JP2004052640A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気浄化器が消音装置内に配置されている排気浄化装置において低い圧力損失と高い排気浄化率とを両立することができる排気浄化装置を提供する。
【解決手段】内燃機関から排出される排気ガスを浄化するための排気浄化器14を具備し、該排気浄化器が排気音を消音するために排気通路に配置された消音装置12内に配置されている排気浄化装置10において、上記消音装置がそこに流入する排気ガスを膨張させるための拡張室20、22、24を有し、排気通路26が二つの分岐通路30、32に分岐しており、これら分岐通路がその下流側でそれぞれ上記消音装置の拡張室に直接連通され、一方の分岐通路30には上記排気浄化器が配置され、他方の分岐通路32にはそこを流れる排気ガスの流量を調整するための流量調整弁34が配置されている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、内燃機関において発生する排気音を消音するための消音装置を排気通路に配置し、この消音装置内に内燃機関から排出される排気ガスを浄化するための排気浄化器を配置した排気浄化装置が知られており、このような排気浄化装置の一例が実開平6−34112号公報に開示されている。このように、排気浄化器を消音装置内に配置することによって、排気浄化装置を含む内燃機関の排気系統全体をコンパクトにすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような排気浄化装置では、一般に、排気ガスを浄化するために排気ガスを排気浄化器に流入させるとこの排気浄化器に起因する圧力損失(以下、圧損と称す)が生じてしまう。このように排気浄化器による圧損が大きくなると排気抵抗が増大し、内燃機関の燃焼室から排気ガスが排出されにくくなってしまう。一方、排気ガスを排気浄化器に流入させなければ、排気浄化器による排気ガスの圧損は生じないが、排気ガスが浄化されず、内燃機関から排出された排気ガス中に含まれる有害な成分が大気中に放出されてしまう。すなわち、排気浄化器による圧損と排気浄化率とは互いに相反する値となっている。そこで、上述したような排気浄化装置においては、排気浄化器による圧損と排気ガスの浄化率とを常に最適なバランスに維持することで、平均的に排気浄化器による圧損が低く且つ排気浄化率が高くなるようにした排気浄化装置が必要とされている。
【0004】
そこで、本発明の目的は、排気浄化器が消音装置内に配置されている排気浄化装置において、低い圧力損失と高い排気浄化率とを両立することができる排気浄化装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明では、内燃機関から排出される排気ガスを浄化するための排気浄化器を具備し、該排気浄化器が排気音を消音するために排気通路に配置された消音装置内に配置されている排気浄化装置において、消音装置が拡張室を有し、排気通路が分岐点において二つの分岐通路に分岐しており、これら分岐通路がその下流側でそれぞれ上記拡張室に連通され、一方の分岐通路には上記排気浄化器が配置され、他方の分岐通路にはそこを流れる排気ガスの流量を調整するための流量調整弁が配置されている。
【0006】
第1の発明によれば、内燃機関から排出された排気ガスは排気浄化器が配置された分岐通路または流量調整弁が配置された分岐通路に流入する。排気浄化器が配置された分岐通路を流れる排気ガスの割合が多くなれば排気ガスの浄化率が高まるが排気浄化器による圧損が大きくなり、流量調整弁が配置された分岐通路を流れる排気ガスの割合が多くなれば排気浄化器による圧損は小さくなるが排気ガスの浄化率が低くなる。そして、流量調整弁によってこの流量調整弁が配置された分岐通路を流れる排気ガスの流量を調整することにより、排気浄化器が配置された分岐通路を流れる排気ガスの流量と流量調整弁が配置された分岐通路とを流れる排気ガスの流量とを調整することができるようになる。
【0007】
第2の発明では、第1の発明において、上記拡張室内に圧力の異なる領域が形成されており、排気浄化器が配置されている分岐通路が連通された領域の圧力は流量調整弁が配置されている分岐通路が連通された領域の圧力以下である。
なお、拡張室内の圧力の異なる領域とは、一つの拡張室内の互いに離れた圧力の異なる領域であってもよいし、拡張室が複数の部分拡張室から成る場合に圧力の異なる二つの部分拡張室であってもよい。さらに、拡張室内の圧力の異なる領域とは、同じ部分拡張室内の圧力の異なる領域であってもよい。
【0008】
第3の発明では、第1または第2の発明において、上記流量調整弁は該流量調整弁に加えられる排気ガスの圧力に応じてその開弁量が変化する動圧弁である。
なお、流量調整弁に加えられる排気ガスの圧力は分岐通路や拡張室内における静的圧力と、排気ガスの流速に比例する動的圧力(運動エネルギ)とを含む。
【0009】
第4の発明では、第1または第2の発明において、上記流量調整弁は内燃機関の運転状態に関するパラメータに応じて開弁量を調整することができるようになっている制御弁である。
なお、内燃機関の運転状態に関するパラメータとは、内燃機関で用いられる作動油の油温、冷却水の水温、内燃機関に吸入される空気の吸気量、内燃機関の回転数、内燃機関に対する負荷等を意味する。また、上記パラメータとは内燃機関がその燃焼形態を成層燃焼と均質燃焼との間で切り替えることができる場合には、内燃機関の燃焼状態等を意味する。
【0010】
第5の発明では、第1または第2の発明において、上記流量調整弁はそれを閉弁するように作用する閉弁力がその開弁量に応じて非線形的に変化する弁であって、その開弁量が大きくなるにつれて閉弁力が低下する弁である。
すなわち、第5の発明によれば、流量調整弁の開弁量が大きくなると、流量調整弁を開弁させるのに必要な力が小さくなる。
