JP2004053046A - 熱処理炉における加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被処理品Wを予熱室14内に設けた加熱部52,54,56,58,60,62にて加熱する真空式焼結炉の加熱装置であって、予熱室14内に管体を配設して、その内部に、予め所定温度に加熱した熱媒体を流通させて加熱部52,54,56,58,60,62を構成し、熱媒体からの熱によって被処理品Wを加熱するようにする。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は真空式焼結炉等の熱処理炉において、被処理品を加熱するための加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉末の焼結体は素材粉末を所定形状に成形して成る被処理品に対して各種の処理、例えば真空の予熱室で被処理物に含まれているバインダに由来する油脂類を蒸発除去し、その後に加熱処理を複数段階行って得ており、そのための設備として連続式の真空式焼結炉(熱処理炉)が用いられている。
【0003】
図7は従来の連続式の真空式焼結炉の要部を示している。
同図において、200は真空式焼結炉202における予熱室で、204はその予熱室200に続く第1加熱室である。
被処理品Wは、搬送ローラ210により予熱室200内部に搬入されてそこで予熱処理された後、次に第1加熱室204に移送されて、そこで第1段目の加熱処理が施される。
被処理品Wは更に後続の各処理室を次々と通過し、その過程を通じて焼結が行われる。
【0004】
ここで予熱室200は被処理品Wに含まれているバインダに由来する油脂類を蒸発させて除去するための室であり、室内にはその加熱のための手段としてラジアントチューブヒータ212が配設されている。
【0005】
ここでラジアントチューブヒータ212は、チューブ内部に電気ヒータを挿入してチューブにより内部の電気ヒータを保護した形態のもので、予熱室200においてこのようなラジアントチューブヒータ212を用いているのは、そこで蒸発した油脂類等が直接電気ヒータに付着するのを防ぐためである。
尚、次の第1加熱室204内には加熱手段としてカーボンヒータ214が配設されている。216は温度検知のための熱電対である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、予熱室200における加熱手段として上記のようなラジアントチューブヒータ212を用いた場合、熱電対により被処理品W周りの温度を検知しつつ同温度が設定温度となるようにラジアントチューブヒータ212の加熱制御を行うが、そのようなラジアントチューブヒータ212による加熱の場合、ラジアントチューブヒータ212自身の温度が設定温度よりも高温となって、被処理品Wが設定温度よりも高温に過熱され易い問題がある。
【0007】
而して被処理品Wが過熱されると、即ち設定温度よりも高温に加熱されると、蒸発した油脂類の分解が進み、その分解物が被処理品Wに付着して、その後の加熱室での加熱の際に分解により生じたカーボンが被処理品W内部に浸入し、被処理品Wのカーボン濃度が高まってしまう不具合を生じる。
【0008】
尤も、ラジアントチューブヒータ212の温度が高くなるのを防ぐように通電制御、即ち電流や電力制御を行うこともできるが、その場合被処理品Wに対する加熱速度、即ち昇温速度が遅くなってしまう。
この点は上記ラジアントチューブヒータ212以外の各種ヒータを用いた場合にも事情は同様である。
【0009】
また以上では真空式焼結炉202における予熱室200での加熱について述べたが、同様の問題は他の熱処理炉、他の目的の処理室においても加熱時に有機物が蒸発する被処理品を加熱処理するに際して共通して生じ得る問題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱処理炉における加熱装置はこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、少なくとも有機物が蒸発する被処理品を処理室内に設けた加熱部にて加熱する熱処理炉の加熱装置であって、前記処理室内に管体ないし容器等の通路部材を配設し、該通路部材内に、予め所定温度に加熱した熱媒体を流通させて前記加熱部を構成し、該熱媒体からの熱によって前記被処理品を加熱するようになしたことを特徴とする。
【0011】
請求項2のものは、請求項1において、前記加熱部における通路部材の少なくとも一部を可撓性の管体で構成して該可撓性に基づいて該加熱部を可動となし、且つ該可動の加熱部に該加熱部を移動させる移動装置を連結したことを特徴とする。
【0012】
