JP2004058884A - 航空コンテナ運搬用のトレーラ - Google Patents
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Abstract
【課題】第1に、車輪,車軸,サスペンション等の点検,整備,交換が容易で、足回りのメインテナンス性が向上し、第2に、コストが軽減され、軽量化が実現される等、コスト面や重量面に優れ、第3に、高速走行も可能となる、航空コンテナ運搬用のトレーラを提案する。
【解決手段】このトレーラ6は、航空コンテナAの運搬用に空港で使用され、トラクタ7にて牽引される。そして荷台8が、複数個の航空コンテナAの積載に必要な、必要長さLと必要幅Wを、少なくとも備えてなると共に、積込みや荷卸しの便と積載時の全高制限とに鑑み、荷台8の地上高さが、低く設定されている。そして車輪20は、荷台2の必要幅Wの外側に位置すると共に、外径が、荷台2の地上高さ寸法より大きく、径大なものが用いられている。このような車輪20が、2軸4輪よりなる後輪の車軸14の左右に、取り付けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】このトレーラ6は、航空コンテナAの運搬用に空港で使用され、トラクタ7にて牽引される。そして荷台8が、複数個の航空コンテナAの積載に必要な、必要長さLと必要幅Wを、少なくとも備えてなると共に、積込みや荷卸しの便と積載時の全高制限とに鑑み、荷台8の地上高さが、低く設定されている。そして車輪20は、荷台2の必要幅Wの外側に位置すると共に、外径が、荷台2の地上高さ寸法より大きく、径大なものが用いられている。このような車輪20が、2軸4輪よりなる後輪の車軸14の左右に、取り付けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空コンテナ運搬用のトレーラに関する。すなわち、航空コンテナの運搬用に空港で使用され、トラクタにて牽引されるトレーラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
《技術的背景》
図3,図4,図5は、この種従来例の航空コンテナ運搬用のトレーラの説明に供する。そして、図3は平面図、図4は側面図、図5は足回りの要部底面図である。
空港では、航空コンテナAの運搬用のトレーラ1が、従来より使用されている。そして、トラクタにて牽引走行されるこの種のトレーラ1は、空港で使用され、航空コンテナAを積載することに鑑み、荷台2に一定の要求仕様がある。
すなわち、その荷台2は、複数個の航空コンテナAを積載するのに要する、必要長さLと必要幅Wを備えてなると共に、積込みや荷卸しの便と積載時の空港内での全高制限により、地上高さHが制限されている(例えば575mm)。
【0003】
《従来技術》
ところで、この種従来例のトレーラ1では、車輪3が荷台2の下に配設されていたので、上記全高制限に鑑み、外径が径小な車輪3が使用されていた。代表的には、タイヤ径Dが465mmの車輪3が使用されていた。
そして、このように車輪3が径小であり、その分、1本当たりの許容耐荷重も小さいので、耐荷重能力上、その使用本数を多くする必要があり、従来例では、12本の車輪3が使用されていた。
すなわち、この種従来例のトレーラ1では、小径の車輪3が、2軸6輪で、荷台2下の左右両側に、それぞれ配設されていた。車輪3は、左右で個々別々の車軸4を使用しつつ、それぞれ2軸6輪で左右に6本ずつ配設され、計12本配設されていた。
【0004】
なお、上述したこの種従来例のトレーラ1において、車輪3の耐荷重能力については、次のとおり。まず前提として、トレーラ1では、前端部下のキングピンが、前軸となり、後部下の車輪3や車軸4が、後軸となる。
そして、後軸にかかる総荷重は、17,350kgf程度となっていた。つまり、荷台2,積載された各航空コンテナA,車軸4,エアーサスペンション5等々の総重量は、特に、荷台2下の狭い所に配設されるエアーサスペンション5等の緩衝装置の構造が特殊・複雑であること等に起因して、かなりの重量となっていた。
これに対し、後輪に使用されている径小の車輪3の1本の許容耐荷重は、1,830kgfであるので、12本合計の耐荷重能力は、21,960kgfとなる。そこで、後輪・後軸について、21,960kgf>17,350kgf、つまり耐荷重能力>総荷重となり、後軸総荷重を上回る耐荷重能力を、後輪が備えていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
《第1の問題点について》
ところで、このような従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。第1に、この種従来例のトレーラ1は、荷台2下の左右両側に、それぞれ、2軸6輪用の車輪3,車軸4,エアーサスペンション5等が配設されていたので、後輪・後軸の足回りのメンテナンス性が悪い、という問題が指摘されていた。
すなわち、僅かな地上高さHしかなく、低く狭いスペースに、多数の車輪3や、複雑なエアーサスペンション5が配設されていたので、これらの点検,整備,交換が容易でなかった。特に、左右の2軸6輪の内側の車輪3回りのメインテナンスは、非常に面倒であった。
【0006】
《第2の問題点について》
第2に、コスト面や重量面にも、問題が指摘されてた。すなわち、後軸にて使用される車輪3は、タイヤ径Dが例えば465mmと径小な特殊タイプであると共に、12本と多数本が必須的に使用されていた。又、車軸4もこれに伴い特殊であり、更に、使用されるエアーサスペンション5等の緩衝装置も、狭い条件下での使用であることも加わり、非常に特殊な構造よりなり、その取り付けも複雑であった。
