JP2004058312A - 帯電防止性ポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法及び成形体 - Google Patents
帯電防止性ポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法及び成形体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】帯電防止の安定性に優れ、表面平滑性及び寸法精度が良好で内容物等との摩擦による静電気のトラブルを防止する機能を有し、且つ輸送中の振動による摩擦等での帯電による静電気の発生を安定して抑制することのできる電子部品等の包装用成形体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】帯電防止剤を含有するポリプロピレン系樹脂発泡シートを、上下の金型表面温度が40℃未満のマッチモールド金型を用いて熱成形することを特徴とする帯電防止ポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法であり、又この熱成形方法で得られた成形体であって、その上下面の表面抵抗率が1012Ω/□未満である帯電防止性ポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【選択図】 なし
【解決手段】帯電防止剤を含有するポリプロピレン系樹脂発泡シートを、上下の金型表面温度が40℃未満のマッチモールド金型を用いて熱成形することを特徴とする帯電防止ポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法であり、又この熱成形方法で得られた成形体であって、その上下面の表面抵抗率が1012Ω/□未満である帯電防止性ポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリプロピレン系樹脂発泡シートを熱成形した包装用成形体に関する。更に詳しくは、緩衝性及び帯電防止性に優れ、特に電子部品の包装体として優れた保護性能を有するポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法及び得られた成形体に関する。尚、本発明で「部」及び「%」等の組成を表す単位は、特に断らない限り樹脂成分の合計を100としたときの質量基準で表す。
【0002】
【従来の技術】
電子部品等を包装する際、振動や衝撃などから製品の損傷を防ぐため、緩衝性を備えるポリプロピレン系樹脂等の発泡体が使用されていて、中でもポリプロピレン系樹脂発泡シートを熱成形した容器等の包装体は、ポリプロピレン系樹脂が耐熱性や耐溶剤性に優れていることや、そのシートを熱成形して複雑な形状を比較的容易に得られることから、前記の電子部品の包装体に適している。
【0003】
このような電子部品等の包装体としては高い形状精度が要求されるので、シートから包装体への熱成形時の賦形性が良好なポリプロピレン系樹脂の比較的低発泡倍率の包装体が提案されてきている。(特願2000−337003号、特願2002−57117号)
【0004】
また、ポリプロピレン系樹脂発泡シート及び熱成形した容器のようなプラスチックの発泡体は絶縁体であることから帯電性が高く、電子部品に対して静電気によりその機能を喪失させる問題が起きる。また、包装体表面に静電気が帯電すると、塵埃が付着し包装体として不適となる。
【0005】
このような問題を解決するために、発泡シート及び熱成形した包装体の表面抵抗値を低減して帯電防止性を付与する方法が知られており、発泡シートの成形時にカーボンを混合することや、帯電防止剤を混合することが行われており、その包装体の表面抵抗率としては1012Ω/□未満であれば、前記のような静電気の帯電による問題が解消される。しかし、前者の方法では、発泡体表面の脆性が高くなり、電子部品等の内容物を収納して輸送する際の振動等で、発泡体と内容物の摩擦により発泡体自身やカーボンの粉が発生して、内容物に付着して電気的障害が起こす可能性があるのと同時に、カーボンによる着色で黒色のものしかできないといったことがある。後者の方法では、熱成形した包装体の表面抵抗率のばらつきが大きく、1012Ω/□を越えたものが混在して前記のような帯電した静電気による障害を生じることがあり、その改善が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、輸送中の振動による摩擦等での帯電による静電気の発生を安定して抑制することのできる電子部品等の包装用成形体及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記の課題を鋭意検討を重ねた結果として、帯電防止剤を含有するポリプロピレン系樹脂発泡成形体の表面抵抗率のばらつきは、該発泡シートを熱成形する際の条件により大きく変化する事を見出し、安定して静電気の発生を抑制するために、包装体の表面抵抗率が1012Ω/□未満のものを安定して得るための熱成形方法及び条件を見出し本発明に至った。
【0008】