請求項3のものは、請求項2において、前記可動の加熱部を前記処理室内の前記被処理品の進行方向の前又は/及び後の位置に配置したことを特徴とする。
【0013】
請求項4のものは、請求項2において、前記可動の加熱部を前記処理室内の前後方向において前記被処理品と被処理品との間の位置に挿脱可能に設けてあることを特徴とする。
【0014】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記加熱部を複数設けるとともに、炉体外に各加熱部に共通の前記熱媒体のタンクを設置して各加熱部と該タンクとを配管で接続し、該タンク内の加熱状態の熱媒体の各加熱部への供給流量を独立に調整することで、各加熱部の温度を制御するようになしたことを特徴とする。
【0015】
請求項6のものは、請求項1〜5の何れかにおいて、前記加熱部から流出した前記熱媒体の温度を検知し、該検知に基づいて対応する加熱部への該熱媒体の供給流量を制御するようになしたことを特徴とする。
【0016】
請求項7のものは、請求項1〜6の何れかにおいて、前記熱処理炉が金属粉体の焼結炉であることを特徴とする。
【0017】
請求項8のものは、請求項1〜7の何れかにおいて、前記熱処理炉が真空式の熱処理炉であることを特徴とする。
【0018】
請求項9のものは、請求項1〜8の何れかにおいて、前記処理室がバインダに由来する油脂類を蒸発処理するための予熱室であることを特徴とする。
【0019】
【作用及び発明の効果】
以上のように本発明は、予め所定温度に加熱した熱媒体を、処理室内に設置した管体ないし容器等の通路部材内を流通させて加熱部を構成し、その熱媒体からの熱により被処理品を加熱するようになしたもので、このように熱媒体からの熱によって被処理品を加熱するようになした場合、外部で熱媒体の温度を所定温度にコントロールした状態で処理室の通路部材内に通して被処理品を加熱することが可能であり、また処理室内部の温度が局部的にしろ熱媒体の温度よりも高くなることはない。
【0020】
例えば熱媒体の温度を予め200℃にコントロールした状態で通路部材内に通して処理室内を加熱するとき、処理室内部の温度が最大200℃よりも高くなることはない。
かかる本発明によれば、処理室内の最大加熱温度を有機物の分解温度以下に設定しておくことで、被処理品から蒸発した有機物が分解し、その分解物が被処理品に付着して被処理品の品質を落とすといった問題を解消することができる。
【0021】
一方においてこの熱媒体による加熱方式の場合、通路部材内部に熱媒体を通すだけで加熱部を構成することができるため、電気式のヒータと異なってかかる加熱部を被処理品を取り巻く様々な位置に、また様々な方向に向けて設置することが容易であり、従って被処理品を加熱するに際し速やかにこれを設定温度まで加熱昇温させることが可能である。
【0022】
本発明では、加熱部における通路部材の一部を可撓性の管体にて構成し、その可撓性に基づいて加熱部を可動となした上、これに移動装置を連結しておくことができる(請求項2)。
このようにしておけば、通常は設置することが困難な位置或いは向きに容易に加熱部を配設することができる。
例えば処理室内において被処理品の前側,後側の位置に加熱部を配設し(請求項3)、そして被処理品に対する加熱が終わったところで、これらを移動装置により上昇させるなどして退避位置に移動させることで、被処理品の搬送手段による前後方向の移動を確保しつつ、被処理品を前,後から加熱することが可能となる。
【0023】
或いはまたその加熱部を同じ処理室内において、被処理品と被処理品との間の位置に挿入して加熱を行い、加熱後にこれを上昇させるなどして退避位置に移動させることで、被処理品の前後方向の移動を確保しつつ、被処理品をそれらの間の位置から加熱することが可能となる。(請求項4)。
而してこのような位置に加熱部を配置し、被処理品の加熱を行うことで、被処理品を全体的に万遍なくより均一に加熱できるようになる。
【0024】
請求項5は、加熱部を複数設けるとともに、炉体外に各加熱部に共通の熱媒体のタンクを設置して各加熱部と配管で接続し、そしてタンク内の加熱状態の熱媒体の各加熱部への供給流量を独立に調整するようになしたもので、このようにすることで、熱媒体の温度そのものを一定温度に保持しつつ、各加熱部への供給流量を調整することで、各加熱部の温度を適正温度に容易に調整することができ、ひいては処理室内において被処理品を適正に加熱することができる。
【0025】
本発明ではまた加熱部の温度制御に際し、その加熱部から流出した熱媒体の温度を検知し、その検知温度に基づいて対応する加熱部への熱媒体の供給流量を制御するようになすことができる(請求項6)。
このようにすることで加熱部の温度を極め細かく且つ適正温度に制御することができる。
