JP2004052626A - 大気圧センサ補正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸気圧センサによる計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサよりも大きなオフセット公差を有する大気圧センサを補正により使用可能とすること。
【解決手段】ライン組付後の初回ECU電源ON時に、吸気圧センサによる計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサよりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ出力値に基づく吸気圧計測値とが比較され、この比較結果に基づき大気圧センサのオフセット公差Ofst が一度だけ補正される(時刻t03)。このように、ライン組付後の初回ECU電源ON時に、大気圧センサのオフセット公差Ofst が吸気圧センサを用いて一度だけ適切に補正されることで、吸気圧センサよりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサを不良品として処分することなく使用可能となるため、歩留りが良くなりコストダウンを達成することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】ライン組付後の初回ECU電源ON時に、吸気圧センサによる計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサよりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ出力値に基づく吸気圧計測値とが比較され、この比較結果に基づき大気圧センサのオフセット公差Ofst が一度だけ補正される(時刻t03)。このように、ライン組付後の初回ECU電源ON時に、大気圧センサのオフセット公差Ofst が吸気圧センサを用いて一度だけ適切に補正されることで、吸気圧センサよりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサを不良品として処分することなく使用可能となるため、歩留りが良くなりコストダウンを達成することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気圧センサの製造上のオフセット公差を吸気圧センサにて補正する大気圧センサ補正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサを配設し、この吸気圧センサによる計測値に基づき内燃機関に供給する燃料噴射量の増減制御を実行し、この燃料噴射量の補正を大気圧センサによる計測値に基づき行うものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、大気圧センサ製造時、大気圧センサとして所望の傾き精度を有するとしても、オフセット公差から外れた大気圧センサは、これまで製造の検査工程で処分するしかないという不具合があった。
【0004】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、吸気圧センサによる計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサよりも大きなオフセット公差を有する大気圧センサを補正により使用可能とする大気圧センサ補正装置の提供を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の大気圧センサ補正装置によれば、比較手段でライン組付後の初回電源オン時に、大気圧を検出する大気圧センサによる計測値と内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサによる計測値とが比較され、この比較結果に基づき公差補正手段によって大気圧センサのオフセット公差が補正される。即ち、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサによる計測値に比べて大きくても、ライン組付後の初回電源オン時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるタイミングにて、吸気圧センサによる計測値に一致するよう大気圧センサによる計測値が補正される。つまり、ライン組付後の初回電源オン時に、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサを用いて適切に補正されることで、大気圧センサが不良品として処分されることなく使用可能となるため、歩留りが良くなりコストダウンが達成される。
【0006】
請求項2の大気圧センサ補正装置によれば、比較手段でバッテリクリアとしてバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後の初回電源オン時に、大気圧を検出する大気圧センサによる計測値と内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサによる計測値とが比較され、この比較結果に基づき公差補正手段によって大気圧センサのオフセット公差が補正される。即ち、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサに比べて大きくても、バッテリクリアによるメモリ内容消去後の初回電源オン時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるタイミングにて、吸気圧センサによる計測値に一致するよう大気圧センサによる計測値が補正される。つまり、バッテリクリアによるメモリ内容消去後の初回電源オン時に、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサを用いて適切に補正されることで、大気圧センサが不良品として処分されることなく使用可能となるため、歩留りが良くなりコストダウンが達成される。
【0007】
請求項3の大気圧センサ補正装置によれば、比較手段でバッテリクリアとしてバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後の初回キーレス操作時に、大気圧を検出する大気圧センサによる計測値と内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサによる計測値とが比較され、この比較結果に基づき公差補正手段によって大気圧センサのオフセット公差が補正される。即ち、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサに比べて大きくても、バッテリクリアによるメモリ内容消去後の初回キーレス操作時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるタイミングにて、吸気圧センサによる計測値に一致するよう大気圧センサによる計測値が補正される。つまり、バッテリクリアによるメモリ内容消去後の初回キーレス操作時に、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサを用いて適切に補正されることで、大気圧センサが不良品として処分されることなく使用可能となるため、歩留りが良くなりコストダウンが達成される。
【0008】
請求項4の大気圧センサ補正装置によれば、比較手段でバッテリクリアとしてバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時に、大気圧を検出する大気圧センサによる計測値と内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサによる計測値とが比較され、この比較結果に基づき公差補正手段によって大気圧センサのオフセット公差が補正される。即ち、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサに比べて大きくても、バッテリクリアによるメモリ内容消去後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるとなるタイミングにて、吸気圧センサによる計測値に一致するよう大気圧センサによる計測値が補正される。つまり、バッテリクリアによるメモリ内容消去後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時に、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサを用いて適切に補正されることで、大気圧センサが不良品として処分されることなく使用可能となるため、歩留りが良くなりコストダウンが達成される。
【0009】
請求項5の大気圧センサ補正装置における公差補正手段では、大気圧センサのオフセット公差が一度だけ補正されるものであり、吸気圧センサ及び大気圧センサの各計測値を用いた所定タイミングによる一度の補正によって大気圧センサのオフセット公差が吸収されることで、以降の大気圧センサによる計測値における信頼性が得られる。
【0010】
請求項6の大気圧センサ補正装置では、大気圧センサが吸気圧センサによる計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサよりも大きなオフセット公差を有するが、吸気圧センサ及び大気圧センサの各計測値を用いた補正によって大気圧センサのオフセット公差が吸収されることで、以降の大気圧センサによる計測値における信頼性が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0012】
〈実施例1〉
図1は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる大気圧センサ補正装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【0013】