【0011】
第6の発明では、第1〜第5のいずれか一つの発明において、上記分岐通路は排気通路内における排気ガスの流れ方向に対して等角度で互いに反対方向に分岐している。
【0012】
第7の発明では、第第6の発明において、上記分岐通路は分岐点の排気下流において互いにほぼ平行に延び、互いにほぼ平行に延びている分岐通路の軸線と分岐点上流の排気通路の軸線との距離はほぼ等しい。
【0013】
第8の発明では、第1〜第7のいずれか一つの発明において、内燃機関の回転数が所定回転数以下である場合には上記流量調整弁が閉じられるようになっている。
【0014】
第9の発明では、第1〜第8のいずれか一つの発明において、上記排気浄化器は流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに排気ガス中のNOを保持すると共に、流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチであり、還元剤の存在下で保持したNOを離脱および還元するNO保持剤を具備する。
【0015】
第10の発明では、第1〜第9のいずれか一つの発明において、上記排気浄化器は排気ガス中の微粒子を捕集し、捕集した微粒子を酸化させることができるパティキュレートフィルタである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1および図3を参照して本発明の排気浄化装置の第一実施形態について説明する。図1には内燃機関(図示せず)の排気通路上に配置された排気浄化装置10を示す。
【0017】
図1に示したように、本発明の排気浄化装置10は内燃機関から発生する排気音を消音するためのほぼ柱状の消音装置(マフラー)12を具備し、この消音装置12内の空間は二つのセパレータ16、18により、中央拡張室20、最終拡張室24の二つの拡張室(部分拡張室)と、共鳴室22とに仕切られている。拡張室20、24は拡張室に流入する排気ガスを拡張させる。上記二つのセパレータ16、18は、消音装置12の軸線方向に対して垂直に且つ互いに平行に配置され、よって各拡張室20、22、24は互いに平行に並列して配置される。また、消音装置1の中央に中央拡張室20が配置され、その両側にそれぞれ第一セパレータ16および第二セパレータ18を介して共鳴室22および最終拡張室24がそれぞれ配置される。
【0018】
さらに、本発明の排気浄化装置10は内燃機関の排気ポート(図示せず)に通じる流入側排気管26(排気通路)を具備し、この流入側排気管26は消音装置12の外に位置する分岐地点28において浄化器側分岐管30と弁側分岐管32との二つの分岐管(分岐通路)に分岐する。これら分岐管30、32は消音装置12の周壁36を貫通すると共に最終拡張室24を縦断し、さらに第二セパレータ18を貫通しており、そして、これら分岐管30、32の末端部は共に中央拡張室20に対して開放されている。すなわち、両分岐管30、32は共に消音装置12の中央拡張室20に直接連通している。
【0019】
また、第一セパレータ16にはこの第一セパレータ16を貫通する二つの連通管38、40が設けられ、これら第一連通管38および第二連通管40により中央拡張室20と共鳴室22との間で排気ガスが移動することができるようになっている。また、第二セパレータ18は、浄化器側分岐管30および弁側分岐管32の他に第三連通管42によって貫通されており、この第三連通管42によって中央拡張室20と最終拡張室24との間で排気ガスが移動することができるようになっている。さらに、排気浄化装置10には最終拡張室24から第二セパレータ18と第一セパレータ16と消音装置12の周壁36とを貫通して消音装置12の外へと延びる流出側排気管44が設けられる。
【0020】
浄化器側分岐管30にはその末端部近傍に内燃機関から排出される排気ガスを浄化するための排気浄化器14が設けられ、一方、弁側分岐管32にはその末端部近傍に弁側分岐管32を流れる排気ガスの流量を調整するための流量調整弁34が設けられる。本発明の第一実施形態においては、排気浄化器14は後述するような浄化メカニズムで排気ガス中の微粒子を捕集し、捕集した微粒子を酸化除去することができるパティキュレートフィルタである。
【0021】
また、本発明の第一実施形態の排気浄化装置10においては、流量調整弁34は弁側分岐管32内の排気ガスの圧力に応じてその開弁量が変化する動圧弁であり、換言すると排気ガスから弁に加えられる力に応じてその開弁量が変化する動圧弁である。より詳細には、動圧弁34の排気上流側における静的圧力(弁側分岐管32内の静的圧力)と動圧弁34の排気下流側における静的圧力(中央拡張室20内の静的圧力)との圧力差と、動圧弁34を通過する排気ガスの流速に応じた動的圧力(運動エネルギ)とを合わせた圧力が所定圧力に到達すると開弁し始め、この圧力が大きくなるにつれて、動圧弁34の開弁量が大きくなる。すなわち、動圧弁34は、動圧弁34に加えられる力が所定の力に達すると開弁し始め、動圧弁34に加えられる力が大きくなるにつれてその開弁量が大きくなる。
【0022】
第一実施形態の排気浄化装置10の構成では、動圧弁34の排気上流側と排気下流側との間の静的圧力の差は、動圧弁34と並列に配置された排気浄化器14による圧損に等しい。一方、動圧弁34に加えられる動的圧力は動圧弁34を通過する排気ガスの流速が速くなると大きくなる。したがって、弁側排気管32に流入する排気ガスの流量が零である場合には、動圧弁34には排気浄化器14による圧損と等しい静的圧力のみが加えられる。一方、弁側排気管32に流入する排気ガスの流量が所定量であってその流速が所定の速度である場合には、動圧弁34には排気浄化器14による圧損と等しい静的圧力に加えて、上記所定の速度に応じた動的圧力が加えられる。
【0023】
