JP2004049675A - 流し台 - Google Patents
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Abstract
【課題】流し槽を使用していない状態において見栄えの良いキッチン空間を提供し、衛生的にも優れた流し槽を有する流し台を提供する。
【解決手段】手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽とし、流し槽の収納時に乾燥や殺菌処理を行なうことにより見栄えがよく、衛生的な流し台とすることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽とし、流し槽の収納時に乾燥や殺菌処理を行なうことにより見栄えがよく、衛生的な流し台とすることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は流し台に関し、詳しくは必要時以外は収納され、かつ流し槽における雑菌の繁殖を抑制し、廃棄食材より発生する臭気量も低減させた新規な流し台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活様式が多様化していく中で、キッチンの意匠性や機能性を向上させるために、各種のキッチンユニットが使用されている。また、キッチンとリビングルームが近接し、その境界が不明瞭になると共に調理を楽しみながら行なうといった風潮も観られている。
【0003】
この様なキッチンの例としては、キッチンの壁際に沿って設置されるコンチネント型のテーブルとキッチンとダイニングの境界付近に設置されるアイランド型とを備えて構成されたものがある。これらの様なキッチンユニットを使用したキッチンはアイランドキッチンと総称され、コンチネント型のテーブルとアイランド型のテーブルにはそれぞれ目的に応じた機能を有する付帯設備が備えられている。例えば、コンチネント型テーブルにはその天板上にシンクと水道、さらにはガス台等が備えられ、また天板下部に配置されたキャビネットにはガスオーブンや食器乾燥器などが納められている。一方アイランド型テーブルには、その天板上にシンクと水道が備えられ、さらには料理の盛り付けや配膳を行なうためのスペースが確保されている。また、キャビネットには各種電化製品や調理用器具、食器等を収納する収納棚が備え付けられている。このようなキッチンという空間の中に組み込まれた付帯設備の一つである流し台には食品の下ごしらえから廃棄、調理器具の洗浄、水の供給源といった機能があり、そのために、水に関連した汚れに接する機会も多く、カビや雑菌の観点よりオゾン水を供給できる洗浄装置を有する流し台が特開平11−21962号公報に提案されている。また、流し台における流し槽は常に開口状態であり、食器等の一時保管時においては目障りであることから開閉自在の蓋を設けた流し台も実用新案第3061040号に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の流し台における流し槽は常時開口状態になっているために使用していない場合には食器等の一時保管に使われたりすることのみで無駄な空間となっている。また、調理の際の食品の下ごしらえや廃棄時に残った残渣物等により流し槽が汚れ、こまめに注意深く掃除をしない限りにおいては黴や雑菌が繁殖したり、食品の腐敗による臭気が発生し不衛生な空間となっているといった課題が存在した。
【0005】
また、オゾン水による消毒においては殺菌効果を得るためにオゾン濃度をある一定濃度以上にする必要があり、溶解しているオゾンが気化した場合に気密性の高い室内環境では生活している人の健康に対して害を及ぼすといった課題が存在した。
【0006】
本発明は上記課題を解決して、見栄えの良いキッチン空間を提供し、衛生的にも優れた流し槽を有する流し台を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は以下の技術的手段から構成される。
【0008】
すなわち本発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能である流し槽を有する流し台とした。これにより、使用する場合以外には流し槽が視野に入らないため、インテリアの一部として室内に設置することが可能である。
【0009】
また本発明は、前記手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽が引き出し式に可動する流し台とした。これにより、流し槽上部の構造物が常に固定され、流し台上部に美観向上のためのインテリア商品や飾り等を置くことが可能となる。
【0010】
また本発明は手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽の水に濡れる部分もしくは流し槽全体がステンレスからなる流し台とした。これにより、流し槽表面の水はけが良くなり、表面の乾燥状態が保ちやすく黴や雑菌の生息を困難とさせることにより清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0011】
また本発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、水あるいは温熱水を供給する部分の設置場所が固定され、前記供給部の一部が回転及び伸縮可能な構造となっている流し台とした。これにより、流し槽自身は収納・取り出し時に稼動するが水あるいは温熱水を供給する部分は共に稼動することが無く、かつ流し槽が取り出された状態においても流し槽のどの部分にも水あるいは温熱水を供給することができる。
【0012】
また本発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、収納時に流し槽全体を乾燥させる手段を有する流し台とした。これにより、使用後に流し槽が湿っている時間が短くなり、雑菌や黴が生育しにくい環境を作り出すことで、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0013】
