JP2004048112A - 補間処理方法、補間処理プログラムおよびこれを記録した記録媒体ならびに画像処理装置およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

補間処理方法、補間処理プログラムおよびこれを記録した記録媒体ならびに画像処理装置およびこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】処理時間の増大を抑えつつ、高画質の画像を得ることができる補間処理方法および補間処理プログラムを提供する。また装置規模の増大および処理コストを抑えつつ、高画質の画像を生成することができる画像処理装置およびそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する(b2)。抽出した周囲画素の画素データを用いて、抽出した周囲画素が画像のエッジ部分を構成するエッジ画素か否かを判定し、周囲画素のいずれかがエッジ画素である場合に、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出する(b3〜b7)。抽出した周囲画素の画素データを用いて、第2内挿補間を行って第2補間データを算出する(b9)。第1および第2補間データに基づいて補間画素の画素データを生成する(b10〜b13)。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理方法および補間処理プログラムならびに補間処理プログラムを記録した記録媒体に関し、さらに画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理手段を備える画像処理装置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像処理の1つとして、画像を構成する既存の画素の画素データに基づいて新たな画素データを求めて補間画素を生成する補間処理が行われている。一般的な補間処理方法としては、画像中の一定領域に存在する複数の画素の画素データを用いて、その領域の内部に新たな画素データを生成する内挿補間法が用いられる。この内挿補間法の代表的なものとして、最近隣内挿法(ニアレストネイバ法:Nearest Neighbor、以下「NN」という。)、共1次線形内挿法(バイリニア法:Bi−liner、以下「BL」という。)および3次畳み込み内挿法(バイキュービック:Bi−Cubic convolution、以下「BC」という。)などがある。
【0003】
前述の3つの内挿補間法について、図14〜図16を用いて説明する。図において、斜線を施した正方形は既存画素を表し、白地の正方形は補間画素を表している。また、正方形内の数字は、画素の濃度の階調値を表す画素データである。
【0004】
図14は、NNによる補間処理が施された画像の一部を示す図である。NNは、補間画素に1番近い既存画素、すなわち最近傍の既存画素の画素データを、補間画素の画素データとして生成する補間処理方法である。図14では、補間画素の最近傍となる既存画素として、補間画素の左、左上、あるいは真上の既存画素を選択している。たとえば、図中、右端から1番目、上端から2番目の補間画素x1の最近傍となる既存画素は、その真上の画素X1である。したがって、この真上の既存画素X1の画素データ「90」が、補間画素x1の画素データとして生成される。
【0005】
このように、NNは、最近傍の既存画素の画素データを補間画素の画素データとして生成するので、エッジ付近についてはエッジの鮮鋭性を保存するような画素データを生成することができる。また、NNによると、演算量が少なく、処理コストの抑制や処理の高速化が可能である。しかしながら、NNは単純な方法であるために、これによって生成された補間画素の画素データにはある程度の誤差が生じる。このため、NNによる補間処理が施された画像では、曲線や斜線がギザギザとなって現れるジャギーが発生し、画質が劣化する。
【0006】
図15は、BLによる補間処理が施された画像の一部を示す図である。BLは、既存画素に対する補間画素の位置に基づいた重み係数を用いて2次の線形内挿補間を行い、補間画素の画素データを生成する補間処理方法である。図15では、補間画素の周囲にある4つの既存画素を用いて補間処理を行っている。たとえば、図中の右端から2番目、上端から2番目の補間画素x2についての4つの既存画素は、補間画素x2に対して、左上に位置する画素データ「80」の画素X2と、右上に位置する画素データ「90」の画素X3と、左下に位置する画素データ「20」の画素X4と、右下に位置する画素データ「30」の画素X5である。
【0007】
ここで、補間画素と周囲の4つの既存画素との距離は全て等しいものとし、4つの既存画素で構成される格子の一辺の距離を1とすると、線形内挿補間に用いる重み係数は、0.5(水平方向の距離)×0.5(垂直方向の距離)=0.25となる。したがって、補間画素x2の画素データは、周囲の既存画素X2〜X5の画素データ「80」、「90」、「20」および「30」それぞれに対して0.25を乗算し、乗算値の和を算出することによって、画素データ「55」が生成される。なお、ここでの演算では、小数点以下第1位を四捨五入している。
【0008】
このように、BLは、比較的少ない演算量で周囲の既存画素の画素データに近似した値を生成することから、画像を滑らかにすることができる。しかしながら、BLは、画像内のエッジ部分についても滑らかに処理するため、エッジを鈍らせてしまう。そのため、BLによる補間処理が施された画像では、画像がぼやけ、画質が劣化する。
【0009】
図16は、BCによる補間処理が施された画像の一部を示す図である。BCは、3次の非線形内挿補間の1つであって、補間画素の周囲にある4つの既存画素と、その4つの既存画素の周囲にある12の既存画素を加えた合計16の既存画素を用いて演算処理を行う補間処理方法である。図16では、中央に位置する画素データ「18」の補間画素x3に対して、その周囲に位置する4つの既存画素X6〜X9と、その4つの既存画素X6〜X9の周囲に位置する12の既存画素X10〜X21、図16では最も外側に存在する12の既存画素とが用いられる。
【0010】
BCは、正弦関数を用いて演算処理を行うため、画像を平滑化するとともに、エッジの鈍りも防止するので、滑らかで自然な画像を生成することができる。しかしながら、BCは、NNおよびBLに比べ、極めて複雑な演算処理を必要とするので、演算処理を実行する回路規模の増大を抑えることができず、結果として、装置規模の増大を抑えることができない。したがって、補間処理のためのコストがかさんでしまう。また、複雑な演算処理であるので、補間処理に要する時間が増大する。
【0011】
このように、前述の3つの内挿補間法にはそれぞれ欠点があるため、以下のような補間処理の技術が提案されている。
【0012】
たとえば、特開2000−188689号公報には、画像処理の拡大、縮小倍率に応じて補間アルゴリズムを切り替えることによって、特定の倍率付近で発生しやすくなるモアレ現象を抑制する技術が開示されている。具体的には、モアレが発生しやすい倍率付近の補間処理にはBCを適用し、それ以外の倍率付近での補間処理にはNNやBLを適用する。
【0013】
また、特許第3190085号公報には、中間調画像、あるいは、文字や線画などの非中間調画像といった画像の種類に応じて、画像処理の倍率を適宜切り替える技術が開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、NNには、ジャギーの発生などによる画質の劣化という問題がある。また、BLには、画像のぼやけによる画質の劣化という問題がある。また、BCには、装置規模の増大、補間処理のためのコストの増大、処理時間の増大という問題がある。
【0015】
また、特開2000−188689号公報によると、モアレの発生を抑えることができるとともに、特定の倍率以外では演算量の少ないNNやBLを適用しているので、処理時間の増大をある程度抑えることができる。しかしながら、特定の倍率以外での補間処理には、NNやBLを適用するため、当該倍率の画質は劣化する。すなわち、当該技術は、画像処理の拡大、縮小倍率によって、既存の補間処理方法を使い分けているだけであるので、画質改善が十分になされているとはいえない。
【0016】
さらに、特許第3190085号公報によると、中間調画像、非中間調画像を異なる倍率で処理することで、画像の特性に応じて補間処理することができる。しかしながら、補間処理の倍率を切り替えることによって、中間調画像と非中間調画像との境界が不連続となる場合があるので、高い画質が得られない。したがって、画質改善が十分になされているとはいえない。
【0017】
本発明の目的は、処理時間の増大を抑えつつ、高画質の画像を得ることができる補間処理方法および補間処理プログラムならびに補間処理プログラムを記録した記録媒体を提供することであり、また装置規模の増大および処理コストを抑えつつ、高画質の画像を生成することができる画像処理装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、前記画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理方法において、
前記補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出し、
抽出された周囲画素の画素データに基づいて、前記補間画素の特徴を示す特徴量を算出するとともに、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間と画像を平滑化する第2内挿補間とを、算出された特徴量に基づいて組み合わせることによって前記補間画素の画素データを生成することを特徴とする補間処理方法である。
