JP2004050187A - テーラードブランク材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のテーラードブランク材よりも複数の板材の配置の自由度が増し,かつ,優れたプレス加工性を有するテーラードブランク材を提供すること。
【解決手段】アルミニウム合金よりなる主板材2と,材質または板厚の少なくとも一方が主板材と異なるアルミニウム合金よりなる副板材3とを接合してなる,プレス成形用のテーラードブランク材1である。主板材には,切り欠き部又は貫通穴部よりなる主当接部を設けてあり,一方,副板材には,主当接部に密接可能な副当接部を設けてある。主当接部と副当接部とが突き合わされた状態で,摩擦撹拌接合により接合されている。
【選択図】 図3
【解決手段】アルミニウム合金よりなる主板材2と,材質または板厚の少なくとも一方が主板材と異なるアルミニウム合金よりなる副板材3とを接合してなる,プレス成形用のテーラードブランク材1である。主板材には,切り欠き部又は貫通穴部よりなる主当接部を設けてあり,一方,副板材には,主当接部に密接可能な副当接部を設けてある。主当接部と副当接部とが突き合わされた状態で,摩擦撹拌接合により接合されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は,プレス成形に供されるブランク材であって,部分的に板厚又は材質の異なるテーラードブランク材に関する。
【0002】
【従来技術】
近年,地球環境保護および省エネルギーの観点から,特に自動車関連では排出する有害ガスの抑制,地球温暖化を引き起こすとされる二酸化炭素の抑制および燃費向上が急務となっている。
これらの諸問題を解決する一つの方策としては,車体の軽量化が有効であり,特にボディおよび部品等に従来から使用されている鋼を軽量材であるアルミニウム合金ヘ置換することが盛んに検討されている。
更には,素材を可能な限り節約し,部材の適材適所を図る試みも同時に検討されており,特に板厚の異なる板あるいは材質の異なる板を接合し,プレス成形に供するテーラードブランクの考え方が自動車の軽量化による燃費向上には有効な手段とされている。
【0003】
鋼板を用いた従来のテーラードブランク材は,複数の鋼板の直線状の端面を突き合せて,レーザー溶接或いはマッシュシーム溶接することによって一枚の板として製造する方法が知られている。このテーラードブランク材は,その後プレス成形によって特定の形状に加工される。
また最近では,従来の突合せ方法とは異なるテーラードブランク材の製造方法も,特開2000−197969号公報や特開2001−122154号公報に開示されている。具体的には,ベースとなる主板材の表面において部分的に副板材を重ねて配置し,その周囲等を主板材に接合する方法が示されている。
また,板厚が異なる一対の金属板の直線状の端面を突き合わせて摩擦撹拌接合により接合したテーラードブランク板材が,特開2001−269779号公報に開示されている。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,従来のテーラードブランク材においては,次のような問題がある。
即ち,2種類の板材の直線状の端面を突き合わせ接合することにより作製したテーラードブランク材は,例えば複雑な形状のプレス加工品においては,その接合部の位置が必ずしも最適な位置とならない。
【0005】
一方,上記の主板材の表面に副板材を部分的に重ね合わせる構造の場合には,上記の端面を突き合わせる場合に比べて,副板材の自由な配置を実現することができる。しかしながら,プレス加工時において,重ね合わせ部における摩擦や応力差などが生じて接合部の破断が生じることがある。さらには,重ね合わせ部に閉じこめられた空気の影響や,進入した水分等の悪影響を受けることもある。
【0006】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,従来のテーラードブランク材よりも複数の板材の配置の自由度が増し,かつ,優れたプレス加工性を有するテーラードブランク材を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】
第1の発明は,アルミニウム合金よりなる主板材と,材質または板厚の少なくとも一方が上記主板材と異なるアルミニウム合金よりなる副板材とを接合してなる,プレス成形用のテーラードブランク材において,
上記主板材には,切り欠き部又は貫通穴部よりなる主当接部を設けてあり,一方,上記副板材には,上記主当接部に密接可能な副当接部を設けてあり,
上記主当接部と上記副当接部とが突き合わされた状態で,摩擦撹拌接合により接合されていることを特徴とするテーラードブランク材にある(請求項1)。
【0008】
本発明においては,上記のごとく,上記主板材に切り欠き部又は貫通穴部よりなる主当接部を設け,一方,上記副板材には,上記主当接部に密接可能な副当接部を設けてある。これら主当接部及び副当接部は,用途に応じて自由な形状に設定することができる。そのため,この特殊な形状の主当接部と副当接部を突き合わせ接合して得られたテーラードブランク材は,プレス加工性の観点から,あるいは得られるプレス加工品にとって,最適な位置に最適な形状の接合部分を有するものとすることができる。
