JP2004053186A - 扁平型ヒートパイプ - Google Patents

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栗山 浩之
Fumihiro Koyanagi
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Abstract

【課題】扁平型ヒートパイプの熱輸送能力を向上させる。
【解決手段】気密状態に密閉されたヒートパイプコンテナ10の内部に結束された多数本の極細線4が設けられ、かつそのヒートパイプコンテナ10の内部に凝縮性の作動流体6を封入した断面扁平形状の扁平型ヒートパイプ9において、前記多数本の極細線4が収納される保持部材5が前記ヒートパイプコンテナ10の内部に配置され、かつ前記多数本の極細線4の少なくとも一部分を保持しており、さらに前記保持部材5がヒートパイプコンテナ10の内部の長さ方向に連続する螺旋状の弾性体によって形成されている。また、前記保持部材5の他に、両端部が開口しているスパイラル11が、前記ヒートパイプコンテナ10の内部に配置されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、作動流体の蒸発潜熱として熱輸送する扁平型ヒートパイプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、作動流体の潜熱として、熱の輸送を行うヒートパイプが広く知られている。この種のヒートパイプは密閉容器の内部から脱気した後、水などの凝縮性の流体を封入し、外部からの入熱によってその作動流体を蒸発させるとともに、その蒸気が低温・低圧の凝縮部に流動した後、放熱して凝縮することにより、作業流体の潜熱として熱を輸送するように構成した熱伝導素子である。したがって、ヒートパイプは、作動流体の潜熱として熱を輸送するために、熱伝導性がもっとも高いとされている銅による熱輸送量の数十倍ないし百数十倍の輸送能力を備えている。
【0003】
上記ヒートパイプでは、蒸発した作動流体が低温・低圧側の凝縮部に流動することにより熱を輸送する。しかしながら、その熱の輸送の後、凝縮した作動流体を蒸発部(入熱部)に還流させる必要があり、従来一般には、その還流のための作用をウイックによって生じる毛細管圧力を利用しておこなっている。
【0004】
ヒートパイプにおけるウイックの一般的な構造の例として、ヒートパイプのコンテナの内面に形成した細溝がある。前記細溝は、エッチングあるいは切削などにより、パイプの内面にその軸線方向に沿って形成されている。この種のグルーブによって還流のための毛細管圧力を生じさせることができる。併せて、細溝が液相作業流体の流路を形成する。そのため、液相作動流体が還流する際の流路抵抗を小さくした状態で、液相作動流体を還流させるポンプ作用を生じることができる。
【0005】
また、前記ウイックの他の例として、ヒートパイプコンテナの内壁に銅粉が焼結されて形成される焼結ウイック、所定の金属がいわゆるメッシュ状に形成された金網ウイック、線条体がスパイラル状のウイック把持部材によって前記ヒートパイプコンテナの内壁に押し付けられて形成されるワイヤーウイックがある。
【0006】
上記のような構造のウイックが設けられたヒートパイプが電子機器に使用されると、前記電子機器に取り付けられた電子部品を効率よく、冷却あるいは放熱することができる。
【0007】
ところで、上述のヒートパイプの中に、扁平形状に変形されたものがある。この扁平型ヒートパイプでは、ヒートパイプコンテナが扁平形状におし潰されている。そのため、比較的に簡単にヒートパイプを薄型化することができる。このような扁平型ヒートパイプであれば、筐体内部の高さ方向に空間を設け難いパソコンなどの電子機器においても、電子部品を効率よく、冷却あるいは放熱することができる。
【0008】
しかしながら、上記のようにパイプにグルーブが設けられた扁平型ヒートパイプでは、受熱部が冷却部より上にあると、熱輸送量が小さくなるという不都合があった。
【0009】
また、前記焼結ウイックが設けられた扁平型ヒートパイプでは、焼結工程が必要である。したがって、前記ヒートパイプコンテナが加熱されるために、変形を起こし易くなるという不都合があった。
【0010】