また本発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、収納時に流し槽の殺菌を行なう手段を有する流し台とした。これにより、雑菌や黴が増殖する時間を与えずにその数が少ないうちから流し槽表面に生息する雑菌や黴を直接殺すため、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0014】
また本発明は、前記流し槽の殺菌を行なう手段が、紫外線を発生する装置単独あるいは紫外線を発生する装置と光触媒材料との組み合わせからなる流し台とした。これにより、流し槽の内部に存在する雑菌や黴の増殖を防ぎ、光触媒の分解効果によって無害な物質へと完全分解することができ、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0015】
また本発明は、前記流し槽の殺菌を行なう手段が、水を電気分解することにより作製された電解水からなる流し台とした。これにより、流し槽の内部に存在する雑菌や黴を殺し増殖を防ぐことで、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0016】
また本発明は、前記手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、電気的な駆動が使用者の音声信号によって行なう方法であり、収納時に行なわれる乾燥や殺菌工程も音声信号により操作の設定が行なわれる流し台とした。これにより、直接手で触れなくても簡便に流し槽の収納・取り出し及びその後の衛生的な処理を行なうことが可能となる。
【0017】
また本発明は、前記手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、流し槽から排水される排水路の一部に生ごみや食品の廃材を粉砕する装置が設けられた流し台とした。これにより、流し槽で作業する際に発生する雑菌や黴の栄養源となる生ごみを収納する場所が無くなり、臭気の発生源も無いことによって清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能である流し槽を有する流し台であり、使用する場合以外には設置されている住空間の中において流し槽が視野に入らないため、インテリアの一部として室内に設置することができるといった作用を有する。ここで、流し台の材質としては特に限定するものではないが、木材やホーローの様な材質を用いることで美観が向上し、インテリア性に富んだ流し台とすることができる。
【0019】
本発明の請求項2に記載の発明は、前記手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽が引き出し式に可動する流し台とすることで、流し槽上部の構造物が常に固定され、流し台上部に食器や調理器具等を含めた美観向上のためのインテリア商品や飾り等を置くことができ、収納時には調理以外の役割を持たせることができる。
【0020】
本発明の請求項3に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽の水に濡れる部分もしくは流し槽全体がステンレスからなる流し台であり、ステンレス基材とすることで水を扱う際の腐食性にも強く、かつ平滑性にも優れることで流し槽表面の水はけが良くなり、表面の乾燥状態が保ちやすく黴や雑菌の生息を困難とさせることによって清潔で衛生的な流し槽とすることができる。
【0021】
本発明の請求項4に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、水あるいは温熱水を供給する部分の設置場所が固定され、前記供給部の一部が回転及び伸縮可能な構造となっている流し台であり、流し槽自身は収納・取り出し時に稼動するものの、水あるいは温熱水を供給する部分は共に稼動することが無く、かつ流し槽が取り出された状態においても流し槽のどの部分にも水あるいは温熱水を供給することができるという作用を有している。
【0022】
本発明の請求項5に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、収納時に流し槽全体を乾燥させる手段を有する流し台であり、使用後に流し槽が湿っている時間が短くなり、雑菌や黴が生育しにくい環境を作り出すことで、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0023】
本発明の請求項6に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、収納時に流し槽の殺菌を行なう手段を有する流し台であり、雑菌や黴が増殖する時間を与えずにその数が少ないうちから流し槽表面に生息する雑菌や黴を直接殺すため、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0024】
本発明の請求項7に記載の発明は、前記流し槽の殺菌を行なう手段が、紫外線を発生する装置単独あるいは紫外線を発生する装置と光触媒材料との組み合わせからなる流し台であり、流し槽の内部に存在する雑菌や黴の増殖を防ぎ、光触媒の分解効果によって無害な物質へと完全分解することができ、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。ここで用いる紫外線とは、光触媒材料による化学反応を促進させる波長380nm以下の光線であり蛍光灯、ブラックライト、UVランプ、水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプが挙げられ、これらの中でもブラックライトやUVランプが好ましい。また、光触媒材料としては酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化タングステン及びそれらの混合物あるいはそれらを母材として白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、銅などを添加したものであっても特に問題ではない。これらの中でも特に酸化チタンを母材としたものが好ましい。さらに光触媒を用いるにあたっては、流し槽の水で濡れる部分あるいは槽内全ての部分に、μmオーダーの薄膜として形成された状態で用いるのが好ましく、薄膜の形成方法としてはゾルゲル反応法、光電着法、CVD法、スパッタリング法などが挙げられるが特に限定されるものではない。