図1において、内燃機関10には吸気通路11が接続され、この吸気通路11には上流側から吸入空気を浄化するエアクリーナ12、吸気量(吸入空気量)を制御するスロットルバルブ13、吸気圧を検出する吸気圧センサ14、燃料を噴射供給するインジェクタ(燃料噴射弁)15が配設されている。そして、吸気通路11からの空気とインジェクタ15からの燃料との混合気は、吸気バルブ16の開閉タイミングに応じて内燃機関10のシリンダブロック17とピストン18とで形成される燃焼室19内に導入される。この燃焼室19内に導入された混合気は、点火プラグ21の火花点火によって燃焼されたのち排気バルブ22の開閉タイミングに応じて排気通路23に排出される。
【0014】
内燃機関10には、そのクランクシャフト27の回転角であるクランク角〔°CA(Crank Angle)〕を検出するクランク角センサ28が配設されている。このクランクシャフト27にはスタータ29が配設されている。
【0015】
吸気圧センサ14からの吸気圧信号、クランク角センサ28からのクランク角信号等が、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)30に入力される。また、ECU30には、IGSW(イグニッションスイッチ)41からのECU電源ON(オン)/OFF(オフ)信号及びスタータON/OFF信号、大気圧センサ42からの大気圧センサ出力値(大気圧信号)が入力され、車載バッテリ43からのバッテリ電源が供給されている。更に、アクセル開度センサ44からの図示しないアクセルペダル踏込量に基づくアクセル開度信号、ブレーキスイッチ45からの図示しないブレーキペダル操作に基づくブレーキ信号、シフト位置センサ46からの図示しない変速機のシフト位置信号等が入力されている。
【0016】
このECU30は周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU31、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM32、ライン組付後に一度だけ書込可能な不揮発性メモリとしてのフラッシュROM33、各種データ等を格納するRAM34、B/U(バックアップ)RAM35、入出力回路36及びそれらを接続するバスライン37等からなる論理演算回路として構成されている。また、CPU31にはキーレス機能付キー47からのキーレス信号を受信するためのキーレス信号受信回路38が接続されている。そして、ECU30からは各種センサ信号等に基づきインジェクタ15に対する燃料噴射量、点火プラグ21に対する点火時期、スタータ29に対する駆動信号等の制御信号が出力される。
【0017】
次に、本発明の実施の形態の第1実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU30内のCPU31における大気圧センサ42に対するオフセット補正の処理手順を示す図2のフローチャートに基づき、図3を参照して説明する。ここで、図3は図2の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。なお、このオフセット補正ルーチンは工場等におけるライン組付後にCPU31にて実行される。
【0018】
図2において、まず、ステップS101で、初回ECU電源ON時であるかが判定される。ステップS101の判定条件が成立、即ち、ライン組付後の初回ECU電源ON時であるとき(図3に示す時刻t01)にはステップS102に移行し、大気圧センサオフセット補正実行フラッシュROMバックアップフラグ(以下、『フラッシュROMバックアップフラグ』と記す)Focefb が「0(補正未実行)」であるかが判定される。ステップS102の判定条件が成立、即ち、フラッシュROMバックアップフラグFocefb が「0」であるときにはステップS103に移行し、ECU電源ON後経過時間計測カウンタ(以下、『経過時間計測カウンタ』と記す)Tcnt が「+1」インクリメントされる。
【0019】
次にステップS104に移行して、ステップS103でインクリメントされた経過時間計測カウンタTcnt が判定値以上であるかが判定される。ステップS104の判定条件が成立、即ち、経過時間計測カウンタTcnt が吸気圧センサ14及び大気圧センサ42の出力安定時間に対応する判定値以上と大きいとき(図3に示す時刻t02)にはステップS105に移行し、大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値から吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値が減算されオフセット公差Ofst が算出される。
【0020】
次にステップS106に移行して、ステップS105で算出されたオフセット公差Ofst が加算されオフセット積算値Aofstが更新される。次にステップS107に移行して、オフセット積算回数カウンタCntが「+1」インクリメントされる。次にステップS108に移行して、ステップS107でインクリメントされたオフセット積算回数カウンタCntが判定値以上であるかが判定される。ステップS108の判定条件が成立、即ち、オフセット積算回数カウンタCntが所定回数に対応する判定値以上と大きいとき(図3に示す時刻t03)にはステップS109に移行し、ステップS106で算出されたオフセット積算値AofstがステップS107で算出されたオフセット積算回数カウンタCntにて除算されオフセット平均値Ofstaveが算出される。
【0021】
次にステップS110に移行して、機関回転速度Neが「0(零)」、かつスタータフラグFsta が「0」であるかが判定される。ステップS110の判定条件が成立、即ち、内燃機関10が回転開始されておらず、かつスタータ29が未操作であるとき(図3に示す時刻t04以前)にはステップS111に移行し、大気圧センサ42に対しステップS109で算出されたオフセット平均値Ofstaveによるオフセット補正が実行される(図3に示す時刻t03)。次にステップS112に移行して、フラッシュROMバックアップフラグFocefb が「1(補正実行済)」にセットされ(図3に示す時刻t03)、本ルーチンを終了する。
【0022】
一方、ステップS101の判定条件が成立せず、即ち、ライン組付後の初回ECU電源ON時でないとき(図3に示す時刻t01以前)、またはステップS102の判定条件が成立せず、即ち、フラッシュROMバックアップフラグFocefb が既に「1」にセットされているとき(図3に示す時刻t03以降)、またはステップS104の判定条件が成立せず、即ち、経過時間計測カウンタTcnt が初回ECU電源ON時から吸気圧センサ14及び大気圧センサ42の出力安定時間に対応する判定値以上が経過していないとき(図3に示す時刻t01〜時刻t02)、またはステップS108の判定条件が成立せず、即ち、オフセット積算回数カウンタCntが所定回数に対応する判定値未満と小さいとき(図3に示す時刻t02〜時刻t03)、またはステップS110の判定条件が成立せず、即ち、機関回転速度Neが「0」、かつスタータフラグFsta が「0」でないとき(図3に示す時刻t04以降)には、何もすることなく本ルーチンを終了する。
【0023】
このように、本実施例の大気圧センサ補正装置は、内燃機関10の吸気通路11内のスロットルバルブ13下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサ14と、大気圧を検出する大気圧センサ42と、ライン組付後の初回ECU電源ON時に、大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とを比較するECU30内のCPU31にて達成される比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst を補正するECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段とを具備するものである。また、本実施例の大気圧センサ補正装置のECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段は、オフセット公差Ofst を一度だけ補正するものである。そして、本実施例の大気圧センサ補正装置における大気圧センサ42は、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有するものである。
【0024】
つまり、ライン組付後の初回ECU電源ON時に、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とが比較され、この比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が一度だけ補正される。即ち、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14に比べて大きくても、ライン組付後の初回ECU電源ON時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるときに、吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値に一致するよう大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値が一度だけ補正される。これにより、ライン組付後の初回ECU電源ON時に、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14を用いて一度だけ適切に補正され、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42を不良品として処分することなく信頼性を以て使用することができるため、歩留りが良くなりコストダウンを達成することができる。
