JP2004060500A - コモンレール圧制御装置及びプログラム並びに記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】コモンレール圧を精度良く制御して、エミッションやドライバビリティの低下を防止することができるコモンレール圧制御装置及びプログラム並びに記録媒体を提供すること。
【解決手段】目標コモンレール演算部A1にて、目標コモンレール圧を算出する。ポンプF/B制御部A2では、目標コモンレール圧と実コモンレール圧との差を低減する様に、燃料噴射ポンプ9の吐出量指令値を算出する。吐出量−駆動電流変換部A3では、目標ポンプ吐出量と駆動電流の特性を多項式近似した駆動電流算出式を用いて、吐出量指令値から駆動電流指令値を算出する。ソフト電流F/B制御部A4では、駆動電流のフィードバック制御を行う。そして、駆動電流により調量弁33が作動し、必要な燃料量が燃料噴射ポンプ9に供給される。燃料噴射ポンプ9では、供給された燃料量を圧送してコモンレール7に供給する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関にコモンレールを介して高い圧力の燃料を供給するコモンレール圧制御装置及びプログラム並びに記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両には、内燃機関(例えばディーゼル機関)に供給する燃料量を制御するために、内燃機関の回転に同期して燃料の吸入・吐出を行う燃料噴射ポンプが設けられており、燃料噴射ポンプからの燃料の吐出状態は、燃料噴射ポンプに吸入される燃料量を調節することにより制御される。
【0003】
この種の装置では、燃料タンクから燃料を汲み出すフィードポンプから燃料噴射ポンプに到る燃料供給経路に、調量弁が設けられており、この調量弁の開口面積などを制御することにより、燃料噴射ポンプへの燃料量が調節される。
また、燃料噴射ポンプから吐出される高圧の燃料は、(複数のインジェクタが接続された)コモンレールに供給されており、各インジェクタを開閉駆動することにより、高圧の燃料が内燃機関の気筒内に噴射供給される。
【0004】
前記コモンレール内の燃料の圧力(コモンレール圧)は、インジェクタから噴射供給される燃料量に影響するので、コモンレール圧を圧力センサによりチェックし、所望のコモンレール圧となる様に調量弁が制御される。
この調量弁は、ソレノイドにより駆動される電磁弁であり、ソレノイドに通電する電流量によって流路の開口面積が調節され、それにより、燃料噴射ポンプに供給する燃料量、ひいてはコモンレールに供給される燃料の圧力の調節が行われる。
【0005】
つまり、燃料噴射ポンプの目標ポンプ吐出量を実現するために(従って目標コモンレール圧を実現するために)、ソレノイドの駆動電流が制御されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した技術では、駆動電流は、目標ポンプ吐出量とエンジン回転数をパラメータとした2次元マップにより演算されるが、目標ポンプ吐出量と駆動電流との関係(特性)は非線形であるため、実際の制御において問題が生じることがあった。
【0007】
つまり、目標ポンプ吐出量から駆動電流への変換には、実際の特性を近似したマップ及びマップ補間が用いられるが、例えば図1(a)に点線で示す様に、補間ポイントBの前後で、特性(従って特性を示す傾き)が大きく変化することがある。
【0008】
よって、図1(b)に点線で示す様に、目標ポンプ吐出量−駆動電流の特性の微分値に連続性が無く、ステップ状に変化している。そのため、特性の変化が大きい領域(B点近傍)では、図1(c)に点線で示す様に、コモンレール圧の変動が大きく、制御が振動的になり易いという問題があった、
その結果、コモンレール圧の安定性に問題が生じ、噴射の安定性にも影響を与えてしまう。
【0009】
