JP2004053041A - 排気口用フィルタおよびフィルタの交換時期表示方法 - Google Patents

排気口用フィルタおよびフィルタの交換時期表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汚染物質が付着した排気口用フィルタの交換時期を表示するのに有用な排気口用フィルタ及びフィルタの交換時期表示方法を提供する。
【解決手段】排気口用フィルタ7は、排気口3に対して着脱自在に取り付け可能な繊維フィルタ9と、汚染物質によるフィルタ9の汚染に伴ってフィルタの交換時期を表示するための表示要素10とで構成され、繊維フィルタ9と表示要素10とは前記汚染物質に対する親和性が異なる成分で形成されている。表示要素10を構成する成分は撥油性成分であってもよく、親油性成分であってもよい。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚染物質が付着した排気口用フィルタの交換時期を表示するのに有用な排気口用フィルタ及びフィルタの交換時期表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
換気扇を備えた換気口、レンジフードなどの排気口には、油煙成分や埃などの汚染物質を捕集するために種々のフィルタが使用されている。このようなフィルタは、使用に伴って汚染物質で汚染されていくため、汚染されたフィルタは適切な時期に交換する必要がある。また、換気扇やレンジフード等は、頻繁に使用する場合からまれにしか使用しない場合まで、その使用状況は様々である。そのため、排気口用フィルタに使用期限を予め表示し、その使用期限に至ったとしても、フィルタの汚染度に必ずしも対応しない。従って、頻繁に使用する場合には、往々にして汚染されたフィルタをそのまま使用することとなり、汚染物質に対するフィルタの捕集力が減少し、汚染物質がそのまま換気扇やレンジフード等に付着してしまう。汚染物質が換気扇やレンジフード等に付着すると、モータに高い負荷を与えることになり、結果的にモータの過熱を生じたり、換気扇やレンジフード等の寿命、すなわち使用可能な期間を低減してしまう。
【0003】
一方、使用頻度が少ない場合には、フィルタが未だ十分使用可能であるにも拘わらず、予め表示された交換時期によって交換を促すこととなるため、経済的に不利であるとともに、廃棄物の増加を助長する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、フィルタの汚染度に対応させてフィルタの適切な交換時期を表示できる排気口用フィルタおよびフィルタの交換時期表示方法を提供することにある。
【0005】
本発明の別の目的は、フィルタを汚染物質の捕集に有効に利用でき、フィルタを長期間に亘り使用できる排気口用フィルタおよびフィルタの交換時期表示方法を提供することにある。
【0006】
本発明のさらに別の目的は、フィルタの汚染物質に対する捕集性を損なうことなく、有効かつ効率よく利用できる排気口用フィルタおよびフィルタの交換時期表示方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、排気口用フィルタと表示要素とを汚染物質に対する親和性の異なる素材で構成することにより、フィルタの汚染に伴って、表示要素を浮かび上がらせて適切な交換時期を表示できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明の排気口用フィルタは、排気口に対して着脱自在に取り付け可能な繊維フィルタと、汚染物質によるこのフィルタの汚染に伴ってフィルタの交換時期を表示するための表示要素とで構成された排気口用フィルタであって、前記汚染物質に対する親和性が異なる成分で前記繊維フィルタと表示要素とが形成されている。この場合、表示要素を構成する成分よりも繊維フィルタに対する汚染物質の親和性が高くてもよく、前記表示要素を構成する成分は、撥油性成分で構成されていてもよい。前記撥油性成分は、フッ素系化合物、ケイ素系化合物(例えば、シリコーン系化合物)、室温(15〜30℃程度、又は環境温度)において固体状のワックス類、多価アルコール類などであってもよい。また、別の場合においては、繊維フィルタよりも表示要素を構成する成分に対する汚染物質の親和性が高くてもよく、前記表示要素を構成する成分は、親油性成分で構成されていてもよい。前記親油性成分は、鉱物油、植物油又はその誘導体、粘性物質などであってもよい。表示要素は透明でもよく、また繊維フィルタと同系統色に形成されていてもよい。表示要素は通気可能に形成されていてもよく、その形状は、文字状、点状、格子状、線状、ストライプ状などの形態で所定のパターンに形成されていてもよい。また、表示要素は、塗装、印刷、転写、貼付などにより形成されていてもよい。
【0009】
本発明は、排気口に取り付けられた繊維フィルタの交換時期を表示するための方法であって、汚染物質に対する親和性が前記繊維フィルタと相対的に異なる成分で前記繊維フィルタに表示要素を形成し、汚染物質による汚染に伴って、繊維フィルタの交換時期を表示する方法も含む。
【0010】
