JP2004050745A - 平版印刷版用原版 - Google Patents

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Abstract

【課題】デジタル信号に基づいた赤外線走査露光後そのまま印刷機に装着して機上現像による製版が可能な平版印刷版用原版の耐刷性を損なわず、機上現像性及び汚れ難さを改良する。
【解決手段】親水性表面を有する支持体上に、ビニルオキシ基を2個以上有する化合物を内包するマイクロカプセル、並びに、中和された酸基、及びビニルオキシ基と反応する基を有する親水性樹脂を含有する画像形成層を有する平版印刷版用原版。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持体上に親水性の画像形成層を有するネガ型の平版印刷版用原版に関する。より詳しくは、デジタル信号に基づいた赤外線走査露光による画像記録が可能であり、画像記録したものはそのまま印刷機に装着して機上現像による製版が可能な平版印刷版用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年進展が目覚ましいコンピュータ・ツウ・プレートシステム用刷版については、多数の研究がなされている。その中で、一層の工程合理化と廃液処理問題の解決を目指すものとして、露光後、現像処理することなしにそのまま印刷機に装着して印刷できる平版印刷版用原版が研究され、種々の方法が提案されている。
【0003】
処理工程をなくす方法の一つに、露光済みの印刷版用原版を印刷機のシリンダーに装着し、シリンダーを回転しながら湿し水とインキを供給することによって、印刷版用原版の非画像部を除去する機上現像と呼ばれる方法がある。すなわち、印刷版用原版を露光後、そのまま印刷機に装着し、通常の印刷過程の中で処理が完了する方式である。このような機上現像に適した平版印刷版用原版は、湿し水やインキ溶剤に可溶な感光層を有し、しかも、明室に置かれた印刷機上で現像されるのに適した明室取り扱い性を有することが必要とされる。
【0004】
例えば、日本特許2938397号公報には、親水性バインダーポリマー中に熱可塑性疎水性重合体の微粒子を分散させた感光層を親水性支持体上に設けた平版印刷版用原版が開示されている。この公報には、該平版印刷版用原版において、赤外線レーザー露光して熱可塑性疎水性重合体の微粒子を熱により合体させて画像形成した後、印刷機シリンダー上に版を取付け、湿し水および/またはインキにより機上現像できることが記載されている。この平版印刷版用原版は感光域が赤外線域であることにより、明室取り扱い適性を有している。
【0005】
また、特開平9−127683号公報およびWO99−10186号公報にも熱可塑性微粒子を熱による合体後、機上現像により印刷版を作製することが記載されている。
【0006】
しかしながら、上記のような熱による微粒子の合体で画像を作る方法は、良好な機上現像性を示すものの、画像強度が弱いために耐刷性が不十分という問題があった。その対策として、接着力の強いリン酸浴陽極酸化皮膜を使用することや、感熱層に架橋剤を添加して親水性樹脂を架橋して耐刷力を上げることも知られているが、印刷汚れを発生しやすい問題があった。
【0007】
特開2001−253180号、特開2001−341450号には、微粒子として熱反応性を有する疎水性化合物を内包するマイクロカプセルを用い、感度、耐刷性、汚れ難さ等を改良した機上現像可能な感熱性平版印刷版用原版が記載されている。
【0008】
特開2002−29162号には、機上現像型の平版印刷版用原版の画像形成層に、ビニルオキシ化合物を内包するマイクロカプセル、及びビニルオキシ基と反応性の官能基を有する親水性樹脂とを含有させることによって、良好な耐刷性が得られることが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術によってもなお品質性能が不十分であることが分かった。印刷初期に一見良好に機上現像され、汚れを発生しないものでも、刷り込み時に汚れが発生する場合があった。本発明の目的は、この問題を解決することである。すなわち、デジタル信号に基づいた赤外線走査露光後そのまま印刷機に装着して機上現像による製版が可能な平版印刷版用原版の耐刷性を損なわず、機上現像性及び汚れ難さを改良することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の通りである。
1.親水性表面を有する支持体上に、ビニルオキシ基を2個以上有する化合物を内包するマイクロカプセル、並びに、中和された酸基、及びビニルオキシ基と反応する基を有する親水性樹脂を含有する画像形成層を有する平版印刷版用原版。
【0011】
2.画像形成層中に、光熱変換剤及び酸前駆体を含有することを特徴とする前記1記載の平版印刷版用原版。
【0012】
本発明者は、刷り込み時に汚れるのは、画像形成層の親水性樹脂が機上現像後に非画像部に僅かに残存するためだと推定し、鋭意検討した結果、(1)親水性樹脂に中和された酸基を導入することによって現像性を向上できること、及び(2)現像性向上に伴う耐刷劣化は、親水性樹脂にマイクロカプセル内包物と反応する基を導入することによって対策できることを見出し、本発明に至ったものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔画像形成層〕
本発明のビニルオキシ基としては、一般式(I)で示されるものが挙げられる。
【0014】
【化1】
Figure 2004050745
【0015】
式中R、R及びRは、それぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、同一又は異なってもよい。また、それらの内の2つが結合して飽和又はオレフィン性不飽和の環を形成してもよい。
【0016】
更に詳しくは、一般式(I)において、R、R、及びRのいずれかがアリール基の場合、そのアリール基は6〜20個の炭素原子を有するものが好ましく、更に、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルメルカプト基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、スルホニル基、シアノ基、ハロゲン原子等により置換されていてよい。
【0017】
、R、及びRのいずれかがアルキル基又はアルケニル基の場合には、炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状又は脂環状の炭素鎖のものであることが好ましく、更にハロゲン原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基等により置換されていてもよい。R、R及びRのいずれか2つが結合してビニル基の炭素原子と共に環を形成している場合には、それは好ましくは炭素数3〜8、より好ましくは5〜6の飽和又は不飽和の環である。
【0018】
