JP2004048309A - 無線伝送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】送信機と受信機が固定されている場合、および送信機と受信機の間に速度差がある状態にあっても、信号の送受信を正常に行えるようにする音波を利用した無線伝送装置を簡単な回路構成で、かつ安価に提供する。
【解決手段】送信機101において、基準周波数で駆動されるエンコーダ103でDTMF周波数の組み合わせに変換されスピーカ106から発信された信号は、受信機102のマイク107で受信され、基準周波数よりずらした周波数で駆動されるTデコーダ109及びKデコーダ110で解読され、これらの解読結果をカリキュレータ113で論理演算する。これにより、送信機と受信機の間に速度差がある状態にあっても、信号の送受信を正常に行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】送信機101において、基準周波数で駆動されるエンコーダ103でDTMF周波数の組み合わせに変換されスピーカ106から発信された信号は、受信機102のマイク107で受信され、基準周波数よりずらした周波数で駆動されるTデコーダ109及びKデコーダ110で解読され、これらの解読結果をカリキュレータ113で論理演算する。これにより、送信機と受信機の間に速度差がある状態にあっても、信号の送受信を正常に行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばエレベーターの乗りかごまたはつりあい重りと、機械室との間の信号等を伝送する無線伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベーターで乗客が乗る乗りかごまたは乗りかごとのバランスを取るつりあい重りと、巻上機等が設置されている機械室の間の信号伝送方式として、音波を利用した無線伝送方式が提案されている。
【0003】
ここで、乗りかごと機械室との間で送受信される信号とは、乗客が行先として希望する階を指示するための信号や、扉の開閉を指示するための信号などを示す。
【0004】
またつりあい重りと機械室との間で送受信される信号とは、つりあい重りが地震などにより、つりあい重りの昇降をガイドするレールから外れてしまったことを、機械室に設置されている制御装置に伝えるための信号などを示す。
【0005】
従来の方式は、プッシュホンのトーン音であるDTMF(Dual ToneMulti−Frequency)信号を利用している。ここでDTMFは、各符号例えば「2」、「6」、「*」などを、低群の周波数と高群の周波数の組み合わせで表現する方法であり、その組み合わせは図9の通りである。前述の符号は周波数に置き換えるとそれぞれ「697Hz+1,336Hz」、「770Hz+1,477Hz」、「941Hz+1,209Hz」となる。
【0006】
また、DTMFエンコーダやデコーダは、これを駆動する基準周波数例えば3.579545MHzを元に図9に示す低群および高群の周波数を作り出している。
【0007】
図8のように、たとえば送信したい符号「2」をエンコーダ803で図9のDTMF周波数の組み合わせ「697Hz+1,336Hz」に置き換え、この音波を送信機801のスピーカ804から出力し、受信機802のマイク806で受信した後デコーダ807で図9の組み合わせに従って解読し目的の符号「2」を得るものである。
【0008】
ここで、音波の特性としてドップラー効果というものがあることが広く知られている。これは、移動する音源から発信される音波は、観測者に近づいてくる時は周波数が高くなり、遠ざかる時は低くなるというもので、一般には近づいてくる救急車のサイレンの音は次第に高くなり、通りすぎて遠ざかる時は低くなっていくという現象で説明される。
【0009】
なお、ドップラー効果は、f’を観測者に聞こえる周波数、fを発信される音波の周波数、Vを音の速さ、Voを観測者が移動する速さ、Vsを音源が移動する速さとすると次の式で求められる。
【0010】
【数1】
【0011】
またデコ−ダ807には、エンコ−ダ803から発信されるDTMF周波数の微妙なずれに対応するため周波数感動帯域が設定されており、およそ±2から3%の許容量を持っている。たとえば周波数感動帯域が±2%のデコ−ダであれば、図10のように683.1Hzから710.9Hzまでの信号は低群2の信号697Hzとして認識する。しかしながら3%を超える周波数感動帯域を持つデコーダは存在しない。
【0012】
