが可能である。
【0027】
図1は本発明に係る高周波電子部品であって、図2に示した等価回路で構成されるLPF100の実施の形態を説明した分解斜視図である。図3は本発明に係る高周波電子部品である前記LPF100の外観を示した図である。
【0028】
LPF100は図1に示すように多層基板を構成する誘電体シート111〜117からなる。誘電体シート117上には前記コンデンサC11、C12、C21、C22を構成する接地側の電極141、142、146、147が形成され、ライン状の電極144により電極141と電極142は接続され、ライン状の電極149により電極146と電極147は接続されている。このとき、ライン状の電極144により電極141と電極142により形成さる電極の形状は、一体の矩形の電極に対して切り欠き部151、152を設けた形状とも表現できる。そのため説明を統一するため本発明の全て実施の形態では該電極の形状を複数の電極をライン状導体で接続した形状として説明する。
【0029】
該形成された電極141、142は電極143によりLPF100の側面に形成される電極513に接続し、電極146、147は電極148によりLPF100の側面に形成される電極523に接続する。
【0030】
前記ライン状の電極144、149は該形状について図1に示すように、コンデンサを形成する電極141、142、146、147の各形状の巾寸法に比べ、細く形成される。
【0031】
誘電体シート116は前記コンデンサの誘電体層になると共に、誘電体シート116上に前記コンデンサC11、C12、C21、C22を構成する非接地側の電極131、132、136、137がLPF100の積層方向で前記電極141、142、146、147の対応する位置に形成されている。電極131と電極132はライン状の電極134により接続され、電極133によりLPF100の側面に形成する電極512に接続する。また、電極136と電極137はライン状の電極139により接続され、電極138によりLPF100の側面に形成する電極522に接続する。
【0032】
前記ライン状電極の134、139は該形状について図1に示すように、コンデンサを形成する電極131、132、136、137の各形状の巾寸法に比べ、細く形成される。
【0033】
ここで、前記C11≒C12関係から電極141、142は互いにほぼ等しい面積で形成し、また電極131、132も互いにほぼ等しい面積で形成する。更に、前記C21≒C22関係から電極146、147は互いにほぼ等しい面積で形成し、また電極136、137も互いにほぼ等しい面積で形成する。
【0034】
誘電体シート113〜115は前記コンデンサC11、C12、C21、C22と後述するコイルとの影響を低減させるためのスペーサーとして機能する層として設定する。
【0035】
誘電体シート113上と誘電体シート112上にはそれぞれコイル導体122、121が形成され、これらのコイル導体はそれぞれの一方の端部で誘電体シート112を貫通するスルーホール電極123により接続する。一方、前記コイル導体122、121のそれぞれの他方の端部はLPF100の側面に形成する電極512、522に接続する。
【0036】
誘電体シート111は前記コイル導体121を保護する層として設定する。
【0037】
以上により、LPF100は電極512、522を入出力端子とし、その他の電極513、511、523、521をGND(接地)端子とする高周波部品となる。
【0038】
図4は本発明に係る高周波部品であるLPF100の上記実施の形態において、コイルを約5nHとしコンデンサについてC11≒C12≒C21≒C22≒2.5pFとして試作を行った時のLPF100の入出力特性に関する周波数特性の結果である。
【0039】
従来のLPF10の周波数特性(図13)と本実施の形態のLPF100の周波数特性(図4)とを比較すると、それぞれの高周波部品を構成するコイル及びコンデンサは電気回路的に等しい定数であり、そのため信号の通過帯域に関しては同等の1GHz帯となっている。しかし、その高調波帯については明らかに本発明に係る実施の形態であるLPF100の方が減衰帯域は広帯域化している。即ち、2GHz帯で20dB以上の減衰量を有し、5GHz帯において30dB以上の減衰量を有しており、従来の例で示された図13の特性に比べ良好な高調波特性を有する高周波部品であるローパスフィルタが得られた。
【0040】
上記実施の形態に関して、いくつかの変形が可能である。
【0041】
(1)前記ライン状の電極144、149、134、139のパターンは必ずしも直線形状である必要はなく、曲線状であってもよく、或いは屈曲部を有していてもよい。
【0042】
(2)図1における誘電体層117上に形成された電極142、147はGND電極であるので、同図の電極143及び148のようにLPF100の側面に形成される電極511、521に接続する電極を設けてもよい。
【0043】