本発明においては、一般式(I)で示されるビニルオキシ基のうち、より好ましいのは、R、R及びRのうちいずれか一つがメチル基又はエチル基で、残りが水素原子であるビニルオキシ基、特に好ましいのはR、R及びRがすべて水素原子であるビニルオキシ基(ビニルエーテル基)である。
【0019】
本発明のビニルオキシ基を有する化合物は、一般式(I)で示されるビニルオキシ基を2個以上含有する。ビニルオキシ基が2個以上であることにより、有効に架橋することができる。又、これらは大気圧下で60℃以上の沸点を有する化合物であり、より好ましい化合物としては、ビニルエーテル基を有する下記一般式(II)又は(III)で示す化合物が挙げられる。
【0020】
一般式(II)  A−〔−O−(R−O)n−CH=CH〕m
一般式(III)  A−〔−B−R−O−CH=CH〕m
ここで、Aはm価のアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を示し、Bは−CO−O−、−NHCOO−又は−NHCONH−を示し、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、nは0又は1〜10の整数、mは2〜6の整数を示す。
【0021】
一般式(II)で示される化合物は例えば、Stephen. C. Lapin, Polymers Paint Colour Journal, 179(4237) 、321(1988) に記載されている方法、すなわち、多価アルコールもしくは多価フェノールとアセチレンとの反応、又は多価アルコールもしくは多価フェノールとハロゲン化アルキルビニルエーテルとの反応により合成することができる。
【0022】
具体例としてエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、エチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、エチレングリコールジプロピレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパンジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラエチレンビニルエーテル、1,2−ジ(ビニルエーテルメトキシ)ベンゼン、1,2−ジ(ビニルエーテルエトキシ)ベンゼン、並びに以下の構造式(M−1)〜(M−41)で示される化合物を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0023】
【化2】
Figure 2004050745
【0024】
【化3】
Figure 2004050745
【0025】
【化4】
Figure 2004050745
【0026】
【化5】
Figure 2004050745
【0027】
【化6】
Figure 2004050745
【0028】
【化7】
Figure 2004050745
【0029】
【化8】
Figure 2004050745
【0030】
【化9】
Figure 2004050745
【0031】
一方、一般式(III)(B=CO−O−の場合)で示される化合物は多価カルボン酸とハロゲン化アルキルビニルエーテルとの反応により製造することができる。具体的にはテレフタル酸ジエチレンビニルエーテル、フタル酸ジエチレンビニルエーテル、イソフタル酸ジエチレンビニルエーテル、フタル酸ジプロピレンビニルエーテル、テレフタル酸ジプロピレンビニルエーテル、イソフタル酸ジプロピレンビニルエーテル、マレイン酸ジエチレンビニルエーテル、フマル酸ジエチレンビニルエーテル、イタコン酸ジエチレンビニルエーテル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
更に本発明において好適に用いられるビニルオキシ基含有化合物としては、下記一般式(IV)、(V)または(VI)等で示される活性水素を有するビニルオキシ化合物と、イソシアナート基を有する化合物との反応により合成されるビニルオキシ基含有化合物を挙げることができる。
【0033】
一般式(IV) CH=CH−O−R−OH
一般式(V) CH=CH−O−R−COOH
一般式(VI) CH=CH−O−R−NH
【0034】
ここでRは炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキレン基を示す。イソシアナート基を含有する化合物としては、例えば架橋剤ハンドブック(大成社刊、1981年発行)に記載の化合物を用いることができる。
【0035】
具体的には、トリフェニルメタントリイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナートの2量体、ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、o−トリレンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等のポリイソシアナート型、トリレンジイソシアナートとトリメチロールプロパンの付加体、ヘキサメチレンジイソシアナートと水との付加体、キシレンジイソシアナートとトリメチロールプロパンとの付加体等のポリイソシアナートアダクト型等を挙げることができる。
【0036】
上記イソシアナート基含有化合物と、活性水素含有ビニルオキシ基含有化合物とを反応させることにより、末端にビニルオキシ基を持つ種々の化合物ができる。下記に本発明に使用されるビニルオキシ基を持つ化合物の例を列挙するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0037】
【化10】
Figure 2004050745
【0038】
【化11】
Figure 2004050745
【0039】
更に本発明に好適に用いられるビニルオキシ基を有する化合物として、側鎖にビニルオキシ基を有するポリマーを挙げることができる。具体例としては、下記のポリマーが挙げられる。
【0040】
【化12】
Figure 2004050745
【0041】
【化13】
Figure 2004050745
【0042】