このように、この種従来例のトレーラ1は、後輪・後軸の足回わりについて市販品・汎用品が使えず、コスト高となると共に、重量増が顕著である、という問題が指摘されていた。
【0007】
《第3の問題点について》
第3に、走行速度が制限される、という問題も指摘されていた。すなわち、後輪の車輪3として、タイヤ径Dが例えば465mmのものが使用されていたので、この種従来例のトレーラ1は、走行速度が35km/h以下に制限されていた。つまり、径小の車輪3の採用に伴い、規格上、高速走行は不可とされていた。
【0008】
《本発明について》
本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものである。そして車輪を、荷台必要幅の外側に位置せしめると共に、径大なものを採用し、もって、左右共通の車軸を用いた2軸4輪の後輪として使用したこと、を特徴とする。
もって本発明は、第1に、足回りのメインテナンス性が向上し、第2に、コスト面や重量面に優れ、第3に、高速走行も可能となる、航空コンテナ運搬用のトレーラを提案することを、目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず請求項1については、次のとおり。請求項1の航空コンテナ運搬用のトレーラは、航空コンテナの運搬用に空港で使用され、トラクタにて牽引される。
その荷台は、複数個の該航空コンテナを積載するのに必要な必要長さと必要幅を、少なくとも備えてなると共に、積込みや荷卸しの便と積載時の全高制限とに鑑み、該荷台の地上高さが低く設定されている。
そして、その車輪は、該荷台の必要幅の外側に位置すると共に、該車輪の外径が、該荷台の地上高さ寸法より大きく、径大なものが用いられていること、を特徴とする。
請求項2については、次のとおり。請求項2の航空コンテナ運搬用のトレーラは、請求項1において、該車輪は、2軸4輪よりなる後輪で使用されると共に、該前後2軸は、それぞれ左右共通の車軸よりなり、該車輪は、該車軸の左右にそれぞれ取り付けられていること、を特徴とする。
【0010】
請求項3については、次のとおり。請求項3の航空コンテナ運搬用のトレーラは、請求項2において、該荷台の地上高さは、500mm程度から600mm程度よりなり、該車輪の外径は、1,000mm前後程度よりなること、を特徴とする。
請求項4については、次のとおり。請求項4の航空コンテナ運搬用のトレーラは、請求項3において、該荷台について、該必要幅の左右外側下に配された左右フレームたるシャーシは、後部が部分的に上方に迂回折曲せしめられている。そして、迂回折曲した左右の該シャーシ下の空間に、それぞれ該車輪が配されていること、を特徴とする。
【0011】
《作用》
本発明は、このようになっているので、次のようになる。
▲1▼このトレーラは、空港で使用され、航空コンテナを積込んで、運搬して、荷卸しする。
▲2▼その荷台の長さや幅は、少なくとも航空コンテナ積載用の必要長さと必要幅を備えて設定され、地上高さは、全高制限に鑑み、500mm〜600mm程度と低く設定されている。
▲3▼そして車輪が、荷台の必要幅の外側、つまり荷台の航空コンテナ積載用の必要幅を挟んで、その左右外側に配設されている。
▲4▼このように、荷台の下ではなく外側に位置するので、外径が1,000mm前後程の径大な車輪を使用可能となり、荷台の地上高さ寸法より大きい一般の車輪を使用可能となる。
▲5▼径大な車輪は、許容耐荷重が大であり使用本数が少なくて済むので、2軸4輪の後輪として使用されると共に、左右共通の車軸に取り付けられる。
▲6▼このトレーラでは、2軸4輪の車輪が、低く狭い荷台下ではなく、荷台の外側に配設されているので、車輪,車軸,サスペンションの点検,整備,交換等のメインテナンスが、簡単容易である。
▲7▼又、車輪は、タイヤ径が1,000mm程度と径大な汎用タイプのものが、少数本使用される。又、車軸,サスペンション等も、このような車輪と共に使用され、かつスペースも十分あるので、簡単な汎用タイプのものが使用され、その取り付けも容易である。このように、足回りの構成部材ついて、特殊タイプのものを使用する必要はない。
▲8▼更に、径大な車輪が使用されるので、高速走行が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
《図面について》
以下本発明を、図面に示す発明の実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2は、本発明に係る航空コンテナ運搬用のトレーラについて、実施の形態の説明に供する。
そして図1は、荷台シャーシ上に沿った平断面図である。図2は、側面図である。
【0013】
《トレーラ6の概要について》
まず、この航空コンテナA運搬用のトレーラ6の概要について、述べる。このトレーラ6は、航空コンテナAの運搬用に空港で使用され、トラクタ7にて牽引される。
そして荷台8が、複数個の航空コンテナAを積載するのに必要な、必要長さLと必要幅Wを、少なくとも備えてなる。これと共に、積込みや荷卸しの便と積載時の全高制限とに鑑み、荷台8の地上高さHが、500mm程度〜600mm程度と低く設定されている。
【0014】
このようなトレーラ6について、更に詳述する。まず、このトレーラ6は、主に空港内で使用されるが、空港外の周辺でも使用可能である。
そして、空港で使用されるという特殊な地域性、および航空コンテナAという特殊な貨物を積載することに鑑み、その荷台8寸法について、一定の要求仕様がある。
すなわち、このトレーラ6の荷台8は、まず、複数個の航空コンテナA(図示例では、左右に2個で前後に4個の計8個、又は図示例によらず、例えばより大型のものが前後に3個)を積載するのに必要な、必要長さL(例えば10,000mm)と必要幅W(例えば2,720mm)を、少なくとも備えてなる。