【0025】
〈実施例2〉
図4は本発明の実施の形態の第2実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU30内のCPU31における大気圧センサ42に対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートであり、図5を参照して説明する。ここで、図5は図4の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。なお、このオフセット補正ルーチンは、バッテリクリアとしてバッテリ43のバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後にCPU31にて実行される。また、本発明の実施の形態の第2実施例にかかる大気圧センサ補正装置が適用された内燃機関及びその周辺機器については、上述の第1実施例の概略構成図を示す図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0026】
図4において、まず、ステップS201で、初回ECU電源ON時であるかが判定される。ステップS201の判定条件が成立、即ち、バッテリクリア後の初回ECU電源ON時であるとき(図5に示す時刻t11)にはステップS202に移行し、大気圧センサオフセット補正実行B/URAMバックアップフラグ(以下、『B/URAMバックアップフラグ』と記す)Focebが「0」であるかが判定される。ステップS202の判定条件が成立、即ち、B/URAMバックアップフラグFocefb が「0」で、B/URAM35補正が未だ実行されていないときにはステップS203に移行する。一方、ステップS201の判定条件が成立せず、即ち、バッテリクリア後の初回ECU電源ON時でないとき(図5に示す時刻t11以前)、またはステップS202の判定条件が成立せず、即ち、大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値に対する補正が既に実行されており、B/URAMバックアップフラグFocefb が「1」にセットされているとき(図5に示す時刻t13以降)には、何もすることなく本ルーチンを終了する。
【0027】
これ以降のステップS203〜ステップS211については、上述の実施例におけるステップS103〜ステップS111に対応しているため、その詳細な説明を省略する。そして、ステップS212では、ステップS211にて大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値に対し、ステップS209で算出されたオフセット平均値Ofstaveによる補正が実行されることで、B/URAMバックアップフラグFocebが「1(補正実行済)」にセットされ(図5に示す時刻t13)、本ルーチンを終了する。
【0028】
このように、本実施例の大気圧センサ補正装置は、内燃機関10の吸気通路11内のスロットルバルブ13下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサ14と、大気圧を検出する大気圧センサ42と、バッテリクリアとしてバッテリ43のバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後の初回ECU電源ON時に、大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とを比較するECU30内のCPU31にて達成される比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst を補正するECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段とを具備するものである。また、本実施例の大気圧センサ補正装置のECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段は、オフセット公差Ofst を一度だけ補正するものである。そして、本実施例の大気圧センサ補正装置における大気圧センサ42は、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有するものである。
【0029】
つまり、バッテリクリア後の初回ECU電源ON時に、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とが比較され、この比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が一度だけ補正される。即ち、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14に比べて大きくても、バッテリクリア後の初回ECU電源ON時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるときに、吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値に一致するよう大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値が一度だけ補正される。これにより、バッテリクリア後の初回ECU電源ON時に、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14を用いて一度だけ適切に補正され、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42を不良品として処分することなく信頼性を以て使用することができるため、歩留りが良くなりコストダウンを達成することができる。
【0030】
〈実施例3〉
図6は本発明の実施の形態の第3実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU30内のCPU31における大気圧センサ42に対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートであり、図7を参照して説明する。ここで、図7は図6の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。なお、このオフセット補正ルーチンは、バッテリクリアとしてバッテリ43のバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後のECU電源ON時にCPU31にて実行される。また、本発明の実施の形態の第3実施例にかかる大気圧センサ補正装置が適用された内燃機関及びその周辺機器については、上述の第1実施例の概略構成図を示す図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0031】
図6において、ステップS301では、キーレス操作実行フラグFkle が「0」であるかが判定される。このキーレス操作とは、キーを用いずにドア等を解錠・施錠する、所謂キーレスエントリーシステムにおける機能を言う。ステップS301の判定条件が成立、即ち、キーレス操作実行フラグFkle が「0」で、キーレス操作が未操作であるとき(図7に示す時刻t21以前)にはステップS302に移行し、初回キーレス操作時であるかが判定される。ステップS302の判定条件が成立、即ち、バッテリクリア後のECU電源ON時で初回キーレス操作ON時であるとき(図7に示す時刻t21)にはステップS303に移行し、キーレス操作実行フラグFkle が「1」にセットされる。
【0032】
一方、ステップS302の判定条件が成立せず、即ち、バッテリクリア後のECU電源ON時であるが初回キーレス操作時でないときには、何もすることなく本ルーチンを終了する。なお、ステップS301の判定条件が成立せず、即ち、キーレス操作実行フラグFkle が「1」で、キーレス操作が既に操作済みであるときにはステップS302及びステップS303がスキップされる。これ以降のステップS304〜ステップS314については、上述の第2実施例におけるステップS202〜ステップS212に対応しているため、その詳細な説明を省略する。
【0033】
このように、本実施例の大気圧センサ補正装置は、内燃機関10の吸気通路11内のスロットルバルブ13下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサ14と、大気圧を検出する大気圧センサ42と、バッテリクリアとしてバッテリ43のバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後の初回キーレス操作時に、大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とを比較するECU30内のCPU31にて達成される比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst を補正するECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段とを具備するものである。また、本実施例の大気圧センサ補正装置のECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段は、オフセット公差Ofst を一度だけ補正するものである。そして、本実施例の大気圧センサ補正装置における大気圧センサ42は、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有するものである。
【0034】
