JP2004052637A - ロッカアーム - Google Patents
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Abstract
【課題】バルブステム部と支承部との間に積極的に潤滑油を供給することができるロッカアームを提供すること。
【解決手段】ロッカアーム1は,底部101と一対の側壁102とよりなる断面U字形状を,長手方向の一端から他端に向けて連続して有している。また,ロッカアーム1は,中央部分103の側壁102にはローラ21の主軸211を取り付ける一対の軸穴121を設けた軸受部12を,一端にはバルブ3のバルブステム部31を支承する支承部11を,他端には揺動の中心となるピボット4に取り付けられる取付部13を設けてなる。中央部分103の底部101には潤滑油溜り14が設けられており,潤滑油溜り14にはバルブステム部31と支承部11との間に潤滑油5を供給する油穴141が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】ロッカアーム1は,底部101と一対の側壁102とよりなる断面U字形状を,長手方向の一端から他端に向けて連続して有している。また,ロッカアーム1は,中央部分103の側壁102にはローラ21の主軸211を取り付ける一対の軸穴121を設けた軸受部12を,一端にはバルブ3のバルブステム部31を支承する支承部11を,他端には揺動の中心となるピボット4に取り付けられる取付部13を設けてなる。中央部分103の底部101には潤滑油溜り14が設けられており,潤滑油溜り14にはバルブステム部31と支承部11との間に潤滑油5を供給する油穴141が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は,エンジンにおけるバルブを開閉させるための駆動力を伝達するロッカアームに関する。
【0002】
【従来技術】
従来より,図5に示すごとく,ロッカアーム9は,エンジン6におけるバルブ3を開閉させるための駆動力を伝達する部品として用いられている。
上記ロッカアーム9は,中央部分903の一対の側壁902には,ローラ21の主軸211を取り付ける一対の軸穴921を設けた軸受部92を,中央部分903の底部901には上記ローラ21との干渉を避けるための開口部94を有している。また,ロッカアーム9は,長手方向の一端にはバルブ3のバルブステム部31を支承する支承部91を,他端にはバルブ3を開閉させる揺動の中心となるピボット4に取り付けられる取付部93を有している。
【0003】
そして,ロッカアーム9は,カム22の回転に伴って上記ローラ21が従動回転すると共に,上記ピボット4を揺動の中心にしてバルブ3を開閉させる。このとき,ピボット4と取付部93との間,及びバルブステム部31と支承部91との間はそれぞれ摺動を行う。
ここで,例えば,上記ピボット4と取付部93との間に対しては,ピボット4の内部に潤滑油5が通る油通路41を形成し,該油通路41より潤滑油5を供給することができる。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記バルブステム部31と支承部91との間には,上記ピボット4と取付部93との間のように,積極的に潤滑油5を供給することが困難である。すなわち,このバルブステム部31と支承部91との間には,ロッカアーム9の周辺で飛散した潤滑油5が辛うじて供給されるのみで,充分な潤滑油5の供給を行うことができない。そのため,上記バルブステム部31と支承部91との間には,摩耗や焼付き等が発生するおそれがある。
【0005】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,バルブステム部と支承部との間に積極的に潤滑油を供給することができるロッカアームを提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】
本発明は,底部と一対の側壁とよりなる断面U字形状を有し,中央部分の上記側壁にはローラの主軸を取り付ける一対の軸穴を設けた軸受部を,一端にはバルブのバルブステム部を支承する支承部を,他端には揺動の中心となるピボットに取り付けられる取付部を設けてなるロッカアームにおいて,
該ロッカアームは,上記一端から上記他端に向けて上記断面U字形状が連続した構造を有していると共に,上記中央部分の上記底部には,潤滑油を保持する潤滑油溜りが設けられており,
かつ,該潤滑油溜りには,上記バルブステム部と上記支承部との間に上記潤滑油を供給する油穴が設けられていることを特徴とするロッカアームにある(請求項1)。
