JP2004051385A - 誘電体磁器組成物および誘電体共振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のRe2O3−Al2O3−CaO−TiO2系材料に比べ高いQ値を有するとともに、Re2O3−Al2O3−CaO−TiO2系材料と同等レベルの高εr、低τfを示す誘電体磁器組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】金属元素として少なくとも希土類元素(Re)、Al、CaおよびTiを含有する組成物を主成分とし、該主成分のモル比による組成式を(1−x)CaTiaO1+2a・xReAlbO(3+3b)/2としたとき、x、a、bが、0.295≦x≦0.39、0.9≦a≦1.1、0.9≦b≦1.1を満足する前記主成分100重量部に対して、FeをFe2O3に換算して0.01〜2重量部含有する。
【選択図】 図1
【解決手段】金属元素として少なくとも希土類元素(Re)、Al、CaおよびTiを含有する組成物を主成分とし、該主成分のモル比による組成式を(1−x)CaTiaO1+2a・xReAlbO(3+3b)/2としたとき、x、a、bが、0.295≦x≦0.39、0.9≦a≦1.1、0.9≦b≦1.1を満足する前記主成分100重量部に対して、FeをFe2O3に換算して0.01〜2重量部含有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波やミリ波などの高周波領域において利用される誘電体磁器組成物および誘電体共振器に関する。例えば、携帯電話、パーソナル無線機、衛星放送受信機等に搭載される誘電体共振器や回路基板材料に用いられる誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、誘電体磁器は、マイクロ波やミリ波などの高周波領域において、誘電体共振器や回路基板材料等の用途に広く利用されている。
【0003】
このような高周波用誘電体磁器材料に要求される誘電特性としては、(1)誘電体中では電磁波の波長が1/(εr)1/2に短縮されるので、小型化要求への対応のため比誘電率が大きいこと、(2)誘電損失が小さい、即ちQ値が高いこと、(3)共振周波数の温度係数(τf)が0(ppm/℃)付近であること、等が挙げられる。
【0004】
従来、この種の誘電体磁器としては、例えば、特開平6−76633、特開平8−77829、特開平11−130544、特開平11−106255、特開平7−57537、特開平9−118562、特開平10−330159等に記載されるRe2O3−Al2O3−CaO−TiO2系(Re:希土類元素)のものが知られている。Re2O3−Al2O3−CaO−TiO2系材料はεr、Q値が高く、τfが0付近で制御できる優れた材料である。
【0005】
しかしながら、近年の通信機事業の発展に伴い、高周波用電子部品もより高性能なものが求められるようになってきており、誘電体磁器については、従来よりさらにQ値の高い材料が要求されるようになってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のRe2O3−Al2O3−CaO−TiO2系材料に比べ高いQ値を有するとともに、Re2O3−Al2O3−CaO−TiO2系材料と同等レベルの高εr、低τfを示す誘電体磁器組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題について検討した結果、従来のRe2O3−Al2O3−CaO−TiO2系材料よりもQ値が高く、同時に十分なεrを有し、かつτfが0付近で小さな誘電体磁器組成物を得るに至った。
【0008】
即ち、本発明の誘電体磁器組成物は、金属元素として少なくとも希土類元素(Re)、Al、CaおよびTiを含有する組成物を主成分とし、該主成分のモル比による組成式を(1−x)CaTiaO1+2a・xReAlbO(3+3b)/2としたとき、x、a、bが、0.295≦x≦0.39、0.9≦a≦1.1、0.9≦b≦1.1を満足する前記主成分100重量部に対して、FeをFe2O3に換算して0.01〜2重量部含有することを特徴とする。
【0009】
さらに、希土類元素(Re)がLa、もしくはLaとその他の希土類元素の少なくとも1種であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の誘電体共振器は、上述の誘電体磁器組成物を備えることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の誘電体共振器の一例を示す断面図である。
【0012】