なお、本明細書において、汚染物質とは、物理的、化学的又は電気的にフィルタ繊維に付着する物質、例えば油煙成分や空気中に存在する汚れ(埃)などを意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、必要により添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1は排気口用フィルタ(繊維フィルタ)を備えた排気口フィルタ装置の一例を示す部分切欠概略図である。図2は図1の排気口用フィルタの仮止め手段を示す概略断面図である。
【0013】
この例において、レンジフード(排気ユニット)1の金属製フロント部2には、排気口3が形成されており、この排気口には、ビスなどの取付手段4により、少なくとも1つのメッシュ状通気部材(金属製メッシュ体など)5が着脱可能に取り付けられている。
【0014】
排気口フィルタ装置6は、メッシュ状通気部材5に対応した形状を有し、かつメッシュ状通気部材5よりもサイズが大きく、前記排気口3を覆うための排気口用フィルタ7と、汚染したフィルタを交換可能とするため、レンジフード1のフロント部2に対して排気口用フィルタ7を着脱可能に仮止めするための仮止め手段8とで構成されている。この例では、図1および図2に示すように、前記仮止め手段8として、レンジフード1の金属製フロント部2に対して磁気的に吸着可能な複数個の磁石9を用いることにより、排気口用フィルタ7をフロント部2に装着している。
【0015】
前記排気口用フィルタ7は、シート状の繊維フィルタ9および表示要素10とで構成されている。なお、図1において、繊維フィルタ9と表示要素10とは、互いに同系統色であり、使用当初識別できないが、便宜上、図面では表示要素を示している。
【0016】
なお、仮止め手段8は、排気ユニットの構造、排気口の形態等に応じて自由に選択でき、特に制限されない。例えば、仮止め手段8として、両面テープなどの粘着テープを用いて、排気口用フィルタ7をフロント部2に装着してもよく、また、仮止め手段8は、フィルタ7と係合する係合手段、例えば、フィルタ7に対して係合可能な鉤状突起が設けられた基盤や、フィルタ7に対して係合可能であり、かつ表面に多数の鉤状物が設けられた面状ファスナーなどの物理的な係止手段であってもよい。この場合、前記基盤や面状ファスナーは、フロント部2に対して、両面テープなどの粘着テープの他に、慣用の固定手段、例えば、粘着剤、接着剤、磁石、吸盤、ネジ等を用いて取付けることができる。
【0017】
また、特開平9−844号公報に記載されているように、仮止め可能なユニット(例えば、磁石と磁石を収納するケース)と、この仮止めユニットから延び、フィルタを挟持又は係合(係止)可能な延出ユニットとで構成された挟持手段によって、フィルタ7をフロント部2に装着してもよい。更にまた、排気口用フィルタ7の周縁部を内側に折り畳んでメッシュ状通気部材5を覆い、メッシュ状通気部材5とともに、ネジ類の螺合や装着機構などによりフィルタ7をフロント部に着脱可能に取付又は装着してもよい。
【0018】
更に、特開平11−300130号公報に記載されているように、紐状体(伸縮性紐状体など)を具備する排気口用フィルタ7を用い、メッシュ状通気部材5の背面の複数箇所において、前記紐状体を収縮させることによって、メッシュ状通気部材5を排気口用フィルタ7で覆い、装着機構を利用して排気口用フィルタを排気口フィルタ装置に装着してもよい。例えば、フィルタ7で覆われたメッシュ状通気部材5の上端部を排気口の上部に形成され、かつスプリング(板ばねなど)が装着された溝又はスリットに入れて押上げ、下端部を排気口の下部に形成された溝に入れることによって排気口用フィルタを排気口フィルタ装置に装着してもよい。
【0019】
なお、これらの仮止め手段は、単独で、又は二種以上組み合わせて(例えば、磁石と面状ファスナー、ネジ類と粘着テープなど)用いてもよい。
【0020】
図3は排気口用フィルタの一例を示す概略斜視図であり、図4は図3に示す排気口用フィルタを備えた排気口フィルタ装置の一例を示す分解斜視図である。
【0021】
図3に示されるように、排気口用フィルタ(又は吸気口フィルタ)27は、不織布で形成された繊維フィルタ27a、この繊維フィルタ27aの周縁部に全周に亘り形成された環状挿通孔27b内に収容され、繊維フィルタ27の周縁部を収縮可能な環状の伸縮性紐体28(ゴム紐など)、および表示要素10で構成されている。この紐体28は、繊維フィルタ27aを換気口に対して仮止めするための仮止め手段を構成する。なお、前記と同様に、繊維フィルタ27aと表示要素10とは使用当初識別できないが、便宜上、図上に表示要素を表示している。
【0022】
このような排気口用フィルタ27を排気ユニット(換気扇など)21の排気口23に取り付けるため、排気口フィルタ装置26は、前記排気口用フィルタ27と、前記排気口用フィルタ27を支持するためのフレーム29と、このフレームを排気ユニットに取り付けるための取付手段30とを備えている。
【0023】
前記フレーム29は、実用新案登録公報第2542998号明細書に記載されているように、排気ユニット21に装着可能な枠状ベースフレーム29aと、縦横方向に架設され、かつフレーム29の前面に位置するフロントフレーム29cと、前記ベースフレーム29aとフロントフレーム29cとの間に介在してフレーム29の側部に位置するサイドフレーム29bとで構成されている。また、前記取付手段30は、排気ユニット21の前面に貼着又は磁気的に吸着可能な取付ユニット30aと、この取付ユニットに取り付けられたスプリング30bと、このスプリングに取り付けられ、かつ前記フロントフレーム29cに係止可能なフック部30cとで構成されている。
