JP2004056508A - 携帯無線通信装置、プライベートユニット及び携帯無線通信装置本体ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】個人情報を登録するメモリ手段の容量不足を解消でき、しかもユーザにとって便利な携帯無線通信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】個人情報はプライベートユニット20に登録されており、電話機本体10から個人情報要求信号をプライベートユニット20にブルートゥースに従って無線送信すると(T4)、プライベートユニット20は自局宛の個人情報要求であることを条件に(T5)、登録されている個人情報を読み出し(T7)、当該個人情報を電話機本体10にブルートゥースに従って無線送信する(T8)。電話機本体10は、当該受信された個人情報を記憶する(T11)。この構成により、電話機本体10のメモリサイズを小さくできる。
【選択図】 図4
【解決手段】個人情報はプライベートユニット20に登録されており、電話機本体10から個人情報要求信号をプライベートユニット20にブルートゥースに従って無線送信すると(T4)、プライベートユニット20は自局宛の個人情報要求であることを条件に(T5)、登録されている個人情報を読み出し(T7)、当該個人情報を電話機本体10にブルートゥースに従って無線送信する(T8)。電話機本体10は、当該受信された個人情報を記憶する(T11)。この構成により、電話機本体10のメモリサイズを小さくできる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯無線通信装置、プライベートユニット及び携帯無線通信装置本体ユニットに係り、更に詳しくは、プライベートユニットと近距離無線通信プロトコルに従って無線通信可能な携帯電話機、例えばW−CDMA方式を採用した携帯電話機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機、PHS及びPDAなどの携帯無線通信装置の普及は目覚しいものがある。この種の携帯無線通信装置は、屋内はもちろん屋外へも手軽に持ち運ぶことができ、いつでもどこでも誰とでも通信できるものである。たとえば発呼時においてこのような機能を実現するため、従来の携帯無線通信装置は、通信相手の電話番号及び電子メールアドレスなどの個人情報を登録するメモリを内蔵し、屋内及び屋外のいずれの場所においても上記メモリから個人情報を読み出して通信できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、携帯無線通信装置の普及に伴ってメモリへ登録される個人情報件数も増加する傾向にあり、その結果メモリの容量不足を招くという問題が発生している。
【0004】
なお、たとえば特開平10−23133号公報には、たとえば屋内に固設された親機に個人情報を予め登録しておき、子機であるPHSから親機に登録された個人情報を必要に応じて読み出し、PHSから発呼できる技術が開示されている。
【0005】
しかし、この従来技術は、親機として据え置き型の電話機を対象としているので、PHSへの個人情報の転送は親機の設置場所でしか実行できず、ユーザにとって非常に不便であるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、個人情報を登録するメモリ手段の容量不足を解消でき、しかもユーザにとって便利な携帯無線通信装置、プライベートユニット及び携帯無線通信装置本体ユニットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、装置本体ユニットから個人情報の送信を要求する個人情報要求信号を所定の近距離無線通信プロトコルに従ってプライベートユニットに無線送信し、上記個人情報要求信号を受信したことに応答してプライベートユニットからユニットメモリ手段に記憶されている個人情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って装置本体ユニットに無線送信し、当該個人情報を装置本体ユニットの本体メモリ手段に記憶するとともに、この記憶された個人情報に基づいて無線通信するようにしたものである。
【0008】
請求項1に記載の本発明による携帯無線通信装置は、携帯可能な装置本体ユニット及び携帯可能なプライベートユニットからなる。上記装置本体ユニットは、上記個人情報の送信を要求する個人情報要求信号を所定の近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段と、上記プライベートユニットから上記近距離無線通信プロトコルに従って受信した個人情報を記憶する本体メモリ手段と、この本体メモリ手段に記憶された個人情報に基づいて無線通信を実行する無線通信手段とを有する。上記プライベートユニットは、個人情報を予め記憶するユニットメモリ手段と、上記個人情報要求信号を受信したことに応答して、上記ユニットメモリ手段に記憶されている個人情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記装置本体ユニットに無線送信する個人情報送信手段とを有する。
【0009】
請求項2に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、個人情報読み出しのための認証情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段をさらに有する。また、上記プライベートユニットが、予め定められた個人情報読み出しのための認証情報を登録認証情報として保持する認証情報メモリ手段を有し、上記個人情報送信手段は、上記個人情報要求信号に含まれている認証情報が上記登録認証情報と一致する場合に、上記個人情報を上記装置本体ユニットに送信するように構成される。
【0010】
請求項3に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、上記プライベートユニットに登録されている個人情報の一部を指定する指定情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段をさらに有する。また、上記個人情報送信手段が、上記ユニットメモリ手段に記憶されている個人情報のうち上記指定情報により指定された個人情報のみを上記装置本体ユニットに無線送信するように構成される。
【0011】
請求項4に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、加入者情報を記憶した加入者情報メモリ手段をさらに有し、上記無線通信手段が、上記加入者情報メモリ手段に記憶された加入者情報に基づいて無線通信を実行するように構成される。
【0012】
請求項5に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、加入者情報の送信要求を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段と、加入者情報読み出しのための認証情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段をさらに有する。また、上記プライベートユニットが、加入者情報を記憶した加入者情報メモリ手段と、予め定められた加入者情報読み出しのための認証情報を登録認証情報として保持する認証情報メモリ手段と、上記装置本体ユニットから加入者情報の要求があった場合に、上記装置本体ユニットからの認証情報が上記登録認証情報と一致するとき、上記加入者情報を上記装置本体ユニットに無線送信する手段とをさらに有する。そして、上記無線通信手段が、上記プライベートユニットから無線送信されてきた加入者情報に基づいて無線通信を実行する。
【0013】
請求項6に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、ユーザの指示に基づいて上記本体メモリ手段に記憶されている個人情報を消去する手段をさらに有する。
【0014】
請求項7に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、電源切断に応答して上記本体メモリ手段に記憶されている個人情報を消去する手段をさらに有する。
【0015】
請求項8に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、チェックメッセージを上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段と、チェックメッセージ送信後の所定時間内にプライベートユニットからの応答信号を受信できない場合に、上記本体メモリ手段に記憶されている個人情報を消去する手段をさらに有する。また、上記プライベートユニットが、上記チェックメッセージを受信したことに応答して、応答信号を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記装置本体ユニットに無線送信する手段とを有する。
【0016】
請求項9に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、上記チェックメッセージをプライベートユニットに定期的に無線送信する。
【0017】
請求項10に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記プライベートユニットが、個人情報消去要求信号を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記装置本体ユニットに無線送信する手段をさらに有し、上記上記装置本体ユニットが、上記個人情報消去要求信号を受信したことに応答して、上記本体メモリ手段に記憶されている個人情報を消去する手段をさらに有する。
【0018】
請求項11に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記近距離無線通信プロトコルが、ブルートゥースであることを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の本発明によるプライベートユニットは、携帯無線通信装置本体ユニットと所定の近距離無線通信プロトコルに従って無線通信するように構成された携帯可能なプライベートユニットであって、個人情報を予め記憶するユニットメモリ手段と、上記携帯無線通信装置本体ユニットからの個人情報要求信号を受信したことに応答して、上記ユニットメモリ手段に記憶されている個人情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記装置本体ユニットに無線送信する個人情報送信手段とを備えて構成される。
【0020】
請求項13に記載の本発明による携帯無線通信装置本体ユニットは、プライベートユニットと所定の近距離無線通信プロトコルに従って無線通信可能な携帯無線通信装置本体ユニットであって、 個人情報の送信を要求する個人情報要求信号を所定の近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段と、上記プライベートユニットから上記近距離無線通信プロトコルに従って受信された個人情報を記憶する本体メモリ手段と、この本体メモリ手段に記憶された個人情報に基づいて無線通信を実行する無線通信手段とを備えて構成される。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る携帯電話システムの全体構成を示す概略図である。この携帯電話システムは、W−CDMA方式を採用したものであり、音声通信はもちろん静止画や動画などの高速データ通信を可能とするものである。この携帯電話システムは、複数の携帯電話機MS(図1では便宜上1台)及び携帯通信ネットワークNWを備えており、携帯電話機MSは携帯通信ネットワークNWを介して他の携帯電話機及び図外の通信装置と通信できるようになっている。
【0022】
より具体的には、携帯通信ネットワークNWは、複数の基地局BS(図1では便宜上1台)、複数の基地局BSに接続され、当該基地局BSを制御する基地局制御装置BSC(図1では便宜上1台)、及び、複数の基地局制御装置BSCに接続され、呼のルーティングなどを実行する交換局MSCを備えている。交換局MSCには、加入者情報を登録するデータベースHLRが接続されている。
【0023】
この携帯通信ネットワークNWは、基地局BSの無線エリアであるセルから構成された所定のサービスエリアを有している。携帯電話機MSは、この携帯通信ネットワークNWのサービスエリア内に存在する限り、どの通信装置とも通信することができるようになっている。なお、携帯電話機MSは、携帯通信ネットワークNWとローミング契約を結んでいる他の携帯通信事業者のネットワークのサービスエリア内においても他の通信装置と通信できることは言うまでもない。
【0024】
図2は、携帯電話機MSの構成を示す機能ブロック図である。この携帯電話機MSは、電話機本体10及びプライベートユニット20を備えている。電話機本体10及びプライベートユニット20は、いずれも携帯可能に構成されたもので、所定の近距離無線通信プロトコルであるブルートゥース(Bluetooth)に従って相互に無線通信することができるようになっている。プライベートユニット20には通信相手の電話番号などの個人情報が記憶されており、電話機本体10は、ブルートゥースに従ってプライベートユニットから個人情報を取得し、当該個人情報を使って電話を掛けたり電子メールを送信したりすることができる。
【0025】
電話機本体10は、請求項における装置本体ユニット又は携帯無線通信本体装置に対応するもので、その高さが十数cm、幅及び奥行きが数cm程度であり、全体の重量がたとえば100g程度であるため、携帯可能な構成となっている。この電話機本体10は、制御中枢として機能するCPUなどの制御部11、携帯通信ネットワークNWとの無線通信のための本体無線通信部12、プライベートユニット20との無線通信のための近距離無線通信部13、加入者情報記憶部14、本体メモリ部15、ユーザインタフェース部(UI部)16及び各部に電源を供給する電池部17を備えている。