すなわち平面において、積載される航空コンテナAの前後長さ寸法や左右横幅寸法の整数倍の値に、若干の寸法をプラスアルファーした値が、それぞれ必要長さLと必要幅Wとされる。そして、図示例の荷台8は、このような必要幅Wを中に挟んで、更に左右外側にそれぞれ、所定幅寸法のサイド幅Yを一体的に備えている。そこで、この必要幅Wとサイド幅Yとを合計した値が、左右の全体幅となる。
これと共に、航空コンテナAの積込みや荷卸しの便と、航空コンテナA積載時の空港内での全高制限に鑑み、必然的に、荷台8の地上高さHが低く制限されている(例えば575mm程度)。すなわち、全高制限の寸法から、航空コンテナAの上下高さ寸法をマイナスした値に、地上高さH寸法が制限されている。なお、地上高さHとは、荷台8表面に取り付けられたローラ9を含む荷台8上面と、地面との間の寸法を言う。
【0015】
そして、このような荷台8を、中央部から後部にかけて備えたトレーラ6は、全体的に上方に折曲された前端部10を介し、トラクタ7に連結されている。
すなわち、トラクタ7の後部フレーム11上には、カプラ12が付設されると共に、トレーラ6の前端部10下面には、キングピン13が垂下設されており、キングピン13がカプラ12に、回動自在に挿入保持されている。
もって、トラクタ7の後部フレーム11上に、トレーラ6の前端部10が枢支され、もってトラクタ7にトレーラ6が左右に揺動可能に連結されている。
【0016】
トレーラ6は、このようなキングピン13を前軸とし、2軸の車軸14を後軸としており、車軸14は、荷台8の後部下に配設されている。
荷台8は、シャーシ15上に表面板16が配されており、表面板16上には、積載される航空コンテナAの位置決め用のストッパやガイド(図示せず)が配設されると共に、ローラ9(ローラパレット)が配設されている。積載された航空コンテナAは、ローラ9にて荷台8上を移動可能であり、図1中に示された前後方向に軸を取って配されたローラ9により、左右方向の積込み,荷卸しも可能となっている。
なお図中、17はトラクタ7の運転室、18は車輪であり、19はトレーラ6の前端部10上の油圧ユニットである。
このトレーラ6は、概略このようになっている。
【0017】
《車輪20等について》
さて、このような航空コンテナA運搬用のトレーラ6において、車輪20が、荷台8の必要幅Wの外側に位置すると共に、車輪20の外径が、荷台8の地上高さH寸法より大きく、径大なものが用いられている。
そして、このような車輪20が、2軸4輪よりなる後輪において使用され、共通の車軸14の左右に、それぞれ取り付けられている。
【0018】
このような車輪20等について、更に詳述する。この車輪20は、荷台8の必要幅W、つまり前述したように航空コンテナAを積載するのに必要な必要幅W(例えば2,720mm)の左右外側に、それぞれ配されている。
図示例では、荷台8について、必要幅Wの左右外側下に配された左右フレームたるシャーシ15が、後部において一部分つまり車輪20の箇所において、それぞれ、車輪20を跨ぐように上方に迂回折曲せしめられている。そして、このように上方に迂回折曲された左右のシャーシ15下に形成された空間E内に、それぞれ、車輪20が前後2個配されている。
つまり図示例において、荷台8の左右の全体幅は、車輪20が配された箇所の平面では、前記必要幅Wだけとなっており、その左右には、前記サイド幅Yと同幅の空間Eが形成されている。これに対し、車輪20の上位や車輪20の前後の全体幅は、必要幅Wに左右のサイド幅Yを加えたものとなっている。
なお、このような図示例によらず、荷台8の全体幅が、すべて必要幅W(例えば2,720mm)に設定されると共に、車輪20を、その左右に突出して配設する例も、可能である。
【0019】
そして車輪20は、その外径つまりタイヤ径Dが、1,000mm前後程度(例えば1,044mm)のものが採用されている。つまり、荷台8の地上高さH寸法(例えば500mm程度〜600mm程度)より大きく、径大なものが採用されている。
そして、このような車輪20が、2軸4輪の後輪として使用されている。すなわち、このトレーラ6の後軸の車軸14は、前後2軸よりなると共に、荷台8の後部下において、左右方向に配設されており、その左右にそれぞれ車輪20が取り付けられ、計4本の車輪20が使用されている。図中21は、このような車輪20にそれぞれ付設されたエアーサスペンションである。
車輪20等は、このようになっている。
【0020】
《作用等について》
本発明に係るトレーラ6は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
▲1▼このトレーラ6は、空港で使用され、トラクタ7にて牽引される。そして、航空コンテナAを荷台8に積込み、運搬して、荷卸しする。
▲2▼このトレーラ6の荷台8は、複数個の航空コンテナAを積載するのに必要な必要長さLや必要幅Wを、少なくとも備えて設定されている。荷台8の地上高さHは、空港での全高制限(積載された航空コンテナAの高さ寸法を含む)に鑑み、500mm〜600mm程度と、極めて低く設定されている。このように、この荷台8は、必要寸法・要求仕様を満たしている。
【0021】
▲3▼これと共に、このトレーラ6にあっては、車輪20が、荷台8の必要幅Wの外側に位置している。つまり車輪20は、荷台8について、航空コンテナAを積載するのに必要な必要幅Wを挟んで、その左右外側に配設されている。
▲4▼このように車輪20は、荷台8の必要幅Wの下(図3,図4,図5の従来例を参照)ではなく、荷台8の必要幅Wの左右外側に位置するので、スペース的な余裕が生じ、径大な車輪20を使用することが可能となる。