即ち、本発明は帯電防止剤を含有するポリプロピレン系樹脂発泡シートを、上下の金型表面温度が40℃未満のマッチモールド金型を用いて熱成形することを特徴とする、帯電防止ポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法であり、又この熱成形方法で得られた成形体であって、その上下面の表面抵抗率が1012Ω/□未満である帯電防止性ポリプロピレン系樹脂発泡成形体である。更に得られた成形体の表面平滑性や形状精度の観点から、該発泡シートの密度が180kg・m−3以上600kg・m−3未満であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いる発泡シートは、帯電防止剤を含有するポリプロピレン系樹脂発泡シートである。
【0010】
ポリプロピレン系樹脂発泡シートとはポリプロピレン系樹脂を主成分とする発泡シートである。ポリプロピレン系樹脂とはプロピレンモノマーを主成分として重合してなる単独重合体又は共重合体である。例えばプロピレン系単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ジエン共重合体等のポリプロピレンを主とする重合体を用いることができる。耐熱性の優れた発泡体を得るためには融点が高いものを用いることが望ましい。ポリプロピレン系樹脂を主成分として、少量であれば混和性が良好な他の樹脂を混合したものでも差し支えなく、このような樹脂の例としてポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等がある。ポリプロピレン系樹脂としては、溶融張力が4.0g以上の高溶融張力ポリプロピレン系樹脂100〜60部と直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂40〜0部を含有してなるものが好ましい。
【0011】
本発明でいう高溶融張力ポリプロピレン系樹脂とは、200℃における溶融張力が4.0g以上であるポリプロピレン系樹脂であって、メルトインデックス(MI)が10g/10分以下であることが好ましい。200℃のおける溶融張力が4.0g未満であると、発泡シートの製膜時に気泡の連通化及び発泡ガスの逸散が起こり良好な発泡シートを得ることが困難になることがある。また、メルトインデックス(MI)が10g/10分を越えた場合も、同様の理由により発泡シートの製膜が困難になることがある。又、前記のような問題を生じない範囲で、前記の他のポリプロピレン系樹脂を混合することができ、特に直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂は気泡の連続化や発泡ガスの逸散が起こりにくいので好ましいが、直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂が40部を越えると、ポリプロピレン系樹脂発泡シートのドローダウンが大きくなり成形が困難となり、発泡シートの表面に破泡による凹凸が発生する恐れがある。
【0012】
直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂は市販されているものを使用することができるが、高溶融張力ポリプロピレン系樹脂と同様の理由で、メルトインデックス(MI)が10g/10分以下のものが好ましい。
【0013】
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの密度は180kg・m−3以上600kg・m−3未満であることが好ましく、更に300kg・m−3以上550kg・m−3未満であることが好ましい。密度が180kg・m−3より低い場合、発泡セルの独立気泡率が低下し、容器を成形した場合に成形品の表面外観が低下する。密度が600kg・m−3以上であると梱包材として使用した際の内容物の保護性能が低下するため好ましくない。又独立気泡率は40%以上であることが好ましい。独立気泡比率が40%より低いとドローダウンが大きくなると共に、この発泡シートを後述する熱成形したときの成形体の表面外観が悪くなる。
【0014】
ポリプロピレン系樹脂発泡シートは、ポリプロピレン系樹脂、例えば高溶融張力ポリプロピレン系樹脂と直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂と発泡剤からなる樹脂組成物を発泡押出成形する方法により製造することができる。高溶融張力ポリプロピレン系樹脂と直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂の混合方法は特に限定されないが、発泡シート成形時に押出機へ攪拌混合した原料を直接投入する方法、攪拌混合した原料を単軸または二軸押出機にて溶融混合してペレット化し、発泡押出時に使用する方法等を用いることができる。
【0015】