つまり、バッテリクリア後の初回キーレス操作時に、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とが比較され、この比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が一度だけ補正される。即ち、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14に比べて大きくても、バッテリクリア後の初回キーレス操作時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるときに、吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値に一致するよう大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値が一度だけ補正される。これにより、バッテリクリア後の初回キーレス操作時に大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14を用いて一度だけ適切に補正され、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42を不良品として処分することなく信頼性を以て使用することができるため、歩留りが良くなりコストダウンを達成することができる。
【0035】
〈実施例4〉
図8は本発明の実施の形態の一実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU30内のCPU31における大気圧センサ42に対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートであり、図9を参照して説明する。ここで、図9は図8の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。なお、このオフセット補正ルーチンは、バッテリクリアとしてバッテリ43のバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後のECU電源ON時にCPU31にて実行される。また、本発明の実施の形態の第4実施例にかかる大気圧センサ補正装置が適用された内燃機関及びその周辺機器については、上述の第1実施例の概略構成図を示す図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0036】
図8において、ステップS401では、初回アイドルストップ時であるかが判定される。このアイドルストップとは、車両運転中に所定の条件が成立するときには運転者のキー操作等によらず内燃機関を自動停止すると共に、この内燃機関の自動停止中に所定の条件が成立するときには内燃機関を自動始動する機能を備え、例えば、交差点の停止線等で一旦停止したときの内燃機関の自動停止状態を言う。
【0037】
ステップS401の判定条件が成立、即ち、バッテリクリア後のECU電源ON時で初回アイドルストップ時であるとき(図9に示す時刻t31)にはステップS402に移行する。一方、ステップS401の判定条件が成立せず、即ち、バッテリクリア後のECU電源ON時であるが初回アイドルストップ時でないときには、何もすることなく本ルーチンを終了する。これ以降のステップS402〜ステップS412については、上述の第2実施例におけるステップS202〜ステップS212に対応しているため、その詳細な説明を省略する。
【0038】
このように、本実施例の大気圧センサ補正装置は、内燃機関10の吸気通路11内のスロットルバルブ13下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサ14と、大気圧を検出する大気圧センサ42と、スタータ29とクランク角センサ28、アクセル開度センサ44、ブレーキスイッチ45、シフト位置センサ46及びECU30等にて達成されるアイドルストップ機構を有し、バッテリクリアとしてバッテリ43のバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時に、大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とを比較するECU30内のCPU31にて達成される比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst を補正するECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段とを具備するものである。また、本実施例の大気圧センサ補正装置のECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段は、オフセット公差Ofst を一度だけ補正するものである。そして、本実施例の大気圧センサ補正装置における大気圧センサ42は、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有するものである。
【0039】
つまり、バッテリクリア後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時に、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とが比較され、この比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が一度だけ補正される。即ち、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14に比べて大きくても、バッテリクリア後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるときに、吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値に一致するよう大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値が一度だけ補正される。これにより、バッテリクリア後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時に、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14を用いて一度だけ適切に補正され、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42を不良品として処分することなく信頼性を以て使用することができるため、歩留りが良くなりコストダウンを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の第1実施例乃至第4実施例にかかる大気圧センサ補正装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU内のCPUにおける大気圧センサに対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は図2の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。
【図4】図4は本発明の実施の形態の第2実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU内のCPUにおける大気圧センサに対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は図4の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。
【図6】図6は本発明の実施の形態の第3実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU内のCPUにおける大気圧センサに対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は図6の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。
【図8】図8は本発明の実施の形態の第4実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU内のCPUにおける大気圧センサに対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は図8の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関
11 吸気通路
13 スロットルバルブ
14 吸気圧センサ
30 ECU(電子制御ユニット)
31 CPU
33 フラッシュROM
35 B/URAM
42 大気圧センサ
43 バッテリ
47 キーレス機能付キー
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気圧センサの製造上のオフセット公差を吸気圧センサにて補正する大気圧センサ補正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサを配設し、この吸気圧センサによる計測値に基づき内燃機関に供給する燃料噴射量の増減制御を実行し、この燃料噴射量の補正を大気圧センサによる計測値に基づき行うものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、大気圧センサ製造時、大気圧センサとして所望の傾き精度を有するとしても、オフセット公差から外れた大気圧センサは、これまで製造の検査工程で処分するしかないという不具合があった。