すなわち、この車輪20は、荷台8下に位置しないので、上記全高制限に規制されることなく、特に径小な車輪3(図3,図4,図5の従来例を参照)を使用する必要もなく、一般的な外径の車輪20、つまり、荷台8の地上高さH寸法より大きい車輪20、外径が1,000mm前後程度と径大な車輪20を、使用可能となる。
▲5▼このように、径大な車輪20が使用されるので、車輪20の許容耐荷重も大となり、車輪20の使用本数は少なくて済む。そこで、このトレーラ6の後輪は、2軸4輪よりなると共に、2軸の車軸14のそれぞれ左右に、車輪20が取り付けられている。
【0022】
▲6▼さて、このトレーラ6では、2軸4輪の車輪20(使用本数が少なく、しかも左右共通の車軸14に取り付けられた車輪20)が、低く狭い荷台8下(図3,図4,図5の従来例を参照)ではなく、荷台8の必要幅Wの外側に配設されている。
そこで、後輪・後軸の足回りについて、つまり、その車輪20については勿論のこと、車軸14やエアーサスペンション21等の緩衝装置について、点検,整備,交換等のメインテナンスが、簡単容易にスペース的に楽に実施できるようになる。
【0023】
▲7▼又、このトレーラ6において、後輪として使用される車輪20は、タイヤ径Dが1,000mm程度と径大な汎用タイプよりなると共に、4本と少数本使用すればよい。
又、このような汎用タイプの車輪20と共に使用され、しかもスペースも十分あるので、車軸14についても、市販の汎用タイプのものが使用される。更に、エアーサスペンション21等の緩衝装置についても、汎用タイプ構造のものが使用され、その取り付けも簡単である。
このように、後輪・後軸の足回りの構成部材ついて、特殊タイプのもの(図3,図4,図5の従来例を参照)を使用する必要はなく、汎用タイプのものが使用される。
【0024】
▲8▼更にこのトレーラ6は、後輪の車輪20として、タイヤ径Dが1,000mm程度と径大なものが使用されているので、規格上、100km/hまでの高速走行が可能となる。
つまり、径小な車輪3(図3,図4,図5の従来例を参照)を使用した場合のように、走行速度が低速に制限されることはない。
【0025】
《耐荷重能力について》
ここで、図示例のトレーラ6の車輪20の耐荷重能力について、述べておく。まず、後軸にかかる総荷重、つまり2軸の車軸14にかかる総荷重は、12,400kgf程度となり、軽量化が図られている。
すなわち、荷台8,積載された各航空コンテナA,車軸14,エアーサスペンション21等々の総重量は、特にエアーサスペンション21の構造や取り付けが簡単である等により、前述したこの種従来例(17,350kgf)に比し、大きく軽量化されている。
これに対し、後輪にて使用されている径大の車輪20の1本の許容耐荷重は、3,550kgfであるので、4本合計の耐荷重能力は、14,200kgfとなる。そこで、後輪・後軸について、14,200kgf>12,400kgf、つまり耐荷重能力>総荷重となり、後軸総荷重を上回わる耐荷重能力を、後輪が備えている。
【0026】
【発明の効果】
《本発明の特徴》
本発明に係る航空コンテナ運搬用のトレーラは、以上説明したように、車輪を、荷台必要幅の外側に位置せしめると共に、径大なものを採用し、もって、左右共通の車軸を用いた2軸4輪の後輪として使用したこと、を特徴とする。
もって本発明は,次の効果を発揮する。
【0027】
《第1の効果について》
第1に、足回りのメインテナンス性が向上する。すなわち、この航空コンテナ運搬用のトレーラでは、2軸4輪の車輪が、荷台必要幅の外側に位置しているので、車輪,車軸,サスペンション等の点検,整備,交換が容易である。
前述したこの種従来例、すなわち2軸6輪の車輪が荷台下の左右両側に配設されていたこの種従来例に比し、足回りのメインテナンスが容易化される。
【0028】
《第2の効果について》
第2に、コスト面や重量面に優れている。すなわち、この航空コンテナ運搬用のトレーラにおいて、使用される車輪は、径大な汎用タイプであると共に少数本の使用でよく、又、車軸やサスペンションも、汎用タイプを使用できる。
そこで、特殊で複雑なタイプのものを使用していた前述したこの種従来例に比し、コストが軽減されると共に、軽量化が実現される。
【0029】
《第3の効果について》
第3に、高速走行も可能となる。すなわち、この航空コンテナ運搬用のトレーラでは、径大な車輪が使用されており、高速走行が可能である。つまり、径小な車輪を使用していた前述したこの種従来例に比し、高速走行が可能となる。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る航空コンテナ運搬用のトレーラについて、発明の実施の形態の説明に供し、荷台シャーシ上に沿った平断面図である。
【図2】同発明の実施の形態の説明に供する、側面図である。
【図3】この種従来例の説明に供する、平面図である。
【図4】この種従来例の説明に供する、側面図である。
【図5】この種従来例の説明に供し、足回りの要部底面図である。
【符号の説明】
1 トレーラ(従来例のもの)
2 荷台(従来例のもの)
3 車輪(従来例のもの)
4 車軸(従来例のもの)
5 エアーサスペンション(従来例のもの)
6 トレーラ(本発明のもの)
7 トラクタ
8 荷台(本発明のもの)
9 ローラ
10 前端部
11 後部フレーム
12 カプラ
13 キングピン
14 車軸(本発明のもの)
15 シャーシ
16 表面板
17 運転室
18 車輪
19 油圧ユニット
20 車輪(本発明のもの)
21 エアーサスペンション(本発明のもの)
A 航空コンテナ
D タイヤ径
E 空間
H 地上高さ
L 必要長さ
W 必要幅
Y サイド幅