つまり、コモンレール圧を精度良く制御できなければ、噴射量を精度良く制御できず、結果として、エミッションやドライバビリティが悪化するという問題があった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、コモンレール圧を精度良く制御して、エミッションやドライバビリティの低下を防止することができるコモンレール圧制御装置及びプログラム並びに記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明は、フィードポンプから供給された燃料を吸入するとともに、該吸入した燃料を内燃機関に噴射供給可能な高圧に加圧して、コモンレール側に吐出する燃料噴射ポンプと、前記コモンレールに到る燃料供給路に設けられ、前記燃料の供給状態を自身への駆動電流により調節する電磁弁と、を備えた燃料噴射装置に対して、前記コモンレール圧を目標値に制御するために、前記燃料噴射ポンプの目標ポンプ吐出量を求め、該目標ポンプ吐出量となるように、前記電磁弁への駆動電流を制御するコモンレール圧制御装置に関するものである。
【0011】
そして、本発明では、前記目標ポンプ吐出量と前記駆動電流との関係を近似した多項式を用い、前記目標ポンプ吐出量から前記電磁弁への駆動電流を求めることを特徴としている。
本発明では、従来の様なマップ補間を用いるのではなく、図1(a)に実線で示す様に、目標ポンプ吐出量と駆動電流との関係(特性)を多項式で近似するので、図1(b)に実線で示す様に、その多項式で近似した特性の微分値も滑らかに変化する。
【0012】
つまり、本発明では、実際の特性に近い多項式の近似式を用いて駆動電流を求めるので、目標ポンプ吐出量−駆動電流の特性の微分値に連続性がある。そのため、前記駆動電流によって電磁弁を作動させることにより、特性の変化が大きい領域(例えばB点近傍)でも、図1(c)に実線で示す様に、コモンレール圧の変動が少なく、制御が振動的になり難い。よって、コモンレール圧が安定性するので、噴射の安定性も高いという利点がある。
【0013】
従って、本発明では、コモンレール圧を精度良く制御できるので、噴射量を精度良く制御でき、結果として、エミッションやドライバビリティが向上するという顕著な効果を奏する。
尚、前記駆動電流を制御する場合には、駆動電流の電流量や電流値を制御する方法が挙げられる。
【0014】
(2)請求項2の発明では、前記多項式は、2次以上の一元高次多項式であることを特徴としている。
本発明は、多項式を例示したものであり、その多項式が、2次以上の一元高次多項式である場合には、実際の特性に沿った近似を行うことができ、特性の変化が大きな領域でも、コモンレール圧の変動が少なく好適である。
【0015】
尚、多項式としては、例えば4次以上の多項式が一層好適である。
(3)請求項3の発明では、前記多項式は、目標ポンプ吐出量と前記駆動電流との関係を示す多数のデータに対して、最小2乗近似を実施することにより求めることを特徴としている。
【0016】
本発明は、どのようにして多項式近似を行うかを例示したものである。
本発明では、実験等により求めた多くのデータ点に対して、(例えば近似用のソフトを用いて)周知の最小2乗法を利用して多項式の近似式を求めるので、データの特性を的確に表すような所望の次数の多項式を、容易に求めることができる。
【0017】
(4)請求項4の発明では、前記電磁弁は、前記フィードポンプから前記燃料噴射ポンプへの燃料供給路に設けられて、前記燃料噴射ポンプに吸入される燃料を調量する調量弁であることを特徴としている。
本発明は、電磁弁を例示したものである。
【0018】
この電磁弁を用いることにより、燃料噴射ポンプへ供給する燃料量、ひいてはコモンレール圧を制御することができる。
(5)請求項5の発明では、前記電磁弁は、前記駆動電流に応じて開口面積が変化する電磁弁であることを特徴としている。
【0019】
本発明は、電磁弁を例示したものである。
この電磁弁のソレノイドに通電する駆動電流を、例えばデューティ制御することにより、電磁弁の開口面積、ひいては、燃料噴射ポンプへ供給する燃料量やコモンレール圧を制御することができる。
【0020】
(6)請求項6の発明(プログラム)は、前記請求項1〜5のいずれかに記載のコモンレール圧制御装置の機能を実現するための手段を有している。
上述した様なプログラムをコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。