【0009】
また,上記主当接部と副当接部との当接部においては,副板材の少なくとも一部が主板材にはめ込まれた状態となる。これにより,従来の直線状の端部同士を接合した場合と比べて,接合部分の剛性,安定性を向上させることができる。
また,上記のような接合部の位置,形状等の自由度の向上によって,プレス加工に最適なブランク材を設計することもできる。例えば,プレス加工時において部分的に加工度の違いがある場合には,伸び,強度等が異なる主板材と副板材を採用し,これら主板材と副板材の配置を加工度の違いに応じて決定することができる。
【0010】
また,上記のごとく,主当接部と副当接部とは突き合わせて接合してある。そのため,上記主板材と副板材とが重なり合う部分がなく,プレス加工性を向上させることができる。
さらに,上記主当接部と副当接部との接合は,上記摩擦撹拌接合により行っている。これにより,上記主当接部と副当接部が単なる直線状ではなく複雑な形状をしていたとしても,両者の当接状態を維持して確実な接合を行うことができる。そして,また,溶融部のない安定的な継ぎ手部分を得ることができる。そして,接合部分でも優れた強度と靱性を維持することができる。
【0011】
このように,本発明のテーラードブランク材は,従来のテーラードブランク材よりも複数の板材の配置の自由度が増し,かつ,優れたプレス加工性を有する優れたものとなる。
【0012】
第2の発明は,アルミニウム合金よりなる主板材と,材質または板厚の少なくとも一方が上記主板材と異なるアルミニウム合金よりなる副板材とを接合してなる,プレス成形用のテーラードブランク材を製造する方法において,
上記主板材に切り欠き部又は貫通穴部よりなる主当接部を設けると共に,上記副板材に上記主当接部に密接可能な副当接部を設け,
上記主板材と上記副板材とを上記主当接部と上記副当接部とにおいて突き合わせ,
その突き合わせ部分を摩擦撹拌接合により接合することを特徴とするテーラードブランク材の製造方法にある(請求項3)。
【0013】
本発明の製造方法においては,上述した第1の発明の優れたテーラードブランク材を容易に製造することができる。そして,得られたテーラードブランク材は,上記のごとく,最終製品の形状に最適な材料配置を実現することができ,かつ,強固かつ靱性に優れ,優れたプレス加工性を備えたものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
上記第1,第2の発明においては,上記のごとく,主板材には切り欠き部又は貫通穴部よりなる主当接部を設ける。ここでいう切り欠き部とは,例えば通常の直線状の端面から内方に切り欠きを入れたような部分をいう。切り欠き形状としては,曲線状,円弧状,鋭角状,鈍角状など,様々な形状を採用することができる。また,上記貫通穴は,主板材の内部において表面から裏面に貫通するように設けた穴であって,丸穴,多角形状の穴など,これも様々な形状を採用することができる。
【0015】
また,上記副板材に設ける副当接部としては,例えば上記切り欠き部又は貫通穴部に密接可能な突部又は外周部全体により構成することができる。ここでいう突部は,上記主当接部が切り欠き部である場合に,これに密接しうるよう突出した形状をいう。この場合,副板材の外周部の一部,例えば角部を上記突部として適用することも可能である。また,上記外周部全体を採用するのは,上記主当接部が貫通穴部である場合であって,この貫通穴部の内壁に密着するように整えた上記副当接部の外周部全体が上記副当接部となる。
【0016】
また,上記摩擦撹拌接合は,FSW(Friction Stir Welding)と呼ばれる接合方法であって,肩面から突出した突起部を先端に有する回転工具を用い,この回転工具を回転させながら上記突起部を接合部分,すなわち,主当接部と副当接部の当接部に差し込んで移動させることにより接合を行う方法である。
【0017】
上記第1,第2の発明においては,この摩擦撹拌接合を積極的に採用することによって,アルミニウム合金よりなる上記主板材と副板材の接合部分を溶融させることなく安定した接合部とすることができる。
そして,レーザ溶接やマッシュルーム溶接でアルミニウム合金を溶接する場合の問題,例えば,ブローホールの発生や,突き合わせ面の隙間(ギャップ)管理が困難である点等を上記摩擦撹拌接合の採用によって確実に回避することができる。
【0018】
また,上記テーラードブランク材は,自動車用プレス材に用いられることが好ましい(請求項2,4)。
自動車用プレス材としては,例えば,自動車の内外装パネル,シャシー用プレス材など種々の材料がある。これらの自動車用プレス材においては,デザインによって様々なプレス加工が必要となるので,上記のテーラードブランク材の採用が,プレス加工品の性能の向上及び加工性,加工歩留まりの向上等に貢献することができる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例に係るテーラードブランク材につき,図1〜図3を用いて説明する。
本例のテーラードブランク材1は,図3に示すごとく,アルミニウム合金よりなる主板材2と,板厚が上記主板材2と異なるアルミニウム合金よりなる副板材3とを接合してなる,プレス成形用のテーラードブランク材である。