また、前記金網ウイックは、ヒートパイプコンテナの内壁に接触した状態で固定させる必要がある。そのため、扁平型ヒートパイプを形成する作業中に、前記金網が前記内壁に接触した状態で移動しないための特別の工程や工夫が必要となる。その結果、扁平型ヒートパイプを量産することが困難になってしまうという不都合があった。また、扁平型ヒートパイプを形成する際に、前記金網ウイックが内部に挿入されているヒートパイプコンテナを、屈曲したり、扁平形状に押し潰す加工を行う場合、前記金網が座屈によって変形して、前記グルーブ管から剥離してしまうおそれがあった。
【0011】
また、前記ヒートパイプコンテナが所定の薄さに形成されると、前記ヒートパイプコンテナ内部の空間も同時に狭まる。しかしながら、前記ワイヤーウイックが設けられた扁平型ヒートパイプ、または前記グルーブとワイヤーウイックとが複合してヒートパイプコンテナの内部に設けられた扁平型ヒートパイプでは、前記ヒートパイプコンテナの内壁に、前記ウイック把持部材の弾性力によって線条体が押し付けられて、毛細管圧力を生じさせるための間隙を形成している。したがって、弾性力を確保するために、前記ウイック把持部材を所定の大きさにする必要があるので、前記ウイック把持部材によって、ヒートパイプコンテナ内部が狭くなってしまうという不都合があった。その結果、ヒートパイプコンテナ内部に蒸気通路が、充分に形成されないおそれがあった。
【0012】
上記のような不都合を解決した扁平型ヒートパイプの例として、前記線条体が結束された状態で薄型の前記ヒートパイプコンテナに挿入された扁平型ヒートパイプがある。このような構造のヒートパイプであれば、前記線条体同士が形成する間隙に毛細管圧力が生じて、内部の液相作業流体を還流させることができる。したがって、ヒートパイプコンテナの内部にウィック把持部材を設けて前記線条体をヒートパイプコンテナの内壁に押し付ける必要がないので、取り付け金具を省略することができる。その結果、ヒートパイプコンテナが変形しにくく、かつヒートパイプコンテナの内部に形成される蒸気通路が確保されるので、効率よく熱輸送量ができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような前記結束された線条体が挿入された構造の扁平型ヒートパイプでは、薄型のためにヒートパイプコンテナが扁平に圧縮されると、前記結束された線条体がヒートパイプコンテナ内部で、圧縮に伴って移動してしまうおそれがあった。また、前記線条体が無作為に移動してしまうので、蒸気通路が偏るおそれがあった。その結果、ヒートパイプの蒸発部に対して充分な量の液相作動流体が供給されなくなって熱伝達特性が損なわれ、熱輸送能力が阻害されるおそれが多分にあった。
【0014】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、扁平型ヒートパイプの熱輸送能力を向上させることを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、気密状態に密閉されたヒートパイプコンテナの内部に結束された多数本の線条体が設けられ、かつそのヒートパイプコンテナの内部に凝縮性の作動流体を封入した断面扁平形状の扁平型ヒートパイプにおいて、前記多数本の線条体が結束状態に保持される保持部材が、前記ヒートパイプコンテナの内部に配置され、かつ前記多数本の線条体の少なくとも一部分を保持していることを特徴とする扁平型ヒートパイプである。
【0016】
したがって請求項1の発明では、扁平型ヒートパイプの内部に多数本の線条体が収納される保持部材が配置されている。この扁平型ヒートパイプは、ヒートパイプコンテナに結束した多数本の線条体を収納した状態で扁平形状に形成される。その扁平形状が形成される際、ヒートパイプコンテナ内部に設けられた保持部材に、前記結束した多数本の線条体が収納されている。そのため、ヒートパイプコンテナが前記扁平形状に変形する途中に、前記結束した多数本の線条体が断線したり、分散することが防止される。その結果、前記線条体同士によって形成される微細空間が確保される。そのため、液相作動流体が還流するための毛細管圧力が維持される。
【0017】
また、請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記保持部材がヒートパイプコンテナ内部の長さ方向に連続する螺旋状の弾性体によって形成されていることを特徴とする扁平型ヒートパイプである。
【0018】
したがって、請求項2の発明によれば、前記線条体が収納されている前記保持部材が長さ方向に連続する螺旋状の弾性体によって形成されている。また、前記ヒートパイプコンテナを扁平形状に変形する際に、ヒートパイプコンテナの内面の変形に伴って、前記内面と接触している前記保持部材が弾性変形する。