ビニルオキシ基を有する化合物をマイクロカプセル化する方法としては、公知の方法が適用できる。例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許2800457号、同2800458号にみられるコアセルベーションを利用した方法、英国特許990443号、米国特許3287154号、特公昭38−19574号、同42−446号、同42−711号にみられる界面重合法による方法、米国特許3418250号、同3660304号にみられるポリマーの析出による方法、米国特許3796669号に見られるイソシアネートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許3914511号に見られるイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特許4001140号、同4087376号、同4089802号にみられる尿素―ホルムアルデヒド系あるいは尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許4025445号にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号、同51−9079号にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許930422号米国特許3111407号にみられるスプレードライング法、英国特許952807号、同967074号にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、およびこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレアおよびポリウレタンが好ましい。
【0044】
本発明のマイクロカプセルは、その合成時に、内包物が溶解し、かつ壁材が膨潤する溶剤を分散媒中に添加することができる。この溶剤によって、内包された化合物のマイクロカプセル外への拡散が促進される。このような溶剤としては、マイクロカプセル分散媒、マイクロカプセル壁の材質、壁厚および内包物に依存するが、多くの市販されている溶剤から容易に選択することができる。例えば架橋ポリウレア、ポリウレタン壁からなる水分散性マイクロカプセルの場合、アルコール類、エーテル類、アセタール類、エステル類、ケトン類、多価アルコール類、アミド類、アミン類、脂肪酸類等が好ましい。
【0045】
具体的化合物としては、メタノール、エタノール、第3ブタノール、n−プロパノール、テトラヒドロフラン、乳酸メチル、乳酸エチル、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、γ−ブチルラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどがあるが、これらに限られない。またこれらの溶剤を2種以上用いても良い。
【0046】
マイクロカプセル分散液には溶解しないが、前記溶剤を混合すれば溶解する溶剤も用いることができる。添加量は、素材の組み合わせにより決まるものであるが、適性値より少ない場合は、画像形成が不十分となり、多い場合は分散液の安定性が劣化する。通常、塗布液の5〜95質量%が有効であり好ましい範囲は、10〜90質量%、より好ましい範囲は15〜85質量%である。
【0047】
上記のビニルオキシ基を有する化合物を内包するマイクロカプセルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましいが、その中でも0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.08〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度および経時安定性が得られる。
【0048】
上記マイクロカプセルの添加量は、画像形成層固形分の50質量%以上が好ましく、60〜95質量%がさらに好ましい。この範囲内で、良好な機上現像性と同時に、良好な感度および耐刷性が得られる
【0049】
本発明の画像形成層は、中和された酸基、及びビニルオキシ基と反応する基を有する親水性樹脂を含有する。中和された酸基を有することによって、機上現像性が改良され、ビニルオキシ基と反応する基を有することによって、良好な耐刷性が得られる。
【0050】
酸基の好適なものとして、カルボン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基、スルホンアミド基などが挙げられる。
【0051】
中和された酸基としては、上記酸基の金属塩又はアンモニウム塩が挙げられる。アンモニウム塩は、炭化水素基で置換されていてもよく、含窒素ヘテロ環のアンモニウム塩でも良い。置換炭化水素基の合計炭素数は10個以下が好ましい。含窒素ヘテロ環の炭素数は10個以下が好ましい。
【0052】
具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム塩、トリス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム塩、コリン塩、モルホリニウム塩、アニリニウム塩、ピリジニウム塩、N−メチルイミダゾリウム塩などが挙げられる。しかし、これらに限定されない。
【0053】
ビニルオキシ基と反応する基の好適なものとして、ヒドロキシル基及び上記の酸基と同じものが挙げられる。
【0054】
本発明の親水性樹脂は、酸基を有するビニルモノマー、ビニルオキシ基と反応する基を有するモノマー、及び必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニルモノマーを共重合して得られた酸基を有するポリマーを部分的に中和することによって得ることができる。部分的中和によって、ビニルオキシ基と反応する酸基と現像性寄与が大きい中和された酸基とを有する親水性樹脂が得られる。中和度としては、機上現像性と耐刷性の観点から、酸基の10〜70モル%が中和されているのが好ましく、20〜60モル%が中和されているのがより好ましい。
【0055】
本発明において用いられる酸基を含有するビニルモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、p−ビニル安息香酸、p−ビニル桂皮酸、ビニルホスホン酸、p−ビニルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、マレイン酸モノメチルエーテル、マレイン酸モノエチルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
本発明において用いられるビニルオキシ基と反応するヒドロキシル基を有するモノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、p−ヒドロキシスチレン、ハロゲン化ヒドロキシスチレン、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、(4−ヒドロキシフェニル)アクリレート、(4−ヒドロキシフェニル)メタクリレート等が挙げられる。ビニルオキシ基と反応する酸基を有するモノマーとしては、上記酸基を有するモノマーと同じものが挙げられる。
【0057】
これらと必要に応じて共重合可能なモノマーとしては、例えばアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルピロリドン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ビニルベンゾエート、塩化ビニル、ビニリデンクロライド、スチレン、酢酸ビニル、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