【0007】
本発明におけるロッカアームは,長手方向の一端から他端に向けて,断面U字形状が連続した構造を有している。また,ロッカアームは,上記中央部分の底部に,潤滑油を保持する潤滑油溜りを有しており,この潤滑油溜りには上記油穴を有している。
そして,ロッカアームをエンジンに取り付けて使用する際には,カムの回転に伴ってローラが従動回転すると共に,このロッカアームがピボットを揺動の中心にして揺動し,バルブを開閉させる。
【0008】
このとき,ロッカアームの揺動に合わせて,潤滑油が上記油穴より上記バルブステム部と支承部との間に流れ出し,積極的にこれらの間に潤滑油を供給することができる。そのため,上記バルブステム部と支承部との間に,摩耗や焼付き等が発生することを抑制することができ,ロッカアームは滑らかに揺動することができる。それ故,ロッカアームの耐久性が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記潤滑油溜りは,上記一端から他端に向けて円弧状に形成された凹部であることが好ましい(請求項2)。
この場合,円形状を有するローラに上記潤滑油溜りの形状が沿っているため,ロッカアームの上記軸穴の位置を上記底部からあまり遠ざけることなく,ローラとロッカアームとの干渉を避けることができる。
【0010】
また,上記ロッカアームには,上記潤滑油を上記潤滑油溜りへ導入する油導入穴が設けてあることが好ましい(請求項3)。
この場合,例えば,上記潤滑油溜りにおける潤滑油が少なくなったときでも,上記油導入穴よりこの潤滑油溜りに容易に潤滑油を供給することができる。
また,上記ピボットには,該ピボットと上記取付部との間に潤滑油を供給する油通路が設けてあることができる。そして,この場合には,上記油導入穴は上記取付部に設けて,上記ピボットと取付部との間を介して上記潤滑油溜りに供給することもできる。
【0011】
また,上記潤滑油溜りは,該潤滑油溜りに保持した潤滑油が上記軸受部に取り付けたローラに接触するよう構成してあることが好ましい(請求項4)。
この場合,上記ローラの表面に潤滑油を付着させることができる。そのため,上記ロッカアームをエンジンに組み付けた際には,ローラと該ローラを従動回転させるカムとの間に潤滑油を供給することができる。そのため,これらの間に摩耗や焼付き等が発生することを抑制することができる。
また,上記潤滑油は,ローラ内部のベアリングにも接触していることが好ましい。この場合,ローラ内部にも潤滑油を供給することができ,ローラの耐久性を向上させることができる。
【0012】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例につき説明する。
図1に示すごとく,本例におけるロッカアーム1は,底部101と一対の側壁102とよりなる断面U字形状を,長手方向の一端から他端に向けて連続して有している(図3参照)。また,ロッカアーム1は,中央部分103の上記側壁102にはローラ21の主軸211を取り付ける一対の軸穴121を設けた軸受部12を,一端にはバルブ3のバルブステム部31を支承する支承部11を,他端には揺動の中心となるピボット4に取り付けられる取付部13を設けてなる。
【0013】
また,上記中央部分103の上記底部101には,潤滑油5を保持するための潤滑油溜り14が設けられている。また,この潤滑油溜り14には,上記バルブステム部31の先端面311と上記支承部11の支承面111との間に上記潤滑油5を供給する油穴141が設けられている。
【0014】
以下に,これを詳説する。
図3,図4(a)〜(c)に示すごとく,上記ロッカアーム1は,上記支承部11は一端の底部101に形成されており,上記取付部13は他端の底部101に形成されている。そして,上記潤滑油溜り14は,支承部11及び取付部13を繋ぎ合わせて形成されている。この潤滑油溜り14は,上記一端から他端に向けた円弧状の形状に凹部として形成されており,底部101,一対の側壁102,支承部11及び取付部13によって囲まれて形成されている。
また,上記潤滑油溜り14は,ロッカアーム1にローラ21を取り付けた際に,このローラ21との干渉を避けるように形成されている。
【0015】
また,図1に示すごとく,上記ピボット4には,上記取付部13との間に潤滑油5を供給する油通路41が設けてある。また,取付部13には,潤滑油5を上記潤滑油溜り14へ導入する油導入穴131が設けてある。そして,上記油通路41よりピボット4と取付部13との間に供給された潤滑油5は,上記油導入穴131より上記潤滑油溜り14に溢れ出すことにより,潤滑油溜り14に導入されることができる。