(3)図1における誘電体層117上に形成された電極141、142、146、147に関しては、図5に示すように、一体の電極150としてもよく、この場合、電極151、152、153、154によりLPF100の側面に形成される電極513、511、523、521に接続させる。尚、これ以外の図5に示す番号は、図1と同一のものは同一のものを示し、その構成は図1と同一であるので説明を省略する。
【0044】
(4)図2で示したLPFの等価回路は入出力両端に設定した両コンデンサに関してそれぞれを二等分してLPF100を作製したが、必ずしも両方のコンデンサに対して行わなくてもよく、一方のコンデンサのみが二等分されていてもよい。即ち、一方をC1とし、もう一方をC21とC22の構成として、LPF100を作製してもよい。
【0045】
(5)図2で示したLPFの等価回路は入出力両端に設定した両コンデンサに関してそれぞれを2個の構成でLPF100を作製したが、必ずしも2個でなくてもよく、それ以上の複数個で構成することが可能であり、また、前記両コンデンサを構成するコンデンサの数も同数である必要はない。
【0046】
以上の(1)〜(5)構成方法に関してはLPF100の得られる特性からそれぞれ選択されることになる。また、(1)〜(5)構成方法の組み合わせを行うことも可能である。
【0047】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態においては図7に示す本発明に係る高周波部品であるローパスフィルタの等価回路において、コイルL1の両端に設けた接地用のコンデンサについて、それぞれ異なる容量のコンデンサで構成した。即ち従来例の図11で示したコンデンサC1、C2(容量値C1、C2)に対し、図2で示すコンデンサC31、C41、C32、C42(容量値C31、C41、C32、C42)をそれぞれC1≒C31+C41、C2≒C32+C42であって、且つC31≠C41、C32≠C42とした。そのため、コンデンサの個数が増える構成となるが、コンデンサが形成するコンデンサ容量値の合計は変わらないので、従来例におけるコンデンサのパターン領域は本実施の形態においても各コンデンサを個別化するための領域を除けば同程度の領域で形成することが可能である。
【0048】
図6は本発明に係る高周波電子部品であって、図7に示した等価回路で構成されるLPF100の実施の形態を説明した分解斜視図である。前記LPF100の外観については第1の実施の形態と同様であり図3に示す形状となる。
【0049】
LPF100は図6に示すように多層基板を構成する誘電体シート111〜117からなる。誘電体シート117上には前記コンデンサC31、C41、C32、C42を構成する接地側の電極241、242、246、247が形成され、ライン状の電極244により電極241と電極242は接続され、ライン状の電極249により電極246と電極247は接続されている。該形成された電極241、242は電極243によりLPF100の側面に形成される電極513に接続し、電極246、247は電極248によりLPF100の側面に形成される電極523に接続する。
【0050】
前記ライン状の電極244、249は該形状について図6に示すように、コンデンサを形成する電極241、242、246、247の各形状の巾寸法に比べ、細く形成される。
【0051】
誘電体シート116は前記コンデンサの誘電体層になると共に、誘電体シート116上に前記コンデンサC31、C41、C32、C42を構成する非接地側の電極231、232、236、237がLPF100の積層方向で前記電極241、242、246、247の対応する位置に形成されている。電極231と電極232はライン状の電極234により接続され、電極233によりLPF100の側面に形成する電極512に接続する。また、電極236と電極237はライン状の電極239により接続され、電極238によりLPF100の側面に形成する電極522に接続する。
【0052】
前記ライン状の電極234、239は該形状について図6に示すように、コンデンサを形成する電極231、232、236、237の各形状の巾寸法に比べ、細く形成される。
【0053】
尚、図1と同一の番号は同一のものを示し、同一構成となるので説明を省略する。
【0054】
以上により、LPF100は電極512、522を入出力端子とし、その他の電極513、511、523、521をGND(接地)端子とする高周波部品となる。
【0055】
ここで、前記C31≠C41関係から電極241、242は互いに異なる面積で形成し、また電極231、232も電極241、242に対応して互いに異なる面積で形成する。更に、前記C32≠C42関係から電極246、247は互いに異なる面積で形成し、また電極236、237も電極246、247に対応して互い異なる面積で形成する。
【0056】