【0004】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、吸気圧センサによる計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサよりも大きなオフセット公差を有する大気圧センサを補正により使用可能とする大気圧センサ補正装置の提供を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の大気圧センサ補正装置によれば、比較手段でライン組付後の初回電源オン時に、大気圧を検出する大気圧センサによる計測値と内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサによる計測値とが比較され、この比較結果に基づき公差補正手段によって大気圧センサのオフセット公差が補正される。即ち、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサによる計測値に比べて大きくても、ライン組付後の初回電源オン時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるタイミングにて、吸気圧センサによる計測値に一致するよう大気圧センサによる計測値が補正される。つまり、ライン組付後の初回電源オン時に、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサを用いて適切に補正されることで、大気圧センサが不良品として処分されることなく使用可能となるため、歩留りが良くなりコストダウンが達成される。
【0006】
請求項2の大気圧センサ補正装置によれば、比較手段でバッテリクリアとしてバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後の初回電源オン時に、大気圧を検出する大気圧センサによる計測値と内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサによる計測値とが比較され、この比較結果に基づき公差補正手段によって大気圧センサのオフセット公差が補正される。即ち、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサに比べて大きくても、バッテリクリアによるメモリ内容消去後の初回電源オン時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるタイミングにて、吸気圧センサによる計測値に一致するよう大気圧センサによる計測値が補正される。つまり、バッテリクリアによるメモリ内容消去後の初回電源オン時に、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサを用いて適切に補正されることで、大気圧センサが不良品として処分されることなく使用可能となるため、歩留りが良くなりコストダウンが達成される。
【0007】
請求項3の大気圧センサ補正装置によれば、比較手段でバッテリクリアとしてバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後の初回キーレス操作時に、大気圧を検出する大気圧センサによる計測値と内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサによる計測値とが比較され、この比較結果に基づき公差補正手段によって大気圧センサのオフセット公差が補正される。即ち、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサに比べて大きくても、バッテリクリアによるメモリ内容消去後の初回キーレス操作時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるタイミングにて、吸気圧センサによる計測値に一致するよう大気圧センサによる計測値が補正される。つまり、バッテリクリアによるメモリ内容消去後の初回キーレス操作時に、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサを用いて適切に補正されることで、大気圧センサが不良品として処分されることなく使用可能となるため、歩留りが良くなりコストダウンが達成される。
【0008】
請求項4の大気圧センサ補正装置によれば、比較手段でバッテリクリアとしてバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時に、大気圧を検出する大気圧センサによる計測値と内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサによる計測値とが比較され、この比較結果に基づき公差補正手段によって大気圧センサのオフセット公差が補正される。即ち、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサに比べて大きくても、バッテリクリアによるメモリ内容消去後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるとなるタイミングにて、吸気圧センサによる計測値に一致するよう大気圧センサによる計測値が補正される。つまり、バッテリクリアによるメモリ内容消去後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時に、大気圧センサのオフセット公差が吸気圧センサを用いて適切に補正されることで、大気圧センサが不良品として処分されることなく使用可能となるため、歩留りが良くなりコストダウンが達成される。
【0009】
請求項5の大気圧センサ補正装置における公差補正手段では、大気圧センサのオフセット公差が一度だけ補正されるものであり、吸気圧センサ及び大気圧センサの各計測値を用いた所定タイミングによる一度の補正によって大気圧センサのオフセット公差が吸収されることで、以降の大気圧センサによる計測値における信頼性が得られる。
【0010】
請求項6の大気圧センサ補正装置では、大気圧センサが吸気圧センサによる計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサよりも大きなオフセット公差を有するが、吸気圧センサ及び大気圧センサの各計測値を用いた補正によって大気圧センサのオフセット公差が吸収されることで、以降の大気圧センサによる計測値における信頼性が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0012】
〈実施例1〉
図1は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる大気圧センサ補正装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【0013】
図1において、内燃機関10には吸気通路11が接続され、この吸気通路11には上流側から吸入空気を浄化するエアクリーナ12、吸気量(吸入空気量)を制御するスロットルバルブ13、吸気圧を検出する吸気圧センサ14、燃料を噴射供給するインジェクタ(燃料噴射弁)15が配設されている。そして、吸気通路11からの空気とインジェクタ15からの燃料との混合気は、吸気バルブ16の開閉タイミングに応じて内燃機関10のシリンダブロック17とピストン18とで形成される燃焼室19内に導入される。この燃焼室19内に導入された混合気は、点火プラグ21の火花点火によって燃焼されたのち排気バルブ22の開閉タイミングに応じて排気通路23に排出される。
【0014】
内燃機関10には、そのクランクシャフト27の回転角であるクランク角〔°CA(Crank Angle)〕を検出するクランク角センサ28が配設されている。このクランクシャフト27にはスタータ29が配設されている。
【0015】
吸気圧センサ14からの吸気圧信号、クランク角センサ28からのクランク角信号等が、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)30に入力される。また、ECU30には、IGSW(イグニッションスイッチ)41からのECU電源ON(オン)/OFF(オフ)信号及びスタータON/OFF信号、大気圧センサ42からの大気圧センサ出力値(大気圧信号)が入力され、車載バッテリ43からのバッテリ電源が供給されている。更に、アクセル開度センサ44からの図示しないアクセルペダル踏込量に基づくアクセル開度信号、ブレーキスイッチ45からの図示しないブレーキペダル操作に基づくブレーキ信号、シフト位置センサ46からの図示しない変速機のシフト位置信号等が入力されている。
【0016】
このECU30は周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU31、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM32、ライン組付後に一度だけ書込可能な不揮発性メモリとしてのフラッシュROM33、各種データ等を格納するRAM34、B/U(バックアップ)RAM35、入出力回路36及びそれらを接続するバスライン37等からなる論理演算回路として構成されている。また、CPU31にはキーレス機能付キー47からのキーレス信号を受信するためのキーレス信号受信回路38が接続されている。そして、ECU30からは各種センサ信号等に基づきインジェクタ15に対する燃料噴射量、点火プラグ21に対する点火時期、スタータ29に対する駆動信号等の制御信号が出力される。
【0017】
次に、本発明の実施の形態の第1実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU30内のCPU31における大気圧センサ42に対するオフセット補正の処理手順を示す図2のフローチャートに基づき、図3を参照して説明する。ここで、図3は図2の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。なお、このオフセット補正ルーチンは工場等におけるライン組付後にCPU31にて実行される。
【0018】
