JP2004053003A - 電磁サスペンション装置 - Google Patents

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Yasuhiro Igarashi
五十嵐 靖弘
Hiroshi Egawa
江川 博
Takeshi Nakamura
中村 健
Masaaki Uchiyama
内山 正明
Yusuke Akami
赤見 裕介
Satoshi Osawa
大澤 聡
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Abstract

【課題】磁石部材及びコイル部材への鉄粉やゴミなどの侵入抑制とコイル部材の放熱を両立させることができる電磁サスペンション装置を提供する。
【解決手段】ボビン6の底部15の孔14に気密保持パイプ16を挿通し、センターヨーク5の内部空間17及び気密保持パイプ16の内部空間18により、電磁ダンパ19を貫く通路20を構成する。電磁ダンパ19の伸縮動などにより空気が通路20を通過し、コイル22への通電に伴う発熱分が放熱される。
永久磁石24及びコイル22の配置部分を閉塞するシール手段(ドライメタル11、気密保持パイプ16等)を設けたので、電磁ダンパ19が伸縮動しても、永久磁石24及びコイル22への鉄粉やゴミなどの侵入を抑制することができる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁力による振動抑制用アクチュエータ、ダンパに係り、特に、自動車、鉄道車両、構造物及び建造物などに用いて好適な電磁サスペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁サスペンション装置の一例として、油圧ダンパのオリフィス等による減衰力発生機構に代えて、回転型モータ及びこの回転型モータのロータの回転動を直線動に変換する直動―回転動変換機構を用いたり、あるいは直動型モータを用いた電磁サスペンション装置がある。この電磁サスペンション装置は、通電することにより可動部を変位させ、モータを本来のモータ(アクチュエータ)としてアクティブに動作させる一方、モータを発電機として使用することにより(パッシブに)減衰力を発生させるようにしている。
【0003】
また、モータを発電機として使用した場合の減衰力は、コイルに流れる電流の大きさに比例するので、減衰力を可変とするためには、コイルに流れる電流の大きさを調整できればよい。コイルに流れる電流を調整するには、回路に可変抵抗を設けたり、回路をオン、オフするスイッチのオン、オフ時間を制御することなどで容易に実現できる。
【0004】
そのため、電磁サスペンション装置の減衰力をストローク速度に応じて可変制御したり、制御対象の振動を抑制するようにリアルタイムに可変制御する、いわゆるセミアクティブダンパとして構成することは比較的容易である。
また、電磁サスペンション装置をモータとして使用すれば、アクチュエータとして機能するため、発電機として機能させることにより得られるパッシブなダンパとしての使用だけでなく、外部からエネルギーを与えて減衰力を大きくしたり、制御力を加えてアクティブサスペンションとしても動作させることが可能であり、このようにして制御効果を高める方法も提案されている。
【0005】
前記直動型モータを用いた電磁サスペンション装置では、そのモータとして、直流リニアモータまたは3相の同期型リニアモータで構成したものが知られている。前記3相の同期型リニアモータを用いた電磁サスペンション装置の一例として、次のように構成された電磁サスペンション装置がある。すなわち、この電磁サスペンション装置は、有底の外筒部材に、有底で2重筒状に形成された長手状部材を相対変位可能に挿嵌し、前記外筒部材の内周部及び前記長手状部材の外周部のうち一方に磁石部材を、他方に該磁石部材に対向させ該磁石部材と共にモータを構成するコイル部材を設けている。
【0006】
そして、この電磁サスペンション装置は、前記コイル部材への通電により前記磁石部材との間に生じる電磁力によって推進力を得、前記コイル部材及び前記磁石部材の相対変位により前記コイル部材に生じる起電力によって減衰力を得るようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した電磁サスペンション装置では、信頼性、耐久性の確保のために磁石部材及びコイル部材の配置部分への鉄粉やゴミなどの侵入を極力排除することが望まれている。この要望に応えるために、外筒部材の内部は外気に対して気密の構造とするのが有効である。
一方、コイル部材の通電によって生じる発熱分を放熱するためには、外気の導入を図ることが有効であると考えられる。
そのため、上述した電磁サスペンション装置では、磁石部材及びコイル部材への鉄粉やゴミなどの侵入抑制とコイル部材の放熱を両立させるのが難しいというのが実情であった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、磁石部材及びコイル部材への鉄粉やゴミなどの侵入抑制とコイル部材の放熱を両立させることができる電磁サスペンション装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、円筒状の外側ヨークと、該外側ヨーク内に外側ヨークの一端側からその軸方向に沿って外側ヨークに設けられたセンターヨークと、前記外側ヨークの内側に摺動可能に支持された円筒状の可動部材と、該可動部材及び前記センターヨークのうち何れか一方に設けられた磁石部材と、該磁石部材と対向して設けられ前記可動部材及び前記センターヨークのうち何れか他方に設けられたコイル部材と、を備えた電磁サスペンション装置において、前記センターヨーク及び前記可動部材を貫く連通路を設けると共に、前記センターヨークと前記可動部材との間に、前記磁石部材及びコイル部材の配置部分を閉塞するシール手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の構成において、前記シール手段は、前記可動部材内に可動部材の他端側からその軸方向に沿って可動部材に設けられ、前記センターヨークの内側に摺動可能に支持されたパイプ部材と、該パイプ部材の一端側に設けられ前記センターヨークとの間をシールするシール部材と、を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の構成において、前記シール手段は、前記センターヨークの他端側に径方向に延びて設けられ、外周部が前記可動部材の内周部に臨むフランジと、該フランジの外周部に設けられ前記可動部材との間をシールするシール部材とを含み、前記フランジは、前記センターヨークの連通孔に連通する孔を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、円筒状の外側ヨークと、該外側ヨーク内に外側ヨークの一端側からその軸方向に沿って外側ヨークに設けられたパイプ部材と、前記外側ヨーク内に摺動可能に設けられ、一端側が前記パイプ部材に摺動可能に支持されて他端側が前記外側ヨーク外にガイドを介して延出された円筒状の内側ヨークと、該内側ヨーク及び前記外側ヨークのうち何れか一方に設けられた磁石部材と、該磁石部材と対向して設けられ前記内側ヨーク及び前記外側ヨークのうち何れか他方に設けられたコイル部材と、を備えた電磁サスペンション装置において、前記内側ヨーク及び前記パイプ部材を貫く連通路を設けると共に、前記内側ヨークと前記パイプ部材との間及び前記内側ヨークと前記ガイドとの間に、前記磁石部材及びコイル部材の配置部分を閉塞するシール手