発泡剤としては化学発泡剤と物理発泡剤がある。化学発泡剤としては、重曹とクエン酸の混合物が好適に用いられ、発生する発泡ガスは炭酸ガスである。化学発泡剤の添加方法は特に限定されず、高溶融張力ポリプロピレン系樹脂と直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂の樹脂組成物にドライブレンドする方法や、押出機のホッパー中で定量フィーダーを使用して添加する方法、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂をベースとするマスターバッチを作成し添加する方法等を用いることができる。化学発泡剤の添加量は所望の発泡倍率を得られる範囲でありその具体的な量は発泡剤の種類によっても異なるが、ポリプロピレン系樹脂100部に対して、0.1〜3.0部添加することが好ましい。添加量が0.1部未満では所望の発泡倍率を得ることが出来ず、3.0部を超えて添加した場合は、押出機中における発泡剤の均一分散および十分な分解が進行せず、良好な発泡剤を得ることが出来ない場合がある。
【0016】
物理発泡剤としては炭酸ガス、ブタン等が例示されるが、安全性の面で炭酸ガスが好適に用いられる。物理発泡剤の添加方法としては、二軸押出機の中央ゾーンまたはタンデム押出機の1段目押出機の中央ゾーンに供給する方法等が挙げられる。物理発泡剤の添加量は所望の発泡倍率を得られる範囲であり、ポリプロピレン系樹脂組成物100部に対して、1.2〜3.0部であることが好ましい。添加量が1.2部未満では所望の発泡倍率を得ることが出来ず、3.0部を超えて添加した場合は、独立気泡率が低下する場合がある。
【0017】
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの押出し方向の平均気泡径は300μm以下、好ましくは250μm以下、更に好ましくは200μm以下であり、押出し方向と直角方向の平均気泡径が200μm以下、好ましくは150μm以下であり、厚み方向の平均気泡径が100μm以下、好ましくは80μ以下である。気泡径が大きくなると、シート表面の平滑性が低下して凹凸状態となり、発泡シートおよび発泡シートを成形してなる容器の表面外観が低下するために好ましくない。
【0018】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートには、前記発泡シートの押出の際にその表面抵抗率を低下をさせる目的で帯電防止剤を添加する。その添加方法は均一に分散させることができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般に添加剤を添加する際に行われている方法で原料樹脂と混合すればよい。この帯電防止剤としては、四級アンモニウム塩、脂肪酸多価アルコールエステル、ポリオキシエチレン付加物やポリエ−テルエステルアミド樹脂等が挙げられるが、その熱安定性や、後述するこのシートを熱成形したときの表面抵抗率の安定性の観点から特にアルキルジエタノールアミンやグリセリンモノステアレートのようなノニオン系の帯電防止剤が好ましい。これらの帯電防止剤の添加量は、後述する表面抵抗率によって規定されるが、一般的にはポリプロピレン系樹脂層(B)の樹脂成分に対して0.2〜4.0部である。0.2部未満では十分な表面抵抗率が得にくい場合があり、4.0部より多いと内容物の表面を汚染する可能性がある。
【0019】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率の目安は1012Ω/□未満である。表面抵抗値が1012Ω/□以上となると、後述する該発泡シートを熱成形した成形体の表面抵抗率を1012Ω/□未満とすることが困難となる。
【0020】
又該発泡シートを製造する際に、物性や帯電防止性を阻害しない範囲で、所望の気泡調整剤、架橋剤、発泡助剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤、顔量等を混合することができる。
【0021】
該発泡シートの厚みは、0.5mm以上2.5mm未満であることが好ましく、より好ましくは0.8mm以上2.0mm未満、更に好ましいのは1.0mm以上1.8mm未満である。厚みが薄いと、得られる発泡シートの剛性が低下し、厚いと熱成形の際の予備加熱時間が長くなり生産性が低下する。
【0022】
このようなシートから容器やコンテナ等の成形体を得るには、該シートを熱成形するのが一般的である。本発明でいう熱成形とは、シートを加熱軟化させて軟らかい間に外力を加えて成形する方法である。シートの加熱方法としてはヒーターによる加熱方法や熱風により加熱する方法があり、本発明においてもこれらのいずれの方法であっても良い。
【0023】
次に、軟化したシートを賦形する方法としては例えば、ストレート真空成形、ストレート圧空成形、ドレープ真空成形、ドレープ圧空成形、プラグアシスト成形、ドレープアンドプラグアシスト成形、プラグアシスト圧空成形、プラグアシストリバースドロー成形、エアクション成形、プラグアシストエアストリップ成形、マッチモールド成形などがあげられるが、本発明においてはこれらのうち、該発泡シートを真空成形する際にその表裏面から上下の成形型を接触させて熱成形する方法(マッチモールド成形)であって、上下の成形型が温度調整機能を有するものを用い熱成形時のそれぞれの金型表面温度が40℃未満にコントロールされている必要が有る。
【0024】
