JP2004055378A - 車両搭載用燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】極低温時にも加湿することのできる、凍結のおそれのない燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック14に供給するガスを純水により加湿するようにした燃料電池システムにおいて、減圧雰囲気で不凍液より純水を選択的に透過分離するパーべーパレーション膜22cを備える膜モジュール22と、不凍液をこの膜モジュール22に供給する不凍液の供給系21と、膜モジュール22に減圧雰囲気を及ぼして透過した純水を燃料電池スタック14に供給する供給ガス中に混入する加湿手段26、13、31とを備える。膜モジュール22で不凍液から分離抽出した純水を利用して供給ガスを加湿する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に搭載される燃料電池、とくにその起動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料電池スタックにおける加湿方法としては、水の状態で直接スタック内まで導き、多孔質材を介して供給ガスを加湿するものが、特開平09−007621号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような燃料電池スタックの加湿構造では、絶縁性等のことを考えるとスタックに導く加湿用の水は、極めて電気伝導度の低い純水であることが必要条件となる。この場合、氷点下20℃レベルの極低温下においてはスタックの冷却も兼ねる純水が凍ってしまい、燃料電池システムを起動させることが不可能となるという問題点があった。加えて、凍結時の相変態により純水に体積変化が発生するので、熱交換器等を破損させてしまう可能性もある。
【0004】
本発明の目的は、極低温時にも加湿することのできる、凍結のおそれのない燃料電池システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、燃料電池スタックに供給するガスを純水により加湿するようにした燃料電池システムにおいて、減圧雰囲気で不凍液より純水を選択的に分離透過するパーべーパレーション膜(浸透気化膜:pervaporation)を備える膜モジュールと、不凍液をこの膜モジュールに供給する不凍液の供給系と、膜モジュールに減圧雰囲気を及ぼして透過した純水を前記燃料電池スタックに供給する供給ガス中に混入する加湿手段と、を備えている。
【0006】
【作用・効果】
本発明によれば、不凍液より純水を選択的に透過可能なパーべーパレーション膜を用いることで、基本的にシステム内に存在する液相は不凍液のみになり、純水系を持たずに燃料電池の起動時の加湿が可能となり、従って氷点下温度環境下においても、凍結のおそれなく、供給ガスを加湿させ起動させることができる。
【0007】
【実施形態】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
【0008】
図1は第1実施形態であり、車両に搭載された燃料電池システムを概略的に示している。
【0009】
14は燃料電池スタックで、供給ガス通路15及び排出ガス通路16を有している。ただし、この場合、供給ガス通路15は、燃料電池スタック14の空気極に供給する空気(酸素)の供給系のみを示し、燃料ガスである水素の供給系は図示を省略してある。供給ガス通路15には、空気を加圧するコンプレッサ11と、加圧空気を冷却するアフタークーラ12と、空気に純水を供給して加湿する加湿器13が備えられる。
【0010】
燃料電池スタック14では、図示しない燃料ガスの供給系から供給される水素と、空気中の酸素とを反応させて発電し、この反応後の排出ガスが排出ガス通路16に導かれる。この排出ガス通路16には排出ガスを冷却し、排出ガス中に含まれる水蒸気を復水させるための、フィンなどよる自然空冷、あるいは冷却源をもつ、熱交換器28が設けられる。
【0011】
17は車両冷却系10に備えられるリザーバタンクであり、このリザーバタンク17には極低温時にも凍結することのない不凍液が蓄えられ、車両冷却系10に循環させられる。不凍液としては、たとえば、ロングライフクーラント(水とエチレングリコールの混合液)を使用する。このリザーバタンク17には、前記熱交換器28において復水した水を環流するため、熱交換器28の下流から分岐した環流路28aが接続される。
【0012】
一方、リザーバタンク17から、不凍液の一部をパーベーパレーション膜モジュール(以下単に膜モジュールという)22に循環させる循環経路21が設けられ、この膜モジュール22によって不凍液中から純水を分離抽出する。
【0013】
このため、膜モジュール22の入口部22aに接続する循環経路21には、開閉バルブ19a、フィルタ20、供給ポンプ18が配置され、膜モジュール22の出口部22dからリザーバタンク17に戻る循環経路21には開閉バルブ19bが配置される。
【0014】