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空コンテナ運搬用のトレーラに関する。すなわち、航空コンテナの運搬用に空港で使用され、トラクタにて牽引されるトレーラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
《技術的背景》
図3,図4,図5は、この種従来例の航空コンテナ運搬用のトレーラの説明に供する。そして、図3は平面図、図4は側面図、図5は足回りの要部底面図である。
空港では、航空コンテナAの運搬用のトレーラ1が、従来より使用されている。そして、トラクタにて牽引走行されるこの種のトレーラ1は、空港で使用され、航空コンテナAを積載することに鑑み、荷台2に一定の要求仕様がある。
すなわち、その荷台2は、複数個の航空コンテナAを積載するのに要する、必要長さLと必要幅Wを備えてなると共に、積込みや荷卸しの便と積載時の空港内での全高制限により、地上高さHが制限されている(例えば575mm)。
【0003】
《従来技術》
ところで、この種従来例のトレーラ1では、車輪3が荷台2の下に配設されていたので、上記全高制限に鑑み、外径が径小な車輪3が使用されていた。代表的には、タイヤ径Dが465mmの車輪3が使用されていた。
そして、このように車輪3が径小であり、その分、1本当たりの許容耐荷重も小さいので、耐荷重能力上、その使用本数を多くする必要があり、従来例では、12本の車輪3が使用されていた。
すなわち、この種従来例のトレーラ1では、小径の車輪3が、2軸6輪で、荷台2下の左右両側に、それぞれ配設されていた。車輪3は、左右で個々別々の車軸4を使用しつつ、それぞれ2軸6輪で左右に6本ずつ配設され、計12本配設されていた。
【0004】
なお、上述したこの種従来例のトレーラ1において、車輪3の耐荷重能力については、次のとおり。まず前提として、トレーラ1では、前端部下のキングピンが、前軸となり、後部下の車輪3や車軸4が、後軸となる。
そして、後軸にかかる総荷重は、17,350kgf程度となっていた。つまり、荷台2,積載された各航空コンテナA,車軸4,エアーサスペンション5等々の総重量は、特に、荷台2下の狭い所に配設されるエアーサスペンション5等の緩衝装置の構造が特殊・複雑であること等に起因して、かなりの重量となっていた。
これに対し、後輪に使用されている径小の車輪3の1本の許容耐荷重は、1,830kgfであるので、12本合計の耐荷重能力は、21,960kgfとなる。そこで、後輪・後軸について、21,960kgf>17,350kgf、つまり耐荷重能力>総荷重となり、後軸総荷重を上回る耐荷重能力を、後輪が備えていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
《第1の問題点について》
ところで、このような従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。第1に、この種従来例のトレーラ1は、荷台2下の左右両側に、それぞれ、2軸6輪用の車輪3,車軸4,エアーサスペンション5等が配設されていたので、後輪・後軸の足回りのメンテナンス性が悪い、という問題が指摘されていた。
すなわち、僅かな地上高さHしかなく、低く狭いスペースに、多数の車輪3や、複雑なエアーサスペンション5が配設されていたので、これらの点検,整備,交換が容易でなかった。特に、左右の2軸6輪の内側の車輪3回りのメインテナンスは、非常に面倒であった。
【0006】
《第2の問題点について》
第2に、コスト面や重量面にも、問題が指摘されてた。すなわち、後軸にて使用される車輪3は、タイヤ径Dが例えば465mmと径小な特殊タイプであると共に、12本と多数本が必須的に使用されていた。又、車軸4もこれに伴い特殊であり、更に、使用されるエアーサスペンション5等の緩衝装置も、狭い条件下での使用であることも加わり、非常に特殊な構造よりなり、その取り付けも複雑であった。
このように、この種従来例のトレーラ1は、後輪・後軸の足回わりについて市販品・汎用品が使えず、コスト高となると共に、重量増が顕著である、という問題が指摘されていた。
【0007】
《第3の問題点について》
第3に、走行速度が制限される、という問題も指摘されていた。すなわち、後輪の車輪3として、タイヤ径Dが例えば465mmのものが使用されていたので、この種従来例のトレーラ1は、走行速度が35km/h以下に制限されていた。つまり、径小の車輪3の採用に伴い、規格上、高速走行は不可とされていた。
【0008】
《本発明について》
本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものである。そして車輪を、荷台必要幅の外側に位置せしめると共に、径大なものを採用し、もって、左右共通の車軸を用いた2軸4輪の後輪として使用したこと、を特徴とする。
もって本発明は、第1に、足回りのメインテナンス性が向上し、第2に、コスト面や重量面に優れ、第3に、高速走行も可能となる、航空コンテナ運搬用のトレーラを提案することを、目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず請求項1については、次のとおり。請求項1の航空コンテナ運搬用のトレーラは、航空コンテナの運搬用に空港で使用され、トラクタにて牽引される。
その荷台は、複数個の該航空コンテナを積載するのに必要な必要長さと必要幅を、少なくとも備えてなると共に、積込みや荷卸しの便と積載時の全高制限とに鑑み、該荷台の地上高さが低く設定されている。
そして、その車輪は、該荷台の必要幅の外側に位置すると共に、該車輪の外径が、該荷台の地上高さ寸法より大きく、径大なものが用いられていること、を特徴とする。
請求項2については、次のとおり。請求項2の航空コンテナ運搬用のトレーラは、請求項1において、該車輪は、2軸4輪よりなる後輪で使用されると共に、該前後2軸は、それぞれ左右共通の車軸よりなり、該車輪は、該車軸の左右にそれぞれ取り付けられていること、を特徴とする。
