JP2004056011A - 電子機器のヒンジ部構造およびヒンジ部の組み立て方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒンジ部を有する折り畳み式の電子機器において、ヒンジ部内に挿通される可撓性の通電部材の組立が容易で、外観上美観を損ねない構造とすること。
【解決手段】複数のパネル部材2,3を開閉可能に接続すると共に回路基板5,6同士を電気的に接続する可撓性の通電部材7を内部に通すヒンジ部4が、一方のパネル部材2に備えた半筒状部4aと、他方のパネル部材3に設けられた、2つの半割部4c,4dで構成された筒状部とを平面部8上に一軸方向に配置した状態で、半筒状部4aと筒状部を相対的に回動可能に接続する接続部材とを有し、一方のパネル部材2の平面部8の筒状部の下部に、半筒状部4a内の空間4bおよび一方のパネル部材2本体の内部間に連通するスリット10を設け、このスリット10を、パネル部材2,3のヒンジ部4を組み立てる際に通電部材7を挿通させるための挿通部としている。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のパネル部材2,3を開閉可能に接続すると共に回路基板5,6同士を電気的に接続する可撓性の通電部材7を内部に通すヒンジ部4が、一方のパネル部材2に備えた半筒状部4aと、他方のパネル部材3に設けられた、2つの半割部4c,4dで構成された筒状部とを平面部8上に一軸方向に配置した状態で、半筒状部4aと筒状部を相対的に回動可能に接続する接続部材とを有し、一方のパネル部材2の平面部8の筒状部の下部に、半筒状部4a内の空間4bおよび一方のパネル部材2本体の内部間に連通するスリット10を設け、このスリット10を、パネル部材2,3のヒンジ部4を組み立てる際に通電部材7を挿通させるための挿通部としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器のヒンジ部構造およびヒンジ部の組み立て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話およびラップトップ型のパソコン等の持ち運び可能な電子機器において、コンパクトに折り畳むためのヒンジ部を有するタイプのものが存在する。電子機器を折り畳み式にすると、表示画面および操作部を設けるためのスペースを広めに確保することができる。そのため、電子機器は、小型化を図りつつも、表示画面を大きいものとして視認性を向上させることができると共に、入力部位を大きくして操作性の向上を図ることができる。
【0003】
図4に示す電子機器1は、一方のパネル部材2の平面部8から他方のパネル部材3側にヒンジ部4が突出し、かつ他方のパネル部材3側から見ると側端部からヒンジ部4が突出された位置に配置されていることに特徴がある。
【0004】
この電子機器1では、2つのパネル部材2,3の両対向面の面積を同一とする必要が無いため、デザイン的あるいは機能的な理由により、他方のパネル部材3の面積を小さく構成し、一方の平面部8上にヒンジ部4を配置する構成として装置全体の小型化が図られている。
【0005】
図5は、電子機器1のヒンジ部構造を示す分解斜視図である。この電子機器1は、第1のパネル部材2を、2つのケース部材2a,2bから構成し、両ケース部材2a,2bの間の空間に回路基板5を配置したものである。一方、第2のパネル部材3も、第1のパネル部材2と同様、2つのケース部材3a,3bから構成し、両ケース部材3a,3bの間の空間に回路基板6を配置したものである。2つの回路基板5,6は、可撓性のFPC(フレキシブル回路基板)7によって電気的に接続される。
【0006】
そして、FPC7は、一側を第1のパネル部材2内の回路基板5に接続し、途中部分をヒンジ部4内に挿通し、他側を第2のパネル部材3内の回路基板6に接続した状態におかれる。FPC7の途中部分は、両パネル部材2,3の開閉動作時における両回路基板5,6の接続部との距離の変更に対応可能なように、撓ませかつ捻られている。
【0007】
ヒンジ部4は、第1のパネル部材2の平面部8上に突出された半筒状部材4aと、第2のパネル部材3側に取り付けられた2つの半割部4c,4dとを有している。第2のパネル部材3側の半割部4c,4dは、第2のパネル部材3を構成する2つのケース部材3a,3bを組み合わせて固定した際に、1つの筒状部となる。第1のパネル部材2の半筒状部4aと、第2のパネル部材3の2つの半割部4c,4dを組み合わせて形成された筒状部材は一軸方向に配置され、図示しない接続部材によって相対回動自在に接続される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図4および図5に示した電子機器1では、一方のパネル部材2の平面部8上に突出するように当該パネル部材2に一体成型された半筒状部4aが、ヒンジ部4の一部となっている。そのため、ヒンジ部4内にFPC7を挿通させる際、半筒状部4aの狭い空間4b内で、FPC7を半筒状部4aの内径より小さい半径で捻ってかつ丸めて撓ませる作業が必要となり、作業性が悪く、生産性が向上しないという問題がある。
【0009】
なお、図6に示すように、半筒状部4aの半分を別部材9で構成すると、FPC7を半筒状部4a内に配置させる作業が容易となる。まず、別部材9を取り付ける前に、半筒状部4aの半分となる部位内の空間でFPC7を捻って丸めるように配置させておき、その後、別部材9を第1のパネル部材2を構成するケース部材2a本体側に形成された残り半分の部分に被せて接着することにより、容易にこの作業を行えるからである。しかし、この構成とすると、別部材9が新たに必要となってコスト高となる。加えて、この構成を採用すると、半筒状部4aと別部品9との継ぎ目が、組み込み後におけるパネル部材2,3を開いた際の見える位置に配置されてしまうため、外観が悪いという問題が生じる。