【0024】
そのため、排気ユニット21の前面に取付手段30を取付け、フレーム29のベースフレーム29aを排気ユニット21に装着し、取付手段30のフック部30cをフロントフレーム29cに係止することにより、スプリング30bによりフロントフレーム29cを排気ユニット21側へ引き寄せ、排気ユニット21にフレーム29を取り付けることができる。また、排気口用フィルタ27の伸縮性紐体28を伸長させて、排気ユニット21に取り付けたフレーム29及び排気ユニット21の側部をカバーし、排気ユニット21と、排気ユニット21が取り付けられた壁部との間の隙間に伸縮性紐体28を係止して開放することにより排気口用フィルタ27を取り付けることができる。
【0025】
なお、伸縮性紐体28は、ベースフレーム29aの端部に係止させてもよい。
また、排気口用フィルタ27は、伸縮性紐体28を使用せずに、フレーム部又は外周部の貫通又は螺合孔を利用して、排気口用フィルタ本体を排気ユニットの取付部位と通気部材との間に挟持させるとともにネジ類でフィルタ本体を貫通させて取付又は仮止めしてもよい。
【0026】
なお、本明細書中で、排気口用フィルタの内面とは、排気口装置において、メッシュ状支持体やフレーム側に位置する面(換言すれば、気流に対して下流側の面)を意味する。また、排気口用フィルタの外面とは、その反対側である気流に対して上流側の面を意味する。
【0027】
(繊維フィルタ)
フィルタを構成する繊維としては、特に制限されず、種々の繊維、例えば、天然繊維[植物繊維(綿、麻)、動物繊維(羊毛、モヘア、カシミア、絹など)など]、再生繊維[レーヨン類(レーヨン、銅アンモニアレーヨンなど)、セルロースエステル繊維(アセテート繊維など)をケン化処理したケン化繊維、タンパク質繊維、アルギン酸繊維など]などの非合成繊維;合成繊維(脂肪族ポリエステルなどのポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維などの非塩素系合成繊維;塩化ビニル繊維、塩化ビニリデン繊維などの塩素系合成繊維)などが使用できる。焼却などにより廃棄することを考慮すると、環境汚染などの観点から、非塩素系の繊維(例えば、天然繊維、再生繊維、非塩素系合成繊維など)を用いるのが好ましい。これらの繊維は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、生分解性繊維(例えば、天然繊維、再生繊維、脂肪族ポリエステル)などを用いてフィルタを構成すると、焼却せずに、土壌などに直接廃棄しても自然界において分解することができる。
【0028】
繊維は、種々の添加剤、例えば、難燃剤、可塑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、帯電防止剤、充填剤、着色剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤のうち、本発明のフィルタは、火気の近くで使用する場合が多いため、難燃剤を含むことが好ましい。
【0029】
難燃剤には、例えば、リン含有化合物(リン系難燃剤)、ホウ素化合物(ホウ酸ナトリウム、ホウ酸亜鉛など)、窒素含有化合物(窒素系難燃剤)、ケイ素含有化合物(シリコーン系難燃剤)、金属酸化物、金属水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)などの非ハロゲン系難燃剤、塩素系又は臭素系有機ハロゲン化物(ハロゲン系難燃剤)などが使用できる。これらの難燃剤も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。環境汚染などの観点から非ハロゲン系難燃剤を使用するのが好ましい。好ましい難燃剤には、リン系難燃剤、窒素系難燃剤などが含まれる。
【0030】
なお、難燃剤は、混練などにより繊維を構成する重合体中に含有させてもよく、コーティングなどにより繊維表面に付着させてもよい。また、難燃化されていない繊維であっても、難燃化された繊維と組み合わせることにより、全体として繊維フィルタを難燃化することもできる。
【0031】
フィルタ本体の繊維の組織は特に制限されないが、通常、不織布やウェブのように、繊維が規則的又はランダムに絡み合った構造を有している。フィルタの密度は油煙成分などの捕集効率を損なわない限り特に制限されず、例えば、フィルタの目付は、10〜500g/m、好ましくは20〜300g/m、特に30〜200g/m程度であってもよい。
【0032】
なお、フィルタの構造は、排気ユニットの構造、排気口の形態、フィルタの取付又は仮止め手段の種類などに応じて選択でき、特に制限されない。例えば、前記のように、排気口用フィルタは、シート状フィルタ本体単独で構成してもよい。
【0033】
(表示要素)
表示要素は、汚染物質によるフィルタの汚染に伴ってフィルタの交換時期を表示するために、汚染物質に対する親和性が繊維フィルタと異なる成分によって形成されている。このような表示要素には、(a)表示要素を構成する成分よりも繊維フィルタに対する汚染物質の親和性が高いものと、(b)繊維フィルタよりも表示要素を構成する成分に対する汚染物質の親和性が高いものの双方が含まれる。これらの表示要素を構成する成分は、室温(15〜30℃程度、又は環境温度)において非揮発性である液体状または固体状であることが望ましい。