上記主板材2には,切り欠き部よりなる主当接部20を設けてあり,一方,上記副板材3には,上記主当接部20に密接可能な副当接部30を設けてある。
そして,上記主当接部20と上記副当接部30とが突き合わされた状態で,摩擦撹拌接合により接合されている。
【0020】
以下,これを詳説する。
本例では,上記主板材2として,JIS A6063−T4よりなり,板厚2mmのアルミニウム合金板を採用した。そして,図1に示すごとく,四角形状の一角を90°の角度で内方に切り欠いた切り欠き部を設け,これを主当接部20とした。
【0021】
また,副板材3としては,主板材2と同じ材質であるが板厚を主板材2の半分にしたアルミニウム合金板を採用した。また,その外形状は,図1に示すごとく,四角形状とした。そして,その一角,すなわち四角形を形成する2辺よりなる突部を主当接部20に密接可能な形状として,これを副当接部30とした。
【0022】
次に,図2に示すごとく,主板材2の主当接部20に副板材3の副当接部30が突き合わされるように,主板材2と副板材3とを配置する。
次に,その突き合わせ部分を摩擦撹拌接合により接合する。
本例の摩擦撹拌接合には,図2に示すごとく,回転工具5として,肩面51と該肩面51から突出させた突起部52とを先端に有すると共に主板材2及び副板材3よりも硬質の回転工具を用いた。
【0023】
そして,回転工具5を高速回転させながら突起部52を主当接部20と副当接部30との突き合わせ部分に差し込み,その突き合わせ部分に沿って略L字状に回転工具5を移動させる。回転工具5が差し込まれた状態においては,主板材1と副板材3とが摩擦熱を発生させた状態で撹拌され撹拌域15が形成される。撹拌域15が回転工具5の移動とともに突き合わせ部分全体に形成され,これが突き合わせ接合部分となる。
これにより,図3に示すごとく,主板材2と副板材3とが接合され,テーラードブランク材1が得られる。
【0024】
得られたテーラードブランク材1は,図1〜図3に示すごとく,主当接部20と副当接部30との当接部において,副板材3が主板材2にはめ込まれた状態となる。これにより,従来の直線状の端部同士を接合した場合と比べて,接合部分の剛性,安定性を向上させることができる。
【0025】
また,上記のような接合部の位置,形状等の自由度の向上によって,プレス加工に最適なブランク材を設計することもできる。例えば,本例の場合には,四角形状のうち,一角部分における要求強度が低い場合に,その部分に上記副板材3が位置するようにして用いることができる。
【0026】
また,図2,図3に示すごとく,主当接部20と副当接部30とは突き合わせて接合してある。そのため,主板材2と副板材3とが重なり合う部分がなく,従来の重なり部分による不具合発生を確実に回避することができ,プレス加工性を向上させることができる。
【0027】
さらに,主当接部20と副当接部30との接合は,上記のごとく摩擦撹拌接合により行っている。これにより,上記主当接部20と副当接部30が単なる直線状ではない本例の場合でも,両者の当接状態を維持して確実な接合を行うことができる。そして,また,溶融部のない安定的な継ぎ手部分を得ることができ,接合部分でも優れた強度と靱性を維持することができる。
【0028】
なお,本例の主板材1と副板材2の形状等は一例であって,主当接部及び副当接部は,用途に応じて自由な形状に設計変更することができる。そのため,この特殊な形状の主当接部と副当接部を突き合わせ接合して得られたテーラードブランク材は,最適な位置に最適な形状の接合部分を有するものとすることができる。
また,本例では,主板材2と副板材3の材質を同じにし,板厚を変えたが,板厚が同じで材質が異なる組み合わせなどを採用することも可能である。
【0029】
また,本例での摩擦撹拌接合は,回転工具5を差し込む際に,突起部52の中心が主板材2と副板材3の当接面に平行となるように行った。これに代えて,突起部52を厚板である主板材2の方に傾けて差し込む方法など,様々な差し込み方法を適用できることは言うまでもない。
【0030】
(実施例2)
本例は,図4,図5に示すごとく,実施例1における主板材2の形状を変更するとともに,副板材3を2枚採用した例である。
即ち,図4に示すごとく,四角形状のうち隣り合う2つの角部をそれぞれ90°の角度で内方に切り込んで切り欠き部を形成し,2つの主当接部20とした。
また,副板材3としては,同図に示すごとく,四角形状のもの2枚を採用し,それぞれ四角形を形成する2片よりなる突部を副当接部30とした。
主板材2及び副板材3の材質及び板厚はそれぞれ実施例1と同様とした。
【0031】
この場合には,図4に示すごとく,主板材2の2箇所の主当接部20にそれぞれ副板材3の副当接部30が突き合わされるように,主板材2と副板材3とを配置する。
そして,その突き合わせ部分を摩擦撹拌接合により接合する。
これにより,図5に示すごとく,突き合わせ部分全域に撹拌域15よりなる接合部分が形成され,2箇所に副板材3をはめ込んだ状態のテーラードブランク材102が得られた。
【0032】
(実施例3)
本例は,図6,図7に示すごとく,実施例1における主板材2の形状を変更した別例である。
即ち,図6に示すごとく,四角形状の主板材1の一辺部においてコ字状に内方に切り欠いて切り欠き部を設け,これを主当接部20とした。