なお,上記とは逆に,上記潤滑油溜り14に保持された潤滑油5を,上記油導入穴131を介してピボット4と取付部13との間に供給することも可能である。
【0016】
また,上記潤滑油溜り14に保持した潤滑油5は,上記軸受部12に取り付けたローラ21に接触している。また,潤滑油5は,ローラ21の内部のベアリング212にも接触している。
【0017】
図1に示すごとく,エンジン6において混合ガス等の吸気及び/又は排気を行うバルブ3は,カム22の回転による駆動力をロッカアーム1により伝達されて,開閉される。
図2に示すごとく,カム22が回転すると,ロッカアーム1に取り付けられたローラ21が従動回転すると共に,カム22がロッカアーム1を押し下げる。このとき,ロッカアーム1は,ピボット4の揺動中心部42を中心にして揺動し,支承部11の支承面111が,該支承面111に当接するバルブ3のバルブステム部31の先端面311を押し下げて,バルブ3を開にする。
【0018】
上記ローラ21が回転するときには,上記潤滑油溜り14に保持された潤滑油5が,ローラ21の表面である外周面213に付着して,この外周面213と上記カム22の接触面221との間に供給されることができる。そのため,これらの間に摩耗や焼付き等が発生することを抑制することができる。
また,上記潤滑油5は,ローラ21の内部のベアリング212にも接触しており,ローラ21の内部にも潤滑油5を供給することができ,ローラ21の耐久性を向上させることもできる。
【0019】
上記ロッカアーム1が揺動したときには,ロッカアーム1の揺動に合わせて,潤滑油5が上記油穴141より上記バルブステム部31の先端面311と支承部11の支承面111との間に流れ出し,積極的にこれらの間に潤滑油5を供給することができる。また,上記潤滑油5は,上記ローラ21の従動回転に伴って上記潤滑油溜り14から掻き出されて上記油穴141より流れ出すこともできる。そのため,上記バルブステム部31の先端面311と支承部11の支承面111との間に,摩耗や焼付き等が発生することを抑制することができる。また,上記先端面311と支承面111との間に潤滑油5が供給されずに,ロッカアーム1が打音を発生させることを防止することができ,ロッカアーム1にかかる衝撃荷重を少なくすることができる。それ故,ロッカアーム1の耐久性が向上する。
【0020】
なお,図1に示すごとく,更にカム22が回転すると,バルブ3は,該バルブ3に固定されたリテーナ33がバネ32による押上げ力により押し上げられて,閉になる。
このようにして,上記潤滑油溜り14に保持された潤滑油5は,バルブ3の開閉動作に合わせて,上記ローラ21とカム22との間,上記バルブステム部31と支承部11との間に供給することができる。それ故,上記ロッカアーム1は,周辺の部品と接触する各部位が潤滑されて,一層滑らかに揺動することができる。
【0021】
また,上記ロッカアーム1は,上記のごとく連続的に形成した断面U字形状を有しており,上記中央部分103には,上記断面U字形状の底部101に開口して形成した開口部94(図5参照)を有していない。そのため,ロッカアーム1を,例えば,平板状の素材より折り曲げて形成する場合には,上記開口部94を打ち抜き加工等により形成する必要がなく,この加工に伴う歪の発生をなくすことができる。また,ロッカアーム1は,開口部94を有していないため,それ自体の剛性を容易に確保することができる。
【0022】
また,ロッカアーム1は,連続した断面U字形状を有しているため,その重心が低くなる。そのため,ロッカアーム1を自動車のエンジン6に取り付けた際には,エンジン6の低重心化を図ることができ,バルブ3の開閉等による振動に対して強固なエンジン6を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における,ロッカアームの取付構造を示す説明図。
【図2】実施例における,ロッカアームの取付構造を示す図で,ロッカアームが揺動した状態を示す説明図。
【図3】実施例における,ロッカアームを示す斜視図。
【図4】実施例における,ロッカアームを示す図で,(a)図3のA−A矢視断面図,(b)平面図,(c)側面図。
【図5】従来例における,ロッカアームの取付構造を示す説明図。
【符号の説明】
1...ロッカアーム,
101...底部,
102...側壁,
103...中央部分,
11...支承部,
12...軸受部,
121...軸穴,
13...取付部,