図8は本発明に係る第2の実施の形態の高周波部品であるLPF100の上記実施の形態において、コイルを約5nHとしコンデンサについてC31≒C41≒1pF、C32≒C42≒4pFとして試作を行った時のLPF100の入出力特性に関する周波数特性の結果である。
【0057】
従来のLPF10の周波数特性(図13)と本実施の形態のLPF100の周波数特性(図4)とを比較すると、それぞれの高周波部品を構成するコイル及びコンデンサは電気回路的に等しい定数であり、そのため信号の通過帯域に関しては同等の1GHz帯となっている。しかし、その高調波帯についいては、本発明に係る第2の実施の形態であるLPF100は2GHz帯において40dB以上の減衰量が得られると共に、5GHz帯においても50dB以上の減衰量が得られる特性とすることができる。この場合、特に特定帯域として2GHz帯と5GHz帯において大きな減衰量が必要な高周波部品にとっては極めて有効であり、従来の構成では得られない高周波特性である。
【0058】
上記第2の実施の形態に関しても、いくつかの変形が可能である。
【0059】
(1)前記ライン状の電極244、249、234、239のパターンは必ずしも直線形状である必要はなく、曲線状であってもよく、或いは屈曲部を有していてもよい。
【0060】
(2)図6における誘電体層117上に形成された電極242、247はGND電極であるので、同図の電極243及び248のようにLPF100の側面に形成される電極511、521に接続する電極を設けてもよい。
【0061】
(3)図6における誘電体層117上に形成された電極241、242、246、247に関しては、図5で示した電極150のように、一体の電極としてもよい。
【0062】
(4)図7で示したLPFの等価回路は入出力両端に設定した両コンデンサに関して、分割を行ってLPF100を作製したが、必ずしも両方のコンデンサに対して行わなくてもよく、一方のコンデンサのみ分割した構成でもよい。即ち、一方をC1とし、もう一方をC32とC42の構成として、LPF100を作製してもよい。
【0063】
(5)図7で示したLPFの等価回路は入出力両端に設定した両コンデンサに関してそれぞれを2個の構成でLPF100を作製したが、必ずしも2個でなくてもよく、それ以上の複数個で構成することが可能であり、また、前記両コンデンサを構成するコンデンサの数も同数である必要はない。
【0064】
以上の(1)〜(5)構成方法に関してはLPF100の得られる特性からそれぞれ選択されることになる。また、(1)〜(5)構成方法の組み合わせを行うことも可能である。
【0065】
図9は、本発明に係る高周波コンデンサについて、該高周波コンデンサを構成するコンデンサの合成に関し、得られる該高周波コンデンサのインピーダンスの周波数特性を示した図である。図中の曲線▲1▼は5pF単体のコンデンサのインピーダンスであり、曲線▲2▼は2.5pFのコンデンサを2個の並列接続(合成)した本発明に係る高周波コンデンサのインピーダンスであり、曲線▲3▼1pFのコンデンサと4pFのコンデンサを個並列接(合成)した本発明に係る高周波コンデンサのインピーダンスである。前記5pF単体のコンデンサ及び前記高周波コンデンサのぞれぞれの構成は図10及び図1、図6においてC1、C11+C12、C31+C41で説明した構造である。
【0066】
図9より、曲線▲1▼が最も低周波側で自己共振を起こし、その後インピーダンスは上昇してしまう特性となっている。曲線▲2▼は曲線▲1▼よりも自己共振周波数が高周波側にシフトし、低インピーダンス帯域が広くなっていることがわかる。曲線▲3▼は2つの自己共振周波数が高周波帯に起きるため、それぞれの自己共振周波数帯域で低インピーダンス領域を作ることができることがわかる。図9に示す高周波コンデンサのインピーダンスの周波数特性が本発明に係る高周波電子部品の前記実施の形態における効果をもたらしている。
【0067】
上記実施の形態ではローパスフィルタについて本発明に係る高周波部品として適用したが、他のフィルタやカプラ、ダイプレクサ、アンテナスイッチ、アンプ、ミキサ等、高周波回路で使用される様々な高周波部品に適用可能である。また、チップコンデンサの内部においても本実施の形態で示したコンデンサの構造を適用することが可能である。
【0068】
また、本発明に係る高周波コンデンサ及びそれを用いた高周波電子部品を構成する基板の材料につていは材料に関する限定されるものではなく、セラミック材料で合ってもよく、また樹脂材料であってもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0070】
(1)高周波部品の設計において周波数特性の広帯域化が可能となる高周波コンデンサを提供できる。
【0071】
(2)高周波部品の周波数特性の設計において複数の特定な高周波帯域で低インピーダンス帯域を設定できる高周波コンデンサを提供できる。
【0072】
(3)高周波部品の構成素子に関して、回路形態の変更を行わず、コンデンサパターンを複数構成にするだけであるので、低周波側においては殆ど電気特性を変化させず、高周波側のみ特性を改善することができる。