【0025】
本発明の請求項8に記載の発明は、前記流し槽の殺菌を行なう手段が、水を電気分解することにより作製された電解水からなる流し台であり、酸性あるいは塩基性に調整された水によって流し槽の壁面部あるいは排水口部等に存在する雑菌や黴を殺し増殖を防ぐことで、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。ここでpH調整を行う手段としては、電解作用及び電気浸透作用を与えてアルカリイオン水及び酸性イオン水を生成する手段が好ましく、特に流し槽の殺菌にはpH3以下の酸性イオン水が好ましい。さらに、電気分解の際にその効率を上げるため、塩化ナトリウム等の電解質を水に加えても問題はない。
【0026】
本発明の請求項9に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、電気的な駆動が使用者の音声信号によって行なう方法であり、収納時に行なわれる乾燥や殺菌工程も音声信号により操作の設定が行なわれる流し台することで、直接手で触れなくても簡便に流し槽の収納・取り出し及びその後の衛生的な処理を行なうことが可能となる。
【0027】
本発明の請求項10に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、流し槽から排水される排水路の一部に生ごみや食品の廃材を粉砕する装置が設けられた流し台とすることで、流し槽で作業する際に発生する雑菌や黴の栄養源となる生ごみを収納する場所が無くなり、さらには臭気の発生源も無いことによって清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0028】
以下、本発明による流し台について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は本発明における第一の実施の形態として示す流し台の断面図を表している。図中1は引き出し型の流し槽、2は水あるいは温水の給水手段、3は先端の取り外し可能な給水手段2と共に伸縮する蛇腹、4は排水路、5は給水管、6は排水管である。使用者は流し台から流し槽1を利用する際には手動あるいは電気的に引き出して用いることとなる。この際に水あるいは温水の給水手段2は流し槽1とは独立して固定されているために流し槽1の奥側に位置する形で使用することとなる。給水手段2を用いる際には固定したまま用いても、蛇腹3を伸ばして流し槽1の手前側で用いても構わない。また、排水路4は伸縮可能な構成からなり、流し槽1が引き出される場合には流し槽1と共に引き出される方式となっている。また排水路4の構成は前記の構成に限定されることは無く、あらかじめ十分長く配管されていても構わないし、流し槽1の一部に溝が形成されて溝の部分が可動する方式であっても問題はない。
【0030】
(実施の形態2)
図2は本発明における第二の実施の形態として示す流し台の断面図を表している。図中7は収納された流し槽全体を乾燥させる乾燥手段である。流し槽1が収納された段階において一定時間前記乾燥手段7が稼動し、流し槽1全体を乾燥させることができる。乾燥手段7が稼動する際にはボタン式で作動させてもタイマー方式で稼動させても問題は無い。また使用者の音声によって稼動・停止が制御されても構わない。乾燥手段7は特に限定されるものではないが、抵抗加熱方式による方法が簡便でファンと共に用いることで乾燥時間の短縮化を図ることができる。
【0031】
(実施の形態3)
図3は本発明における第三の実施の形態として示す流し台の断面図を表している。図中8は紫外線の発生装置である。流し槽1が収納された後、紫外線発生装置8にて発生させた紫外光によって流し槽1表面に付着あるいは生息する雑菌、黴類を殺すことができる。ここでは特に殺菌効果の高い波長254nmの殺菌灯が好ましい。
【0032】
(実施の形態4)
図4は本発明における第四の実施の形態として示す流し台の断面図を表している。図中9は流し槽を構成しているステンレス基材、10はステンレス基材9上に形成された光触媒材料層である。流し槽において食材の洗浄や使用した食器類の洗浄を行う際には流し槽1の壁面に油脂類や調味料等、水では流しきれない汚れが付着する。流し槽1を収納した後に紫外線発生装置8を点灯すると、流し槽1を形成しているステンレス基材9上に形成された光触媒材料層10が活性化し、空気中の酸素及び水分子から活性酸素種を生成することになる。この活性酸素種によって壁面に付着した油脂類や、水では流しきれなかった汚れ、付着した雑菌や黴を全て化学的に分解し、無害な物質へと変え流し槽1を清潔に保つことができる。この際に紫外線発生装置8より照射される紫外線の波長は光触媒材料層10を活性にするだけのエネルギーを持つ380nm以下でなければならない。
【0033】
(実施の形態5)
図5は本発明における第五の実施の形態として示す流し台の断面図を表している。図中11は電解水生成装置、12は流路切り替え弁である。通常の流し槽1における作業をする際には給水管6から供給される上水は流路切り換え弁12により給水手段2側へ流れるようになっている。流し槽1での殺菌処理を行う際には、流路切り替え弁12を用いて電解水生成装置11側に上水が流れるようにすることで酸性のイオン水とアルカリ性のイオン水が生成される。このうち、アルカリ性のイオン水は野菜の洗浄や飲料用途に使用し、酸性のイオン水は流し槽1の壁面を中心に給水手段2を介して洗浄・殺菌用途に使用する。
【0034】
電解水生成装置11は例えば多孔質の隔壁にて前記電解水生成装置11の中に設けられている電気分解を行なうための槽を陰極室と陽極室とに仕切り、両室に配置した電極に電圧を印加することで、両室中の水道水に電解作用と電気浸透作用を与える方式としている。ここで陰極室にはアルカリイオン水が、陽極室には酸性イオン水が生成される事となる。
【0035】
また乾燥手段7により、収納時に流し槽1全体の乾燥処理を行なうとさらに雑菌が繁殖できない環境となり清潔な流し台とすることができる。
【0036】
(実施の形態6)