このマッチモールド成形において、軟化した該発泡シートを減圧により金型に密着させるのは上下の金型のいずれか一方でも良いが、できるだけ該発泡シートの上下面の冷却条件を同じにするために、上下両面共減圧するのが望ましい。又、このマッチモールド成形において、上下金型表面には、加熱されたシートが密着することにより大量の熱が移行するので、その熱を十分に除去して40℃未満に保持する必要がある。この方法としては特に限定されるものではないが、例えば上下の金型に適切に設計された冷却孔を設け、その中に水を循環させ、その循環水をチラー等で熱交換し40℃未満にコントロールすることで達成できる。
【0025】
この金型表面温度が40℃以上では、用いるポリプロピレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率が1012Ω/□未満であっても、熱成形した後の抵抗値が1012Ω/□以上となるものが有り、安定して1012Ω/□未満の成形体を得ることができない。
【0026】
前記の方法で得られた本発明のポリプロピレン系樹脂発泡成形体の表面抵抗率は、成形体の表面側及び裏面側のいずれも1012Ω/□未満であり、特に電子部品の包装用のトレー、コンテナ及びその他の容器、もしくは型枠等の包装体として好適に用いることができる。表面抵抗値が1012Ω/□以上となると、該成形体を電子部品等の包装体として用いたときに、輸送時に発泡体表面の帯電により静電気が発生し、塵埃が付着することにより電子部品の包装体として不適となることがある。さらに帯電した静電気によって、これら部品や機器がその機能を喪失するという事態が起きてしまうことがある。
【0027】
又、一方で本発明の発泡成形体は、表面平滑性、良好な寸法精度及び十分な緩衝性を有することが好ましく、前記の特性を有するポリプロピレン系樹脂発泡シートを前記の方法で熱成形することによって、これらの優れた特性を有する成形体を得ることができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0029】
以下の実施例及び比較例において用いた測定方法は下記の方法にて行った。
【0030】
(シート密度) ミラージュ貿易社製電子比重計(MD−200S)にて測定した。
【0031】
(表面抵抗率) 三菱化学社製ハイレスタ−UP(MCP−HT450,JボックスUタイプ)を使用し、印加電圧500V、測定時間60秒、環境温度23℃、環境湿度55%にて測定を行った。
【0032】
(実用落下試験) 発泡シートを真空成形機にて図1及び図2に示す形状(縦400mm、横300mm、深さ45mm)のトレーに成形し、その中に300mm×200mm×厚さ10mm、重量700gの金属板を入れ、それを10段重ねた状態で段ボールに入れた。トレイ10段を詰めた段ボール箱を、高さ900mmから段ボールの1角及び稜角3箇所、更に6面を一回ずつ落としトレイの破損状態を評価した。(評価基準:○=破損なし △=一部破損有り ×=破損有り)
【0033】
【図1】
【0034】
【図2】
【0035】
(実施例1〜2、比較例1〜4)
ポリプロピレン(PP)系樹脂(チッソ社製、FH3500:ホモポリプロピレン、MFR=4.0)100部及び化学発泡剤(クラリアント社製、CF40E)及びノニオン系帯電防止剤(花王社製、TS−3B)を、表1に示す割合で攪拌混合した配合組成物を、東芝機械社製90mm単軸押出機(L/D=34、ノンベント)を用いてシリンダー温度210℃にて溶融軟化し、190℃に設定した環状の押出機金口より押出された溶融樹脂を円筒環状の冷却装置により冷却して得られた円筒環状シートの一部を切り開いてシート状物とした。得られたシートの密度を表1に示した。
【0036】
各シートを、冷却機構を有するマッチモールド金型を用い、金型表面温度20℃、30℃、40℃、50℃、60℃と変えた成形型にて真空成形を行い、図1及び図2に示した形状の容器を作成した。各成形型温度から得られた成形容器10個の表面側及び裏面側の表面抵抗率を測定した結果及び実用落下試験の結果を表1に示す。表中の表面抵抗率測定の結果は、10点中の各表面抵抗率の値に入る個数(X)をX/10と示した。表1では、表面側と裏面側の表面抵抗率は同じ結果であった。
【0037】
【表1】
【0038】
(実施例3)
発泡シートの配合組成を表1に示した通りとし、シート密度を700kg・m−3とした以外は、実施例2と同様にして容器を作成し同様の評価を行った。評価結果は表1に示した。
【0039】
(比較例5)
シートの熱成形をマッチモールド金型を用いず通常の金型(雌型)を用い、金型温度を30℃に設定した以外は、実施例1と同様にして図1及び図2に示した形状の容器を作成し、同様の評価を行った。この容器は、実用落下試験の評価結果は○であったが、表面抵抗率は、裏面側(金型面側)は実施例2と同等であったが、表面側は、10点中4点が1012Ω/□以上であった。
【0040】