【0010】
本発明の目的は、上述の問題点に鑑みて、一方のパネル部材の平面部上にヒンジ部が突出している構成を有する折り畳み式の電子機器において、ヒンジ部内に挿通される可撓性の通電部材の扱いが容易で組み立て時の作業性が良く、しかも外観上の美観を損ねない構造の電子機器のヒンジ部構造およびヒンジ部の組み立て方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明の電子機器のヒンジ部構造は、内部に回路基板を備えた複数のパネル部材と、パネル部材を開閉可能に接続すると共に回路基板同士を電気的に接続する可撓性の通電部材を内部に通すヒンジ部とを備えた電子機器のヒンジ部構造において、ヒンジ部は、一方のパネル部材の平面部から突出し、かつ内部に空間を備え、さらにこの空間が当該一方のパネル部材本体の内部空間と連通するように構成された半筒状部と、他方のパネル部材の側端部に設けられた2つの半割部からなり、2つの半割部で形成される内部の空間が当該他方のパネル部材の内部空間と連通するように構成された筒状部と、半筒状部と筒状部とを一方のパネル部材の平面部上に、一軸方向に配置した状態で、半筒状部と筒状部を相対的に回動可能に接続する接続部材とを有し、一方のパネル部材の平面部の筒状部の下部に、半筒状部内の空間および一方のパネル部材本体の内部空間に連通するスリットを設け、このスリットを、パネル部材のヒンジ部を組み立てる際に通電部材を挿通させるための挿通部としたことを特徴としている。
【0012】
また、本発明のヒンジ部の組み立て方法は、一方のパネル部材の平面部から突出し、かつ内部に空間を備え、さらにこの空間が当該一方のパネル部材本体の内部空間と連通するように構成された半筒状部と、他方のパネル部材の側端部に設けられた2つの半割部からなり、2つの半割部で形成される内部空間が当該他方のパネル部材の内部空間と連通するように構成された筒状部と、半筒状部と筒状部とを一方のパネル部材の平面部上に、一軸方向に配置した状態で、半筒状部と筒状部を相対的に回動可能に接続する接続部材とを有し、一方のパネル部材の平面部の筒状部の下部に、半筒状部内の空間および一方のパネル部材本体の内部空間に連通するスリットが設けられたヒンジ部の組み立て方法であって、一方のパネル部材内に一方の回路基板を配置する第1の工程と、一方の回路基板に一側が接続された通電部材をスリット内に挿通させる第2の工程と、スリット内に挿通させた通電部材を半筒状部の空間内へスライド移動させる第3の工程と、通電部材の他側が接続された他方の回路基板を他方のパネル部材内に配置する第4の工程とを有することを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電子機器のヒンジ部構造およびヒンジ部の組み立て方法の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の電子機器の基本的な外観構造は、図4および図5に示した従来の電子機器とほぼ同じである。したがって、本発明の基本的な外観構造の説明は簡略化するものとし、加えて同じ構成部位に関しては、図4および図5で用いた符号を使用するものとする。
【0014】
図4に示すように、電子機器1は、2つのパネル部材2,3と、これら2つのパネル部材2,3を開閉可能に接続するヒンジ部4とを備えている。2つのパネル部材2,3は、ヒンジ部4を回動中心として相対的に開閉回動するものである。
【0015】
図1は、本発明の電子機器1のヒンジ部構造を示す分解斜視図である。図2は、図1の電子機器1を組み立てかつ各両パネル部材2,3を開いた状態を示した図で、(A)は平面図、(B)は(A)を矢示IIB方向から見た正面図、(C)は(B)を矢示IIC方向から見た側面図である。本発明の電子機器1と図4および図5に示した従来の電子機器1との構造的な違いは、後述するスリット10の部分である。従来の電子機器1には、スリット10は存在していないが、以下に説明する電子機器1の平面部8には、スリット10が存在する。
【0016】
図1および図2に示すように、各パネル部材2,3は、それぞれ2つのケース部材2a,2b,3a,3bを有し、ケース部材2a,2bの間およびケース部材3a,3bの間の空間には、それぞれ、回路基板5,6が備えられている。両回路基板5,6は、可撓性の通電部材となるFPC7によって電気的に接続されている。FPC7は、ヒンジ部4の内部に挿通されている。
【0017】
一方のパネル部材2を構成する各部について以下に説明する。ケース部材2aは、図1における上面となる平面部8と、この平面部8の外周端に立設された4つの側壁8a(図1では2つ示されている)とを有している。平面部8上には、当該平面部8から上方に半円状に突出し、かつ内部に空間4bを備え、さらにこの空間4bがパネル部材2の内部空間2fと連通するように構成された半筒状部4aが設けられている。
【0018】
また、平面部8には、半筒状部4a内の孔に連通し、この孔から半筒状部4aを軸方向に延出した方向に形成されたスリット10が設けられている。このスリット10は、両パネル部材2,3のヒンジ部4を組み立てる際に、一方のパネル部材2の内部から外部へ、FPC7を容易に挿通させて引き出すための挿通部である。
【0019】