また,副板材3としては,同図に示すごとく,四角形状のものを採用し,その3辺を副当接部30とした。
主板材2及び副板材3の材質及び板厚はそれぞれ実施例1と同様とした。
【0033】
この場合にも,図6に示すごとく,主板材2の1箇所の主当接部20に副板材3の副当接部30が突き合わされるように,主板材2と副板材3とを配置する。
そして,その突き合わせ部分を摩擦撹拌接合により接合する。
これにより,図7に示すごとく,コ字状の突き合わせ部分全域に撹拌域15よりなる接合部分が形成され,コ字状の切り欠き部に副板材3をはめ込んだ状態のテーラードブランク材103が得られた。
【0034】
(実施例4)
本例は,図8〜図10に示すごとく,実施例1における主板材2の形状を変更し,貫通穴よりなる主当接部30を採用した例である。
即ち,図8に示すごとく,主板材2としては,四角形状の中央に四角形状の貫通穴を設け,これを主当接部20とした。
また,副板材3としては,同図に示すごとく,四角形状のものを採用し,その4辺,すなわち外周部全体を副当接部30とした。
主板材2及び副板材3の材質及び板厚はそれぞれ実施例1と同様とした。
【0035】
この場合には,図9に示すごとく,主板材2の貫通穴よりなる主当接部20に副板材3を挿入配置し,主当接部20と副当接部30とが突き合わされるように主板材2と副板材3とを配置する。
そして,その突き合わせ部分を摩擦撹拌接合により接合する。
これにより,図10に示すごとく,四角形状の突き合わせ部分全域に撹拌域15よりなる接合部分が形成され,中央に副板材3をはめ込んだ状態のテーラードブランク材104が得られた。
【0036】
(実施例5)
本例は,図11に示すごとく,主板材2に副板材3をはめ込むと共に副板材3を主板材2からはみ出させた形状を採用した例である。
即ち,同図に示すごとく,主板材2として,実施例1と同様に,四角形状の一角を90°の角度で内方に切り欠いた切り欠き部を設け,これを主当接部20としたものを採用した。
【0037】
また,副板材3としては,上記主当接部20を構成する2つの辺よりも長い辺を有する四角形状とした。そして,その一角,すなわち四角形を形成する2辺の一部よりなる突部を副当接部30とした。本例でも,主板材2及び副板材3の材質及び板厚はそれぞれ実施例1と同様とした。
【0038】
この場合にも実施例1と同様の摩擦撹拌接合を行うことによって,主板材2に副板材3の一部がはめ込まれ,かつ副板材3が主板材2からはみ出したような形状を有するテーラードブランク材が得られる。
同様に,図12,図13,図14に示すごとく,接合部分が円弧状,コ字状,あるいは自由曲線状の場合にも,主板材2に副板材3の一部がはめ込まれ,かつ副板材3が主板材2からはみ出したような形状のテーラードブランク材が得られる。
【0039】
なお,以上の実施例1〜実施例6においては,主板材2と副板材3の材質を同じにし,主板材2の板厚を副板材3よりも厚くした例を示したが,主板材2よりも副板材3の方が板厚が厚い例,あるいは主板材2と副板材3の材質が異なる例なども勿論実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,主板材と副板材の形状を示す説明図。
【図2】実施例1における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態を示す説明図。
【図3】実施例1における,テーラードブランク材を示す説明図。
【図4】実施例2における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態を示す説明図。
【図5】実施例2における,テーラードブランク材を示す説明図。
【図6】実施例3における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態を示す説明図。
【図7】実施例3における,テーラードブランク材を示す説明図。
【図8】実施例4における,主板材と副板材の形状を示す説明図。
【図9】実施例4における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態を示す説明図。
【図10】実施例4における,テーラードブランク材を示す説明図。
【図11】実施例5における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態を示す説明図。
【図12】実施例5における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態の別例を示す説明図。
【図13】実施例5における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態の他の別例を示す説明図。
【図14】実施例5における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態のさらに他の別例を示す説明図。
【符号の説明】
1,102,103...テーラードブランク材,
15...撹拌域,
2...主板材,
20...主当接部,
3...副板材,
30...副当接部,
5...回転工具,
51...肩面,
52...突起部,
【技術分野】