【0026】
本体無線通信部12は、無線部12a及びBB部(ベースバンド部)12bを備えている。無線部12aは、携帯通信ネットワークNWからアンテナを介して受信された制御データ、音声データ或いは画像データなどを含む高周波信号をベースバンド信号に変換したりベースバンド信号を高周波信号に変換しアンテナを介して携帯通信ネットワークNWに送信する。BB部12bは、無線部12aから与えられたベースバンド信号を復調しその復調データを本体制御部11に与えたり、本体制御部11から与えられたデータを変調してベースバンド信号を生成し当該ベースバンド信号を無線部12aに与えたりする。
【0027】
近距離無線通信部13は、ブルートゥースに従ってプライベートユニット20と無線通信するもので、本体無線通信部12と同様に、無線部13aおよびBB部13bを備えている。無線部13aは、プライベートユニット20との間でたとえば2.4GHzの無線電波を送受するもので、受信信号をベースバンド信号に変換したり、送信すべきベースバンド信号を上記無線電波に変換したりする。BB部13bは、無線部13aから与えられたベースバンド信号を復調しその復調データを本体制御部11に与えたり、本体制御部11から与えられたデータを変調してベースバンド信号を生成し当該ベースバンド信号を無線部13aに与えたりする。
【0028】
加入者情報記憶部14は、加入者情報を記憶するもので、たとえばW−CDMAにおけるUIM(User Identity Module)に類似するものである。加入者情報は、自局電話番号、及び発着信並びに課金のための加入者識別情報を含む。すなわち、加入者情報は課金対象にもなるので、電話機本体10はこの加入者情報がなければ通信できないものである。また、加入者情報記憶部14は、プライベートユニット20のユニットアドレス(たとえば48ビット)を記憶するアドレス記憶部14aを備えている。すなわち、この実施の形態1では、電話機本体10とプライベートユニット20とは1対1に対応する。
【0029】
本体メモリ部15は、電源オフによってもデータを保持するフラッシュメモリなどの不揮発性メモリから構成されるもので、無線通信に必要なデータを一時的に保持するワークエリアとしての機能を有する他、個人情報記憶部15aを有している。個人情報記憶部15aは、プライベートユニット20から転送される個人情報を記憶するメモリ領域に対応するものである。
【0030】
また、本体メモリ部15は、着信履歴記憶部15bを有している。着信履歴記憶部15bは、本体無線通信部12で受信された着呼信号に含まれている通信相手の電話番号及び電子メールを記憶するものである。本体制御部11は、本体無線通信部12で着呼信号が受信されると、この着呼信号に含まれている電話番号を抽出し、当該電話番号を着信履歴記憶部15bに記憶させる。また、本体制御部11は、本体無線通信部12で電子メールが受信されると、当該電子メールを着信履歴記憶部15bに記憶させる。
【0031】
UI部16は、ユーザにより直接操作可能な複数の操作キー部、表示部、マイク部及びスピーカ部などを備えている。操作キー部は、発呼/着呼キー、ファンクションキー、電源キー及びテンキーなどを備えている。
【0032】
一般に、プライベートユニット20は、携帯電話機本体10と同程度か、さらに小型で軽量の携帯可能な装置として構成されている。プライベートユニット20は、制御中枢として機能するCPUなどのユニット制御部21、電話機本体10との無線通信のための近距離無線通信部22、ユーザインタフェース部(UI部)23、ユニットメモリ部24及び各部に電源を供給する電池部25を備えている。
【0033】
近距離無線通信部22は、ブルートゥースに従って電話機本体10と無線通信するもので、無線部22aおよびBB部22bを備えている。無線部22aは、電話機本体10との間でたとえば2.4GHzの無線電波を送受するもので、受信信号をベースバンド信号に変換したり、送信すべきベースバンド信号を上記無線電波に変換したりする。BB部22bは、無線部22aから与えられたベースバンド信号を復調しその復調データをユニット制御部21に与えたり、ユニット制御部21から与えられたデータを変調してベースバンド信号を生成し当該ベースバンド信号を無線部22aに与えたりする。
【0034】
UI部23は、ユーザにより直接操作可能な複数の操作キー部及び表示部などを備えている。操作キー部は、発呼/着呼キー、ファンクションキー、電源キー及びテンキーなどを備えている。
【0035】
ユニットメモリ部24は、電源オフによってもデータを保持するフラッシュメモリなどの不揮発性メモリから構成されるもので、無線通信に必要なデータを一時的に保持するワークエリアとしての機能を有する他、個人情報登録部24aを有している。個人情報登録部24aは、個人情報を予め登録するメモリ領域に対応するものである。また、ユニットメモリ部24は、アドレス記憶部24bを有している。アドレス記憶部24bは、プライベートユニットのユニットアドレスを登録アドレス(個人情報読み出しのための登録認証情報)として予め登録するものである。
【0036】
個人情報は、自局以外の携帯電話機、PHS電話機、PDA、パーソナルコンピュータ及び固定電話機などの通信相手となる他の通信装置の電話番号や電子メールアドレス等の通信装置ごとに対応付けられた情報等である。個人情報は、たとえばUI部23を介して個人情報登録部24aに予め登録される。
【0037】
個人情報の登録はたとえば次のとおりである。個人情報を手動で登録する場合、ユーザは、操作キー部のファンクションキーを操作し登録画面を表示部に表示させる。この状態においてユーザは操作キー部のテンキーを操作し、通信相手の名前、住所、電話番号、電子メールアドレスなどを登録する。ユニット制御部21は、この入力された個人情報を個人情報登録部24aに通信相手ごとに登録する。
【0038】
また、個人情報の登録は、たとえば電話機本体10での受信信号に基づいても行われる。具体的には、電話及び電子メールの着呼時においては電話機本体10での受信信号中に通信相手の電話番号又は電子メールアドレスが含まれている。これらの電話番号又は電子メールアドレスは、上述のように、受信後も着信履歴として電話機本体10に保持される。
【0039】
この着信された電話番号又は電子メールアドレスをプライベートユニット20に登録する場合、ユーザは、電話機本体10の操作キー部を操作し、着信履歴記憶部15bに記憶されている電話番号又は電子メールアドレスの登録を指示する。これに応答して、本体制御部11は、上記登録指示に応答して、登録指示された電話番号又は電子メールアドレスを含む登録要求信号を生成し、当該登録要求信号を近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する。
【0040】
ユニット制御部21は、近距離無線通信部22を介して受信された上記登録要求信号の中から電話番号又は電子メールアドレスを抽出し、当該電話番号又は電子メールアドレスを個人情報登録部24aに登録させる。こうして、個人情報の登録が達成される。
【0041】
図3は、電話機本体10による発呼処理を説明するためのフローチャートである。本体メモリ部15に個人情報が記憶されていない場合において、ユーザは、通信相手に電話を掛ける場合、電話機本体10に対して個人情報の転送を指示する。これに応答して、本体制御部11は、プライベートユニット20に記憶されている個人情報をブルートゥースに従って取得する個人情報取得処理を実行する(ステップS1)。その結果、プライベートユニット20に記憶されている個人情報は電話機本体10に送信され本体メモリ部15の個人情報記憶部15aに記憶される。この場合、本体制御部11は、個人情報の転送が完了したことを表示部を介してユーザに知らせる。
【0042】
ユーザは、特定の電話番号を読み出すために操作キー部のファンクションキーを操作する。これに応答して、本体制御部11は、個人情報記憶部15aに記憶された個人情報を読み出し逐一表示部に表示させる(ステップS2)。ユーザは、特定の電話番号が表示されている状態で発呼/着呼キーを操作する。これに応答して、本体制御部11は、当該電話番号に対する発呼処理を実行する(ステップS3、S4)。
【0043】
具体的には、本体制御部11は、加入者情報記憶部14にアクセスし、加入者情報記憶部14に記憶されている加入者情報を読み出す(ステップS3)。本体制御部11は、この読み出された加入者情報及びユーザにより選択された電話番号を含む発呼信号を本体無線通信部12を介して携帯通信ネットワークNWに無線送信する(ステップS4)。
【0044】
携帯通信ネットワークNWは、上記発呼信号を受信すると、当該発呼信号中の加入者情報を抽出し、当該加入者情報に基づいて認証処理を実行する。具体的には、携帯通信ネットワークNWは、HLRなどの加入者情報を予め記憶したデータベースにアクセスし、発呼元の加入者情報を照合する。その結果、正規の加入者であれば、携帯通信ネットワークNWは従来公知の回線接続処理を実行する。
【0045】
図4は、電話機本体10とプライベートユニット20間で実行される個人情報転送処理を説明するためのフローチャートである。この図4において、電話機本体10の処理が図3における個人情報取得処理に相当する。
【0046】
ユーザは、操作キー部のファンクションキーを操作することに種々の機能を選択できるメニュー画面を表示部に表示させ(ステップT1)、この中から「電話帳」を選択する(ステップT2)。これに応答して、本体制御部11は、個人情報要求処理を実行する(ステップT3)。
【0047】
より詳述すれば、本体制御部11は、「電話帳」が選択されると、アドレス記憶部15bに記憶されているユニットアドレスを読み出し、当該ユニットアドレスを宛先とした個人情報要求信号を近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する(ステップT4)。つまり、ユニットアドレスは個人情報読み出しのための認証情報として送信される。
【0048】
ユニット制御部21は、近距離無線通信部22を介して上記個人情報要求信号を受信すると、自局宛であるか否かを判断する認証処理を実行する(ステップT5)。具体的には、ユニット制御部21は、上記個人情報要求信号の宛先であるユニットアドレスに基づいて、受信相手は自局であるか否かを判別する。さらに具体的には、ユニット制御部21は、アドレス記憶部24bにアクセスし、個人情報要求信号の宛先であるユニットアドレスと自局の登録アドレスとの異同を判別する。
【0049】
自局のアドレスでなければ(ステップT5のNO)、正規の電話機本体10からのアクセスでないとみなすことができるので、ユニット制御部21は、アクセス不能信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップT6)。本体制御部11は、個人情報要求信号送信後個人情報を受信したか否かを監視しており(ステップT9)、上記アクセス不能信号が近距離無線通信部13を介して受信されると、アクセス不能である旨を表示部に表示させるなどしてユーザに報知する(ステップT10)。
【0050】
一方、自局のアドレスであれば(ステップT5のYES)、正規の電話機本体10からのアクセスであるとみなすことができるので、ユニット制御部21は、個人情報登録部24aに登録されている個人情報を読み出し(ステップT7)、当該個人情報を含む個人情報信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップT8)。
【0051】
近距離無線通信部13を介して個人情報信号が受信されると、ステップT9の判別結果は肯定となるので、本体制御部11は、当該個人情報信号中の個人情報を本体メモリ部15の個人情報記憶部15aに記憶させる(ステップT11)。これにより、個人情報の転送が完了する。
【0052】
以上のようにこの実施の形態1によれば、携帯可能なプライベートユニット20に個人情報を登録しておくことができるので、電話機本体10のみに個人情報を登録する場合に比べて電話機本体10のメモリサイズを小さくできる。そのため、電話機本体10のサイズ及びコストを抑えることができる。
【0053】
また、屋内及び屋外のいずれの場所においても必要に応じてプライベートユニット20から個人情報を電話機本体10に転送することができるので、特定の場所でしか個人情報を転送できない場合と異なり、ユーザの不便を解消できる。
【0054】
さらに、電話機本体10は出し入れが頻繁で紛失及び落下などによる個人情報の漏洩及び破損の危険が付きまとうが、プライベートユニット20は鞄又は財布などに常時収納できるので、個人情報のセキュリティを確保できる。すなわち、プライベートユニット20を常時鞄などに収納した状態でもブルートゥースに従って無線で個人情報を電話機本体10に転送することができるからである。
【0055】
さらにまた、個人情報を転送するのに先立ってユニットアドレスを使って認証処理を実施するようにしているので、プライベートユニット20の個人情報が第三者の電話機本体に転送される危険を防止できる。そのため、個人情報のセキュリティを一層確保できる。
【0056】
なお、上記説明では、ユニットアドレスの認証結果のみで個人情報の転送を許可している。しかし、たとえば電話機本体10及びプライベートユニット20の両方が盗難された場合或いは両方を紛失した場合、第三者に悪用されるおそれがある。そこで、さらなるセキュリティ向上のため、個人情報読み出しのための第2の認証情報としてのパスワードによる認証処理を追加してもよい。
【0057】
図5は、パスワードによる認証処理を追加した個人情報転送処理を説明するためのフローチャートである。プライベートユニット20における自局宛か否かの判別処理T5までは図4と同じなのでその説明を省略する。
【0058】