スリット10は、平面部8上において、他方のパネル部材3側のヒンジ部4を構成する筒状部4eの下部に配置されている。ここでいう下部とは、製品組み立て後に両パネル部材2,3を開いた状態でその開いた面側から筒状部4eを見た場合(図2(A)で示すように筒状部4eを見た場合)に、スリット10が筒状部4eの下側となる位置をいう。つまり、スリット10は、両パネル部材2,3を開いた状態で見た場合における筒状部4eの幅内に収まる位置に形成されていればよく、その幅内の中心位置に形成されているのがさらに好ましい。
【0020】
スリット10の長手方向の寸法は、対向する円筒状部4eの軸方向の長さより短く設定される。また、スリット10の幅は、FPC7を容易に挿通させることが出来る程度の長さ、具体的には、1mm程度の長さで良い。
【0021】
図2(A)に示すように、組み立て後において、スリット10は、他方のパネル部材3側の筒状部4eの裏側に隠れる。このため、両パネル部材2,3を相対回動させて、図2に示すように開いた状態としても、外観上、スリット10は見えない。したがって、外観上の美観を損なうという問題は生じない。
【0022】
ケース部材2bは、底面部2cとこの底面部2cの外周端に立設された4つの側壁2dから構成されている。第1のパネル部材2は、内部に回路基板5を配置した状態で、ケース部材2aの側壁8aの下端と、ケース部材2bの側壁2dの上端とを接着固定することにより形成される。
【0023】
第1のパネル部材2の半円筒状部4a内には、撓ませかつ捻られたFPC7が配置される。このFPC7の一端は、第1のパネル部材2の内部に配置された回路基板5に接続されている。また、FPC7の他端側は、半筒状部4aの軸方向一端に形成された出口部4fから第1のパネル部材2の外部に引き出される。
【0024】
他方のパネル部材3を構成する各部について以下に説明する。ケース部材3aは、図1における上面となる対向平面部3cと、この対向平面部3cの外周端に立設された4つの側壁3dとを有している。対向面部3cは、両パネル部材2,3を閉じた状態のときに、第1のパネル部材2の平面部8と対向する面である。
【0025】
図2(B)における左端に配置された側壁3dの長手方向一部には、この側壁3dからさらに下方に延出される下方延出部3eが設けられ、この下方延出部3eの最下端に半割部4cが形成されている。この半割部4cは、上方に半円状に突出され、その内側(下面側)には半円柱状の空間が形成されている。
【0026】
ケース部材3bは、底面部3fと、底面部3fの外周端に立設された4つの側壁3gとを有している。図1における左側に配置された側壁3gには、切り欠き部3hが形成されている。この切り欠き部3hの下端部分には、下方に半円状に突出され、その内側(上面側)に半円柱状の空間部が形成された半割部4dが設けられている。
【0027】
第2のパネル部材3は、ケース部材3aの側壁3dの下端と、ケース部材3bの側壁3fの上端とを接着固定することにより形成される。このとき、ケース部材3aの半割部4cと、ケース部材3bの半割部4dが接着固定され、両半割部4c,4dによって1つの筒状部4e(図2(C)参照)が形成される。
【0028】
この筒状部4eは、ヒンジ部4の一部を形成するものである。筒状部4eは、上述の切り欠き部3hによって、第2のパネル部材3の内部空間と連通される。筒状部4eは、第1のパネル部材2の平面部8上で、半筒状部4aに対して一軸方向に配置される。そして、第1のパネル部材2の出口部4fから引き出されたFPC7の他端側は、半筒状部4aに並設された上記筒状部4eの軸方向端部から当該筒状部4e内に入り込む。さらに、FPC7は、切り欠き部3hを通って第2のパネル部材3内に入り込む。そして、FPC7の他端は、第2のパネル部材3内に配置された回路基板6に接続される。
【0029】
ヒンジ部4は、第1のパネル部材2の半筒状部4aと、上述した第2のパネル部材3に設けられた筒状部4eと、半筒状部4aと第2のパネル部材3の筒状部4eとを一軸方向に配置した状態で、半筒状部4aと筒状部4eを相対的に回動可能に接続する接続部材11,11(図2参照)とから構成される。
【0030】
次に、ヒンジ部4の組み立て方法について、図1および図3を用いて説明する。
【0031】
まず、第1の工程として、第1のパネル部材2を構成する2つのケース部材2a,2bのうち、図1において下方に配置されたケース部材2b内に回路基板5が配置される。この回路基板5の上面には、FPC7の一端が接続されている。
【0032】
次に、第2の工程として、回路基板5に一側が接続されたFPC7の他端側をケース部材2aのスリット10内に挿通させる。このとき、FPC7の他端側は、回路基板6と接続されていない状態である。また、スリット10内にFPC7を挿通させる際、ケース部材2aは、ケース部材2bに対して完全に嵌め込まれた状態ではなく、図3(A)に示すように、長手方向にずれた状態にある。
【0033】
次に、第3の工程として、スリット10内に挿通させたFPC7を、半筒状部4aの空間4b内へ移動させる。具体的には、まず、最初にFPC7の途中部分を、適度な半径で捻りながら丸めて撓みを形成する。次に、その状態で、上側のケース部材2aを図3(A)において矢示X方向にスライド移動させていき、両ケース部材2a,2bが上下方向に噛み合った位置でしっかりと嵌め合わせて固定する。この状態を示した図が、図3(B)である。図3(B)に示すように、FPC7は、丸まっている部分がケース部材2aの半筒状部4aの空間4b内に入り込み、半筒状部4aの出口部4fからFPC7の残りの部分が飛び出した状態となる。
【0034】