【0019】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に構成に加えて、前記保持部材の他に、両端部が開口している中空部材が、前記ヒートパイプコンテナの内部に配置されていることを特徴とする扁平型ヒートパイプである。
【0020】
したがって、請求項3の発明によれば、前記保持部材の他に両端部が開口している中空部材が前記ヒートパイプコンテナの内部に配置されているので、前記ヒートパイプコンテナが扁平形状に形成される際に、前記保持部材が前記ヒートパイプコンテナの予め決められた所定の位置に配置される。また、前記中空部材によって前記ヒートパイプコンテナの内部に空間が確保される。
【0021】
【発明の実施の形態】
つぎに、図面を参照して、この発明を説明する。図1は、この発明に係る扁平型ヒートパイプの一例を示すものである。ここに示す扁平型ヒートパイプ1のヒートパイプコンテナ2は銅製のパイプ材の両端部を封止して中空密閉状態にした後に押しつぶして扁平型に形成したものである。ヒートパイプコンテナ2の内壁には細溝が平行に設けられており、グルーブ管3とされている。
【0022】
ヒートパイプコンテナ2には、グルーブ管3に接触した多数本の銅製の極細線(ファイバー)4と、極細線4が保持されているスパイラル状の保持部材5とが挿入されている。この保持部材5としては、適宜の金属で形成された線条体を螺旋状に屈曲したものが例示されるが、他の形状のものでもよい。このグルーブ管3および極細線4同士の間隙が扁平型ヒートパイプ1のウイックを構成している。また、ヒートパイプコンテナ2の内部には、真空脱気された状態で、例えば純水やアルコール等の凝縮性流体が作動流体6として所定量封入されている。こうして構成された扁平型ヒートパイプ1の一方の端部が加熱部7とされていて、他方の端部が放熱部8とされている。加熱部7には図示しない発熱体等が接触している。
【0023】
保持部材5の内部の空間、すなわちヒートパイプコンテナ2の内部には、多数本の極細線4がその長手方向に沿った姿勢で配設されている。つまりヒートパイプコンテナ2における加熱部7の内面と放熱部8の内面とがグルーブ管3および極細線4の束によって連結された状態となっている。この極細線4としては、例えば直径が0.05〜0.1mm程度の円形断面の銅線が挙げられる。更に銅線の表面に酸化銅(酸化第二銅)皮膜を形成すれば、作動流体として水の濡れ性が良くなる。
【0024】
保持部材5の外周面は、ヒートパイプコンテナ2の内壁面に対して押し付けられて接触している。その場合、保持部材5の巻回半径方向での弾力性が大きいので、保持部材5の内部の極細線4が、バラけることなく所定の位置に固定される。
【0025】
上記のように構成された扁平型ヒートパイプ1のヒートパイプコンテナ2の内部に、多数本の極細線4が保持されている保持部材5が配置されている。この扁平型ヒートパイプ1は、ヒートパイプコンテナ2に結束した多数本の極細線4を保持した状態で扁平形状に形成される。なお、この保持部材5による極細線4の保持は、極細線4の少なくとも一部分が保持されていればよく、要は、多数本の極細線4の結束した状態が保持されていればよい。ヒートパイプコンテナ2の扁平形状が形成される際、ヒートパイプコンテナ2内部に設けられた保持部材5に、前記結束した多数本の極細線4が収納されている。そのため、前記扁平形状を形成するため、ヒートパイプコンテナ2が押しつぶされて変形する途中に、前記結束した多数本の極細線4が断線したり、分散することが防止される。その結果、極細線4同士によって形成される微細空間が確保される。そのため、液相作動流体が還流するための毛細管圧力が維持される。
【0026】
また、極細線4が収納されている保持部材5が弾性体によって形成されているので、ヒートパイプコンテナ2が変形する際に、ヒートパイプコンテナ2の内面に保持部材5よる弾性力が生じる。
【0027】
また、その加熱部7とされている端部に図示しない発熱体などから熱が伝達される。この加熱部7に伝達された熱によって、ヒートパイプコンテナ2の内部に封入されている作動流体6が加熱されて蒸発する。その際、グルーブ管3が設けられているヒートパイプコンテナ2に極細線4が内部に保持されている保持部材5が配置されている。したがって、このグルーブ管3および極細線4と作動流体6との間では、熱伝導によって熱が伝わる。そして、グルーブ管3および極細線4から、ここに接触している作動流体6の熱が伝達される。つまり、ヒートパイプコンテナ2の内壁面に設けられたグルーブ管3の表面と保持部材5の内部の極細線4の表面とが、ヒートパイプコンテナ2から作動流体6に対する熱の伝達面となる。このようにして、ヒートパイプコンテナ2から作動流体6に対する熱伝達面が拡大されている。その結果、ヒートパイプコンテナ2から作動流体6に対して熱を伝達する際の抵抗(熱抵抗)が小さくなり、扁平型ヒートパイプ1自体の熱抵抗が小さくなる。
