JP2004055641A - スピンプロセッサの基板チャック部構造 - Google Patents

スピンプロセッサの基板チャック部構造 Download PDF

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Abstract

【課題】反りがあるような変形基板であっても、反りを矯正して確実にチャッキング可能であり、また、円形に限定されず、多角形の基板にも適用可能なスピンプロセッサの基板チャック部構造を提供する。
【解決手段】基板の外周縁部を保持した状態で回転させながら、前記基板上方から処理液を供給して基板上面を処理可能としたスピンプロセッサにおいて、前記基板の外周縁部を周辺より挟圧して基板を保持可能としたチャック部を複数個配設するとともに、前記各チャック部を、回転によって中心部に向かって変位可能とし、しかも、チャック部に設けた基板挟圧部を鼓状又はテーパ状に形成した。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピンプロセッサの基板チャック部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ICチップなどの製造に用いられるウェハを製造するに際し、ウェハ表面をエッチングして二酸化ケイ素膜などを除去するエッチング工程があり、かかるエッチング工程では、一般的にスピンプロセッサが用いられていた。
【0003】
スピンプロセッサは、ウェハの外周縁部を挟圧保持する複数のチャック部を備えたウェハ搭載部が回転自在に設けられており、同ウェハ搭載部にウェハを載置して、前記チャック部でウェハ外周縁を挟持した状態でウェハを回転させながらウェハの中心部上方からエッチング液を塗布して、ウェハ上面全体にエッチング液を広がらせてエッチングするようにしている。
【0004】
このように、スピンプロセッサを用いることによって、エッチング液を遠心力によりウェハの上面に沿って均一に流布させることができ、ウェハの上面に生成されている二酸化ケイ素膜を除去することができる。
【0005】
上記ウェハ搭載部の構成の一例として、図4に示した構成のものがあった。
【0006】
すなわち、図示するように、ウェハ100よりも大径の円盤200と、同円盤200上の外周部近傍において、同一半径Rを有する円周上の均等位置に配置されたチャック部300と、同チャック部300に設けた筒状の基板挟圧部310と、同基板挟圧部310に軸支されて、前記円盤200に対してチャック部300を回転軸中心に向けて回動するリンク400、500とを具備する構成のものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来のスピンプロセッサにおける基盤チャック部構造としては、下記に示す課題が残されていた。
【0008】
すなわち、上記チャック部300に設けられた基板挟圧部310は、実質的にはウェハ100の下面を支持するとともに、ウェハ100の外周縁部に当接しながら挟持することのできる、所定高さの段付き円筒部材から構成されていた。
【0009】
このように、基板挟圧部310が円筒部材から構成されているために、ウェハ100に反りなどがあると、これを水平にチャックすることができず、エッチング液が均等に塗布されないでエッチングレート及び均一性にばらつきが発生するおそれがあった。
【0010】
また、ウェハ100が円形でない場合には、これをしっかりとチャックすることが難しく、やはり所望するエッチング結果が得られないことがあった。
【0011】
本発明は、上記課題を解決することのできるスピンプロセッサの基板チャック部構造を提供することを目的としている。
【0012】
【発明が解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、基板の外周縁部を保持した状態で回転させながら、前記基板上方から処理液を供給して基板上面を処理可能としたスピンプロセッサにおいて、前記基板の外周縁部を周辺より挟圧して基板を保持可能としたチャック部を複数個配設するとともに、前記各チャック部を、回転によって中心部に向かって変位可能とし、しかも、チャック部に設けた基板挟圧部を鼓状又はテーパ状に形成した。
【0013】
また、請求項2記載の本発明では、上記基板挟圧部をローラ構造とした。
【0014】
また、請求項3記載の本発明では、上記基板挟圧部の上部に、略円錐状の基板ガイド体を設けた。
【0015】
また、請求項4記載の本発明では、上記チャック部に、処理液の滞留を防止する液抜孔を穿設した。
【0016】