【0026】
この発明は金属粉体の焼結炉における加熱装置に適用して好適なものであり(請求項7)、またその焼結炉(熱処理炉)が真空式のものである場合に適用して効果の大なるものである(請求項8)。
真空式の熱処理炉においてヒータから成る加熱部を設置する場合、絶縁を図る必要があるなどその設置位置に関して様々な制約を受ける。
【0027】
然るに本発明に従って熱媒体により加熱する方式の場合、そのような制約が少なく、様々な位置,向きに加熱部を配置することが可能であって、これにより特に真空式の熱処理炉であっても被処理品自身による陰の発生によって加熱が不均一となる問題を回避して、被処理品を様々な位置ないし方向から均一に加熱できる利点が得られる。
また本発明は、被処理品の前,後位置にも加熱部を配設することが可能であることから、特に被処理品が前後方向に連続的に搬送されて行く連続式の真空式熱処理炉に適用して効果が大である。
【0028】
本発明はまた、特にバインダに由来する油脂類を蒸発処理する予熱室内の被処理品を加熱するための加熱装置に適用して好適なものである(請求項9)。
【0029】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は連続式の真空式焼結炉(熱処理炉)で、図中左から順に前室12,予熱室14,第1加熱室16,第2加熱室18及び冷却室20を有している。
前室12の入口と冷却室20の出口とには扉22,34が設けられており、更に前室12,予熱室14,第1加熱室16,第2加熱室18及び冷却室20の各境界部にも出入口が設けられていて、それら出入口が扉24,26,28,30及び32にて開閉されるようになっている。
【0030】
被処理品W(ここでは金属の素材粉末の成形体)は、先ず前室12の入口から前室12内部に搬入され、続いて搬送ローラ36の回転により前室12から予熱室14へ、更に続いて第1加熱室16,第2加熱室18へと移送され、その間に焼結が行われてその後冷却室20を経て外部へと搬出される。
【0031】
尚、各扉22,24,26,28,30,32,34にはそれぞれ開閉シリンダ38,40,42,44,46,48が連結されており、それらによって各扉が開閉される。
ここで前室12はパージ室としての働きを有しており、被処理品Wは、パージ室12が大気圧状態の下でこの前室12内部に搬入される。
【0032】
被処理品Wが前室12に搬入されたところで前室12が真空吸引され、所定真空圧に達したところで扉24の開閉によって被処理品Wが前室12から予熱室14へと搬送ローラ36の回転により移送される。
予熱室14は、被処理品Wに含まれているバインダに由来する油脂類を加熱により蒸発させて除去するための室で、このようにして油脂類が蒸発除去されたところで、被処理品Wが次の第1加熱室16へと移送され、そこで第1段目の加熱処理が行われる。
続いて被処理品Wは第2加熱室18へと移されて、そこで第2段目の加熱処理が行われる。
【0033】
被処理品Wは、これら第1加熱室16及び第2加熱室18における加熱によって焼結処理される。そして焼結品が冷却室20を経て外部へと搬出される。
ここで第1加熱室16及び第2加熱室18の内部には、加熱のためのカーボンヒータ50がそれぞれ設けられている。
【0034】
図2に示しているように、予熱室14の内部には複数の加熱部が配設されている。
この例では被処理品Wに対する上側,下側に第1加熱部52,第2加熱部54が、また図3に示しているように右側,左側に第3加熱部56,第4加熱部58が、更に被処理品Wの前側,後側に第5加熱部60,第6加熱部62がそれぞれ配設されている。
これら各加熱部52,54,56,58,60,62は、何れも加熱媒体による加熱によって被処理品Wを加熱するように構成されている。
【0035】
図4に加熱部52の具体的構成が示してある。
同図に示しているように加熱部52は、蛇行形状に回曲した管体(通路部材)64と、これを固定し保持するフレーム66と、管体64内部を流通する加熱液体(オイル)から成る熱媒体K(図5参照)とを有しており、その管体64に対し入側配管68a,出側配管68bが接続されている。
尚、第2加熱部54,第3加熱部56,第4加熱部58も基本的に同様の構成である。
【0036】
これら第1加熱部52,第2加熱部54,第3加熱部56,第4加熱部58は、それぞれ支持部材70(図3参照)を介して炉体に支持されている。
また各入側配管68a,出側配管68bは、それぞれ炉体を貫通して外部に延び出している。
【0037】