図6は本発明の流し台において、流し槽の収納・取出し等を行う際に、使用者の音声によってその制御を行うための概略図を表している。図を用いてその説明を行う。使用者の音声が流し台の一部分に設けられたマイクロフォン等からなる入力系から入力されると、音声認識部において音声波形がテキストへと変換される。さらにこのテキストが意味理解部において処理されることにより、使用者が望む動作を表す信号が制御系へと伝達され、駆動系へと伝わることにより流し台の収納あるいは取り出し、または乾燥工程等を行うこととなる。
【0037】
(実施の形態7)
図7は本発明における第六の実施の形態として示す流し台の断面図を表している。図中13は排水路4の途中に設けられたディスポ−ザ−である。流し槽1において食器を洗浄した際等に発生する厨芥を水で流した後、排水路4の途中に設けられたディスポ−ザ−にて微細に粉砕し、排水管6へと送り出される機構となっている。さらにディスポ−ザ−13での処理後は、酸性のイオン水を用いて流し槽1を洗浄すると流し槽1の殺菌とあわせてディスポ−ザ−内の雑菌や黴まで殺菌することができ、清潔な流し台とすることができる。またここでは詳細な部分についての説明は行なわないが、前記ディスポ−ザ−13によって処理された排水を下水道へ流す際には、直接流すことによる生物化学的酸素要求量(BOD)の上昇を引き起こすために生物化学的な分解・消化工程を加えたり、固液分離によるBODの低減等の処理が必要となる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)
図3に示されるような流し台を作製し、流し槽を用いて食器の洗浄等の作業を行なった。流し槽の壁面を温水にて流した後、流し槽を収納した。収納と同時に内部に設置された波長254nmの紫外線ランプを30min間点灯させた。再び流し槽を取り出した際に、スタンプ法にて流し槽の壁面に存在する菌の測定を試みた。一定時間培養後、菌数の測定を行い、<10以下であることが確認された。
【0039】
(比較例1)
実施例1と同様に、図3に示されるような流し台を作製し、流し槽を用いて食器の洗浄等の作業を行なった。流し槽の壁面を温水にて流した後、流し槽を収納した。この際には紫外線ランプは点灯しなかった。30min.間収納後、再び流し槽を取り出した際に、スタンプ法にて流し槽の壁面に存在する菌の測定を試みた。一定時間培養の後に菌数の測定を行い、104程度の雑菌が存在していたことが確認された。
【0040】
(実施例2)
図4に示されるような流し台を作製し、流し槽に刷毛を用いてサラダ油を撥水が確認できる程度に付着させた。ここで本実施例においては、ステンレス基材の全面に光触媒材料層を薄膜として形成し、波長365nmのブラックライトを光源とした。流し槽の収納と同時にブラックライトを点灯させ2hr後に流し槽を再び取り出した。あらかじめサラダ油を付着させた部分は、照射によって目視での確認が難しくなり、水を流した確認の際も付着時のような撥水効果は観られなかった。
【0041】
(実施例3)
図5に示されるような流し台を作製し、流し槽を用いて食器洗浄や食品洗浄の作業を行なった。流路切り替え弁を用いて給水管からの水を電解水生成装置に送り、電気分解を行なうことで酸性のイオン水を生成した。生成した酸性のイオン水を用いて流し槽全体を洗浄し、流し槽を収納した。収納と同時に乾燥手段を用いて流し槽の乾燥も30min間行なった。24hr経過後に流し槽を取り出し、スタンプ法にて流し槽の壁面に存在する菌の測定を試みた。一定時間培養後、菌数の測定を行い、<103以下であることが確認された。
【0042】
またこの際に、流し槽の一部分に設けた生ごみの収納場所も酸性イオン水にて洗浄することによって、流し槽を収納した際に腐敗と共に発生してくる臭気も抑制されていた。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、見栄えの良いキッチン空間を提供し、衛生的にも優れた流し槽を有する流し台を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で対象とする第一の形態として示す流し台の断面図
【図2】本発明で対象とする第二の形態として示す流し台の断面図
【図3】本発明で対象とする第三の形態として示す流し台の断面図
【図4】本発明で対象とする第四の形態として示す流し台の断面図
【図5】本発明で対象とする第五の形態として示す流し台の断面図
【図6】本発明で対象とする音声による流し台の機能制御に関する概略図
【図7】本発明で対象とする第六の形態として示す流し台の断面図
【符号の説明】
1 流し槽
2 水あるいは温水の給水手段
3 蛇腹
4 排水路
5 給水管
6 排水管
7 乾燥手段
8 紫外線発生装置
9 ステンレス基材
10 光触媒材料層
11 電解水生成装置
12 流路切り替え弁
13 ディスポ−ザ−
【発明の属する技術分野】
本発明は流し台に関し、詳しくは必要時以外は収納され、かつ流し槽における雑菌の繁殖を抑制し、廃棄食材より発生する臭気量も低減させた新規な流し台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活様式が多様化していく中で、キッチンの意匠性や機能性を向上させるために、各種のキッチンユニットが使用されている。また、キッチンとリビングルームが近接し、その境界が不明瞭になると共に調理を楽しみながら行なうといった風潮も観られている。
【0003】