さらにまたデコーダ807は、駆動する基準周波数がずれるとこれに同期して解読するDTMF周波数および周波数感動帯域がずれるという特性がある。例えば周数感動帯域が±2%のデコーダで、駆動する基準周波数例えば3.579545MHzが−2%ずれて3.507954MHzとなると、低群2の信号697Hzは−2%ずれ683.1Hzとなり、周波数感動帯域は図11のように683.1Hzを中心として625.3Hzから696.8Hzまでとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の方式では、エンコーダ803とデコーダ807とをそれぞれクロック805、クロック808からの基準周波数で駆動し、信号の置き換え、解読を行っている。この構成の場合、送信機801と受信機802とが固定されている場合であれば、信号の解読は正常に行われるが、どちらか一方が移動する、両方が互いに逆方向に移動する、両方が同一方向に移動するが速度が異なるというように、送信機801と受信機802との間に速度差がある状態の場合は、前述したドップラー効果により送信機801から出力された音波の周波数が、受信機802のマイク806で受信する時には変化してしまい、解読出来なくなり目的の信号を得られなくなるという問題があった。
【0014】
従来の方式は図8のような構成であるが、この構成では送信機801と受信機802との間に速度差がある状態を想定していないため、送信機801側にエレベーターの速度情報を渡す手段がない。よって速度差に起因する周波数の変化を認知することが出来ないため、送信機801、受信機802とも基準周波数で駆動されたままの状態でDTMF信号の置き換え、解読を行う。
【0015】
したがって、送信機(音源)801が50km/hで受信機(観測者)802に向かって移動している状態で信号が発信されると、前述の式より送信機801から出力される「697Hz+1,336Hz」の音波は受信機802では約4%ずれ「727Hz+1,393Hz」で受信されることとなり、図9の組み合わせに該当するものはなく、また前述の周波数感動帯も外れてしまうため解読出来ず送受信不能となってしまう。
【0016】
この解決方法として、速度情報を送信機801側に渡し出力信号の周波数を制御する方法も考えられるが、速度情報から周波数のずれる量を予測して周波数を制御するための回路が必要となり、送信機回路の複雑化やコストの上昇といった問題が発生してしまう。
【0017】
本発明は上述のような従来の問題点を鑑みてなされたもので、本発明の目的は送信機と受信機が固定されている場合、および送信機と受信機の間に速度差がある状態にあっても、信号の送受信を正常に行えるようにする音波を利用した無線伝送装置を簡単な回路構成で、かつ安価に提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る無線伝送装置は、基準周波数で駆動されるエンコーダで信号を所定の周波数の組み合わせの信号に変換し、音波の信号として送信する送信機と、この送信機から送信された音波の信号を受信し、前記基準周波数よりずらした周波数で駆動されるデコーダを用いて、受信された信号を解読する回路を備えた受信機とを備えたことを特徴とする。
【0019】
このような構成の本発明によれば、送信機と受信機が固定されている場合、および送信機と受信機の間に速度差がある状態にあっても、信号の送受信を正常に行えるようにする音波を利用した無線伝送装置を、簡単な回路構成で、かつ安価に提供することができる。
【0020】
ここで、受信された信号を解読する回路を、それぞれ異なる周波数で駆動される複数のデコーダを用いて、受信された信号を解読し、かつ個々のデコーダの解読結果を論理演算するものとすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る無線伝送装置の概略構成を示す図である。この装置は、送信機101と受信機102により構成される。送信機101と受信機102は、例えばエレベーターの乗りかごまたはつりあい重りや、機械室に設けられ、これらの間の信号の送受信に用いられる。
【0023】
送信機101は、送信したい信号をDTMF周波数の組み合わせに変換するエンコーダ103と、エンコーダ103を駆動する基準周波数例えば3.579545MHzを発生するクロック104と、エンコーダ103より出力されるDTMF信号を増幅するアンプ105と、アンプ105の出力を発信するスピーカ106で構成される。
【0024】