本発明に好適な別の親水性樹脂として、上記ビニル重合型以外のカルボン酸含有ポリマーを部分中和して得られるポリマーを挙げることができる。好適なカルボン酸含有ポリマーとしては、アルギン酸などのように元々カルボン酸を有する親水性高分子の他に、カルボキシメチルセルロースなどのように、カルボン酸変性された高分子を挙げることができる。変性される高分子は、ビニルオキシ基と反応する基、特にヒドロキシル基を有する親水性高分子が好ましく、セルロースの他にも、例えば、でんぷん、多糖類、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0059】
特に好適な具体的な親水性樹脂として、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、カルボン酸変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースなどのカルボン酸変性セルロース、カルボン酸変性でんぷん、ポリビニルホスホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)などの酸基を部分中和したものを挙げることができる。
【0060】
上記親水性樹脂の含有量は、画像形成層固形分の2〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
【0061】
又、上記親水性樹脂は印刷機上で未露光部が現像できる程度に架橋して用いてもよい。その際に用いることのできる架橋剤としては、グリオキザール、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などのアルデヒド類、N−メチロール尿素やN−メチロールメラミン、メチロール化ポリアミド樹脂などのメチロール化合物、ジビニルスルホンやビス(β−ヒドロキシエチルスルホン酸)などの活性ビニル化合物、エピクロルヒドリンやポリエチレングリk−ルジグリシジルエーテル、ポリアミド、ポリアミン、エピクロロヒドリン付加物、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂などのエポキシ化合物、モノクロル酢酸エステルやチオグリコール酸エステルなどのエステル化合物、ポリアクリル酸やメチルビニルエーテル/マレイン酸共重合物などのポリカルボン酸類、ホウ酸、チタニルスルフェート、Cu、Al、Sn、V、Cr塩などの無機系架橋剤、変性ポリアミドポリイミド樹脂などが挙げられる。その他、塩化アンモニウム、シランカプリング剤、チタネートカップリング剤等の架橋触媒を併用できる。
【0062】
本発明の画像形成層は酸前駆体を含有することが好ましい。酸前駆体は、露光時に酸を発生してビニルオキシ基を有する化合物の反応を開始または促進する。酸前駆体は、画像形成層の親水性樹脂中に含有させることもできるが、ビニルオキシ基を有する化合物を内包するマイクロカプセル中に含有させた方が高感度、高耐刷が得やすい。
【0063】
本発明で使用できる酸前駆体としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の酸発生剤等、公知の熱分解して酸を発生する化合物、及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0064】
例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同Re27,992号、特開平4−365049号の明細書に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad,Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.& Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514号に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,PolymerBull.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivel.lo et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同3,902,114号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号に記載のスルホニウム塩、
【0065】
J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivel lo et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et al,J.Rad.Curing,13(4),26(1986),T.P.Gill et al,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896)、特開平2−161445号に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase etal,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichmanis et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu et al,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、B.Amit et al,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973),
【0066】
D.H.R.Barton et al,J.Chem.Soc.3571(1965)、P.M.Collins et al,J.Chem.Soc.,Perkin I,1695(1975)、M.Rudinstein etal,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker et al,J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman et al,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan et al,Macromolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins et al,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase et al,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis et al,J.Electrochem.Soc.,SolidState Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan et al,Macromolecules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKA et al,Polymer Preprints Japan,38(8)、G.Berner et al,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijset al,Coating Technol.,55(697),45(1983)、Akzo,H.Adachi etal,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,672号、同044,115号、同0101,122号、米国特許第4,618,564号、同4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特願平3−140109号に記載のイミノスルフォネート等に代表される、光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号に記載のジスルホン化合物を挙げることができる。
【0067】
またこれらの酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、例えば、M.E.Woodhouse et al,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappasetal,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo et al. Makromol.Chem.,RapidCommun.,9,625(1988)、Y.Yamada et al,Makromol.Chem.,152,153,163(1972)、J.V.Crivello et al.J.Poylmer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3,914,407、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−1460387、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号に記載の化合物を用いることができる。
【0068】
更に、V.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad et al,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。具体的には、下記化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0069】
【化14】
Figure 2004050745
【0070】
【化15】
Figure 2004050745
【0071】
【化16】
Figure 2004050745
【0072】
【化17】
Figure 2004050745
【0073】
【化18】
Figure 2004050745
【0074】
【化19】
Figure 2004050745
【0075】
これらの酸前駆体の添加量は、画像形成層全固形分の0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。
【0076】
また、本発明の画像形成層は、感度を高めるため、光を熱に変換させる機能の光熱変換剤を含有することが好ましい。光熱変換剤としては、赤外線、中でも近赤外線(波長700〜2000nm)を吸収する物質であればよく、種々の公知の顔料、染料又は色素、及び金属微粒子を用いることができる。
【0077】
例えば、特開2001−301350号、日本印刷学会誌、38卷35〜40頁(2001)「新イメージング材料、2.近赤外線吸収色素」等に記載の顔料、染料又は色素、及び金属微粒子が好適に用いられる。顔料及び金属微粒子は、必要に応じて、公知の表面処理を施したものを用いることができる。
【0078】
染料又は色素として、より具体的には、米国特許4756993号、同4973572号、特開平10−268512号、同11−235883号、特公平5−13514号、同5−19702号、特開2001−347765号等に記載のシアニン色素、ポリメチン色素、アゾメチン色素、スクアリリウム色素、ピリリウム及びチオピリリウム塩系染料、ジチオール金属錯体、フタロシアニン色素等が挙げられる。特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、フタロシアニン色素が挙げられる。
【0079】
顔料としては、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。中でもカーボンブラックが特に好ましい。
【0080】
金属微粒子としてはAg、Au、Cu、Sb、Ge及びPbの微粒子が好ましく、Ag、Au及びCuの微粒子がより好ましい。
【0081】
光熱変換剤は、画像形成層に添加する場合、画像形成層バルク中に添加しても良いし、マイクロカプセルに内包した形で添加しても良い。バルク中に添加するときは親水性の光熱変換剤が好ましく、マイクロカプセルに内包する場合は親油性の光熱変換剤が好ましい。光熱変換剤の添加割合は、画像形成層固形分の1〜50質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。これらの範囲で、画像形成層の膜強度を損なうことなく、良好な感度が得られる。
【0082】
また、本発明の画像形成層には、画像形成後、画像部と非画像部の区別をつきやすくするため、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。添加量は、画像形成層塗布液全固形分に対し0.01〜10質量%が好ましい。
【0083】
さらに、本発明の画像形成層には、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を加えることができる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。
【0084】
本発明の画像形成層は、必要な上記各成分を溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製し、塗布される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独又は混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
【0085】