この様なキッチンの例としては、キッチンの壁際に沿って設置されるコンチネント型のテーブルとキッチンとダイニングの境界付近に設置されるアイランド型とを備えて構成されたものがある。これらの様なキッチンユニットを使用したキッチンはアイランドキッチンと総称され、コンチネント型のテーブルとアイランド型のテーブルにはそれぞれ目的に応じた機能を有する付帯設備が備えられている。例えば、コンチネント型テーブルにはその天板上にシンクと水道、さらにはガス台等が備えられ、また天板下部に配置されたキャビネットにはガスオーブンや食器乾燥器などが納められている。一方アイランド型テーブルには、その天板上にシンクと水道が備えられ、さらには料理の盛り付けや配膳を行なうためのスペースが確保されている。また、キャビネットには各種電化製品や調理用器具、食器等を収納する収納棚が備え付けられている。このようなキッチンという空間の中に組み込まれた付帯設備の一つである流し台には食品の下ごしらえから廃棄、調理器具の洗浄、水の供給源といった機能があり、そのために、水に関連した汚れに接する機会も多く、カビや雑菌の観点よりオゾン水を供給できる洗浄装置を有する流し台が特開平11−21962号公報に提案されている。また、流し台における流し槽は常に開口状態であり、食器等の一時保管時においては目障りであることから開閉自在の蓋を設けた流し台も実用新案第3061040号に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の流し台における流し槽は常時開口状態になっているために使用していない場合には食器等の一時保管に使われたりすることのみで無駄な空間となっている。また、調理の際の食品の下ごしらえや廃棄時に残った残渣物等により流し槽が汚れ、こまめに注意深く掃除をしない限りにおいては黴や雑菌が繁殖したり、食品の腐敗による臭気が発生し不衛生な空間となっているといった課題が存在した。
【0005】
また、オゾン水による消毒においては殺菌効果を得るためにオゾン濃度をある一定濃度以上にする必要があり、溶解しているオゾンが気化した場合に気密性の高い室内環境では生活している人の健康に対して害を及ぼすといった課題が存在した。
【0006】
本発明は上記課題を解決して、見栄えの良いキッチン空間を提供し、衛生的にも優れた流し槽を有する流し台を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は以下の技術的手段から構成される。
【0008】
すなわち本発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能である流し槽を有する流し台とした。これにより、使用する場合以外には流し槽が視野に入らないため、インテリアの一部として室内に設置することが可能である。
【0009】
また本発明は、前記手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽が引き出し式に可動する流し台とした。これにより、流し槽上部の構造物が常に固定され、流し台上部に美観向上のためのインテリア商品や飾り等を置くことが可能となる。
【0010】
また本発明は手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽の水に濡れる部分もしくは流し槽全体がステンレスからなる流し台とした。これにより、流し槽表面の水はけが良くなり、表面の乾燥状態が保ちやすく黴や雑菌の生息を困難とさせることにより清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0011】
また本発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、水あるいは温熱水を供給する部分の設置場所が固定され、前記供給部の一部が回転及び伸縮可能な構造となっている流し台とした。これにより、流し槽自身は収納・取り出し時に稼動するが水あるいは温熱水を供給する部分は共に稼動することが無く、かつ流し槽が取り出された状態においても流し槽のどの部分にも水あるいは温熱水を供給することができる。
【0012】
また本発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、収納時に流し槽全体を乾燥させる手段を有する流し台とした。これにより、使用後に流し槽が湿っている時間が短くなり、雑菌や黴が生育しにくい環境を作り出すことで、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0013】
また本発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、収納時に流し槽の殺菌を行なう手段を有する流し台とした。これにより、雑菌や黴が増殖する時間を与えずにその数が少ないうちから流し槽表面に生息する雑菌や黴を直接殺すため、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0014】
また本発明は、前記流し槽の殺菌を行なう手段が、紫外線を発生する装置単独あるいは紫外線を発生する装置と光触媒材料との組み合わせからなる流し台とした。これにより、流し槽の内部に存在する雑菌や黴の増殖を防ぎ、光触媒の分解効果によって無害な物質へと完全分解することができ、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0015】
また本発明は、前記流し槽の殺菌を行なう手段が、水を電気分解することにより作製された電解水からなる流し台とした。これにより、流し槽の内部に存在する雑菌や黴を殺し増殖を防ぐことで、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0016】
また本発明は、前記手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、電気的な駆動が使用者の音声信号によって行なう方法であり、収納時に行なわれる乾燥や殺菌工程も音声信号により操作の設定が行なわれる流し台とした。これにより、直接手で触れなくても簡便に流し槽の収納・取り出し及びその後の衛生的な処理を行なうことが可能となる。
【0017】
また本発明は、前記手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、流し槽から排水される排水路の一部に生ごみや食品の廃材を粉砕する装置が設けられた流し台とした。これにより、流し槽で作業する際に発生する雑菌や黴の栄養源となる生ごみを収納する場所が無くなり、臭気の発生源も無いことによって清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能である流し槽を有する流し台であり、使用する場合以外には設置されている住空間の中において流し槽が視野に入らないため、インテリアの一部として室内に設置することができるといった作用を有する。ここで、流し台の材質としては特に限定するものではないが、木材やホーローの様な材質を用いることで美観が向上し、インテリア性に富んだ流し台とすることができる。