膜モジュール22の内部はA型ゼオライト膜、ポリビニール膜などで構成される浸透気化膜である、パーベーパレーション膜22cで仕切られ、このパーベーパレーション膜22cの外側領域には前記入口部22aと出口部22dが接続され、これに対してパーベーパレーション膜22cを透過した純水が抽出される内側領域は、モジュール透過出口部22bが連通する。
【0015】
この透過出口部22bには前記加湿器13に接続する透過純水経路27が接続し、この純水経路27には切替バルブ24が設けられ、互いに並列な補助タンク23aとバイパス路23b、さらにその下流に遮断バルブ25、減圧ポンプ26が配置される。
【0016】
減圧ポンプ26の作動でパーベーパレーション膜22cの下流側を吸引減圧することにより、上流側の不凍液から純水がパーベーパレーション膜22cを透過して純水経路27側へと分離抽出される。
【0017】
50はコントローラであり、コントローラ50によって燃料電池スタック14の極低温からの起動時など、前記供給ポンプ18、減圧ポンプ26、切替バルブ24、遮断バルブ25などが制御され、不凍液中の純水を抽出して加湿器13に供給するようにしている。
【0018】
コントローラ50には、燃料電池スタック14もしくは補助タンク23aの内部温度を検出する温度センサ55、燃料電池スタック14の供給ガスの湿度を検出する湿度センサ56(もしくは燃料電池スタック電極膜の電気伝導度を測定可能なセンサ)などからの信号が入力し、これらに基づいて供給ガスに対する純水による加湿制御が行われる。
【0019】
図2にはコントローラ50による制御動作のルーチンを示し、図2を参照しながら併せて作用について説明する。
【0020】
まず、ステップS10で燃料電池の起動命令を読み込むと、ステップS11で切替バルブ24をバイパス路23b側に切り替える。
【0021】
そして、ステップS12で供給ポンプ18、減圧ポンプ26を駆動する。
【0022】
これにより、車両冷却系10より分岐された不凍液循環経路21を介して膜モジュール22に不凍液が供給される。膜モジュール22の透過下流側に接続するは純水経路27は、減圧ポンプ26により減圧雰囲気に保たれる。このため膜モジュール22の不凍液供給側と透過側とで圧力差が生じ、この圧力差を利用してパーべーパレーション膜22cは、供給側の不凍液から透過側へ純水成分のみを選択して透過する。このように分離抽出された純水は、バイパス路23a、遮断バルブ25、減圧ポンプ26から加湿器13に導かれる。
【0023】
ステップS13では加湿器13による燃料電池スタック14の供給ガスに対する加湿を開始する。ステップS14では前記湿度センサ56の検出したスタック電極膜の湿度を発電反応に必要な湿度に相当する所定値と比較し、湿度が所定値を越えたなら、ステップS15に進んで、燃料電池スタック14に燃料ガスとしての水素ガスの供給を開始し、燃料電池スタック14を始動する。
【0024】
そして、燃料電池スタック14の始動後は、ステップS16で補助タンク23aの温度を、温度センサ55の検出値から判断し、氷点下以下ならば、ステップS17で、切替バルブ24をバイパス路23b側に保ち続け、膜モジュール22で透過抽出した純水を、そのままバイパス路23bから加湿器13へ導き、加湿を行う。
【0025】
温度センサ55の出力から氷点下以上になったことを検出したら、ステップS18に進んで、切替バルブ24を補助タンク23a側に切り替える。これにより膜モジュール22で分離抽出した純水は、一部が補助タンク23aに蓄えられながら、必要量が加湿器13へと送り込まれる。
【0026】
このようにして燃料電池スタック14への供給ガスを加湿し、良好な発電反応を実行させることができるが、車両冷却系10の不凍液は、水の抽出により次第にその水分濃度が低下していく。しかし、熱交換器28において燃料電池スタック14からの排出ガス中に含まれる水蒸気が復水され、これが環流路28aを介してリザーバタンク17に導入されるので、不凍液の濃度を一定に維持することが可能となる。なお、排出ガス中に水分量は、燃料ガスの流量に応じたものとなり、通常は膜モジュール22で抽出される純水量よりも多くなるので、環流路28aを流れる流量を、膜モジュール22での純水の抽出量に一致させるように制御すると、不凍液の濃度を一定にすることが可能となる。
【0027】
燃料電池起動時の温度が氷点下よりも高いとき、つまり凍結のおそれのないときは、切替バルブ24を補助タンク23a側に切替ておくことにより、始動後、直ちに補助タンク23aに蓄えられている純水を加湿のために供給できるので、燃料電池の起動時間を純水系を備えるものと同じように短縮できる。
【0028】
また、減圧ポンプ26については、常時駆動するのではなく、膜モジュール22が所定の減圧雰囲気にあれば、遮断バルブ25を閉じて、停止することができる。つまり、膜モジュール22の下流側の圧力を検出する圧力センサを設置し、検出圧力が所定の減圧状態を維持するように、コントローラ50により減圧ポンプ26の作動と遮断バルブ25の開閉を制御することで、減圧ポンプ26の駆動を最小限にしながら、純水の分離抽出を行うことができる。
【0029】
このように本実施形態によれば、膜モジュール22によって不凍液中から透過抽出した純水を加湿器13に供給するので、極低温時にも系内が凍結することなく、供給ガスの加湿を行うことが可能となる。