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像形成層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.5〜5.0g/mが好ましい。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
【0086】
本発明にかかわる画像形成層塗布液には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、画像形成層全固形分の0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
【0087】
[オーバーコート層]
本発明の平版印刷版用原版は、保存時の親油性物質による汚染や取り扱い時の手指の接触による指紋跡汚染等から親水性の画像形成層表面を保護するため、画像形成層上に、特開2001−162961号、特開2002−19318号に記載の水溶性樹脂を含有するオーバーコート層を設けることができる。
【0088】
オーバーコート層に用いられる水溶性樹脂の具体例としては、天然高分子では、アラビアガム、水溶性大豆多糖類、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ、メチルセルローズ等)、その変性体、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等、合成高分子では、ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルの加水分解率65%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ビニルアルコール/アクリル酸共重合体およびそのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、等を挙げることができる。目的に応じて、これらの樹脂を二種以上混合して用いることもできる。しかし、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0089】
上記のオーバーコート層には、感度を向上させるため光熱変換剤を含有させることができる。好ましい光熱変換剤としては、前記の画像形成層の説明中に構造式で示した赤外線吸収色素が好適に用いられるが、中でも、水溶性の赤外線吸収色素が好ましい。
【0090】
その他、オーバーコート層には塗布の均一性を確保する目的で、水溶液塗布の場合には主に非イオン系界面活性剤を添加することができる。この様な非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル等を挙げることが出来る。上記非イオン界面活性剤のオーバーコート層の全固形物中に占める割合は、0.05〜5質量%が好ましく、より好ましくは1〜3質量%である。
【0091】
さらに、上記オーバーコート層には、積み重ね保存時のプレート間のくっつきを防止するため、特開2001−341448号記載のフッ素原子及びケイ素原子のうちいずれかを有する化合物を含有することができる。
【0092】
本発明のオーバーコート層の厚みは、0.1〜4.0μmが好ましく、更に好ましい範囲は0.1〜1.0μmである。この範囲内で、印刷機上でのオーバーコート層の除去性を損なうことなく、親油性物質による画像形成層の汚染を防止できる。
【0093】
〔支持体〕
本発明の平版印刷版用原版において前記画像形成層を塗布可能な支持体としては、寸度的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が挙げられる。
【0094】
該アルミニウム板は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、さらにはアルミニウムまたはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10以下である。また、DC鋳造法を用いたアルミニウム鋳塊からのアルミニウム板でも、連続鋳造法による鋳塊からのアルミニウム板であっても良い。しかし、本発明に適用されるアルミニウム板は、公知公用の素材のアルミニウム板をも適宜に利用することができる。
【0095】
本発明で用いられる上記の基板の厚みは0.05mm〜0.6mm、好ましくは0.1mm〜0.4mm、特に好ましくは0.15mm〜0.3mmである。
【0096】
アルミニウム板を使用するに先立ち、表面の粗面化、陽極酸化などの表面処理をすることが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像形成層との接着性の確保が容易になる。
【0097】
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。化学的方法としては、特開昭54−31187号公報に記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適している。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸などの酸を含む電解液中で交流または直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号に開示されているように混合酸を用いた電解粗面化方法も利用することができる。
【0098】
上記の如き方法による粗面化は、アルミニウム板の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.2〜1.0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。
【0099】
粗面化されたアルミニウム板は必要に応じて水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどの水溶液を用いてアルカリエッチング処理がされ、さらに中和処理された後、所望により耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。
【0100】
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
【0101】
陽極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。形成される酸化皮膜量は、1.0〜5.0g/m、特に1.5〜4.0g/mであることが好ましい。
【0102】
本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのままでも良いが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などの一層改良のため、必要に応じて、特願2000−65219号や特願2000−143387号に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理、マイクロポアの封孔処理、及び親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。