14...潤滑油溜り,
141...油穴,
21...ローラ,
211...軸穴,
22...カム,
3...バルブ,
31...バルブステム部,
4...ピボット,
41...油通路,
5...潤滑油,
6...エンジン,
【技術分野】
本発明は,エンジンにおけるバルブを開閉させるための駆動力を伝達するロッカアームに関する。
【0002】
【従来技術】
従来より,図5に示すごとく,ロッカアーム9は,エンジン6におけるバルブ3を開閉させるための駆動力を伝達する部品として用いられている。
上記ロッカアーム9は,中央部分903の一対の側壁902には,ローラ21の主軸211を取り付ける一対の軸穴921を設けた軸受部92を,中央部分903の底部901には上記ローラ21との干渉を避けるための開口部94を有している。また,ロッカアーム9は,長手方向の一端にはバルブ3のバルブステム部31を支承する支承部91を,他端にはバルブ3を開閉させる揺動の中心となるピボット4に取り付けられる取付部93を有している。
【0003】
そして,ロッカアーム9は,カム22の回転に伴って上記ローラ21が従動回転すると共に,上記ピボット4を揺動の中心にしてバルブ3を開閉させる。このとき,ピボット4と取付部93との間,及びバルブステム部31と支承部91との間はそれぞれ摺動を行う。
ここで,例えば,上記ピボット4と取付部93との間に対しては,ピボット4の内部に潤滑油5が通る油通路41を形成し,該油通路41より潤滑油5を供給することができる。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記バルブステム部31と支承部91との間には,上記ピボット4と取付部93との間のように,積極的に潤滑油5を供給することが困難である。すなわち,このバルブステム部31と支承部91との間には,ロッカアーム9の周辺で飛散した潤滑油5が辛うじて供給されるのみで,充分な潤滑油5の供給を行うことができない。そのため,上記バルブステム部31と支承部91との間には,摩耗や焼付き等が発生するおそれがある。
【0005】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,バルブステム部と支承部との間に積極的に潤滑油を供給することができるロッカアームを提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】
本発明は,底部と一対の側壁とよりなる断面U字形状を有し,中央部分の上記側壁にはローラの主軸を取り付ける一対の軸穴を設けた軸受部を,一端にはバルブのバルブステム部を支承する支承部を,他端には揺動の中心となるピボットに取り付けられる取付部を設けてなるロッカアームにおいて,
該ロッカアームは,上記一端から上記他端に向けて上記断面U字形状が連続した構造を有していると共に,上記中央部分の上記底部には,潤滑油を保持する潤滑油溜りが設けられており,
かつ,該潤滑油溜りには,上記バルブステム部と上記支承部との間に上記潤滑油を供給する油穴が設けられていることを特徴とするロッカアームにある(請求項1)。
【0007】
本発明におけるロッカアームは,長手方向の一端から他端に向けて,断面U字形状が連続した構造を有している。また,ロッカアームは,上記中央部分の底部に,潤滑油を保持する潤滑油溜りを有しており,この潤滑油溜りには上記油穴を有している。
そして,ロッカアームをエンジンに取り付けて使用する際には,カムの回転に伴ってローラが従動回転すると共に,このロッカアームがピボットを揺動の中心にして揺動し,バルブを開閉させる。
【0008】
このとき,ロッカアームの揺動に合わせて,潤滑油が上記油穴より上記バルブステム部と支承部との間に流れ出し,積極的にこれらの間に潤滑油を供給することができる。そのため,上記バルブステム部と支承部との間に,摩耗や焼付き等が発生することを抑制することができ,ロッカアームは滑らかに揺動することができる。それ故,ロッカアームの耐久性が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記潤滑油溜りは,上記一端から他端に向けて円弧状に形成された凹部であることが好ましい(請求項2)。
この場合,円形状を有するローラに上記潤滑油溜りの形状が沿っているため,ロッカアームの上記軸穴の位置を上記底部からあまり遠ざけることなく,ローラとロッカアームとの干渉を避けることができる。
【0010】
また,上記ロッカアームには,上記潤滑油を上記潤滑油溜りへ導入する油導入穴が設けてあることが好ましい(請求項3)。