図1において、誘電体共振器1は、金属ケース2を備え、金属ケース2内の空間には、支持台3によって支持された柱状の誘電体磁器4が配置されている。また、入力端子5および出力端子6が、金属ケース2に対して絶縁された状態で、金属ケース2によって保持されている。誘電体磁器4は、入力端子5および出力端子6に電磁界結合して作動するもので、入力端子5から入力された所定の周波数の信号だけが出力端子6から出力される。このような誘電体共振器1中の誘電体磁器4が、本発明の誘電体磁器組成物よりなる。
【0013】
また、図2は、本発明の誘電体共振器の上述とは別の一例を示す斜視図であり、図3は、図2に示す誘電体共振器1のa−b面に沿う断面図である。図2、3において、誘電体共振器7は、貫通孔を有する角柱状の誘電体磁器9からなり、その貫通孔内に内導体8aが形成され、周囲に外導体8bが形成されたものである。そして、誘電体磁器9に入出力端子すなわち外部結合手段を電磁界結合させることにより、誘電体共振器として作動する。このような誘電体共振器7を構成する誘電体磁器9が、本発明の誘電体磁器組成物よりなる。
【0014】
なお、図1にはTE01δモードの誘電体共振器の一例を、図2には、角柱形状であってTEMモードの誘電体共振器の一例を示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の誘電体磁器組成物は、他の形状、モードの誘電体共振器にも同様に用いることができる。
【0015】
さらに、本発明の誘電体磁器組成物は誘電体共振器の他にも、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ等の、種々の公知の用途に好適に使用できるものである。
【0016】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0017】
出発素材として、高純度の希土類酸化物(La2O3、Y2O3、Nd2O3、Sm2O3、Pr2O3)、アルミナ(Al2O3)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化チタン(TiO2)を準備した。これを表1、2、3で示した組成比率で調合し、この調合粉末をボールミルを用いて16時間湿式混合した後、脱水、乾燥の後、1000〜1200℃で3時間仮焼し、主成分組成物の仮焼粉末を得た。そして、この仮焼粉末に酸化鉄(Fe2O3)を主成分組成物100重量部に対して表1、2、3に示す割合で添加し、更に適量のバインダーを加えてボールミルを用いて16時間、再度湿式粉砕することにより調整粉末を得た。そして、この調整粉末を1000〜2000(kg/cm2)の圧力で円板状にプレス成形後、1500℃で4時間大気中において焼成し、直径10mm、厚み5mmの焼結体を得た。
【0018】
得られた焼結体について、測定周波数6〜8(GHz)における比誘電率(εr)、Q値を両端短絡型誘電体共振器法にて測定し、Q値(1GHz)に換算した。また、TE01δモード共振周波数から、共振周波数の温度係数τf(25℃〜55℃)を測定した。
(1)主成分組成及びFe添加の効果
表1に、各主成分組成におけるマイクロ波誘電特性を示す。なお、表1において、*は特許請求の範囲外であることを示す。主成分組成物の組成範囲が請求項1に示した範囲内にある場合には、εrが40以上と大きく、かつQ値が40000以上と高く、かつτfの絶対値が±20(ppm/℃)以内であり、優れたマイクロ波誘電特性を示す。主成分組成物の組成範囲が請求項に示した範囲から外れた場合には、εrが40以下であったり、Q値が40000以下であったり、τfの絶対値が±20(ppm/℃)より大きくなる。したがって、主成分組成物の組成範囲は請求項に示した範囲内が望ましいことが分かる。
【0019】
次に、表1において、請求項の組成範囲内の主成分組成物100重量部に対して、Fe2O3を0.5重量部添加した場合(試料No.6、8、10、12、14、16、18、20、22、28、30、36、38)のマイクロ波誘電特性をみると、同一の主成分組成でFe2O3を添加しない場合(試料No.5、7、9、11、13、15、17、19、21、27、29、35、37)と比較してQ値が向上していることが分かる。
【0020】
【表1】
【0021】
(2)Fe添加量
表2に、試料No.11の主成分組成物100重量部に対して、Fe2O3を0.01〜4重量部添加した場合(試料No.41〜47)のマイクロ波誘電特性を示す。なお、表2において、*は特許請求の範囲外であることを示す。Fe2O3添加量が0.01〜2重量部のとき(試料No.41〜45)、Fe2O3を添加しない場合(試料No.11)に比べQ値が向上している。一方、Fe2O3添加量が3重量部以上のとき(試料No.46、47)には、Fe2O3を添加しない場合(試料No.11)に比べQ値が低下している。以上から、Fe2O3の添加量は0.01重量部以上2重量部以下であることが望ましいことが分かる。