【0103】
上記親水化処理のための好適な親水性化合物としては、ポリビニルホスホン酸、スルホン酸基をもつ化合物、糖類化合物、クエン酸、アルカリ金属珪酸塩、フッ化ジルコニウムカリウム、リン酸塩/無機フッ素化合物などを挙げることができる。
【0104】
本発明の支持体としてポリエステルフィルムなど表面の親水性が不十分な支持体を用いる場合は、親水層を塗布して表面を親水性にすることが望ましい。親水層としては、特願2000−10810号に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属から選択される少なくとも一つの元素の酸化物または水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。中でも、珪素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
【0105】
本発明においては、画像形成層を塗布する前に、必要に応じて、特願2000−143387号に記載の、例えばホウ酸亜鉛等の水溶性金属塩のような無機下塗層、又は例えばカルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリアクリル酸などの含有する有機下塗層が設けられてもかまわない。又、この下塗層には、前記赤外線吸収色素を含有させてもよい。
【0106】
〔製版及び印刷〕
本発明の平版印刷版用原版は熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。
【0107】
画像露光された本発明の平版印刷版用原版は、それ以上の処理なしに印刷機に装着し、インキと湿し水を用いて通常の手順で印刷することができる。また、これらの平版印刷版用原版は、日本特許2938398号に記載されているように、印刷機シリンダー上に取りつけた後に、印刷機に搭載されたレーザーにより露光し、その後に湿し水および/またはインクをつけて機上現像することも可能である。また、これらの平版印刷版用原版は、水または適当な水溶液を現像液とする現像をした後、印刷に用いることもできる。
【0108】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0109】
実施例1
(アルミニウム支持体の作成)
99.5%アルミニウムに、銅を0.01%、チタンを0.03%、鉄を0.3%、ケイ素を0.1%含有するJISA1050アルミニウム材(熱伝導率0.48cal/cm・sec・℃)の厚み0.24mm圧延板を、400メッシュのパミストン(共立窯業製)の20%水性懸濁液と、回転ナイロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用いてその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。これを15%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニウム4.5%含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が5g/mになるようにエッチングした後、流水で水洗した。更に、1%硝酸で中和し、次に0.7%硝酸水溶液(アルミニウム0.5%含有)中で、陽極時電圧10.5ボルト、陰極時電圧9.3ボルトの矩形波交番波形電圧(電流比r=0.90、特公昭58−5796号公報実施例に記載されている電流波形)を用いて160クローン/dmの陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水洗後、35℃の10%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミニウム溶解量が1g/mになるようにエッチングした後、水洗した。次に、50℃、30%の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗した。さらに、35℃の硫酸20%水溶液(アルミニウム0.8%含有)中で直流電流を用いて、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。即ち電流密度13A/dmで電解を行い、電解時間の調節により陽極酸化皮膜重量2.7g/mとした。この支持体を水洗後、70℃のケイ酸ナトリウムの0.2%水溶液に30秒間浸漬処理し、水洗乾燥した。
【0110】
(マイクロカプセル(1)の合成)
油相成分としてトリメチロールプロパンとキシリレンジイソシアナートとの付加体(武田薬品工業製タケネートD−110N、マクロカプセル壁材)40g、ビスフェノールAのビス(ビニルオキシエチル)エーテル(本明細書記載のM−11)15g、赤外線吸収染料A(下記)5g、アニオン界面活性剤(竹本油脂製パイオニンA41C)0.1gを酢酸エチル60gに溶解した。水相成分としてPVA205の4%水溶液120gを調製した。油相成分及び水相成分を、ホモジナイザーを用い10000rpmで10分間乳化した。その後水を40g添加し、室温で30分さらに40℃で3時間攪拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液の固形分濃度は25質量%であり、平均粒径は0.4μmであった。
【0111】
【化20】
Figure 2004050745
【0112】
上記アルミニウム支持体上に、下記の組成よりなる画像形成層塗布液をバー塗布し、オーブンで80℃、90秒の条件で乾燥し、画像形成層の乾燥塗布量1.0g/mの平版印刷版用原版を作製した。
【0113】
画像形成層塗布液(1)
水                       100g
マイクロカプセル(1)(固形分換算で)       5g
親水性樹脂・中和したポリアクリル酸
(酸基の30モル%がNa塩、平均分子量25000)1g
酸前駆体(本明細書記載のAI−8)       0.5g
メガファックF−171(大日本インキ化学工業(株)製、
フッ素系界面活性剤)              0.05g
【0114】
このようにして得られた平版印刷版用原版を、水冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力17W、外面ドラム回転数150rpm、版面エネルギー200mJ/m、解像度2400dpiの条件で露光した後、現像処理することなく、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取り付け、EU−3(富士写真フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール(容量比1/89/10)からなる湿し水と、大日本インキ化学工業(株)製ジオスG墨インキを用い、湿し水を供給した後、インキを供給し、さらに紙を供給して印刷を行ったところ、問題なく機上現像することができ、印刷可能であった。印刷10枚目の印刷物を20倍のルーペを用いて評価したところ、地汚れはなく、ベタ画像部の濃度の均一性は極めて良好であった。更に印刷を継続したところ、細線や細文字の欠落及びベタ画像濃度のムラがなく、非画像部の汚れも発生せず、良好な印刷物が20000枚以上得られた。