【0019】
本発明の請求項2に記載の発明は、前記手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽が引き出し式に可動する流し台とすることで、流し槽上部の構造物が常に固定され、流し台上部に食器や調理器具等を含めた美観向上のためのインテリア商品や飾り等を置くことができ、収納時には調理以外の役割を持たせることができる。
【0020】
本発明の請求項3に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽の水に濡れる部分もしくは流し槽全体がステンレスからなる流し台であり、ステンレス基材とすることで水を扱う際の腐食性にも強く、かつ平滑性にも優れることで流し槽表面の水はけが良くなり、表面の乾燥状態が保ちやすく黴や雑菌の生息を困難とさせることによって清潔で衛生的な流し槽とすることができる。
【0021】
本発明の請求項4に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、水あるいは温熱水を供給する部分の設置場所が固定され、前記供給部の一部が回転及び伸縮可能な構造となっている流し台であり、流し槽自身は収納・取り出し時に稼動するものの、水あるいは温熱水を供給する部分は共に稼動することが無く、かつ流し槽が取り出された状態においても流し槽のどの部分にも水あるいは温熱水を供給することができるという作用を有している。
【0022】
本発明の請求項5に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、収納時に流し槽全体を乾燥させる手段を有する流し台であり、使用後に流し槽が湿っている時間が短くなり、雑菌や黴が生育しにくい環境を作り出すことで、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0023】
本発明の請求項6に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、収納時に流し槽の殺菌を行なう手段を有する流し台であり、雑菌や黴が増殖する時間を与えずにその数が少ないうちから流し槽表面に生息する雑菌や黴を直接殺すため、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0024】
本発明の請求項7に記載の発明は、前記流し槽の殺菌を行なう手段が、紫外線を発生する装置単独あるいは紫外線を発生する装置と光触媒材料との組み合わせからなる流し台であり、流し槽の内部に存在する雑菌や黴の増殖を防ぎ、光触媒の分解効果によって無害な物質へと完全分解することができ、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。ここで用いる紫外線とは、光触媒材料による化学反応を促進させる波長380nm以下の光線であり蛍光灯、ブラックライト、UVランプ、水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプが挙げられ、これらの中でもブラックライトやUVランプが好ましい。また、光触媒材料としては酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化タングステン及びそれらの混合物あるいはそれらを母材として白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、銅などを添加したものであっても特に問題ではない。これらの中でも特に酸化チタンを母材としたものが好ましい。さらに光触媒を用いるにあたっては、流し槽の水で濡れる部分あるいは槽内全ての部分に、μmオーダーの薄膜として形成された状態で用いるのが好ましく、薄膜の形成方法としてはゾルゲル反応法、光電着法、CVD法、スパッタリング法などが挙げられるが特に限定されるものではない。
【0025】
本発明の請求項8に記載の発明は、前記流し槽の殺菌を行なう手段が、水を電気分解することにより作製された電解水からなる流し台であり、酸性あるいは塩基性に調整された水によって流し槽の壁面部あるいは排水口部等に存在する雑菌や黴を殺し増殖を防ぐことで、清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。ここでpH調整を行う手段としては、電解作用及び電気浸透作用を与えてアルカリイオン水及び酸性イオン水を生成する手段が好ましく、特に流し槽の殺菌にはpH3以下の酸性イオン水が好ましい。さらに、電気分解の際にその効率を上げるため、塩化ナトリウム等の電解質を水に加えても問題はない。
【0026】
本発明の請求項9に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、電気的な駆動が使用者の音声信号によって行なう方法であり、収納時に行なわれる乾燥や殺菌工程も音声信号により操作の設定が行なわれる流し台することで、直接手で触れなくても簡便に流し槽の収納・取り出し及びその後の衛生的な処理を行なうことが可能となる。
【0027】
本発明の請求項10に記載の発明は、手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、流し槽から排水される排水路の一部に生ごみや食品の廃材を粉砕する装置が設けられた流し台とすることで、流し槽で作業する際に発生する雑菌や黴の栄養源となる生ごみを収納する場所が無くなり、さらには臭気の発生源も無いことによって清潔で衛生的な流し槽とすることが可能となる。
【0028】