【0021】
(7)請求項7の発明(記録媒体)は、前記請求項6に記載のプログラムの機能を実現するための手段を記憶している。
前記プログラムの場合、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAM等をコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAM等をコンピュータシステムに組み込んで用いても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のコモンレール圧制御装置及びプログラム並びに記録媒体の実施の形態の例(実施例)を説明する。
(実施例)
本実施例のコモンレール圧制御装置は、電磁弁のソレノイドに通電する駆動電流をデューティ制御することにより、燃料噴射ポンプのポンプ吐出量、ひいてはコモンレール圧を制御するものである。
【0023】
a)まず、本実施例のコモンレール圧制御装置を備えた蓄圧式燃料噴射装置について説明する。
図1に示す様に、蓄圧式燃料噴射装置1は、6気筒のディーゼル機関3の各気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁(インジェクタ)5と、インジェクタ5に供給する高圧燃料を蓄える蓄圧室(コモンレール)7と、コモンレール7に高圧燃料を圧送する燃料供給装置9と、これらを制御する電子制御装置(ECU)11とを備えている。
【0024】
前記ECU11は、周知のCPU、ROM、RAM等を中心とするマイクロコンピュータ(マイコン)からなり、エンジン回転数(NE)を検出する回転数センサ13、アクセルペダル15の開度(ACC)を検出するアクセルセンサ17、コモンレール圧(PC)を検出するコモンレール圧センサ19等が接続されている。
【0025】
このECU11は、ディーゼル機関3の運転状態を表す各種のパラメータ(NE、ACC、PC等)を取り込み、ディーゼル機関3の燃焼状態を、この検出された運転状態に応じた最適状態に制御するために、目標燃料圧力(目標コモンレール圧)を算出し、コモンレール圧センサ19にて検出された実燃料圧力(実コモンレール圧)が目標コモンレール圧と一致するように、燃料供給装置9を駆動制御する。即ち、コモンレール圧のフィードバック(F/B)制御を行う。尚、このECU11により、コモンレール圧制御装置の機能が実現されている。
【0026】
前記燃料供給装置9は、ECU11からの制御指令に従って、燃料タンク21に蓄えられた燃料を汲み出すフィードポンプ23からの低圧燃料を吸入するとともに、この吸入した燃料を高圧に加圧し、加圧後の高圧燃料を、給油配管25を介してコモンレール7に圧送する。
【0027】
一方、各インジェクタ5は、配管27によって、高圧燃料を蓄圧したコモンレール7と連結されている。そして、各インジェクタ5に配設されたコントロール弁29を開閉動作することで、コモンレール7にて蓄圧された高圧燃料が、ディーゼル機関3の各気筒の燃焼室内へ噴射される。
【0028】
b)次に、前記燃料供給装置9について説明する。
図3に示す様に、燃料供給装置9は、燃料噴射ポンプ(ロータリポンプ)31と、ロータリポンプ31に吸入される燃料量(吸入燃料量)を調量する調量弁33とから構成されている。
【0029】
ロータリポンプ31は、ディーゼル機関3の回転軸に連結された駆動軸35と、駆動軸35の周囲に120度間隔で配置された3個のシリンダ37a〜cと、各シリンダ37a〜c内に配置された各プランジャ39a〜cとを備えている。そして、このロータリポンプ31により、燃料供給装置9からコモンレール7に対して、ディーゼル機関3の1回転当たりに3回の割で、高圧燃料が供給されることになる。
【0030】
一方、調量弁33は、ロータリポンプ20の各シリンダ37a〜c内に燃料を供給する際に、各シリンダ37a〜c内に流入する燃料量(吸入燃料量)を調量する電磁弁であり、ロータリポンプ20への燃料供給経路の一部を形成するシリンダ41と、シリンダ41内に配置されてシリンダ41を通過する燃料量を調量する弁体43と、弁体43の摺動位置を電磁力により変化させるソレノイド45とを備えている。