したがって、動圧弁34は、この動圧弁34と並列に配置された排気浄化器14による圧損が高くなるにつれて、また、動圧弁34を通過する排気ガスの流量が増大するにつれて開弁量が大きくなり、排気浄化器14による圧損が小さくなるにつれて、また、動圧弁34を通過する排気ガスの流量が減少するにつれて開弁量が小さくなる。
【0024】
特に、このような動圧弁34の特性は排気浄化器14が排気ガス中の微粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタである場合には効果的である。通常、内燃機関にかかる負荷が低く、よって内燃機関が低回転数で運転されている場合、内燃機関から排出される排気ガスの流量が少なく、また、排気ガス中には多くの微粒子が存在する。これに対して本発明の排気浄化装置10では、排気ガスの流量が少なくなると動圧弁34が閉弁されるため、排気ガス中に微粒子が多く存在する場合に排気ガスのほとんどは排気浄化器14を通過するため排気ガスの浄化率が高くなり、排気浄化装置10からは有害物質の少ない排気ガスが排出される。一方、内燃機関にかかる負荷が高く、よって内燃機関が高回転数で運転されている場合、内燃機関から排出される排気ガスの流量は多いが、排気ガス中に存在する微粒子の量は少ない。これに対して、本発明の排気浄化装置10では、排気ガスの流量が多くなると動圧弁34が開弁されて、多くの排気ガスが排気浄化器14を通過しないが、排気ガス中に存在する微粒子の量が少ないため、この場合にも排気浄化装置10からは有害物質の少ない排気ガスが排出される。
【0025】
なお、上記説明において動的圧力が排気ガスの流速に応じて変化するとしているが、上記排気浄化装置では一般に内燃機関から排出された排気ガスの流量と流速は比例するため、動的圧力は排気ガスの流量に応じて変化すると言うこともできる。
【0026】
次に、排気浄化装置10を通過する排気ガスの流れについて説明する。内燃機関から排出された高圧で流速の速い排気ガスは流入側排気管26から分岐地点28に到達する。分岐地点28に到達した排気ガスは動圧弁34の開弁量に応じて弁側分岐管32または排気浄化器14あるいはその両方を通って中央拡張室20に流入する。中央拡張室20に流入した排気ガスは、その体積が膨張せしめられることによってその圧力が低下すると共にその流速も遅くなる。中央拡張室20内の排気ガスは連通路38、40を介して共鳴室22に行き来しながら、第三連通路42を介して最終拡張室24に流入する。この間に、内燃機関において発生する排気音の消音が行われる。最終拡張室24内の排気ガスは流出側排気管44を介して消音装置12の外部、例えば大気中へと排出される。なお、セパレータ16、18と消音装置12の周壁36との間には僅かながら隙間が存在し、このような隙間によっても拡張室20、22、24間で排気ガスが移動している。
【0027】
ところで、消音装置内に排気浄化器を配置した排気浄化装置としては、図2に示したような構成も考えられる。図2に示した排気浄化装置110は、図1に示した排気浄化装置10と同様に、三つの空間、すなわち第一拡張室120、第二拡張室122、第三拡張室124を有する消音装置112を具備する。そして、流入側排気管126が排気浄化器や動圧弁を介することなく直接消音装置112内の第一拡張室120に連通している。また、第一拡張室120と第二拡張室122とを連通する二つの連通管130、132内にそれぞれ排気浄化器114と動圧弁134とが配置される。そして第二拡張室122は連通管138によって第三拡張室124に通じ、第三拡張室124は流出側排気管144に連通されている。また、排気浄化装置110では、内燃機関において発生する排気音の消音のために、流入側排気管126から直接第三拡張室124に排気ガスを流入させることができるような複数のパンチ孔148が流入側排気管126に設けられる。このような排気浄化装置110では、流入側排気管126を流れてきた排気ガスは第一拡張室120に流入するか、または複数のパンチ孔148を介して第三拡張室124に流入する。第一拡張室120に流入した排気ガスは排気浄化器114が配置された連通管130または動圧弁134が配置された連通管132を介して第二拡張室122に流入し、連通管138を通って第三拡張室124に流入する。第三拡張室124内の排気ガスは流出側排気管144を介して消音装置112の外部へと放出される。
【0028】
ところが、このような排気浄化装置110では、流入側排気管126から第一拡張室120に排気ガスが流入した時点で、排気ガスの圧力は低下し、また、排気ガスの流速も大幅に遅くなる。第一拡張室120における排気ガスの圧力が低下することにより、第一拡張室120内の排気ガスの圧力と第二拡張室122内の排気ガスの圧力との間の差が小さくなり、よって動圧弁134の排気上流側と排気下流側との間での圧力差が小さくなってしまう。また、第一拡張室120内に流入する排気ガスの流速が遅くなることにより、動圧弁134を通過する排気ガスの流速に応じた動的圧力も低くなってしまう。このように、動圧弁134の排気上流側と排気下流側との間での圧力差が小さくなってしまうことと、動的圧力が低くなってしまうこととにより動圧弁134に加えられる力が小さくなってしまい、よって動圧弁134が開弁しにくくなってしまう。このため、内燃機関から排出された排気ガスの流量が比較的多く、流入側排気管126に流入する排気ガスの流速が比較的速い場合であっても動圧弁134が開弁されなかったり、開弁量が小さかったりすることがあり、これにより排気浄化装置110全体による圧力損失(以下、圧損と称す)が大きくなってしまう。
【0029】
さらに、このような排気浄化装置110では、内燃機関から発生する排気音の消音効果を高めるために、セパレータ116、118と消音装置112の周壁136との間に形成される隙間146を介して排気ガスの一部が第一拡張室120から第二拡張室122へ、または第一拡張室120から第三拡張室124へと流れるようになっていることが多い。さらに、流入側排気管126に配置された複数のパンチ孔148によって流入側排気管126を流れてきた排気ガスが流入側排気管126から第三拡張室124へと流れることができる。このような排気浄化装置110では、排気浄化器114および動圧弁134に対して並列的に上記隙間146および複数のパンチ孔148が設けられる。