【0073】
(4)高周波部品の構成素子に関して、回路形態の変更を行わず、コンデンサパターンを複数構成にするだけであるので、極端にパターニング領域が大型化しない。
【0074】
(5)高周波部品の構成素子に関して、回路形態の変更を行わず、コンデンサパターンを複数構成にするだけであるので、信号の挿入損失についても増大することはない。
【0075】
(6)高周波コンデンサを構成する複数のコンデンサを同一誘電体層で形成することにより、製造時において前記誘電体層は同一厚みで形成されるので、前記複数のコンデンサの形成容量がそれぞれの前記複数のコンデンサ間で安定化すると共に、それにより合成される前記高周波コンデンサの容量値も安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波用コンデンサ及びそれを用いた高周波部品の第1の実施の形態であるローパスフィルタ(LPF)の構造を説明した分解斜視図である。
【図2】本発明に係る高周波用コンデンサ及びそれを用いた高周波部品の第1の実施の形態であるローパスフィルタ(LPF)の等価回路を示した図である。
【図3】本発明に係る高周波用コンデンサ及びそれを用いた高周波部品の第1及び第2の実施の形態であるローパスフィルタ(LPF)の外観を示した図である。
【図4】本発明に係る高周波用コンデンサ及びそれを用いた高周波部品の第1の実施の形態であるローパスフィルタ(LPF)の信号入出力に関する周波数特性を示した図である。
【図5】本発明に係る高周波用コンデンサ及びそれを用いた高周波部品の第1の実施の形態であるローパスフィルタ(LPF)の構造の変形例を説明した分解斜視図である。
【図6】本発明に係る高周波用コンデンサ及びそれを用いた高周波部品の第2の実施の形態であるローパスフィルタ(LPF)の構造を説明した分解斜視図である。
【図7】本発明に係る高周波用コンデンサ及びそれを用いた高周波部品の第2の実施の形態であるローパスフィルタ(LPF)の等価回路を示した図である。
【図8】本発明に係る高周波用コンデンサ及びそれを用いた高周波部品の第2の実施の形態であるローパスフィルタ(LPF)の信号入出力に関する周波数特性を示した図である。
【図9】発明に係る高周波コンデンサのインピーダンス特性について説明した図である。
【図10】従来のコンデンサを用いたLPFの構造を説明した分解斜視図である。
【図11】従来のコンデンサを用いたLPFの等価回路を示した図である。
【図12】従来のコンデンサを用いたLPFの外観を示した図である。
【図13】従来のコンデンサを用いたLPFの信号入出力に関する周波数特性を示した図である。
【符号の説明】
11〜17、111〜117 誘電体シート
10、100 LPF
61〜66、511〜513、521〜523 外部電極
50、141、142、146、147、150、241、242、246、247 GND電極パターン
31、36、131、132、136、137、231、232、236、237 コンデンサの電極パターン
134、139、144、149、234、239、244、249 ライン状電極
151、152 切り欠き部
21、22、121、122 コイルの電極

Claims (6)

  1. 複数の誘電体シートにより構成される多層基板に形成される高周波用コンデンサであって、前記高周波用コンデンサは複数のコンデンサにより合成して形成されると共に、前記複数のコンデンサを構成するそれぞれのコンデンサ電極の少なくとも一方の電極は、前記多層基板を構成する誘電体シート上に形成されるライン状の電極によりそれぞれ接続されることを特徴とする高周波用コンデンサ。
  2. 複数の誘電体シートにより構成される多層基板に形成される高周波用コンデンサであって、前記高周波用コンデンサを構成する少なくとも一方の電極は少なくとも1個以上の切り欠き部を有する形状に形成された高周波用コンデンサ。
  3. 前記複数のコンデンサは略同一容量で構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波用コンデンサ。
  4. 前記複数のコンデンサは異なる容量で構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波用コンデンサ。
  5. 前記複数のコンデンサは前記多層基板を構成する同一の誘電体シートを前記複数のコンデンサの誘電体層として含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の高周波用コンデンサ。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の高周波用コンデンサを用いたことを特徴とする高周波電子部品。
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