次に、第4の工程として、FPC7の他端、すなわち出口部4fから飛び出している部分の端部を回路基板6に接続する。そして、この回路基板6を、図1における下方のケース部材3b内に配置する。次に、FPC7を、ケース部材3bの半割部4d内に配置し、半割部4dが第1のパネル部材2の半筒状部4aに一軸方向に配置されるように、ケース部材3bを平面部8上に載置する。
【0035】
次に、その状態で、ケース部材3aをケース部材3bに被せて固定する。これにより、2つの半割部4c,4cが固定されて、筒状部4eが形成される。このとき、FPC7の途中部分は、第1のパネル部材2の半筒状部4a内と、第2のパネル部材3の筒状部4e内に、ほぼ均等となるように捻られかつ撓みを持たせるように丸まった状態で配置される。このように形成された筒状部4eは、第1のパネル部材2のスリット10を隠す位置に配置されることとなる。
【0036】
さらに、一方の接続部材11を半筒状部4aの軸方向における外側から嵌め込み、他方の接続部材11を筒状部4eの軸方向における外側から嵌め込む。これにより、第1のパネル部材2と第2のパネル部材3とは、ヒンジ部4を回動中心として回動可能となる。ヒンジ部4の内部には、通電部材となるFPC7が配置される。
【0037】
本実施の形態では、上述した構造を有する各部材を、上述した方法により組み立てることによって、折り畳み式の電子機器1のヒンジ部4が形成される。したがって、一方のパネル部材2の平面部8から半筒状部4aが突出したタイプの折り畳み式の電子機器1のヒンジ部構造において、可撓性の通電部材であるFPC7を容易にヒンジ部4内に組み込むことができる。しかも、第2のパネル部材3の筒状部4eにより、第1のパネル部材2の平面部8上に形成されたスリット10が隠される。したがって、電子機器1を開いた状態で使用する場合も、スリット10は見えず、外観上の美観を損なうという問題も生じない。
【0038】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施の形態では、可撓性の通電部材としてFPC(フレキシブル回路基板)7を用いたが、通電部材は可撓性であれば他のものでも良く、シールド線、カード線等でも良い。また、通電部材は、その用途に合わせて、電源のみを送るための部材であっても良いし、データ送受信が可能となるデータラインとなる部材を採用しても良い。
【0039】
また、上述の実施の形態では、スリット10内にFPC7を挿通させた後、両ケース部材2a,2bを相対的に長手方向にスライド移動させることによって、FPC7が半筒状部4a内に移動することとした。しかし、スリット10内にFPC7を挿通させた後、両ケース部材2a,2bをずらした位置とせずに、両ケース部材2a,2bのはめ込みを行い、その後にFPC7を半筒状部4a内に移動させても良い。
【0040】
また、上述の実施の形態では、第1のパネル部材2側の半筒状部4a内でFPC7が捻った状態で丸められている。しかし、FPC7を丸めない状態で半筒状部4aから引き出し、第2のパネル部材3側の筒状部4e内で捻った状態で配置されるようにしても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子機器のヒンジ部構造およびヒンジ部の組み立て方法によれば、一方のパネル部材の平面部上にヒンジ部が突出している構成を有する折り畳み式の電子機器において、ヒンジ部内に挿通される可撓性の通電部材の扱いが容易で組み立て時の作業性が良く、しかも組み立て完成後において外観上の美観が損われることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器のヒンジ部構造を説明するための分解斜視図である。
【図2】図1の電子機器を組み立てかつ各両パネル部材を開いた状態を示した図で、(A)は平面図、(B)は(A)を矢示IIB方向から見た正面図、(C)は(B)を矢示IIC方向から見た側面図である。
【図3】本発明のヒンジ部の組み立て方法を説明するための図で、(A)は第2の工程が終了した時点における斜視図、(B)は第4の工程が終了した時点における斜視図を示している。
【図4】従来の折り畳み式の電子機器の外観構造、および本発明の電子機器のヒンジ部構造の外観構造を示す側面図である。
【図5】図4に示した従来の折り畳み式の電子機器のヒンジ部構造を説明するための分解斜視図である。
【図6】図5に示す電子機器のケース部材における他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電子機器
2 (第1の)パネル部材
3 (第2の)パネル部材
4 ヒンジ部
4a 半筒状部
4b 空間
4c,4d 半割部
4e 筒状部
5,6 回路基板
7 FPC(プリント回路基板=通電部材)
8 平面部
10 スリット
11 接続部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器のヒンジ部構造およびヒンジ部の組み立て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話およびラップトップ型のパソコン等の持ち運び可能な電子機器において、コンパクトに折り畳むためのヒンジ部を有するタイプのものが存在する。電子機器を折り畳み式にすると、表示画面および操作部を設けるためのスペースを広めに確保することができる。そのため、電子機器は、小型化を図りつつも、表示画面を大きいものとして視認性を向上させることができると共に、入力部位を大きくして操作性の向上を図ることができる。
【0003】
図4に示す電子機器1は、一方のパネル部材2の平面部8から他方のパネル部材3側にヒンジ部4が突出し、かつ他方のパネル部材3側から見ると側端部からヒンジ部4が突出された位置に配置されていることに特徴がある。