【0010】
請求項3については、次のとおり。請求項3の航空コンテナ運搬用のトレーラは、請求項2において、該荷台の地上高さは、500mm程度から600mm程度よりなり、該車輪の外径は、1,000mm前後程度よりなること、を特徴とする。
請求項4については、次のとおり。請求項4の航空コンテナ運搬用のトレーラは、請求項3において、該荷台について、該必要幅の左右外側下に配された左右フレームたるシャーシは、後部が部分的に上方に迂回折曲せしめられている。そして、迂回折曲した左右の該シャーシ下の空間に、それぞれ該車輪が配されていること、を特徴とする。
【0011】
《作用》
本発明は、このようになっているので、次のようになる。
▲1▼このトレーラは、空港で使用され、航空コンテナを積込んで、運搬して、荷卸しする。
▲2▼その荷台の長さや幅は、少なくとも航空コンテナ積載用の必要長さと必要幅を備えて設定され、地上高さは、全高制限に鑑み、500mm〜600mm程度と低く設定されている。
▲3▼そして車輪が、荷台の必要幅の外側、つまり荷台の航空コンテナ積載用の必要幅を挟んで、その左右外側に配設されている。
▲4▼このように、荷台の下ではなく外側に位置するので、外径が1,000mm前後程の径大な車輪を使用可能となり、荷台の地上高さ寸法より大きい一般の車輪を使用可能となる。
▲5▼径大な車輪は、許容耐荷重が大であり使用本数が少なくて済むので、2軸4輪の後輪として使用されると共に、左右共通の車軸に取り付けられる。
▲6▼このトレーラでは、2軸4輪の車輪が、低く狭い荷台下ではなく、荷台の外側に配設されているので、車輪,車軸,サスペンションの点検,整備,交換等のメインテナンスが、簡単容易である。
▲7▼又、車輪は、タイヤ径が1,000mm程度と径大な汎用タイプのものが、少数本使用される。又、車軸,サスペンション等も、このような車輪と共に使用され、かつスペースも十分あるので、簡単な汎用タイプのものが使用され、その取り付けも容易である。このように、足回りの構成部材ついて、特殊タイプのものを使用する必要はない。
▲8▼更に、径大な車輪が使用されるので、高速走行が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
《図面について》
以下本発明を、図面に示す発明の実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2は、本発明に係る航空コンテナ運搬用のトレーラについて、実施の形態の説明に供する。
そして図1は、荷台シャーシ上に沿った平断面図である。図2は、側面図である。
【0013】
《トレーラ6の概要について》
まず、この航空コンテナA運搬用のトレーラ6の概要について、述べる。このトレーラ6は、航空コンテナAの運搬用に空港で使用され、トラクタ7にて牽引される。
そして荷台8が、複数個の航空コンテナAを積載するのに必要な、必要長さLと必要幅Wを、少なくとも備えてなる。これと共に、積込みや荷卸しの便と積載時の全高制限とに鑑み、荷台8の地上高さHが、500mm程度〜600mm程度と低く設定されている。
【0014】
このようなトレーラ6について、更に詳述する。まず、このトレーラ6は、主に空港内で使用されるが、空港外の周辺でも使用可能である。
そして、空港で使用されるという特殊な地域性、および航空コンテナAという特殊な貨物を積載することに鑑み、その荷台8寸法について、一定の要求仕様がある。
すなわち、このトレーラ6の荷台8は、まず、複数個の航空コンテナA(図示例では、左右に2個で前後に4個の計8個、又は図示例によらず、例えばより大型のものが前後に3個)を積載するのに必要な、必要長さL(例えば10,000mm)と必要幅W(例えば2,720mm)を、少なくとも備えてなる。
すなわち平面において、積載される航空コンテナAの前後長さ寸法や左右横幅寸法の整数倍の値に、若干の寸法をプラスアルファーした値が、それぞれ必要長さLと必要幅Wとされる。そして、図示例の荷台8は、このような必要幅Wを中に挟んで、更に左右外側にそれぞれ、所定幅寸法のサイド幅Yを一体的に備えている。そこで、この必要幅Wとサイド幅Yとを合計した値が、左右の全体幅となる。
これと共に、航空コンテナAの積込みや荷卸しの便と、航空コンテナA積載時の空港内での全高制限に鑑み、必然的に、荷台8の地上高さHが低く制限されている(例えば575mm程度)。すなわち、全高制限の寸法から、航空コンテナAの上下高さ寸法をマイナスした値に、地上高さH寸法が制限されている。なお、地上高さHとは、荷台8表面に取り付けられたローラ9を含む荷台8上面と、地面との間の寸法を言う。
【0015】
そして、このような荷台8を、中央部から後部にかけて備えたトレーラ6は、全体的に上方に折曲された前端部10を介し、トラクタ7に連結されている。
すなわち、トラクタ7の後部フレーム11上には、カプラ12が付設されると共に、トレーラ6の前端部10下面には、キングピン13が垂下設されており、キングピン13がカプラ12に、回動自在に挿入保持されている。
もって、トラクタ7の後部フレーム11上に、トレーラ6の前端部10が枢支され、もってトラクタ7にトレーラ6が左右に揺動可能に連結されている。
【0016】
トレーラ6は、このようなキングピン13を前軸とし、2軸の車軸14を後軸としており、車軸14は、荷台8の後部下に配設されている。
荷台8は、シャーシ15上に表面板16が配されており、表面板16上には、積載される航空コンテナAの位置決め用のストッパやガイド(図示せず)が配設されると共に、ローラ9(ローラパレット)が配設されている。積載された航空コンテナAは、ローラ9にて荷台8上を移動可能であり、図1中に示された前後方向に軸を取って配されたローラ9により、左右方向の積込み,荷卸しも可能となっている。