なお、この図5に係る処理を実行する場合におけるユニットメモリ部24は、パスワード記憶部(図示せず)を備えている。パスワード記憶部は、ユニットメモリ部24の個人情報登録部24aへのアクセスを許可する登録パスワード(個人情報読み出しのための登録認証情報)を予め記憶している。
【0059】
ユニット制御部21は、個人情報要求が自局宛であると判別すると(ステップT5のYES)、パスワードの入力を電話機本体10に対して要求するパスワード要求処理を実行する(ステップU1)。具体的には、ユニット制御部21はパスワード要求信号(個人情報読み出しのための認証情報)を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップU2)。
【0060】
一方、本体制御部11は、個人情報要求信号送信後、パスワード要求信号を受信したか否かを監視する(ステップU3)。パスワード要求信号でなくアクセス不能信号を受信した場合、本体制御部11は、アクセス不能をユーザに報知する(ステップU12)。パスワード要求信号を受信した場合、本体制御部11は、パスワード入力画面を電話機本体10の表示部に表示させる(ステップU4)。ユーザは、このパスワード入力画面上でパスワードを入力する(ステップU5)。入力されたパスワードは、近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信される(ステップU6)。
【0061】
ユニット制御部21は、パスワードが受信されると、パスワードの認証処理を実行する(ステップU7)。具体的には、ユニット制御部21は、受信されたパスワードがパスワード記憶部に記憶されている登録パスワードと一致するか否かを判別する。一致しなければ、不正ユーザからのアクセスであるとみなすことができるから、ユニット制御部21は、アクセス不能信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップU8)。本体制御部11は、パスワード入力後個人情報を受信したか否かを監視しており(ステップU11)、この状態においてアクセス不能信号が近距離無線通信部13を介して受信された場合、アクセス不能をユーザに報知する(ステップU12)。
【0062】
一方、登録パスワードと一致すれば、正規ユーザからのアクセスであるとみなすことができるから、ユニット制御部21は、個人情報登録部24aから個人情報を読み出し(ステップU9)、当該個人情報を含む個人情報信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップU10)。本体制御部11は、近距離無線通信部13を介して個人情報が受信されると(ステップU11のYES)、当該個人情報を本体メモリ部15の個人情報記憶部15aに記憶させる(ステップU13)。こうして、個人情報の転送が達成される。
【0063】
以上のようにこの構成によれば、プライベートユニットのアドレスだけでなくパスワードによる認証処理を追加しているから、個人情報のセキュリティをより一層向上することができる。
【0064】
また、上記説明では、プライベートユニット20に登録されている個人情報をすべて一括して電話機本体10に転送する場合を例にとって説明している。しかし、たとえばプライベートユニット20に登録されている個人情報の一部を選択的に電話機本体10に転送するようにしてもよい。
【0065】
図6は、個人情報の一部を選択的に電話機本体10に転送する場合の処理を説明するための信号シーケンスである。図6におけるステップV1の「アクセス許可」とは、図4におけるステップT5(ユニットアドレスによる承認)又は図5におけるステップT5及びU7(ユニットアドレス及びパスワードによる承認)に相当する処理である。
【0066】
ユニット制御部21は、アクセス許可である場合、個人情報リストを個人情報登録部24aから読み出し(ステップV3)、当該個人情報リストを近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップV4)。ここに、個人情報リストは、個人情報登録部24aに登録されている個人情報のタイトルの一覧に相当するもので、たとえば個人或いは組織の名称である。或いは、個人情報リストは、複数の個人情報を所定のグループに分類した場合におけるグループ名或いはグループ番号である。ユニット制御部21は、個人情報を個人情報登録部24aに登録する際に、当該個人情報リストを作成し個人情報登録部24aに登録している。
【0067】
本体制御部11は、個人情報要求信号送信後個人情報リストを受信したか否かを監視している(ステップV5)。個人情報リストでなくアクセス不能信号(ステップV2)が受信された場合には、本体制御部11は、アクセス不能である旨をユーザに報知する(ステップV13)。一方、個人情報リストが受信された場合、本体制御部11は、当該個人情報リストを表示部に表示させ(ステップV6)、転送を希望するリスト番号の入力をユーザに促す。ユーザは、転送希望のリスト番号を操作キー部を介して指定する(ステップV7)。本体制御部11は、転送希望のリスト番号が指定されると、当該リスト番号を近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する(ステップV8)。
【0068】
ユニット制御部21は、近距離無線通信部22を介してリスト番号が受信されると、当該リスト番号に対応する個人情報のみを個人情報登録部24aから読み出し(ステップV9)、当該個人情報を含む個人情報信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップV10)。本体制御部11は、個人情報信号が受信されると(ステップV11のYES)、当該個人情報を個人情報記憶部15aに記憶させる(ステップV12)。こうして、個人情報の選択転送が達成される。
【0069】
以上のようにこの構成によれば、プライベートユニット20に登録されている個人情報の一部のみを選択的に電話機本体10に転送させることができるので、プライベートユニット20のメモリサイズを大きくして多くの個人情報を登録しておくことができる一方で電話機本体10のメモリサイズを一層小さくできる。つまり、個人情報の転送を予め実行したうえで携帯電話機を携帯する必要のある場合に比べて、電話機本体10のメモリ容量の範囲を超えた個人情報の携帯が可能となる。そのため、電話機本体10のサイズ及びコストをより一層低減することができる。
【0070】
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係る携帯電話機MSの構成を示すブロック図である。図7において、図2と同じ機能部分については同一の参照符号を使用する。
【0071】
上記実施の形態1では、加入者情報は電話機本体10の加入者情報記憶部14に記憶されている。これに対して、この実施の形態2によれば、加入者情報は電話機本体10でなくプライベートユニット20に記憶されている。この構成により、電話機本体10をいわば公衆電話機として使用することができる。
【0072】
より詳述すれば、この実施の形態2に係る電話機本体10は、実施の形態1と異なり、加入者情報記憶部を有しておらず、その代わりに、プライベートユニットが加入者情報記憶部31を有している。また、電話機本体10は、実施の形態1と異なり、プライベートユニット20のユニットアドレスを予め登録していない。これは、電話機本体10を公衆電話機として使用するために、複数のプライベートユニット20にアクセス可能とするためである。
【0073】
図8は、実施の形態2に係る発呼処理を説明するためのフローチャートである。この発呼処理は、プライベートユニット20から電話機本体10に対して個人情報が既に転送されている場合を例にとって説明する。
【0074】
電話機本体10は、プライベートユニット20の加入者情報を定期的(たとえば30秒ごとに)にチェックする。具体的には、本体制御部11は、加入者情報のチェックメッセージを定期的に近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する(ステップW1)。ユニット制御部21は、チェックメッセージを近距離無線通信部22を介して受信すると、加入者情報を加入者情報記憶部31から読み出し、当該加入者情報を含む応答信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に返信する(ステップW2)。
【0075】
ユーザにより発呼指示が入力された場合(ステップW3のYES)、本体制御部11は、ユーザに対しプライベートユニット20の特定を問い合わせる(ステップW4)。具体的には、本体制御部11は、プライベートユニット20から応答信号を受信していることを条件に、プライベートユニット20のユニットアドレスを入力する入力画面を電話機本体の表示部に表示させる。ユーザは、この入力画面から特定のユニットアドレスを入力する。ユニットアドレスが入力されると、本体制御部11は、当該ユニットアドレス(加入者情報読み出しのための認証情報)を近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する(ステップW5)。
【0076】
ユニット制御部21は、上記ユニットアドレスが近距離無線通信部22を介して受信されると、アドレス認証処理を実行する(ステップW6)。具体的には、ユニット制御部21は、受信されたユニットアドレスがアドレス記憶部24bの登録アドレス(加入者情報読み出しのための登録認証情報)と一致するか否かを判別する。
【0077】
一致しなければ不正ユーザからのアクセスであるとみなすことができるから、ユニット制御部21は、アクセス不能信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップW7)。本体制御部11は、ユニットアドレス送信後パスワード要求信号を受信したか否かを監視している(ステップW9)。パスワード要求信号でなくアクセス不能信号を受信した場合、本体制御部11は、アクセス不能である旨を表示部に表示するなどしてユーザに報知する(ステップW16)。この場合、発呼動作は中止される。
【0078】
上記ステップW6での判別の結果ユニットアドレスが一致すると判別された場合、ユニット制御部21は、パスワード要求信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップW8)。本体制御部11は、近距離無線通信部13を介してパスワード要求信号が受信されると、パスワード信号を近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する(ステップW10)。具体的には、本体制御部11は、パスワード入力画面を表示部に表示させ、ユーザからパスワードが入力された後、当該パスワード(加入者情報読み出しのための認証情報)をプライベートユニット20に送信する。
【0079】
ユニット制御部21は、近距離無線通信部22を介してパスワード信号が受信されると、当該パスワードと加入者情報記憶部31に記憶されている登録パスワード(加入者情報読み出しのための登録認証情報)とを照合する認証処理を実行する(ステップW11)。
【0080】
一致しなければ不正ユーザからのアクセスであるとみなすことができるので、ユニット制御部21は、アクセス不能信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップW12)。本体制御部11は、パスワード信号送信後加入者情報を受信したか否かを監視している(ステップW14)。加入者情報でなくアクセス不能信号が受信された場合、本体制御部11は、アクセス不能である旨をユーザに報知する(ステップW16)。
【0081】
一方、一致すれば正規ユーザからのアクセスであるとみなすことができるので、ユニット制御部21は、加入者情報記憶部31から加入者情報を読み出し、当該加入者情報を含む加入者情報信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップW13)。本体制御部11は、近距離無線通信部13を介して加入者情報信号が受信されると、当該加入者情報信号中の加入者情報を抽出し、この加入者情報及び通信相手の電話番号などの個人情報を含む発呼信号を本体無線通信部12を介して携帯通信ネットワークNWへ無線送信する(ステップW15)。
【0082】
携帯通信ネットワークNWは、上記発呼信号を受信すると、当該発呼信号中の加入者情報を抽出し、当該加入者情報に基づいて認証処理を実行する。具体的には、携帯通信ネットワークNWは、HLRなどの加入者情報を予め記憶したデータベースにアクセスし、発呼元の加入者情報を照合する。その結果、正規の加入者であれば、携帯通信ネットワークNWは従来公知の回線接続処理を実行する。
【0083】
本体制御部11は、回線接続後も継続してプライベートユニットの加入者情報のチェックを実施する。もしプライベートユニットから応答信号が返信されてこなかった場合、本体制御部11は従来公知の回線切断処理を実行する。
【0084】
以上のようにこの実施の形態2によれば、加入者情報をプライベートユニット20に登録することにより電話機本体10のみで通信することを禁止できる。したがって、電話機本体10を盗難され、あるいは紛失した場合でも、悪用される危険を回避できる。
【0085】
また、プライベートユニット20を保持する第三者に対して電話機本体10を貸与しても通信料金はプライベートユニットの保有者に課金されるから、通信料金を精算する必要がない。
【0086】
さらに、電話機本体10を公共の場所に設置しておけばプライベートユニット20を保有する複数のユーザが電話機本体10を使用できるから、公衆電話機としても使用することができる。
【0087】
さらにまた、プライベートユニット20からの加入者情報の読み出しは、ユニットアドレス及びパスワードの2段階の認証を必須としているので、たとえプライベートユニット20が盗難されたりプライベートユニットを紛失したりした場合でも、不正使用を防止できる。
【0088】
実施の形態3.