また受信機102は、スピーカ106から発信された信号を受信するマイク107と、マイク107の出力を増幅するマイクアンプ108と、マイクアンプ108の出力をDTMF周波数の組み合わせに従って解読するデコーダのうち、本来の基準周波数例えば3.579545MHzに対し、低い基準周波数例えば3.507954MHzで駆動されるTデコーダ109と、高い基準周波数例えば3.651136MHzで駆動されるKデコーダ110と、Tデコ−ダ109を駆動する低い基準周波数を発生するTクロック111と、Kデコーダ110を駆動する高い基準周波数を発生するKクロック112と、Tデコーダ109とKデコーダ110の出力を論理演算し目的の信号を出力するカリキュレータ113により構成される。
【0025】
図2は、送信機101の構成を示すブロック図である。図示しない制御装置により例えばスイッチパネル201のスイッチ「2」がONになると、クロック104の発生する基準周波数によって駆動されるエンコーダ103の、通常は全て“L”レベルになっているR1からR4およびC1からC4のうち、R1とC2に図示しない電源より電圧が印加され“H”レベルになる。これによりエンコーダ103に信号が入力される。
【0026】
エンコーダ信号変換部202は、図9のDTMF周波数の組み合わせに従いR1の周波数697HzとC2の周波数1,336Hzを選択し、これを合成してTO端子より電気信号として出力する。出力された電気信号は、アンプ105で増幅されスピーカ106で音波に変換されて空気中に出力される。
【0027】
ここで、送信機101が受信機102に向かって50km/hで移動していると、ドップラー効果により「697Hz+1,336Hz」の音波は受信機102に到達する時には約4%ずれ、「727Hz+1,393Hz」となる。
【0028】
図3は、受信機102の構成を示すブロック図である。空気中を伝わって送られた音波はマイク107で受信され電気信号に変換された後、マイクアンプ108で増幅されTクロック111の発生する基準周波数によって駆動されるTデコーダ109の入力端子AIT、Kクロック112の発生する基準周波数によって駆動されるKデコーダ110の入力端子AIKに入力される。
【0029】
Tデコーダ109は、図4のDTMF周波数の組み合わせに従いTデコーダ信号変換部301で解読を行うが、「727Hz+1,393Hz」という組み合わせはなく、また周波数感動帯の範囲にも該当するものがないので、通常は全て“L”レベルになっている論理出力端子D0TからD3Tは“L”レベルのままである。
【0030】
一方、Kデコーダ110は、図5のDTMF周波数の組み合わせに従いKデコーダ信号変換部302で解読を行うので、「727Hz+1,393Hz」という組み合わせはないが周波数感動帯の範囲に該当するものがあるので、低群の1番L1と高群の2番H2が入力されたものと判断して、図示しない電源より電圧を印加し、論理出力端子D1Kを“H”レベル、その他の論理出力端子D0K、D2K、D3Kを“L”レベルとする。
【0031】
カリキュレータ113のカリキュレータ論理演算部303は、Tデコーダ109の論理出力端子D0TとKデコ−ダ110の論理出力端子D0Kの出力を図6の組み合わせにしたがって演算し、その結果をD0として出力する。また同様に各論理出力端子D1T、2T、D3Tと各論理出力端子D1K、D2K、D3Kの出力を演算しそれぞれD1、D2、D3として出力する。さらにまたカリキュレータ符号変換部304は、カリキュレ一夕論理演算部303の論理出力端子の出力D0、D1、D2、D3を図7に従って符号化する。ここで前述の論理出力端子の出力D0“L”、D1“H”、D2“L”、D3“L”を符号化すると「2」となる。この結果が受信機102の出力となり、表示器305で表示される。
【0032】
次に、送信機101が移動していない場合について考えてみる。スピ−カ106から音波として信号が出力されるまでは前述の通りである。
【0033】
ここで送信機101が移動していないので、ドップラー効果は発生せず「697Hz+1,336Hz」の音波はずれることなく受信機102で受信される。
【0034】
空気中を伝わって送られた音波はマイク107で受信され電気信号に変換された後、マイクアンプ108で増幅されTクロック111の発生する基準周波数によって駆動されるTデコーダ109の入力端子AIT、Kクロック112の発生する基準周波数によって駆動されるKデコーダ110の入力端子AIKに入力される。
【0035】
Tデコーダ109は図4のDTMF周波数の組み合わせに従い解読を行うので、「697Hz+1,336Hz」という組み合わせはないが周波数感動帯の範囲に該当するものがあるので、低群の1番L1と高群の2番H2が入力されたものと判断し、図示しない電源より電圧を印加し、通常は全て“L”レベルになっている論理出力端子D1Tを“H”レベル、その他の論理出力端子D0T、D2T、D3Tを“L”レベルとする。