図2において、まず、ステップS101で、初回ECU電源ON時であるかが判定される。ステップS101の判定条件が成立、即ち、ライン組付後の初回ECU電源ON時であるとき(図3に示す時刻t01)にはステップS102に移行し、大気圧センサオフセット補正実行フラッシュROMバックアップフラグ(以下、『フラッシュROMバックアップフラグ』と記す)Focefb が「0(補正未実行)」であるかが判定される。ステップS102の判定条件が成立、即ち、フラッシュROMバックアップフラグFocefb が「0」であるときにはステップS103に移行し、ECU電源ON後経過時間計測カウンタ(以下、『経過時間計測カウンタ』と記す)Tcnt が「+1」インクリメントされる。
【0019】
次にステップS104に移行して、ステップS103でインクリメントされた経過時間計測カウンタTcnt が判定値以上であるかが判定される。ステップS104の判定条件が成立、即ち、経過時間計測カウンタTcnt が吸気圧センサ14及び大気圧センサ42の出力安定時間に対応する判定値以上と大きいとき(図3に示す時刻t02)にはステップS105に移行し、大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値から吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値が減算されオフセット公差Ofst が算出される。
【0020】
次にステップS106に移行して、ステップS105で算出されたオフセット公差Ofst が加算されオフセット積算値Aofstが更新される。次にステップS107に移行して、オフセット積算回数カウンタCntが「+1」インクリメントされる。次にステップS108に移行して、ステップS107でインクリメントされたオフセット積算回数カウンタCntが判定値以上であるかが判定される。ステップS108の判定条件が成立、即ち、オフセット積算回数カウンタCntが所定回数に対応する判定値以上と大きいとき(図3に示す時刻t03)にはステップS109に移行し、ステップS106で算出されたオフセット積算値AofstがステップS107で算出されたオフセット積算回数カウンタCntにて除算されオフセット平均値Ofstaveが算出される。
【0021】
次にステップS110に移行して、機関回転速度Neが「0(零)」、かつスタータフラグFsta が「0」であるかが判定される。ステップS110の判定条件が成立、即ち、内燃機関10が回転開始されておらず、かつスタータ29が未操作であるとき(図3に示す時刻t04以前)にはステップS111に移行し、大気圧センサ42に対しステップS109で算出されたオフセット平均値Ofstaveによるオフセット補正が実行される(図3に示す時刻t03)。次にステップS112に移行して、フラッシュROMバックアップフラグFocefb が「1(補正実行済)」にセットされ(図3に示す時刻t03)、本ルーチンを終了する。
【0022】
一方、ステップS101の判定条件が成立せず、即ち、ライン組付後の初回ECU電源ON時でないとき(図3に示す時刻t01以前)、またはステップS102の判定条件が成立せず、即ち、フラッシュROMバックアップフラグFocefb が既に「1」にセットされているとき(図3に示す時刻t03以降)、またはステップS104の判定条件が成立せず、即ち、経過時間計測カウンタTcnt が初回ECU電源ON時から吸気圧センサ14及び大気圧センサ42の出力安定時間に対応する判定値以上が経過していないとき(図3に示す時刻t01〜時刻t02)、またはステップS108の判定条件が成立せず、即ち、オフセット積算回数カウンタCntが所定回数に対応する判定値未満と小さいとき(図3に示す時刻t02〜時刻t03)、またはステップS110の判定条件が成立せず、即ち、機関回転速度Neが「0」、かつスタータフラグFsta が「0」でないとき(図3に示す時刻t04以降)には、何もすることなく本ルーチンを終了する。
【0023】
このように、本実施例の大気圧センサ補正装置は、内燃機関10の吸気通路11内のスロットルバルブ13下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサ14と、大気圧を検出する大気圧センサ42と、ライン組付後の初回ECU電源ON時に、大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とを比較するECU30内のCPU31にて達成される比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst を補正するECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段とを具備するものである。また、本実施例の大気圧センサ補正装置のECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段は、オフセット公差Ofst を一度だけ補正するものである。そして、本実施例の大気圧センサ補正装置における大気圧センサ42は、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有するものである。
【0024】
つまり、ライン組付後の初回ECU電源ON時に、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とが比較され、この比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が一度だけ補正される。即ち、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14に比べて大きくても、ライン組付後の初回ECU電源ON時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるときに、吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値に一致するよう大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値が一度だけ補正される。これにより、ライン組付後の初回ECU電源ON時に、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14を用いて一度だけ適切に補正され、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42を不良品として処分することなく信頼性を以て使用することができるため、歩留りが良くなりコストダウンを達成することができる。
【0025】
〈実施例2〉
図4は本発明の実施の形態の第2実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU30内のCPU31における大気圧センサ42に対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートであり、図5を参照して説明する。ここで、図5は図4の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。なお、このオフセット補正ルーチンは、バッテリクリアとしてバッテリ43のバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後にCPU31にて実行される。また、本発明の実施の形態の第2実施例にかかる大気圧センサ補正装置が適用された内燃機関及びその周辺機器については、上述の第1実施例の概略構成図を示す図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0026】
図4において、まず、ステップS201で、初回ECU電源ON時であるかが判定される。ステップS201の判定条件が成立、即ち、バッテリクリア後の初回ECU電源ON時であるとき(図5に示す時刻t11)にはステップS202に移行し、大気圧センサオフセット補正実行B/URAMバックアップフラグ(以下、『B/URAMバックアップフラグ』と記す)Focebが「0」であるかが判定される。ステップS202の判定条件が成立、即ち、B/URAMバックアップフラグFocefb が「0」で、B/URAM35補正が未だ実行されていないときにはステップS203に移行する。一方、ステップS201の判定条件が成立せず、即ち、バッテリクリア後の初回ECU電源ON時でないとき(図5に示す時刻t11以前)、またはステップS202の判定条件が成立せず、即ち、大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値に対する補正が既に実行されており、B/URAMバックアップフラグFocefb が「1」にセットされているとき(図5に示す時刻t13以降)には、何もすることなく本ルーチンを終了する。
【0027】
これ以降のステップS203〜ステップS211については、上述の実施例におけるステップS103〜ステップS111に対応しているため、その詳細な説明を省略する。そして、ステップS212では、ステップS211にて大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値に対し、ステップS209で算出されたオフセット平均値Ofstaveによる補正が実行されることで、B/URAMバックアップフラグFocebが「1(補正実行済)」にセットされ(図5に示す時刻t13)、本ルーチンを終了する。
【0028】