【0034】
(a)表示要素を構成する成分よりも、繊維フィルタに対する汚染物質の親和性が高い場合、表示要素を構成する成分としては、撥油性成分などが挙げられる。撥油性成分としては、特に制限されず、フッ素系化合物、ケイ素系化合物(例えば、シリコーン系化合物)、室温(例えば15〜30℃、好ましくは20〜30℃程度)(又は環境温度)において固体状であるワックス類、多価アルコール類などが使用できる。また、これらの撥油性成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの撥油性成分のうち、撥油性の高いフッ素系化合物(フッ素系樹脂など)を使用するのが好ましい。
【0035】
フッ素系化合物としては、フッ素を含む限り特に限定されず、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリ(1,2−ジフルオロエチレン)、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ素含有オリゴマー(フッ素樹脂オリゴマー)、フッ素含有共重合樹脂(例えば、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体、フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンの共重合体、フルオロエチレンと炭化水素ビニルエーテルの共重合体、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体など)、フッ素系界面活性剤(フッ素系非イオン界面活性剤、フッ素系アニオン界面活性剤)などが挙げられる。これらのフッ素系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0036】
フッ素系化合物は、固体状であってもよく、液状であってもよい。フッ素系化合物は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの溶媒で希釈して用いてもよい。溶剤に可溶であるフッ素系化合物のうち、樹脂の加工性の容易さから、ポリフッ化ビニル及びポリフッ化ビニリデンが好ましく、特に好ましいのは、ポリフッ化ビニルである。
【0037】
ケイ素系化合物としては、例えば、ポリシランの他、シリコーン系化合物、例えば、(ポリ)オルガノシロキサン単位を含む化合物などが挙げられる。(ポリ)オルガノシロキサンは、Si−O結合(シロキサン結合)を有する直鎖状、分岐鎖状又は網目状の化合物であって、式:RSiO(4−a)/2で表される単位で構成されている。
【0038】
前記式において、Rとしては、例えば、メチル基、エチル基などのC1−4アルキル基、フェニル基などのC6−12アリール基、シクロヘキシル基などのC3−10シクロアルキル基、ベンジル基などのC6−12アリール−C1−4アルキル基などが挙げられる。係数aは1〜3の数である。
【0039】
ポリオルガノシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサンなどのポリジアルキルシロキサン(好ましくはポリジC1−2アルキルシロキサン)、ポリメチルフェニルシロキサンなどのポリアルキルアリールシロキサン(好ましくはポリC1−10アルキルC6−20アリールシロキサン)、ポリジフェニルシロキサンなどのポリジアリールシロキサン(好ましくはポリジC6−20アリールシロキサン)などが例示できる。また、これらのシリコーン系化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0040】
シリコーン系化合物は、その撥油性を失わない程度に、分子末端などに、エポキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基又は置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)、エーテル基、(メタ)アクリロイル基等の置換基を有する(ポリ)オルガノシロキサン(シランカップリング剤)であってもよい。また、シリコーン系化合物の両末端は、例えば、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、シラノール基、トリC1−2アルコキシシリル基などであってもよい。
【0041】
工業的に利用できるシリコーン系化合物としては、具体的には、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂などが例示できる。また、シリコーン系化合物は、シリコーン系非イオン界面活性剤やシリコーン系カチオン界面活性剤としても使用できる。
【0042】
シリコーンオイルは、主に低重合度の直鎖状重合体で構成された化合物であって、例えば、25℃での粘度が5〜1000000mPa・s程度である。シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、環状ポリジメチルシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、シリコーンポリエーテル共重合体、脂肪酸変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイルなどが例示できる。