【0019】
本発明に従えば、補間画素の周囲画素の画素データを抽出し、抽出した周囲画素の画素データに基づいて、補間画素の特徴を示す特徴量、たとえばエッジ強度や、エッジ画素であるか否かなどを算出する。そして、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間と、画像を平滑化する第2内挿補間とを、算出した特徴量に基づいて組み合わせて補間画素の画素データを生成する。
【0020】
このように、2種類の補間処理を組み合わせて補間処理を行うので、エッジの鮮鋭性の保存と画像の平滑化という各補間処理の特性を利用することができ、これによって各補間処理の利点および欠点を調整することができ、また各補間処理によって生じる画像の劣化を緩和することができる。また、2種類の補間処理の組合せは補間画素の特徴量に基づいて行うので、補間画素ごとにその特徴に応じた最適な補間処理を行うことができる。これによって、エッジの鮮鋭性が適度に保存されるとともに、滑らかで高画質の画像を得ることができる。
【0021】
本発明は、画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、前記画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理方法において、
前記補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する抽出ステップと、
抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出する第1補間ステップと、
抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像を平滑化する第2内挿補間を行って第2補間データを算出する第2補間ステップと、
算出された前記第1および第2補間データに基づいて、前記補間画素の画素データを生成する生成ステップとを含み、
前記第1補間ステップでは、
前記周囲画素が画像のエッジ部分を構成するエッジ画素であるか否かを判定し、
前記周囲画素のいずれかがエッジ画素である場合は、抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、前記第1内挿補間を行って第1補間データを算出し、
前記生成ステップでは、算出された前記第1および第2補間データの平均値を求めて前記補間画素の画素データを生成することを特徴とする補間処理方法である。
【0022】
また本発明は、画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、前記画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理手段を備え、入力された画像の画素間に設定された補間画素の画素データを求めて画像を出力する画像処理装置において、
前記補間処理手段は、
前記補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する抽出手段と、
抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出する第1補間手段と、
抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像を平滑化する第2内挿補間を行って第2補間データを算出する第2補間手段と、
算出された前記第1および第2補間データに基づいて、前記補間画素の画素データを生成する生成手段とを備え、
前記第1補間手段は、
抽出された周囲画素が画像のエッジ部分を構成するエッジ画素であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記周囲画素のいずれかがエッジ画素である場合は、抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、前記第1内挿補間を行って第1補間データを算出する算出手段とを含み、
前記生成手段は、算出された前記第1および第2補間データの平均値を補間画素の画素データとして生成することを特徴とする画像処理装置である。
【0023】
本発明に従えば、補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出し、抽出した周囲画素の画素データを用いて、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出するとともに、第2内挿補間を行って第2補間データを算出する。このとき、第1内挿補間を行うにあたっては、まず補間画素の周囲に位置する周囲画素がエッジ画素であるかを判定し、補間画素の周囲画素のいずれかがエッジ画素である場合に第1内挿補間を行って第1補間データを算出する。それから、第1および第2補間データの平均値を算出して、補間画素の画素データを生成する。
【0024】
このように、周囲画素のいずれかがエッジ画素である補間画素については、算出した第1および第2補間データの平均値を画素データとして生成する。これは、その補間画素もエッジ画素と考えられるので、エッジが極端に強調されるのを防止するために、画像を平滑化する第2補間処理の特徴を取り込むためである。したがって、補間処理による画像の劣化が生じやすいエッジ付近について、最適な補間処理をすることができ、エッジが極端に強調されたり、平滑化されたりすることを防止できる。これによって、ジャギーの発生やエッジの鈍りなどの画像の劣化を防止することができ、高画質の画像を得ることができる。
【0025】
また本発明は、前記第1補間ステップでは、前記周囲画素のいずれもがエッジ画素でない場合は、第1補間データを算出せず、
前記生成ステップでは、前記第1補間データが算出されない場合は、算出された前記第2補間データを補間画素の画素データとすることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、周囲画素のいずれもがエッジ画素ではない補間画素については、第1補間データを算出せず、第2補間データを補間画素の画素データとして生成する。
【0027】
このように、周囲画素のいずれもがエッジ画素でない補間画素については、画像を平滑化する第2内挿補間のみで補間画素の画素データを生成する。これは、その補間画素の付近はエッジ部分ではないので、エッジの鮮鋭性を保存する第1補間処理の特徴を取り込む必要はないからである。したがって、画像の連続性が維持された高画質の画像を得ることができる。また、すべての補間画素について第1内挿補間と第2内挿補間を行う場合と比べると、演算量を抑えることができ、また、処理時間も短縮することができる。
【0028】
また本発明は、前記第1補間ステップでは、前記補間画素に最近接する周囲画素がエッジ画素である場合は、その周囲画素の画素データを第1補間データとして算出することを特徴とする。
【0029】
本発明に従えば、第1補間ステップでは、補間画素に最近接する周囲画素がエッジ画素である場合に、その周囲画素の画素データを第1補間データとして算出する。このように、最近接の周囲画素の画素データをそのまま第1補間データとして用いるので、第1補間ステップにおける演算量が少なくなり、演算手段の処理能力の低下を防止するとともに、処理時間の短縮を図ることができる。
【0030】
本発明は、画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、前記画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理方法において、前記補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する抽出ステップと、
抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出する第1補間ステップと、
抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像を平滑化する第2内挿補間を行って第2補間データを算出する第2補間ステップと、
算出された前記第1および第2補間データに基づいて、前記補間画素の画素データを生成する生成ステップとを含み、
前記第1補間ステップでは、
前記周囲画素が画像のエッジ部分を構成するエッジ画素であるか否かを判定し、
エッジ画素である周囲画素の画素データはそのままとし、エッジ画素でない周囲画素の画素データは予め定める数値とするエッジ画像データを作成し、
前記周囲画素について作成されたエッジ画像データを用いて、前記補間画素に最近接する周囲画素の画素データを第1補間データとして算出し、
前記生成ステップでは、
算出された前記第1補間データが前記予め定める数値でない場合は、算出された前記第1および第2補間データの平均値を補間画素の画素データとして生成し、
算出された前記第1補間データが前記予め定める数値である場合は、算出された前記第2補間データを補間画素の画素データとして生成することを特徴とする補間処理方法である。
【0031】
本発明に従えば、補間画素の周囲に位置する周囲画素を抽出し、抽出した周囲画素の画素データを用いて、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出するとともに、第2内挿補間を行って第2補間データを算出する。
【0032】