【0036】
同様にKデコーダ110は図5のDTMF周波数の組み合わせに従い解読を行うので、「697Hz+1,336Hz」という組み合わせはないが周波数感動帯の範囲に該当するものがあるので、低群の1番L1と高群の2番H2が入力されたものと判断し、図示しない電源より電圧を印加し、通常は全て“L”レベルになっている論理出力端子D1Kを“H”レベル、その他の論理出力端子D0K、D2K、D3Kを“L”レベルとする。
【0037】
カリキュレータ113のカリキュレータ論理演算部303は、Tデコ−ダ109の論理出力端子D0TとKデコーダ110の論理出力端子D0Kの出力を図6の組み合わせにしたがって演算し、その結果をD0として出力する。また同様に各論理出力端子D1T、2T、D3Tと各論理出力端子D1K、D2K、D3Kの出力を演算しそれぞれD1、D2、D3として出力する。さらにまたカリキュレータ符号変換部304は、カリキュレータ論理演算部303の論理出力端子の出力D0、D1、D2、D3を図7に従って符号化する。ここで前述の論理出力端子の出力D0“L”、D1“H”、D2“L”、D3“L”を符号化すると「2」となる。この結果が受信機102の出力となり、表示器305で表示される。
【0038】
以上のような動作により、送信機101が移動中であっても信号の解読が可能となり、また送信機101が移動していない状態であっても信号の解読が可能であるので、送受信不能となることはなくなる。また速度に応じて周波数を変化させるなどの回路の追加も必要がないので、安価に無線伝送装置を構成することが出来る。
【0039】
なお、前述の実施形態では、デコーダを駆動するクロックを基準周波数から上下に2%ずつずらしたものを並べているが、これを上方向のみもしくは下方向のみにずらしたものを並べても良い。
【0040】
また前述の実施形態では、デコーダを2台並べて解読処理をしているが、これを3台以上としても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、受信機に対して送信機が移動中であっても信号の解読が可能となり、また送信機が移動していない状態であっても信号の解読が可能であるので、送受信不能となることはなくなる。また速度に応じて周波数を変化させるなどの回路の追加も必要がないので、安価に無線伝送装置を構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線伝送装置の概略構成を示す図。
【図2】本発明の一実施形態における送信機の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態における受信機の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の一実施形態における、標準より2%低い基準周波数で駆動されるTデコーダの動作を説明するための表図。
【図5】本発明の一実施形態における、標準より2%高い基準周波数で駆動されるKデコーダの動作を説明するための表図。
【図6】本発明の一実施形態における、カリキュレータ論理演算部の論理演算結果を示す表図。
【図7】本発明の一実施形態における、カリキュレータ符号変換部の変換結果を示す表図。
【図8】従来例の概略構成を示す図。
【図9】従来例及び本発明の一実施形態におけるDTMF信号への変換結果を示す表図。
【図10】従来例の動作を説明するための、基準周波数3.579545MHzの時の低群2の周波数感動帯域を示す図。
【図11】従来例の動作を説明するための、基準周波数3.507954MHzの時の低群2の周波数感動帯域と、基準周波数3.579545MHzの時の低群2の周波数感動帯域を示す図。
【符号の説明】
101…送信機
102…受信機
103…エンコーダ
104…クロック
105…アンプ
106…スピーカ
107…マイク
108…マイクアンプ
109…Tデコーダ
110…Kデコーダ
111…Tクロック
112…Kクロック
113…カリキュレータ
201…スイッチパネル
202…エンコーダ信号変換部
301…Tデコーダ信号変換部
302…Kデコーダ信号変換部
303…カリキュレータ論理演算部
304…カリキュレータ符号変換部
305…表示器