一方被処理品Wの後側の第6加熱部62は、図3(A)に示しているように左右の縦の管体72と、それらを繋ぐように上下に列設された複数の横の管体74と、縦の管体72に連通して予熱室14内部に配管された可撓性の管体(ここではステンレスチューブ)76とを含んで構成されており、そしてその可撓性の管体76に対し、入側配管68aと出側配管68bとが炉体を内外に貫通する状態で接続されている。
【0038】
同図に示しているように、この第6加熱部62は管体76の可撓性に基づいて上下に可動であり、且つこの第6加熱部62には昇降シリンダ(移動装置)78が連結されていて、その昇降シリンダ78により第6加熱部62全体が昇降させられるようになっている。
尚図2において、被処理品Wの前側の第5加熱部60も基本的に第6加熱部62と同様の構成である。但し第5加熱部60は扉26用の開閉シリンダ42に連結されていて、扉26と一体に昇降させられるようになっている。
【0039】
図5に示しているように、第1加熱部52,第2加熱部54,第3加熱部56,第4加熱部58,第5加熱部60,第6加熱部62の各管体(但し図では第1加熱部52,第2加熱部54のみが示してある)は、入側配管68a,出側配管68bを通じて炉体の外部に設置された、各加熱部に共通のタンク80と連絡されている。
【0040】
タンク80の内部には熱媒体Kが収容されており、その熱媒体Kがヒータ82によって加熱されるようになっている。
このタンク80内部の熱媒体Kは、温度検知器84によって温度検知されるようになっており、そしてその温度検知器84の温度検知に基づいて、ヒータ82がコントローラ86により作動制御されるようになっている。
【0041】
即ちこの例では、コントローラ86による制御の下にタンク80内部の熱媒体Kの温度が所定温度(ここでは200℃)に保持されるようになっている。
尚、タンク80には撹拌機88が備えられており、内部の熱媒体Kがこれにより撹拌されるようになっている。
【0042】
このタンク80内部の熱媒体Kは、共通のポンプ90によって各加熱部52,54・・・に供給されるようになっており、そしてその供給流量が各加熱部52,54・・・ごとに独立に調整され、これにより各加熱部52,54・・・の温度がそれぞれ独立に制御可能とされている。
【0043】
詳しくは、各加熱部52,54・・・におけるそれぞれの入側配管68aには、加熱媒体の流量を調整する流量調整弁92と、その流量調整弁92の開度をコントロールするコントロールモータ94が設けられており、そのコントロールモータ94による流量調整弁92の開度の調整によって、各加熱部52,54・・・への熱媒体Kの供給流量が調整されるようになっている。
【0044】
一方各加熱部52,54・・・における出側配管68bには、内部の熱媒体Kの温度を検知する温度検知器84が設けられている。
各加熱部52,54・・・の温度制御は、これら温度検知器84による温度検知に基づいて、コントローラ86による制御の下に流量調整弁92の開度が調整されることにより行われる。
【0045】
尚、図6に示しているように予熱室14内の被処理品Wの後側の第6加熱部62と同様の構成の加熱部62を、被処理品WとWとの間の位置及び前側の位置に昇降可能に配置し、それらを昇降シリンダ78にて昇降可能に配設しておくこともできる。
この場合、従来では困難であった被処理品W、詳しくは図中前側の被処理品Wに対する後面及び後側の被処理品Wの前面に対する加熱部62からの加熱も可能となって、被処理品Wを全体的により均等に加熱できるようになる。
【0046】
以上のように本例の加熱装置では、炉体外のタンク80で予め温度コントロールした熱媒体Kを各加熱部52,54・・・に流して被処理品Wを加熱するもので、予熱室14内部の温度が局部的にしろ熱媒体Kの温度よりも高くなることはない。
【0047】
従って本例によれば、予熱室14内の最大加熱温度を油脂類の分解温度以下に設定しておくことで、被処理品Wから蒸発した油脂類が分解し、その分解物が被処理品Wに付着して被処理品Wの品質を落とす問題を解消することができる。
【0048】
また本例では加熱部52,54・・・を従来の電気ヒータによる加熱部では困難であった被処理品Wを取り巻く様々な位置に配設しており、これにより被処理品Wを速やかに設定温度まで加熱昇温させることができる。
【0049】
また本例では第5加熱部60,第6加熱部62の一部を可撓性の管体76で構成して加熱部60,62を可動とした上、これに開閉シリンダ42,昇降シリンダ78を連結してあるので、通常は設置することが困難である被処理品Wの前側,後側或いは場合によって被処理品WとWとの間の位置にも加熱部60,62を容易に配設することができる。
これにより被処理品Wを全体的に万遍なくより均一に加熱できるようになる。
【0050】