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載の構成において、前記センターヨークにおける前記連通路内に放熱用のフィン機構を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の構成において、フィン機構は、センターヨークの開口側に対して中央部分においてフィンの高さが高くなるように構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項2に記載の構成において、前記パイプ部材の内部及び前記内側ヨークの内側における前記パイプ部材との非摺動領域のうち少なくとも一方に、放熱用のフィン機構を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項4に記載の構成において、前記パイプ部材の内部及び前記センターヨークの内側における前記パイプ部材との非摺動領域のうち少なくとも一方に、放熱用のフィン機構を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8までのいずれかに記載の構成において、連通路の少なくとも一方の開口部には、外気を連通路に案内する導入部材を設けたことを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項1から請求項8までのいずれかに記載の構成において、連通路の少なくともいずれか一方の開口部または連通路内には、外気を導入するためのファン機構を設けたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施の形態の電磁サスペンション装置を図1ないし図3に基づいて説明する。図1及び図2において、この電磁サスペンション装置の基準ヨーク1は、略有底の二重筒状を成している。すなわち、基準ヨーク1は、一端側に底部3を有する大径の外側ヨーク4と、この外側ヨーク4の一端側の底部3から外側ヨーク4の軸方向に沿って外側ヨーク4と一体的に設けられたセンターヨーク5とから大略構成されている。センターヨーク5の内側には、外部(外気)と連通可能な孔2(連通路)が設けられ、その先端側(他端側、図1中右側)が後述するボビン6の底部15に延びて該底部15に臨んでいる。
【0020】
外側ヨーク4は、底部3を介してセンターヨーク5に連接する外側ヨーク本体8と、外側ヨーク本体8の先端部に嵌合して外側ヨーク本体8と一体化された筒状の外側ヨーク補助部9とから大略構成されている。外側ヨーク本体8及び外側ヨーク補助部9は略同等長さに設定されており、両者の嵌合部10が外側ヨーク4の略中心位置になるようにしている。
【0021】
外側ヨーク補助部9の嵌合部10の内側及び外側ヨーク補助部9の先端部(図1右側)の内側には、それぞれ、ボビン本体13(後述する)の外周部に摺動するドライメタル11が設けられている。ドライメタル11は、ボビン本体13に対してかじりやこじりを起こすことなく低摩擦で摺動することを可能とする特性を有している。ドライメタル11の外気側には塵埃の内部への侵入防止のために図示しないシール部材が設けられている。外側ヨーク4とセンターヨーク5との間には、前記ボビン6(可動部材)が挿入されている。ボビン6は、中央部に孔14が形成された円板状の底部15と、底部15を嵌合するようにしてこの底部15から直立して設けられた筒状の前記ボビン本体13とから大略構成されている。
【0022】
底部15の孔14には、長さがボビン本体13の長さの約半分のシール手段を構成する気密保持パイプ16(パイプ部材)が挿入して固定されている。気密保持パイプ16の先端側はセンターヨーク5の内部空間17に挿通されている。気密保持パイプ16の内部空間18及びセンターヨーク5の内部空間17から後述する電磁ダンパ19(電磁サスペンション装置)のセンターヨーク5とボビン6とを貫く通路20(連通路)が形成されている。そして、車両の走行、電磁ダンパ19の伸縮動などにより空気がこの通路20を通過し、これにより、後述するコイル22(コイル部材)への通電に伴う発熱分が放熱され得るようになっている。
【0023】
気密保持パイプ16の先端部の外周部にはセンターヨーク5の内側に摺動可能にシール手段を構成するシール部材23が設けられており、気密保持パイプ16とセンターヨーク5との間の気密保持を行なえるようにしている。このように気密保持パイプ16とセンターヨーク5との間が気密とされることにより、コイル22とこのコイル22と共にモータ(符号省略)を構成する後述する永久磁石24(磁石部材)との配置部分(空間Aの部分)の気密を保持するようになっている。
【0024】
上述したようにドライメタル11が設けられていることにより、コイル22と永久磁石24との配置部分(空間Aの部分)の気密が保持され、気密保持パイプ16(シール手段)と共にコイル22と永久磁石24との配置部分を閉塞するようにしている。本実施の形態では、外側ヨーク4、ドライメタル11、ボビン本体13、気密保持パイプ16、気密保持パイプ16のシール部材23及びセンターヨーク5が永久磁石24及びコイル22の配置部分を閉塞するシール手段を構成している。
【0025】
ボビン6は、ドライメタル11を介して外側ヨーク4に摺動可能とされており、基準ヨーク1に対し相対伸縮可能になっている。以下、ボビン6及び基準ヨーク1を、適宜、相対伸縮部材30と総称する。本実施の形態では、基準ヨーク1の底部3側が自動車の車体側に固定され、ボビン6の底部15(図1中右側)が車軸側に固定されるようになっている。基準ヨーク1及びボビン6の間には、過大なストロークを機械的に規制するストッパ(図示省略)が設けられている。ボビン本体13の内周側には、先端部(図1中左側)からボビン本体13の略中央部分までの範囲にわたって、略円筒状に形成されたコイル22が設けられている。コイル22は、Y結線されるU相、V相及びW相の3相のコイル群からなり、図示しないコントローラに接続されている。
【0026】
一方、センターヨーク5の外周部には、複数個のリング状の永久磁石24が、コイル22との間にギャップ(符号省略)を形成させた状態で、センターヨーク5の基端部の近傍部分(図1中左側)から先端部(図1中右側)までの範囲にわたって設けられている。そして、複数個の永久磁石24は、図3に示すように、外周側(コイル22側)の磁極が、軸方向に交互に異なる(N極、S極、N極、S極、 … )ように、予め着磁されている。
【0027】
永久磁石24、コイル22、外側ヨーク4及びセンターヨーク5から図3に示すように、磁気回路31が構成されている。このため、ボビン6(永久磁石24)が、基準ヨーク1(コイル22)に対してストロークすれば、フレミング右手則によりコイル22には起電力が発生する。すなわち、後述する電磁ダンパ19は、発電機として動作し、コイル22の端子端を抵抗などのエネルギー消費部材を介して接続すれば、コイル22ひいてはエネルギー消費部材に電流が流れ、前記ボビン6(永久磁石24)及び基準ヨーク1(コイル22)の相対変位エネルギーが消費される。この結果、この電磁サスペンション装置は、ストローク速度に応じた減衰力を発生することになる。永久磁石24、コイル22を含む相対伸縮部材30(ボビン6及び基準ヨーク1)を以下、適宜、電磁ダンパ19(電磁サスペンション装置)という。
【0028】
また、コイル22と永久磁石24との相対的な位置関係(電気角)に応じて、コイル22に電流を流せば、この電磁ダンパ19はモータ(アクチュエータ)〔3相同期モータ〕として機能し、コイル22への通電により前記永久磁石24との間に生じる電磁力によって推進力を得ることになる。