図9は、この発明の実施の形態3に係る電話機本体10における個人情報消去処理を説明するためのフローチャートである。
【0089】
上記実施の形態1又は2では、プライベートユニット20から転送された個人情報を電話機本体10の個人情報記憶部15aに記憶している。プライベートユニット20に登録されている個人情報はセキュリティが確保されているため第三者に漏洩することはないが、電話機本体10に転送され記憶されている個人情報は電話機本体10を操作することにより第三者に知られるおそれがある。そこで、この実施の形態3では、電話機本体10に記憶されている個人情報を必要に応じて消去できるようにしている。
【0090】
より詳述すれば、ユーザの指示に応答して、本体制御部11はメニュー画面を表示部に表示させる(ステップX1)。このメニュー画面は、たとえば個人情報転送及び個人情報消去などの複数の選択肢を表示する画面である。本体制御部11は、いずれの選択肢が選択されるかを待つ。ユーザにより個人情報消去が選択されると(ステップX2のYES)、本体制御部11は、本体メモリ部15の個人情報記憶部15aにアクセスし、記憶されている個人情報をすべて消去する(ステップX3)。
【0091】
以上のようにこの実施の形態3によれば、電話機本体10に転送され記憶されている個人情報を一括消去できるので、たとえば電話機本体10が盗難又は紛失した場合でも個人情報の漏洩を防止できる。
【0092】
なお、上記説明では、個人情報の一括消去を例にとっているが、たとえばメニュー画面の個人情報消去が選択された場合、記憶されている複数(或いはすべて)の個人情報のリストを表示部に表示するようにし、個人情報を個別に消去できるようにしてもよいことはもちろんである。
【0093】
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4に係る電話機本体における個人情報消去処理を説明するためのフローチャートである。
【0094】
上記実施の形態3では、ユーザによりメニュー画面の表示が指示されその中から個人情報消去を指示された場合に、個人情報を消去する場合を例にとっている。これに対して、この実施の形態4では、電源オフが指示された場合に個人情報を消去する。
【0095】
具体的には、本体制御部11は、ユーザにより操作キー部の電源キーが押圧され電源オフが指示されたことを検出すると(ステップY1)、本体メモリ部15の個人情報記憶部15aにアクセスし、記憶されている個人情報を一括消去する(ステップY2)。
【0096】
この構成によれば、メニュー画面をわざわざ表示させて選択動作をしなくても電話機本体10に記憶されている個人情報を一括消去できるので、ユーザに面倒な操作をさせなくて済む。そのため、ユーザの利便性を向上できる。また、個人情報の消去を忘れる場合も考えられるので、個人情報のセキュリティを向上できる。
【0097】
なお、上記説明では、電源オフに応答して個人情報を一括消去する場合を例にとっているが、上記と同様に個人情報を個別に消去できるようにしてもよいことはもちろんである。この場合、本体制御部11は、電源オフが指示されると、上記と同様に記憶されている複数(或いはすべて)の個人情報のリストを表示部に表示させ、この中からユーザによる操作キー部の操作により選択された個人情報のみを消去する。この構成によれば、個人情報の消去忘れを防止でき、しかも残しておいても問題のない個人情報を消去せずに済むので、ユーザの利便性を一層向上することができる。
【0098】
実施の形態5.
図11は、この発明の実施の形態5に係る個人情報消去処理での電話機本体10及びプライベートユニット20の信号シーケンスである。
【0099】
上記実施の形態3又は4では、ユーザの指示又は電源オフに基づいて電話機本体10に記憶されている個人情報を消去する。これに対して、この実施の形態5では、電話機本体10からプライベートユニット20を定期的又は不定期にモニタし、電話機本体10においてプライベートユニット20と通信不能となった場合に、個人情報を自動的に消去する場合を例にとっている。
【0100】
不定期にプライベートユニット20をモニタする場合の例を以下に説明する。本体制御部11は、電話機本体10が携帯通信ネットワークNWのサービスエリアの圏外に存在するか否かを監視する(ステップZ1)。具体的には、携帯通信ネットワークNWは、サービスエリアに対して報知信号を常時報知している。電話機本体10は、本体無線通信部12を介してこの報知信号を常時受信しており、本体制御部11はこの報知信号を所定のしきい値以上で受信している間はサービスエリアの圏内であると判断する。すなわち、本体制御部11は、報知信号の受信レベルがしきい値未満であるか否かに基づいてサービスエリアの圏外又は圏内を判断している。
【0101】
ステップZ1の結果サービスエリア圏外であると判別されると、本体制御部11は、近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20の有無を検出する。具体的には、本体制御部11は、近距離無線通信部13を介して所定のチェックメッセージを無線送信する(ステップZ2)。ユニット制御部21は、電話機本体10からチェックメッセージを受信したか否かを判別する(ステップZ3)。たとえばチェックメッセージを受信できないほど電話機本体10と離れている場合、当然ながらチェックメッセージは受信されないので、ユニット制御部21は、ステップZ3の処理を繰り返し実行する。一方、チェックメッセージを受信したと判別されると、ユニット制御部21は、応答信号を近距離無線通信部22を介して返信する(ステップZ4)。
【0102】
本体制御部11は、上記チェックメッセージ送信と同時に所定のタイマをスタートさせる(ステップZ5)。そして、本体制御部11は、上記タイマがタイムアップしたか否かをモニタする(ステップZ6)。上記タイマがタイムアップした場合、プライベートユニット20との通信は不能と考えられるので、本体制御部11は、本体メモリ部15の個人情報記憶部15aにアクセスし、記憶されているすべての個人情報を一括消去する(ステップZ7)。
【0103】
一方、上記タイマがタイムアップしていない間、本体制御部11は、応答信号を受信したか否かをモニタする(ステップZ8)。応答信号が受信されれば、本体制御部11は、ステップZ1の処理に移行する。一方、応答信号が受信されなければ、本体制御部11は、ステップZ6の処理に移行し、タイマがタイムアップしたか否かを繰り返し判別する。
【0104】
以上のようにこの実施の形態5によれば、電話機本体10がサービスエリア圏外に出た場合をトリガとしてプライベートユニット20をモニタし、プライベートユニット20と通信不能であるとき、電話機本体10に記憶されている個人情報を一括消去する。したがって、たとえばユーザの知らないうちに電話機本体10が盗難され又は紛失した場合でも、電話機本体10の個人情報を自動的に一括消去できるので、個人情報が第三者に漏洩するのを防止できる。
【0105】
なお、上記説明では、プライベートユニットを不定期にモニタするトリガとしてサービスエリア圏外への退出を例にとって説明している。しかし、たとえばプライベートユニットを不定期にモニタするトリガとしては、たとえば電話機本体10からの発信時又は電話機本体10への着信時を考えることができる。この構成によれば、たとえば電話機本体10を盗難した第三者が電話機本体10を悪用しようとした場合に個人情報を自動的に一括消去できるので、個人情報の漏洩を最小限に抑えることができる。
【0106】
また、上記説明では、プライベートユニット20を不定期にモニタする場合を例にとっているが、プライベートユニット20を定期的にモニタするようにしてもよいことはもちろんである。この場合、本体制御部11は、サービスエリアの圏外か否かを判別する代わりに、所定周期が経過したか否かを判別する。この構成によれば、たとえば盗難された又は紛失した電話機本体10がサービスエリア圏外に出なくても電話機本体10に記憶されている個人情報を自動的に一括消去できるので、個人情報のセキュリティをより一層向上することができる。
【0107】
実施の形態6.
図12は、この発明の実施の形態6に係る個人情報消去処理での電話機本体10及びプライベートユニット20の信号シーケンスである。
【0108】
上記実施の形態5では、電話機本体10からプライベートユニット20にアクセスすることにより個人情報の消去処理を実行する場合を例にとっている。これに対して、この実施の形態6では、プライベートユニット20から電話機本体10にアクセスすることにより電話機本体10に記憶されている個人情報を消去することとしている。
【0109】
より詳述すれば、上述のようにプライベートユニット20はユーザが操作可能な操作キー部を有しており、この操作キー部は消去要求キーを含む。ユニット制御部21は、上記消去要求キーが押圧されると(ステップA1のYES)、電話機本体10に対して個人情報消去要求信号を近距離無線通信部22を介して無線送信する(ステップA2)。一方、本体制御部11は、上記個人情報消去要求信号が近距離無線通信部を介して受信されると(ステップA3のYES)、本体メモリ部15の個人情報記憶部15aにアクセスし、記憶されているすべての個人情報を一括消去する(ステップA4)。本体制御部11は、消去終了後、消去完了信号を近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する(ステップA5)。
【0110】
以上のようにこの実施の形態6によれば、プライベートユニット20からでも電話機本体に記憶されている個人情報を一括消去できる。
【0111】
なお、この発明の実施の形態の説明は以上のとおりであるが、この発明は上述の実施の形態に限定されるものでない。たとえば上記実施の形態では、携帯無線通信装置として携帯電話機MSを例にとって説明している。しかし、たとえば携帯無線通信装置としては、通話機能のないPDAなどを採用することができる。
【0112】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、携帯可能なプライベートユニットに個人情報を記憶しているので、装置本体ユニットのメモリ容量を小さくできる。また、屋内及び屋外のいずれの場所においても個人情報を必要に応じて装置本体ユニットに転送することができるので、ユーザへの不便を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る携帯電話システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】携帯電話機の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】電話機本体による発呼処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】電話機本体とプライベートユニット間で実行される個人情報転送処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】パスワードによる認証処理を追加した個人情報転送処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】個人情報の一部を選択的に電話機本体に転送する場合の処理を説明するための信号シーケンスである。
【図7】この発明の実施の形態2に係る携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2に係る発呼処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態3に係る電話機本体における個人情報消去処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態4に係る電話機本体における個人情報消去処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態5に係る個人情報消去処理での電話機本体及びプライベートユニットの信号シーケンスである。
【図12】この発明の実施の形態6に係る個人情報消去処理での電話機本体及びプライベートユニットの信号シーケンスである。
【符号の説明】
MS 携帯電話機、10 電話機本体、11 本体制御部、
12 本体無線通信部、13 近距離無線通信部、14 加入者情報記憶部、
15 本体メモリ部、15a 個人情報記憶部、20 プライベートユニット、
21 ユニット制御部、22 近距離無線通信部、24 ユニットメモリ部、
24a 個人情報登録部、31 加入者情報記憶部
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯無線通信装置、プライベートユニット及び携帯無線通信装置本体ユニットに係り、更に詳しくは、プライベートユニットと近距離無線通信プロトコルに従って無線通信可能な携帯電話機、例えばW−CDMA方式を採用した携帯電話機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機、PHS及びPDAなどの携帯無線通信装置の普及は目覚しいものがある。この種の携帯無線通信装置は、屋内はもちろん屋外へも手軽に持ち運ぶことができ、いつでもどこでも誰とでも通信できるものである。たとえば発呼時においてこのような機能を実現するため、従来の携帯無線通信装置は、通信相手の電話番号及び電子メールアドレスなどの個人情報を登録するメモリを内蔵し、屋内及び屋外のいずれの場所においても上記メモリから個人情報を読み出して通信できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、携帯無線通信装置の普及に伴ってメモリへ登録される個人情報件数も増加する傾向にあり、その結果メモリの容量不足を招くという問題が発生している。
【0004】
なお、たとえば特開平10−23133号公報には、たとえば屋内に固設された親機に個人情報を予め登録しておき、子機であるPHSから親機に登録された個人情報を必要に応じて読み出し、PHSから発呼できる技術が開示されている。
【0005】