【0043】
シリコーンゴムは、高重合度の直鎖状重合体を加硫して得られる化合物であり、通常、直鎖状であるが、一部分岐構造を有していてもよく、分岐鎖状であってもよい。シリコーンゴムとしては、例えば、メチルシリコーンゴム、ビニルシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フェニルビニルシリコーンゴム、フッ化シリコーンゴムなどが例示できる。
【0044】
シリコーン樹脂は、架橋された三次元構造を有している。シリコーン樹脂としては、例えば、シリコーンワニス、シリコーン変性ワニス(アルキド変性体、ポリエステル変性体、エポキシ変性体、アクリル変性体、ウレタン変性体、フェノール変性体など)、無機充填剤を含有するシリコーンモールディングコンパウドなどが例示できる。
【0045】
シリコーン系化合物は、固体状であってもよく、液状であってもよい。シリコーン系化合物は、炭化水素系溶剤(トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなど)、含酸素溶剤[アルコール類(メタノール、イソブチルアルコール、ブタノールなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(セロソルブ、ブチルセロソルブなど)]、テルペン類(ターペンチン、ジペンチンなど)などの溶媒で希釈して用いてもよい。
【0046】
室温(又は環境温度)において固体状のワックス類(又はロウ)としては、例えば、融点が50℃以上(好ましくは50〜130℃、更に好ましくは60〜130℃、特に好ましくは70〜130℃)の高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、炭化水素等が挙げられる。
【0047】
前記高級脂肪酸エステルとしては、植物ロウ(例えば、カルナウバロウ、カンデリラロウなど)、動物ロウ(例えば、ミツロウ、虫白ロウ、セラックロウなど)、鉱物ロウ(例えば、モンタンロウなど)、飽和高級脂肪酸のアルキルエステル(例えば、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などのメチルエステル又はエチルエステル)、トリグリセリド(例えば、トリパルミチン、トリステアリンなどのトリC14−24脂肪酸トリグリセリド)、ロウエステル(例えば、パルミチン酸セチル(セチン)、パルミチン酸セリル、パルミチン酸ミリシル(ミリシン)、セロチン酸セリル、コクセリン酸セリル(コクセリン)、メリシン酸メリシルなど)などが挙げられる。
【0048】
前記脂肪酸アミドとしては、オレイン酸アミド、ステアリル酸アミドなどのC10−24脂肪酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリル酸アミドなどのアルキレンビスC10−24脂肪酸アミドなどの脂肪酸アミドが挙げられる。
【0049】
前記炭化水素としては、石油ロウ(例えば、パラフィンロウ、マイクロクリスタリンワックスなど)、合成ワックス(例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのオレフィンワックスやエチレン−無水マレイン酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体などのオレフィン共重合体ワックスなど)などが例示できる。ワックス類には、高級脂肪酸(例えば、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、モンタン酸など)、水素添加した硬化油なども含まれる。これらのワックス類を使用する際には、溶媒を用いて液状組成物としてもよいが、通常は、溶融することにより所定形状のパターンを形成する。これらのワックス類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0050】
多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロック共重合体や活性水素原子を有する化合物にエチレンオキサイドが付加した付加体などが挙げられる。これらの多価アルコール類はポリイソシアネートやシランカップリング剤などの架橋剤によって架橋させてもよい。これらの多価アルコール類は、単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。多価アルコール類は、固体状であってもよく、液状であってもよい。
【0051】
固体状の多価アルコール類は、水や前記有機溶媒などを溶媒として用い、液状組成物として用いてもよい。
【0052】
また、撥油性成分を含む表示要素用組成物を表示要素の形成に用いることによって、非表示域を汚染成分の付着に有効に利用でき、フィルタの使用期間を長期化できる。撥油性成分を含む表示要素用組成物をフィルタに適用する際には、表示要素は排気口用フィルタの外面に形成してもよく、内面に形成してもよいが、フィルタの汚染を有効に防止するためには、排気口用フィルタの外面に表示要素を形成することが望ましい。
【0053】
(b)繊維フィルタよりも表示要素を構成する成分に対する汚染物質の親和性が高い場合、表示要素を構成する成分としては、親油性成分などが挙げられる。