本発明は,プレス成形に供されるブランク材であって,部分的に板厚又は材質の異なるテーラードブランク材に関する。
【0002】
【従来技術】
近年,地球環境保護および省エネルギーの観点から,特に自動車関連では排出する有害ガスの抑制,地球温暖化を引き起こすとされる二酸化炭素の抑制および燃費向上が急務となっている。
これらの諸問題を解決する一つの方策としては,車体の軽量化が有効であり,特にボディおよび部品等に従来から使用されている鋼を軽量材であるアルミニウム合金ヘ置換することが盛んに検討されている。
更には,素材を可能な限り節約し,部材の適材適所を図る試みも同時に検討されており,特に板厚の異なる板あるいは材質の異なる板を接合し,プレス成形に供するテーラードブランクの考え方が自動車の軽量化による燃費向上には有効な手段とされている。
【0003】
鋼板を用いた従来のテーラードブランク材は,複数の鋼板の直線状の端面を突き合せて,レーザー溶接或いはマッシュシーム溶接することによって一枚の板として製造する方法が知られている。このテーラードブランク材は,その後プレス成形によって特定の形状に加工される。
また最近では,従来の突合せ方法とは異なるテーラードブランク材の製造方法も,特開2000−197969号公報や特開2001−122154号公報に開示されている。具体的には,ベースとなる主板材の表面において部分的に副板材を重ねて配置し,その周囲等を主板材に接合する方法が示されている。
また,板厚が異なる一対の金属板の直線状の端面を突き合わせて摩擦撹拌接合により接合したテーラードブランク板材が,特開2001−269779号公報に開示されている。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,従来のテーラードブランク材においては,次のような問題がある。
即ち,2種類の板材の直線状の端面を突き合わせ接合することにより作製したテーラードブランク材は,例えば複雑な形状のプレス加工品においては,その接合部の位置が必ずしも最適な位置とならない。
【0005】
一方,上記の主板材の表面に副板材を部分的に重ね合わせる構造の場合には,上記の端面を突き合わせる場合に比べて,副板材の自由な配置を実現することができる。しかしながら,プレス加工時において,重ね合わせ部における摩擦や応力差などが生じて接合部の破断が生じることがある。さらには,重ね合わせ部に閉じこめられた空気の影響や,進入した水分等の悪影響を受けることもある。
【0006】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,従来のテーラードブランク材よりも複数の板材の配置の自由度が増し,かつ,優れたプレス加工性を有するテーラードブランク材を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】
第1の発明は,アルミニウム合金よりなる主板材と,材質または板厚の少なくとも一方が上記主板材と異なるアルミニウム合金よりなる副板材とを接合してなる,プレス成形用のテーラードブランク材において,
上記主板材には,切り欠き部又は貫通穴部よりなる主当接部を設けてあり,一方,上記副板材には,上記主当接部に密接可能な副当接部を設けてあり,
上記主当接部と上記副当接部とが突き合わされた状態で,摩擦撹拌接合により接合されていることを特徴とするテーラードブランク材にある(請求項1)。
【0008】
本発明においては,上記のごとく,上記主板材に切り欠き部又は貫通穴部よりなる主当接部を設け,一方,上記副板材には,上記主当接部に密接可能な副当接部を設けてある。これら主当接部及び副当接部は,用途に応じて自由な形状に設定することができる。そのため,この特殊な形状の主当接部と副当接部を突き合わせ接合して得られたテーラードブランク材は,プレス加工性の観点から,あるいは得られるプレス加工品にとって,最適な位置に最適な形状の接合部分を有するものとすることができる。
【0009】
また,上記主当接部と副当接部との当接部においては,副板材の少なくとも一部が主板材にはめ込まれた状態となる。これにより,従来の直線状の端部同士を接合した場合と比べて,接合部分の剛性,安定性を向上させることができる。
また,上記のような接合部の位置,形状等の自由度の向上によって,プレス加工に最適なブランク材を設計することもできる。例えば,プレス加工時において部分的に加工度の違いがある場合には,伸び,強度等が異なる主板材と副板材を採用し,これら主板材と副板材の配置を加工度の違いに応じて決定することができる。
【0010】
また,上記のごとく,主当接部と副当接部とは突き合わせて接合してある。そのため,上記主板材と副板材とが重なり合う部分がなく,プレス加工性を向上させることができる。
さらに,上記主当接部と副当接部との接合は,上記摩擦撹拌接合により行っている。これにより,上記主当接部と副当接部が単なる直線状ではなく複雑な形状をしていたとしても,両者の当接状態を維持して確実な接合を行うことができる。そして,また,溶融部のない安定的な継ぎ手部分を得ることができる。そして,接合部分でも優れた強度と靱性を維持することができる。
【0011】
このように,本発明のテーラードブランク材は,従来のテーラードブランク材よりも複数の板材の配置の自由度が増し,かつ,優れたプレス加工性を有する優れたものとなる。