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばエレベーターの乗りかごまたはつりあい重りと、機械室との間の信号等を伝送する無線伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベーターで乗客が乗る乗りかごまたは乗りかごとのバランスを取るつりあい重りと、巻上機等が設置されている機械室の間の信号伝送方式として、音波を利用した無線伝送方式が提案されている。
【0003】
ここで、乗りかごと機械室との間で送受信される信号とは、乗客が行先として希望する階を指示するための信号や、扉の開閉を指示するための信号などを示す。
【0004】
またつりあい重りと機械室との間で送受信される信号とは、つりあい重りが地震などにより、つりあい重りの昇降をガイドするレールから外れてしまったことを、機械室に設置されている制御装置に伝えるための信号などを示す。
【0005】
従来の方式は、プッシュホンのトーン音であるDTMF(Dual ToneMulti−Frequency)信号を利用している。ここでDTMFは、各符号例えば「2」、「6」、「*」などを、低群の周波数と高群の周波数の組み合わせで表現する方法であり、その組み合わせは図9の通りである。前述の符号は周波数に置き換えるとそれぞれ「697Hz+1,336Hz」、「770Hz+1,477Hz」、「941Hz+1,209Hz」となる。
【0006】
また、DTMFエンコーダやデコーダは、これを駆動する基準周波数例えば3.579545MHzを元に図9に示す低群および高群の周波数を作り出している。
【0007】
図8のように、たとえば送信したい符号「2」をエンコーダ803で図9のDTMF周波数の組み合わせ「697Hz+1,336Hz」に置き換え、この音波を送信機801のスピーカ804から出力し、受信機802のマイク806で受信した後デコーダ807で図9の組み合わせに従って解読し目的の符号「2」を得るものである。
【0008】
ここで、音波の特性としてドップラー効果というものがあることが広く知られている。これは、移動する音源から発信される音波は、観測者に近づいてくる時は周波数が高くなり、遠ざかる時は低くなるというもので、一般には近づいてくる救急車のサイレンの音は次第に高くなり、通りすぎて遠ざかる時は低くなっていくという現象で説明される。
【0009】
なお、ドップラー効果は、f’を観測者に聞こえる周波数、fを発信される音波の周波数、Vを音の速さ、Voを観測者が移動する速さ、Vsを音源が移動する速さとすると次の式で求められる。
【0010】
【数1】
【0011】
またデコ−ダ807には、エンコ−ダ803から発信されるDTMF周波数の微妙なずれに対応するため周波数感動帯域が設定されており、およそ±2から3%の許容量を持っている。たとえば周波数感動帯域が±2%のデコ−ダであれば、図10のように683.1Hzから710.9Hzまでの信号は低群2の信号697Hzとして認識する。しかしながら3%を超える周波数感動帯域を持つデコーダは存在しない。
【0012】
さらにまたデコーダ807は、駆動する基準周波数がずれるとこれに同期して解読するDTMF周波数および周波数感動帯域がずれるという特性がある。例えば周数感動帯域が±2%のデコーダで、駆動する基準周波数例えば3.579545MHzが−2%ずれて3.507954MHzとなると、低群2の信号697Hzは−2%ずれ683.1Hzとなり、周波数感動帯域は図11のように683.1Hzを中心として625.3Hzから696.8Hzまでとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の方式では、エンコーダ803とデコーダ807とをそれぞれクロック805、クロック808からの基準周波数で駆動し、信号の置き換え、解読を行っている。この構成の場合、送信機801と受信機802とが固定されている場合であれば、信号の解読は正常に行われるが、どちらか一方が移動する、両方が互いに逆方向に移動する、両方が同一方向に移動するが速度が異なるというように、送信機801と受信機802との間に速度差がある状態の場合は、前述したドップラー効果により送信機801から出力された音波の周波数が、受信機802のマイク806で受信する時には変化してしまい、解読出来なくなり目的の信号を得られなくなるという問題があった。
【0014】
従来の方式は図8のような構成であるが、この構成では送信機801と受信機802との間に速度差がある状態を想定していないため、送信機801側にエレベーターの速度情報を渡す手段がない。よって速度差に起因する周波数の変化を認知することが出来ないため、送信機801、受信機802とも基準周波数で駆動されたままの状態でDTMF信号の置き換え、解読を行う。
【0015】