各実施例の成形方法により作成した発泡容器は表面抵抗率が安定しており、静電気の発生を防止することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明の帯電防止性ポリプロピレン系樹脂発泡シートを熱成形した包装体は、表面の帯電防止性に優れ且つ安定していることから、特に電子部品の包装体として使用した際に、静電気の発生による電気的な障害からの電子部品の保護性能に優れ、更に発泡体であることから外部からの衝撃による破壊および表面外観が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例のトレーの断面図である。
【図2】本発明の一例のトレーの平面図である。
【発明の属する技術分野】
本発明はポリプロピレン系樹脂発泡シートを熱成形した包装用成形体に関する。更に詳しくは、緩衝性及び帯電防止性に優れ、特に電子部品の包装体として優れた保護性能を有するポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法及び得られた成形体に関する。尚、本発明で「部」及び「%」等の組成を表す単位は、特に断らない限り樹脂成分の合計を100としたときの質量基準で表す。
【0002】
【従来の技術】
電子部品等を包装する際、振動や衝撃などから製品の損傷を防ぐため、緩衝性を備えるポリプロピレン系樹脂等の発泡体が使用されていて、中でもポリプロピレン系樹脂発泡シートを熱成形した容器等の包装体は、ポリプロピレン系樹脂が耐熱性や耐溶剤性に優れていることや、そのシートを熱成形して複雑な形状を比較的容易に得られることから、前記の電子部品の包装体に適している。
【0003】
このような電子部品等の包装体としては高い形状精度が要求されるので、シートから包装体への熱成形時の賦形性が良好なポリプロピレン系樹脂の比較的低発泡倍率の包装体が提案されてきている。(特願2000−337003号、特願2002−57117号)
【0004】
また、ポリプロピレン系樹脂発泡シート及び熱成形した容器のようなプラスチックの発泡体は絶縁体であることから帯電性が高く、電子部品に対して静電気によりその機能を喪失させる問題が起きる。また、包装体表面に静電気が帯電すると、塵埃が付着し包装体として不適となる。
【0005】
このような問題を解決するために、発泡シート及び熱成形した包装体の表面抵抗値を低減して帯電防止性を付与する方法が知られており、発泡シートの成形時にカーボンを混合することや、帯電防止剤を混合することが行われており、その包装体の表面抵抗率としては1012Ω/□未満であれば、前記のような静電気の帯電による問題が解消される。しかし、前者の方法では、発泡体表面の脆性が高くなり、電子部品等の内容物を収納して輸送する際の振動等で、発泡体と内容物の摩擦により発泡体自身やカーボンの粉が発生して、内容物に付着して電気的障害が起こす可能性があるのと同時に、カーボンによる着色で黒色のものしかできないといったことがある。後者の方法では、熱成形した包装体の表面抵抗率のばらつきが大きく、1012Ω/□を越えたものが混在して前記のような帯電した静電気による障害を生じることがあり、その改善が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、輸送中の振動による摩擦等での帯電による静電気の発生を安定して抑制することのできる電子部品等の包装用成形体及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記の課題を鋭意検討を重ねた結果として、帯電防止剤を含有するポリプロピレン系樹脂発泡成形体の表面抵抗率のばらつきは、該発泡シートを熱成形する際の条件により大きく変化する事を見出し、安定して静電気の発生を抑制するために、包装体の表面抵抗率が1012Ω/□未満のものを安定して得るための熱成形方法及び条件を見出し本発明に至った。
【0008】
即ち、本発明は帯電防止剤を含有するポリプロピレン系樹脂発泡シートを、上下の金型表面温度が40℃未満のマッチモールド金型を用いて熱成形することを特徴とする、帯電防止ポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法であり、又この熱成形方法で得られた成形体であって、その上下面の表面抵抗率が1012Ω/□未満である帯電防止性ポリプロピレン系樹脂発泡成形体である。更に得られた成形体の表面平滑性や形状精度の観点から、該発泡シートの密度が180kg・m−3以上600kg・m−3未満であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いる発泡シートは、帯電防止剤を含有するポリプロピレン系樹脂発泡シートである。
【0010】
ポリプロピレン系樹脂発泡シートとはポリプロピレン系樹脂を主成分とする発泡シートである。ポリプロピレン系樹脂とはプロピレンモノマーを主成分として重合してなる単独重合体又は共重合体である。例えばプロピレン系単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ジエン共重合体等のポリプロピレンを主とする重合体を用いることができる。耐熱性の優れた発泡体を得るためには融点が高いものを用いることが望ましい。ポリプロピレン系樹脂を主成分として、少量であれば混和性が良好な他の樹脂を混合したものでも差し支えなく、このような樹脂の例としてポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等がある。ポリプロピレン系樹脂としては、溶融張力が4.0g以上の高溶融張力ポリプロピレン系樹脂100〜60部と直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂40〜0部を含有してなるものが好ましい。