【0012】
第2の発明は,アルミニウム合金よりなる主板材と,材質または板厚の少なくとも一方が上記主板材と異なるアルミニウム合金よりなる副板材とを接合してなる,プレス成形用のテーラードブランク材を製造する方法において,
上記主板材に切り欠き部又は貫通穴部よりなる主当接部を設けると共に,上記副板材に上記主当接部に密接可能な副当接部を設け,
上記主板材と上記副板材とを上記主当接部と上記副当接部とにおいて突き合わせ,
その突き合わせ部分を摩擦撹拌接合により接合することを特徴とするテーラードブランク材の製造方法にある(請求項3)。
【0013】
本発明の製造方法においては,上述した第1の発明の優れたテーラードブランク材を容易に製造することができる。そして,得られたテーラードブランク材は,上記のごとく,最終製品の形状に最適な材料配置を実現することができ,かつ,強固かつ靱性に優れ,優れたプレス加工性を備えたものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
上記第1,第2の発明においては,上記のごとく,主板材には切り欠き部又は貫通穴部よりなる主当接部を設ける。ここでいう切り欠き部とは,例えば通常の直線状の端面から内方に切り欠きを入れたような部分をいう。切り欠き形状としては,曲線状,円弧状,鋭角状,鈍角状など,様々な形状を採用することができる。また,上記貫通穴は,主板材の内部において表面から裏面に貫通するように設けた穴であって,丸穴,多角形状の穴など,これも様々な形状を採用することができる。
【0015】
また,上記副板材に設ける副当接部としては,例えば上記切り欠き部又は貫通穴部に密接可能な突部又は外周部全体により構成することができる。ここでいう突部は,上記主当接部が切り欠き部である場合に,これに密接しうるよう突出した形状をいう。この場合,副板材の外周部の一部,例えば角部を上記突部として適用することも可能である。また,上記外周部全体を採用するのは,上記主当接部が貫通穴部である場合であって,この貫通穴部の内壁に密着するように整えた上記副当接部の外周部全体が上記副当接部となる。
【0016】
また,上記摩擦撹拌接合は,FSW(Friction Stir Welding)と呼ばれる接合方法であって,肩面から突出した突起部を先端に有する回転工具を用い,この回転工具を回転させながら上記突起部を接合部分,すなわち,主当接部と副当接部の当接部に差し込んで移動させることにより接合を行う方法である。
【0017】
上記第1,第2の発明においては,この摩擦撹拌接合を積極的に採用することによって,アルミニウム合金よりなる上記主板材と副板材の接合部分を溶融させることなく安定した接合部とすることができる。
そして,レーザ溶接やマッシュルーム溶接でアルミニウム合金を溶接する場合の問題,例えば,ブローホールの発生や,突き合わせ面の隙間(ギャップ)管理が困難である点等を上記摩擦撹拌接合の採用によって確実に回避することができる。
【0018】
また,上記テーラードブランク材は,自動車用プレス材に用いられることが好ましい(請求項2,4)。
自動車用プレス材としては,例えば,自動車の内外装パネル,シャシー用プレス材など種々の材料がある。これらの自動車用プレス材においては,デザインによって様々なプレス加工が必要となるので,上記のテーラードブランク材の採用が,プレス加工品の性能の向上及び加工性,加工歩留まりの向上等に貢献することができる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例に係るテーラードブランク材につき,図1〜図3を用いて説明する。
本例のテーラードブランク材1は,図3に示すごとく,アルミニウム合金よりなる主板材2と,板厚が上記主板材2と異なるアルミニウム合金よりなる副板材3とを接合してなる,プレス成形用のテーラードブランク材である。
上記主板材2には,切り欠き部よりなる主当接部20を設けてあり,一方,上記副板材3には,上記主当接部20に密接可能な副当接部30を設けてある。
そして,上記主当接部20と上記副当接部30とが突き合わされた状態で,摩擦撹拌接合により接合されている。
【0020】
以下,これを詳説する。
本例では,上記主板材2として,JIS A6063−T4よりなり,板厚2mmのアルミニウム合金板を採用した。そして,図1に示すごとく,四角形状の一角を90°の角度で内方に切り欠いた切り欠き部を設け,これを主当接部20とした。
【0021】
また,副板材3としては,主板材2と同じ材質であるが板厚を主板材2の半分にしたアルミニウム合金板を採用した。また,その外形状は,図1に示すごとく,四角形状とした。そして,その一角,すなわち四角形を形成する2辺よりなる突部を主当接部20に密接可能な形状として,これを副当接部30とした。
【0022】
次に,図2に示すごとく,主板材2の主当接部20に副板材3の副当接部30が突き合わされるように,主板材2と副板材3とを配置する。
次に,その突き合わせ部分を摩擦撹拌接合により接合する。
本例の摩擦撹拌接合には,図2に示すごとく,回転工具5として,肩面51と該肩面51から突出させた突起部52とを先端に有すると共に主板材2及び副板材3よりも硬質の回転工具を用いた。
【0023】