この場合,例えば,上記潤滑油溜りにおける潤滑油が少なくなったときでも,上記油導入穴よりこの潤滑油溜りに容易に潤滑油を供給することができる。
また,上記ピボットには,該ピボットと上記取付部との間に潤滑油を供給する油通路が設けてあることができる。そして,この場合には,上記油導入穴は上記取付部に設けて,上記ピボットと取付部との間を介して上記潤滑油溜りに供給することもできる。
【0011】
また,上記潤滑油溜りは,該潤滑油溜りに保持した潤滑油が上記軸受部に取り付けたローラに接触するよう構成してあることが好ましい(請求項4)。
この場合,上記ローラの表面に潤滑油を付着させることができる。そのため,上記ロッカアームをエンジンに組み付けた際には,ローラと該ローラを従動回転させるカムとの間に潤滑油を供給することができる。そのため,これらの間に摩耗や焼付き等が発生することを抑制することができる。
また,上記潤滑油は,ローラ内部のベアリングにも接触していることが好ましい。この場合,ローラ内部にも潤滑油を供給することができ,ローラの耐久性を向上させることができる。
【0012】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例につき説明する。
図1に示すごとく,本例におけるロッカアーム1は,底部101と一対の側壁102とよりなる断面U字形状を,長手方向の一端から他端に向けて連続して有している(図3参照)。また,ロッカアーム1は,中央部分103の上記側壁102にはローラ21の主軸211を取り付ける一対の軸穴121を設けた軸受部12を,一端にはバルブ3のバルブステム部31を支承する支承部11を,他端には揺動の中心となるピボット4に取り付けられる取付部13を設けてなる。
【0013】
また,上記中央部分103の上記底部101には,潤滑油5を保持するための潤滑油溜り14が設けられている。また,この潤滑油溜り14には,上記バルブステム部31の先端面311と上記支承部11の支承面111との間に上記潤滑油5を供給する油穴141が設けられている。
【0014】
以下に,これを詳説する。
図3,図4(a)〜(c)に示すごとく,上記ロッカアーム1は,上記支承部11は一端の底部101に形成されており,上記取付部13は他端の底部101に形成されている。そして,上記潤滑油溜り14は,支承部11及び取付部13を繋ぎ合わせて形成されている。この潤滑油溜り14は,上記一端から他端に向けた円弧状の形状に凹部として形成されており,底部101,一対の側壁102,支承部11及び取付部13によって囲まれて形成されている。
また,上記潤滑油溜り14は,ロッカアーム1にローラ21を取り付けた際に,このローラ21との干渉を避けるように形成されている。
【0015】
また,図1に示すごとく,上記ピボット4には,上記取付部13との間に潤滑油5を供給する油通路41が設けてある。また,取付部13には,潤滑油5を上記潤滑油溜り14へ導入する油導入穴131が設けてある。そして,上記油通路41よりピボット4と取付部13との間に供給された潤滑油5は,上記油導入穴131より上記潤滑油溜り14に溢れ出すことにより,潤滑油溜り14に導入されることができる。
なお,上記とは逆に,上記潤滑油溜り14に保持された潤滑油5を,上記油導入穴131を介してピボット4と取付部13との間に供給することも可能である。
【0016】
また,上記潤滑油溜り14に保持した潤滑油5は,上記軸受部12に取り付けたローラ21に接触している。また,潤滑油5は,ローラ21の内部のベアリング212にも接触している。
【0017】
図1に示すごとく,エンジン6において混合ガス等の吸気及び/又は排気を行うバルブ3は,カム22の回転による駆動力をロッカアーム1により伝達されて,開閉される。
図2に示すごとく,カム22が回転すると,ロッカアーム1に取り付けられたローラ21が従動回転すると共に,カム22がロッカアーム1を押し下げる。このとき,ロッカアーム1は,ピボット4の揺動中心部42を中心にして揺動し,支承部11の支承面111が,該支承面111に当接するバルブ3のバルブステム部31の先端面311を押し下げて,バルブ3を開にする。
【0018】
上記ローラ21が回転するときには,上記潤滑油溜り14に保持された潤滑油5が,ローラ21の表面である外周面213に付着して,この外周面213と上記カム22の接触面221との間に供給されることができる。そのため,これらの間に摩耗や焼付き等が発生することを抑制することができる。
また,上記潤滑油5は,ローラ21の内部のベアリング212にも接触しており,ローラ21の内部にも潤滑油5を供給することができ,ローラ21の耐久性を向上させることもできる。