【0011】
本発明でいう高溶融張力ポリプロピレン系樹脂とは、200℃における溶融張力が4.0g以上であるポリプロピレン系樹脂であって、メルトインデックス(MI)が10g/10分以下であることが好ましい。200℃のおける溶融張力が4.0g未満であると、発泡シートの製膜時に気泡の連通化及び発泡ガスの逸散が起こり良好な発泡シートを得ることが困難になることがある。また、メルトインデックス(MI)が10g/10分を越えた場合も、同様の理由により発泡シートの製膜が困難になることがある。又、前記のような問題を生じない範囲で、前記の他のポリプロピレン系樹脂を混合することができ、特に直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂は気泡の連続化や発泡ガスの逸散が起こりにくいので好ましいが、直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂が40部を越えると、ポリプロピレン系樹脂発泡シートのドローダウンが大きくなり成形が困難となり、発泡シートの表面に破泡による凹凸が発生する恐れがある。
【0012】
直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂は市販されているものを使用することができるが、高溶融張力ポリプロピレン系樹脂と同様の理由で、メルトインデックス(MI)が10g/10分以下のものが好ましい。
【0013】
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの密度は180kg・m−3以上600kg・m−3未満であることが好ましく、更に300kg・m−3以上550kg・m−3未満であることが好ましい。密度が180kg・m−3より低い場合、発泡セルの独立気泡率が低下し、容器を成形した場合に成形品の表面外観が低下する。密度が600kg・m−3以上であると梱包材として使用した際の内容物の保護性能が低下するため好ましくない。又独立気泡率は40%以上であることが好ましい。独立気泡比率が40%より低いとドローダウンが大きくなると共に、この発泡シートを後述する熱成形したときの成形体の表面外観が悪くなる。
【0014】
ポリプロピレン系樹脂発泡シートは、ポリプロピレン系樹脂、例えば高溶融張力ポリプロピレン系樹脂と直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂と発泡剤からなる樹脂組成物を発泡押出成形する方法により製造することができる。高溶融張力ポリプロピレン系樹脂と直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂の混合方法は特に限定されないが、発泡シート成形時に押出機へ攪拌混合した原料を直接投入する方法、攪拌混合した原料を単軸または二軸押出機にて溶融混合してペレット化し、発泡押出時に使用する方法等を用いることができる。
【0015】
発泡剤としては化学発泡剤と物理発泡剤がある。化学発泡剤としては、重曹とクエン酸の混合物が好適に用いられ、発生する発泡ガスは炭酸ガスである。化学発泡剤の添加方法は特に限定されず、高溶融張力ポリプロピレン系樹脂と直鎖状の結晶性ポリプロピレン系樹脂の樹脂組成物にドライブレンドする方法や、押出機のホッパー中で定量フィーダーを使用して添加する方法、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂をベースとするマスターバッチを作成し添加する方法等を用いることができる。化学発泡剤の添加量は所望の発泡倍率を得られる範囲でありその具体的な量は発泡剤の種類によっても異なるが、ポリプロピレン系樹脂100部に対して、0.1〜3.0部添加することが好ましい。添加量が0.1部未満では所望の発泡倍率を得ることが出来ず、3.0部を超えて添加した場合は、押出機中における発泡剤の均一分散および十分な分解が進行せず、良好な発泡剤を得ることが出来ない場合がある。
【0016】
物理発泡剤としては炭酸ガス、ブタン等が例示されるが、安全性の面で炭酸ガスが好適に用いられる。物理発泡剤の添加方法としては、二軸押出機の中央ゾーンまたはタンデム押出機の1段目押出機の中央ゾーンに供給する方法等が挙げられる。物理発泡剤の添加量は所望の発泡倍率を得られる範囲であり、ポリプロピレン系樹脂組成物100部に対して、1.2〜3.0部であることが好ましい。添加量が1.2部未満では所望の発泡倍率を得ることが出来ず、3.0部を超えて添加した場合は、独立気泡率が低下する場合がある。
【0017】