【0031】
そして、シリンダ41の吸入孔41aの開口面積は、弁体43の位置に応じて変化することから、シリンダ41内にて、弁体43の摺動位置をソレノイド45により調節することにより、調量弁33を通ってロータリポンプ20に吸入される燃料量を調量することができる。
【0032】
前記調量弁33では、ソレノイド45への通電を遮断すれば、スプリング47の付勢力により、弁体43が同図左方向に移動して開口面積が最大となり、ロータリポンプ20への吸入燃料量を最大にすることができる。
また、ソレノイド45への通電時には、ソレノイド45が発生する電磁力により、弁体43がソレノイド45側(同図右方向)に移動するので、吸入孔41aがソレノイド45への通電電流量(具体的には電流値:駆動電流)に応じて徐々に閉じられることになる。
【0033】
従って、ソレノイド45への駆動電流を多くすればするほど、ロータリポンプ20への吸入燃料量を少なくすることができる。
c)次に、上述したハード構成を駆動するための制御システムについて説明する。
【0034】
尚、図3では、主としてECU11、特にコモンレール圧制御装置に相当する部分(点線の枠内)を機能的に示しており、この動作に関する処理は、ロータリポンプ20の燃料吐出周期に同期して、ディーゼル機関の120°CA毎に実行される。
【0035】
図3に示す様に、本実施例では、目標コモンレール演算部A1にて、図示しない周知の制御量演算処理にて、ディーゼル機関3の回転数やアクセル開度に基づいて、所望の運転状態(例えば目標とするエンジン回転数)を実現するために、目標コモンレール圧を算出する。
【0036】
次に、ポンプF/B制御部A2では、燃料噴射ポンプ9の燃料吐出量(従ってコモンレール圧)のフィードバック制御を行う。つまり、目標コモンレール圧とコモンレール圧センサ19にて検出された実コモンレール圧との差に基づいて、目標コモンレール圧を実現する様に、燃料噴射ポンプ9の吐出量指令値を算出する。
【0037】
次に、吐出量−駆動電流変換部A3では、後述する駆動電流算出式(1)を用いて、吐出量指令値から駆動電流指令値(電流値)を算出する。
次に、ソフト電流F/B制御部A4では、駆動電流のフィードバック制御を行う。つまり、駆動電流指令値と実駆動電流(電流値)との差に基づいて、駆動電流指令値を実現するように、駆動電流デューティ指令値を算出する。
【0038】
この駆動電流デューティ指令値は、調量弁33のソレノイド45を駆動するSCV回路に供給され、駆動電流のデューティ制御が実施される。尚、この時の実駆動電流が、前記駆動電流のフィードバック制御に用いられる。
そして、前記駆動電流によりソレノイド45が駆動されて調量弁33が作動し、それによって、駆動弁33の開口面積が調節されて、必要な燃料量が燃料噴射ポンプ9に供給される。燃料噴射ポンプ9では、供給された燃料量を圧送してコモンレール7に供給し、これにより、目標とするコモンレール圧が実現される。
【0039】
尚、この実現されたコモンレール圧が、前記吐出量のフィードバック制御に用いられる。
この様に、本実施例では、コモンレール圧センサ9にて検出された実コモンレール圧が、(目標コモンレール圧算出部A1にて算出された)目標コモンレール圧となるように、(ポンプF/B制御部A2にて)吐出量指令値を算出し、この吐出量指令値を(吐出量−駆動電流変換部A3にて)駆動電流指令値に変換し、(ソレノイド45に流れる)実駆動電流がこの駆動電流指令値となるように、(ソフト電流F/B制御部A4にて)駆動デューティ指令値を算出し、この駆動デューティ指令値による駆動電流をソレノイド15に通電する。
【0040】
これにより、調量弁33の開口面積を調節し、燃料噴射ポンプ9のポンプ吐出量、ひいてはコモンレール圧を制御する。
d)次に、本実施例の要部である多項式近似を行う手順を説明する。
本実施例では、目標ポンプ吐出量と駆動電流との関係を実験等によりデータとして求め、このデータに対する最小2乗近似を、5次の多項式にて近似したものである。
【0041】
この多項式近似を行う場合には、データ及び何次で近似するかを、周知の演算ソフトを組み込んだ演算装置に入力することにより、自動的に近似する多項式を求めることができる。