【0019】
上記ロッカアーム1が揺動したときには,ロッカアーム1の揺動に合わせて,潤滑油5が上記油穴141より上記バルブステム部31の先端面311と支承部11の支承面111との間に流れ出し,積極的にこれらの間に潤滑油5を供給することができる。また,上記潤滑油5は,上記ローラ21の従動回転に伴って上記潤滑油溜り14から掻き出されて上記油穴141より流れ出すこともできる。そのため,上記バルブステム部31の先端面311と支承部11の支承面111との間に,摩耗や焼付き等が発生することを抑制することができる。また,上記先端面311と支承面111との間に潤滑油5が供給されずに,ロッカアーム1が打音を発生させることを防止することができ,ロッカアーム1にかかる衝撃荷重を少なくすることができる。それ故,ロッカアーム1の耐久性が向上する。
【0020】
なお,図1に示すごとく,更にカム22が回転すると,バルブ3は,該バルブ3に固定されたリテーナ33がバネ32による押上げ力により押し上げられて,閉になる。
このようにして,上記潤滑油溜り14に保持された潤滑油5は,バルブ3の開閉動作に合わせて,上記ローラ21とカム22との間,上記バルブステム部31と支承部11との間に供給することができる。それ故,上記ロッカアーム1は,周辺の部品と接触する各部位が潤滑されて,一層滑らかに揺動することができる。
【0021】
また,上記ロッカアーム1は,上記のごとく連続的に形成した断面U字形状を有しており,上記中央部分103には,上記断面U字形状の底部101に開口して形成した開口部94(図5参照)を有していない。そのため,ロッカアーム1を,例えば,平板状の素材より折り曲げて形成する場合には,上記開口部94を打ち抜き加工等により形成する必要がなく,この加工に伴う歪の発生をなくすことができる。また,ロッカアーム1は,開口部94を有していないため,それ自体の剛性を容易に確保することができる。
【0022】
また,ロッカアーム1は,連続した断面U字形状を有しているため,その重心が低くなる。そのため,ロッカアーム1を自動車のエンジン6に取り付けた際には,エンジン6の低重心化を図ることができ,バルブ3の開閉等による振動に対して強固なエンジン6を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における,ロッカアームの取付構造を示す説明図。
【図2】実施例における,ロッカアームの取付構造を示す図で,ロッカアームが揺動した状態を示す説明図。
【図3】実施例における,ロッカアームを示す斜視図。
【図4】実施例における,ロッカアームを示す図で,(a)図3のA−A矢視断面図,(b)平面図,(c)側面図。
【図5】従来例における,ロッカアームの取付構造を示す説明図。
【符号の説明】
1...ロッカアーム,
101...底部,
102...側壁,
103...中央部分,
11...支承部,
12...軸受部,
121...軸穴,
13...取付部,
14...潤滑油溜り,
141...油穴,
21...ローラ,
211...軸穴,
22...カム,
3...バルブ,
31...バルブステム部,
4...ピボット,
41...油通路,
5...潤滑油,
6...エンジン,
Claims (4)
- 底部と一対の側壁とよりなる断面U字形状を有し,中央部分の上記側壁にはローラの主軸を取り付ける一対の軸穴を設けた軸受部を,一端にはバルブのバルブステム部を支承する支承部を,他端には揺動の中心となるピボットに取り付けられる取付部を設けてなるロッカアームにおいて,
該ロッカアームは,上記一端から上記他端に向けて上記断面U字形状が連続した構造を有していると共に,上記中央部分の上記底部には,潤滑油を保持する潤滑油溜りが設けられており,
かつ,該潤滑油溜りには,上記バルブステム部と上記支承部との間に上記潤滑油を供給する油穴が設けられていることを特徴とするロッカアーム。 - 請求項1において,上記潤滑油溜りは,上記一端から他端に向けて円弧状に形成された凹部であることを特徴とするロッカアーム。
- 請求項1又は2において,上記ロッカアームには,上記潤滑油を上記潤滑油溜りへ導入する油導入穴が設けてあることを特徴とするロッカアーム。
- 請求項1〜3のいずれか一項において,上記潤滑油溜りは,該潤滑油溜りに保持した潤滑油が上記軸受部に取り付けたローラに接触するよう構成してあることを特徴とするロッカアーム。
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