【0115】
実施例2
実施例1の画像形成層塗布液(1)中の親水性樹脂を中和したポリアクリル酸(酸基の30モル%がビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム塩、平均分子量25000)に変えた以外は、実施例1と同様に、平版印刷版用原版を作製し、露光、印刷を実施したところ、問題なく機上現像することができ、印刷可能であった。印刷10枚目の印刷物を20倍のルーペを用いて評価したところ、地汚れはなく、ベタ画像部の濃度の均一性は極めて良好であった。更に印刷を継続したところ、細線や細文字の欠落及びベタ画像濃度のムラがなく、非画像部の汚れも発生せず、良好な印刷物が20000枚以上得られた。
【0116】
実施例3
実施例1の画像形成層塗布液(1)中の親水性樹脂をアニオン性のカルボン酸変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、KL−506、ケン化度74〜80モル%)に変えた以外は、実施例1と同様に、平版印刷版用原版を作製し、露光、印刷を実施したところ、問題なく機上現像することができ、印刷可能であった。印刷10枚目の印刷物を20倍のルーペを用いて評価したところ、地汚れはなく、ベタ画像部の濃度の均一性は極めて良好であった。更に印刷を継続したところ、細線や細文字の欠落及びベタ画像濃度のムラがなく、非画像部の汚れも発生せず、良好な印刷物が20000枚以上得られた。
【0117】
比較例1
実施例1の画像形成層塗布液(1)中の親水性樹脂をポリアクリル酸ナトリウム塩(酸基の100モル%がNa塩、平均分子量25000)に変えた以外は、実施例1と同様に、平版印刷版用原版を作製し、露光、印刷を実施したところ、問題なく機上現像することができ、印刷可能であったが、更に印刷を継続したところ、5000枚以降で、細線や細文字の欠落及びベタ画像部の濃度ムラ(インキ着肉不良)が発生し、良好な印刷物を得ることができなくなった。
【0118】
比較例2
実施例1の画像形成層塗布液(1)中の親水性樹脂を部分ケン化ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA217、ケン化度87〜89モル%)に変えた以外は、実施例1と同様に、平版印刷版用原版を作製し、露光、印刷を実施したところ、刷り出し初期は、印刷物の非画像部の汚れは実用上問題のないレベルだったが、更に印刷を継続したところ、非画像部の汚れが発生し、良好な印刷物を得ることができなかった。
【0119】
実施例4〜7
実施例1の画像形成層塗布液(1)中の親水性樹脂を表1の中和した酸基を有する親水性樹脂に変えた以外は、実施例1と同様に、各々の平版印刷版用原版を作製した。実施例1と同様に露光、印刷を実施したところ、問題なく機上現像することができ、印刷可能であった。印刷10枚目の印刷物を20倍のルーペを用いて評価したところ、地汚れはなく、ベタ画像部の濃度の均一性は極めて良好であった。更に印刷を継続したところ、細線や細文字の欠落及びベタ画像濃度のムラがなく、非画像部の汚れも発生せず、良好な印刷物が20000枚以上得られた。
【0120】
【表1】
Figure 2004050745
【0121】
実施例8
実施例1のマイクロカプセル(1)を下記マイクロカプセル(2)に替え、画像形成層塗布液(1)を下記塗布液(2)に替えた以外は、実施例1と同様に、平版印刷版用原版を作製した。実施例1と同様に露光、印刷を実施したところ、問題なく機上現像することができ、印刷可能であった。印刷10枚目の印刷物を20倍のルーペを用いて評価したところ、地汚れはなく、ベタ画像部の濃度の均一性は極めて良好であった。更に印刷を継続したところ、細線や細文字の欠落及びベタ画像濃度のムラがなく、非画像部の汚れも発生せず、良好な印刷物が20000枚以上得られた。
【0122】
(マイクロカプセル(2)の合成)
油相成分としてトリメチロールプロパンとキシリレンジイソシアナートとの付加体(武田薬品工業製タケネートD−110N、マクロカプセル壁材)20g、芳香族イソシアネートオリゴマー(日本ポリウレタン製、ミリオネートMR−200、マクロカプセル壁材)15g、ビスフェノールAのビス(ビニルオキシエチル)エーテル15g、パイオニンA41C 0.1gを酢酸エチル60gに溶解した。水相成分としてPVA205の4質量%水溶液120gを調製した。油相成分及び水相成分をホモジナイザーにて10000rpmで10分間乳化した。その後、水40g及びテトラエチレンペンタミン1.5gを添加し、室温で30分さらに65℃で3時間攪拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液の固形分濃度は25質量%であり、平均粒径は0.4μmであった。
【0123】
画像形成層塗布液(2)
水                         100g
マイクロカプセル(1)(固形分換算で)       4.5g
親水性樹脂:中和したアクリル酸(酸基の30モル%がNa塩、
平均分子量25000)             1g
酸前駆体(本明細書記載のAI−8)         0.5g
赤外線吸収色素B(下記)              0.5g
メガファックF−171              0.05g
【0124】
【化21】
Figure 2004050745
【0125】
実施例9〜14
実施例8の画像形成層塗布液中の親水性樹脂を各々実施例2〜7の親水性樹脂に替えた以外は、実施例8と同様に、各々の平版印刷版用原版を作製し、露光、印刷を実施したところ、問題なく機上現像することができ、印刷可能であった。印刷10枚目の印刷物を20倍のルーペを用いて評価したところ、地汚れはなく、ベタ画像部の濃度の均一性は極めて良好であった。更に印刷を継続したところ、細線や細文字の欠落及びベタ画像濃度のムラがなく、非画像部の汚れも発生せず、良好な印刷物が20000枚以上得られた。
【0126】
【発明の効果】
本発明によれば、デジタル信号に基づいた赤外線走査露光後そのまま印刷機に装着して機上現像による製版が可能な平版印刷版用原版において、耐刷性を損なわず、機上現像性及び汚れ難さを改良できる。

Claims (2)

  1. 親水性表面を有する支持体上に、ビニルオキシ基を2個以上有する化合物を内包するマイクロカプセル、並びに、中和された酸基、及びビニルオキシ基と反応する基を有する親水性樹脂を含有する画像形成層を有する平版印刷版用原版。
  2. 画像形成層中に、光熱変換剤及び酸前駆体を含有することを特徴とする請求項1記載の平版印刷版用原版。
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