【0004】
この電子機器1では、2つのパネル部材2,3の両対向面の面積を同一とする必要が無いため、デザイン的あるいは機能的な理由により、他方のパネル部材3の面積を小さく構成し、一方の平面部8上にヒンジ部4を配置する構成として装置全体の小型化が図られている。
【0005】
図5は、電子機器1のヒンジ部構造を示す分解斜視図である。この電子機器1は、第1のパネル部材2を、2つのケース部材2a,2bから構成し、両ケース部材2a,2bの間の空間に回路基板5を配置したものである。一方、第2のパネル部材3も、第1のパネル部材2と同様、2つのケース部材3a,3bから構成し、両ケース部材3a,3bの間の空間に回路基板6を配置したものである。2つの回路基板5,6は、可撓性のFPC(フレキシブル回路基板)7によって電気的に接続される。
【0006】
そして、FPC7は、一側を第1のパネル部材2内の回路基板5に接続し、途中部分をヒンジ部4内に挿通し、他側を第2のパネル部材3内の回路基板6に接続した状態におかれる。FPC7の途中部分は、両パネル部材2,3の開閉動作時における両回路基板5,6の接続部との距離の変更に対応可能なように、撓ませかつ捻られている。
【0007】
ヒンジ部4は、第1のパネル部材2の平面部8上に突出された半筒状部材4aと、第2のパネル部材3側に取り付けられた2つの半割部4c,4dとを有している。第2のパネル部材3側の半割部4c,4dは、第2のパネル部材3を構成する2つのケース部材3a,3bを組み合わせて固定した際に、1つの筒状部となる。第1のパネル部材2の半筒状部4aと、第2のパネル部材3の2つの半割部4c,4dを組み合わせて形成された筒状部材は一軸方向に配置され、図示しない接続部材によって相対回動自在に接続される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図4および図5に示した電子機器1では、一方のパネル部材2の平面部8上に突出するように当該パネル部材2に一体成型された半筒状部4aが、ヒンジ部4の一部となっている。そのため、ヒンジ部4内にFPC7を挿通させる際、半筒状部4aの狭い空間4b内で、FPC7を半筒状部4aの内径より小さい半径で捻ってかつ丸めて撓ませる作業が必要となり、作業性が悪く、生産性が向上しないという問題がある。
【0009】
なお、図6に示すように、半筒状部4aの半分を別部材9で構成すると、FPC7を半筒状部4a内に配置させる作業が容易となる。まず、別部材9を取り付ける前に、半筒状部4aの半分となる部位内の空間でFPC7を捻って丸めるように配置させておき、その後、別部材9を第1のパネル部材2を構成するケース部材2a本体側に形成された残り半分の部分に被せて接着することにより、容易にこの作業を行えるからである。しかし、この構成とすると、別部材9が新たに必要となってコスト高となる。加えて、この構成を採用すると、半筒状部4aと別部品9との継ぎ目が、組み込み後におけるパネル部材2,3を開いた際の見える位置に配置されてしまうため、外観が悪いという問題が生じる。
【0010】
本発明の目的は、上述の問題点に鑑みて、一方のパネル部材の平面部上にヒンジ部が突出している構成を有する折り畳み式の電子機器において、ヒンジ部内に挿通される可撓性の通電部材の扱いが容易で組み立て時の作業性が良く、しかも外観上の美観を損ねない構造の電子機器のヒンジ部構造およびヒンジ部の組み立て方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明の電子機器のヒンジ部構造は、内部に回路基板を備えた複数のパネル部材と、パネル部材を開閉可能に接続すると共に回路基板同士を電気的に接続する可撓性の通電部材を内部に通すヒンジ部とを備えた電子機器のヒンジ部構造において、ヒンジ部は、一方のパネル部材の平面部から突出し、かつ内部に空間を備え、さらにこの空間が当該一方のパネル部材本体の内部空間と連通するように構成された半筒状部と、他方のパネル部材の側端部に設けられた2つの半割部からなり、2つの半割部で形成される内部の空間が当該他方のパネル部材の内部空間と連通するように構成された筒状部と、半筒状部と筒状部とを一方のパネル部材の平面部上に、一軸方向に配置した状態で、半筒状部と筒状部を相対的に回動可能に接続する接続部材とを有し、一方のパネル部材の平面部の筒状部の下部に、半筒状部内の空間および一方のパネル部材本体の内部空間に連通するスリットを設け、このスリットを、パネル部材のヒンジ部を組み立てる際に通電部材を挿通させるための挿通部としたことを特徴としている。
【0012】
また、本発明のヒンジ部の組み立て方法は、一方のパネル部材の平面部から突出し、かつ内部に空間を備え、さらにこの空間が当該一方のパネル部材本体の内部空間と連通するように構成された半筒状部と、他方のパネル部材の側端部に設けられた2つの半割部からなり、2つの半割部で形成される内部空間が当該他方のパネル部材の内部空間と連通するように構成された筒状部と、半筒状部と筒状部とを一方のパネル部材の平面部上に、一軸方向に配置した状態で、半筒状部と筒状部を相対的に回動可能に接続する接続部材とを有し、一方のパネル部材の平面部の筒状部の下部に、半筒状部内の空間および一方のパネル部材本体の内部空間に連通するスリットが設けられたヒンジ部の組み立て方法であって、一方のパネル部材内に一方の回路基板を配置する第1の工程と、一方の回路基板に一側が接続された通電部材をスリット内に挿通させる第2の工程と、スリット内に挿通させた通電部材を半筒状部の空間内へスライド移動させる第3の工程と、通電部材の他側が接続された他方の回路基板を他方のパネル部材内に配置する第4の工程とを有することを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電子機器のヒンジ部構造およびヒンジ部の組み立て方法の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の電子機器の基本的な外観構造は、図4および図5に示した従来の電子機器とほぼ同じである。したがって、本発明の基本的な外観構造の説明は簡略化するものとし、加えて同じ構成部位に関しては、図4および図5で用いた符号を使用するものとする。