【0030】
したがって、上記構成の排気浄化装置110では、流入側排気管126を流れてきた排気ガスの一部は排気浄化器114または動圧弁134を通過せずに上記隙間146や複数のパンチ孔148を介して流れる。特に、内燃機関から排出される排気ガスの流量が少なく、排気浄化器114の排気上流側と排気下流側との間での圧力差が小さい場合、動圧弁134は閉じており、排気浄化器114による排気抵抗は大きく、それに比べて隙間146や複数のパンチ孔148による排気抵抗は小さいため、ほとんどの排気ガスは排気浄化器114を通らずに上記隙間146や複数のパンチ孔148を通ってしまう。排気浄化装置110では、上述したように第一拡張室120内の排気ガスの圧力と第二拡張室122内の排気ガスの圧力との間の差が小さいため、排気浄化器114の排気上流側と排気下流側との間での圧力差が常に小さく、このため排気ガスは排気浄化器114を通りにくく、よって排気ガスの浄化率が大幅に低下してしまう。
【0031】
これに対して、本発明の排気浄化装置10の構成では、流入側排気管26から流れてきた排気ガスは中央拡張室20に到達する前に、必ず排気浄化器14または動圧弁34を通過する。そして、排気浄化器14および動圧弁34の直ぐ後流に中央拡張室20が配置される。上述したように排気ガスが中央拡張室20に流入してその体積が拡大すると、その圧力は大幅に低下する。したがって、排気浄化器14の排気上流側、すなわち分岐地点28とその排気下流側、すなわち中央拡張室20との間では大きな圧力差が生じる。同様に、動圧弁34の排気上流側と排気下流側との間にも大きな圧力差が生じる。さらに、動圧弁34を通過する時点では排気ガスは中央拡張室20に流入する前であるため、動圧弁34を通過する排気ガスの流速は低下しておらず、よって弁側分岐管32を通過する排気ガスの流速に応じた動的圧力も高いままである。このように本発明の排気浄化装置10によれば、動圧弁34の排気上流側と排気下流側との間には大きな圧力差が生じ、且つ弁側分岐管32に加えられる動的圧力が高いままであるため、動圧弁34には大きな力が加えられる。よって、内燃機関から排出された排気ガスの流量が比較的多く、よって流入側排気管26に流入する排気ガスの流速が比較的速い場合に、その流量または流速に応じて確実に動圧弁34が開弁され、これにより排気浄化装置10全体による圧損が小さくなる。
【0032】
さらに、本発明の排気浄化装置10の構成では、排気浄化器14および動圧弁34はセパレータ16、18と消音装置12の周壁36との間に形成される隙間46とは並列的に配置されていない。さらに、二つの分岐管30、32には上述したような複数のパンチ孔が設けられていない。このため、流入側排気管26に流入する排気ガスは排気浄化器14が配置された浄化器側分岐管30および動圧弁34が配置された弁側分岐管32のうちいずれか一方を必ず通過する。すなわち、内燃機関から排出される排気ガスの流量が多いため動圧弁34を開くことによって意図的に排気ガスが排気浄化器14を通らないようにする場合を除いて、本発明の排気浄化装置10に流入した排気ガスは全て排気浄化器14を通過するため、排気ガスの浄化率は常に高い値に維持される。
【0033】
ところで、本発明の第一実施形態の排気浄化装置10では、排気浄化器14が配置された浄化器側分岐管30の末端部と弁側分岐管32の末端部とは同一の中央拡張室20に連結されている。より詳細には、これら分岐管30の末端部は中央拡張室20のほぼ同一の領域に連結される。すなわち、浄化器側分岐管30が連通された領域の排気ガスの圧力は弁側分岐管32が連通された領域の排気ガスの圧力とほぼ同一である。このように、浄化器側分岐管30と弁側分岐管32とをほぼ同一の圧力下にある拡張室20、22、24に連通することにより、内燃機関の排気音の消音効果を高めることができる。
【0034】
ところで、流入側排気管から浄化器側分岐管と弁側分岐管とを分岐させる場合、図3(A)および図3(B)に示したように、流入側排気管62と浄化器側分岐管66とを同一直線状に配置し、分岐地点64から流入側排気管62および浄化器側分岐管66に対して所定の角度で弁側分岐管68を分岐させた構成が考えられる。特に、図3(A)に示した場合では、弁側分岐管68は流入側排気管62に対してほぼ垂直に分岐(以下、垂直分岐と称す)しており、図3(B)に示した場合では、弁側分岐管68は流入側排気管62に対して約45°の角度で分岐(以下、45°分岐と称す)している。
【0035】
このように流入側排気管62および各分岐管66、68を配置した場合、流入側排気管62を通って分岐地点64に到達した排気ガスは浄化器側分岐管66には流入しやすいが、弁側分岐管68には流入しにくい。換言すると、浄化器側分岐管66は分岐管の形状に起因する排気抵抗が小さく、一方、弁側分岐管68は分岐管の形状に起因する排気抵抗が大きい。このように弁側排気管68には排気ガスが流入しにくいことにより、例えば排気浄化器14による排気抵抗と動圧弁34による排気抵抗とが等しい場合、流入側排気管62を通って分岐地点64に到達した排気ガスのうち弁側排気管68に流入する排気ガスの流量は浄化器側排気管62に流入する排気ガスの流量よりも少ない。すなわち、図3(A)および図3(B)に示した構成にすると、弁側排気管68に流入する排気ガスの流量は平均的に少なくなり、同時にその排気ガスの流速は平均的に遅くなる。
【0036】