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの押出し方向の平均気泡径は300μm以下、好ましくは250μm以下、更に好ましくは200μm以下であり、押出し方向と直角方向の平均気泡径が200μm以下、好ましくは150μm以下であり、厚み方向の平均気泡径が100μm以下、好ましくは80μ以下である。気泡径が大きくなると、シート表面の平滑性が低下して凹凸状態となり、発泡シートおよび発泡シートを成形してなる容器の表面外観が低下するために好ましくない。
【0018】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートには、前記発泡シートの押出の際にその表面抵抗率を低下をさせる目的で帯電防止剤を添加する。その添加方法は均一に分散させることができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般に添加剤を添加する際に行われている方法で原料樹脂と混合すればよい。この帯電防止剤としては、四級アンモニウム塩、脂肪酸多価アルコールエステル、ポリオキシエチレン付加物やポリエ−テルエステルアミド樹脂等が挙げられるが、その熱安定性や、後述するこのシートを熱成形したときの表面抵抗率の安定性の観点から特にアルキルジエタノールアミンやグリセリンモノステアレートのようなノニオン系の帯電防止剤が好ましい。これらの帯電防止剤の添加量は、後述する表面抵抗率によって規定されるが、一般的にはポリプロピレン系樹脂層(B)の樹脂成分に対して0.2〜4.0部である。0.2部未満では十分な表面抵抗率が得にくい場合があり、4.0部より多いと内容物の表面を汚染する可能性がある。
【0019】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率の目安は1012Ω/□未満である。表面抵抗値が1012Ω/□以上となると、後述する該発泡シートを熱成形した成形体の表面抵抗率を1012Ω/□未満とすることが困難となる。
【0020】
又該発泡シートを製造する際に、物性や帯電防止性を阻害しない範囲で、所望の気泡調整剤、架橋剤、発泡助剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤、顔量等を混合することができる。
【0021】
該発泡シートの厚みは、0.5mm以上2.5mm未満であることが好ましく、より好ましくは0.8mm以上2.0mm未満、更に好ましいのは1.0mm以上1.8mm未満である。厚みが薄いと、得られる発泡シートの剛性が低下し、厚いと熱成形の際の予備加熱時間が長くなり生産性が低下する。
【0022】
このようなシートから容器やコンテナ等の成形体を得るには、該シートを熱成形するのが一般的である。本発明でいう熱成形とは、シートを加熱軟化させて軟らかい間に外力を加えて成形する方法である。シートの加熱方法としてはヒーターによる加熱方法や熱風により加熱する方法があり、本発明においてもこれらのいずれの方法であっても良い。
【0023】
次に、軟化したシートを賦形する方法としては例えば、ストレート真空成形、ストレート圧空成形、ドレープ真空成形、ドレープ圧空成形、プラグアシスト成形、ドレープアンドプラグアシスト成形、プラグアシスト圧空成形、プラグアシストリバースドロー成形、エアクション成形、プラグアシストエアストリップ成形、マッチモールド成形などがあげられるが、本発明においてはこれらのうち、該発泡シートを真空成形する際にその表裏面から上下の成形型を接触させて熱成形する方法(マッチモールド成形)であって、上下の成形型が温度調整機能を有するものを用い熱成形時のそれぞれの金型表面温度が40℃未満にコントロールされている必要が有る。
【0024】
このマッチモールド成形において、軟化した該発泡シートを減圧により金型に密着させるのは上下の金型のいずれか一方でも良いが、できるだけ該発泡シートの上下面の冷却条件を同じにするために、上下両面共減圧するのが望ましい。又、このマッチモールド成形において、上下金型表面には、加熱されたシートが密着することにより大量の熱が移行するので、その熱を十分に除去して40℃未満に保持する必要がある。この方法としては特に限定されるものではないが、例えば上下の金型に適切に設計された冷却孔を設け、その中に水を循環させ、その循環水をチラー等で熱交換し40℃未満にコントロールすることで達成できる。
【0025】
この金型表面温度が40℃以上では、用いるポリプロピレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率が1012Ω/□未満であっても、熱成形した後の抵抗値が1012Ω/□以上となるものが有り、安定して1012Ω/□未満の成形体を得ることができない。
【0026】
前記の方法で得られた本発明のポリプロピレン系樹脂発泡成形体の表面抵抗率は、成形体の表面側及び裏面側のいずれも1012Ω/□未満であり、特に電子部品の包装用のトレー、コンテナ及びその他の容器、もしくは型枠等の包装体として好適に用いることができる。表面抵抗値が1012Ω/□以上となると、該成形体を電子部品等の包装体として用いたときに、輸送時に発泡体表面の帯電により静電気が発生し、塵埃が付着することにより電子部品の包装体として不適となることがある。さらに帯電した静電気によって、これら部品や機器がその機能を喪失するという事態が起きてしまうことがある。