以下、本発明による流し台について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は本発明における第一の実施の形態として示す流し台の断面図を表している。図中1は引き出し型の流し槽、2は水あるいは温水の給水手段、3は先端の取り外し可能な給水手段2と共に伸縮する蛇腹、4は排水路、5は給水管、6は排水管である。使用者は流し台から流し槽1を利用する際には手動あるいは電気的に引き出して用いることとなる。この際に水あるいは温水の給水手段2は流し槽1とは独立して固定されているために流し槽1の奥側に位置する形で使用することとなる。給水手段2を用いる際には固定したまま用いても、蛇腹3を伸ばして流し槽1の手前側で用いても構わない。また、排水路4は伸縮可能な構成からなり、流し槽1が引き出される場合には流し槽1と共に引き出される方式となっている。また排水路4の構成は前記の構成に限定されることは無く、あらかじめ十分長く配管されていても構わないし、流し槽1の一部に溝が形成されて溝の部分が可動する方式であっても問題はない。
【0030】
(実施の形態2)
図2は本発明における第二の実施の形態として示す流し台の断面図を表している。図中7は収納された流し槽全体を乾燥させる乾燥手段である。流し槽1が収納された段階において一定時間前記乾燥手段7が稼動し、流し槽1全体を乾燥させることができる。乾燥手段7が稼動する際にはボタン式で作動させてもタイマー方式で稼動させても問題は無い。また使用者の音声によって稼動・停止が制御されても構わない。乾燥手段7は特に限定されるものではないが、抵抗加熱方式による方法が簡便でファンと共に用いることで乾燥時間の短縮化を図ることができる。
【0031】
(実施の形態3)
図3は本発明における第三の実施の形態として示す流し台の断面図を表している。図中8は紫外線の発生装置である。流し槽1が収納された後、紫外線発生装置8にて発生させた紫外光によって流し槽1表面に付着あるいは生息する雑菌、黴類を殺すことができる。ここでは特に殺菌効果の高い波長254nmの殺菌灯が好ましい。
【0032】
(実施の形態4)
図4は本発明における第四の実施の形態として示す流し台の断面図を表している。図中9は流し槽を構成しているステンレス基材、10はステンレス基材9上に形成された光触媒材料層である。流し槽において食材の洗浄や使用した食器類の洗浄を行う際には流し槽1の壁面に油脂類や調味料等、水では流しきれない汚れが付着する。流し槽1を収納した後に紫外線発生装置8を点灯すると、流し槽1を形成しているステンレス基材9上に形成された光触媒材料層10が活性化し、空気中の酸素及び水分子から活性酸素種を生成することになる。この活性酸素種によって壁面に付着した油脂類や、水では流しきれなかった汚れ、付着した雑菌や黴を全て化学的に分解し、無害な物質へと変え流し槽1を清潔に保つことができる。この際に紫外線発生装置8より照射される紫外線の波長は光触媒材料層10を活性にするだけのエネルギーを持つ380nm以下でなければならない。
【0033】
(実施の形態5)
図5は本発明における第五の実施の形態として示す流し台の断面図を表している。図中11は電解水生成装置、12は流路切り替え弁である。通常の流し槽1における作業をする際には給水管6から供給される上水は流路切り換え弁12により給水手段2側へ流れるようになっている。流し槽1での殺菌処理を行う際には、流路切り替え弁12を用いて電解水生成装置11側に上水が流れるようにすることで酸性のイオン水とアルカリ性のイオン水が生成される。このうち、アルカリ性のイオン水は野菜の洗浄や飲料用途に使用し、酸性のイオン水は流し槽1の壁面を中心に給水手段2を介して洗浄・殺菌用途に使用する。
【0034】
電解水生成装置11は例えば多孔質の隔壁にて前記電解水生成装置11の中に設けられている電気分解を行なうための槽を陰極室と陽極室とに仕切り、両室に配置した電極に電圧を印加することで、両室中の水道水に電解作用と電気浸透作用を与える方式としている。ここで陰極室にはアルカリイオン水が、陽極室には酸性イオン水が生成される事となる。
【0035】
また乾燥手段7により、収納時に流し槽1全体の乾燥処理を行なうとさらに雑菌が繁殖できない環境となり清潔な流し台とすることができる。
【0036】
(実施の形態6)
図6は本発明の流し台において、流し槽の収納・取出し等を行う際に、使用者の音声によってその制御を行うための概略図を表している。図を用いてその説明を行う。使用者の音声が流し台の一部分に設けられたマイクロフォン等からなる入力系から入力されると、音声認識部において音声波形がテキストへと変換される。さらにこのテキストが意味理解部において処理されることにより、使用者が望む動作を表す信号が制御系へと伝達され、駆動系へと伝わることにより流し台の収納あるいは取り出し、または乾燥工程等を行うこととなる。
【0037】
(実施の形態7)
図7は本発明における第六の実施の形態として示す流し台の断面図を表している。図中13は排水路4の途中に設けられたディスポ−ザ−である。流し槽1において食器を洗浄した際等に発生する厨芥を水で流した後、排水路4の途中に設けられたディスポ−ザ−にて微細に粉砕し、排水管6へと送り出される機構となっている。さらにディスポ−ザ−13での処理後は、酸性のイオン水を用いて流し槽1を洗浄すると流し槽1の殺菌とあわせてディスポ−ザ−内の雑菌や黴まで殺菌することができ、清潔な流し台とすることができる。またここでは詳細な部分についての説明は行なわないが、前記ディスポ−ザ−13によって処理された排水を下水道へ流す際には、直接流すことによる生物化学的酸素要求量(BOD)の上昇を引き起こすために生物化学的な分解・消化工程を加えたり、固液分離によるBODの低減等の処理が必要となる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)
図3に示されるような流し台を作製し、流し槽を用いて食器の洗浄等の作業を行なった。流し槽の壁面を温水にて流した後、流し槽を収納した。収納と同時に内部に設置された波長254nmの紫外線ランプを30min間点灯させた。再び流し槽を取り出した際に、スタンプ法にて流し槽の壁面に存在する菌の測定を試みた。一定時間培養後、菌数の測定を行い、<10以下であることが確認された。
【0039】
(比較例1)
実施例1と同様に、図3に示されるような流し台を作製し、流し槽を用いて食器の洗浄等の作業を行なった。流し槽の壁面を温水にて流した後、流し槽を収納した。この際には紫外線ランプは点灯しなかった。30min.間収納後、再び流し槽を取り出した際に、スタンプ法にて流し槽の壁面に存在する菌の測定を試みた。一定時間培養の後に菌数の測定を行い、104程度の雑菌が存在していたことが確認された。