【0028】
上記の加熱部7では、外部からの入熱によって作動流体6が蒸発している。その結果、加熱部7の内部圧力が高くなる。これに対して放熱部8となっている他方の端部では、放熱によって温度が低くなっている。したがって、内部圧力が低くなっている。そのため、作動流体6の蒸気は、圧力差によって放熱部8に向けて流動する。作動流体6の蒸気は、放熱部8において熱を外部に奪われている。そのため、放熱して凝縮する。
【0029】
このようにして、扁平型ヒートパイプ1の放熱部8において、作動流体6は液化する。その後、各グルーブ管3および複数本の極細線4によって形成される各間隙を通って、加熱部7側へ還流する。すなわち、加熱部7においては作動流体6の蒸発が生じることにより、毛細管圧力が発生する。その毛細管圧力により、液相作動流体が加熱部7側に流動させられる。このような作動流体6の蒸発・凝縮・還流が繰り返し生じる。その結果、発熱体の熱が輸送されて発熱体が冷却される。
【0030】
したがって、上述の扁平型ヒートパイプ1では、扁平形状に形成されているヒートパイプコンテナ2の内部に多数本の極細線4が収納される保持部材5が配置されているので、前記扁平形状を形成するため、ヒートパイプコンテナ2が押しつぶされて変形する途中に、結束した多数本の極細線4が断線したり、分散することを防止することができる。その結果、極細線4同士によって形成される微細空間を確保することができる。
【0031】
そのため、液相作動流体が還流するための毛細管圧力を維持することができるので、グルーブ管3および極細線4がウイックとして機能し、その毛細管圧力により液相の作動流体6を放熱部8から加熱部7に還流させることができる。また、各グルーブ管3とおよび多数本の極細線4の間に形成される各隙間が、液相作動流体の還流路となる。したがって、液相作動流体の還流路の多くが、ヒートパイプコンテナ2の内周側に形成される気相作動流路から遮蔽された状態となる。
【0032】
そのため、還流途中の液相作動流体が、高速で流動する作動流体蒸気に直接晒される度合いが少なくなる。その結果、液相作動流体の還流性能が向上する。したがって、扁平型ヒートパイプ1としての熱抵抗が小さいことと相俟って、加熱部7でのドライアウトを生じることなく多量の熱を輸送できる。その結果、扁平型ヒートパイプ1全体としての熱輸送能力を向上することができる。
【0033】
また、極細線4が収納されている保持部材5が弾性体によって形成されているので、ヒートパイプコンテナ2が変形する際に、ヒートパイプコンテナ2の内部形状の変形に伴って保持部材5を弾性変形する。そのため、ヒートパイプコンテナ2の内面の変形に併せて、前記内面に接触している保持部材5の外側が弾性変形するので、保持部材5の内部に配置されている極細線4が変形することを緩和することができる。その結果、結束した多数本の極細線4が断線したり、分散することを防止することができる。そのため、極細線4同士によって形成される微細空間を確保することができる。
【0034】
また、保持部材5がいわゆるスパイラル状に形成されている。したがって、保持部材5が円形断面となっているので、ヒートパイプコンテナ2を水平にすると、保持部材5がヒートパイプコンテナ2の内面を転がってグルーブ管3の溝に簡単に位置させることができる。その結果、保持部材5の配置場所を簡単に変更することができるので、扁平型ヒートパイプ1の製造性を向上することができる。
【0035】
また、ヒートパイプコンテナ2の内部に挿入し易くなる。したがって、扁平型ヒートパイプ9が製造し易くなるので、作業や工程を簡略化することができる。その結果、製造コストを低廉することができる。
【0036】
図2に、この発明のヒートパイプの他の例を示す。なお、同一部分には同符号を付してその説明を省略する。図2の扁平型ヒートパイプ9のヒートパイプコンテナ10は、銅製のパイプ材の両端部を封止して中空密閉状態にした後に押しつぶして扁平型に形成したものである。ヒートパイプコンテナ10の内壁には細溝が平行に設けられており、グルーブ管3とされている。ヒートパイプコンテナ10の内部には、保持部材5と中空部材の一例であるスパイラル11とが配置されている。このスパイラル11は、保持部材5と同一形状に形成されており、保持部材5の両側に一個ずつ配置されている。保持部材5の内部には、極細線4が収納されている。一方、スパイラル11の内部は、空とされている。なお、この扁平型ヒートパイプ9の例では、スパイラル11は、保持部材5と同一形状に形成されたが、この中空部材の形状は限定されず、適宜の形状とすることができる。また、スパイラル11の個数およびヒートパイプコンテナ10内部における配置も、適宜の個数および配置とすることができる。