そして,回転工具5を高速回転させながら突起部52を主当接部20と副当接部30との突き合わせ部分に差し込み,その突き合わせ部分に沿って略L字状に回転工具5を移動させる。回転工具5が差し込まれた状態においては,主板材1と副板材3とが摩擦熱を発生させた状態で撹拌され撹拌域15が形成される。撹拌域15が回転工具5の移動とともに突き合わせ部分全体に形成され,これが突き合わせ接合部分となる。
これにより,図3に示すごとく,主板材2と副板材3とが接合され,テーラードブランク材1が得られる。
【0024】
得られたテーラードブランク材1は,図1〜図3に示すごとく,主当接部20と副当接部30との当接部において,副板材3が主板材2にはめ込まれた状態となる。これにより,従来の直線状の端部同士を接合した場合と比べて,接合部分の剛性,安定性を向上させることができる。
【0025】
また,上記のような接合部の位置,形状等の自由度の向上によって,プレス加工に最適なブランク材を設計することもできる。例えば,本例の場合には,四角形状のうち,一角部分における要求強度が低い場合に,その部分に上記副板材3が位置するようにして用いることができる。
【0026】
また,図2,図3に示すごとく,主当接部20と副当接部30とは突き合わせて接合してある。そのため,主板材2と副板材3とが重なり合う部分がなく,従来の重なり部分による不具合発生を確実に回避することができ,プレス加工性を向上させることができる。
【0027】
さらに,主当接部20と副当接部30との接合は,上記のごとく摩擦撹拌接合により行っている。これにより,上記主当接部20と副当接部30が単なる直線状ではない本例の場合でも,両者の当接状態を維持して確実な接合を行うことができる。そして,また,溶融部のない安定的な継ぎ手部分を得ることができ,接合部分でも優れた強度と靱性を維持することができる。
【0028】
なお,本例の主板材1と副板材2の形状等は一例であって,主当接部及び副当接部は,用途に応じて自由な形状に設計変更することができる。そのため,この特殊な形状の主当接部と副当接部を突き合わせ接合して得られたテーラードブランク材は,最適な位置に最適な形状の接合部分を有するものとすることができる。
また,本例では,主板材2と副板材3の材質を同じにし,板厚を変えたが,板厚が同じで材質が異なる組み合わせなどを採用することも可能である。
【0029】
また,本例での摩擦撹拌接合は,回転工具5を差し込む際に,突起部52の中心が主板材2と副板材3の当接面に平行となるように行った。これに代えて,突起部52を厚板である主板材2の方に傾けて差し込む方法など,様々な差し込み方法を適用できることは言うまでもない。
【0030】
(実施例2)
本例は,図4,図5に示すごとく,実施例1における主板材2の形状を変更するとともに,副板材3を2枚採用した例である。
即ち,図4に示すごとく,四角形状のうち隣り合う2つの角部をそれぞれ90°の角度で内方に切り込んで切り欠き部を形成し,2つの主当接部20とした。
また,副板材3としては,同図に示すごとく,四角形状のもの2枚を採用し,それぞれ四角形を形成する2片よりなる突部を副当接部30とした。
主板材2及び副板材3の材質及び板厚はそれぞれ実施例1と同様とした。
【0031】
この場合には,図4に示すごとく,主板材2の2箇所の主当接部20にそれぞれ副板材3の副当接部30が突き合わされるように,主板材2と副板材3とを配置する。
そして,その突き合わせ部分を摩擦撹拌接合により接合する。
これにより,図5に示すごとく,突き合わせ部分全域に撹拌域15よりなる接合部分が形成され,2箇所に副板材3をはめ込んだ状態のテーラードブランク材102が得られた。
【0032】
(実施例3)
本例は,図6,図7に示すごとく,実施例1における主板材2の形状を変更した別例である。
即ち,図6に示すごとく,四角形状の主板材1の一辺部においてコ字状に内方に切り欠いて切り欠き部を設け,これを主当接部20とした。
また,副板材3としては,同図に示すごとく,四角形状のものを採用し,その3辺を副当接部30とした。
主板材2及び副板材3の材質及び板厚はそれぞれ実施例1と同様とした。
【0033】
この場合にも,図6に示すごとく,主板材2の1箇所の主当接部20に副板材3の副当接部30が突き合わされるように,主板材2と副板材3とを配置する。
そして,その突き合わせ部分を摩擦撹拌接合により接合する。
これにより,図7に示すごとく,コ字状の突き合わせ部分全域に撹拌域15よりなる接合部分が形成され,コ字状の切り欠き部に副板材3をはめ込んだ状態のテーラードブランク材103が得られた。
【0034】
(実施例4)
本例は,図8〜図10に示すごとく,実施例1における主板材2の形状を変更し,貫通穴よりなる主当接部30を採用した例である。
即ち,図8に示すごとく,主板材2としては,四角形状の中央に四角形状の貫通穴を設け,これを主当接部20とした。
また,副板材3としては,同図に示すごとく,四角形状のものを採用し,その4辺,すなわち外周部全体を副当接部30とした。
主板材2及び副板材3の材質及び板厚はそれぞれ実施例1と同様とした。
【0035】
この場合には,図9に示すごとく,主板材2の貫通穴よりなる主当接部20に副板材3を挿入配置し,主当接部20と副当接部30とが突き合わされるように主板材2と副板材3とを配置する。