【0022】
なお、本実施例ではFe2O3を主成分組成の仮焼原料と混合することによりFe元素を添加しているが、Fe2O3を主成分の素原料(希土類酸化物、Al2O3、CaCO3、TiO2)と混合することによりFe元素を添加してもよい。
【0023】
【表2】
【0024】
(3)希土類の種類
上記実施例において、Laの一部または全部を他の希土類元素に置換した場合のマイクロ波誘電特性を表3に示す。なお、表3において、*は特許請求の範囲外であることを示す。希土類がLaのみの場合と同様、Laの一部または全部を他の希土類元素に置換した場合(試料No.48〜71)にも、マイクロ波用誘電体磁器組成物として優れた特性を示すことが分かる。さらに、同一主成分組成において、Fe2O3を添加した場合(試料No.49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71)の方が、添加しない場合(試料No.48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70)に比べてQ値が向上している。
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】
本発明に係るRe2O3−Al2O3−CaO−TiO2系材料は、Fe元素を添加することにより、従来のFe無添加に比べて同レベルの高εr、低τf特性を維持しながら、より高いQ値を有する誘電体磁器組成物を得ることができる。
【0027】
したがって、このような本発明の誘電体磁器組成物を用いて、誘電体共振器を作製することにより、良好な特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体共振器の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の誘電体共振器の一例を示す斜視図である。
【図3】図2に示す誘電体共振器のa−b面に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 誘電体共振器
2 金属ケース
3 支持台
4 誘電体磁器
5 入力端子
6 出力端子
7 誘電体共振器
8a 内導体
8b 外導体
9 誘電体磁器
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波やミリ波などの高周波領域において利用される誘電体磁器組成物および誘電体共振器に関する。例えば、携帯電話、パーソナル無線機、衛星放送受信機等に搭載される誘電体共振器や回路基板材料に用いられる誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、誘電体磁器は、マイクロ波やミリ波などの高周波領域において、誘電体共振器や回路基板材料等の用途に広く利用されている。
【0003】
このような高周波用誘電体磁器材料に要求される誘電特性としては、(1)誘電体中では電磁波の波長が1/(εr)1/2に短縮されるので、小型化要求への対応のため比誘電率が大きいこと、(2)誘電損失が小さい、即ちQ値が高いこと、(3)共振周波数の温度係数(τf)が0(ppm/℃)付近であること、等が挙げられる。
【0004】
従来、この種の誘電体磁器としては、例えば、特開平6−76633、特開平8−77829、特開平11−130544、特開平11−106255、特開平7−57537、特開平9−118562、特開平10−330159等に記載されるRe2O3−Al2O3−CaO−TiO2系(Re:希土類元素)のものが知られている。Re2O3−Al2O3−CaO−TiO2系材料はεr、Q値が高く、τfが0付近で制御できる優れた材料である。
【0005】
しかしながら、近年の通信機事業の発展に伴い、高周波用電子部品もより高性能なものが求められるようになってきており、誘電体磁器については、従来よりさらにQ値の高い材料が要求されるようになってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のRe2O3−Al2O3−CaO−TiO2系材料に比べ高いQ値を有するとともに、Re2O3−Al2O3−CaO−TiO2系材料と同等レベルの高εr、低τfを示す誘電体磁器組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題について検討した結果、従来のRe2O3−Al2O3−CaO−TiO2系材料よりもQ値が高く、同時に十分なεrを有し、かつτfが0付近で小さな誘電体磁器組成物を得るに至った。
【0008】