【0029】
上述したように構成した電磁サスペンション装置では、電磁ダンパ19を貫く通路20(センターヨーク5の内部空間17及び気密保持パイプ16の内部空間18)が設けられている。このため、車両の走行、電磁ダンパ19の伸縮動などにより空気がこの通路20を通過し、これにより、コイル22への通電に伴う発熱分が放熱される。また、永久磁石24及びコイル22の配置部分を閉塞するシール手段(ドライメタル11、気密保持パイプ16等)を設けたので、電磁ダンパ19が伸縮動しても、永久磁石24及びコイル22への鉄粉やゴミなどの侵入を抑制することができる。そして、上述したように永久磁石24及びコイル22への鉄粉やゴミなどの侵入抑制及びコイル22の放熱の両立を、簡易な構成で達成することができる。
【0030】
上述したようにコイル22への通電に伴う発熱分が放熱されることから、この第1実施の形態では、コイル22に従来技術に比して大きな電流を流すことができ、その分、モータの推進力が向上する。このため、以下の効果を奏する。
(1)振動絶縁、車体姿勢変化の抑制など、電磁サスペンション装置としての基本性能が向上する。
(2)永久磁石24の冷却が効率よく行なわれるため、高温時の磁力低下を抑制できる。
(3)モータの推進力維持を容易に行える。
また、コイル22、永久磁石24、コイル22を支持するボビン6及び永久磁石24を支持する基準ヨーク1の熱膨張を抑制できるので、以下の効果を奏する。
(4)コイル22及び永久磁石24間のギャップを小さくすることができ、モータの推進力が向上する。また、この(4)の効果を奏することに伴い、前記(1)及び(3)の効果をより向上させることができる。
(5)熱膨張・収縮の程度が小さくなり、熱膨張・収縮の繰返しによる疲労を抑制でき、装置の耐久性が向上する。
また、コイル22、永久磁石24へ鉄粉、ゴミなどが付着する虞がないため、コイル22、永久磁石24の劣化の虞が小さくなり、次の効果を奏する。
(6)装置の耐久性が向上する。
(7)システムの信頼性が向上する。
【0031】
次に、本発明の第2実施の形態に係る電磁サスペンション装置を図4に基づいて説明する。なお、前記第1実施の形態と同等の部分は同一の符号で示し、適宜その説明は省略する。
【0032】
前記第1実施の形態では、先端部の外周部にシール部材23を設けた気密保持パイプ16を備え、センターヨーク5と共にコイル22と永久磁石24との配置部分(空間Aの部分)の気密を保持するようにしている。これに対し、第2実施の形態では、第1実施の形態のシール部材23及び気密保持パイプ16を廃止し、これに代えて、ボビン6(可動部材)の底部15に臨むセンターヨーク5の先端部にボビン本体13の内周部(符号省略)に延びてセンターヨーク5に一体的に設けられたフランジ35と、フランジ35の外周部35aにボビン本体13の内周部と摺動するように設けられたシール部材36とを設け、フランジ35の中央部にセンターヨーク5の内部空間17(連通路)に連通する孔37を形成したことが大きく異なっている。
【0033】
この第2実施の形態では、センターヨーク5の内部空間17、フランジ35の孔37、ボビン6の底部15側におけるボビン6とフランジ35との間の空間38及びボビン6の底部15の孔14から、電磁ダンパ19(電磁サスペンション装置)のセンターヨーク5とボビン6とを貫く通路20Aが構成されている。そして、車両の走行、電磁ダンパ19の伸縮動などにより空気がこの通路20Aを通過し、これにより、コイル22への通電に伴う発熱分が放熱され得るようになっている。
【0034】
また、上述したようにフランジ35と、フランジ35の外周部に設けられたシール部材36により、コイル22と永久磁石24との配置部分(空間Bの部分)の気密が保持される。さらに、この第2実施の形態では、電磁ダンパ19の伸縮動に伴う気密空間(コイル22及び永久磁石24の配置部分で空間Bの部分)の容積変化を第1実施の形態に比して小さく抑えることができ、気密空間の圧力変動を小さくできる。このため、ばね力の付加が望ましくないようなサスペンション装置にも、適切に採用することができる(例えば、自動車に採用されるサスペンション装置は、鉄道車両に採用されるサスペンション装置に比してばね力の付加が望ましくない。)。
【0035】
次に、本発明の第3実施の形態に係る電磁サスペンション装置を図5に基づいて説明する。なお、前記第1実施の形態と同等の部分は同一の符号で示し、適宜その説明は省略する。
【0036】
前記第1実施の形態では、先端部の外周部にシール部材23を設けた気密保持パイプ16を備え、センターヨーク5と共にコイル22と永久磁石24との配置部分(空間Aの部分)の気密を保持するようにしている。これに対し、第3実施の形態では、第1実施の形態のシール部材23及び気密保持パイプ16を廃止し、これに代えて、ボビン本体13とセンターヨーク5との間に介装された気密保持ベローズ40(シール手段)と、この気密保持ベローズ40を支持する環状の2つの支持部材(以下、第1、第2支持部材という。)41,42とを設けたことが大きく異なっている。
【0037】
第1支持部材41は、環状をなし、ボビン本体13の内周側に保持されるようになっており、ボビン本体13との間に気密保持ベローズ40の外周側端部を挟み付けるようにしている。また、第2支持部材42は、環状をなし、センターヨーク5の内部空間17側に保持されるようになっており、センターヨーク5との間に気密保持ベローズ40の内周側端部を挟み付けるようにしている。
【0038】
この第3実施の形態では、センターヨーク5の内部空間17(連通路)、第2支持部材42に形成された孔42a、ボビン6とセンターヨーク5との間の空間43及びボビン6の底部15の孔14から、電磁ダンパ19(電磁サスペンション装置)のセンターヨーク5とボビン6とを貫く通路20Bが構成されている。そして、車両の走行、電磁ダンパ19の伸縮動などにより空気がこの通路20Bを通過し、これにより、コイル22への通電に伴う発熱分が放熱され得るようになっている。また、上述したようにボビン本体13とセンターヨーク5との間に気密保持ベローズ40が介装されていることにより、コイル22と永久磁石24との配置部分(空間Cの部分)の気密を保持するようになっている。
【0039】
次に、本発明の第4実施の形態に係る電磁サスペンション装置を図6に基づいて説明する。なお、前記第1実施の形態と同等の部分は同一の符号で示し、適宜その説明は省略する。
【0040】
図6において、この電磁サスペンション装置の内側ヨーク50は、筒状をなしており、内側ヨーク50と共に相対伸縮部材51を構成する外側ヨーク52内に進退動可能に挿入されている。外側ヨーク52は、筒状の外側ヨーク本体53と、外側ヨーク本体53の両開口部に嵌合される蓋部(外側ヨーク本体53の図6右側の蓋部を第1蓋部54、左側の蓋部を第2蓋部55という。)とから構成されている。外側ヨーク本体53の内側には一端側から他端側の範囲にわたってコイル22が設けられている。
【0041】
第1、第2蓋部54,55にはそれぞれ孔54a,55aが形成されている。外側ヨーク52には、気密保持パイプ16(パイプ部材)が第1蓋部54の孔54aに挿入して保持されている。第2蓋部55(ガイド)の孔55aには内側ヨーク50が挿通されている。内側ヨーク50の先端側(図6中右側)が外側ヨーク52の内側に挿入され、かつその先端側の内側に気密保持パイプ16を挿通するようにしている。内側ヨーク50の先端側の外周部には永久磁石24が配置されている。永久磁石24の軸方向の配置長さは、前記コイル22の軸方向の配置長さの略半分の長さとされている。
【0042】