ところが、図3(A)および図3(B)に示した構成の流入側排気管62と分岐管66、68とに第一実施形態の動圧弁34を設けた場合、弁側排気管68に流入する排気ガスの流量が平均的に少ないことにより、動圧弁34に加わる動的圧力は平均的に小さくなる。したがって、動圧弁34には排気浄化器14による圧損に等しい静的圧力による力、またはその力よりも僅かながら大きい力が加わる程度である。換言すると、ほとんど排気浄化器14による圧損のみによって動圧弁34の開閉が制御される。
【0037】
このように、図3(A)または図3(B)の構成の排気浄化装置では、排気浄化器14による圧損の大きさに応じて動圧弁34の開弁量が定まる。逆に言うと、動圧弁34は排気浄化器14による圧損が大きくならないと開弁量が大きくならず、結果的に排気浄化装置全体による圧損を大きく低減させることができない。
【0038】
これに対して、図1および図3(C)に示した本発明の第一実施形態の排気浄化装置10では、分岐管30、32は、流入側排気管26内の排気ガスの流れ方向に対して等角度で互いに反対方向に分岐(以下、等分岐と称す)しており、また、分岐点の排気下流において互いにほぼ平行に延び、互いにほぼ平行に延びている分岐管30、32の部分の軸線と流入側排気管26の軸線48との距離はほぼ等しい。さらに、これら分岐管30、32における排気ガスの流れ方向に垂直な断面の断面積はほぼ等しい。言い換えると、分岐管30、32の流断面の断面積はほぼ等しい。特に、図3(C)に示した第一実施形態では、分岐地点28近傍における各分岐管30、32の形状は、流入側排気管26の軸線48に対して対称となっており、各分岐管30、32の形状に起因する排気抵抗は等しい。よって、各分岐管30、32に配置された排気浄化器14および動圧弁34による排気抵抗が同一である場合には、浄化器側分岐管30に流入する排気ガスの流量と弁側排気管32に流入する排気ガスの流量は等しい。したがって、図3(A)および図3(B)に示した構成と比較すると、弁側排気管32に流入する排気ガスの流量は平均的に多く、同時にその排気ガスの流速も平均的に速い。なお、図3(C)には各分岐管30、32がそれぞれ流入側排気管26内の排気ガスの流れ方向に対して垂直に分岐している例を示したが、45度で分岐する等、ほぼ零度からほぼ90度までの如何なる角度で分岐してもよい。
【0039】
このため、図3(A)および図3(B)に示した構成と比較すると、弁側排気管32に流入する排気ガスの流速が平均的に速いことにより、動圧弁34に加えられる動的圧力も大きい。よって、動圧弁34には、排気浄化器14による圧損に等しい静的圧力に起因する力に加えて、比較的大きな動的圧力が加えられる。これにより、動圧弁34の開閉は、排気浄化器14による圧損だけではなく、内燃機関から排出される排気ガスの流量によっても制御されるようになる。すなわち、動圧弁34の開弁量は、排気ガスの流量が多くなるにつれて且つ排気浄化器14による圧損が大きくなるにつれて大きくなり、逆に、排気ガスの流量が少なくなるにつれて且つ排気浄化器14による圧損が小さくなるにつれて小さくなる。これにより、動圧弁34は排気浄化器14による圧損が大きくならなくても排気ガスの流量によってその開弁量が大きくなり、動圧弁34の開弁量を大きくすることができるようになることで、排気浄化装置10全体による圧損を常に低い値に維持することができる。
【0040】
次に、本発明の第二実施形態について説明する。上記第一実施形態では流量調整弁34が動圧弁であったのに対して、本発明の第二実施形態では流量調整弁34は電子制御弁であり、この電子制御弁34は電子制御ユニット(図示せず)に接続されており、電子制御弁34の開弁量はこの電子制御ユニットから送信される信号によって決定される。また、電子制御ユニットは内燃機関に流入する吸気量を検出するためのエアフロメータ、内燃機関の回転数を検出するためのクランク角度センサ、内燃機関に対する負荷を検出するためのスロットルポジジョンセンサ、カムの位相を検出するための位相センサ等の様々な検出装置にも接続されており、これら様々な検出装置からの信号に基づいて電子制御弁34の開弁量が決定される。
【0041】
電子制御弁34の開弁量は内燃機関の運転状態に関するパラメータ(油温、水温、吸気量、機関回転数、機関負荷、内燃機関の燃焼状態等)に応じて調整される。特に、上述した第一実施形態における動圧弁と同様に、内燃機関から排出された排気ガスの流量が多くなるほど電子制御弁36の開弁量を大きくし、内燃機関から排出された排気ガスの流量が少なくなるほど電子制御弁36の開弁量を小さくしている。また、例えば、内燃機関の冷間始動時、すなわち内燃機関の暖機中において電子制御弁34は閉弁されるか、またはその開弁量が小さくされる。これにより内燃機関の暖機中には排気ガスは全て排気浄化器14に流入する。これにより、排気浄化器14が一定温度以上にまで昇温することでその機能を発揮する場合に、迅速に排気浄化器14を昇温することができ、よって排気ガスの浄化性能を迅速に高めることができる。
【0042】
さらに、機関運転状態に応じて内燃機関の燃焼形態を、点火プラグ近傍のみに燃料を偏在させた状態で燃料を燃焼させる燃焼形態である成層燃焼と、燃焼室全体に燃料を分散させた状態で燃料を燃焼させる燃焼形態である均質燃焼との間で切り替えることができる場合、内燃機関において成層燃焼が行われているときには電子制御弁34は閉弁される。一般に、内燃機関において成層燃焼が行われている場合には内燃機関から排出される排気ガス中に含まれる微粒子の量が増大するため、成層燃焼中に電子制御弁34を閉弁して排気ガスを全て排気浄化器14に流入させることができる。換言すると、本発明の第一実施形態では内燃機関から排出されたときの排気ガス中に、または本発明の排気浄化装置10に流入するときの排気ガス中に大気汚染物質が多く含まれる場合には、排気ガスが排気浄化器14に流入するように電子制御弁34が閉弁されるか、またはその開弁量が小さくされる。
【0043】
次に、図4〜図6を参照して本発明の第三実施形態について説明する。上記第一実施形態では流量調整弁34が動圧弁であったのに対して、本発明の第三実施形態では流量調整弁34は非線形弁である。