親油性成分としては、特に制限されず、鉱物油、植物油又はその誘導体および粘性物質などが使用できる。また、これらの親油性成分は単独で又二種以上組み合わせて使用できる。
【0054】
鉱物油としては、パラフィン系鉱物油(パラフィン、流動パラフィンなど);ナフテン系鉱物油(ナフテンなど);芳香族系鉱物油[アルキルベンゼン、アルキルナフタレンポリフェニル、フェニルエーテル(アルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテルなど)など]、合成炭化水素系鉱物油(ポリブテン、ポリオレフィンなど)、脂肪酸エステル(フタル酸系ジエステル、アジピン酸系ジエステル、セバシン酸系ジエステル、アゼライン酸系ジエステル、ポリオールエステルなど);リン酸エステル(芳香族リン酸エステル、脂肪族リン酸エステルなど);石油スルホン酸エステル;エポキシ誘導体(エポキシ化大豆油など);水素化脱ロウ油;ペトロラタム(ワセリンなど)などが挙げられる。これらの鉱物油は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0055】
植物油又はその誘導体としては、トール油、菜種油、綿実油、落花生油、ヒマシ油、パーム油などの植物油、脱水ヒマシ油などが挙げられる。これらの植物油又はその誘導体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0056】
粘性物質としては、天然粘性物質[例えば、植物性粘質物質(例えば、ローカストビーンゴム、グアールゴム、アラビアゴム、トラガントゴム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、寒天、カラゲニンなど)、動物性粘質物質(例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、カロニン硫酸、キトザン、ゼラチンなど)など]、半合成粘性物質[例えば、セルロース誘導体系粘性物質(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース、亜リン酸セルロース、アミノデオキシセルロース、クロロデオキシセルロースなど)、デンプン誘導体系粘性物質(例えば、アミロース;アミロペクチン;アミロース及びアミロペクチンの混合物;加工デンプンなど)など]、合成粘性物質[例えば、非イオン系合成粘性物質(例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシドなど)、陰イオン系合成粘性物質(例えば、ポリアクリル酸、硫酸化ポリビニルアルコール、ポリエチレンスルホン酸、リン酸化ポリビニルアルコールなど)、陽イオン系合成粘性物質(例えば、ポリエチレンイミン塩酸塩、ポリビニルピリジン塩酸塩、第四級アンモニウム塩など)など]が挙げられる。これらの粘性物質は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0057】
親油性成分も、固体状又は液状の形態で使用できる。親油性成分は、慣用の有機溶媒と併用してもよい。
【0058】
また、親油性成分を表示要素に使用すると、火気により燃焼しやすいため、繊維フィルタには予め難燃剤を添加することが望ましい。難燃剤としては、繊維フィルタの項に例示した成分が挙げられる。
【0059】
親油性成分で構成された表示要素用組成物をフィルタに適用する場合、排気口用フィルタの内面に表示要素を形成すると、主にフィルタの外面に汚染物質が付着するため、フィルタの捕集機能を有効に利用しつつ、表示要素による適切な表示が可能となる。
【0060】
表示要素は透明、又は繊維フィルタと同系統色(特に、白、淡明色など)に形成されていることが望ましい。表示要素が繊維フィルタと同系統色に形成されている場合、前記表示要素用組成物に、必要に応じて、繊維フィルタと同系統色となるような着色剤(顔料、染料など)を添加してもよい。繊維フィルタは、通常、白色であるため、表示要素を白色とするためには、白色顔料(例えば、酸化亜鉛、酸化チタンなどの白色顔料)や増白剤(フルオレッセントブライトナーなどの蛍光増白染料)などが使用できる。また、繊維フィルタと同系統色となる淡明色にするには、有彩色着色剤(染顔料)、黒色着色剤(染顔料)などが使用できる。これらの着色剤は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。特に、淡明色とする場合、必要に応じて、有彩色系又は黒色系の着色剤と白色系着色剤とを組み合わせて用いることも可能である。更にまた、繊維フィルタと同系統色にするためには、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの体質顔料を用いてもよい。
【0061】
表示要素を繊維フィルタと同系統色に形成することによって、使用当初は排気口用フィルタにおいてフィルタと表示要素とが識別しにくい状態となるが、排気口用フィルタを使用するに従って、繊維フィルタと表示要素との間で、汚染物質に対する相対的な親和性の違いにより、汚染物質に対してより親和性の高い方が汚染される。その結果、汚染度に対応して表示要素が排気口用フィルタに表示されることによって、又は表示要素が排気口用フィルタに浮かび上がることによって、繊維フィルタの交換を促すこととなる。