即ち、本発明の誘電体磁器組成物は、金属元素として少なくとも希土類元素(Re)、Al、CaおよびTiを含有する組成物を主成分とし、該主成分のモル比による組成式を(1−x)CaTiaO1+2a・xReAlbO(3+3b)/2としたとき、x、a、bが、0.295≦x≦0.39、0.9≦a≦1.1、0.9≦b≦1.1を満足する前記主成分100重量部に対して、FeをFe2O3に換算して0.01〜2重量部含有することを特徴とする。
【0009】
さらに、希土類元素(Re)がLa、もしくはLaとその他の希土類元素の少なくとも1種であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の誘電体共振器は、上述の誘電体磁器組成物を備えることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の誘電体共振器の一例を示す断面図である。
【0012】
図1において、誘電体共振器1は、金属ケース2を備え、金属ケース2内の空間には、支持台3によって支持された柱状の誘電体磁器4が配置されている。また、入力端子5および出力端子6が、金属ケース2に対して絶縁された状態で、金属ケース2によって保持されている。誘電体磁器4は、入力端子5および出力端子6に電磁界結合して作動するもので、入力端子5から入力された所定の周波数の信号だけが出力端子6から出力される。このような誘電体共振器1中の誘電体磁器4が、本発明の誘電体磁器組成物よりなる。
【0013】
また、図2は、本発明の誘電体共振器の上述とは別の一例を示す斜視図であり、図3は、図2に示す誘電体共振器1のa−b面に沿う断面図である。図2、3において、誘電体共振器7は、貫通孔を有する角柱状の誘電体磁器9からなり、その貫通孔内に内導体8aが形成され、周囲に外導体8bが形成されたものである。そして、誘電体磁器9に入出力端子すなわち外部結合手段を電磁界結合させることにより、誘電体共振器として作動する。このような誘電体共振器7を構成する誘電体磁器9が、本発明の誘電体磁器組成物よりなる。
【0014】
なお、図1にはTE01δモードの誘電体共振器の一例を、図2には、角柱形状であってTEMモードの誘電体共振器の一例を示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の誘電体磁器組成物は、他の形状、モードの誘電体共振器にも同様に用いることができる。
【0015】
さらに、本発明の誘電体磁器組成物は誘電体共振器の他にも、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ等の、種々の公知の用途に好適に使用できるものである。
【0016】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0017】
出発素材として、高純度の希土類酸化物(La2O3、Y2O3、Nd2O3、Sm2O3、Pr2O3)、アルミナ(Al2O3)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化チタン(TiO2)を準備した。これを表1、2、3で示した組成比率で調合し、この調合粉末をボールミルを用いて16時間湿式混合した後、脱水、乾燥の後、1000〜1200℃で3時間仮焼し、主成分組成物の仮焼粉末を得た。そして、この仮焼粉末に酸化鉄(Fe2O3)を主成分組成物100重量部に対して表1、2、3に示す割合で添加し、更に適量のバインダーを加えてボールミルを用いて16時間、再度湿式粉砕することにより調整粉末を得た。そして、この調整粉末を1000〜2000(kg/cm2)の圧力で円板状にプレス成形後、1500℃で4時間大気中において焼成し、直径10mm、厚み5mmの焼結体を得た。
【0018】
得られた焼結体について、測定周波数6〜8(GHz)における比誘電率(εr)、Q値を両端短絡型誘電体共振器法にて測定し、Q値(1GHz)に換算した。また、TE01δモード共振周波数から、共振周波数の温度係数τf(25℃〜55℃)を測定した。
(1)主成分組成及びFe添加の効果
表1に、各主成分組成におけるマイクロ波誘電特性を示す。なお、表1において、*は特許請求の範囲外であることを示す。主成分組成物の組成範囲が請求項1に示した範囲内にある場合には、εrが40以上と大きく、かつQ値が40000以上と高く、かつτfの絶対値が±20(ppm/℃)以内であり、優れたマイクロ波誘電特性を示す。主成分組成物の組成範囲が請求項に示した範囲から外れた場合には、εrが40以下であったり、Q値が40000以下であったり、τfの絶対値が±20(ppm/℃)より大きくなる。したがって、主成分組成物の組成範囲は請求項に示した範囲内が望ましいことが分かる。
【0019】
次に、表1において、請求項の組成範囲内の主成分組成物100重量部に対して、Fe2O3を0.5重量部添加した場合(試料No.6、8、10、12、14、16、18、20、22、28、30、36、38)のマイクロ波誘電特性をみると、同一の主成分組成でFe2O3を添加しない場合(試料No.5、7、9、11、13、15、17、19、21、27、29、35、37)と比較してQ値が向上していることが分かる。