【0030】
また、燃料電池スタック14からの排出ガス中から水蒸気を復水してリザーバタンク17に環流することで、不凍液の水分濃度が低下するのを防止できる。
【0031】
さらに、膜モジュール22において純水を分離された不凍液に対しては、排出ガス中から水分を回収して補充することにより、燃料電池システムとしての水収支を、別の水分補給手段を備えることなく、成立させることもできる。
【0032】
燃料電池スタック14に対する燃料ガスである水素の供給は、必要な加湿状態を得てから開始するので、燃料ガスの起動消費量を最小限することができる。
【0033】
次に、図3に示す第2の実施形態を説明する。
【0034】
ただし、以下の説明では、第1の実施形態と異なる部分を中心にして説明することにする。
【0035】
膜モジュール22は、図示するように、不凍液の供給側である入口部22aが、膜モジュール22の鉛直下方に位置するように設けられ、その出口部22dtが上方に位置する。循環経路21には入口側の開閉バルブ19a、フィルタ20、出口側の開閉バルブ19bが設けられる。また、膜モジュール22から分離した純水を取り出す透過出口部22bが下方に設けられる。
【0036】
これにより、循環経路21に前記供給ポンプ18を設けなくても、自然対流により膜モジュール22に不凍液を供給することが可能となっている。
【0037】
そして、膜モジュール22の周囲にはヒータ29が配置され、コントローラ50によって通電を制御し、膜モジュール22の温度を一定以上に保持し、不凍液中からの純水の分離機能を高めている。
【0038】
なお、このために膜モジュール22の温度を検出する温度センサ58が設けられ、この検出値がコントローラ50に入力されるようになっている。
【0039】
次に、コントローラ50の実行する制御動作を示す図4のフローチャートを参照しながら、作用を説明する。
【0040】
この制御ルーチンは、膜モジュール22の加熱動作を除いて、図2と同じであり、したがって、主として異なる部分についてのみ説明する。
【0041】
ステップS10、ステップS11で燃料電池の起動後に、切替バルブ24をバイパス側に切替えたら、前述した不凍液の透過制御である、ステップS12以降に移行するとともに、ステップS22以降の動作も同時に実行する。
【0042】
すなわち、ステップS22ではヒータ29に通電し、加熱を開始する。ステップS23で温度センサ58の出力を、膜モジュール22、ないしは不凍液の温度が60〜80℃に相当する設定値と比較する。膜モジュール22の温度が設定値に達したならば、ステップS24に進んでヒータ29への通電を停止し、設定値以下ならば通電を維持し、このようにして膜モジュール22の温度をパーベーパレーション膜22cによる純水の分離効率が良好な状態に保持される。
【0043】
このようにして本実施形態によれば、膜モジュール22を加熱しながら純水の透過分離を同時に行うので、純水を効率よく透過させることができ、燃料電池スタック14の起動までの時間を短縮することができる。
【0044】
また、膜モジュール22への不凍液の供給を自然対流を利用して行うので、供給ポンプが省け、かつその制御も不要となり、システムの簡略化が図れる。
【0045】
さらに第3の実施形態を図5に基づいて説明する。
【0046】
この実施形態では、純水経路27に減圧ポンプ26の代わりにエゼクタ31を設けて、膜モジュール22の透過下流側を減圧するようにしている。
【0047】
供給ガス通路15のコンプレッサ11の上流にエゼクタ31を配置し、このエゼクタ31にコンプレッサ11に吸い込まれる供給ガスを流し、エゼクタ31に接続した純水経路27を減圧するようにした。
【0048】
この場合には、コンプレッサ11によりエゼクタ31を通過する供給ガスを加速し、このとき発生するに負圧により純水経路27を減圧し、膜モジュール22のパーベーパレーション膜22cの上流と下流に圧力差を生じさせる。
【0049】
このようにして膜モジュール22では不凍液から純水を分離抽出し、これを純水経路27を経由してエゼクタ31により吸い込んで、供給ガスに混入する。したがって、この場合、加湿器を設けなくても供給ガスを加湿することも可能となる。
【0050】
なお、膜モジュール22の周囲を加熱するヒータ29を併設することにより、上記と同じく膜モジュール22での純水透過効率を良好に維持できる。
【0051】
また、膜モジュール22については、図3の実施形態と同じように、自然対流を利用して不凍液を循環させる構成とすることもできる。
【0052】
したがって本実施形態にあっては、エゼクタ31により膜モジュール22に必要な減圧雰囲気と、供給ガスの加湿を行うことができるので、減圧ポンプ、加湿器を省略でき、システム構成の簡略化がはかれる。
【0053】
第4の実施形態につき図6に基づいて説明する。
【0054】
この実施形態では、システムの起動時に燃料ガスの供給を開始する前に、供給ガスとしての空気の加湿を効率よく行うもので、供給ガスの循環経路35を構成してある。
【0055】