【0044】
第三実施形態における非線形弁34について説明する。非線形弁34では、この非線形弁を閉弁するように作用する閉弁力が非線形弁34の開弁量に応じて非線形的に変化する。より詳細には、非線形弁34はその開弁量の範囲によっては、その開弁量が大きくなるにつれて閉弁力が低下する弁である。換言すると、非線形弁34はその開弁量が大きくなるにつれて、非線形弁34の開弁量を大きくするのに必要とされる力が小さくなっていく。この様子を図4に示す。
【0045】
図4は横軸が弁に加わる荷重を示し、縦軸が弁の開弁量を示す。実線は本発明の非線形弁における荷重に対する開弁量を示し、破線は一般的なポペット弁における荷重に対する開弁量を示す。図4の破線から分かるように、一般的なポペット弁では弁に加わる荷重が増加するにつれてその開弁量が増大していく。一方、図4の実線から分かるように、本発明の非線形弁では或る一定の荷重が弁に加わるまでその開弁量は小さいが、一旦一定の荷重が加わるとそこから開弁量が大きくなるにつれてその開弁量を大きくするのに必要な荷重が小さくなっていく。これにより、内燃機関から排出される排気ガスの流量が多いときに、非線形弁34の開弁量を大きくして、排気浄化装置10全体の圧損を小さくすることができる。
【0046】
このような非線形弁の一例を図5に示す。図5(A)〜(C)に示したように、非線形弁34は弁側分岐管32の出口70を閉鎖したり開放したりすることができるように出口70に隣接して配置された弁本体72を具備し、この弁本体72は、出口70付近において弁側分岐管32に固定された支持部材74に連結され、弁側分岐管32の出口70を閉鎖する閉鎖位置と出口70を開放する開放位置との間で連続的に揺動することができる。また、弁本体72は支持部材74との連結部とは径方向反対側に延長部材76を有する。延長部材76の一方の端部は弁本体72に固定され、他方の端部にはバネ78を支承するための支承部が設けられる。一方、支持部材72にもバネ78を支承するための支承部が設けられ、バネ78はこれら二つの支承部を互いに離れる方向に付勢する。
【0047】
図5(B)および(C)に示したように、バネ78の付勢力は、弁側分岐管32の出口70の面と平行な方向の分力Fと、弁側分岐管32の出口70の面に対して垂直な方向の分力Fとに分解することができ、このうち分力Fは弁本体72を閉鎖位置に付勢する力、すなわち閉弁力となる。ここで、弁本体72が閉鎖位置にある図5(B)と弁本体72が開放位置にある図5(C)とから分かるように、分力Fは弁本体72が閉鎖位置にあるときよりも弁本体72が開放位置にあるときの方が小さい。このことから、図5に示した非線形弁34は開弁量が大きくなるほど閉弁力が小さくなることが分かる。
なお、図5には弁側分岐管32の出口周辺に配置された非線形弁34を示したが、非線形弁34は弁側分岐管32内に配置されるような構成であってもよい。
【0048】
また、本発明の第三実施形態では、図1および図3(C)に示したように、上記分岐管30、32は各分岐管30、32に対する流抵抗が同じ場合に等しい流量の排気ガスが流入するように流入側排気管32から分岐している。各分岐管30、32をこのように分岐させ、且つ一方の分岐管32に非線形弁34を設けることにより、より効果的に排気浄化装置10全体に起因する圧損を低減することができる。その様子を図6に示す。
【0049】
図6の横軸は上流側排気管26、62から分岐地点28、64に流入する排気ガスの流量を示し、縦軸は分岐地点28、64における排気ガスの圧力を示す。また、図6において、破線aは分岐管が図3(A)に示したように垂直分岐として構成されている場合、一点鎖線bは分岐管が図3(B)に示したように45°分岐として構成されている場合をそれぞれ示し、また、実線cは分岐管が本発明の第三実施形態に基づいて図3(C)に示したように等分岐として構成されている場合を示す。
【0050】
図6から分かるように、排気ガスの流量が少ない間は、垂直分岐a、45°分岐b、等分岐cの場合共に同様に排気ガスの圧力が上昇していく。ところが、そこから排気ガスの流量が増大するにつれて、垂直分岐a、45°分岐bの場合には排気ガスの圧力が益々上昇していくのに対して、等分岐cの場合には排気ガスの圧力が減少し、ほぼ一定値のまま推移する。これは、垂直分岐a、45°分岐bの場合には排気ガスの流量が増大するにつれて排気浄化装置全体に起因する圧損が大きくなっていることを示し、一方、等分岐cの場合には排気ガスの流量が増大するにつれて排気浄化装置10全体に起因する圧損が大きくならないことを意味する。特に、図6から、流量調整弁を非線形弁34にした場合には、分岐管の構成が異なると顕著に排気浄化装置全体に起因する圧損が変わることが分かる。
【0051】
次に、図7を参照して本発明の第四実施形態について説明する。第一実施形態の排気浄化装置10では、流量調整弁34が閉弁されていると消音効果が高い。これは、内燃機関で発生する排気音が両分岐管30、32を伝わるときに一方で排気音が流量調整弁34で遮断され且つ他方では排気浄化器14の存在により排気音が消音さるので高い消音効果を得ることができること、および中央拡張室20への排気ガスの流入経路が一つであるので各拡張室20、22、24において大きな圧力変化が生じず、よって消音装置12により高い消音効果が得られることによる。ところが、流量調整弁34が開弁されている場合には消音効果は低い。これは、内燃機関で発生する排気音が両分岐管30、32を伝わるときに流量調整弁34で遮断されないので高い消音効果を得ることができないこと、および中央拡張室20への排気ガスの流入経路が二つであるので各拡張室20、22、24において大きな圧力変化が生じてしまい、消音装置12内での共鳴のずれ等が起こり、消音装置12内で高い消音効果を得られないことによる。
【0052】