そして,その突き合わせ部分を摩擦撹拌接合により接合する。
これにより,図10に示すごとく,四角形状の突き合わせ部分全域に撹拌域15よりなる接合部分が形成され,中央に副板材3をはめ込んだ状態のテーラードブランク材104が得られた。
【0036】
(実施例5)
本例は,図11に示すごとく,主板材2に副板材3をはめ込むと共に副板材3を主板材2からはみ出させた形状を採用した例である。
即ち,同図に示すごとく,主板材2として,実施例1と同様に,四角形状の一角を90°の角度で内方に切り欠いた切り欠き部を設け,これを主当接部20としたものを採用した。
【0037】
また,副板材3としては,上記主当接部20を構成する2つの辺よりも長い辺を有する四角形状とした。そして,その一角,すなわち四角形を形成する2辺の一部よりなる突部を副当接部30とした。本例でも,主板材2及び副板材3の材質及び板厚はそれぞれ実施例1と同様とした。
【0038】
この場合にも実施例1と同様の摩擦撹拌接合を行うことによって,主板材2に副板材3の一部がはめ込まれ,かつ副板材3が主板材2からはみ出したような形状を有するテーラードブランク材が得られる。
同様に,図12,図13,図14に示すごとく,接合部分が円弧状,コ字状,あるいは自由曲線状の場合にも,主板材2に副板材3の一部がはめ込まれ,かつ副板材3が主板材2からはみ出したような形状のテーラードブランク材が得られる。
【0039】
なお,以上の実施例1〜実施例6においては,主板材2と副板材3の材質を同じにし,主板材2の板厚を副板材3よりも厚くした例を示したが,主板材2よりも副板材3の方が板厚が厚い例,あるいは主板材2と副板材3の材質が異なる例なども勿論実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,主板材と副板材の形状を示す説明図。
【図2】実施例1における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態を示す説明図。
【図3】実施例1における,テーラードブランク材を示す説明図。
【図4】実施例2における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態を示す説明図。
【図5】実施例2における,テーラードブランク材を示す説明図。
【図6】実施例3における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態を示す説明図。
【図7】実施例3における,テーラードブランク材を示す説明図。
【図8】実施例4における,主板材と副板材の形状を示す説明図。
【図9】実施例4における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態を示す説明図。
【図10】実施例4における,テーラードブランク材を示す説明図。
【図11】実施例5における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態を示す説明図。
【図12】実施例5における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態の別例を示す説明図。
【図13】実施例5における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態の他の別例を示す説明図。
【図14】実施例5における,主板材と副板材とを主当接部と副当接部を突き合わせて配置した状態のさらに他の別例を示す説明図。
【符号の説明】
1,102,103...テーラードブランク材,
15...撹拌域,
2...主板材,
20...主当接部,
3...副板材,
30...副当接部,
5...回転工具,
51...肩面,
52...突起部,
Claims (4)
- アルミニウム合金よりなる主板材と,材質または板厚の少なくとも一方が上記主板材と異なるアルミニウム合金よりなる副板材とを接合してなる,プレス成形用のテーラードブランク材において,
上記主板材には,切り欠き部又は貫通穴部よりなる主当接部を設けてあり,一方,上記副板材には,上記主当接部に密接可能な副当接部を設けてあり,
上記主当接部と上記副当接部とが突き合わされた状態で,摩擦撹拌接合により接合されていることを特徴とするテーラードブランク材。 - 請求項1において,上記テーラードブランク材は,自動車用プレス材に用いられることを特徴とするテーラードブランク材。
- アルミニウム合金よりなる主板材と,材質または板厚の少なくとも一方が上記主板材と異なるアルミニウム合金よりなる副板材とを接合してなる,プレス成形用のテーラードブランク材を製造する方法において,
上記主板材に切り欠き部又は貫通穴部よりなる主当接部を設けると共に,上記副板材に上記主当接部に密接可能な副当接部を設け,
上記主板材と上記副板材とを上記主当接部と上記副当接部とにおいて突き合わせ,
その突き合わせ部分を摩擦撹拌接合により接合することを特徴とするテーラードブランク材の製造方法。 - 請求項3において,上記テーラードブランク材は,自動車用プレス材に用いられることを特徴とするテーラードブランク材の製造方法。
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