【0020】
【表1】
【0021】
(2)Fe添加量
表2に、試料No.11の主成分組成物100重量部に対して、Fe2O3を0.01〜4重量部添加した場合(試料No.41〜47)のマイクロ波誘電特性を示す。なお、表2において、*は特許請求の範囲外であることを示す。Fe2O3添加量が0.01〜2重量部のとき(試料No.41〜45)、Fe2O3を添加しない場合(試料No.11)に比べQ値が向上している。一方、Fe2O3添加量が3重量部以上のとき(試料No.46、47)には、Fe2O3を添加しない場合(試料No.11)に比べQ値が低下している。以上から、Fe2O3の添加量は0.01重量部以上2重量部以下であることが望ましいことが分かる。
【0022】
なお、本実施例ではFe2O3を主成分組成の仮焼原料と混合することによりFe元素を添加しているが、Fe2O3を主成分の素原料(希土類酸化物、Al2O3、CaCO3、TiO2)と混合することによりFe元素を添加してもよい。
【0023】
【表2】
【0024】
(3)希土類の種類
上記実施例において、Laの一部または全部を他の希土類元素に置換した場合のマイクロ波誘電特性を表3に示す。なお、表3において、*は特許請求の範囲外であることを示す。希土類がLaのみの場合と同様、Laの一部または全部を他の希土類元素に置換した場合(試料No.48〜71)にも、マイクロ波用誘電体磁器組成物として優れた特性を示すことが分かる。さらに、同一主成分組成において、Fe2O3を添加した場合(試料No.49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71)の方が、添加しない場合(試料No.48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70)に比べてQ値が向上している。
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】
本発明に係るRe2O3−Al2O3−CaO−TiO2系材料は、Fe元素を添加することにより、従来のFe無添加に比べて同レベルの高εr、低τf特性を維持しながら、より高いQ値を有する誘電体磁器組成物を得ることができる。
【0027】
したがって、このような本発明の誘電体磁器組成物を用いて、誘電体共振器を作製することにより、良好な特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体共振器の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の誘電体共振器の一例を示す斜視図である。
【図3】図2に示す誘電体共振器のa−b面に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 誘電体共振器
2 金属ケース
3 支持台
4 誘電体磁器
5 入力端子
6 出力端子
7 誘電体共振器
8a 内導体
8b 外導体
9 誘電体磁器
Claims (3)
- 金属元素として少なくとも希土類元素(Re)、Al、CaおよびTiを含有する組成物を主成分とし、該主成分のモル比による組成式を(1−x)CaTiaO1+2a・xReAlbO(3+3b)/2としたとき、x、a、bが、
0.295≦x≦0.39
0.9≦a≦1.1
0.9≦b≦1.1
を満足する前記主成分100重量部に対して、Fe元素をFe2O3に換算して0.01〜2重量部含有することを特徴とする誘電体磁器組成物。 - 前記希土類元素(Re)がLa、もしくはLaとその他の希土類元素の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の誘電体磁器組成物。
- 請求項1または請求項2に記載の誘電体磁器組成物を備えた誘電体共振器
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JP2002207497A JP2004051385A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | 誘電体磁器組成物および誘電体共振器 |
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JP2002207497A JP2004051385A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | 誘電体磁器組成物および誘電体共振器 |
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