このとき、第1内挿補間を行うにあたっては、まず、抽出した周囲画素が画像のエッジ部分を構成するエッジ画素か否かを判定する。この判定結果に基づいて、エッジ画素である周囲画素の画素データはそのままとし、エッジ画素でない周囲画素の画素データは予め定める数値(たとえば「0」)として、エッジ画像データを作成する。この作成されたエッジ画像データを用いて、補間画素に最近接する周囲画素の画素データを第1補間データとして算出する。
【0033】
画素データの生成にあっては、算出した第1補間データが予め定める数値(「0」)でない場合は、算出した第1および第2補間データの平均値を補間画素の画素データとして生成し、算出した第1補間データが予め定める数値(「0」)である場合は、算出した第2補間データを補間画素の画素データとして生成する。
【0034】
このように、周囲画素のいずれかがエッジ画素である補間画素については、算出した第1および第2補間データの平均値を画素データとして生成する。これは、その補間画素もエッジ画素と考えられるので、エッジが極端に強調されるのを防止するために、画像の平滑化の特徴を取り込むためである。したがって、補間処理による画像の劣化が生じやすいエッジ付近について、最適な補間処理をすることができ、エッジが極端に強調されたり、平滑化されたりすることを防止できる。これによって、ジャギーの発生やエッジの鈍りなどの画像の劣化を防止することができ、高画質の画像を得ることができる。
【0035】
また、周囲画素のいずれもがエッジ画素でない補間画素については、画像を平滑化する第2内挿補間のみで補間画素の画素データを生成する。これは、その補間画素の付近はエッジ部分ではないので、エッジの鮮鋭性を保存する第1補間処理の特徴を取り込む必要はないからである。したがって、画像の連続性が維持された高画質の画像を得ることができる。また、すべての補間画素について第1内挿補間と第2内挿補間を行う場合と比べると、演算量を抑えることができ、また、処理時間も短縮することができる。
【0036】
さらに、最近接の周囲画素の画素データをそのまま第1補間データとして用いるので、第1補間ステップにおける演算量が少なくなり、演算手段の処理能力の低下を防止するとともに、処理時間の短縮を図ることができる。
【0037】
また、第1内挿補間において周囲画素がエッジ画素でない補間画素については、画素データを予め定める数値(「0」)とすることによって、画素データの数値に基づいて第1補間データと第2補間データとの合成を行うか否かを判断することができる。
【0038】
また本発明は、前記第1補間ステップにおける判定では、前記予め定める数値が、画素データの階調値の範囲内の数値である場合は、エッジ画素であると判定された周囲画素のうち、前記予め定める数値と同一の階調値の画素データを有する周囲画素については、その周囲画素の画素データを前記予め定める数値以外の数値に変換することを特徴とする。
【0039】
本発明に従えば、エッジ画素であると判定された周囲画素のうち、予め設定する数値たとえば「0」と同じ数値の画素データを有する周囲画素があれば、その周囲画素の画素データを「0」以外の定数、たとえば「1」に変換する。これによって、エッジ画素であるにもかかわらず、階調データの値が予め定める数値(「0」)であるために、エッジ画素ではないと誤認することが防止され、誤処理を防止することができる。
【0040】
また本発明は、前記第1補間ステップにおける判定では、各画素の階調値に基づいて予め定める演算を行い、前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する周辺画素との階調差を求め、求めた階調差が予め定める範囲内である場合に前記周囲画素がエッジ画素であると判定することを特徴とする。
【0041】
本発明に従えば、各画素の階調値に基づいて予め定める演算が行われ、抽出された前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調差が求められ、求められた階調差が予め定める範囲内である場合に前記周囲画素がエッジ画素であると判定される。この判定方法は、一般的に特定の画素とその周囲の画素との階調差が大きい場合はその特定画素はエッジ画素である可能性が高いことに基づくものである。ただし、階調差が大きい場合であっても、特定の画素とその周囲の画素すべてとの間に階調差がある場合はその特定画素は孤立点である可能性が高い。そのため、本発明では判定に用いる範囲に上限を設定している。したがって、適切な範囲を設定して判定することによって、孤立点をエッジ画素と判定することを防止することができる。また、判定に用いる範囲を適宜選択することによって、画像の主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を構成するエッジ画素であることを、比較的高い精度で判定することができる。
【0042】
本発明は、前記第1補間ステップにおける判定では、画素データに基づいて画像の主走査方向に延びるエッジ部分を検出するための演算を行うフィルタと、画素データに基づいて画像の副走査方向に延びるエッジ部分を検出するための演算を行うフィルタとを用いて、2つのフィルタによる演算値の和を前記階調差とすることを特徴とする。
【0043】
本発明に従えば、画像の主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を検出するために画素データに基づく予め定める演算を行う2つのフィルタを用いて、2つのフィルタによる演算値の和が求められ、求められた和が前記階調差とされる。一般に、対象となっている画素が、主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を構成する場合と、斜め方向に延びるエッジ部分を構成する場合とでは、対象画素とその周囲画素との間の階調差は異なるので、判定に用いる範囲を適宜選択することによって、画像の主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を構成するエッジ画素であることを、比較的高い精度で判定することができる。
【0044】
本発明は、前記第1補間ステップにおける判定では、ラプラシアン・フィルタを用いて、前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調値の差分絶対値の総和を前記階調差とすることを特徴とする。
【0045】
本発明に従えば、ラプラシアン・フィルタによって、抽出された前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調値の差分絶対値の総和が算出され、算出した総和が前記階調差とされる。これによって、2つのフィルタを用いることなく、容易にエッジ画素であるか否かの判定を行うことができる。また、判定に用いる範囲を適宜選択することによって、画像の主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を構成するエッジ画素であることを、比較的高い精度で判定することができる。
【0046】
本発明は、画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、前記画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理方法において、
前記補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する抽出ステップと、
抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、前記補間画素の特徴を示すエッジ強度を算出するエッジ強度算出ステップと、
抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出する第1補間ステップと、
抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像を平滑化する第2内挿補間を行って第2補間データを算出する第2補間ステップと、
前記エッジ強度を重み係数として用いて、前記第1および第2補間データを重み付き平均し、前記補間画素の画素データを生成する生成ステップとから成ることを特徴とする補間処理方法である。
【0047】
また本発明は、画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、前記画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理手段を備え、入力された画像の画素間に設定された補間画素の画素データを求めて画像を出力する画像処理装置において、
前記補間処理手段は、
前記補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する抽出手段と、
抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、前記補間画素の特徴を示すエッジ強度を算出するエッジ強度算出手段と、
抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出する第1補間手段と、
抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像を平滑化する第2内挿補間を行って第2補間データを算出する第2補間手段と、
前記エッジ強度を重み係数として用いて、前記第1および第2補間データを重み付き平均し、前記補間画素の画素データを生成する生成手段とを備えることを特徴とする画像処理装置である。
【0048】
