JP2004060941A - 流体混合ダクトおよび空調装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】断面で示される一定角度範囲、すなわち穴なし部分8を除いてメッシュ状に開けられた多数の穴51を有するパンチングダクト5Aをメインダクト3内に2重ダクト状に設置する。前記穴なし部分8から高温空気流体2が流入するようにダクト4を前記メインダクト3に接続する。これにより、高温空気流体2は、近い距離から流入せず、流体圧力を保持したままで迂回するように低温空気流体1に流入し混合するので、よく混合し温度むらが減少する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温流体と低温流体を混合することにより目的温度の混合流体に変換する流体混合ダクト及びこの流体混合ダクトを備えた空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば低温空気流体と高温空気流体を混合して目的温度の空気流体を作るには、単にそれぞれの空気流体を流すダクトを結合して2つの流体を合流させるだけのものや、あるいは低温空気流体と高温空気流体の混合をよくするために、図5に示すように低温空気流体1を流すメインダクト3内に全面をメッシュ状に穴加工を施した一定長のパンチングダクト5を設置して、このパンチングダクト5を介して高温空気流体2を導入して低温空気流体1に合流させた混合空気流体6を得るようにしたものが用いられている。
【0003】
また、図6に示すようにタービン出口の高温空気流体2のように旋回流7を含む流体を使用する場合も、この高温空気流体2をメインダクト3中のパンチングダクト5に流し、ダクト4中の低温空気流体1をパンチングダクト5内に導入して混合させており、高温空気流体2の旋回流が混合を促進させることに利用されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の流体混合ダクトは上記のように構成されているが、いずれも高温空気流体と低温空気流体を混合した混合空気流体に温度むらが生じるという問題がある。 この原因として、単に高温空気流体と低温空気流体を混合する場合、両流体の合流接触面での熱交換が主となるため、混合部での高温空気流体が流入する側の温度が高く、その反対側は温度が低くなること、また、穴加工を全面に施したパンチングダクトを使用する場合、高温空気流体がパンチングダクトの上部穴から直接低温空気流体に流れ込む量が多く、その混合場所の温度が他の領域よりも高くなり、やはり混合流体の温度分布にむらが生じるという問題がある。
さらにまた、低温空気流体に旋回流が含まれている場合、旋回流が混合促進になんら寄与せず混合効率が悪いという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、混合流体の温度むらが無く、混合効率のよい流体混合ダクトおよび空調装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の流体混合ダクトは、目的流体温度に比して高温または低温の流体を流すメインダクトと、前記目的流体温度をはさんで前記メインダクトを流れる流体温度とは逆に低温または高温の流体を流すダクトを結合すると共に、前記メインダクト内に一部分のみメッシュ状の穴加工が施されていないパンチングダクトを設け、前記ダクト中の流体を前記パンチングダクトの穴加工されていない側から流入させてメインダクト中の流体と混合させるようにしたものである。
また、前記メインダクト中の流体の旋回流を乱す部材を前記パンチングダクト内に設けるようにしたものである。
さらに、本発明の空調装置は上記のような流体混合ダクトを空調室の前段に備えたものである。
本発明の流体混合ダクト及び空気装置は、上記のように構成されており、混合流体中の温度分布むらを無くし、混合効率を向上させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明の流体混合ダクト及び空調装置を図面を参照しながら説明する。図1(a)は、空気を流体とした場合の流体混合ダクトの軸方向断面図、図1(b)は軸に直角なA−A断面図である。本流体混合ダクト11は、低温空気流体1を流す円筒状のメインダクト3と、前記低温空気流体1と混合して目的温度の空気流体に変換するための高温空気流体2を流す円筒状のダクト4と、前記メインダクト3内に2重ダクト状に設置される円筒状のパンチングダクト5Aから構成されている。
【0007】
前記パンチングダクト5Aは、図1(b)に示したように、パンチングダクト5Aの断面の一定角度に相当する範囲に穴なし部分8を設け、それ以外の範囲にメッシュ状に多数の穴51が開けられている。
【0008】
本発明の流体混合ダクト11は上記のように構成されているので、メインダクト3を通過する低温空気流体1とパンチングダクト5Aの穴51を通過する高温空気流体2は、パンチングダクト5A内で混合され、この混合空気流体6は下流側へ供給される。混合空気流体6の温度は、低温空気流体1、高温空気流体2の温度をT1、T2、流量をQ1、Q2とするとおおよそ(T2・Q2/T1・Q1)に比例する。この場合、高温空気流体2は図1に示すようにパンチングダクト5Aの上部から流入せず、側面上部より下方側にある多数の穴51から流入するため、高温空気流体2の圧力が上部で急激に減少せず下方まで一定の圧力が保持されるので、パンチングダクト5A中の低温空気流体1の内部まで高温空気流体2が流入することになり、よく混合されて温度分布のむらが少なくなる。
【0009】