したがって、送信機(音源)801が50km/hで受信機(観測者)802に向かって移動している状態で信号が発信されると、前述の式より送信機801から出力される「697Hz+1,336Hz」の音波は受信機802では約4%ずれ「727Hz+1,393Hz」で受信されることとなり、図9の組み合わせに該当するものはなく、また前述の周波数感動帯も外れてしまうため解読出来ず送受信不能となってしまう。
【0016】
この解決方法として、速度情報を送信機801側に渡し出力信号の周波数を制御する方法も考えられるが、速度情報から周波数のずれる量を予測して周波数を制御するための回路が必要となり、送信機回路の複雑化やコストの上昇といった問題が発生してしまう。
【0017】
本発明は上述のような従来の問題点を鑑みてなされたもので、本発明の目的は送信機と受信機が固定されている場合、および送信機と受信機の間に速度差がある状態にあっても、信号の送受信を正常に行えるようにする音波を利用した無線伝送装置を簡単な回路構成で、かつ安価に提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る無線伝送装置は、基準周波数で駆動されるエンコーダで信号を所定の周波数の組み合わせの信号に変換し、音波の信号として送信する送信機と、この送信機から送信された音波の信号を受信し、前記基準周波数よりずらした周波数で駆動されるデコーダを用いて、受信された信号を解読する回路を備えた受信機とを備えたことを特徴とする。
【0019】
このような構成の本発明によれば、送信機と受信機が固定されている場合、および送信機と受信機の間に速度差がある状態にあっても、信号の送受信を正常に行えるようにする音波を利用した無線伝送装置を、簡単な回路構成で、かつ安価に提供することができる。
【0020】
ここで、受信された信号を解読する回路を、それぞれ異なる周波数で駆動される複数のデコーダを用いて、受信された信号を解読し、かつ個々のデコーダの解読結果を論理演算するものとすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る無線伝送装置の概略構成を示す図である。この装置は、送信機101と受信機102により構成される。送信機101と受信機102は、例えばエレベーターの乗りかごまたはつりあい重りや、機械室に設けられ、これらの間の信号の送受信に用いられる。
【0023】
送信機101は、送信したい信号をDTMF周波数の組み合わせに変換するエンコーダ103と、エンコーダ103を駆動する基準周波数例えば3.579545MHzを発生するクロック104と、エンコーダ103より出力されるDTMF信号を増幅するアンプ105と、アンプ105の出力を発信するスピーカ106で構成される。
【0024】
また受信機102は、スピーカ106から発信された信号を受信するマイク107と、マイク107の出力を増幅するマイクアンプ108と、マイクアンプ108の出力をDTMF周波数の組み合わせに従って解読するデコーダのうち、本来の基準周波数例えば3.579545MHzに対し、低い基準周波数例えば3.507954MHzで駆動されるTデコーダ109と、高い基準周波数例えば3.651136MHzで駆動されるKデコーダ110と、Tデコ−ダ109を駆動する低い基準周波数を発生するTクロック111と、Kデコーダ110を駆動する高い基準周波数を発生するKクロック112と、Tデコーダ109とKデコーダ110の出力を論理演算し目的の信号を出力するカリキュレータ113により構成される。
【0025】
図2は、送信機101の構成を示すブロック図である。図示しない制御装置により例えばスイッチパネル201のスイッチ「2」がONになると、クロック104の発生する基準周波数によって駆動されるエンコーダ103の、通常は全て“L”レベルになっているR1からR4およびC1からC4のうち、R1とC2に図示しない電源より電圧が印加され“H”レベルになる。これによりエンコーダ103に信号が入力される。
【0026】
エンコーダ信号変換部202は、図9のDTMF周波数の組み合わせに従いR1の周波数697HzとC2の周波数1,336Hzを選択し、これを合成してTO端子より電気信号として出力する。出力された電気信号は、アンプ105で増幅されスピーカ106で音波に変換されて空気中に出力される。
【0027】
ここで、送信機101が受信機102に向かって50km/hで移動していると、ドップラー効果により「697Hz+1,336Hz」の音波は受信機102に到達する時には約4%ずれ、「727Hz+1,393Hz」となる。
【0028】