第2蓋部55の孔55aの内周側には内側ヨーク50に対してと摺動可能なドライメタル11a(シール部材)が設けられている。内側ヨーク50の先端部の内側(図6中右側)には気密保持パイプ16に対して摺動可能なドライメタル11b(シール手段)が設けられている。
【0043】
この第4実施の形態では、気密保持パイプ16の内部空間18及び内側ヨーク50の内部空間56から電磁ダンパ19(電磁サスペンション装置)を貫く通路20Cが形成されている。そして、車両の走行、電磁ダンパ19の伸縮動などにより空気がこの通路20Cを通過し、これにより、コイル22(コイル部材)への通電に伴う発熱分が放熱され得るようになっている。
【0044】
内側ヨーク50の先端側に設けられたドライメタル11b及び気密保持パイプ16により、コイル22と永久磁石24との配置部分(図6中右側の空間Dの部分)の気密を保持するようになっている。また、ドライメタル11a、第2蓋部55、内側ヨーク50及び外側ヨーク本体53によりコイル22と永久磁石24との配置部分(図6中左側の空間Dの部分)の気密を保持するようになっている。
【0045】
次に、本発明の第5実施の形態に係る電磁サスペンション装置を図7に基づいて説明する。なお、前記第1実施の形態と同等の部分は同一の符号で示し、適宜その説明は省略する。
【0046】
第5実施の形態は前記第1実施の形態に比して、気密保持パイプ16の開口端の内側に、外部から気密保持パイプ16の内側への空気の流れを許容する逆止弁(第1逆止弁)61を設け、センターヨーク5の低部3近傍の内側に、内部から外部への空気の流れを許容する逆止弁(第2逆止弁)62を設けたことが異なっている。すなわち、この第5実施の形態は、通路20の一端(図7中右側)に第1逆止弁61を、他端(図7中左側)に第2逆止弁62を設けている。この第5実施の形態によれば、電磁ダンパ19の伸縮動に伴って、通路20内に空気流が生じる。このため、より効果的にコイル22を含む電磁ダンパ19が冷却されることになる。
【0047】
次に、本発明の第6実施の形態に係る電磁サスペンション装置を図8及び図9に基づいて説明する。なお、前記第2実施の形態と同等の部分は同一の符号で示し、適宜その説明は省略する。
【0048】
この第6実施の形態では、図8及び図9に示すように、ボビン本体13の内周部におけるコイル22の配置部分には、ボビン本体13の長手方向に延びる凹状の溝65が複数本(この実施の形態では2本)形成されている。溝65は、その一端側(図8中右側)がコイル22を越えてコイル22の先の領域(ボビン本体13、永久磁石24、フランジ35及びコイル22により囲まれた領域。以下、第1端側領域という。)66に達し、また、その他端側(図8中左側)が、ボビン本体13、底部3、センターヨーク5、永久磁石24及びコイル22により囲まれた領域(以下、第2端側領域という。)67に達している。上述したように溝65を形成することにより溝65がコイル22の外周側に配置されることになる。
【0049】
また、この第6実施の形態では、前記第1端側領域66及び第2端側領域67(コイル及び永久磁石の配置部分)には、予め絶縁性の流体が封入されている。この場合、センターヨーク5は、外側ヨーク4の外側ヨーク本体8と別部材で構成され、外側ヨーク本体8の底部3に形成された穴(符号省略)に圧入して外側ヨーク本体8と一体化されている。
【0050】
この第6実施の形態では、電磁ダンパ19の伸縮動に伴い前記各領域66,67内に封入された流体がコイル22の外周側に配置される溝65を流れる。このため、コイル22は効果的に冷却されることになる。
【0051】
この第6実施の形態では、センターヨーク5は、底部3を有する外側ヨーク本体8と別体で構成され、底部3の孔2に嵌合されて外側ヨーク本体8と一体化されている。なお、便宜上、上記各実施の形態で用いたものと同等の符号「5」を用いている。後述する第7実施の形態のセンターヨーク5についても同様である。
【0052】
次に、本発明の第7実施の形態に係る電磁サスペンション装置を図10に基づいて説明する。なお、前記第2、第6実施の形態と同等の部分は同一の符号で示し、適宜その説明は省略する。
【0053】
この第7実施の形態では、図10に示すように、ボビン本体13に、コイル22を両端側から挟み付けてこのコイル22を保持する環状のコイル固定フランジ(図10中左側のものを第1コイル固定フランジ70、右側のものを第2コイル固定フランジ71という。)が設けられている。コイル22は、第1、第2コイル固定フランジ70,71に保持された状態で、ボビン本体13との間には隙間72が形成されている。第1コイル固定フランジ70の外周部には連通路73が形成されており、前記隙間72と第2端側領域67とを連通するようにしている。また、同様に、第2コイル固定フランジ71の外周部には連通路74が形成されており、前記隙間72と第1端側領域66とを連通するようにしている。
【0054】
さらに、一端側が第2端側領域67に、他端側が第1端側領域66に連通する管などからなる連絡通路75が設けられている。連絡通路75の一端側はセンターヨーク5を挿通され、中央部分がセンターヨーク5の内部空間17を挿通され、他端側がフランジ35の孔37を通ってさらにフランジ35を挿通して第1端側領域66に連通している。連絡通路75のフランジ35の挿通部分には、第1端側領域66から第2端側領域67方向への流体の流れを許容する逆止弁(第3逆止弁)76が設けられている。また、連絡通路75の第2端側領域67の近傍部分には、第1端側領域66側から第2端側領域67への流体の流れを許容する逆止弁(第4逆止弁)77が設けられている。
【0055】
この第7実施の形態では、第1端側領域66及び第2端側領域67を連通する連絡通路75を設け、連絡通路75内に第1端側領域66から第2端側領域67方向への流体の流れを許容する第3逆止弁76及び第4逆止弁77を設けたので、流体が一方向に流れやすくなる。このため、流体の循環が促進され、コイル22の冷却を効率良く果たすことができる。また、連絡通路75をセンターヨーク5の内部空間17に挿通させているので、連絡通路75ひいては連絡通路75を流れる流体を内部空間17を流れる空気により冷却することができる。
【0056】
次に、本発明の第8実施の形態に係る電磁サスペンション装置を図11及び図12に基づいて説明する。なお、前記第6実施の形態(図8)と同等の部分は同一の符号で示し、適宜その説明は省略する。
【0057】
第8実施の形態の電磁ダンパ(電磁サスペンション装置)19は、第6実施の形態(図8の電磁ダンパ19)に比して、図11及び図12に示すように、溝65を廃止したこと、及びセンターヨーク5の内部空間17(連通路)側に放熱用のフィン機構81を備えたことが異なっている。フィン機構81は、センターヨーク5の内壁(符号省略)に、内部空間17の中心に向けて突出形成された板状の複数枚(この実施の形態では8枚)のフィン本体82からなっている。8枚のフィン本体82は、周方向に同等間隔で配置され、かつセンターヨーク5の一端から他端まで延びている。フィン機構81(フィン本体82)と、センターヨーク5(フィン機構81を配置する部材)とは同一部材から形成され一体になっている。
【0058】