【0037】
上記のように構成された扁平型ヒートパイプ9によると、ヒートパイプコンテナ10の内部に多数本の極細線4が収納される保持部材5が配置され、さらに中空部材の一例であるスパイラル11が、前記ヒートパイプコンテナ10の内部に配置されている。そのため、前記保持部材5が前記ヒートパイプコンテナ10の予め決められた所定の位置に配置される。また、ヒートパイプコンテナ10が前記扁平形状に押しつぶされて変形する際、前記保持部材5によって前記結束した多数本の極細線4が断線したり、分散することが防止される。同時にスパイラル11によって、ヒートパイプコンテナ10の内部に空間が確保される。
【0038】
したがって、上述の扁平型ヒートパイプ9では、保持部材5が、極細線4同士によって形成される微細空間を確保することに加えて、スパイラル11によってヒートパイプコンテナ10の予め決められた所定の位置に、保持部材5を配置することができる。
【0039】
また、上記の扁平型ヒートパイプ9では、可撓性を有したヒートパイプコンテナ10が、保持部材5およびスパイラル11によって内側から支持されている。したがって、ヒートパイプコンテナ10を扁平に押し潰したり、あるいは折り曲げても、保持部材5の内部の多数本の極細線4が断線したり、分散することが防止されることに加え、スパイラル11の内側の空間が確保される。したがって、ヒートパイプコンテナ10の内側に空間が確保することができる。この空間を作動流体の蒸気通路とすることができるので、ヒートパイプコンテナ10の内部で、作動流体の還流を促進することができる。したがって、高い熱輸送能力を発揮することが可能である。
【0040】
このように上記の扁平型ヒートパイプ9では、極細線4同士の隙間が極めて小さい。また、グルーブ管3および極細線4のポンプ作用が大きい。また、蒸気流路と液流路とが分離されている。また、蒸発部の広範囲に液相作動流体が供給される構成である。したがって、特にトップヒートモードでの熱輸送能力を従来に比べて向上させることができる。
【0041】
図3にこの発明の扁平型ヒートパイプのさらに他の例を示す。この扁平型ヒートパイプ12では、まず断面形状が三角形状とされた図示しない変形前のヒートパイプコンテナ13の内部に、保持部材5およびスパイラル11が挿入される。ヒートパイプコンテナ13の内部には、グルーブ管3が設けられている。このとき、前記三角形状の二つの角にスパイラル11が配置され、残りの一つに保持部材5が配置される。この状態でヒートパイプコンテナ13を押しつぶして扁平型ヒートパイプ12が完成される。そのため、図3に示すように、扁平型ヒートパイプ12の断面形状では、中央の保持部材5にスパイラル11が両側から重なるような状態になっている。このような扁平型ヒートパイプ12が形成された場合でも、上述の例と同様に、スパイラル11によって、ヒートパイプコンテナ13の内部に蒸気通路となる空間を確保することができるとともに、保持部材5によって極細線4同士の毛細管圧力が生じる微細空間を確保することができる。なお、この変形前のヒートパイプコンテナの形状は、この三角形状に限定されず、適宜のものとすることができる。
【0042】
なお、上述の各例のヒートパイプコンテナには、グルーブ管3が設けられたがこの発明のヒートパイプは、この構成に限定されず、例えばヒートパイプコンテナがいわゆる平滑管とされていてもよい。要は、ヒートパイプコンテナであればよい。
【0043】
また、上述の例では、各ヒートパイプコンテナの内部で、スパイラル11の間に保持部材5が配置されたが、このスパイラル11と保持部材5との本数および配置は、上述のスパイラル11と保持部材5との本数および配置に限定されず、適宜のものとすることができる。
【0044】