図3は、受信機102の構成を示すブロック図である。空気中を伝わって送られた音波はマイク107で受信され電気信号に変換された後、マイクアンプ108で増幅されTクロック111の発生する基準周波数によって駆動されるTデコーダ109の入力端子AIT、Kクロック112の発生する基準周波数によって駆動されるKデコーダ110の入力端子AIKに入力される。
【0029】
Tデコーダ109は、図4のDTMF周波数の組み合わせに従いTデコーダ信号変換部301で解読を行うが、「727Hz+1,393Hz」という組み合わせはなく、また周波数感動帯の範囲にも該当するものがないので、通常は全て“L”レベルになっている論理出力端子D0TからD3Tは“L”レベルのままである。
【0030】
一方、Kデコーダ110は、図5のDTMF周波数の組み合わせに従いKデコーダ信号変換部302で解読を行うので、「727Hz+1,393Hz」という組み合わせはないが周波数感動帯の範囲に該当するものがあるので、低群の1番L1と高群の2番H2が入力されたものと判断して、図示しない電源より電圧を印加し、論理出力端子D1Kを“H”レベル、その他の論理出力端子D0K、D2K、D3Kを“L”レベルとする。
【0031】
カリキュレータ113のカリキュレータ論理演算部303は、Tデコーダ109の論理出力端子D0TとKデコ−ダ110の論理出力端子D0Kの出力を図6の組み合わせにしたがって演算し、その結果をD0として出力する。また同様に各論理出力端子D1T、2T、D3Tと各論理出力端子D1K、D2K、D3Kの出力を演算しそれぞれD1、D2、D3として出力する。さらにまたカリキュレータ符号変換部304は、カリキュレ一夕論理演算部303の論理出力端子の出力D0、D1、D2、D3を図7に従って符号化する。ここで前述の論理出力端子の出力D0“L”、D1“H”、D2“L”、D3“L”を符号化すると「2」となる。この結果が受信機102の出力となり、表示器305で表示される。
【0032】
次に、送信機101が移動していない場合について考えてみる。スピ−カ106から音波として信号が出力されるまでは前述の通りである。
【0033】
ここで送信機101が移動していないので、ドップラー効果は発生せず「697Hz+1,336Hz」の音波はずれることなく受信機102で受信される。
【0034】
空気中を伝わって送られた音波はマイク107で受信され電気信号に変換された後、マイクアンプ108で増幅されTクロック111の発生する基準周波数によって駆動されるTデコーダ109の入力端子AIT、Kクロック112の発生する基準周波数によって駆動されるKデコーダ110の入力端子AIKに入力される。
【0035】
Tデコーダ109は図4のDTMF周波数の組み合わせに従い解読を行うので、「697Hz+1,336Hz」という組み合わせはないが周波数感動帯の範囲に該当するものがあるので、低群の1番L1と高群の2番H2が入力されたものと判断し、図示しない電源より電圧を印加し、通常は全て“L”レベルになっている論理出力端子D1Tを“H”レベル、その他の論理出力端子D0T、D2T、D3Tを“L”レベルとする。
【0036】
同様にKデコーダ110は図5のDTMF周波数の組み合わせに従い解読を行うので、「697Hz+1,336Hz」という組み合わせはないが周波数感動帯の範囲に該当するものがあるので、低群の1番L1と高群の2番H2が入力されたものと判断し、図示しない電源より電圧を印加し、通常は全て“L”レベルになっている論理出力端子D1Kを“H”レベル、その他の論理出力端子D0K、D2K、D3Kを“L”レベルとする。
【0037】
カリキュレータ113のカリキュレータ論理演算部303は、Tデコ−ダ109の論理出力端子D0TとKデコーダ110の論理出力端子D0Kの出力を図6の組み合わせにしたがって演算し、その結果をD0として出力する。また同様に各論理出力端子D1T、2T、D3Tと各論理出力端子D1K、D2K、D3Kの出力を演算しそれぞれD1、D2、D3として出力する。さらにまたカリキュレータ符号変換部304は、カリキュレータ論理演算部303の論理出力端子の出力D0、D1、D2、D3を図7に従って符号化する。ここで前述の論理出力端子の出力D0“L”、D1“H”、D2“L”、D3“L”を符号化すると「2」となる。この結果が受信機102の出力となり、表示器305で表示される。
【0038】
以上のような動作により、送信機101が移動中であっても信号の解読が可能となり、また送信機101が移動していない状態であっても信号の解読が可能であるので、送受信不能となることはなくなる。また速度に応じて周波数を変化させるなどの回路の追加も必要がないので、安価に無線伝送装置を構成することが出来る。