ところで、内燃機関から排出される排気ガスの流量が少ないときから流量調整弁34が開弁するように流量調整弁34を設定した場合、内燃機関の回転数が低いとき、すなわち内燃機関から排出される排気ガスの流量が少ないときから内燃機関において発生する排気音の消音効果は低くなってしまう。
【0053】
これに対して本発明の第四実施形態では、内燃機関の回転数が所定回転数以下である場合には上記流量調整弁34が閉じられるようになっている。より詳細には、流量調整弁34が電子制御弁である場合には、内燃機関の回転数が所定回転数以下であるときには電子制御弁を閉じるようにする。流量調整弁34が動圧弁である場合や非線形弁である場合、流量調整弁34の開弁が開始されるときの流量調整弁34に加わる力である開弁開始力を、内燃機関の回転数が所定回転数以上である場合に流量調整弁34に加わる力と同一に設定する。
【0054】
こうすることにより、内燃機関の回転数が低いときに内燃機関において発生する排気音の消音効果を高いものにするこができるようになる。この例を図7に示す。なお、図7では横軸が内燃機関の回転数を示し、縦軸が第一実施形態の消音装置が設けられた場合における排気音の音圧レベルを示す。図7中の破線は内燃機関の回転数が低いときから流量調整弁34が開弁される場合の音圧レベルを示しており、実線は内燃機関の回転数が所定回転数以下である場合には流量調整弁が閉弁される場合の音圧レベルを示している。なお、図7の例では所定回転数は約2000回転に設定されている。
【0055】
図7から分かるように、内燃機関の回転数が1000回転〜2000回転のとき(ロックアップこもり音域)の音圧レベルは流量調整弁の開閉によって異なる。すなわち、このロックアップこもり音域では、流量調整弁34を閉弁することによって消音効果が高まっている。
【0056】
次に、図8を参照して本発明の第五実施形態の排気浄化装置10について説明する。第五実施形態の排気浄化装置10では、消音装置72は第一実施形態と同様に三つの空間、すなわち第一拡張室74、第二拡張室76、第三拡張室78に仕切られており、第二拡張室76が第一拡張室74と第三拡張室78との間に配置される。第五実施形態では、内燃機関の排気ポートに通じる流入側排気管80が分岐地点82において浄化器側分岐管84と弁側分岐管86との二つの分岐管に分岐し、弁側分岐管86は第一拡張室74に連通され、一方、浄化器側分岐管84は第二拡張室76に連通される。また、第一拡張室74と第二拡張室76とは第一連通管88を介して互いに通じており、第二拡張室76と第三拡張室78とは連通管90、92を介して互いに通じている。さらに、第三拡張室78は流出側排気管94を介して消音装置72の外部と通じている。また、第一実施形態と同様に浄化器側分岐管84と弁側分岐管86とにはそれぞれ排気浄化器14と流量調整弁34とが設けられる。
【0057】
図8に示したような排気浄化装置10では、流入側排気管80から流入した排気ガスは、弁側分岐管86を通った場合、第一拡張室74、第二拡張室76、第三拡張室78の順に通過して流出側排気管94へと排出される。一方、浄化器側分岐管84を通った場合には、流入側排気管80から流入した排気ガスは、第二拡張室76、第三拡張室78の順に通過して流出側排気管94へと排出される。したがって、各拡張室内74、76、78の圧力は第一拡張室74、第二拡張室76、第三拡張室78の順に高い。このため、第二拡張室76に通じる浄化器側分岐管84は第一拡張室74に通じる弁側分岐管86よりも出口における圧力が低い。したがって、第五実施形態の排気浄化装置によれば、浄化器側分岐管84内に配置された排気浄化器14には排気ガスが通りやすい。
【0058】
最後に、本発明の排気浄化器14による排気ガスの浄化メカニズム、特に排気ガス中の微粒子除去作用について説明する。図9においては、貴金属触媒として白金(Pt)を利用し、活性酸素生成剤としてカリウム(K)を利用した場合を例にとって説明するが、他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、遷移金属を用いても同様な微粒子除去作用が行われる。
【0059】
図9(A)および(B)はフィルタ14の隔壁の表面上および隔壁の細孔表面上に形成された担体層の表面の拡大図を模式的に表している。図9(A)および(B)において100は白金の粒子を示しており、102はカリウム等の活性酸素生成剤を含む担体層を示している。
【0060】
まず、吸気通路および燃焼室内に供給された空気と燃料との比を排気ガスの空燃比と称すると、フィルタ14に流入する排気ガスの空燃比はリーンである場合、燃焼室では、NO、特にNOおよびNOが発生するので、排気ガス中にはNOが含まれている。このように、フィルタ22には過剰酸素、および、NOを含んだ排気ガスが流入する。
【0061】
排気ガスがフィルタ14に流入すると、図9に示したように排気ガス中の酸素はO またはO2−の形で白金の表面に付着する。一方、排気ガス中のNOは白金の表面上でO またはO2−と反応し、NOとなる(2NO+O→2NO)。次いで生成されたNOおよび排気ガス中のNOの一部は白金上で酸化されつつ活性酸素生成剤102に吸収され、Kと結合しながら図9に示したように硝酸イオン(NO )の形で活性酸素生成剤102内に拡散し、硝酸塩(KNO)を生成する。すなわち、排気ガス中の酸素が硝酸イオンの形で活性酸素生成剤に保持される。
【0062】
ところで、燃焼室内では主にカーボン(C)からなる微粒子が生成される。したがって、排気ガス中にはこれら微粒子が含まれる。排気ガス中の微粒子は、排気ガスがフィルタ14内を流れているときに、図9(B)に示したように、活性酸素生成剤102の表面上に接触し、付着する。
【0063】