なお、実施例では、低温空気流体1をメインダクト3に、高温空気流体2をダクト4に流しているが、本流体混合ダクト11は、高温空気流体2をメインダクト3に、低温空気流体1をダクト4に流す場合や、流体として液体を使用する場合にも適用でき、混合流体の温度分布むらや混合効率に対し同様の効果を得ることができる。
【0010】
図2(a)は、タービン出口の空気流体のように旋回流7が含まれている高温空気流体2に低温空気流体1を混合して目的温度の混合空気流体6を得るための流体混合ダクト12の軸方向の断面図、図2(b)は軸に直角なB−B断面図である。本流体混合ダクト12は、旋回流7を含む高温空気流体2を流すメインダクト3と、低温空気流体1を流すダクト4と、前記メインダクト3内に2重ダクト状に設置され、前記パンチングダクト5A(図1参照)の内壁に沿い軸方向に一枚以上の細長いベーン52を設けたパンチングダクト5Bから構成されている。
【0011】
本流体混合ダクト12は上記のように構成されているので、高温空気流体2の旋回流7はパンチングダクト5Bの内壁に沿って旋回するが、前記ベーン52にあたると、ベーン52を乗り越えて流れようとし、図2(b)に示すように乱流が発生し、穴51から流入する低温空気流体とよく混合し、温度の伝達が促進されるとともに、温度分布が均一化される。
なお、本流体混合ダクト12は、旋回流7を含む液体と温度差がある液体を混合する場合にも適用でき、同様な効果を得ることができる。
【0012】
図3は、上記流体混合ダクト11を使用した空調装置の構成を示す図である。外気がフィルタ13を介して送風機14によって吸入される。外気は2分されてその一部は冷却器15によって冷却され冷風に、他は加熱コイル16によって加熱され温風に変換される。冷却器15を通過した冷風はダクト17を通して、また、加熱コイル16を通過した温風はダクト18を通して必要箇所まで送風される。そして各空調室20の近辺に前記流体混合ダクト11が設置される。前記ダクト18と前記流体混合ダクト11のダクト4間には風量調節弁19が、空調室20には温度検出器21と温度調節器22が設置されている。
【0013】
前記空調室20の温度が前記温度調節器22の温度設定値より上下に変化すると、前記温度調節器22より空調室20の室温を修正するための制御信号が前記風量調節弁19へ出力され、空調室20の温度が温度設定値に一致するように制御される。空調室20が複数ある場合は、各空調室20の近くに前記流体混合ダクト11、風量調節弁19を設け、温度検出器21、温度調節器22を各空調室20内に設ける。各空調室20の室温は、それぞれの温度調節器22の温度設定値に一致するように制御される。
【0014】
また、図4に示すようにタービン出口からの空気流体のように旋回流7を含む低温空気流体1を空調装置に利用する場合は、ダクト17にこの低温空気流体1を流し、ダクト18に高温空気流体2を流すと共に、これら2つの流体を混合する流体混合ダクト12(図2参照)と風量調節弁19を各空調室20の近傍に、温度検出器21と温度調節器22を各空調室20内に設ける。低温空気流体1をメインダクト3に接続しておくことにより含まれている旋回流7が前記流体混合ダクト12内で乱流となり高温空気流体2とよく混合する。各空調室20の室温は、それぞれの温度調節器22の温度設定値に一致するように制御される。
【0015】
【発明の効果】
本発明による空気混合ダクト及び空調装置は、以上説明したとおり構成されているので、高温空気と低温空気を混ぜて温度調節をするときに、ダクト断面内で温度分布にむらができにくくなる。すなわち、効率よく均一な温度分布を持つ流れを作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による流体混合ダクト11の構成図である。
【図2】本発明の実施例による流体混合ダクト12の構成図である。
【図3】本発明の実施例による空調装置の構成図である。
【図4】本発明の他の実施例による空調装置の構成図である。
【図5】従来の流体混合ダクトの構成図である。
【図6】流体混合ダクトに流入する旋回流を示す図である。
【符号の説明】
1…低温空気流体
2…高温空気流体
3…メインダクト
4、17、18…ダクト
5、5A、5B…パンチングダクト
6…混合空気流体
7…旋回流
8…穴なし部分
11、12…流体混合ダクト
13…フィルタ
14…送風機
15…冷却器
16…加熱コイル
19…風量調節弁
20…空調室
21…温度検出器
22…温度調節器
51…穴
52…ベーン
Claims (3)
- 目的流体温度に比して高温または低温の流体を流すメインダクトと、前記目的流体温度をはさんで前記メインダクトを流れる流体温度と逆に低温または高温の流体を流すダクトを結合すると共に、前記メインダクト内に一部分のみメッシュ状の穴加工が施されていないパンチングダクトを設け、前記ダクト中の流体を前記パンチングダクトの穴加工されていない側から流入させてメインダクト中の流体と混合させ、目的温度の流体を得るようにしたことを特徴とする流体混合ダクト。
- 前記メインダクト中の流体の旋回流を乱す手段を前記パンチングダクト内に設けたことを特徴とする請求項1記載の流体混合ダクト。
- 請求項1または請求項2記載の流体混合ダクトを空調室の前段に備えたことを特徴とする空調装置。
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JP2002217523A JP3885680B2 (ja) | 2002-07-26 | 2002-07-26 | 流体混合ダクトおよび空調装置 |
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