この第8実施の形態では、前記第6実施の形態と同様に、センターヨーク5の内部空間17、フランジ35の孔37、ボビン6の底部15側におけるボビン6とフランジ35との間の空間38及びボビン6の底部15の孔14から、電磁ダンパ19のセンターヨーク5とボビン6とを貫く通路20Aが構成されている。そして、車両の走行、電磁ダンパ19の伸縮動などにより空気がこの通路20Aを通過する。この際、コイル22への通電に伴って生じてセンターヨーク5等〔センターヨーク5及びセンターヨーク5以外の通路20Aを形成する部材〕に伝達された熱分が、通路20Aを通過する空気に伝達されて放熱される。この第8実施の形態の電磁ダンパ19では、内部空間17にフィン機構81を設けており、通路20Aを通過する空気に接触する面積が大きくなっていることから、効率よく放熱されることになる。また、この第8実施の形態では、このフィン機構81(フィン本体82)と、センターヨーク5(フィン機構81を配置する部材)とは同一部材から形成され一体になっているので、冷却性の向上を図る上で部品数を必要最小限に抑えることができる。
【0059】
第8実施の形態のフィン機構81(図11及び図12)に代えて、図13及び図14に示すフィン機構81A、図15及び図16に示すフィン機構81B、図17及び図18に示すフィン機構81Cをそれぞれ用いて、図13及び図14に示す電磁ダンパ19(第9実施の形態)、図15及び図16に示す電磁ダンパ19(第10実施の形態)、図17及び図18に示す電磁ダンパ19(第11実施の形態)を構成してもよい。
【0060】
第9実施の形態の電磁ダンパ19のフィン機構81Aは、図13及び図14に示すように、センターヨーク5の内壁(符号省略)に、センターヨーク5の一端から他端まで延び、かつ周方向に同等間隔でセンターヨーク5自身に溝加工により形成された複数状(この実施の形態では8条)のフィン溝83と、フィン溝83の形成により残されたフィン形成凸部84とからなっている。
【0061】
第10実施の形態の電磁ダンパ19のフィン機構81Bは、図15及び図16に示すように、センターヨーク5の内壁(符号省略)に、センターヨーク5の一端から他端まで延びる加工により形成される螺旋状(ねじ状)の溝(ねじ溝)85と、ねじ溝85の形成により残されたねじ山部と86からなっている。フィン機構81Bのねじ山部86と、センターヨーク5(フィン機構81Bを配置する部材)とは同一部材から形成されている。
【0062】
第11実施の形態の電磁ダンパ19のフィン機構81Cは、図17及び図18に示すように、センターヨーク5の内壁(符号省略)に、内部空間17の中心に向けて突出形成された板状の複数枚(この実施の形態では4枚)のフィン本体82Cからなっている。4枚のフィン本体82Cは、周方向に同等間隔で配置され、かつセンターヨーク5の一端から他端まで延びている。この場合、フィン本体82Cは、センターヨーク5の端部側から中央部分になるに従い高さ寸法が大きくなっており、センターヨーク5の端部側から中央部分になるに従いフィン本体82Cの表面積が大きくなるようにしている。この第11実施の形態では、センターヨーク5の中央部分では内部空間17(連通路)の断面積が小さく、かつ、フィン本体82Cの表面積が大きくなっているので、空気の流速が速くなることも相まって、効率よく冷却することが可能である。
【0063】
第8〜第11実施の形態では、センターヨーク5の内壁(符号省略)に、センターヨーク5の長手方向に延びる溝部(フィン溝83、ねじ溝85)又は突部(フィン本体82、フィン本体82C)を形成したフィン機構81、81A、81B、81Cを有する場合を例にしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、第6実施の形態(図8の電磁ダンパ19)において、センターヨーク5の内壁(符号省略)に、ショットブラスト(鋼球などの砂状の物質を吹き付けて行なう表面加工方法)等により形成される凹凸部(図示省略)をフィン機構として用いて電磁ダンパを構成して(第12実施の形態)もよい。この第12実施の形態によれば、センターヨーク製造時に、ショットブラストなどにより凹凸部を形成すればよいので、加工により溝部又は突部を形成する場合に比べフィン機構を容易に作製することができる。
【0064】
次に、本発明の第13実施の形態に係る電磁サスペンション装置を図19ないし図21に基づいて説明する。第13実施の形態の電磁ダンパ(電磁サスペンション装置)19は、第8実施の形態(図11、図12)のフィン機構81が、センターヨーク5(フィン機構81を配置する部材)と同一部材から形成され一体とされているのに比して、センターヨーク5とは別体のフィン機構81Dを有したことが、第8実施の形態と異なっている。第13実施の形態のフィン機構81Dは、図19ないし図21に示すように、センターヨーク5と長さ寸法が略同等の複数枚(この実施の形態では8枚)の板材87を有し、8枚の板材87を図21に示すように、放射状に組み合わせて構成され、センターヨーク5の内壁(符号省略)に圧入されている。
【0065】
この第13実施の形態では、板材87がセンターヨーク5の内壁からセンターヨーク5の中心まで達するので、その分、外気接触面積が大きくなる。すなわち、例えば第8実施の形態(図11及び図12)のフィン本体82は、センターヨーク5の中心まで達しておらず、外気接触面積が小さいが、これに対して第13実施の形態では、外気接触面積を大きくできる。
【0066】
また、フィン機構81Dをセンターヨーク5の内壁(符号省略)に圧入するので、熱の伝達は十分に行なわれる。さらに、フィン機構81Dはセンターヨーク5とは別体とされているので、仮にフィン機構81Dが汚れた場合にも、フィン機構81Dを容易に取外したり交換することができ、メンテナンスがよいものとなる。
【0067】
第13実施の形態のフィン機構81に代えて、図22及び図23に示すように、内径部に凹凸部88を有し、センターヨーク5の内壁に圧入されるフィン用パイプ89(フィン機構)を設けて電磁ダンパ19(第14実施の形態)を構成してもよい。フィン用パイプ89の凹凸部88は、フィン用パイプ89の長手方向に延び、かつ断面視(図23参照)、凹凸状をなしている。第14実施の形態では、第13実施の形態に比して鋳造成形できるので大量生産、低コストで生産性の向上を図ることができる。第14実施の形態において、フィン用パイプ89の長手方向に延び、かつ断面視(図23参照)、凹凸状をなす凹凸部88に代えて、フィン用パイプ89の内壁にランダムに形成される凹凸部を形成するようにしてもよい。
【0068】
上記各実施の形態では、センターヨーク5の内部空間17(連通路)側に、放熱用のフィン機構81、81A、81B、81C、81D又はフィン用パイプ89(フィン機構)を備え、フィン機構81、81A、81B、81C、81D又はフィン用パイプ89(フィン機構)をセンターヨーク5の一端から他端までの範囲にわたって設ける場合を例にしたが、必ずしもセンターヨーク5の一端から他端までの全範囲にわたって設けなくてもよく、センターヨーク5の一端から他端までの全範囲のうち一部分又は複数箇所に分けて設けるようにしてもよい。
【0069】
なお、上記各実施の形態では、センターヨーク5の内部空間17(連通路)側に、放熱用のフィン機構81、81A、81B、81C、81D又はフィン用パイプ89(フィン機構)を備えた場合を例にしたが、第1実施例の電磁ダンパ19(図1〜図3)又は第5実施例の電磁ダンパ19(図7)において、気密保持パイプ16(パイプ部材)の内部及びセンターヨーク5の内部空間17における気密保持パイプ16との非摺動領域(図1左側部分、図7左側部分)のうち少なくとも一方に、放熱用のフィン機構を設けるようにしてもよい。また、第4実施例の電磁ダンパ19(図6)において、気密保持パイプ16(パイプ部材)の内部及び内側ヨーク50おける気密保持パイプ16との非摺動領域(図6左側部分)のうち少なくとも一方に、放熱用のフィン機構を設けるようにしてもよい。
【0070】