【0014】
図4に示すように、電子機器1は、2つのパネル部材2,3と、これら2つのパネル部材2,3を開閉可能に接続するヒンジ部4とを備えている。2つのパネル部材2,3は、ヒンジ部4を回動中心として相対的に開閉回動するものである。
【0015】
図1は、本発明の電子機器1のヒンジ部構造を示す分解斜視図である。図2は、図1の電子機器1を組み立てかつ各両パネル部材2,3を開いた状態を示した図で、(A)は平面図、(B)は(A)を矢示IIB方向から見た正面図、(C)は(B)を矢示IIC方向から見た側面図である。本発明の電子機器1と図4および図5に示した従来の電子機器1との構造的な違いは、後述するスリット10の部分である。従来の電子機器1には、スリット10は存在していないが、以下に説明する電子機器1の平面部8には、スリット10が存在する。
【0016】
図1および図2に示すように、各パネル部材2,3は、それぞれ2つのケース部材2a,2b,3a,3bを有し、ケース部材2a,2bの間およびケース部材3a,3bの間の空間には、それぞれ、回路基板5,6が備えられている。両回路基板5,6は、可撓性の通電部材となるFPC7によって電気的に接続されている。FPC7は、ヒンジ部4の内部に挿通されている。
【0017】
一方のパネル部材2を構成する各部について以下に説明する。ケース部材2aは、図1における上面となる平面部8と、この平面部8の外周端に立設された4つの側壁8a(図1では2つ示されている)とを有している。平面部8上には、当該平面部8から上方に半円状に突出し、かつ内部に空間4bを備え、さらにこの空間4bがパネル部材2の内部空間2fと連通するように構成された半筒状部4aが設けられている。
【0018】
また、平面部8には、半筒状部4a内の孔に連通し、この孔から半筒状部4aを軸方向に延出した方向に形成されたスリット10が設けられている。このスリット10は、両パネル部材2,3のヒンジ部4を組み立てる際に、一方のパネル部材2の内部から外部へ、FPC7を容易に挿通させて引き出すための挿通部である。
【0019】
スリット10は、平面部8上において、他方のパネル部材3側のヒンジ部4を構成する筒状部4eの下部に配置されている。ここでいう下部とは、製品組み立て後に両パネル部材2,3を開いた状態でその開いた面側から筒状部4eを見た場合(図2(A)で示すように筒状部4eを見た場合)に、スリット10が筒状部4eの下側となる位置をいう。つまり、スリット10は、両パネル部材2,3を開いた状態で見た場合における筒状部4eの幅内に収まる位置に形成されていればよく、その幅内の中心位置に形成されているのがさらに好ましい。
【0020】
スリット10の長手方向の寸法は、対向する円筒状部4eの軸方向の長さより短く設定される。また、スリット10の幅は、FPC7を容易に挿通させることが出来る程度の長さ、具体的には、1mm程度の長さで良い。
【0021】
図2(A)に示すように、組み立て後において、スリット10は、他方のパネル部材3側の筒状部4eの裏側に隠れる。このため、両パネル部材2,3を相対回動させて、図2に示すように開いた状態としても、外観上、スリット10は見えない。したがって、外観上の美観を損なうという問題は生じない。
【0022】
ケース部材2bは、底面部2cとこの底面部2cの外周端に立設された4つの側壁2dから構成されている。第1のパネル部材2は、内部に回路基板5を配置した状態で、ケース部材2aの側壁8aの下端と、ケース部材2bの側壁2dの上端とを接着固定することにより形成される。
【0023】
第1のパネル部材2の半円筒状部4a内には、撓ませかつ捻られたFPC7が配置される。このFPC7の一端は、第1のパネル部材2の内部に配置された回路基板5に接続されている。また、FPC7の他端側は、半筒状部4aの軸方向一端に形成された出口部4fから第1のパネル部材2の外部に引き出される。
【0024】
他方のパネル部材3を構成する各部について以下に説明する。ケース部材3aは、図1における上面となる対向平面部3cと、この対向平面部3cの外周端に立設された4つの側壁3dとを有している。対向面部3cは、両パネル部材2,3を閉じた状態のときに、第1のパネル部材2の平面部8と対向する面である。
【0025】
図2(B)における左端に配置された側壁3dの長手方向一部には、この側壁3dからさらに下方に延出される下方延出部3eが設けられ、この下方延出部3eの最下端に半割部4cが形成されている。この半割部4cは、上方に半円状に突出され、その内側(下面側)には半円柱状の空間が形成されている。
【0026】
ケース部材3bは、底面部3fと、底面部3fの外周端に立設された4つの側壁3gとを有している。図1における左側に配置された側壁3gには、切り欠き部3hが形成されている。この切り欠き部3hの下端部分には、下方に半円状に突出され、その内側(上面側)に半円柱状の空間部が形成された半割部4dが設けられている。
【0027】