しかし、この従来技術は、親機として据え置き型の電話機を対象としているので、PHSへの個人情報の転送は親機の設置場所でしか実行できず、ユーザにとって非常に不便であるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、個人情報を登録するメモリ手段の容量不足を解消でき、しかもユーザにとって便利な携帯無線通信装置、プライベートユニット及び携帯無線通信装置本体ユニットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、装置本体ユニットから個人情報の送信を要求する個人情報要求信号を所定の近距離無線通信プロトコルに従ってプライベートユニットに無線送信し、上記個人情報要求信号を受信したことに応答してプライベートユニットからユニットメモリ手段に記憶されている個人情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って装置本体ユニットに無線送信し、当該個人情報を装置本体ユニットの本体メモリ手段に記憶するとともに、この記憶された個人情報に基づいて無線通信するようにしたものである。
【0008】
請求項1に記載の本発明による携帯無線通信装置は、携帯可能な装置本体ユニット及び携帯可能なプライベートユニットからなる。上記装置本体ユニットは、上記個人情報の送信を要求する個人情報要求信号を所定の近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段と、上記プライベートユニットから上記近距離無線通信プロトコルに従って受信した個人情報を記憶する本体メモリ手段と、この本体メモリ手段に記憶された個人情報に基づいて無線通信を実行する無線通信手段とを有する。上記プライベートユニットは、個人情報を予め記憶するユニットメモリ手段と、上記個人情報要求信号を受信したことに応答して、上記ユニットメモリ手段に記憶されている個人情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記装置本体ユニットに無線送信する個人情報送信手段とを有する。
【0009】
請求項2に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、個人情報読み出しのための認証情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段をさらに有する。また、上記プライベートユニットが、予め定められた個人情報読み出しのための認証情報を登録認証情報として保持する認証情報メモリ手段を有し、上記個人情報送信手段は、上記個人情報要求信号に含まれている認証情報が上記登録認証情報と一致する場合に、上記個人情報を上記装置本体ユニットに送信するように構成される。
【0010】
請求項3に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、上記プライベートユニットに登録されている個人情報の一部を指定する指定情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段をさらに有する。また、上記個人情報送信手段が、上記ユニットメモリ手段に記憶されている個人情報のうち上記指定情報により指定された個人情報のみを上記装置本体ユニットに無線送信するように構成される。
【0011】
請求項4に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、加入者情報を記憶した加入者情報メモリ手段をさらに有し、上記無線通信手段が、上記加入者情報メモリ手段に記憶された加入者情報に基づいて無線通信を実行するように構成される。
【0012】
請求項5に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、加入者情報の送信要求を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段と、加入者情報読み出しのための認証情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段をさらに有する。また、上記プライベートユニットが、加入者情報を記憶した加入者情報メモリ手段と、予め定められた加入者情報読み出しのための認証情報を登録認証情報として保持する認証情報メモリ手段と、上記装置本体ユニットから加入者情報の要求があった場合に、上記装置本体ユニットからの認証情報が上記登録認証情報と一致するとき、上記加入者情報を上記装置本体ユニットに無線送信する手段とをさらに有する。そして、上記無線通信手段が、上記プライベートユニットから無線送信されてきた加入者情報に基づいて無線通信を実行する。
【0013】
請求項6に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、ユーザの指示に基づいて上記本体メモリ手段に記憶されている個人情報を消去する手段をさらに有する。
【0014】
請求項7に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、電源切断に応答して上記本体メモリ手段に記憶されている個人情報を消去する手段をさらに有する。
【0015】
請求項8に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、チェックメッセージを上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段と、チェックメッセージ送信後の所定時間内にプライベートユニットからの応答信号を受信できない場合に、上記本体メモリ手段に記憶されている個人情報を消去する手段をさらに有する。また、上記プライベートユニットが、上記チェックメッセージを受信したことに応答して、応答信号を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記装置本体ユニットに無線送信する手段とを有する。
【0016】
請求項9に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記装置本体ユニットが、上記チェックメッセージをプライベートユニットに定期的に無線送信する。
【0017】
請求項10に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記プライベートユニットが、個人情報消去要求信号を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記装置本体ユニットに無線送信する手段をさらに有し、上記上記装置本体ユニットが、上記個人情報消去要求信号を受信したことに応答して、上記本体メモリ手段に記憶されている個人情報を消去する手段をさらに有する。
【0018】
請求項11に記載の本発明による携帯無線通信装置は、上記近距離無線通信プロトコルが、ブルートゥースであることを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の本発明によるプライベートユニットは、携帯無線通信装置本体ユニットと所定の近距離無線通信プロトコルに従って無線通信するように構成された携帯可能なプライベートユニットであって、個人情報を予め記憶するユニットメモリ手段と、上記携帯無線通信装置本体ユニットからの個人情報要求信号を受信したことに応答して、上記ユニットメモリ手段に記憶されている個人情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記装置本体ユニットに無線送信する個人情報送信手段とを備えて構成される。
【0020】
請求項13に記載の本発明による携帯無線通信装置本体ユニットは、プライベートユニットと所定の近距離無線通信プロトコルに従って無線通信可能な携帯無線通信装置本体ユニットであって、 個人情報の送信を要求する個人情報要求信号を所定の近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段と、上記プライベートユニットから上記近距離無線通信プロトコルに従って受信された個人情報を記憶する本体メモリ手段と、この本体メモリ手段に記憶された個人情報に基づいて無線通信を実行する無線通信手段とを備えて構成される。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る携帯電話システムの全体構成を示す概略図である。この携帯電話システムは、W−CDMA方式を採用したものであり、音声通信はもちろん静止画や動画などの高速データ通信を可能とするものである。この携帯電話システムは、複数の携帯電話機MS(図1では便宜上1台)及び携帯通信ネットワークNWを備えており、携帯電話機MSは携帯通信ネットワークNWを介して他の携帯電話機及び図外の通信装置と通信できるようになっている。
【0022】
より具体的には、携帯通信ネットワークNWは、複数の基地局BS(図1では便宜上1台)、複数の基地局BSに接続され、当該基地局BSを制御する基地局制御装置BSC(図1では便宜上1台)、及び、複数の基地局制御装置BSCに接続され、呼のルーティングなどを実行する交換局MSCを備えている。交換局MSCには、加入者情報を登録するデータベースHLRが接続されている。
【0023】
この携帯通信ネットワークNWは、基地局BSの無線エリアであるセルから構成された所定のサービスエリアを有している。携帯電話機MSは、この携帯通信ネットワークNWのサービスエリア内に存在する限り、どの通信装置とも通信することができるようになっている。なお、携帯電話機MSは、携帯通信ネットワークNWとローミング契約を結んでいる他の携帯通信事業者のネットワークのサービスエリア内においても他の通信装置と通信できることは言うまでもない。
【0024】
図2は、携帯電話機MSの構成を示す機能ブロック図である。この携帯電話機MSは、電話機本体10及びプライベートユニット20を備えている。電話機本体10及びプライベートユニット20は、いずれも携帯可能に構成されたもので、所定の近距離無線通信プロトコルであるブルートゥース(Bluetooth)に従って相互に無線通信することができるようになっている。プライベートユニット20には通信相手の電話番号などの個人情報が記憶されており、電話機本体10は、ブルートゥースに従ってプライベートユニットから個人情報を取得し、当該個人情報を使って電話を掛けたり電子メールを送信したりすることができる。
【0025】
電話機本体10は、請求項における装置本体ユニット又は携帯無線通信本体装置に対応するもので、その高さが十数cm、幅及び奥行きが数cm程度であり、全体の重量がたとえば100g程度であるため、携帯可能な構成となっている。この電話機本体10は、制御中枢として機能するCPUなどの制御部11、携帯通信ネットワークNWとの無線通信のための本体無線通信部12、プライベートユニット20との無線通信のための近距離無線通信部13、加入者情報記憶部14、本体メモリ部15、ユーザインタフェース部(UI部)16及び各部に電源を供給する電池部17を備えている。
【0026】
本体無線通信部12は、無線部12a及びBB部(ベースバンド部)12bを備えている。無線部12aは、携帯通信ネットワークNWからアンテナを介して受信された制御データ、音声データ或いは画像データなどを含む高周波信号をベースバンド信号に変換したりベースバンド信号を高周波信号に変換しアンテナを介して携帯通信ネットワークNWに送信する。BB部12bは、無線部12aから与えられたベースバンド信号を復調しその復調データを本体制御部11に与えたり、本体制御部11から与えられたデータを変調してベースバンド信号を生成し当該ベースバンド信号を無線部12aに与えたりする。
【0027】
近距離無線通信部13は、ブルートゥースに従ってプライベートユニット20と無線通信するもので、本体無線通信部12と同様に、無線部13aおよびBB部13bを備えている。無線部13aは、プライベートユニット20との間でたとえば2.4GHzの無線電波を送受するもので、受信信号をベースバンド信号に変換したり、送信すべきベースバンド信号を上記無線電波に変換したりする。BB部13bは、無線部13aから与えられたベースバンド信号を復調しその復調データを本体制御部11に与えたり、本体制御部11から与えられたデータを変調してベースバンド信号を生成し当該ベースバンド信号を無線部13aに与えたりする。
【0028】
加入者情報記憶部14は、加入者情報を記憶するもので、たとえばW−CDMAにおけるUIM(User Identity Module)に類似するものである。加入者情報は、自局電話番号、及び発着信並びに課金のための加入者識別情報を含む。すなわち、加入者情報は課金対象にもなるので、電話機本体10はこの加入者情報がなければ通信できないものである。また、加入者情報記憶部14は、プライベートユニット20のユニットアドレス(たとえば48ビット)を記憶するアドレス記憶部14aを備えている。すなわち、この実施の形態1では、電話機本体10とプライベートユニット20とは1対1に対応する。
【0029】
本体メモリ部15は、電源オフによってもデータを保持するフラッシュメモリなどの不揮発性メモリから構成されるもので、無線通信に必要なデータを一時的に保持するワークエリアとしての機能を有する他、個人情報記憶部15aを有している。個人情報記憶部15aは、プライベートユニット20から転送される個人情報を記憶するメモリ領域に対応するものである。
【0030】
また、本体メモリ部15は、着信履歴記憶部15bを有している。着信履歴記憶部15bは、本体無線通信部12で受信された着呼信号に含まれている通信相手の電話番号及び電子メールを記憶するものである。本体制御部11は、本体無線通信部12で着呼信号が受信されると、この着呼信号に含まれている電話番号を抽出し、当該電話番号を着信履歴記憶部15bに記憶させる。また、本体制御部11は、本体無線通信部12で電子メールが受信されると、当該電子メールを着信履歴記憶部15bに記憶させる。
【0031】