本発明に従えば、補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出し、抽出した周囲画素の画素データを用いて、補間画素の特徴を示すエッジ強度を算出する。また、抽出した周囲画素の画素データを用いて、エッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間および画像を平滑化する第2内挿補間を行い、第1および第2補間データを算出する。さらに、エッジ強度を重み係数として用いて、第1補間データと第2補間データとを重み付き平均し、画素データを合成する。
【0049】
このように、第1および第2補間データを合成するので、エッジの鮮鋭性の保存と画像の平滑化という各補間処理の特性を満たす画素データを生成することができ、これによって各補間処理の利点および欠点を調整することができ、また各補間処理によって生じる画像の劣化を緩和することができる。また、第1および第2補間データの合成はエッジ強度を重み系数として用いて行うので、補間画素ごとに最適な画素データを生成することができる。これによって、エッジの鮮鋭性が適度に保存されるとともに、滑らかで高画質の画像を得ることができる。
【0050】
本発明は、前記エッジ強度算出ステップでは、前記周囲画素ごとに、前記周囲画素の周辺に位置する周辺画素の階調値に基づいてエッジ強度を算出し、算出された前記周囲画素ごとのエッジ強度に基づいて前記補間画素のエッジ強度を算出することを特徴とする。
【0051】
本発明に従えば、周囲画素ごとに、周囲画素の周辺に位置する周辺画素の階調値に基づいて周囲画素のエッジ強度を算出し、算出した周囲画素ごとのエッジ強度に基づいて補間画素のエッジ強度を算出する。
【0052】
このように、補間画素のエッジ強度は、周囲画素と、その周囲画素の周辺に位置する周辺画素の各画素データに基づいて算出するので、周囲画素の画素データのみに基づいて算出する場合よりも、精度の高いエッジ強度を算出することができる。
【0053】
本発明は、前記エッジ強度算出ステップでは、各画素の階調値に基づいて予め定める演算を行い、前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調差を求め、求めた階調差を前記周囲画素のエッジ強度とすることを特徴とする。
【0054】
本発明に従えば、各画素の階調値に基づいて予め定める演算が行われ、抽出された前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調差を求め、求められた階調差がエッジ強度とされる。周囲の画素との階調差をエッジ強度として用いるのは、一般的に特定の画素とその周囲の画素との階調差が大きい場合はその特定画素はエッジ画素である可能性が高いことに基づくものである。ただし、階調差が大きい場合であっても、特定の画素とその周囲の画素すべてとの間に階調差がある場合はその特定画素は孤立点である可能性が高い。そこで、求めたエッジ強度が所定の閾値を超えた場合はその周囲画素は孤立点と判断し、エッジ強度を低い値に変更してもよい。
【0055】
本発明は、前記エッジ強度算出ステップでは、画素データに基づいて画像の主走査方向に延びるエッジ部分を検出するための演算を行うフィルタと、画素データに基づいて画像の副走査方向に延びるエッジ部分を検出するための演算を行うフィルタとを用いて、2つのフィルタによる演算値の和を求め、求めた和を前記階調差とすることを特徴とする。
【0056】
本発明に従えば、画像の主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を検出するために画素データに基づく予め定める演算を行う2つのフィルタを用いて、2つのフィルタによる演算値の和が求められ、求めた和がエッジ強度とされる。この場合、エッジ強度の数値に基づいて、その周囲画素が、画像の主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を構成するエッジ画素であることを、比較的高い精度で判定することができる。これは、対象となっている画素が、主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を構成する場合と、斜め方向に延びるエッジ部分を構成する場合とでは、対象画素とその周囲画素との間の階調差は異なることに基づくものである。
【0057】
本発明は、前記エッジ強度算出ステップでは、ラプラシアン・フィルタを用いて、前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調値の差分絶対値の総和を求め、求めた総和を前記階調差とすることを特徴とする。
【0058】
本発明に従えば、ラプラシアン・フィルタによって、抽出された前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調値の差分絶対値の総和が算出され、算出した総和がエッジ強度とされる。これによって、2つのフィルタを用いることなく、容易にエッジ強度を算出することができる。この場合、エッジ強度の数値に基づいて、画像の主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を構成するエッジ画素であることを、比較的高い精度で判定することができる。
【0059】
本発明は、前記エッジ強度算出ステップでは、算出された前記周囲画素ごとのエッジ強度を前記周囲画素と前記補間画素との位置関係を示す倍率によってそれぞれ変倍し、変倍した各値の総和を求め、求めた総和を前記補間画素のエッジ強度とすることを特徴とする。
【0060】
本発明に従えば、算出した周囲画素ごとのエッジ強度を、周囲画素と補間画素との位置関係を示す倍率によってそれぞれ変倍し、変倍した各値の総和を補間画素のエッジ強度として算出する。
【0061】
このように、算出された各周囲画素のエッジ強度および周囲画素と補間画素との位置関係に基づいて、補間画素のエッジ強度を算出するので、周囲画素のエッジ強度との関係を考慮した精度の高いエッジ強度を算出することができる。
【0062】
また本発明は、前記第1内挿補間は、最近隣内挿補間であることを特徴とする。
【0063】
本発明に従えば、第1内挿補間として、単純な補間処理を行う最近隣内挿補間を用いることによって、少ない演算量で、エッジの鮮鋭性を保存する補間処理を行うことができる。
【0064】
また本発明は、前記第2内挿補間は、2次の線形内挿補間であることを特徴とする。
【0065】
本発明に従えば、第2内挿補間として線形内挿補間を用いることによって、さほど多くない演算量で、画像を平滑化する補間処理を行うことができる。
【0066】
また本発明は、コンピュータに前記の補間処理方法を実行させるための補間処理プログラムである。
【0067】
本発明に従えば、コンピュータに前記の補間処理方法を実行させることができる。
【0068】
また本発明は、前記の補間処理プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0069】
本発明に従えば、コンピュータに補間処理プログラムを提供し、前記の補間処理方法を実行させることができる。
【0070】
また本発明は、前記の画像処理装置を備え、前記画像処理装置によって生成された補間画像の画素データを用いて、画像を形成し出力することを特徴とする画像形成装置である。
【0071】
本発明に従えば、前述の画像処理装置によって生成された高画質の画像を出力することができる。また、装置規模の増大が抑えられている前述の画像処理装置を備えることによって、画像形成装置の装置規模の増大も抑えることができる。
【0072】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態における補間処理の処理手順を示すフローチャートである。当該補間処理は、後述する画像処理装置の補間処理部によって行われる。まず、ステップa1では、補間処理が開始される。
【0073】
ステップa2では、画像を構成する複数の画素の階調値を示す画素データが補間処理部に入力され、補間処理部は補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する。画素データの入力の単位は、1画素ごと、1ラインごと、1プレーンごとなど、どのようなものであってもよい。補間画素に対する周囲画素のうち、1つの周囲画素について、その周囲画素の画素データと、その周辺のたとえば8つの画素の画素データとからなるブロックが抽出された時点で、次のステップa3に進む。それまでは画素データの入力を継続して行う。ここにいうラインとは画像の主走査方向または副走査方向に沿う画素の並びをいい、プレーンとは色成分ごとの画素の集まりをいう。
【0074】
ステップa3では、周囲画素の画素データから、補間画素の特徴を示す特徴量を算出するとともに、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間と、画像を平滑化する第2内挿補間とを、算出された特徴量に基づいて組み合わせる。特徴量とは、たとえばエッジ画素か否か、あるいはエッジ強度に関する情報である。この特徴量の算出は、各画素の階調値に基づいて予め定める演算を行い、抽出された前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調差を求めることによって行うことができる。これには、たとえばラプラシアン・フィルタを用いることができる。
【0075】