【0040】
(実施例2)
図4に示されるような流し台を作製し、流し槽に刷毛を用いてサラダ油を撥水が確認できる程度に付着させた。ここで本実施例においては、ステンレス基材の全面に光触媒材料層を薄膜として形成し、波長365nmのブラックライトを光源とした。流し槽の収納と同時にブラックライトを点灯させ2hr後に流し槽を再び取り出した。あらかじめサラダ油を付着させた部分は、照射によって目視での確認が難しくなり、水を流した確認の際も付着時のような撥水効果は観られなかった。
【0041】
(実施例3)
図5に示されるような流し台を作製し、流し槽を用いて食器洗浄や食品洗浄の作業を行なった。流路切り替え弁を用いて給水管からの水を電解水生成装置に送り、電気分解を行なうことで酸性のイオン水を生成した。生成した酸性のイオン水を用いて流し槽全体を洗浄し、流し槽を収納した。収納と同時に乾燥手段を用いて流し槽の乾燥も30min間行なった。24hr経過後に流し槽を取り出し、スタンプ法にて流し槽の壁面に存在する菌の測定を試みた。一定時間培養後、菌数の測定を行い、<103以下であることが確認された。
【0042】
またこの際に、流し槽の一部分に設けた生ごみの収納場所も酸性イオン水にて洗浄することによって、流し槽を収納した際に腐敗と共に発生してくる臭気も抑制されていた。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、見栄えの良いキッチン空間を提供し、衛生的にも優れた流し槽を有する流し台を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で対象とする第一の形態として示す流し台の断面図
【図2】本発明で対象とする第二の形態として示す流し台の断面図
【図3】本発明で対象とする第三の形態として示す流し台の断面図
【図4】本発明で対象とする第四の形態として示す流し台の断面図
【図5】本発明で対象とする第五の形態として示す流し台の断面図
【図6】本発明で対象とする音声による流し台の機能制御に関する概略図
【図7】本発明で対象とする第六の形態として示す流し台の断面図
【符号の説明】
1 流し槽
2 水あるいは温水の給水手段
3 蛇腹
4 排水路
5 給水管
6 排水管
7 乾燥手段
8 紫外線発生装置
9 ステンレス基材
10 光触媒材料層
11 電解水生成装置
12 流路切り替え弁
13 ディスポ−ザ−
Claims (10)
- 手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能である流し槽を有することを特徴とする流し台。
- 前記手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽が引き出し式に可動することを特徴とする請求項1に記載の流し台。
- 手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽の水に濡れる部分もしくは流し槽全体がステンレスからなることを特徴とする請求項1または2に記載の流し台。
- 手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、水あるいは温熱水を供給する部分の設置場所が固定され、前記供給部の一部が回転及び伸縮可能な構造となっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の流し台。
- 手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、収納時に流し槽全体を乾燥させる手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の流し台。
- 手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、収納時に流し槽の殺菌を行なう手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の流し台。
- 前記流し槽の殺菌を行なう手段が、紫外線を発生する装置単独あるいは紫外線を発生する装置と光触媒材料との組み合わせからなることを特徴とする請求項6に記載の流し台。
- 前記流し槽の殺菌を行なう手段が水を電気分解することにより作製された電解水からなることを特徴とする請求項6に記載の流し台。
- 前記手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、電気的な駆動が使用者の音声信号によって行なう方法であり、収納時に行なわれる乾燥や殺菌工程も音声信号により操作の設定が行なわれることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の流し台。
- 前記手動あるいは電気的に駆動させる方法によって収納・取り出しが可能な流し槽を有する流し台において、流し槽から排水される排水路の一部に生ごみや食品の廃材を粉砕する装置が設けられたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の流し台。
Priority Applications (1)
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JP2002213402A JP2004049675A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 流し台 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100823882B1 (ko) | 2007-03-29 | 2008-04-21 | 양석호 | 자동 살균기능을 구비한 싱크대 |
-
2002
- 2002-07-23 JP JP2002213402A patent/JP2004049675A/ja active Pending
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