本例では、炉体外に加熱部52,54・・・に共通の熱媒体Kのタンク80を設置して、各加熱部52,54・・・と配管で接続し、そしてタンク80内で加熱した熱媒体Kの加熱部52,54・・・への供給流量を独立に調整するようにしてあり、これにより熱媒体Kの温度そのものを一定温度に保持しつつ、加熱部52,54・・・への供給流量を調整することで、各加熱部52,54・・・の温度を適正温度に容易に調整することができ、ひいては予熱室14内において被処理品Wを適正に加熱することができる。
【0051】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記予熱室14において、ある温度までは内部に無酸化ガスを導入しておいて予熱室14に設けたファンにより対流させ、被処理品Wを対流加熱で昇温させ、その後予熱室14を真空状態に切り替えて各加熱部からの輻射加熱をなすようにするといったことも可能である。
【0052】
その他本発明は上記真空式の焼結炉以外の熱処理炉或いは焼結炉以外の熱処理炉における加熱装置に適用することも可能であるなど、その主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である加熱装置を含む連続式の真空式焼結炉を示す図である。
【図2】図1における予熱室の内部を加熱装置の要部及び周辺部とともに拡大して示す図である。
【図3】図2におけるA−A断面及びB−B断面を示す図である。
【図4】同実施例の加熱装置の要部を更に具体的に示す図である。
【図5】同実施例の加熱装置の熱媒体の流通経路を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例の要部を示す図である。
【図7】従来の熱処理炉における加熱装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 真空式焼結炉(熱処理炉)
14 予熱室
42 開閉シリンダ
52 第1加熱部
54 第2加熱部
56 第3加熱部
58 第4加熱部
60 第5加熱部
62 第6加熱部
64,72,74,76 管体(通路部材)
78 昇降シリンダ(移動装置)
80 タンク
K 熱媒体
W 被処理品
Claims (9)
- 少なくとも有機物が蒸発する被処理品を処理室内に設けた加熱部にて加熱する熱処理炉の加熱装置であって、
前記処理室内に管体ないし容器等の通路部材を配設し、該通路部材内に、予め所定温度に加熱した熱媒体を流通させて前記加熱部を構成し、該熱媒体からの熱によって前記被処理品を加熱するようになしたことを特徴とする熱処理炉における加熱装置。 - 請求項1において、前記加熱部における通路部材の少なくとも一部を可撓性の管体で構成して該可撓性に基づいて該加熱部を可動となし、且つ該可動の加熱部に該加熱部を移動させる移動装置を連結したことを特徴とする熱処理炉における加熱装置。
- 請求項2において、前記可動の加熱部を前記処理室内の前記被処理品の進行方向の前又は/及び後の位置に配置したことを特徴とする熱処理炉における加熱装置。
- 請求項2において、前記可動の加熱部を前記処理室内の前後方向において前記被処理品と被処理品との間の位置に挿脱可能に設けてあることを特徴とする熱処理炉における加熱装置。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記加熱部を複数設けるとともに、炉体外に各加熱部に共通の前記熱媒体のタンクを設置して各加熱部と該タンクとを配管で接続し、該タンク内の加熱状態の熱媒体の各加熱部への供給流量を独立に調整することで、各加熱部の温度を制御するようになしたことを特徴とする熱処理炉における加熱装置。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記加熱部から流出した前記熱媒体の温度を検知し、該検知に基づいて対応する加熱部への該熱媒体の供給流量を制御するようになしたことを特徴とする熱処理炉における加熱装置。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、前記熱処理炉が金属粉体の焼結炉であることを特徴とする熱処理炉における加熱装置。
- 請求項1〜7の何れかにおいて、前記熱処理炉が真空式の熱処理炉であることを特徴とする熱処理炉における加熱装置。
- 請求項1〜8の何れかにおいて、前記処理室がバインダに由来する油脂類を蒸発処理するための予熱室であることを特徴とする熱処理炉における加熱装置。
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A02 | Decision of refusal |
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