図2は、ラプラシアン・フィルタをオペレータ表現で示した模式図である。ここでは、特徴量の算出対象となる画素を注目画素と呼ぶものとする。図2に示すように、ラプラシアン・フィルタを構成する係数には、注目画素に対しては「8」、注目画素の周辺の8つの画素に対しては「−1」を用いる。特徴量を算出する際には、係数「8」と注目画素の階調値の画素データとの積、係数「−1」と8つの周辺画素の階調値との積をそれぞれ算出し、これらの和の絶対値をとる。これによって、注目画素およびその8つの周辺画素との階調値の差分絶対値を算出することができる。
【0076】
注目画素がエッジ画素か否かについては、この算出した差分絶対値に対して、予め所定の範囲の値を設定しておくことで、算出した差分絶対値がその範囲に含まれるか否かに基づき判定することができる。
【0077】
図3は、ラプラシアン・フィルタによるエッジ判定を具体的に説明するための模式図である。ここでは、図3(a)に示す縦エッジ、図3(b)に示す横エッジ、図3(c)に示す斜めエッジに対して、図2に示すラプラシアン・フィルタを適用する場合を説明する。なお、3×3のブロックにおける各画素の画素データは、図3(d)〜(f)に示すように、「0」または「255」とし、3×3のブロックの周囲の画素の画素データはすべて「0」としている。
【0078】
図3(g)〜(i)は、図3(d)〜(f)に示す中央の3×3の画素データ(ブロック)に対して図2のラプラシアン・フィルタを適用した場合のエッジ強度を示している。図3(g)〜(i)において、単純にエッジ強度「0」を境に正数の領域(右下がりのハッチングを付した領域)と負数の領域とに分けると、図3(a)〜(c)に示すエッジ形状と同じとなる。したがって、「0」を閾値として大小関係を判断すれば、エッジであるか否かを判定することができる。
【0079】
また、正数のエッジ強度に対して、「1400」を閾値として大小関係を判断すれば、縦横エッジと斜めエッジとをある程度区別することができる。
【0080】
このように、適切な閾値を選択すれば、エッジであるか否かの判定、さらには縦横エッジであるか斜めエッジであるかの判定を行うことができる。
【0081】
なお、特徴量の算出には、ラプラシアン・フィルタ以外にも、たとえば、ゾーベル・フィルタを用いることもできる。また、階調値の差分絶対値は、そのままエッジ強度として用いることができる。
【0082】
図4は、ゾーベル・フィルタをオペレータ表現で示した模式図である。図4(a)に示すフィルタは、主走査方向と同方向の特徴量に関する情報を算出する。また、図4(b)に示すフィルタは、副走査方向と同方向の特徴量に関する情報を算出する。これらのフィルタは、ラプラシアン・フィルタと同様、図4(a)および(b)に示す係数を用いることで、注目画素およびその8つの周辺画素との階調値の差分絶対値を主走査方向および副走査方向について算出することができ、これらを主走査方向および副走査方向についてのエッジ強度、あるいは、エッジ画素か否かの情報として用いることができる。
【0083】
通常、画素データに図4(a)および図4(b)に示すゾーベル・フィルタを適用した場合の数値をそれぞれSV,SHとすると、特定の注目画素に対するゾーベル・フィルタの処理結果SRは、
SR=√(SV+SH
によって求められる。この処理結果SRと予め定められる閾値THと比較することによって、エッジであるか否かの判定を行う。
【0084】
たとえば、図3(a)に示す縦エッジ、図3(b)に示す横エッジ、図3(c)に示す斜めエッジに対して、ゾーベル・フィルタを適用すると、
縦エッジ ・・・・ SHが大
横エッジ ・・・・ SVが大
斜めエッジ ・・・ SHおよびSVは中間の値
という傾向がある。
【0085】
そこで、ED=SH−SVという量を考え、予め定める閾値THと比較することによって、エッジの種類を区別することができる。
ED≧TH     ・・・ 縦エッジ
ED<−TH    ・・・ 横エッジ
−TH≦ED<TH ・・・ 斜めエッジ
【0086】
このように、適切な閾値を選択すれば、エッジであるか否かの判定、さらには縦横エッジであるか斜めエッジであるかの判定を行うことができる。
【0087】
第1内挿補間には、たとえばNN(最近隣内挿法)を用いることができる。これによって、少ない演算量で、エッジの鮮鋭性を保存するような画素データを生成することができる。また、第2内挿補間には、たとえばBL(共1次線形内挿法)を用いることができる。これによって、さほど多くない演算量で、滑らかな画像を生成することができる画素データを生成することができる。
【0088】
ステップa4では、生成した補間画素の画素データを出力する。ステップa5では、画像中の全ての補間画素について、補間画素の画素データが生成されたか否か、すなわち補間処理が完了したか否かを判断する。補間処理が完了していれば、ステップa6へ進み、処理を終了する。補間処理が完了していなければ、ステップa2へ戻り、引き続き補間処理を行う。
【0089】
以上のように第1実施形態によれば、2種類の補間処理を組み合わせて補間処理を行うので、エッジの鮮鋭性の保存と画像の平滑化という各補間処理の特性を利用することができ、これによって各補間処理の利点および欠点を調整することができ、また各補間処理によって生じる画像の劣化を緩和することができる。また、2種類の補間処理の組合せは補間画素の特徴量に基づいて行うので、補間画素ごとにその特徴に応じた最適な補間処理を行うことができる。これによって、エッジの鮮鋭性が適度に保存されるとともに、滑らかで高画質の画像を得ることができる。
【0090】
[第2実施形態]
本実施形態では、第1実施形態において説明した補間画素の特徴量として、エッジ画素か否かの情報を用いて補間処理を行う。当該補間処理は、後述する画像処理装置の補間処理部によって行われる。
【0091】
図5は、補間処理の処理手順を示すフローチャートである。ステップb1では、補間処理が開始される。ステップb2では、画像を構成する複数の画素の階調値を示す画素データが補間処理部に入力され、補間処理部は補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する。入力の単位は、前述の第1実施形態と同様である。
【0092】
ステップb3では、抽出した周囲画素の画素データに基づいて、抽出した周囲画素のいずれかが画像のエッジ部分を構成するエッジ画素であるか否かを判定する。
【0093】
ここで、エッジ画素か否かの判定は、特定の画素とその周囲の画素との階調差が大きい場合はその特定画素はエッジ画素である可能性が高いことに基づいて行うことができる。ただし、階調差が大きい場合であっても、特定の画素とその周囲の画素すべてとの間に階調差がある場合はその特定画素は孤立点である可能性が高い。そのため、本発明では判定に用いる範囲に上限を設定している。このように、適切な範囲を設定して判定することによって、孤立点をエッジ画素と判定することを防止することができる。
【0094】
前述のことより、エッジ画素か否かの判定には、たとえば図2に示したラプラシアン・フィルタを用いて行う。エッジ画素か否かの判定の基準として設定する範囲の値を、たとえば100〜200とする。これによって、算出した差分絶対値、すなわち、周囲画素と周囲画素の周辺に位置する周辺画外の階調差が、この範囲に含まれる場合のみ、エッジ画素であるとすることで、容易にエッジ画素であるか否かの判定を行うことができる。また、判定に用いる範囲を適宜選択することによって、画像の主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を構成するエッジ画素であることを、比較的高い精度で判定することができる。
【0095】
なお、この判定にはラプラシアン・フィルタ以外にも、たとえば、ゾーベル・フィルタを用いることもできる。これによって、画像の主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を構成するエッジ画素であることを判定することができる。
【0096】
周囲画素のいずれかにエッジ画素が存在すると判断された場合にはステップb4へ進み、周囲画素のいずれにもエッジ画素が存在しないと判断された場合にはステップb8へ進む。
【0097】
ステップb4では、エッジ画素の周囲画素については画素データをそのままとし、エッジ画素以外の周囲画素については、予め定める数値、たとえば「0」をエッジ画像データとして作成する。このように、「0」のエッジ画像データを用いることで、画素データの数値によって、エッジ画素か否かが明確になり、補間処理を制御するCPU(Central Processing Unit)あるいはDSPなどは、周囲画素がエッジ画素か否かを識別することができる。なお、この「0」の値は、記憶手段に記憶される。
【0098】
ステップb5では、エッジ画素であると判定された周囲画素のうち、画素データが「0」のものがあるか否かを判断する。画素データが「0」のものがあればステップb6へ進み、画素データが「0」のものがなければステップb7へ進む。ステップb6では、エッジ画素であるにもかかわらず、画素データが「0」のエッジ画素の画素データを、予め定める数値、たとえば「1」とする。このように、エッジ画素であっても画素データが「0」のものについては、その画素データを「1」とすることによって、当該画素がエッジ画素であるにもかかわらず、エッジ画素ではないとの誤判定がなされるのを防止することができる。なお、このように「1」に変換された画素データは記憶手段に記憶される。これによって、CPUあるいはDSPは、画像を構成する画素についてエッジ画素であるか否かの判断を誤りなく行うことができる。
【0099】
また、ステップb8では、すべての周囲画素について、「0」のエッジ画像データを作成する。なお、この「0」の値は記憶手段に記憶される。
【0100】