次に、本発明の第15実施の形態に係る電磁サスペンション装置を図24に基づいて説明する。図24において、電磁ダンパ19の基準ヨーク1の底部3から、センターヨーク5の先端部5aが突出している。センターヨーク5の先端部5aには、円筒状の車体側取付部材91が取付られ、ボビン6の底部15には、当該底部15と一体部材から構成される円筒状の車軸側取付部材92が設けられている。ボビン6の底部15には、ボビン6とフランジ35との間の空間38と外部とを連通する2つの連通孔(以下、フランジ側第1、第2連通孔という。)93a,93bが形成されている。電磁ダンパ19は、車体側取付部材91及び車軸側取付部材92を介して車体と車軸側との間に介装されている。この実施の形態では、前記第6実施の形態と同様に、センターヨーク5の内部空間17、フランジ35の孔37、ボビン6の底部15側におけるボビン6とフランジ35との間の空間38及びボビン6の底部15のフランジ側第1、第2連通孔という。)93a,93bから、電磁ダンパ19のセンターヨーク5とボビン6とを貫く通路20Bが構成されている。
【0071】
前記センターヨーク5の先端部5aの側壁には、相対向するようにして、センターヨーク5の内部空間17と外部とを連通する第1、第2の連通孔94a,94bが形成されている。車体側取付部材91と基準ヨーク1の底部3との間には、第1、第2の連通孔94a,94bにそれぞれ対応して、空気の流入を案内する略ラッパ状の第1、第2空気導入部材95a,95bが設けられている。第1、第2空気導入部材95a,95bは、小径の開口部(以下、小径開口部という。)96をセンターヨーク5の第1、第2の連通孔94a,94bの形成部分(符号省略)に接合させ、大径の空気導入口97をセンターヨーク5と直交する方向に向けて、相対向して配置されている。第1、第2空気導入部材95a,95b内の小径開口部96側部分には、逆止弁98が設けられ、空気導入口97から小径開口部96(ひいてはセンターヨーク5の内部空間17)への空気の流れを許容する一方、逆方向の空気の流れを禁止するようにしている。この実施の形態の電磁ダンパ19は、第1空気導入部材95aの空気導入口97が車両の進行方向に向くようにして例えば、自動車や鉄道車両に取付けられるようになっている。
【0072】
この第15実施の形態では、自動車の走行に伴い、第1空気導入部材95aの空気導入口97から外気が第1空気導入部材95a内に流入し、第1の連通孔94a側に案内されてセンターヨーク5の内部空間17に導入され、通路20Bを通ってフランジ側第1、第2連通孔93a,93bから排気される。そして、当該電磁ダンパ19の作動に伴い、コイル22で発生してセンターヨーク5等〔センターヨーク5及びセンターヨーク5以外の通路20Bを形成する部材〕に伝達された熱分が、通路20Bを通過する空気に伝達されることにより、放熱が行なわれる。
【0073】
この場合、第1空気導入部材95aは、略ラッパ状であり、空気導入口97側の流入面積に比して小径開口部側の流入面積が小さくなっているので、小径開口部96側で空気の流速が高くなって外気の導入が迅速に行なわれ、ひいては当該電磁ダンパ19の冷却が効率良く行われる。第1の連通孔94aに対向して第2の連通孔94bが形成されているが、第2の連通孔94bに連通して設けられている第2空気導入部材95b内に逆止弁98を設けているので、第1空気導入部材95aを通してセンターヨーク5の内部空間17に導入された外気が、第2の連通孔94b及び第2空気導入部材95bを通して排気されてしまうようなことがなく、確実に通路20Bを通過して当該電磁ダンパ19の冷却に適切に利用される。
【0074】
この第15実施の形態では、電磁ダンパ19を車体側取付部材91側に第1、第2空気導入部材95a,95bを設ける場合を例にしたが、これに代えて、フランジ側第1、第2連通孔93a,93bに対応するようにして、車軸側取付部材92側に第1、第2空気導入部材95a,95bを設けるようにしてもよい。
【0075】
また、第15実施の形態では、第1空気導入部材95aの空気導入口97が車体側取付部材91の近傍に配置される場合を例にしたが、第1の連通孔94aひいてはセンターヨーク5の内部空間17への空気導入を車体側取付部材91の近傍に限らず、第1空気導入部材95a又は第1の連通孔94aにホースなどの延長部材の基端部を接続し、ホースなどの延長部材の先端部を外気を導入しやすい個所に配置し、空気の導入をより進められるように構成してもよい。この際、ホースなどの延長部材の先端部には、空気がより導入しやすいようにラッパ状の部材を設けるようにしてもよい。
【0076】
第15実施の形態では、空気導入部材が略ラッパ状の第1、第2空気導入部材95a,95bを設ける場合を例にしたが、これに代えて、図25に示すように、板状の空気導入部材(以下、第1、第2空気導入板という)99a,99bを用いた電磁ダンパ19(第16実施の形態)を構成してもよい。
【0077】
図25において、第1空気導入板99aは、一端側がセンターヨーク5の先端部5aにおける第1の連通孔94aより先端側に配置され、他端側が基準ヨーク1の底部3から遠ざかるようにしてセンターヨーク5の径方向外方に延び、一部が車体側取付部材91に支持されるようにしてセンターヨーク5に取付けられている。また、第2空気導入板99bも、一端側がセンターヨーク5の先端部5aにおける第2の連通孔94bより先端側に配置されて、第1空気導入板99aと略同様にして、センターヨーク5に取付けられている。第1の連通孔94a及び第2の連通孔94bには、外部からセンターヨーク5の内部空間17への空気の流れを許容する逆止弁98Aが設けられている。この第16実施の形態では、自動車の走行時に第1空気導入板99aが空気を受けて、第1の連通孔94aひいてはセンターヨーク5の内部空間17に外気を案内し、電磁ダンパ19の冷却効率の向上を図ることができる。
【0078】
次に、本発明の第17実施の形態に係る電磁ダンパ(電磁サスペンション装置)19を図26〜図28に基づいて説明する。なお、前記各実施の形態と同等の部分は同一の符号で示し、適宜その説明は省略する。この第17実施の形態に係る電磁ダンパ19は請求項10に記載の発明に対応するものである。
【0079】
図26〜図28において、通路20A(連通路)の一部を構成するセンターヨーク5の内部空間17には、電動ファン(ファン機構)200が設けられている。また、電磁ダンパ19のコイル22には駆動回路201が接続されており、電磁ダンパ19の駆動等のために用いられるようになっている。駆動回路201は、電圧がDC100Vの電力を供給する直流電源202と、直流電源202からの電力を受けて電磁ダンパ19のコイル22に供給し、電磁ダンパ19をモータとして作動させるドライバ203と、電磁ダンパ19のダンパとしての作動により発生する電力を回収する回生吸収用のバッテリ204とを備えている。さらに、ドライバ203、バッテリ204及び電動ファン200にはスイッチ205が接続されている。
【0080】
ドライバ203には、発熱状態推定手段(図示省略)が設けられており、コイル22の温度が所定温度以上である場合に高温であると判断するようにしている。この発熱状態推定手段が、コイル22の温度が高温であると判断した場合、スイッチ205をオンしてバッテリ204から電動ファン200に電力が供給され電動ファン200が回転するようになっている。そして、この第17実施の形態では、上述したように電動ファン200が回転することにより、外気が矢印206で示されるようにセンターヨーク5の内部空間17ひいては通路20Aに導入され、電磁ダンパ19の冷却効率の向上を図ることができる。