UI部16は、ユーザにより直接操作可能な複数の操作キー部、表示部、マイク部及びスピーカ部などを備えている。操作キー部は、発呼/着呼キー、ファンクションキー、電源キー及びテンキーなどを備えている。
【0032】
一般に、プライベートユニット20は、携帯電話機本体10と同程度か、さらに小型で軽量の携帯可能な装置として構成されている。プライベートユニット20は、制御中枢として機能するCPUなどのユニット制御部21、電話機本体10との無線通信のための近距離無線通信部22、ユーザインタフェース部(UI部)23、ユニットメモリ部24及び各部に電源を供給する電池部25を備えている。
【0033】
近距離無線通信部22は、ブルートゥースに従って電話機本体10と無線通信するもので、無線部22aおよびBB部22bを備えている。無線部22aは、電話機本体10との間でたとえば2.4GHzの無線電波を送受するもので、受信信号をベースバンド信号に変換したり、送信すべきベースバンド信号を上記無線電波に変換したりする。BB部22bは、無線部22aから与えられたベースバンド信号を復調しその復調データをユニット制御部21に与えたり、ユニット制御部21から与えられたデータを変調してベースバンド信号を生成し当該ベースバンド信号を無線部22aに与えたりする。
【0034】
UI部23は、ユーザにより直接操作可能な複数の操作キー部及び表示部などを備えている。操作キー部は、発呼/着呼キー、ファンクションキー、電源キー及びテンキーなどを備えている。
【0035】
ユニットメモリ部24は、電源オフによってもデータを保持するフラッシュメモリなどの不揮発性メモリから構成されるもので、無線通信に必要なデータを一時的に保持するワークエリアとしての機能を有する他、個人情報登録部24aを有している。個人情報登録部24aは、個人情報を予め登録するメモリ領域に対応するものである。また、ユニットメモリ部24は、アドレス記憶部24bを有している。アドレス記憶部24bは、プライベートユニットのユニットアドレスを登録アドレス(個人情報読み出しのための登録認証情報)として予め登録するものである。
【0036】
個人情報は、自局以外の携帯電話機、PHS電話機、PDA、パーソナルコンピュータ及び固定電話機などの通信相手となる他の通信装置の電話番号や電子メールアドレス等の通信装置ごとに対応付けられた情報等である。個人情報は、たとえばUI部23を介して個人情報登録部24aに予め登録される。
【0037】
個人情報の登録はたとえば次のとおりである。個人情報を手動で登録する場合、ユーザは、操作キー部のファンクションキーを操作し登録画面を表示部に表示させる。この状態においてユーザは操作キー部のテンキーを操作し、通信相手の名前、住所、電話番号、電子メールアドレスなどを登録する。ユニット制御部21は、この入力された個人情報を個人情報登録部24aに通信相手ごとに登録する。
【0038】
また、個人情報の登録は、たとえば電話機本体10での受信信号に基づいても行われる。具体的には、電話及び電子メールの着呼時においては電話機本体10での受信信号中に通信相手の電話番号又は電子メールアドレスが含まれている。これらの電話番号又は電子メールアドレスは、上述のように、受信後も着信履歴として電話機本体10に保持される。
【0039】
この着信された電話番号又は電子メールアドレスをプライベートユニット20に登録する場合、ユーザは、電話機本体10の操作キー部を操作し、着信履歴記憶部15bに記憶されている電話番号又は電子メールアドレスの登録を指示する。これに応答して、本体制御部11は、上記登録指示に応答して、登録指示された電話番号又は電子メールアドレスを含む登録要求信号を生成し、当該登録要求信号を近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する。
【0040】
ユニット制御部21は、近距離無線通信部22を介して受信された上記登録要求信号の中から電話番号又は電子メールアドレスを抽出し、当該電話番号又は電子メールアドレスを個人情報登録部24aに登録させる。こうして、個人情報の登録が達成される。
【0041】
図3は、電話機本体10による発呼処理を説明するためのフローチャートである。本体メモリ部15に個人情報が記憶されていない場合において、ユーザは、通信相手に電話を掛ける場合、電話機本体10に対して個人情報の転送を指示する。これに応答して、本体制御部11は、プライベートユニット20に記憶されている個人情報をブルートゥースに従って取得する個人情報取得処理を実行する(ステップS1)。その結果、プライベートユニット20に記憶されている個人情報は電話機本体10に送信され本体メモリ部15の個人情報記憶部15aに記憶される。この場合、本体制御部11は、個人情報の転送が完了したことを表示部を介してユーザに知らせる。
【0042】
ユーザは、特定の電話番号を読み出すために操作キー部のファンクションキーを操作する。これに応答して、本体制御部11は、個人情報記憶部15aに記憶された個人情報を読み出し逐一表示部に表示させる(ステップS2)。ユーザは、特定の電話番号が表示されている状態で発呼/着呼キーを操作する。これに応答して、本体制御部11は、当該電話番号に対する発呼処理を実行する(ステップS3、S4)。
【0043】
具体的には、本体制御部11は、加入者情報記憶部14にアクセスし、加入者情報記憶部14に記憶されている加入者情報を読み出す(ステップS3)。本体制御部11は、この読み出された加入者情報及びユーザにより選択された電話番号を含む発呼信号を本体無線通信部12を介して携帯通信ネットワークNWに無線送信する(ステップS4)。
【0044】
携帯通信ネットワークNWは、上記発呼信号を受信すると、当該発呼信号中の加入者情報を抽出し、当該加入者情報に基づいて認証処理を実行する。具体的には、携帯通信ネットワークNWは、HLRなどの加入者情報を予め記憶したデータベースにアクセスし、発呼元の加入者情報を照合する。その結果、正規の加入者であれば、携帯通信ネットワークNWは従来公知の回線接続処理を実行する。
【0045】
図4は、電話機本体10とプライベートユニット20間で実行される個人情報転送処理を説明するためのフローチャートである。この図4において、電話機本体10の処理が図3における個人情報取得処理に相当する。
【0046】
ユーザは、操作キー部のファンクションキーを操作することに種々の機能を選択できるメニュー画面を表示部に表示させ(ステップT1)、この中から「電話帳」を選択する(ステップT2)。これに応答して、本体制御部11は、個人情報要求処理を実行する(ステップT3)。
【0047】
より詳述すれば、本体制御部11は、「電話帳」が選択されると、アドレス記憶部15bに記憶されているユニットアドレスを読み出し、当該ユニットアドレスを宛先とした個人情報要求信号を近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する(ステップT4)。つまり、ユニットアドレスは個人情報読み出しのための認証情報として送信される。
【0048】
ユニット制御部21は、近距離無線通信部22を介して上記個人情報要求信号を受信すると、自局宛であるか否かを判断する認証処理を実行する(ステップT5)。具体的には、ユニット制御部21は、上記個人情報要求信号の宛先であるユニットアドレスに基づいて、受信相手は自局であるか否かを判別する。さらに具体的には、ユニット制御部21は、アドレス記憶部24bにアクセスし、個人情報要求信号の宛先であるユニットアドレスと自局の登録アドレスとの異同を判別する。
【0049】
自局のアドレスでなければ(ステップT5のNO)、正規の電話機本体10からのアクセスでないとみなすことができるので、ユニット制御部21は、アクセス不能信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップT6)。本体制御部11は、個人情報要求信号送信後個人情報を受信したか否かを監視しており(ステップT9)、上記アクセス不能信号が近距離無線通信部13を介して受信されると、アクセス不能である旨を表示部に表示させるなどしてユーザに報知する(ステップT10)。
【0050】
一方、自局のアドレスであれば(ステップT5のYES)、正規の電話機本体10からのアクセスであるとみなすことができるので、ユニット制御部21は、個人情報登録部24aに登録されている個人情報を読み出し(ステップT7)、当該個人情報を含む個人情報信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップT8)。
【0051】
近距離無線通信部13を介して個人情報信号が受信されると、ステップT9の判別結果は肯定となるので、本体制御部11は、当該個人情報信号中の個人情報を本体メモリ部15の個人情報記憶部15aに記憶させる(ステップT11)。これにより、個人情報の転送が完了する。
【0052】
以上のようにこの実施の形態1によれば、携帯可能なプライベートユニット20に個人情報を登録しておくことができるので、電話機本体10のみに個人情報を登録する場合に比べて電話機本体10のメモリサイズを小さくできる。そのため、電話機本体10のサイズ及びコストを抑えることができる。
【0053】
また、屋内及び屋外のいずれの場所においても必要に応じてプライベートユニット20から個人情報を電話機本体10に転送することができるので、特定の場所でしか個人情報を転送できない場合と異なり、ユーザの不便を解消できる。
【0054】
さらに、電話機本体10は出し入れが頻繁で紛失及び落下などによる個人情報の漏洩及び破損の危険が付きまとうが、プライベートユニット20は鞄又は財布などに常時収納できるので、個人情報のセキュリティを確保できる。すなわち、プライベートユニット20を常時鞄などに収納した状態でもブルートゥースに従って無線で個人情報を電話機本体10に転送することができるからである。
【0055】
さらにまた、個人情報を転送するのに先立ってユニットアドレスを使って認証処理を実施するようにしているので、プライベートユニット20の個人情報が第三者の電話機本体に転送される危険を防止できる。そのため、個人情報のセキュリティを一層確保できる。
【0056】
なお、上記説明では、ユニットアドレスの認証結果のみで個人情報の転送を許可している。しかし、たとえば電話機本体10及びプライベートユニット20の両方が盗難された場合或いは両方を紛失した場合、第三者に悪用されるおそれがある。そこで、さらなるセキュリティ向上のため、個人情報読み出しのための第2の認証情報としてのパスワードによる認証処理を追加してもよい。
【0057】
図5は、パスワードによる認証処理を追加した個人情報転送処理を説明するためのフローチャートである。プライベートユニット20における自局宛か否かの判別処理T5までは図4と同じなのでその説明を省略する。
【0058】
なお、この図5に係る処理を実行する場合におけるユニットメモリ部24は、パスワード記憶部(図示せず)を備えている。パスワード記憶部は、ユニットメモリ部24の個人情報登録部24aへのアクセスを許可する登録パスワード(個人情報読み出しのための登録認証情報)を予め記憶している。
【0059】
ユニット制御部21は、個人情報要求が自局宛であると判別すると(ステップT5のYES)、パスワードの入力を電話機本体10に対して要求するパスワード要求処理を実行する(ステップU1)。具体的には、ユニット制御部21はパスワード要求信号(個人情報読み出しのための認証情報)を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップU2)。
【0060】
一方、本体制御部11は、個人情報要求信号送信後、パスワード要求信号を受信したか否かを監視する(ステップU3)。パスワード要求信号でなくアクセス不能信号を受信した場合、本体制御部11は、アクセス不能をユーザに報知する(ステップU12)。パスワード要求信号を受信した場合、本体制御部11は、パスワード入力画面を電話機本体10の表示部に表示させる(ステップU4)。ユーザは、このパスワード入力画面上でパスワードを入力する(ステップU5)。入力されたパスワードは、近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信される(ステップU6)。
【0061】
ユニット制御部21は、パスワードが受信されると、パスワードの認証処理を実行する(ステップU7)。具体的には、ユニット制御部21は、受信されたパスワードがパスワード記憶部に記憶されている登録パスワードと一致するか否かを判別する。一致しなければ、不正ユーザからのアクセスであるとみなすことができるから、ユニット制御部21は、アクセス不能信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップU8)。本体制御部11は、パスワード入力後個人情報を受信したか否かを監視しており(ステップU11)、この状態においてアクセス不能信号が近距離無線通信部13を介して受信された場合、アクセス不能をユーザに報知する(ステップU12)。
【0062】
一方、登録パスワードと一致すれば、正規ユーザからのアクセスであるとみなすことができるから、ユニット制御部21は、個人情報登録部24aから個人情報を読み出し(ステップU9)、当該個人情報を含む個人情報信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップU10)。本体制御部11は、近距離無線通信部13を介して個人情報が受信されると(ステップU11のYES)、当該個人情報を本体メモリ部15の個人情報記憶部15aに記憶させる(ステップU13)。こうして、個人情報の転送が達成される。
【0063】
以上のようにこの構成によれば、プライベートユニットのアドレスだけでなくパスワードによる認証処理を追加しているから、個人情報のセキュリティをより一層向上することができる。
【0064】
また、上記説明では、プライベートユニット20に登録されている個人情報をすべて一括して電話機本体10に転送する場合を例にとって説明している。しかし、たとえばプライベートユニット20に登録されている個人情報の一部を選択的に電話機本体10に転送するようにしてもよい。
【0065】