ステップb7では、エッジ画素と判定された周囲画素の画素データを用いて、第1内挿補間を行い、補間画素の仮の画素データとして、第1補間データを算出する。第1内挿補間にはNNを用いる。このように、第1補間ステップであるステップb3〜ステップb7によって、少ない演算量で、エッジの鮮鋭性を保存する画素データを生成することができる。
【0101】
一方、ステップb9では、抽出した周囲画素の画素データを用いて第2内挿補間を行い、補間画素の仮の画素データとして、第2補間データを算出する。第2内挿補間は、周囲画素がエッジ画素か否かの判定の結果にかかわらず行う。第2内挿補間にはBLを用いる。これによって、さほど多くない演算量で、滑らかな画像を形成する画素データを生成することができる。
【0102】
ステップb10では、第1補間データが「0」であるか否かを判断する。第1補間データが「0」であれば、補間画素はエッジ画素ではないので、この場合は、第1補間データと第2補間データとの平均値を算出せず、画素データの合成を行わない。逆に、第1補間データが「0」でなければ、補間画素はエッジ画素であるので、画素データの合成を行う。
【0103】
第1補間データが「0」であればステップb12に進み、第1補間データが「0」でなければステップb11に進む。
【0104】
ステップb11では、第1補間データと第2補間データの平均値を、補間画素の画素データとして生成する。ステップb12では、第2補間データをそのまま補間画素の画素データとして生成する。
【0105】
ステップb13では、生成した補間画素の画素データを出力する。ステップb14では、画像の全補間画素に対して補間画素の画素データが生成されたか否か、すなわち、補間処理が完了したか否かを判断する。補間処理が完了していれば、ステップb15へ進み、処理を終了する。補間処理が終了していなければ、ステップb2へ戻り、次の周囲画素のブロックについて、補間処理を行う。
【0106】
第2実施形態について、さらに具体的な数値を用いて説明する。以下、図6〜図8において、補間処理の対象となる補間画素をPとし、その周囲に位置する4つの周囲画素をP1〜P4とする。
【0107】
図6は、補間処理の対象となる補間画素Pとその周囲画素P1〜P4を示した図である。補間画素Pは、周囲画素P1〜P4のうち、P2付近に位置する。図7は、周囲画素P1〜P4およびその周辺の12画素と、それらの階調値を表す画素データを示した図である。図中の点線で示した正方形は、補間画素が生成される領域を示している。図7に示すように、周囲画素P1,P2,P3,P4の階調値は、それぞれ、140,132,201,151である。
【0108】
まず、ラプラシアン・フィルタを用い、エッジ画素か否かの判定を行い、周囲画素P1〜P4にエッジ画素が存在するか否かを判断する。まず、周囲画素P1〜P4について、その周辺の画素との階調値の差分絶対値を算出する。
Figure 2004048112
【0109】
ここで、エッジ画素か否かを判定する階調差の範囲として、予め「100〜200」を設定しておく。各周囲画素の階調値の差分絶対値が、この設定された値の範囲に含まれれば、エッジ画素と判定されるので、Eg(Pn)(n=1〜4)の値が当該範囲に含まれるかによって、エッジ画素か否かの判定を行うことができる。Eg(P1)〜Eg(P4)については、Eg(P3)=238以外はエッジ画素であると判定することができる(ステップb3)。
【0110】
そして、エッジ画素と判定された周囲画素については、その周囲画素の画素データをそのまま用いる。他方、エッジ画素ではないと判定された周囲画素については、「0」のエッジ画像データを作成する(ステップb4)。それぞれの画素データは記憶手段に記憶する。記憶手段に記憶された周囲画素P1〜P4の値をR1〜R4とすると、R1=140,R2=132,R3=0,R4=151となる。ここでは、エッジ画素のうち、もとの画素データが「0」であるものが存在しないので、画素データを「1」とする処理は行わない。
【0111】
次に、第1内挿補間によって、R1〜R4の値を用いて第1補間データP′を算出する。この第1補間データは、補間画素の画素データについての仮の値となる。ここでは、第1内挿補間には、NNを用いるので、補間画素Pの第1補間データP′は、画素P1〜P4のうち、補間画素Pに最近接の画素P2の値(P2=132)を第1補間データP′として生成する。したがって、P′=132である。
【0112】
また、第2内挿補間によって、画素P1〜P4の値を用いて第2補間データP″を求める。この第2補間データも、補間画素の画素データについての仮の値となる。ここでは、第2内挿補間には、BLを用いるので、周囲画素P1〜P4と、補間画素Pとの位置関係を示す倍率を用いて、第2補間データP″を求める(ステップb9)。
【0113】
ここで、図8に、周囲画素P1〜P4および補間画素Pの座標を示す。図8は、図7中の点線で示した正方形の領域を拡大し、周囲画素P1〜P4および補間画素Pの座標および画素データを示した図である。図のように、補間画素Pの座標は、(30.8,30.3)である。また、周囲画素P1〜P4の座標はそれぞれ、P1(30,30)、P2(31,30)、P3(30,31)、P4(31,31)であるので、周囲画素P1〜P4と補間画素Pとの位置を示す倍率はそれぞれ以下のとおりとなる。
P1 … (1−0.8)×(1−0.3)=0.14,
P2 … 0.8×(1−0.3)=0.56,
P3 … (1−0.8)×0.3=0.06,
P4 … 0.8×0.3=0.24
【0114】
したがって、第2補間データP″は、
Figure 2004048112
となる。なお、算出結果は小数点第1位以下を四捨五入している。
【0115】
次に、第1補間データP′と第2補間データP″とを用いて、平均値を算出する。
P=(P′+P″)/2=(132+142)/2=137
【0116】
今の場合、第1補間データP′は0ではないので、第1補間データP′と第2補間データP″との平均値を補間画素の画素データとする(ステップb11)。以上によって、補間画素の画素データを生成することができる。
【0117】
このように、画像中のすべての補間画素について、画素データを算出していき、補間処理を完了させる。
【0118】
なお、本実施形態では、第1内挿補間としてNNを用いているが、これ以外の方法、たとえばBCなどの3次の非線形補間法などを用いてもよい。この場合、3次の非線形内挿法によってエッジの鮮鋭性を保存しつつ、画像を滑らかに処理することが可能になる。さらに、3次の非線形内挿法では演算量が多くなるが、これをエッジ画素と判定された部分のみに行うことによって、全体の演算量は、3次の非線形内挿法を画像全体に対して用いる場合よりは少なくなる。したがって、処理量を低減することが可能である。ただし、この場合は第2内挿補間としては、2次の線形内挿補間法を用いることが好ましい。
【0119】
また、本実施形態では、第2内挿補間としてBLを用いているが、これ以外の方法、たとえばBCなどの3次の非線形内挿法などを用いてもよい。この場合、3次の非線形内挿法によって、斜めエッジを補間することで、エッジ部分に生じるジャギーをそれほど目立たせることなく、斜めエッジの鮮鋭性も保存した画像を得ることができる。ただし、この場合は、第1内挿補間としてNNを用いることが好ましい。
【0120】
図9は、補間処理を実行する補間処理部1のブロック図である。補間処理部1は、補間処理手段100を備える。補間処理手段100は、抽出手段101、第1補間手段103、第2補間手段104および生成手段106を備える。第1補間手段103は、さらに、判定手段103aおよび算出手段103bを含んで成る。補間処理部1に、空間フィルタ処理部2によってフィルタ処理された画素データが入力されると、抽出手段101は、補間画素の周囲画素の画素データを抽出する。
【0121】
第1補間手段103において、判定手段103aは、ラプラシアン・フィルタなどを用いて、周囲画素ごとに、エッジ画素か否かを判定し、算出手段103bは、NNによって第1補間データを算出する。また、第2補間手段104は、BLによって第2補間データを算出する。
【0122】
そして、生成手段106は、第1補間データが存在する場合には、第1補間データと第2補間データとの平均値を求めることで補間画素の画素データを生成する。
【0123】
以上のように第2実施形態においても、前述の第1実施形態と同様の効果が得られる。また第2実施形態においては、周囲画素のいずれかがエッジ画素である補間画素については、算出した第1および第2補間データの平均値を画素データとして生成する。これは、その補間画素もエッジ画素と考えられるので、エッジが極端に強調されるのを防止するために、画像の平滑化の特徴を取り込むためである。したがって、補間処理による画像の劣化が生じやすいエッジ付近について、最適な補間処理をすることができ、エッジが極端に強調されたり、平滑化されたりすることを防止できる。これによって、ジャギーの発生やエッジの鈍りなどの画像の劣化を防止することができ、高画質の画像を得ることができる。
【0124】
また、周囲画素のいずれもがエッジ画素でない補間画素については、画像を平滑化する第2内挿補間のみで補間画素の画素データを生成する。これは、その補間画素の付近はエッジ部分ではないので、エッジの鮮鋭性を保存する第1補間処理の特徴を取り込む必要はないからである。したがって、画像の連続性が維持された高画質の画像を得ることができる。また、すべての補間画素について第1内挿補間と第2内挿補間を行う場合と比べると、演算量を抑えることができ、また、処理時間も短縮することができる。
【0125】
さらに、第1内挿補間を行うにあたって、エッジ画素でない周囲画素に関しては、画素データを予め定める数値、たとえば「0」とすることによって、画素データの数値に基づいて当該画素がエッジ画素か否かを識別することができ、画素データの合成を行うか否かを判断することができる。