【0081】
第17実施の形態では、前記発熱状態推定手段が、コイル22の温度が高温であると判断した場合に電動ファン200が回転する場合を例にしたが、これに限らず、電動ファン200を常時回転させるようにしてもよい。また、発熱状態推定手段の推定結果に応じて、電動ファン200の回転数を制御して風量を調整するようにしてもよい。さらに、通路20Aの温度を直接検出する温度センサを通路20Aに設け、この温度センサの検出信号に応じて電動ファン200を回転させるようにしても良い。
【0082】
また、第17実施の形態では、センターヨーク5の内部空間17に電動ファン200を設けた場合を例にしたが、これに代えて通路20Aの内側における内部空間17以外の部分に電動ファン200を設けるようにしてもよい。また、センターヨーク5の内部空間17における図26左側の開口部207(連通路の一方の開口部)に設けてもよいし、通路20A(連通路)の一部を構成する底部15の孔14の右側の開口部208(前記連通路の一方の開口部に対して連通路の他方の開口部を構成する。)に設けてもよい。また、前記開口部207、208の両者にそれぞれ別個に電動ファン200を設けてもよい。
【0083】
上記各実施の形態では、電磁サスペンション装置を自動車に用いた(制御対象を車両とした)場合を例にしたが、これに限らず制御対象を鉄道車両など他の車両や構造物及び建築物などに用いるようにしてもよい。また、上記各実施の形態では、ボビン6にコイル22を設け、基準ヨーク1に永久磁石24を設けた場合を例にしたが、ボビン6に永久磁石24を設け、基準ヨーク1にコイル22を設けるように構成してもよい。
【0084】
また、第17実施の形態で電動ファン200を設けた例を示したが、電動ファンを備えて電磁サスペンション装置を構成した場合、当該電磁サスペンション装置を外気と隔絶されているような場所や無風状態の場所に配置しても、電動ファンによって外気が強制的に導入されるので、当該電磁サスペンション装置を効率よく冷却することができる。
【0085】
【発明の効果】
請求項1から請求項3まで、請求項5、請求項9及び請求項10のいずれかに記載の発明によれば、円筒状の外側ヨークと、該外側ヨーク内に外側ヨークの一端側からその軸方向に沿って外側ヨークに設けられたセンターヨークと、前記外側ヨークの内側に摺動可能に支持された円筒状の可動部材と、該可動部材及び前記センターヨークのうち何れか一方に設けられた磁石部材と、該磁石部材と対向して設けられ前記可動部材及び前記センターヨークのうち何れか他方に設けられたコイル部材と、を備えた電磁サスペンション装置において、
前記センターヨーク及び前記可動部材を貫く連通路を設けると共に、前記センターヨークと前記可動部材との間に、前記磁石部材及びコイル部材の配置部分を閉塞するシール手段を設けたので、当該電磁サスペンション装置の伸縮動より空気が前記連通路を通過し、これにより、コイル部材への通電に伴う発熱分が放熱される。
【0086】
また、センターヨークと可動部材との間に、磁石部材及びコイル部材の配置部分を閉塞するシール手段を設けているので、当該電磁サスペンション装置が伸縮動しても、磁石部材及びコイル部材への鉄粉やゴミなどの侵入を抑制することができる。
【0087】
上述したようにコイル部材への通電に伴う発熱分が放熱されることから、コイル部材に従来技術に比して大きな電流を流すことができ、その分、モータの推進力が向上する。このため、以下の効果を奏する。
(1)振動絶縁、車体姿勢変化の抑制など、電磁サスペンション装置としての基本性能が向上する。
(2)磁石部材の冷却が効率よく行なわれるため、高温時の磁力低下を抑制できる。
(3)モータの推進力維持を容易に行える。
また、コイル部材、磁石部材、コイル部材を支持する部材及び磁石部材を支持する部材の熱膨張を抑制できるので、以下の効果を奏する。
(4)コイル部材−磁石部材間のギャップを小さくすることができ、モータの推進力が向上する。また、この(4)の効果を奏することに伴い、前記(1)及び(3)の効果をより向上させることができる。
(5)熱膨張・収縮の程度が小さくなり、熱膨張・収縮の繰返しによる疲労を抑制でき、装置の耐久性が向上する。
また、コイル部材、磁石部材へ鉄粉、ゴミなどが付着する虞がないため、コイル部材、磁石部材の破損の虞が小さくなり、次の効果を奏する。
(6)装置の耐久性が向上する。
(7)システムの信頼性が向上する。
【0088】
請求項4、請求項8、請求項9及び請求項10のいずれかに記載の発明によれば、円筒状の外側ヨークと、該外側ヨーク内に外側ヨークの一端側からその軸方向に沿って外側ヨークに設けられたパイプ部材と、前記外側ヨーク内に摺動可能に設けられ、一端側が前記パイプ部材に摺動可能に支持されて他端側が前記外側ヨーク外にガイドを介して延出された円筒状の内側ヨークと、該内側ヨーク及び前記外側ヨークのうち何れか一方に設けられた磁石部材と、該磁石部材と対向して設けられ前記内側ヨーク及び前記外側ヨークのうち何れか他方に設けられたコイル部材と、を備えた電磁サスペンション装置において、前記内側ヨーク及び前記パイプ部材を貫く連通路を設けると共に、前記内側ヨークと前記パイプ部材との間及び前記内側ヨークと前記ガイドとの間に、前記磁石部材及びコイル部材の配置部分を閉塞するシール手段を設けているので、当該電磁サスペンション装置の伸縮動より空気が前記連通路を通過し、これにより、コイル部材への通電に伴う発熱分が放熱される。また、内側ヨークとパイプ部材との間及び前記内側ヨークとガイドとの間に、磁石部材及びコイル部材の配置部分を閉塞するシール手段を設けているので、当該電磁サスペンション装置が伸縮動しても、磁石部材及びコイル部材への鉄粉やゴミなどの侵入を抑制することができる。
【0089】
また、請求項4、請求項8、請求項9及び請求項10のいずれかに記載の発明によれば、上述したようにコイル部材への通電に伴う発熱分が放熱されることから、コイル部材に従来技術に比して大きな電流を流すことができ、その分、モータの推進力が向上するので、前記請求項1から請求項3までのいずれかに記載の発明と同様に、前記(1)〜(7)に記載の効果を奏する。
【0090】
さらに、請求項5、請求項6、請求項9及び請求項10のいずれかに記載の発明によれば、当該電磁サスペンション装置の伸縮動より空気が前記連通路を通過し、これにより、コイル部材への通電に伴う発熱分が放熱されるとともに、センターヨークにおける前記連通路内に放熱用のフィン機構を設けたことにより、前記連通路を通過する空気が接触する面積が大きくなっていることから、フィン機構を通して発熱分が効率よく放熱される。
【0091】
請求項6、請求項9及び請求項10のいずれかに記載の発明によれば、フィン機構は、センターヨークの開口側に対して中央部分においてフィンの高さが高くなるように構成されており、連通路の開口側では中央部分に比して相対的に通路の断面積が大きくなっているので、外気を導入しやすくなり、また、センターヨークの中央部分では連通路の断面積が小さくなるので、空気の流速が速くなり、当該電磁サスペンション装置を効率よく冷却することができる
【0092】
請求項9に記載の発明によれば、連通路の少なくとも一方の開口部には、外気を連通路に案内する導入部材を設けたので、連通路への外気の導入の迅速化及び導入量の増大化が可能となり、ひいては冷却性能の向上を図ることができる。
【0093】
請求項10に記載の発明によれば、連通路の少なくともいずれか一方の開口部または連通路には、外気を導入するためのファン機構を設けたので、ファン機構の作動により、連通路への外気の導入の迅速化及び導入量の増大化が可能となり、ひいては冷却性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態の電磁サスペンション装置の最小ストローク時における状態を示す断面図である。