【0062】
表示要素用組成物は、目的とする特性を妨げない範囲において、可塑剤、乾燥剤、硬化剤、分散剤、皮張り防止剤、増粘剤、レベリング剤、たれ防止剤、防かび剤、紫外線吸収剤などの添加剤を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0063】
また、表示要素用組成物の構成成分(撥油性成分、親油性成分など)は、固体状組成物を、後述するように固体の状態のままで使用してもよいし、固体状組成物を適当な溶媒によって溶解又は分散させて液状組成物としてもよい。また、液体状組成物は、そのまま適用してもよいし、適当な溶媒(例えば水や有機性溶剤など)に溶解又は分散させて適用してもよい。
【0064】
表示要素は、フィルタの交換時期を報知又は催告可能な所定のパターン、例えば、文字(こうかん、トリカエなどの平仮名やカタカナ、交、交換などの漢字、Xなどのアルファベットなど)、記号[円状又は丸状(例えば○、◎など)の記号、罰点(×)状の記号、*などのマークなど]、絵柄(炎をイメージさせる絵柄、動物などの絵柄)などに形成できる。表示要素は、塗り潰し状のパターンであってもよく、輪郭だけで構成してもよい。
【0065】
表示要素は、通気可能に形成されていることが好ましい。このような通気可能な形態としては、表示要素が文字状(記号状を含む)、点状(ドット状、斑点状を含む)、格子状(チェック状を含む)、線状、ストライプ状(不規則な形状を含む)などが挙げられ、これらの形態によって上記記載の所定のパターンを形成できる。特に、繊維フィルタの孔(又は目)を閉塞することなく、繊維フィルタを構成する繊維又はフィラメントに表示要素又は表示要素を構成する組成物を付着又は含浸させるのが好ましい。これらの形態は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。表示要素を、繊維フィルタの通気性を妨げないように形成することによって、フィルタの捕集性を損なうことなく、排気口用フィルタを有効かつ効率よく利用できる。
【0066】
なお、表示要素はフィルタの少なくとも一方の面に形成されていればよく、フィルタの内面、外面、又は両面に形成できる。
【0067】
更にまた、汚染の程度を段階的に表示するため、撥油性組成物や親油性組成物の濃度の異なる表示要素用組成物を用いて表示要素を形成してもよい。更には、撥油性組成物から形成される表示部と親油性組成物から形成される表示部とを、適宜組み合わせて表示要素を形成してもよい。この場合、汚染の程度の大きな親油性組成物で構成された表示部と、汚染の程度の小さな撥油性組成物で構成された表示部とを適宜組み合わせることによって、フィルタの交換時期をより明確に報知したり、交換時期の段階的な報知を可能とすることができる。
【0068】
このような所定形状の表示要素は、後述する塗装、印刷、転写、貼付などの慣用のパターン形成法により形成してもよい。これらのパターン形成法は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0069】
表示要素を、塗装や印刷などのコーティングによって形成する際には、前記表示要素用組成物を、コーティング剤(塗料、印刷用インクなど)として、噴霧(スプレー、エアゾールなど)、ペイント、印刷などによりコーティングできる。
なお、表示要素を形成する際には、必要であれば、マスキングして所定のパターンに形成してもよい。更に、インクジェットプリンターなどによる印刷手段も適用できる。
【0070】
表示用組成物が固体状である場合、例えば、固体状組成物を粉体塗料としてコーティングする方法、固体粒子を製膜性成分(例えばバインダーなど)に混和させてコーティングする方法、固体状組成物を溶融して塗布する方法などが例示できる。
【0071】
なお、溶融コーティングでは、例えば、ワックス類などの熱溶融性成分を含む表示要素用組成物を繊維フィルタに塗布して、所定のパターンを形成してもよいし、必要に応じてマスキングして塗布することによって、所定のパターンを形成してもよい。また、熱溶融性成分を含む表示要素用組成物をインクとして用いて、スクリーン印刷を行うことにより、所定のパターンを形成してもよい。さらにまた、熱溶融性成分で構成された媒体(例えばインクリボンなど)を用いて、慣用の熱溶融転写方式のプリンターによって、所定のパターンを形成してもよい。
【0072】
表示要素を転写により形成する場合、表示要素が剥離可能に形成された支持体を用いて、表示要素を繊維フィルタに転写することができる。表示要素を支持体に形成するには、例えば、前記コーティング手段を用いることができる。支持体としては、離型性支持体[離型処理紙(離型紙)、離型処理していてもよい合成紙、化学繊維紙、プラスチックフィルム等]などが挙げられる。転写は、慣用の転写手段(熱溶融性樹脂を用いたホットメルト接着など)を利用して行うことができる。
【0073】