【0027】
又、一方で本発明の発泡成形体は、表面平滑性、良好な寸法精度及び十分な緩衝性を有することが好ましく、前記の特性を有するポリプロピレン系樹脂発泡シートを前記の方法で熱成形することによって、これらの優れた特性を有する成形体を得ることができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0029】
以下の実施例及び比較例において用いた測定方法は下記の方法にて行った。
【0030】
(シート密度) ミラージュ貿易社製電子比重計(MD−200S)にて測定した。
【0031】
(表面抵抗率) 三菱化学社製ハイレスタ−UP(MCP−HT450,JボックスUタイプ)を使用し、印加電圧500V、測定時間60秒、環境温度23℃、環境湿度55%にて測定を行った。
【0032】
(実用落下試験) 発泡シートを真空成形機にて図1及び図2に示す形状(縦400mm、横300mm、深さ45mm)のトレーに成形し、その中に300mm×200mm×厚さ10mm、重量700gの金属板を入れ、それを10段重ねた状態で段ボールに入れた。トレイ10段を詰めた段ボール箱を、高さ900mmから段ボールの1角及び稜角3箇所、更に6面を一回ずつ落としトレイの破損状態を評価した。(評価基準:○=破損なし △=一部破損有り ×=破損有り)
【0033】
【図1】
【0034】
【図2】
【0035】
(実施例1〜2、比較例1〜4)
ポリプロピレン(PP)系樹脂(チッソ社製、FH3500:ホモポリプロピレン、MFR=4.0)100部及び化学発泡剤(クラリアント社製、CF40E)及びノニオン系帯電防止剤(花王社製、TS−3B)を、表1に示す割合で攪拌混合した配合組成物を、東芝機械社製90mm単軸押出機(L/D=34、ノンベント)を用いてシリンダー温度210℃にて溶融軟化し、190℃に設定した環状の押出機金口より押出された溶融樹脂を円筒環状の冷却装置により冷却して得られた円筒環状シートの一部を切り開いてシート状物とした。得られたシートの密度を表1に示した。
【0036】
各シートを、冷却機構を有するマッチモールド金型を用い、金型表面温度20℃、30℃、40℃、50℃、60℃と変えた成形型にて真空成形を行い、図1及び図2に示した形状の容器を作成した。各成形型温度から得られた成形容器10個の表面側及び裏面側の表面抵抗率を測定した結果及び実用落下試験の結果を表1に示す。表中の表面抵抗率測定の結果は、10点中の各表面抵抗率の値に入る個数(X)をX/10と示した。表1では、表面側と裏面側の表面抵抗率は同じ結果であった。
【0037】
【表1】
【0038】
(実施例3)
発泡シートの配合組成を表1に示した通りとし、シート密度を700kg・m−3とした以外は、実施例2と同様にして容器を作成し同様の評価を行った。評価結果は表1に示した。
【0039】
(比較例5)
シートの熱成形をマッチモールド金型を用いず通常の金型(雌型)を用い、金型温度を30℃に設定した以外は、実施例1と同様にして図1及び図2に示した形状の容器を作成し、同様の評価を行った。この容器は、実用落下試験の評価結果は○であったが、表面抵抗率は、裏面側(金型面側)は実施例2と同等であったが、表面側は、10点中4点が1012Ω/□以上であった。
【0040】
各実施例の成形方法により作成した発泡容器は表面抵抗率が安定しており、静電気の発生を防止することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明の帯電防止性ポリプロピレン系樹脂発泡シートを熱成形した包装体は、表面の帯電防止性に優れ且つ安定していることから、特に電子部品の包装体として使用した際に、静電気の発生による電気的な障害からの電子部品の保護性能に優れ、更に発泡体であることから外部からの衝撃による破壊および表面外観が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例のトレーの断面図である。
【図2】本発明の一例のトレーの平面図である。
Claims (3)
- 帯電防止剤を含有するポリプロピレン系樹脂発泡シートを、上下の金型表面温度が40℃未満のマッチモールド金型を用いて熱成形することを特徴とする、帯電防止ポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。
- 帯電防止剤を含有するポリプロピレン系樹脂発泡シートを、請求項1に記載の方法で熱成形した成形体であって、その上下面の表面抵抗率が1012Ω/□未満である帯電防止性ポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
- 前記ポリプロピレン系樹脂発泡シートの密度が180kg・m−3以上600kg・m−3未満である請求項2に記載した帯電防止性ポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
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