さらに、請求項5記載の本発明では、上記基板を半導体装置用のウェハとした。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、基板の外周縁部を保持した状態で回転させながら、前記基板上方から処理液を供給して基板上面を処理可能としたスピンプロセッサにおいて、前記基板の外周縁部を周辺より挟圧して基板を保持可能としたチャック部を複数個配設するとともに、前記各チャック部を、回転によって中心部に向かって変位可能とし、しかも、チャック部に設けた基板挟圧部を鼓状又はテーパ状に形成したものである。
【0018】
すなわち、基板外周縁部に複数箇所で当接して挟圧保持する各基板挟圧部を鼓状にしたことにより、基板を鼓状の最も絞った部位、又はテーパの最も深い部位でそれぞれ挟持することができ、基板に反りなどがあってもこれを矯正して処理液を塗布することが可能となる。したがって、チャッキングミスを低減するとともに、基板処理精度のばらつきをなくすことができる。
【0019】
上記基板としては、半導体装置用のウェハとすることができ、このとき、処理液をエッチング液とすると、上述したことから、エッチングレート、均一性のばらつきを防止することができる。
【0020】
また、上記基板挟圧部をローラ構造とすることが好ましい。
【0021】
すなわち、基板挟圧部を回転可能なローラ体からなる構成とすることにより、基板(ウェハ)が円形でなくても挟圧時に均等に力が加わることになり、挟圧時の変形を防止することができ、処理対象となる基板形状の自由度を高めることができる。
【0022】
さらに、上記基板挟圧部の上部に、略円錐状の基板ガイド体を設けることができる。
【0023】
すなわち、基板外周縁部に複数箇所で当接できるようにチャック部を配設しているので、かかる複数のチャック部によって基板搭載部が構成されることになるが、基板をチャッキングする場合は、先ず、かかる基板搭載部に基板を載置しなければならない。このとき、各チャック部の基板挟圧部の上部に設けた基板ガイド体を略円錐状とすることで、基板サイズにかかわらず基板を容易に案内でき、使い勝手の良好なスピンプロセッサとなすことができる。
【0024】
また、チャック部に、処理液の滞留を防止する液抜孔を穿設することができる。例えば、上記基板ガイド体に液抜孔を設けることができる。
【0025】
これは、基板を回転させながら処理液を塗布したときに、処理液が遠心力によって基板の外周端縁部に向かって広がっていくが、このときに、チャック部に処理液が滞留すると、処理液の特性によっては基板とチャック部とが引っ付いてしまい、取り出しが難しくなったりする。そこで、チャック部に液抜孔を設けることで、処理液の滞留を防止するのである。
【0026】
液抜孔は、基板回転時の処理液の流れる方向を解析しながら、それに見合った位置に開口するように穿設することが好ましい。なお、液抜孔を設ける個所としては、基板ガイド体に限るものではなく、チャック部において適宜個所を選択して設けることができる。
【0027】
ところで、チャック部の数としては、90°間隔で4箇所に設けることが好ましく、4個のチャック部であれば、例えば角を落とした略四角形の基板であっても確実にチャッキング可能となる。
【0028】
以下、添付図に基づいて、本発明に係る吸着搬送装置の構成及び作用をより具体的に説明する。
【0029】
図1は本実施の形態に係るスピンプロセッサの全体説明図、図2は同スピンプロセッサ本体の平面図、図3は同スピンプロセッサのチャック部を示す説明図である。なお、ここでは、スピンプロセッサを、ウェハのエッチング処理に用いるものとして説明する。
【0030】
図1に示すように、スピンプロセッサAは、基板となるウェハ1の外周縁部10を保持した状態で回転させながら、前記ウェハ1の上方から処理液としてのエッチング液Bを供給してウェハ1をエッチング可能としたものであり、ウェハ1を搭載する基板搭載部20を備えたスピンプロセッサ本体2を、上部開口の箱状に形成した液受枠3内に配設している。
【0031】
液受枠3の中央上方には、ウェハ1の上面にエッチング液Bを供給するノズルNを設けており、同ノズルNは、前記液受枠3の底面に開閉弁40を介して一端を接続した可撓性を有する処理液循環パイプ4の他端と連通連結している。41は処理液循環パイプ4の中途に配設した循環ポンプ、42は同じくフィルタである。すなわち、本実施の形態では、ウェハ1のエッチング時には、遠心力により外方に飛ばされたエッチング液Bを液受枠3により受けて下方に落下させ、これを循環させて再使用可能としている。
【0032】
また、液受枠3の下部には、前記処理液循環パイプ4と並んで、エッチング液Bや洗浄水などを排出する排水パイプ5を、開閉弁50を介して連結している。
【0033】
基板搭載部20は、液受枠3の下方に配設した回転機構6により回転可能に構成されており、回転機構6はモータ60と、同モータ60とスピンプロセッサ本体2の回転軸21とを連動連結するベルト61を具備している。
【0034】