第2のパネル部材3は、ケース部材3aの側壁3dの下端と、ケース部材3bの側壁3fの上端とを接着固定することにより形成される。このとき、ケース部材3aの半割部4cと、ケース部材3bの半割部4dが接着固定され、両半割部4c,4dによって1つの筒状部4e(図2(C)参照)が形成される。
【0028】
この筒状部4eは、ヒンジ部4の一部を形成するものである。筒状部4eは、上述の切り欠き部3hによって、第2のパネル部材3の内部空間と連通される。筒状部4eは、第1のパネル部材2の平面部8上で、半筒状部4aに対して一軸方向に配置される。そして、第1のパネル部材2の出口部4fから引き出されたFPC7の他端側は、半筒状部4aに並設された上記筒状部4eの軸方向端部から当該筒状部4e内に入り込む。さらに、FPC7は、切り欠き部3hを通って第2のパネル部材3内に入り込む。そして、FPC7の他端は、第2のパネル部材3内に配置された回路基板6に接続される。
【0029】
ヒンジ部4は、第1のパネル部材2の半筒状部4aと、上述した第2のパネル部材3に設けられた筒状部4eと、半筒状部4aと第2のパネル部材3の筒状部4eとを一軸方向に配置した状態で、半筒状部4aと筒状部4eを相対的に回動可能に接続する接続部材11,11(図2参照)とから構成される。
【0030】
次に、ヒンジ部4の組み立て方法について、図1および図3を用いて説明する。
【0031】
まず、第1の工程として、第1のパネル部材2を構成する2つのケース部材2a,2bのうち、図1において下方に配置されたケース部材2b内に回路基板5が配置される。この回路基板5の上面には、FPC7の一端が接続されている。
【0032】
次に、第2の工程として、回路基板5に一側が接続されたFPC7の他端側をケース部材2aのスリット10内に挿通させる。このとき、FPC7の他端側は、回路基板6と接続されていない状態である。また、スリット10内にFPC7を挿通させる際、ケース部材2aは、ケース部材2bに対して完全に嵌め込まれた状態ではなく、図3(A)に示すように、長手方向にずれた状態にある。
【0033】
次に、第3の工程として、スリット10内に挿通させたFPC7を、半筒状部4aの空間4b内へ移動させる。具体的には、まず、最初にFPC7の途中部分を、適度な半径で捻りながら丸めて撓みを形成する。次に、その状態で、上側のケース部材2aを図3(A)において矢示X方向にスライド移動させていき、両ケース部材2a,2bが上下方向に噛み合った位置でしっかりと嵌め合わせて固定する。この状態を示した図が、図3(B)である。図3(B)に示すように、FPC7は、丸まっている部分がケース部材2aの半筒状部4aの空間4b内に入り込み、半筒状部4aの出口部4fからFPC7の残りの部分が飛び出した状態となる。
【0034】
次に、第4の工程として、FPC7の他端、すなわち出口部4fから飛び出している部分の端部を回路基板6に接続する。そして、この回路基板6を、図1における下方のケース部材3b内に配置する。次に、FPC7を、ケース部材3bの半割部4d内に配置し、半割部4dが第1のパネル部材2の半筒状部4aに一軸方向に配置されるように、ケース部材3bを平面部8上に載置する。
【0035】
次に、その状態で、ケース部材3aをケース部材3bに被せて固定する。これにより、2つの半割部4c,4cが固定されて、筒状部4eが形成される。このとき、FPC7の途中部分は、第1のパネル部材2の半筒状部4a内と、第2のパネル部材3の筒状部4e内に、ほぼ均等となるように捻られかつ撓みを持たせるように丸まった状態で配置される。このように形成された筒状部4eは、第1のパネル部材2のスリット10を隠す位置に配置されることとなる。
【0036】
さらに、一方の接続部材11を半筒状部4aの軸方向における外側から嵌め込み、他方の接続部材11を筒状部4eの軸方向における外側から嵌め込む。これにより、第1のパネル部材2と第2のパネル部材3とは、ヒンジ部4を回動中心として回動可能となる。ヒンジ部4の内部には、通電部材となるFPC7が配置される。
【0037】
本実施の形態では、上述した構造を有する各部材を、上述した方法により組み立てることによって、折り畳み式の電子機器1のヒンジ部4が形成される。したがって、一方のパネル部材2の平面部8から半筒状部4aが突出したタイプの折り畳み式の電子機器1のヒンジ部構造において、可撓性の通電部材であるFPC7を容易にヒンジ部4内に組み込むことができる。しかも、第2のパネル部材3の筒状部4eにより、第1のパネル部材2の平面部8上に形成されたスリット10が隠される。したがって、電子機器1を開いた状態で使用する場合も、スリット10は見えず、外観上の美観を損なうという問題も生じない。
【0038】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施の形態では、可撓性の通電部材としてFPC(フレキシブル回路基板)7を用いたが、通電部材は可撓性であれば他のものでも良く、シールド線、カード線等でも良い。また、通電部材は、その用途に合わせて、電源のみを送るための部材であっても良いし、データ送受信が可能となるデータラインとなる部材を採用しても良い。
【0039】
また、上述の実施の形態では、スリット10内にFPC7を挿通させた後、両ケース部材2a,2bを相対的に長手方向にスライド移動させることによって、FPC7が半筒状部4a内に移動することとした。しかし、スリット10内にFPC7を挿通させた後、両ケース部材2a,2bをずらした位置とせずに、両ケース部材2a,2bのはめ込みを行い、その後にFPC7を半筒状部4a内に移動させても良い。
【0040】