例えば回転数1000rpmにおける5次の多項式近似を行うと、その近似多項式(駆動電流算出式)は下記(1)のようになる。
Figure 2004060500
この近似多項式をグラフで示すと、図5(a)に示すものとなる。尚、同図の実線が近似多項式のグラフを示し、点線が従来のマップにより得られるグラフを示す。
【0042】
一見したところ、両者は同じグラフのように見えるが、実際には(拡大して見ると前記図1(a)の様に)、マップの方は、直線が多くのポイントで折れ曲がったグラフであるが、近似多項式の方は、特性が急変することなく、そのグラフが滑らかに変化している。
【0043】
更に、前記図5(a)のマップのグラフ及び近似多項式のグラフを微分したものを、図5(b)に示す。尚、同図の実線が近似多項式によるもの(微分後の4次式)を示し、点線が従来のマップによるもの(微分後の階段状)を示す。
図5(b)から明らかな様に、マップ(マップ補間)に得られるグラフは、その微分値は階段状に変化するので、目標ポンプ吐出量が同じだけ変化した場合でも、その変化する位置によっては、駆動電流の変化の違いが極めて大きくなる。つまり、駆動電流が変化しない領域と急激に変化する領域(階段状に変化する箇所)があるので、駆動電流の変化が著しい。
【0044】
それに対して、本実施例では、特性のグラフを微分した値が滑らかに変化しており、そのため、目標ポンプ吐出量が変化しても、従来よりは、駆動電流が急変しないことが分かる。
また、前記と同様に、回転数4000rpmにおける5次の多項式近似を行って、その近似多項式を求め、そのグラフを図6(a)に示す。更に、図6(a)のグラフを微分したものを図6(b)に示す。尚、同図の実線が近似多項式のグラフを示し、点線が従来のマップにより得られるグラフを示す。
【0045】
これらの図5及び図6グラフからも、本実施例では、どの目標ポンプ吐出量の変化領域において、目標ポンプ吐出量が変化しても、従来よりは、駆動電流が急変しないこと(即ち階段状に急変しないこと)が分かる。
e)次に、本実施例の効果について説明する。
【0046】
本実施例では、従来の様なマップ(マップ補間)を用いるのではなく、最小2乗法を利用して、実際の多数のデータから、目標ポンプ吐出量と駆動電流との関係を2次以上の1元高次多項式(例えば5次多項式)で近似している。
つまり、実際の特性に近い多項式の近似式を用いるので、その多項式によって得られるグラフは滑らかであり、目標ポンプ吐出量−駆動電流の特性の微分値に連続性がある。
【0047】
従って、前記近似多項式によって目標ポンプ吐出量から駆動電流を求め、その駆動電流により調量弁33を作動させることにより、特性の変化が大きい領域でも、コモンレール圧の変動が少なく、制御が振動的になり難いという利点がある。よって、コモンレール圧が安定性するので、噴射の安定性も高くなる。
【0048】
そのため、本実施例では、コモンレール圧を精度良く制御できるので、噴射量を精度良く制御でき、結果として、エミッションやドライバビリティが向上するという顕著な効果を奏する。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0049】
(1)例えば、本発明は、ディーゼル機関に設けられた燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御する装置に適用できるのはいうまでもないが、例えばガソリンを内燃機関の気筒内に直接噴射する直噴式のガソリンエンジン等、ディーゼル機関以外の内燃機関に燃料を噴射供給するための装置にも適用できる。
【0050】
(2)また、前記実施例では、コモンレール圧制御装置について述べたが、それらに限らず、上述したアルゴリズムに基づく処理を実行させるプログラムやそのプログラムを記憶している記録媒体にも適用できる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。つまり、上述したコモンレール圧制御装置の処理を実行させることができるプログラムを記憶したものであれば、特に限定はない。
【0051】