なお、本スピンプロセッサ本体2は、図示しない筐体内に収納配設されており、同筐体には、前記回転機構6や循環ポンプ41などを含めて本スピンプロセッサA全体の制御を行う制御部並びに操作部が設けられている。
【0035】
ここで、本実施の形態に係るスピンプロセッサAについて、特に本発明の要部をなすところのスピンプロセッサ本体2に設けた基板搭載部20について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0036】
図示するように、前記基板搭載部20はスピンプロセッサ本体2の上部に回転自在に設けられており、ウェハ1の外周縁部10を周辺より挟圧してウェハ1を保持可能とした4個のチャック部7を、周方向に90°間隔あけて放射状に配設している。
【0037】
上記チャック部7は、同チャック部7の下半部を構成する筒状基部71と、同筒状基部71の上端に外方へ突出状態に連設された突出板74の先端部に軸支された基板挟圧部72と、同基板挟圧部72の上部に連設された基板ガイド体73とを備えている。
【0038】
そして、各チャック部7は、後述するリンク機構8により、回転軸21の回転によって中心部に向かって変位可能に構成されている。
【0039】
すなわち、基板搭載部20は、周方向に90°間隔あけて放射状に突設した4枚のアーム片22を備えるとともに、回転軸21に取付けられた水平板23と、前記アーム片22の先端近傍に回動自在に立設され、それぞれ同一半径で仮想円周上に等間隔で配置された所定高さを有する前記チャック部7と、同チャック部7の筒状基部71の下端部に一体的に連設された第1リンク81及び同第1リンク81に一端を回動自在に螺着し、他端を前記回転軸21側に回動自在に螺着した第2リンク82とからなるリンク機構8とを具備している。
【0040】
かかるリンク機構8により、チャック部7は、第1,第2リンク81,82の揺動を受けて水平板23に対して回動し、ウェハ1を挟圧する基板挟圧部72も中心部に向かって変位することになり、ウェハ1を確実に挟持することが可能となる。特に、回転軸21が回転している場合、その回転によって基板挟圧部72は中心部に向かって変位してより挟圧を高めることになるので、ウェハ1を回転させている間は確実にチャックすることができる。
【0041】
なお、図3中、76はチャック部7を前記第1リンク81とともにアーム片22に連結する連結軸、83は第1リンク81と第2リンク82とを連結する連結ボルト、84は第2リンク82の基端を回転軸21側に連結する連結ボルトである。
【0042】
かかる構成において、本発明の要旨となるのは、前記基板挟圧部72を鼓状又はテーパ状に形成したことにある。
【0043】
すなわち、図3に示すように、基板挟圧部72は、上・下鍔部72a,72b間にテーパ面となる湾状周面を有する筒体72cを形成した鼓状に形成されている。したがって、ウェハ1を鼓状の最も絞った部位、すなわち前記筒体72cの中央でそれぞれ挟持することができ、ウェハ1に反りなどがあってもこれを矯正してエッチング液Bを全面均等に塗布することが可能となる。
【0044】
このように、本スピンプロセッサAによれば、反りなどで変形したウェハ1であってもチャッキングミスを可及的に減じてウェハ1の落下などを防止することができ、また、エッチングレート及びエッチング精度の均一性のばらつきを防止できる。
【0045】
また、本実施の形態では、上記基板挟圧部72を、回転自在なローラ構造としている。
【0046】
すなわち、チャック部7の突出板74に、上下方向へ軸体77を螺着し、同軸体77に鼓状の基板挟圧部72を回転自在に挿通している。
【0047】
このように、基板挟圧部72を回転自在なローラ状とすることにより、ウェハ1が円形でなく、例えば、図2の二点鎖線で示した略四角形のウェハ1’であっても、挟圧時に均等に力を加えることができるのでチャック時の変形を防止することができ、処理対象となるウェハ形状の自由度を高めることができる。
【0048】
特に、本実施の形態では、チャック部7の数を、周方向に90°間隔で設けた4個としているので、前記した角を落とした略四角形のウェハ1’などを確実にチャッキングすることが可能となっている。
【0049】
また、前述したように、基板挟圧部72の上部には、基板ガイド体73を設けており、同基板ガイド体73を略円錐状としている。
【0050】
したがって、大きさが異なっていてもウェハ1,1’を容易に案内して搭載でき、使い勝手の良好なスピンプロセッサAとすることができる。
【0051】
また、チャック部7には、エッチング液Bの滞留を防止する液抜孔75を設けている。
【0052】