【0039】
なお、前述の実施形態では、デコーダを駆動するクロックを基準周波数から上下に2%ずつずらしたものを並べているが、これを上方向のみもしくは下方向のみにずらしたものを並べても良い。
【0040】
また前述の実施形態では、デコーダを2台並べて解読処理をしているが、これを3台以上としても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、受信機に対して送信機が移動中であっても信号の解読が可能となり、また送信機が移動していない状態であっても信号の解読が可能であるので、送受信不能となることはなくなる。また速度に応じて周波数を変化させるなどの回路の追加も必要がないので、安価に無線伝送装置を構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線伝送装置の概略構成を示す図。
【図2】本発明の一実施形態における送信機の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態における受信機の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の一実施形態における、標準より2%低い基準周波数で駆動されるTデコーダの動作を説明するための表図。
【図5】本発明の一実施形態における、標準より2%高い基準周波数で駆動されるKデコーダの動作を説明するための表図。
【図6】本発明の一実施形態における、カリキュレータ論理演算部の論理演算結果を示す表図。
【図7】本発明の一実施形態における、カリキュレータ符号変換部の変換結果を示す表図。
【図8】従来例の概略構成を示す図。
【図9】従来例及び本発明の一実施形態におけるDTMF信号への変換結果を示す表図。
【図10】従来例の動作を説明するための、基準周波数3.579545MHzの時の低群2の周波数感動帯域を示す図。
【図11】従来例の動作を説明するための、基準周波数3.507954MHzの時の低群2の周波数感動帯域と、基準周波数3.579545MHzの時の低群2の周波数感動帯域を示す図。
【符号の説明】
101…送信機
102…受信機
103…エンコーダ
104…クロック
105…アンプ
106…スピーカ
107…マイク
108…マイクアンプ
109…Tデコーダ
110…Kデコーダ
111…Tクロック
112…Kクロック
113…カリキュレータ
201…スイッチパネル
202…エンコーダ信号変換部
301…Tデコーダ信号変換部
302…Kデコーダ信号変換部
303…カリキュレータ論理演算部
304…カリキュレータ符号変換部
305…表示器
Claims (2)
- 基準周波数で駆動されるエンコーダで信号を所定の周波数の組み合わせの信号に変換し、音波の信号として送信する送信機と、この送信機から送信された音波の信号を受信し、前記基準周波数よりずらした周波数で駆動されるデコーダを用いて、受信された信号を解読する回路を備えた受信機とを備えたことを特徴とする無線伝送装置。
- 請求項1に記載の無線伝送装置において、前記受信された信号を解読する回路は、それぞれ異なる周波数で駆動される複数のデコーダを用いて、受信された信号を解読し、かつ個々のデコーダの解読結果を論理演算するものであることを特徴とする無線伝送装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009215060A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-09-24 | Nec Infrontia Corp | センサー情報通報システム、エレベータ用センサー情報通報システム、センサー情報通報方法 |
CN106006249A (zh) * | 2016-06-30 | 2016-10-12 | 广州广日电梯工业有限公司 | 一种声波通信系统及控制方法 |
WO2021199403A1 (ja) * | 2020-04-02 | 2021-10-07 | 三菱電機株式会社 | エレベーターの画像データ処理装置およびエレベーターの画像データ処理方法 |
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2002
- 2002-07-11 JP JP2002202075A patent/JP2004048309A/ja active Pending
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