なお図中、17はトラクタ7の運転室、18は車輪であり、19はトレーラ6の前端部10上の油圧ユニットである。
このトレーラ6は、概略このようになっている。
【0017】
《車輪20等について》
さて、このような航空コンテナA運搬用のトレーラ6において、車輪20が、荷台8の必要幅Wの外側に位置すると共に、車輪20の外径が、荷台8の地上高さH寸法より大きく、径大なものが用いられている。
そして、このような車輪20が、2軸4輪よりなる後輪において使用され、共通の車軸14の左右に、それぞれ取り付けられている。
【0018】
このような車輪20等について、更に詳述する。この車輪20は、荷台8の必要幅W、つまり前述したように航空コンテナAを積載するのに必要な必要幅W(例えば2,720mm)の左右外側に、それぞれ配されている。
図示例では、荷台8について、必要幅Wの左右外側下に配された左右フレームたるシャーシ15が、後部において一部分つまり車輪20の箇所において、それぞれ、車輪20を跨ぐように上方に迂回折曲せしめられている。そして、このように上方に迂回折曲された左右のシャーシ15下に形成された空間E内に、それぞれ、車輪20が前後2個配されている。
つまり図示例において、荷台8の左右の全体幅は、車輪20が配された箇所の平面では、前記必要幅Wだけとなっており、その左右には、前記サイド幅Yと同幅の空間Eが形成されている。これに対し、車輪20の上位や車輪20の前後の全体幅は、必要幅Wに左右のサイド幅Yを加えたものとなっている。
なお、このような図示例によらず、荷台8の全体幅が、すべて必要幅W(例えば2,720mm)に設定されると共に、車輪20を、その左右に突出して配設する例も、可能である。
【0019】
そして車輪20は、その外径つまりタイヤ径Dが、1,000mm前後程度(例えば1,044mm)のものが採用されている。つまり、荷台8の地上高さH寸法(例えば500mm程度〜600mm程度)より大きく、径大なものが採用されている。
そして、このような車輪20が、2軸4輪の後輪として使用されている。すなわち、このトレーラ6の後軸の車軸14は、前後2軸よりなると共に、荷台8の後部下において、左右方向に配設されており、その左右にそれぞれ車輪20が取り付けられ、計4本の車輪20が使用されている。図中21は、このような車輪20にそれぞれ付設されたエアーサスペンションである。
車輪20等は、このようになっている。
【0020】
《作用等について》
本発明に係るトレーラ6は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
▲1▼このトレーラ6は、空港で使用され、トラクタ7にて牽引される。そして、航空コンテナAを荷台8に積込み、運搬して、荷卸しする。
▲2▼このトレーラ6の荷台8は、複数個の航空コンテナAを積載するのに必要な必要長さLや必要幅Wを、少なくとも備えて設定されている。荷台8の地上高さHは、空港での全高制限(積載された航空コンテナAの高さ寸法を含む)に鑑み、500mm〜600mm程度と、極めて低く設定されている。このように、この荷台8は、必要寸法・要求仕様を満たしている。
【0021】
▲3▼これと共に、このトレーラ6にあっては、車輪20が、荷台8の必要幅Wの外側に位置している。つまり車輪20は、荷台8について、航空コンテナAを積載するのに必要な必要幅Wを挟んで、その左右外側に配設されている。
▲4▼このように車輪20は、荷台8の必要幅Wの下(図3,図4,図5の従来例を参照)ではなく、荷台8の必要幅Wの左右外側に位置するので、スペース的な余裕が生じ、径大な車輪20を使用することが可能となる。
すなわち、この車輪20は、荷台8下に位置しないので、上記全高制限に規制されることなく、特に径小な車輪3(図3,図4,図5の従来例を参照)を使用する必要もなく、一般的な外径の車輪20、つまり、荷台8の地上高さH寸法より大きい車輪20、外径が1,000mm前後程度と径大な車輪20を、使用可能となる。
▲5▼このように、径大な車輪20が使用されるので、車輪20の許容耐荷重も大となり、車輪20の使用本数は少なくて済む。そこで、このトレーラ6の後輪は、2軸4輪よりなると共に、2軸の車軸14のそれぞれ左右に、車輪20が取り付けられている。
【0022】
▲6▼さて、このトレーラ6では、2軸4輪の車輪20(使用本数が少なく、しかも左右共通の車軸14に取り付けられた車輪20)が、低く狭い荷台8下(図3,図4,図5の従来例を参照)ではなく、荷台8の必要幅Wの外側に配設されている。
そこで、後輪・後軸の足回りについて、つまり、その車輪20については勿論のこと、車軸14やエアーサスペンション21等の緩衝装置について、点検,整備,交換等のメインテナンスが、簡単容易にスペース的に楽に実施できるようになる。
【0023】
▲7▼又、このトレーラ6において、後輪として使用される車輪20は、タイヤ径Dが1,000mm程度と径大な汎用タイプよりなると共に、4本と少数本使用すればよい。
又、このような汎用タイプの車輪20と共に使用され、しかもスペースも十分あるので、車軸14についても、市販の汎用タイプのものが使用される。更に、エアーサスペンション21等の緩衝装置についても、汎用タイプ構造のものが使用され、その取り付けも簡単である。
このように、後輪・後軸の足回りの構成部材ついて、特殊タイプのもの(図3,図4,図5の従来例を参照)を使用する必要はなく、汎用タイプのものが使用される。
【0024】
▲8▼更にこのトレーラ6は、後輪の車輪20として、タイヤ径Dが1,000mm程度と径大なものが使用されているので、規格上、100km/hまでの高速走行が可能となる。