本実施の形態では、上記基板ガイド体73の中途部に液抜孔75を設けており、ウェハ1を回転させながらエッチング液Bを塗布した際、同エッチング液Bが遠心力によってウェハ1の外周端縁部10に向かって広がっていくときに同液抜孔75から外方へ抜けやすくなり、チャック部7、特にウェハ1の外周端縁部10近傍にエッチング液Bが滞留しにくくなる。したがって、エッチング液Bを介してウェハ1と基板挟圧部72となどが引っ付いてしまい、ウェハ1の取り外しが難しくなったりすることを防止できる。
【0053】
ところで、かかる液抜孔75は、ウェハ1の回転時におけるエッチング液Bの流れる方向を解析しながら適切な位置に開口するように穿設するものとする。ここでは、基板ガイド体73の中心と回転軸21の中心とを結ぶ線よりも10〜20°程度ずらして穿設している。
【0054】
なお、液抜孔75は、必ずしも基板ガイド体73に設ける必要はなく、チャック部7において液抜きに適切と見なされる個所であれば、配設位置は特に限定するものではない。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上説明してきたような形態で実施され、以下の効果を奏する。
【0056】
(1)請求項1記載の本発明によれば、基板の外周縁部を保持した状態で回転させながら、前記基板上方から処理液を供給して基板上面を処理可能としたスピンプロセッサにおいて、前記基板の外周縁部を周辺より挟圧して基板を保持可能としたチャック部を複数個配設するとともに、前記各チャック部を、回転によって中心部に向かって変位可能とし、しかも、チャック部に設けた基板挟圧部を鼓状又はテーパ状に形成したことにより、基板を鼓状の最も絞った部位、又はテーパの最も深い部位でそれぞれ挟持することができ、基板に反りなどがあってもこれを矯正して処理液を塗布することが可能となる。したがって、チャッキングミスを低減するとともに、基板処理精度のばらつきをなくすことができる。
【0057】
(2)請求項2記載の本発明では、上記基板挟圧部をローラ構造としたことにより、基板が円形でなくても挟圧時に均等に力が加わることになり、挟圧時の変形を防止することができ、処理対象となる基板形状の自由度を高めることができる。
【0058】
(3)請求項3記載の本発明では、上記基板挟圧部の上部に、略円錐状の基板ガイド体を設けたことにより、基板サイズにかかわらず基板を容易に案内でき、使い勝手の良好なスピンプロセッサとなすことができる。
【0059】
(4)請求項4記載の本発明では、上記チャック部に、処理液の滞留を防止する液抜孔を穿設したことにより、処理液のチャック部上での滞留を防止することができ、処理液の特性によって基板とチャック部とが引っ付いてしまい、基板の取り出しが難しくなったりすることがなくなる。
【0060】
(5)請求項5記載の本発明では、上記基板を半導体装置用のウェハとしたことにより、例えばウェハのエッチングに適用した場合、上記(1)〜(4)の効果に加え、エッチングレート、均一性のばらつきを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るスピンプロセッサの全体説明図である。
【図2】同スピンプロセッサ本体の平面図である。
【図3】同スピンプロセッサのチャック部を示す説明図である。
【図4】従来のスピンプロセッサの説明図である。
【符号の説明】
A スピンプロセッサ
B エッチング液(処理液)
1 ウェハ(基板)
2 スピンプロセッサ本体
7 チャック部
8 リンク機構
10 外周縁部
20 基板搭載部
72 基板挟圧部
73 基板ガイド体
75 液抜孔

Claims (5)

  1. 基板の外周縁部を保持した状態で回転させながら、前記基板上方から処理液を供給して基板上面を処理可能としたスピンプロセッサにおいて、
    前記基板の外周縁部を周辺より挟圧して基板を保持可能としたチャック部を複数個配設するとともに、前記各チャック部を、回転によって中心部に向かって変位可能とし、しかも、チャック部に設けた基板挟圧部を鼓状又はテーパ状に形成したことを特徴とするスピンプロセッサの基板チャック部構造。
  2. 基板挟圧部をローラ構造としたことを特徴とする請求項1記載のスピンプロセッサの基板チャック部構造。
  3. 基板挟圧部の上部に、略円錐状の基板ガイド体を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスピンプロセッサの基板チャック部構造。
  4. チャック部に、処理液の滞留を防止する液抜孔を穿設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスピンプロセッサの基板チャック部構造。
  5. 基板を半導体装置用のウェハとしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスピンプロセッサの基板チャック部構造。
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