【図2】図1の装置の最大ストローク時における状態を示す断面図である。
【図3】図1の装置の磁気回路を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図5】本発明の第3実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図6】本発明の第4実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図7】本発明の第5実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図8】本発明の第6実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図9】図8のA−A線に沿う断面図である。
【図10】本発明の第7実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図11】本発明の第8実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図12】図11のA−A矢視に沿う断面図である。
【図13】本発明の第9実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図14】図13のA−A矢視に沿う断面図である。
【図15】本発明の第10実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図16】図15のA−A矢視に沿う断面図である。
【図17】本発明の第11実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図18】図17のA−A矢視に沿う断面図である。
【図19】本発明の第13実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図20】図19のA−A矢視に沿う断面図である。
【図21】図20のフィン機構を示す斜視図である。
【図22】本発明の第14実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図23】図22のA−A矢視に沿う断面図である。
【図24】本発明の第15実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図25】本発明の第16実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図26】本発明の第17実施の形態の電磁サスペンション装置を示す断面図である。
【図27】図26のA−A矢視に沿う断面図である。
【図28】図26の装置に用いられる駆動回路を模式的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1  基準ヨーク
4  外側ヨーク
5  センターヨーク
6  ボビン(可動部材)
11 ドライメタル(シール手段)
13 ボビン本体
16 気密保持パイプ(パイプ部材)
19 電磁ダンパ(電磁サスペンション装置)
20,20A,20B 通路
22 コイル(コイル部材)
23 シール部材(シール手段)
24 永久磁石(磁石部材)
36 シール部材
81,81A,81B,81C,81D フィン機構
89 フィン用パイプ(フィン機構)
95a 第1空気導入部材(導入部材)
95b 第2空気導入部材(導入部材)
99a 第1空気導入板(導入部材)
99b 第2空気導入板(導入部材)

Claims (10)

  1. 円筒状の外側ヨークと、該外側ヨーク内に外側ヨークの一端側からその軸方向に沿って外側ヨークに設けられたセンターヨークと、前記外側ヨークの内側に摺動可能に支持された円筒状の可動部材と、該可動部材及び前記センターヨークのうち何れか一方に設けられた磁石部材と、該磁石部材と対向して設けられ前記可動部材及び前記センターヨークのうち何れか他方に設けられたコイル部材と、を備えた電磁サスペンション装置において、
    前記センターヨーク及び前記可動部材を貫く連通路を設けると共に、前記センターヨークと前記可動部材との間に、前記磁石部材及びコイル部材の配置部分を閉塞するシール手段を設けたことを特徴とする電磁サスペンション装置。
  2. 請求項1に記載の構成において、前記シール手段は、前記可動部材内に可動部材の他端側からその軸方向に沿って可動部材に設けられ、前記センターヨークの内側に摺動可能に支持されたパイプ部材と、該パイプ部材の一端側に設けられ前記センターヨークとの間をシールするシール部材と、を含むことを特徴とする電磁サスペンション装置。
  3. 請求項1に記載の構成において、前記シール手段は、前記センターヨークの他端側に径方向に延びて設けられ、外周部が前記可動部材の内周部に臨むフランジと、該フランジの外周部に設けられ前記可動部材との間をシールするシール部材とを含み、前記フランジは、前記センターヨークの連通孔に連通する孔を有することを特徴とする電磁サスペンション装置。
  4. 円筒状の外側ヨークと、該外側ヨーク内に外側ヨークの一端側からその軸方向に沿って外側ヨークに設けられたパイプ部材と、前記外側ヨーク内に摺動可能に設けられ、一端側が前記パイプ部材に摺動可能に支持されて他端側が前記外側ヨーク外にガイドを介して延出された円筒状の内側ヨークと、該内側ヨーク及び前記外側ヨークのうち何れか一方に設けられた磁石部材と、該磁石部材と対向して設けられ前記内側ヨーク及び前記外側ヨークのうち何れか他方に設けられたコイル部材と、を備えた電磁サスペンション装置において、
    前記内側ヨーク及び前記パイプ部材を貫く連通路を設けると共に、前記内側ヨークと前記パイプ部材との間及び前記内側ヨークと前記ガイドとの間に、前記磁石部材及びコイル部材の配置部分を閉塞するシール手段を設けたことを特徴とする電磁サスペンション装置。
  5. 請求項1又は請求項3に記載の構成において、前記センターヨークにおける前記連通路内に放熱用のフィン機構を設けたことを特徴とする電磁サスペンション装置。
  6. 請求項5に記載の構成において、フィン機構は、センターヨークの開口側に対して中央部分においてフィンの高さが高くなるように構成されていることを特徴とする電磁サスペンション装置。
  7. 請求項2に記載の構成において、前記パイプ部材の内部及び前記内側ヨークの内側における前記パイプ部材との非摺動領域のうち少なくとも一方に、放熱用のフィン機構を設けたことを特徴とする電磁サスペンション装置。
  8. 請求項4に記載の構成において、前記パイプ部材の内部及び前記センターヨークの内側における前記パイプ部材との非摺動領域のうち少なくとも一方に、放熱用のフィン機構を設けたことを特徴とする電磁サスペンション装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれかに記載の構成において、連通路の少なくとも一方の開口部には、外気を連通路に案内する導入部材を設けたことを特徴とする電磁サスペンション装置。
  10. 請求項1から請求項8までのいずれかに記載の構成において、連通路の少なくともいずれか一方の開口部または連通路内には、外気を導入するためのファン機構を設けたことを特徴とする電磁サスペンション装置。
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