尚、前記プログラムは、単に記録媒体に記憶されたものに限定されることなく、例えばインターネットなどの通信ラインにて送受信されるプログラムにも適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を示し、(a)は目標ポンプ吐出量−駆動電流の特性を示すグラフ、(b)は特性の微分値を示すグラフ、(c)は本発明の効果を例示するグラフである。
【図2】実施例のコモンレール圧制御装置を備えた蓄圧式燃料噴射装置を示す説明図である。
【図3】実施例における燃料供給装置を示す説明図である。
【図4】実施例における制御システムを示す説明図である。
【図5】(a)は1000rpmにおける目標ポンプ吐出量−駆動電流の特性を示すグラフ、(b)は特性の微分値を示すグラフである。
【図6】(a)は4000rpmにおける目標ポンプ吐出量−駆動電流の特性を示すグラフ、(b)は特性の微分値を示すグラフである。
【符号の説明】
1…蓄圧式燃料噴射装置
3…ディーゼル機関
5…燃料噴射弁(インジェクタ)
7…蓄圧室(コモンレール)
9…燃料供給装置
11…電子制御装置(ECU)
13…回転数センサ
17…アクセルセンサ
19…コモンレール圧センサ
21…燃料タンク
23…フィードポンプ
31…燃料噴射ポンプ(ロータリポンプ)
33…調量弁

Claims (7)

  1. フィードポンプから供給された燃料を吸入するとともに、該吸入した燃料を内燃機関に噴射供給可能な高圧に加圧して、コモンレール側に吐出する燃料噴射ポンプと、
    前記コモンレールに到る燃料供給路に設けられ、前記燃料の供給状態を自身への駆動電流により調節する電磁弁と、
    を備えた燃料噴射装置に対して、
    前記コモンレール圧を目標値に制御するために、前記燃料噴射ポンプの目標ポンプ吐出量を求め、該目標ポンプ吐出量となるように、前記電磁弁への駆動電流を制御するコモンレール圧制御装置において、
    前記目標ポンプ吐出量と前記駆動電流との関係を近似した多項式を用い、前記目標ポンプ吐出量から前記電磁弁への駆動電流を求めることを特徴とするコモンレール圧制御装置。
  2. 前記多項式は、2次以上の一元高次多項式であることを特徴とする前記請求項1に記載のコモンレール圧制御装置。
  3. 前記多項式は、目標ポンプ吐出量と前記駆動電流との関係を示す多数のデータに対して、最小2乗近似を実施することにより求めることを特徴とする前記請求項1又は2に記載のコモンレール圧制御装置。
  4. 前記電磁弁は、前記フィードポンプから前記燃料噴射ポンプへの燃料供給路に設けられて、前記燃料噴射ポンプに吸入される燃料を調量する調量弁であることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のコモンレール圧制御装置。
  5. 前記電磁弁は、前記駆動電流に応じて開口面積が変化する電磁弁であることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載のコモンレール圧制御装置。
  6. 前記請求項1〜5のいずれかに記載のコモンレール圧制御装置の機能を実現するための手段を有することを特徴とするプログラム。
  7. 前記請求項6に記載のプログラムの機能を実現するための手段を記憶していることを特徴とする記録媒体。
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KR100559430B1 (ko) * 2004-03-05 2006-03-10 기아자동차주식회사 가변 지오메트리 터보 차저 장착 차량의 레일 압력 보상제어방법
CN105229293A (zh) * 2013-06-28 2016-01-06 五十铃自动车株式会社 共轨式燃料喷射装置的控制装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100559430B1 (ko) * 2004-03-05 2006-03-10 기아자동차주식회사 가변 지오메트리 터보 차저 장착 차량의 레일 압력 보상제어방법
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