このように、本実施例の大気圧センサ補正装置は、内燃機関10の吸気通路11内のスロットルバルブ13下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサ14と、大気圧を検出する大気圧センサ42と、バッテリクリアとしてバッテリ43のバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後の初回ECU電源ON時に、大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とを比較するECU30内のCPU31にて達成される比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst を補正するECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段とを具備するものである。また、本実施例の大気圧センサ補正装置のECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段は、オフセット公差Ofst を一度だけ補正するものである。そして、本実施例の大気圧センサ補正装置における大気圧センサ42は、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有するものである。
【0029】
つまり、バッテリクリア後の初回ECU電源ON時に、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とが比較され、この比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が一度だけ補正される。即ち、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14に比べて大きくても、バッテリクリア後の初回ECU電源ON時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるときに、吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値に一致するよう大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値が一度だけ補正される。これにより、バッテリクリア後の初回ECU電源ON時に、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14を用いて一度だけ適切に補正され、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42を不良品として処分することなく信頼性を以て使用することができるため、歩留りが良くなりコストダウンを達成することができる。
【0030】
〈実施例3〉
図6は本発明の実施の形態の第3実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU30内のCPU31における大気圧センサ42に対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートであり、図7を参照して説明する。ここで、図7は図6の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。なお、このオフセット補正ルーチンは、バッテリクリアとしてバッテリ43のバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後のECU電源ON時にCPU31にて実行される。また、本発明の実施の形態の第3実施例にかかる大気圧センサ補正装置が適用された内燃機関及びその周辺機器については、上述の第1実施例の概略構成図を示す図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0031】
図6において、ステップS301では、キーレス操作実行フラグFkle が「0」であるかが判定される。このキーレス操作とは、キーを用いずにドア等を解錠・施錠する、所謂キーレスエントリーシステムにおける機能を言う。ステップS301の判定条件が成立、即ち、キーレス操作実行フラグFkle が「0」で、キーレス操作が未操作であるとき(図7に示す時刻t21以前)にはステップS302に移行し、初回キーレス操作時であるかが判定される。ステップS302の判定条件が成立、即ち、バッテリクリア後のECU電源ON時で初回キーレス操作ON時であるとき(図7に示す時刻t21)にはステップS303に移行し、キーレス操作実行フラグFkle が「1」にセットされる。
【0032】
一方、ステップS302の判定条件が成立せず、即ち、バッテリクリア後のECU電源ON時であるが初回キーレス操作時でないときには、何もすることなく本ルーチンを終了する。なお、ステップS301の判定条件が成立せず、即ち、キーレス操作実行フラグFkle が「1」で、キーレス操作が既に操作済みであるときにはステップS302及びステップS303がスキップされる。これ以降のステップS304〜ステップS314については、上述の第2実施例におけるステップS202〜ステップS212に対応しているため、その詳細な説明を省略する。
【0033】
このように、本実施例の大気圧センサ補正装置は、内燃機関10の吸気通路11内のスロットルバルブ13下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサ14と、大気圧を検出する大気圧センサ42と、バッテリクリアとしてバッテリ43のバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後の初回キーレス操作時に、大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とを比較するECU30内のCPU31にて達成される比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst を補正するECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段とを具備するものである。また、本実施例の大気圧センサ補正装置のECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段は、オフセット公差Ofst を一度だけ補正するものである。そして、本実施例の大気圧センサ補正装置における大気圧センサ42は、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有するものである。
【0034】
つまり、バッテリクリア後の初回キーレス操作時に、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とが比較され、この比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が一度だけ補正される。即ち、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14に比べて大きくても、バッテリクリア後の初回キーレス操作時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるときに、吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値に一致するよう大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値が一度だけ補正される。これにより、バッテリクリア後の初回キーレス操作時に大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14を用いて一度だけ適切に補正され、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42を不良品として処分することなく信頼性を以て使用することができるため、歩留りが良くなりコストダウンを達成することができる。
【0035】
〈実施例4〉
図8は本発明の実施の形態の一実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU30内のCPU31における大気圧センサ42に対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートであり、図9を参照して説明する。ここで、図9は図8の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。なお、このオフセット補正ルーチンは、バッテリクリアとしてバッテリ43のバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後のECU電源ON時にCPU31にて実行される。また、本発明の実施の形態の第4実施例にかかる大気圧センサ補正装置が適用された内燃機関及びその周辺機器については、上述の第1実施例の概略構成図を示す図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0036】
図8において、ステップS401では、初回アイドルストップ時であるかが判定される。このアイドルストップとは、車両運転中に所定の条件が成立するときには運転者のキー操作等によらず内燃機関を自動停止すると共に、この内燃機関の自動停止中に所定の条件が成立するときには内燃機関を自動始動する機能を備え、例えば、交差点の停止線等で一旦停止したときの内燃機関の自動停止状態を言う。
【0037】
ステップS401の判定条件が成立、即ち、バッテリクリア後のECU電源ON時で初回アイドルストップ時であるとき(図9に示す時刻t31)にはステップS402に移行する。一方、ステップS401の判定条件が成立せず、即ち、バッテリクリア後のECU電源ON時であるが初回アイドルストップ時でないときには、何もすることなく本ルーチンを終了する。これ以降のステップS402〜ステップS412については、上述の第2実施例におけるステップS202〜ステップS212に対応しているため、その詳細な説明を省略する。
【0038】