【0126】
[第3実施形態]
第3実施形態では、前述の第1実施形態における補間画素の特徴量として、エッジ強度を用いて補間処理を行う。当該補間処理は、後述する画像処理装置の補間処理部によって行われる。
【0127】
図10は、第3実施形態における補間処理の流れ示すフローチャートである。まず、ステップc1では、補間処理が開始される。ステップc2では、画像を構成する複数の画素の階調値を示す画素データが補間処理部に入力されると、補間処理部は補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する。画素データの入力の単位は、前述の第1実施形態と同様である。
【0128】
ステップc3では、周囲画素の画素データを用いて、補間画素におけるエッジ強度を表すエッジ強度データを算出する。このエッジ強度データ算出の詳細については、図11を用いて説明する。
【0129】
図11は、補間画素におけるエッジ強度データ算出処理の流れを示すフローチャートである。まず、ステップc3では、エッジ強度データの算出処理が開始される。
【0130】
ステップd1では、4つの周囲画素ごとに、周囲画素の周辺の画素との階調値の差分絶対値を算出し、これを周囲画素のエッジ強度データとする。この算出は、各画素の階調値に基づいて予め定める演算を行い、抽出された周囲画素とその周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調差を求めることによって行う。これは、一般的に特定の画素とその周囲の画素との階調差が大きい場合はその特定画素はエッジ画素である可能性が高いことに基づく。
【0131】
したがって、このエッジ強度データの算出に、たとえば、前述のラプラシアン・フィルタを用いることができる。ラプラシアン・フィルタ以外にも、ゾーベル・フィルタを用いることもできる。算出結果は負の値をとり得るので、絶対値にする必要がある。たとえば、算出結果が、−2040〜2040となる場合は、0〜2040という正の数に変換する。なお、階調値の範囲は、0〜255であるので、周囲画素とその周辺の画素の階調値との差分の最小値は(−255)×8=−2040であり、最大値は、255×8=2040となる。
【0132】
周囲画素のエッジ強度データが算出されると、ステップd2へ進む。ステップd2では、ステップd1で算出した値、すなわち、周囲画素のエッジ強度データを、周囲画素と補間画素との位置関係を示す倍率によって変倍して、変倍した各値の総和を算出する。算出した総和を補間画素のエッジ強度データとする。
【0133】
ステップd3では、周囲画素がエッジ画素ではなく、孤立点であるか否かの判定を行う。孤立点か否かの判定には、予め孤立点判定用の所定の閾値を設定しておき、補間画素のエッジ強度データが、孤立点判定用の閾値以上であるか否かを判断する。閾値以上であれば当該周囲画素は孤立点であり、閾値より小さければ当該周囲画素は孤立点ではないと判定する。閾値以上であればステップd4へ進み、閾値より小さければステップd5へ進む。
【0134】
ステップd4では、補間画素のエッジ強度データを「0」に変換する。これは、孤立点である当該周囲画素を、エッジ画素と扱わないためである。なお、「0」に変換されたエッジ強度データは、記憶手段に記憶される。
【0135】
このように、孤立点でない画素については、変倍したエッジ強度データを、補間画素におけるエッジ強度データとしてそのまま用い、孤立点である画素については、ステップd4で変換した値「0」を補間画素におけるエッジ強度データとして設定する。ステップd5では、図10に示すステップc3に戻る。
【0136】
ステップc4では、周囲画素の画素データを用いて、エッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行い、補間画素の仮の画素データとして、第1補間データを算出する。ここでは、第1内挿補間にNNを用いる。これによって、少ない演算量で、エッジの鮮鋭性を保存するような画素データを生成することができる。
【0137】
ステップc5では、周囲画素の画素データを用いて、画像を平滑化する第2内挿補間を行い、補間画素の仮の画素データとして、第2補間データを算出する。ここでは、第2内挿補間にBLを用いる。これによって、さほど多くない演算量で、滑らかな画像を生成することができる画素データを生成することができる。
【0138】
ステップc6では、補間画素のエッジ強度データを重み係数として用いて、第1補間データと第2補間データとを重み付き平均し、画素データを生成する。
【0139】
重み係数は、補間画素のエッジ強度データを所定の階調値で除算することによって算出する。所定の階調値には、エッジ強度データのとり得る最大値を用いる。ラプラシアン・フィルタを用いる場合の所定の階調値は、2040である。このように、補間画素におけるエッジ強度を所定の階調値で除算することによって、重み係数のとり得る範囲を、0〜1.000とする。ここで、この重み係数の算出など補間処理をDSP(Digital Signal Processor)で行う場合には、DSPにて扱い易い8ビット幅の範囲を用いるべく、重み係数のとり得る範囲を0〜255とすることもできる。
【0140】
画素データの生成には、まず、算出した重み係数に、第1補間データを乗算する。また、重み係数を、重み係数としてとり得る最大値から差し引いた値、すなわち、重み係数とその最大値との差に、第2補間データを乗算した値を算出する。ここでの重み係数としてとり得る最大値とは、1.000である。最後に、第1補間データを乗算した値と、第2補間データを乗算した値との和を算出することによって、画素データを生成することができる。ここで、補間画素の位置をP(p,q)、重み係数をα(p,q)、NNによって算出した第1補間データをNN(p,q)、BLによって算出した第2補間データをBL(p,q)、第1補間データを乗算した値をPedge(p,q)、第2補間データを乗算した値をPnonedge(p,q)とする。補間画素の画素データは、以下の式によって生成することができる。
Figure 2004048112
【0141】
ステップc7では、生成した補間画素の画素データP(p,q)を出力する。ステップc8では、画像の全補間画素に対して補間画素の画素データP(p,q)が生成されたか否か、すなわち、補間処理が完了したか否かを判断する。補間処理が完了していれば、ステップc9へ進み、処理を終了する。補間処理が完了していなければ、ステップc2へ戻り、引き続き補間処理を行う。
【0142】
第3実施形態について、さらに具体的な数値を用いて説明する。説明には、第2実施形態で使用した図6〜図8を用いる。
【0143】
補間処理部に画素データが入力されると、補間画素におけるエッジ強度データ算出処理が開始される。ラプラシアン・フィルタによって、周囲画素ごとにエッジ強度データを算出する(ステップd1)。
【0144】
周囲画素P1〜P4のエッジ強度データをEg(P1)〜Eg(P4)とすると、それぞれのエッジ強度データは以下のようになる。
Eg(P1)=183
Eg(P2)=110
Eg(P3)=238
Eg(P4)=124
【0145】
次に、周囲画素P1〜P4のエッジ強度データを、周囲画素P1〜P4と補間画素Pとの位置関係を示す倍率によって変倍し、変倍した各値の総和を算出する。この総和を、補間画素Pのエッジ強度データEg(P)として用いる(ステップd2)。
【0146】
図8に示すように、補間画素Pの座標は、(30.8,30.3)である。周囲画素P1〜P4の座標はそれぞれ、P1(30,30)、P2(31,30)、P3(30,31)、P4(31,31)であるので、周囲画素P1〜P4と補間画素Pとの位置を示す倍率は、P1,P2,P3,P4に関し、それぞれ、0.14,0.56,0.06,0.24である。
【0147】
周囲画素のエッジ強度データをこれらの倍率によって変倍し、変倍した各値の総和を算出すると、補間画素Pのエッジ強度データEg(P)は、以下の値となる。なお、算出結果は小数点第1位以下四捨五入している。
Figure 2004048112
【0148】
さらに、補間画素Pのエッジ強度データEg(P)から、補間画素Pが孤立点であるか否かを判定する。この判定に用いる孤立点判定用の閾値を、たとえば、「193」と設定する。補間画素Pのエッジ強度データが「193」以上の値をとる場合は、補間画素Pは孤立点であると判定する。この場合、当該エッジ強度データを「0」とする。また、エッジ強度データが「193」より小さい値をとる場合は、補間画素Pは孤立点でないと判定し、エッジ強度データの変換を行わない。ここで、補間画素Pのエッジ強度データEg(P)は、前述のように、「131」であるので、孤立点ではない。したがって、エッジ強度データの変換を行わず、算出した「131」をそのままエッジ強度データとする。
【0149】
次に、周囲画素P1〜P4の画素データを用いて、第1内挿補間によって第1補間データP′を算出する。ここでは、第1内挿補間にはNNを用いるので、補間画素Pの第1補間データP′は、周囲画素P1〜P4のうち、最近接の画素P2(P2=132)の画素データとなる。したがって、
P′=132
である(ステップc4)。
【0150】
また、周囲画素P1〜P4の画素データを用いて、第2内挿補間によって第2補間データP″を算出する。ここでは、第2内挿補間にはBLを用いるので、周囲画素P1〜P4の画素データと、周囲画素P1〜P4と補間画素Pとの位置関係を示す倍率とから、次の計算を行い、第2補間データP″を求める(ステップc5)。
Figure 2004048112
なお、算出結果は、小数点第1位以下を四捨五入している。