表示要素を貼付により形成する場合、例えば、繊維フィルタの項に記載した適当な大きさの繊維状物質に予め表示要素を形成し、表示要素が形成された繊維状物質を粘着性物質[粘着テープ(例えば、両面テープ、接着テープ)、接着剤など]などによって、排気口用フィルタに貼付してもよい。なお、上記に記載した表示要素が形成された繊維状物質は、単独で市販の排気口用フィルタに貼付してもよい。表示要素用組成物が撥油性である場合、表示要素の撥油性を有効に利用するために、粘着性物質により、表示要素を排気口用フィルタの外面に位置させて前記繊維状物質と排気口用フィルタとを接合することが好ましい。また、表示要素用組成物が親油性である場合、フィルタの捕集性を有効に利用するために、粘着性物質を用いて、繊維状物質と排気口用フィルタとの間に表示要素を位置させて前記繊維状物質と排気口用フィルタとを接合することが好ましい。
【0074】
[フィルタの交換時期表示方法]
本発明は、汚染物質に対する親和性が前記繊維フィルタと相対的に異なる成分で前記繊維フィルタに表示要素を形成し、汚染物質による汚染に伴って、繊維フィルタの交換時期を表示する方法も包含する。この方法において、前記排気口用フィルタに関する記述がそのまま援用できる。この方法では、汚染に伴って、表示要素を浮かび上がらせて、適切なフィルタの交換時期を報知できる。
【0075】
本発明の方法は、種々の排気口又は吸気口に適用でき、特に油煙が発生する台所又は調理場の排気ユニット(換気扇ユニット、レンジフードなど)に有効に適用できる。
【0076】
【発明の効果】
本発明では、排気口用フィルタに汚染物質が付着していくことによって、フィルタの汚染度に対応させてフィルタの適切な交換時期を表示できる。そのため、換気扇やレンジフードなどを頻繁に使用する状況では、換気扇やレンジフードなどに汚染物質が付着することを防止できるとともに、使用頻度が少ない状況では、フィルタの交換を頻繁に行う必要がなくなるため、経済的に有利であるとともに、廃棄物の増加を防止できる。また、撥油性成分で構成された表示要素用組成物を使用することによって、フィルタの汚染を有効に防止でき、使用可能期間を長期化できる。更にまた、表示要素を通気可能に形成したり、親油性成分で構成された表示要素用組成物をフィルタの内面に形成することによって、フィルタの捕集性を損なうことなく、フィルタを有効かつ効率よく利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の排気口用フィルタセットを構成する排気口用フィルタを備えた排気口フィルタ装置の一例を示す部分切欠概略図である。
【図2】図2は図1に示す排気口用フィルタの仮止め手段を示す概略断面図である。
【図3】図3は本発明の排気口用フィルタセットを構成する排気口用フィルタの一例を示す概略斜視図である。
【図4】図4は図3に示す排気口用フィルタを備えた排気口フィルタ装置の一例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1,21…排気ユニット(レンジフード,換気扇)
2…フロント部
3,23…排気口
4…取付手段
5…メッシュ状通気部材
6,26…排気口フィルタ装置
7,27…排気口用フィルタ
8…仮止め手段
9…繊維フィルタ
10…表示要素
27a…フィルタ本体
27b…環状挿通孔
28…伸縮性紐体
29…フレーム
30…取付手段

Claims (10)

  1. 排気口に対して着脱自在に取り付け可能な繊維フィルタと、汚染物質によるこのフィルタの汚染に伴ってフィルタの交換時期を表示するための表示要素とで構成された排気口用フィルタであって、前記汚染物質に対する親和性が異なる成分で前記繊維フィルタと表示要素とが形成されている排気口用フィルタ。
  2. 表示要素を構成する成分が、撥油性成分で構成されている請求項1記載の排気口用フィルタ。
  3. 撥油性成分が、フッ素系化合物、ケイ素系化合物、固体状のワックス類および多価アルコール類から選択された少なくとも一種で構成されている請求項2記載の排気口用フィルタ。
  4. 表示要素を構成する成分が、親油性成分で構成されている請求項1記載の排気口用フィルタ。
  5. 親油性成分が、鉱物油、植物油又はその誘導体および粘性物質から選択された少なくとも一種で構成されている請求項4記載の排気口用フィルタ。
  6. 表示要素が透明、又は繊維フィルタと同系統色に形成されている請求項1記載の排気口用フィルタ。
  7. 表示要素が、通気可能に形成されている請求項1記載の排気口用フィルタ。
  8. 表示要素が、文字状、点状、格子状、線状およびストライプ状から選択された少なくとも1つの形態で所定のパターンに形成されている請求項1記載の排気口用フィルタ。
  9. 表示要素が、塗装、印刷、転写および貼付から選択された少なくとも一種により形成されている請求項1記載の排気口用フィルタ。
  10. 排気口に取り付けられた繊維フィルタの交換時期を表示するための方法であって、汚染物質に対する親和性が前記繊維フィルタと相対的に異なる成分で前記繊維フィルタに表示要素を形成し、汚染物質による汚染に伴って、繊維フィルタの交換時期を表示する方法。
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JP2015197276A (ja) * 2014-04-03 2015-11-09 日本エアーテック株式会社 分割可能型排気装置および分割可能型排気装置の使用方法
JP2016036801A (ja) * 2014-08-11 2016-03-22 株式会社ヤマガタグラビヤ フィルターの製造方法

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