つまり、径小な車輪3(図3,図4,図5の従来例を参照)を使用した場合のように、走行速度が低速に制限されることはない。
【0025】
《耐荷重能力について》
ここで、図示例のトレーラ6の車輪20の耐荷重能力について、述べておく。まず、後軸にかかる総荷重、つまり2軸の車軸14にかかる総荷重は、12,400kgf程度となり、軽量化が図られている。
すなわち、荷台8,積載された各航空コンテナA,車軸14,エアーサスペンション21等々の総重量は、特にエアーサスペンション21の構造や取り付けが簡単である等により、前述したこの種従来例(17,350kgf)に比し、大きく軽量化されている。
これに対し、後輪にて使用されている径大の車輪20の1本の許容耐荷重は、3,550kgfであるので、4本合計の耐荷重能力は、14,200kgfとなる。そこで、後輪・後軸について、14,200kgf>12,400kgf、つまり耐荷重能力>総荷重となり、後軸総荷重を上回わる耐荷重能力を、後輪が備えている。
【0026】
【発明の効果】
《本発明の特徴》
本発明に係る航空コンテナ運搬用のトレーラは、以上説明したように、車輪を、荷台必要幅の外側に位置せしめると共に、径大なものを採用し、もって、左右共通の車軸を用いた2軸4輪の後輪として使用したこと、を特徴とする。
もって本発明は,次の効果を発揮する。
【0027】
《第1の効果について》
第1に、足回りのメインテナンス性が向上する。すなわち、この航空コンテナ運搬用のトレーラでは、2軸4輪の車輪が、荷台必要幅の外側に位置しているので、車輪,車軸,サスペンション等の点検,整備,交換が容易である。
前述したこの種従来例、すなわち2軸6輪の車輪が荷台下の左右両側に配設されていたこの種従来例に比し、足回りのメインテナンスが容易化される。
【0028】
《第2の効果について》
第2に、コスト面や重量面に優れている。すなわち、この航空コンテナ運搬用のトレーラにおいて、使用される車輪は、径大な汎用タイプであると共に少数本の使用でよく、又、車軸やサスペンションも、汎用タイプを使用できる。
そこで、特殊で複雑なタイプのものを使用していた前述したこの種従来例に比し、コストが軽減されると共に、軽量化が実現される。
【0029】
《第3の効果について》
第3に、高速走行も可能となる。すなわち、この航空コンテナ運搬用のトレーラでは、径大な車輪が使用されており、高速走行が可能である。つまり、径小な車輪を使用していた前述したこの種従来例に比し、高速走行が可能となる。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る航空コンテナ運搬用のトレーラについて、発明の実施の形態の説明に供し、荷台シャーシ上に沿った平断面図である。
【図2】同発明の実施の形態の説明に供する、側面図である。
【図3】この種従来例の説明に供する、平面図である。
【図4】この種従来例の説明に供する、側面図である。
【図5】この種従来例の説明に供し、足回りの要部底面図である。
【符号の説明】
1 トレーラ(従来例のもの)
2 荷台(従来例のもの)
3 車輪(従来例のもの)
4 車軸(従来例のもの)
5 エアーサスペンション(従来例のもの)
6 トレーラ(本発明のもの)
7 トラクタ
8 荷台(本発明のもの)
9 ローラ
10 前端部
11 後部フレーム
12 カプラ
13 キングピン
14 車軸(本発明のもの)
15 シャーシ
16 表面板
17 運転室
18 車輪
19 油圧ユニット
20 車輪(本発明のもの)
21 エアーサスペンション(本発明のもの)
A 航空コンテナ
D タイヤ径
E 空間
H 地上高さ
L 必要長さ
W 必要幅
Y サイド幅
Claims (4)
- 航空コンテナの運搬用に空港で使用され、トラクタにて牽引されるトレーラであって、
荷台が、複数個の該航空コンテナを積載するのに必要な必要長さと必要幅を、少なくとも備えてなると共に、積込みや荷卸しの便と積載時の全高制限とに鑑み、該荷台の地上高さが低く設定されており、
車輪が、該荷台の必要幅の外側に位置すると共に、該車輪の外径が、該荷台の地上高さ寸法より大きく、径大なものが用いられていること、を特徴とする、航空コンテナ運搬用のトレーラ。 - 請求項1に記載した航空コンテナ運搬用のトレーラにおいて、該車輪は、2軸4輪よりなる後輪で使用されると共に、該前後2軸は、それぞれ左右共通の車軸よりなり、該車輪は、該車軸の左右にそれぞれ取り付けられていること、を特徴とする、航空コンテナ運搬用のトレーラ。
- 請求項2に記載した航空コンテナ運搬用のトレーラにおいて、該荷台の地上高さは、500mm程度から600mm程度よりなり、該車輪の外径は、1,000mm前後程度よりなること、を特徴とする、航空コンテナ運搬用のトレーラ。
- 請求項3に記載した航空コンテナ運搬用のトレーラにおいて、該荷台について、該必要幅の左右外側下に配された左右フレームたるシャーシは、後部が部分的に上方に迂回折曲せしめられており、迂回折曲した左右の該シャーシ下の空間に、それぞれ該車輪が配されていること、を特徴とする、航空コンテナ運搬用のトレーラ。
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CN108216386A (zh) * | 2016-12-14 | 2018-06-29 | 中核四0四有限公司 | 后处理转运容器专用车斗 |
-
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- 2002-07-30 JP JP2002221357A patent/JP2004058884A/ja active Pending
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