また、この発明は上記の具体例に限定されない。したがってこの発明で、線条体は上述した銅製の極細線以外に、適宜の金属製のファイバーを使用することができる。その線径は、銅ファイバーの場合は、50〜100μm程度である。また同様にヒートパイプコンテナは銅製に限られないのであり、適宜の金属パイプが使用される。なお、その内径は、一例として数mm程度である。さらにまた、金属ファイバーやコンテナと作動流体との濡れ性を向上させるために、金属ファイバーやコンテナの内面に酸化被膜を形成してもよく、あるいはサンドブラストやエッチングなどによる粗面化処理を施してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明では、扁平形状に形成されているヒートパイプコンテナの内部に多数本の線条体が収納される保持部材が配置されているので、前記扁平形状を形成するため、ヒートパイプコンテナが押しつぶされて変形する途中に、結束した多数本の極細線が断線したり、分散することを防止することができる。その結果、極細線同士によって形成される微細空間を確保することができる。そのため、液相作動流体が還流するための毛細管圧力を維持することができるので、線条体がウイックとして機能し、その毛細管圧力により、液相の作動流体を放熱部から加熱部に効率よく還流させることができる。その結果、液相作動流体の還流特性が向上して、入熱部(加熱部)でのドライアウトなどの生じない熱輸送能力に優れたヒートパイプを得ることができる。また、線条体の表面も熱伝達面とすることができるので、ヒートパイプコンテナと作動流体との間の熱抵抗を極めて小さくすることができる。その結果、ヒートパイプコンテナと作動流体との間の熱伝達性能、もしくは外部の熱源もしくは冷却源とヒートパイプとの間の熱輸送能力を向上することができる。
【0046】
また、請求項2の発明では、請求項1の効果に加えて、線条体が収納されている保持部材がヒートパイプコンテナ内部の長さ方向に連続する螺旋状の弾性体によって形成されているので、ヒートパイプコンテナが変形する際に、ヒートパイプコンテナの内部形状の変形に伴って保持部材を弾性変形する。そのため、ヒートパイプコンテナの内面の変形に併せて、前記内面に接触している保持部材の外側が弾性変形するので、保持部材の内部に配置されている線条体が変形することを緩和することができる。その結果、結束した多数本の線条体が断線したり、分散することを防止することができる。そのため、線条体同士によって形成される微細空間を確保することができる。
【0047】
また、請求項3の発明では、請求項1または請求項2の効果に加えて、中空部材によってヒートパイプコンテナの予め決められた所定の位置に、保持部材を配置することができる。また、可撓性を有したヒートパイプコンテナが、保持部材および中空部材によって内側から支持されている。したがって、ヒートパイプコンテナを扁平に押し潰しても、中空部材の内側の空間が確保され、ヒートパイプコンテナの内側に空間が確保することができる。この空間を作動流体の蒸気通路とすることができるので、ヒートパイプコンテナの内部で、作動流体の還流を促進することができる。したがって、熱輸送能力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る扁平型ヒートパイプの一具体例を示す斜視断面図である。
【図2】この発明に係る扁平型ヒートパイプの他の具体例を示す断面図である。
【図3】この発明による扁平型ヒートパイプのさらに他の具体例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,9,12…扁平型ヒートパイプ、 2,10,13…ヒートパイプコンテナ、 4…極細線、 5…保持部材、 6…作動流体、 11…スパイラル。

Claims (3)

  1. 気密状態に密閉されたヒートパイプコンテナの内部に結束された多数本の線条体が設けられ、かつそのヒートパイプコンテナの内部に凝縮性の作動流体を封入した断面扁平形状の扁平型ヒートパイプにおいて、
    前記多数本の線条体が結束状態に保持される保持部材が、前記ヒートパイプコンテナの内部に配置され、かつ前記多数本の線条体の少なくとも一部分を保持していることを特徴とする扁平型ヒートパイプ。
  2. 前記保持部材がヒートパイプコンテナの内部の長さ方向に連続する螺旋状の弾性体によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の扁平型ヒートパイプ。
  3. 前記保持部材の他に、両端部が開口している中空部材が、前記ヒートパイプコンテナの内部に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の扁平型ヒートパイプ。
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