図6は、個人情報の一部を選択的に電話機本体10に転送する場合の処理を説明するための信号シーケンスである。図6におけるステップV1の「アクセス許可」とは、図4におけるステップT5(ユニットアドレスによる承認)又は図5におけるステップT5及びU7(ユニットアドレス及びパスワードによる承認)に相当する処理である。
【0066】
ユニット制御部21は、アクセス許可である場合、個人情報リストを個人情報登録部24aから読み出し(ステップV3)、当該個人情報リストを近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップV4)。ここに、個人情報リストは、個人情報登録部24aに登録されている個人情報のタイトルの一覧に相当するもので、たとえば個人或いは組織の名称である。或いは、個人情報リストは、複数の個人情報を所定のグループに分類した場合におけるグループ名或いはグループ番号である。ユニット制御部21は、個人情報を個人情報登録部24aに登録する際に、当該個人情報リストを作成し個人情報登録部24aに登録している。
【0067】
本体制御部11は、個人情報要求信号送信後個人情報リストを受信したか否かを監視している(ステップV5)。個人情報リストでなくアクセス不能信号(ステップV2)が受信された場合には、本体制御部11は、アクセス不能である旨をユーザに報知する(ステップV13)。一方、個人情報リストが受信された場合、本体制御部11は、当該個人情報リストを表示部に表示させ(ステップV6)、転送を希望するリスト番号の入力をユーザに促す。ユーザは、転送希望のリスト番号を操作キー部を介して指定する(ステップV7)。本体制御部11は、転送希望のリスト番号が指定されると、当該リスト番号を近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する(ステップV8)。
【0068】
ユニット制御部21は、近距離無線通信部22を介してリスト番号が受信されると、当該リスト番号に対応する個人情報のみを個人情報登録部24aから読み出し(ステップV9)、当該個人情報を含む個人情報信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップV10)。本体制御部11は、個人情報信号が受信されると(ステップV11のYES)、当該個人情報を個人情報記憶部15aに記憶させる(ステップV12)。こうして、個人情報の選択転送が達成される。
【0069】
以上のようにこの構成によれば、プライベートユニット20に登録されている個人情報の一部のみを選択的に電話機本体10に転送させることができるので、プライベートユニット20のメモリサイズを大きくして多くの個人情報を登録しておくことができる一方で電話機本体10のメモリサイズを一層小さくできる。つまり、個人情報の転送を予め実行したうえで携帯電話機を携帯する必要のある場合に比べて、電話機本体10のメモリ容量の範囲を超えた個人情報の携帯が可能となる。そのため、電話機本体10のサイズ及びコストをより一層低減することができる。
【0070】
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係る携帯電話機MSの構成を示すブロック図である。図7において、図2と同じ機能部分については同一の参照符号を使用する。
【0071】
上記実施の形態1では、加入者情報は電話機本体10の加入者情報記憶部14に記憶されている。これに対して、この実施の形態2によれば、加入者情報は電話機本体10でなくプライベートユニット20に記憶されている。この構成により、電話機本体10をいわば公衆電話機として使用することができる。
【0072】
より詳述すれば、この実施の形態2に係る電話機本体10は、実施の形態1と異なり、加入者情報記憶部を有しておらず、その代わりに、プライベートユニットが加入者情報記憶部31を有している。また、電話機本体10は、実施の形態1と異なり、プライベートユニット20のユニットアドレスを予め登録していない。これは、電話機本体10を公衆電話機として使用するために、複数のプライベートユニット20にアクセス可能とするためである。
【0073】
図8は、実施の形態2に係る発呼処理を説明するためのフローチャートである。この発呼処理は、プライベートユニット20から電話機本体10に対して個人情報が既に転送されている場合を例にとって説明する。
【0074】
電話機本体10は、プライベートユニット20の加入者情報を定期的(たとえば30秒ごとに)にチェックする。具体的には、本体制御部11は、加入者情報のチェックメッセージを定期的に近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する(ステップW1)。ユニット制御部21は、チェックメッセージを近距離無線通信部22を介して受信すると、加入者情報を加入者情報記憶部31から読み出し、当該加入者情報を含む応答信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に返信する(ステップW2)。
【0075】
ユーザにより発呼指示が入力された場合(ステップW3のYES)、本体制御部11は、ユーザに対しプライベートユニット20の特定を問い合わせる(ステップW4)。具体的には、本体制御部11は、プライベートユニット20から応答信号を受信していることを条件に、プライベートユニット20のユニットアドレスを入力する入力画面を電話機本体の表示部に表示させる。ユーザは、この入力画面から特定のユニットアドレスを入力する。ユニットアドレスが入力されると、本体制御部11は、当該ユニットアドレス(加入者情報読み出しのための認証情報)を近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する(ステップW5)。
【0076】
ユニット制御部21は、上記ユニットアドレスが近距離無線通信部22を介して受信されると、アドレス認証処理を実行する(ステップW6)。具体的には、ユニット制御部21は、受信されたユニットアドレスがアドレス記憶部24bの登録アドレス(加入者情報読み出しのための登録認証情報)と一致するか否かを判別する。
【0077】
一致しなければ不正ユーザからのアクセスであるとみなすことができるから、ユニット制御部21は、アクセス不能信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップW7)。本体制御部11は、ユニットアドレス送信後パスワード要求信号を受信したか否かを監視している(ステップW9)。パスワード要求信号でなくアクセス不能信号を受信した場合、本体制御部11は、アクセス不能である旨を表示部に表示するなどしてユーザに報知する(ステップW16)。この場合、発呼動作は中止される。
【0078】
上記ステップW6での判別の結果ユニットアドレスが一致すると判別された場合、ユニット制御部21は、パスワード要求信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップW8)。本体制御部11は、近距離無線通信部13を介してパスワード要求信号が受信されると、パスワード信号を近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する(ステップW10)。具体的には、本体制御部11は、パスワード入力画面を表示部に表示させ、ユーザからパスワードが入力された後、当該パスワード(加入者情報読み出しのための認証情報)をプライベートユニット20に送信する。
【0079】
ユニット制御部21は、近距離無線通信部22を介してパスワード信号が受信されると、当該パスワードと加入者情報記憶部31に記憶されている登録パスワード(加入者情報読み出しのための登録認証情報)とを照合する認証処理を実行する(ステップW11)。
【0080】
一致しなければ不正ユーザからのアクセスであるとみなすことができるので、ユニット制御部21は、アクセス不能信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップW12)。本体制御部11は、パスワード信号送信後加入者情報を受信したか否かを監視している(ステップW14)。加入者情報でなくアクセス不能信号が受信された場合、本体制御部11は、アクセス不能である旨をユーザに報知する(ステップW16)。
【0081】
一方、一致すれば正規ユーザからのアクセスであるとみなすことができるので、ユニット制御部21は、加入者情報記憶部31から加入者情報を読み出し、当該加入者情報を含む加入者情報信号を近距離無線通信部22を介して電話機本体10に無線送信する(ステップW13)。本体制御部11は、近距離無線通信部13を介して加入者情報信号が受信されると、当該加入者情報信号中の加入者情報を抽出し、この加入者情報及び通信相手の電話番号などの個人情報を含む発呼信号を本体無線通信部12を介して携帯通信ネットワークNWへ無線送信する(ステップW15)。
【0082】
携帯通信ネットワークNWは、上記発呼信号を受信すると、当該発呼信号中の加入者情報を抽出し、当該加入者情報に基づいて認証処理を実行する。具体的には、携帯通信ネットワークNWは、HLRなどの加入者情報を予め記憶したデータベースにアクセスし、発呼元の加入者情報を照合する。その結果、正規の加入者であれば、携帯通信ネットワークNWは従来公知の回線接続処理を実行する。
【0083】
本体制御部11は、回線接続後も継続してプライベートユニットの加入者情報のチェックを実施する。もしプライベートユニットから応答信号が返信されてこなかった場合、本体制御部11は従来公知の回線切断処理を実行する。
【0084】
以上のようにこの実施の形態2によれば、加入者情報をプライベートユニット20に登録することにより電話機本体10のみで通信することを禁止できる。したがって、電話機本体10を盗難され、あるいは紛失した場合でも、悪用される危険を回避できる。
【0085】
また、プライベートユニット20を保持する第三者に対して電話機本体10を貸与しても通信料金はプライベートユニットの保有者に課金されるから、通信料金を精算する必要がない。
【0086】
さらに、電話機本体10を公共の場所に設置しておけばプライベートユニット20を保有する複数のユーザが電話機本体10を使用できるから、公衆電話機としても使用することができる。
【0087】
さらにまた、プライベートユニット20からの加入者情報の読み出しは、ユニットアドレス及びパスワードの2段階の認証を必須としているので、たとえプライベートユニット20が盗難されたりプライベートユニットを紛失したりした場合でも、不正使用を防止できる。
【0088】
実施の形態3.
図9は、この発明の実施の形態3に係る電話機本体10における個人情報消去処理を説明するためのフローチャートである。
【0089】
上記実施の形態1又は2では、プライベートユニット20から転送された個人情報を電話機本体10の個人情報記憶部15aに記憶している。プライベートユニット20に登録されている個人情報はセキュリティが確保されているため第三者に漏洩することはないが、電話機本体10に転送され記憶されている個人情報は電話機本体10を操作することにより第三者に知られるおそれがある。そこで、この実施の形態3では、電話機本体10に記憶されている個人情報を必要に応じて消去できるようにしている。
【0090】
より詳述すれば、ユーザの指示に応答して、本体制御部11はメニュー画面を表示部に表示させる(ステップX1)。このメニュー画面は、たとえば個人情報転送及び個人情報消去などの複数の選択肢を表示する画面である。本体制御部11は、いずれの選択肢が選択されるかを待つ。ユーザにより個人情報消去が選択されると(ステップX2のYES)、本体制御部11は、本体メモリ部15の個人情報記憶部15aにアクセスし、記憶されている個人情報をすべて消去する(ステップX3)。
【0091】
以上のようにこの実施の形態3によれば、電話機本体10に転送され記憶されている個人情報を一括消去できるので、たとえば電話機本体10が盗難又は紛失した場合でも個人情報の漏洩を防止できる。
【0092】
なお、上記説明では、個人情報の一括消去を例にとっているが、たとえばメニュー画面の個人情報消去が選択された場合、記憶されている複数(或いはすべて)の個人情報のリストを表示部に表示するようにし、個人情報を個別に消去できるようにしてもよいことはもちろんである。
【0093】
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4に係る電話機本体における個人情報消去処理を説明するためのフローチャートである。
【0094】
上記実施の形態3では、ユーザによりメニュー画面の表示が指示されその中から個人情報消去を指示された場合に、個人情報を消去する場合を例にとっている。これに対して、この実施の形態4では、電源オフが指示された場合に個人情報を消去する。
【0095】
具体的には、本体制御部11は、ユーザにより操作キー部の電源キーが押圧され電源オフが指示されたことを検出すると(ステップY1)、本体メモリ部15の個人情報記憶部15aにアクセスし、記憶されている個人情報を一括消去する(ステップY2)。
【0096】
この構成によれば、メニュー画面をわざわざ表示させて選択動作をしなくても電話機本体10に記憶されている個人情報を一括消去できるので、ユーザに面倒な操作をさせなくて済む。そのため、ユーザの利便性を向上できる。また、個人情報の消去を忘れる場合も考えられるので、個人情報のセキュリティを向上できる。
【0097】
なお、上記説明では、電源オフに応答して個人情報を一括消去する場合を例にとっているが、上記と同様に個人情報を個別に消去できるようにしてもよいことはもちろんである。この場合、本体制御部11は、電源オフが指示されると、上記と同様に記憶されている複数(或いはすべて)の個人情報のリストを表示部に表示させ、この中からユーザによる操作キー部の操作により選択された個人情報のみを消去する。この構成によれば、個人情報の消去忘れを防止でき、しかも残しておいても問題のない個人情報を消去せずに済むので、ユーザの利便性を一層向上することができる。
【0098】
実施の形態5.