また、上述の実施の形態では、第1のパネル部材2側の半筒状部4a内でFPC7が捻った状態で丸められている。しかし、FPC7を丸めない状態で半筒状部4aから引き出し、第2のパネル部材3側の筒状部4e内で捻った状態で配置されるようにしても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子機器のヒンジ部構造およびヒンジ部の組み立て方法によれば、一方のパネル部材の平面部上にヒンジ部が突出している構成を有する折り畳み式の電子機器において、ヒンジ部内に挿通される可撓性の通電部材の扱いが容易で組み立て時の作業性が良く、しかも組み立て完成後において外観上の美観が損われることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器のヒンジ部構造を説明するための分解斜視図である。
【図2】図1の電子機器を組み立てかつ各両パネル部材を開いた状態を示した図で、(A)は平面図、(B)は(A)を矢示IIB方向から見た正面図、(C)は(B)を矢示IIC方向から見た側面図である。
【図3】本発明のヒンジ部の組み立て方法を説明するための図で、(A)は第2の工程が終了した時点における斜視図、(B)は第4の工程が終了した時点における斜視図を示している。
【図4】従来の折り畳み式の電子機器の外観構造、および本発明の電子機器のヒンジ部構造の外観構造を示す側面図である。
【図5】図4に示した従来の折り畳み式の電子機器のヒンジ部構造を説明するための分解斜視図である。
【図6】図5に示す電子機器のケース部材における他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電子機器
2 (第1の)パネル部材
3 (第2の)パネル部材
4 ヒンジ部
4a 半筒状部
4b 空間
4c,4d 半割部
4e 筒状部
5,6 回路基板
7 FPC(プリント回路基板=通電部材)
8 平面部
10 スリット
11 接続部材
Claims (2)
- 内部に回路基板を備えた複数のパネル部材と、上記パネル部材を開閉可能に接続すると共に上記回路基板同士を電気的に接続する可撓性の通電部材を内部に通すヒンジ部とを備えた電子機器のヒンジ部構造において、
上記ヒンジ部は、
一方のパネル部材の平面部から突出し、かつ内部に空間を備え、さらにこの空間が当該一方のパネル部材本体の内部空間と連通するように構成された半筒状部と、
他方のパネル部材の側端部に設けられた2つの半割部からなり、上記2つの半割部で形成される内部の空間が当該他方のパネル部材の内部空間と連通するように構成された筒状部と、
上記半筒状部と上記筒状部とを上記一方のパネル部材の平面部上に、一軸方向に配置した状態で、上記半筒状部と上記筒状部を相対的に回動可能に接続する接続部材とを有し、
上記一方のパネル部材の平面部の上記筒状部の下部に、上記半筒状部内の空間および上記一方のパネル部材本体の内部空間に連通するスリットを設け、このスリットを、上記パネル部材のヒンジ部を組み立てる際に上記通電部材を挿通させるための挿通部としたことを特徴とする電子機器のヒンジ部構造。 - 一方のパネル部材の平面部から突出し、かつ内部に空間を備え、さらにこの空間が当該一方のパネル部材本体の内部空間と連通するように構成された半筒状部と、
他方のパネル部材の側端部に設けられた2つの半割部からなり、上記2つの半割部で形成される内部空間が当該他方のパネル部材の内部空間と連通するように構成された筒状部と、
上記半筒状部と上記筒状部とを上記一方のパネル部材の平面部上に、一軸方向に配置した状態で、上記半筒状部と上記筒状部を相対的に回動可能に接続する接続部材とを有し、
上記一方のパネル部材の平面部の上記筒状部の下部に、上記半筒状部内の空間および上記一方のパネル部材本体の内部空間に連通するスリットが設けられたヒンジ部の組み立て方法であって、
上記一方のパネル部材内に一方の回路基板を配置する第1の工程と、
上記一方の回路基板に一側が接続された通電部材を上記スリット内に挿通させる第2の工程と、
上記スリット内に挿通させた上記通電部材を上記半筒状部の空間内へスライド移動させる第3の工程と、
上記通電部材の他側が接続された他方の回路基板を他方のパネル部材内に配置する第4の工程とを有することを特徴とするヒンジ部の組み立て方法。
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JP2002214365A JP2004056011A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 電子機器のヒンジ部構造およびヒンジ部の組み立て方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20150049275A1 (en) * | 2013-08-15 | 2015-02-19 | Apple Inc. | Hinged Portable Electronic Device With Display Circuitry Located in Base |
WO2021256580A1 (ko) * | 2020-06-16 | 2021-12-23 | 엘지전자 주식회사 | 이동 단말기 |
-
2002
- 2002-07-23 JP JP2002214365A patent/JP2004056011A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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