活性酸素生成剤102上に微粒子104が付着すると、活性酸素生成剤102の表面とその内部との間に濃度差が生じる。活性酸素生成剤102内には硝酸イオンの形で酸素が吸蔵されており、この吸蔵されている酸素が微粒子104と活性酸素生成剤102との接触面に向けて移動しようとする。その結果、活性酸素生成剤104内に形成されている硝酸塩(KNO)がKとOとNOとに分解され、Oが活性酸素生成剤102の表面に向かい、その一方でNOが活性酸素生成剤102から外部に離脱せしめられる。このように外部に離脱せしめられたNOは上述したメカニズムで下流側の白金上において酸化され、再び活性酸素生成剤102内に硝酸イオンの形で保持される。
【0064】
ところで微粒子104と活性酸素生成剤102との接触面に向かうOは硝酸塩(KNO)のような化合物から分解された酸素であるので、不対電子を有し、極めて高い反応性を有する活性酸素となっている。これら活性酸素が微粒子104に接触すると微粒子104は短時間(数秒〜数十分)のうちに輝炎を発することなく酸化せしめられ、微粒子104は完全に消滅する。したがって、このようにして微粒子104が酸化・除去され、微粒子104がフィルタ14上に堆積することはほとんどない。
【0065】
なお、排気浄化器14は、上記活性酸素生成剤102と同様に作用して、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに排気ガス中のNOを保持すると共に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチであって且つ還元剤が存在しているときに保持しているNOを離脱および還元するNOx保持剤を具備してもよい。この場合、NOの保持および離脱は、上記フィルタ14におけるNOの保持および離脱と同様に行われる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、排気浄化器が消音装置内に配置されている排気浄化装置において、排気浄化器と上記他方の分岐通路とを流れる排気ガスの流量を調整することができることにより、それぞれの流路に流れる排気ガスの流量を排気ガスの圧力損失と排気ガスの浄化能力とのバランスがとれるような流量にすることができ、よって低い圧力損失と高い排気浄化率とが両立される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の排気浄化装置を示す図である。
【図2】本発明とは別の排気浄化装置を示す図である。
【図3】様々な分岐構造を示す図である。
【図4】本発明の第三実施形態における非線形弁の開弁特性を示す図である。
【図5】本発明の第三実施形態における非線形弁の構造を示す図である。
【図6】様々な分岐構造における排気ガスの流量に対する圧力の推移を示す図である。
【図7】内燃機関の回転数に対する音圧レベルを示す図である。
【図8】本発明の第五実施形態の排気浄化装置を示す図である。
【図9】微粒子除去作用の説明に関する図である。
【符号の説明】
10…排気浄化装置
12…消音装置
14…排気浄化器
20…中央拡張室
22…共鳴室
24…最終拡張室
30…浄化器側分岐管
32…弁側分岐管
34…流量調整弁

Claims (10)

  1. 内燃機関から排出される排気ガスを浄化するための排気浄化器を具備し、該排気浄化器が排気音を消音するために排気通路に配置された消音装置内に配置されている排気浄化装置において、
    上記消音装置が拡張室を有し、排気通路が分岐点において二つの分岐通路に分岐しており、これら分岐通路がその下流側でそれぞれ上記拡張室に連通され、一方の分岐通路には上記排気浄化器が配置され、他方の分岐通路にはそこを流れる排気ガスの流量を調整するための流量調整弁が配置されている排気浄化装置。
  2. 上記拡張室内に圧力の異なる領域が形成されており、排気浄化器が配置されている分岐通路が連通された領域の圧力は流量調整弁が配置されている分岐通路が連通された領域の圧力以下である請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 上記流量調整弁は該流量調整弁に加えられる排気ガスの圧力に応じてその開弁量が変化する動圧弁である請求項1または2に記載の排気浄化装置。
  4. 上記流量調整弁は内燃機関の運転状態に関するパラメータに応じて開弁量を調整することができるようになっている制御弁である請求項1または2に記載の排気浄化装置。
  5. 上記流量調整弁はそれを閉弁するように作用する閉弁力がその開弁量に応じて非線形的に変化する弁であって、その開弁量が大きくなるにつれて閉弁力が低下する弁である請求項1または2に記載の排気浄化装置。
  6. 上記分岐通路は排気通路内における排気ガスの流れ方向に対して等角度で互いに反対方向に分岐している請求項1〜5のいずれか一つに記載の排気浄化装置。
  7. 上記分岐通路は分岐点の排気下流において互いにほぼ平行に延び、互いにほぼ平行に延びている分岐通路の軸線と分岐点上流の排気通路の軸線との距離はほぼ等しい請求項6に記載の排気浄化装置。
  8. 内燃機関の回転数が所定回転数以下である場合には上記流量調整弁が閉じられるようになっている請求項1〜7のいずれか一つに記載の排気浄化装置。
  9. 上記排気浄化器は流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに排気ガス中のNOを保持すると共に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチであり、還元剤の存在下で保持したNOを離脱および還元するNO保持剤を具備する請求項1〜8のいずれか一つに記載の排気浄化装置。
  10. 上記排気浄化器は排気ガス中の微粒子を捕集し、捕集した微粒子を酸化させることができるパティキュレートフィルタである請求項1〜9のいずれか一つに記載の排気浄化装置。
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