このように、本実施例の大気圧センサ補正装置は、内燃機関10の吸気通路11内のスロットルバルブ13下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサ14と、大気圧を検出する大気圧センサ42と、スタータ29とクランク角センサ28、アクセル開度センサ44、ブレーキスイッチ45、シフト位置センサ46及びECU30等にて達成されるアイドルストップ機構を有し、バッテリクリアとしてバッテリ43のバッテリ端子を一定時間以上切離すことによるメモリ内容消去後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時に、大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とを比較するECU30内のCPU31にて達成される比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst を補正するECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段とを具備するものである。また、本実施例の大気圧センサ補正装置のECU30内のCPU31にて達成される公差補正手段は、オフセット公差Ofst を一度だけ補正するものである。そして、本実施例の大気圧センサ補正装置における大気圧センサ42は、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有するものである。
【0039】
つまり、バッテリクリア後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時に、吸気圧センサ14による計測値と同じ傾き精度で、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値と吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値とが比較され、この比較結果に基づき大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が一度だけ補正される。即ち、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14に比べて大きくても、バッテリクリア後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時で吸気圧と大気圧とが等しい値となるときに、吸気圧センサ14出力値に基づく吸気圧計測値に一致するよう大気圧センサ42出力値に基づく大気圧計測値が一度だけ補正される。これにより、バッテリクリア後のアイドルストップ機構による初回アイドルストップ時に、大気圧センサ42のオフセット公差Ofst が吸気圧センサ14を用いて一度だけ適切に補正され、吸気圧センサ14よりも大きなオフセット公差Ofst を有する大気圧センサ42を不良品として処分することなく信頼性を以て使用することができるため、歩留りが良くなりコストダウンを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の第1実施例乃至第4実施例にかかる大気圧センサ補正装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU内のCPUにおける大気圧センサに対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は図2の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。
【図4】図4は本発明の実施の形態の第2実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU内のCPUにおける大気圧センサに対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は図4の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。
【図6】図6は本発明の実施の形態の第3実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU内のCPUにおける大気圧センサに対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は図6の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。
【図8】図8は本発明の実施の形態の第4実施例にかかる大気圧センサ補正装置で使用されているECU内のCPUにおける大気圧センサに対するオフセット補正の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は図8の処理に対応する各種センサ信号や各種制御量等の遷移状態を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関
11 吸気通路
13 スロットルバルブ
14 吸気圧センサ
30 ECU(電子制御ユニット)
31 CPU
33 フラッシュROM
35 B/URAM
42 大気圧センサ
43 バッテリ
47 キーレス機能付キー
Claims (6)
- 内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサと、
大気圧を検出する大気圧センサと、
ライン組付後の初回電源オン時に、前記大気圧センサによる計測値と前記吸気圧センサによる計測値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づき前記大気圧センサのオフセット公差を補正する公差補正手段と
を具備することを特徴とする大気圧センサ補正装置。 - 内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサと、
大気圧を検出する大気圧センサと、
バッテリクリアによるメモリ内容消去後の初回電源オン時に、前記大気圧センサによる計測値と前記吸気圧センサによる計測値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づき前記大気圧センサのオフセット公差を補正する公差補正手段と
を具備することを特徴とする大気圧センサ補正装置。 - 内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサと、
大気圧を検出する大気圧センサと、
バッテリクリアによるメモリ内容消去後の初回キーレス操作時に、前記大気圧センサによる計測値と前記吸気圧センサによる計測値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づき前記大気圧センサのオフセット公差を補正する公差補正手段と
を具備することを特徴とする大気圧センサ補正装置。 - 内燃機関の吸気通路内のスロットルバルブ下流側の吸気圧を検出する吸気圧センサと、
大気圧を検出する大気圧センサと、
アイドルストップ機構を有し、バッテリクリアによるメモリ内容消去後の初回アイドルストップ時に、前記大気圧センサによる計測値と前記吸気圧センサによる計測値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づき前記大気圧センサのオフセット公差を補正する公差補正手段と
を具備することを特徴とする大気圧センサ補正装置。 - 前記公差補正手段は、前記オフセット公差を一度だけ補正することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の大気圧センサ補正装置。
- 前記吸気圧センサは、前記吸気圧センサによる計測値と同じ傾き精度で、前記吸気圧センサよりも大きなオフセット公差を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の大気圧センサ補正装置。
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---|---|---|---|
JP2002209446A JP2004052626A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 大気圧センサ補正装置 |
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JP2002209446A Pending JP2004052626A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 大気圧センサ補正装置 |
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JP (1) | JP2004052626A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008241445A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Kayaba Ind Co Ltd | 圧力制御装置 |
JP2013023185A (ja) * | 2011-07-26 | 2013-02-04 | Toyota Motor Corp | ハイブリッド車両およびその制御方法 |
JP2016118175A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | ダイハツ工業株式会社 | 異常検出装置 |
JP2017015040A (ja) * | 2015-07-06 | 2017-01-19 | ヤンマー株式会社 | エンジン |
-
2002
- 2002-07-18 JP JP2002209446A patent/JP2004052626A/ja active Pending
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