JP2004054334A - 飽和演算回路 - Google Patents

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Ikuya Honda
本田  育哉
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Abstract

【課題】演算時間を短縮することができ、しかも、安価で消費電力の増加や発熱を抑えることが可能た飽和演算回路を提供する。
【解決手段】飽和演算回路101は、上限値108にオフセットを加える第1オフセット回路103と、下限値109にオフセットを加える第2オフセット回路104と、被演算値110にオフセットを加える第3オフセット回路105と、該第1オフセット回路103の出力と該第3オフセット回路105の出力の大小比較を行う第1比較器106と、該第2オフセット回路104の出力と該第3オフセット回路105の出力の大小比較を行う第2比較器107と、該第1比較器106の出力と該第2比較器107の出力を選択信号として該上限値108、該下限値109または該被演算値11の何れの選択を行うセレクタ102を具備したものである。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路におけるデジタル演算装置、特に2の補数を扱う演算回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体集積回路におけるデジタル演算装置、特に2の補数を扱う飽和演算回路は図2に示すようになっている。図2は従来の飽和演算回路のブロック図である。
図2において、201は飽和演算回路、202はセレクタ、203は場合分け回路、204は第1正負判断回路、205は第2正負判断回路、206は第3正負判断回路、207は第1比較器、208は第2比較器、209は上限値、210は下限値、211は被演算値、212は演算結果である。
このような飽和演算回路201において、飽和演算は被演算値211が上限値209以上であれば結果として上限値209、下限値210以下であれば結果として下限値210、上限値209と下限値210の間であれば結果として被演算値211そのままを演算結果212とする演算である。数値としては2の補数表現を使用する。
また、従来の飽和演算回路の場合分けを図3に示す。
従来の飽和演算回路では、図3の場合分けで示す選択肢の中から一致する状態を演算結果212として出力する。例えば、上限値209が正、下限値210が正、被演算値211が正の場合であれば上限値209と下限値210との比較を第1比較器207、第2比較器208で行い、第1比較器207の比較結果が真であれば演算結果212は上限値209となり、第2比較器208の比較結果が真であれば演算結果212は下限値210となる。別の例として、上限値209が正、下限値210が正、被演算値211が負の場合であれば比較の結果に関わらず下限値210が出力結果212となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の飽和演算回路では、場合分けに使用するハードウエア回路の構成が多く且つ複雑であるため、コストの上昇を招くと共に、消費電力が増加し発熱も増大するという問題があった。また、演算結果出力までの論理段数が多いため、演算時間が長いという問題もあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、演算時間を短縮することができ、しかも、安価で消費電力の増加や発熱を抑えることが可能た飽和演算回路を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為に、本発明では、2の補数を扱う飽和演算回路において、上限値にオフセットを加える第1オフセット回路と、下限値にオフセットを加える第2オフセット回路と、被演算値にオフセットを加える第3オフセット回路と、該第1オフセット回路の出力と該第3オフセット回路の出力の大小比較を行う第1比較器と、該第2オフセット回路の出力と該第3オフセット回路の出力の大小比較を行う第2比較器と、該第1比較器の出力と該第2比較器の出力を選択信号として該上限値、該下限値または該被演算値の何れかの選択を行うセレクタを具備したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例を示す飽和演算回路のブロック図である。
図1において、101は飽和演算回路、102はセレクタ、103は第1オフセット回路、104は第2オフセット回路、105は第3オフセット回路、106は第1比較器、107は第2比較器、108は上限値、109は下限値、110は被演算値、111は演算結果である。
本発明の特徴は以下のとおりである。
すなわち、飽和演算回路101は、上限値108にオフセットを加える第1オフセット回路103と、下限値109にオフセットを加える第2オフセット回路104と、被演算値110にオフセットを加える第3オフセット回路105と、該第1オフセット回路103の出力と該第3オフセット回路105の出力の大小比較を行う第1比較器106と、該第2オフセット回路104の出力と該第3オフセット回路105の出力の大小比較を行う第2比較器107と、該第1比較器106の出力と該第2比較器107の出力を選択信号として該上限値108、該下限値109または該被演算値11の何れの選択を行うセレクタ102を具備した点である。
【0006】
次に動作を説明する。
本発明の飽和演算回路では、まず、上限値108、下限値109、被演算値110のオフセット処理を行う。ここでのオフセット処理とは、2の補数で表現された上限値108と下限値109と被演算値110に、負の最大値分の値を加えて大小関係を絶対値化することである。
この負の最大値分のオフセットを加えるということは最上位ビットを反転させる事と等価であるので第1オフセット回路103、第2オフセット回路104、第3オフセット回路105には加算器は不要であり、論理反転ゲートがそれぞれ1つ有れば良い。オフセット後の被演算値がオフセット後の上限値より大きければ演算結果111は上限値108、オフセット後の被演算値がオフセット後の下限値より小さければ演算結果111は下限値109、どちらでもなければ演算結果111は被演算値110そのままとなるようにセレクタ102の入力を接続する。これで飽和演算が完了する。
【0007】
したがって、本発明に係る飽和演算回路101は、上限値108にオフセットを加える第1オフセット回路103と、下限値109にオフセットを加える第2オフセット回路104と、被演算値110にオフセットを加える第3オフセット回路105と、該第1オフセット回路103の出力と該第3オフセット回路105の出力の大小比較を行う第1比較器106と、該第2オフセット回路104の出力と該第3オフセット回路105の出力の大小比較を行う第2比較器107と、該第1比較器106の出力と該第2比較器107の出力を選択信号として該上限値108、該下限値109または該被演算値11の何れの選択を行うセレクタ102を具備する構成にしたので、従来の飽和演算回路と比較してハードウエア回路が少なくて済むことから、コストを抑えられ、消費電力と発熱を減らす事が出来る。また、演算結果出力までの論理段数が少ないので演算時間を短く出来るという効果がある。
【0008】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来の飽和演算回路と比較してハードウエア回路が少なくて済むことから、コストを抑えられ、消費電力と発熱を減らす事ができる。また、演算結果出力までの論理段数が少ないので演算時間を短縮することが可能な飽和演算回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す飽和演算回路のブロック図である。
【図2】従来の飽和演算回路のブロック図である。
【図3】従来の飽和演算回路の場合分けを説明した図である。
【符号の説明】
101 飽和演算回路
102 セレクタ
103 第1オフセット回路
104 第2オフセット回路
105 第3オフセット回路
106 第1比較器
107 第2比較器
108 上限値
109 下限値
110 被演算値
111 演算結果

Claims (1)

  1. 2の補数を扱う飽和演算回路において、
    上限値にオフセットを加える第1オフセット回路と、
    下限値にオフセットを加える第2オフセット回路と、
    被演算値にオフセットを加える第3オフセット回路と、
    該第1オフセット回路の出力と該第3オフセット回路の出力の大小比較を行う第1比較器と、
    該第2オフセット回路の出力と該第3オフセット回路の出力の大小比較を行う第2比較器と、
    該第1比較器の出力と該第2比較器の出力を選択信号として該上限値、該下限値または該被演算値の何れかの選択を行うセレクタを具備したことを特徴とする飽和演算回路。
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