このため、図5に示す第3の実施形態の構成を基本として、エゼクタ31と燃料電池スタック14をバイパスして循環経路35が形成される。循環経路35は燃料電池スタック14の排出ガス通路16の熱交換器28の上流より分岐し、エゼクタ31の上流側に接続する。循環経路35の途中には循環バルブ36aが設けられ、また、熱交換器28の入口側に循環バルブ36b、エゼクタ31の上流側にも循環バルブ36cがそれぞれ設けられる。
【0056】
そして、システムの起動時には循環バルブ36aを開き、循環バルブ36b、36cを閉じることで、コンプレッサ11の作動により供給ガスが密閉型の循環経路35を循環し、より効率よく加湿が行えるようになっている。
【0057】
コントローラ50が実行する図7に示すフローチャートを参照しながら、制御動作を説明する。
【0058】
図4のフローチャートと異なる部分を中心に説明すると、起動指令後にステップS12aで、循環バルブ36a〜36cの開閉を行う。この場合、循環バルブ36aは開き、循環バルブ36b、36cは閉じる。ステップS12bでは、エアコンプレッサ11を作動させ、エゼクタ31による加湿を開始する。
【0059】
このとき、循環経路35は完全に密閉された循環系を構成し、エアコンプレッサ11の作動により空気は、燃料電池スタック14、排出ガス通路16、循環経路35、エゼクタ31を経てエアコンプレッサ11に戻る。
【0060】
膜モジュール22はエゼクタ31により減圧され、純水経路16には分離抽出された純水が導かれ、エゼクタ31より循環する空気中に混入される。循環ガスの流速は高められ、純水経路16は減圧度が増すため、膜モジュール22による純水の分離作用が促進される。同時に、循環経路内の供給ガスは循環に伴って加湿されていき、飽和蒸気圧が上昇するので、より多くの水蒸気を効率良く取込むことが可能となる。
【0061】
このようにして、供給ガスの湿度が、ステップS14で、スタック電極膜の湿度を発電反応に必要な湿度に相当する所定値を越えたなら、ステップS15aに進んで、循環バルブ36a〜36cを通常の状態に戻し、つまり、循環バルブ36aを閉じ、循環バルブ36bと36cを開き、供給ガスが燃料電池スタック14から排出ガス通路26、熱交換器28へと流れるように、流路切替を行う。さらに、ステップS15bに進んで、燃料電池スタック14に燃料ガスとしての水素ガスの供給を開始し、燃料電池スタック14を始動する。
【0062】
この以降のルーチンは、図2のフローチャートと同じであり、説明は省略するが、このようにして、燃料ガスである水素の供給を開始するまでの間に、供給ガスとしての空気を十分に加湿することができる。
【0063】
したがって、本実施形態によれば、システムの起動時に密閉型の循環経路35でエアコンプレッサ11を作動させることで、循環ガスの流速を高め、エゼクタ31による膜モジュール22に対する減圧度を高め、純水の透過効率を向上させられる。また、循環する供給ガスに対する加湿による飽和水蒸気圧が上昇し、より効率のよい加湿が可能となり、このため起動時間の短縮がはかれる。
【0064】
なお、膜モジュール22に対する不凍液の供給は図3と同じように自然対流を利用して行うようにすることもできる。
【0065】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、また発明の技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることはいうまでもない。
【0066】
なお、不凍液から純水を選択的に透過させる機能を有するパーべーパレーション膜の具体例としては、上記のとおり、A型ゼオライト膜やポリビニール膜等が挙げられるが、上記説明に合致し、本発明にて適用可能なものであれば、この限りではない。また不凍液の具体例としては、ロングライフクーラントなどが挙げられるが、極低温にて凍結することがなく、かつ不凍液から純水を選択的に透過させる機能を有するパーべーパレーション膜にて分離することが可能である(即ち、互いの分子の大きさが上記パーべーパレーション膜にて純水と分離可能な大きさを有する)純水との混合液体であれば、本発明における不凍液に含まれる。
【0067】
なお、本発明における一連の説明で、氷点下、極低温と言っているのは、特別な併記をしていない限りは、−50[℃]レベルまでも含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両搭載用燃料電池システムを示す概略構成図である。
【図2】同じくその制御動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施形態に係る車両搭載用燃料電池システムを示す概略構成図である。
【図4】同じくその制御動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3実施形態に係る車両搭載用燃料電池システムを示す概略構成図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る車両搭載用燃料電池システムを示す概略構成図である。
【図7】同じくその制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 車両冷却系(不凍液循環系)
11 エアコンプレッサ