図11は、この発明の実施の形態5に係る個人情報消去処理での電話機本体10及びプライベートユニット20の信号シーケンスである。
【0099】
上記実施の形態3又は4では、ユーザの指示又は電源オフに基づいて電話機本体10に記憶されている個人情報を消去する。これに対して、この実施の形態5では、電話機本体10からプライベートユニット20を定期的又は不定期にモニタし、電話機本体10においてプライベートユニット20と通信不能となった場合に、個人情報を自動的に消去する場合を例にとっている。
【0100】
不定期にプライベートユニット20をモニタする場合の例を以下に説明する。本体制御部11は、電話機本体10が携帯通信ネットワークNWのサービスエリアの圏外に存在するか否かを監視する(ステップZ1)。具体的には、携帯通信ネットワークNWは、サービスエリアに対して報知信号を常時報知している。電話機本体10は、本体無線通信部12を介してこの報知信号を常時受信しており、本体制御部11はこの報知信号を所定のしきい値以上で受信している間はサービスエリアの圏内であると判断する。すなわち、本体制御部11は、報知信号の受信レベルがしきい値未満であるか否かに基づいてサービスエリアの圏外又は圏内を判断している。
【0101】
ステップZ1の結果サービスエリア圏外であると判別されると、本体制御部11は、近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20の有無を検出する。具体的には、本体制御部11は、近距離無線通信部13を介して所定のチェックメッセージを無線送信する(ステップZ2)。ユニット制御部21は、電話機本体10からチェックメッセージを受信したか否かを判別する(ステップZ3)。たとえばチェックメッセージを受信できないほど電話機本体10と離れている場合、当然ながらチェックメッセージは受信されないので、ユニット制御部21は、ステップZ3の処理を繰り返し実行する。一方、チェックメッセージを受信したと判別されると、ユニット制御部21は、応答信号を近距離無線通信部22を介して返信する(ステップZ4)。
【0102】
本体制御部11は、上記チェックメッセージ送信と同時に所定のタイマをスタートさせる(ステップZ5)。そして、本体制御部11は、上記タイマがタイムアップしたか否かをモニタする(ステップZ6)。上記タイマがタイムアップした場合、プライベートユニット20との通信は不能と考えられるので、本体制御部11は、本体メモリ部15の個人情報記憶部15aにアクセスし、記憶されているすべての個人情報を一括消去する(ステップZ7)。
【0103】
一方、上記タイマがタイムアップしていない間、本体制御部11は、応答信号を受信したか否かをモニタする(ステップZ8)。応答信号が受信されれば、本体制御部11は、ステップZ1の処理に移行する。一方、応答信号が受信されなければ、本体制御部11は、ステップZ6の処理に移行し、タイマがタイムアップしたか否かを繰り返し判別する。
【0104】
以上のようにこの実施の形態5によれば、電話機本体10がサービスエリア圏外に出た場合をトリガとしてプライベートユニット20をモニタし、プライベートユニット20と通信不能であるとき、電話機本体10に記憶されている個人情報を一括消去する。したがって、たとえばユーザの知らないうちに電話機本体10が盗難され又は紛失した場合でも、電話機本体10の個人情報を自動的に一括消去できるので、個人情報が第三者に漏洩するのを防止できる。
【0105】
なお、上記説明では、プライベートユニットを不定期にモニタするトリガとしてサービスエリア圏外への退出を例にとって説明している。しかし、たとえばプライベートユニットを不定期にモニタするトリガとしては、たとえば電話機本体10からの発信時又は電話機本体10への着信時を考えることができる。この構成によれば、たとえば電話機本体10を盗難した第三者が電話機本体10を悪用しようとした場合に個人情報を自動的に一括消去できるので、個人情報の漏洩を最小限に抑えることができる。
【0106】
また、上記説明では、プライベートユニット20を不定期にモニタする場合を例にとっているが、プライベートユニット20を定期的にモニタするようにしてもよいことはもちろんである。この場合、本体制御部11は、サービスエリアの圏外か否かを判別する代わりに、所定周期が経過したか否かを判別する。この構成によれば、たとえば盗難された又は紛失した電話機本体10がサービスエリア圏外に出なくても電話機本体10に記憶されている個人情報を自動的に一括消去できるので、個人情報のセキュリティをより一層向上することができる。
【0107】
実施の形態6.
図12は、この発明の実施の形態6に係る個人情報消去処理での電話機本体10及びプライベートユニット20の信号シーケンスである。
【0108】
上記実施の形態5では、電話機本体10からプライベートユニット20にアクセスすることにより個人情報の消去処理を実行する場合を例にとっている。これに対して、この実施の形態6では、プライベートユニット20から電話機本体10にアクセスすることにより電話機本体10に記憶されている個人情報を消去することとしている。
【0109】
より詳述すれば、上述のようにプライベートユニット20はユーザが操作可能な操作キー部を有しており、この操作キー部は消去要求キーを含む。ユニット制御部21は、上記消去要求キーが押圧されると(ステップA1のYES)、電話機本体10に対して個人情報消去要求信号を近距離無線通信部22を介して無線送信する(ステップA2)。一方、本体制御部11は、上記個人情報消去要求信号が近距離無線通信部を介して受信されると(ステップA3のYES)、本体メモリ部15の個人情報記憶部15aにアクセスし、記憶されているすべての個人情報を一括消去する(ステップA4)。本体制御部11は、消去終了後、消去完了信号を近距離無線通信部13を介してプライベートユニット20に無線送信する(ステップA5)。
【0110】
以上のようにこの実施の形態6によれば、プライベートユニット20からでも電話機本体に記憶されている個人情報を一括消去できる。
【0111】
なお、この発明の実施の形態の説明は以上のとおりであるが、この発明は上述の実施の形態に限定されるものでない。たとえば上記実施の形態では、携帯無線通信装置として携帯電話機MSを例にとって説明している。しかし、たとえば携帯無線通信装置としては、通話機能のないPDAなどを採用することができる。
【0112】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、携帯可能なプライベートユニットに個人情報を記憶しているので、装置本体ユニットのメモリ容量を小さくできる。また、屋内及び屋外のいずれの場所においても個人情報を必要に応じて装置本体ユニットに転送することができるので、ユーザへの不便を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る携帯電話システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】携帯電話機の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】電話機本体による発呼処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】電話機本体とプライベートユニット間で実行される個人情報転送処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】パスワードによる認証処理を追加した個人情報転送処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】個人情報の一部を選択的に電話機本体に転送する場合の処理を説明するための信号シーケンスである。
【図7】この発明の実施の形態2に係る携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2に係る発呼処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態3に係る電話機本体における個人情報消去処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態4に係る電話機本体における個人情報消去処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態5に係る個人情報消去処理での電話機本体及びプライベートユニットの信号シーケンスである。
【図12】この発明の実施の形態6に係る個人情報消去処理での電話機本体及びプライベートユニットの信号シーケンスである。
【符号の説明】
MS 携帯電話機、10 電話機本体、11 本体制御部、
12 本体無線通信部、13 近距離無線通信部、14 加入者情報記憶部、
15 本体メモリ部、15a 個人情報記憶部、20 プライベートユニット、
21 ユニット制御部、22 近距離無線通信部、24 ユニットメモリ部、
24a 個人情報登録部、31 加入者情報記憶部
Claims (13)
- 携帯可能な装置本体ユニット及び携帯可能なプライベートユニットからなる携帯無線通信装置において、
上記装置本体ユニットは、上記個人情報の送信を要求する個人情報要求信号を所定の近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段と、上記プライベートユニットから上記近距離無線通信プロトコルに従って受信した個人情報を記憶する本体メモリ手段と、この本体メモリ手段に記憶された個人情報に基づいて無線通信を実行する無線通信手段とを有し、
上記プライベートユニットは、個人情報を予め記憶するユニットメモリ手段と、上記個人情報要求信号を受信したことに応答して、上記ユニットメモリ手段に記憶されている個人情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記装置本体ユニットに無線送信する個人情報送信手段とを有することを特徴とする携帯無線通信装置。 - 上記装置本体ユニットは、個人情報読み出しのための認証情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段をさらに有し、
上記プライベートユニットは、予め定められた個人情報読み出しのための認証情報を登録認証情報として保持する認証情報メモリ手段を有し、上記個人情報送信手段は、上記個人情報要求信号に含まれている認証情報が上記登録認証情報と一致する場合に、上記個人情報を上記装置本体ユニットに送信することを特徴とする請求項1に記載の携帯無線通信装置。 - 上記装置本体ユニットは、上記プライベートユニットに登録されている個人情報の一部を指定する指定情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段をさらに有し、
上記個人情報送信手段は、上記ユニットメモリ手段に記憶されている個人情報のうち上記指定情報により指定された個人情報のみを上記装置本体ユニットに無線送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯無線通信装置。 - 上記装置本体ユニットは、加入者情報を記憶した加入者情報メモリ手段をさらに有し、
上記無線通信手段は、上記加入者情報メモリ手段に記憶された加入者情報に基づいて無線通信を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の携帯無線通信装置。 - 上記装置本体ユニットは、加入者情報の送信要求を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段と、加入者情報読み出しのための認証情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段をさらに有し、
上記プライベートユニットは、加入者情報を記憶した加入者情報メモリ手段と、予め定められた加入者情報読み出しのための認証情報を登録認証情報として保持する認証情報メモリ手段と、上記装置本体ユニットから加入者情報の要求があった場合に、上記装置本体ユニットからの認証情報が上記登録認証情報と一致するとき、上記加入者情報を上記装置本体ユニットに無線送信する手段とをさらに有し、
上記無線通信手段は、上記プライベートユニットから無線送信されてきた加入者情報に基づいて無線通信を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の携帯無線通信装置。 - 上記装置本体ユニットは、ユーザの指示に基づいて上記本体メモリ手段に記憶されている個人情報を消去する手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の携帯無線通信装置。
- 上記装置本体ユニットは、電源切断に応答して上記本体メモリ手段に記憶されている個人情報を消去する手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の携帯無線通信装置。
- 上記装置本体ユニットは、チェックメッセージを上記近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段と、チェックメッセージ送信後の所定時間内にプライベートユニットからの応答信号を受信できない場合に、上記本体メモリ手段に記憶されている個人情報を消去する手段をさらに有し、
上記プライベートユニットは、上記チェックメッセージを受信したことに応答して、応答信号を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記装置本体ユニットに無線送信する手段とを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の携帯無線通信装置。 - 上記装置本体ユニットは、上記チェックメッセージをプライベートユニットに定期的に無線送信することを特徴とする請求項8に記載の携帯無線通信装置。
- 上記プライベートユニットは、個人情報消去要求信号を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記装置本体ユニットに無線送信する手段をさらに有し、
上記上記装置本体ユニットは、上記個人情報消去要求信号を受信したことに応答して、上記本体メモリ手段に記憶されている個人情報を消去する手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の携帯無線通信装置。 - 上記近距離無線通信プロトコルは、ブルートゥースであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の携帯無線通信装置。
- 携帯無線通信装置本体ユニットと所定の近距離無線通信プロトコルに従って無線通信するように構成された携帯可能なプライベートユニットにおいて、
個人情報を予め記憶するユニットメモリ手段と、
上記携帯無線通信装置本体ユニットからの個人情報要求信号を受信したことに応答して、上記ユニットメモリ手段に記憶されている個人情報を上記近距離無線通信プロトコルに従って上記装置本体ユニットに無線送信する個人情報送信手段とを備えたことを特徴とするプライベートユニット。 - プライベートユニットと所定の近距離無線通信プロトコルに従って無線通信可能な携帯無線通信装置本体ユニットにおいて、
個人情報の送信を要求する個人情報要求信号を所定の近距離無線通信プロトコルに従って上記プライベートユニットに無線送信する手段と、
上記プライベートユニットから上記近距離無線通信プロトコルに従って受信された個人情報を記憶する本体メモリ手段と、
この本体メモリ手段に記憶された個人情報に基づいて無線通信を実行する無線通信手段とを備えたことを特徴とする携帯無線通信装置本体ユニット。
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