12 アフタークーラ
13 加湿器
14 燃料電池スタック
15 供給ガス通路
16 排出ガス通路
17 リザーバタンク
18 供給ポンプ
21 不凍液循環経路
22 パーべーパレーション膜モジュール
22c パーべーパレーション膜
23a 補助タンク
23b バイパス路24
24 切替バルブ
26 純水経路
27 減圧ポンプ
28 熱交換器
29 ヒータ
31 エゼクタ
35 循環経路

Claims (16)

  1. 燃料電池スタックに供給するガスを純水により加湿するようにした燃料電池システムにおいて、
    減圧雰囲気で不凍液より純水を選択的に分離透過するパーべーパレーション膜を備える膜モジュールと、
    不凍液をこの膜モジュールに供給する不凍液の供給系と、
    膜モジュールに減圧雰囲気を及ぼして透過した純水を前記燃料電池スタックに供給する供給ガス中に混入する加湿手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記膜モジュールは、パーベーパレーション膜により内部が仕切られ、その上流領域には不凍液の供給系が接続され、下流領域には透過した純水を導く純水経路が接続される請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記加湿手段は、膜モジュールの純水透過側の純水経路を減圧する減圧ポンプと、減圧ポンプにより吸引した純水を供給ガス中に混入する加湿器とを備える請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記加湿手段は、膜モジュールの純水透過側の純水経路を減圧するように接続されたエゼクタと、供給ガスの通路に対してこのエゼクタと直列に配置されたエアコンプレッサとを備え、エアコンプレッサの作動によりエゼクタを通過する供給ガスに純水を吸引混入するようにした請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記膜モジュールの純水透過側の純水経路には、切替バルブと、切替バルブから分岐して並列に配置した補助タンクとバイパス路とを備える請求項2〜4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  6. 前記補助タンクの水温を検出する手段と、氷結しない水温のときに補助タンク側に切替バルブを切り替える手段を備える請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記純水経路には前記減圧ポンプの上流に配置した遮断バルブを備える請求項3に記載の燃料電池システム。
  8. 前記純水経路の減圧状態が所定値を維持するように、減圧ポンプと遮断バルブとを制御する手段を備える請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池スタックの加湿状態を検出する手段と、システム起動時に所定の加湿状態となってから燃料ガスの供給を開始する制御手段を備える請求項1〜8のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  10. 前記膜モジュールにはヒータが備えられる請求項1〜9のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  11. 前記膜モジュールの温度を検出する手段と、膜モジュールの温度が所定値を維持するように前記ヒータの通電を制御する手段とを備える請求項10に記載の燃料電池システム。
  12. 前記不凍液の供給系は、車両冷却系に接続するリザーバタンクと、リザーバタンクからの不凍液を膜モジュールに供給するポンプとを備える請求項1〜11のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  13. 前記不凍液の供給系は、車両冷却系に接続するリザーバタンクと、リザーバタンクからの不凍液を自然対流により膜モジュールに供給する供給路を備える請求項1〜11のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  14. 前記燃料電池スタックの排出ガス通路に設けた熱交換器と、
    熱交換器において排出ガス中から復水した純水を前記リザーバタンクに導く供給路とを備える請求項1〜13のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  15. 前記燃料電池スタックの排出ガス通路から前記エゼクタの上流の供給ガス通路に短絡する循環経路と、この循環経路をエゼクタ、コンプレッサ、燃料電池スタックを順次供給ガスを循環させる密閉型の流路に切り替え可能な循環バルブと、を備え、システム起動時に循環経路に供給ガスを循環させながら加湿するようにした請求項4に記載の燃料電池システム。
  16. 前記供給ガスが所定の加湿状態となってから循環経路を閉じ、燃料電池スタックに対する燃料ガスの供給を開始する燃料ガス供給手段とを備える請求項15に記載の燃料電池システム。
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