【0151】
最後に、第1補間データP′と第2補間データP″とを合成することによって、補間画素Pの画素データを生成する。まず、エッジ強度データEg(P)を重み係数として利用できるよう、所定の階調値で除算する。ラプラシアン・フィルタを用いる場合の所定の階調値は、2040となるので、重み係数をα(P)とすると、
Figure 2004048112
となる。なお、算出結果は、小数点第5位以下を四捨五入している。
【0152】
そして、重み係数α(P)=0.0642に、第1補間データP′を乗算する。乗算値をPedge(P)とする。
Figure 2004048112
【0153】
さらに、重み係数α(P)としてとり得る最大値、すなわち、1.000から、重み係数α(P)を差し引いた値(1−α(P))に、第2補間データP″を乗算する。乗算値をPnonedge(P)とする。
Figure 2004048112
なお、それぞれの乗算値の算出結果は、小数点第5位以下を四捨五入している。
【0154】
最後に、Pedge(P)とPnonedge(P)との和を算出することによって、補間画素Pの画素データを生成する。なお、算出結果は、小数点第1位以下を四捨五入している。
Figure 2004048112
これによって、補間画素Pの画素データを生成することができる。
【0155】
以上の処理を画像中のすべての補間画素について、画素データを生成していき、補間処理を完了する。
【0156】
第3実施形態では、第1内挿補間としてNNを用いているが、これ以外の内挿法、たとえば、3次の非線形内挿補間法を用いてもよい。この場合、3次の非線形内挿補間法によって、エッジの鮮鋭性を保存しつつ画像を滑らかに処理することが可能になる。ただし、第1内挿補間として3次の非線形内挿補間法を用いている場合、第2内挿補間としては、2次の線形内挿補間法を用いることが好ましい。
【0157】
また、第3実施形態では、第2内挿補間としてBLを用いているが、これ以外の方法、たとえば3次の非線形内挿補間法などを用いてもよい。この場合、3次の非線形内挿補間法によって、斜めエッジを補間することで、エッジ部分に生じるジャギーはそれほど目立たないことから、このような画像においてもエッジが強調された画像を得ることができる。ただし、第2内挿補間として3次の非線形内挿補間法を用いる場合、第1内挿補間としてはNNを用いることが好ましい。
【0158】
図12は、補間処理を実行する補間処理部1のブロック図である。補間処理部1は、補間処理手段100を備える。補間処理手段100は、抽出手段101、エッジ強度算出手段102、第1補間手段103、第2補間手段104および生成手段106を備える。補間処理部1に、空間フィルタ処理部2によってフィルタ処理された画素データが入力されると、抽出手段101は、補間画素の周囲画素の画素データを抽出する。
【0159】
エッジ強度算出手段102は、抽出された周囲画素の画素データを用いて、補間画素におけるエッジ強度を示すエッジ強度データを算出する。補間画素のエッジ強度データの算出には、ラプラシアン・フィルタなどを用いて、まず、周囲画素ごとにエッジ強度データを算出する。そして、算出したエッジ強度データを、周囲画素と補間画素との位置関係を示す倍率によってそれぞれ変倍し、変倍した値の総和を算出する。
【0160】
次に、第1補間手段103は、NNによって第1補間データを算出する。また、第2補間手段104は、BLによって第2補間データを算出する。
【0161】
最後に、生成手段106は、エッジ強度データを重み係数として用いて、第1補間データと第2補間データとを重み付き平均し、画素データを生成する。なお、生成した画素データは、後述するカラー画像処理装置の色補正部3へと出力される。
【0162】
以上のように第3実施形態においても前述の第1実施形態と同様の効果が得られる。また第3実施形態によれば、第1補間データと第2補間データとの合成によって、それぞれの補間処理による利点および欠点を調整した画素データを生成することができる。また、補間画素の画素データを合成して生成するための重み係数にはエッジ強度を用いるので、第1補間データおよび第2補間データが有する鮮鋭性および平滑性の度合いを、エッジ強度に応じて調整することができる。したがって、生成された補間画素の画素データによって、エッジの鮮鋭性が適度に保存されるとともに、滑らかで高画質の画像を生成することができる。
【0163】
次に、補間処理部1を備えた画像処理装置と、この画像処理装置を備えた画像形成装置について説明する。図13は、カラー画像処理装置Aを備えた画像形成装置Bを示すブロック図である。
【0164】
画像形成装置Bは、たとえばデジタルカラー複写機であり、カラー画像入力装置12、カラー画像処理装置A、カラー画像出力装置13、外部入力インターフェース14および外部出力インターフェース15を備える。
【0165】
カラー画像入力装置12は、入力させる画像を読取って画像データに変換するものであり、CCD(Charge Coupled Device)などを備えたスキャナ部を含んで構成され、画像からの反射光像をCCDにて読取り、画素ごとにRGB(R:赤、G:緑、B:青)のアナログ信号に変換し、このアナログ信号をカラー画像処理装置Aに入力する。
【0166】
カラー画像出力装置13は、カラー画像処理装置Aによって画像処理された画像データに基づいて、紙などの記録媒体上に画像を形成する。画像形成は、たとえば電子写真方式やインクジェット方式により行われる。
【0167】
外部入力インターフェース14は、たとえば、イーサネット(登録商標)を介してネットワークプリンタに接続するために用いるインターフェースであり、外部出力インターフェース15は、たとえば、ファクシミリ送受信を行うために電話回線に接続するために用いるインターフェースである。以下、カラー画像処理装置Aの構成について説明する。
【0168】
カラー画像処理装置Aは、A/D(アナログ/デジタル)変換部4、シェーディング補正部5、入力階調補正部6、領域分離処理部7、色空間変換部8、空間フィルタ処理部2、補間処理部1、色補正部3、黒生成下色除去部9、出力階調補正部10および階調再現処理部11を備える。
【0169】
カラー画像入力装置12から入力されたRGBのアナログ信号の画像データは、A/D変換部4、シェーディング補正部5、入力階調補正部6、領域分離処理部7、色空間変換部8、空間フィルタ処理部2、補間処理部1、色補正部3、黒生成下色除去部9、出力階調補正部10および階調再現処理部11の順で処理され、CMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー)のデジタルカラー信号として、カラー画像出力装置13へ出力される。
【0170】
A/D変換部4は、カラー画像入力装置12から入力されるRGBのアナログ信号をデジタル信号に変換して、シェーディング補正部5に出力する。シェーディング補正部5は、A/D変換部4から入力されたRGBのデジタル信号に対して、カラー画像入力装置12の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施し、RGBの反射率信号として出力する。入力階調補正部6は、シェーディング補正部5にて各種の歪みが取り除かれたRGBの反射率信号に対して、カラーバランスを整えるとともに、濃度などカラー画像処理装置Aに採用されている画像処理システムに適した濃度信号に変換する。
【0171】
領域分離処理部7は、入力階調補正部6から入力されたRGB信号の画像データに基づいて、画像を構成する各画素を文字領域、網点領域および写真領域のいずれかに分離する領域分離処理を行う。領域分離処理部7は、領域分離処理の結果に基づき、各画素がいずれの領域に属しているかを示す領域識別信号を空間フィルタ処理部2、黒生成下色除去部9および階調再現処理部11へ出力するとともに、入力階調補正部6から入力されたRGBデジタル信号をそのまま色空間変換部8に出力する。色空間変換部8は、RGBデジタル信号をLCC(L:輝度、C:色度)のデジタル信号に変換し、これを空間フィルタ処理部2に出力する。
【0172】
空間フィルタ処理部2は、色空間変換部8から入力されたLCC信号に対して、デジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって、出力画像のぼやけや粒状性劣化を防止する。この空間フィルタ処理は、領域分離処理部7から出力される領域識別信号に基づいて行われる。すなわち、領域識別信号によって、処理対象となる画素がいずれの領域に属するかを識別し、領域に応じて最適な処理を行う。
【0173】
たとえば、領域分離処理部7によって文字に分離された領域に関しては、黒文字あるいは色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理の鮮鋭強調処理によって高周波数の強調量を増大させる。また、領域分離処理部7によって網点に分離された領域に関しては、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。空間フィルタ処理部2は、空間フィルタ処理を施したLCC信号を補間処理部1に出力する。
【0174】
補間処理部1は、空間フィルタ処理が行われたLCC信号に対して、前述のように、補間画素の画素データを生成する補間処理を施し、画像を補間する。
【0175】
色補正部3は、色を忠実に再現するために、LCC信号からCMY信号に変換するとともに、カラー画像出力装置13に応じた色補正を行い、補正後のCMY信号を黒生成下色除去部9に出力する。
【0176】
黒生成下色除去部9は、色補正部3からのCMYの3色信号からK(ブラック)信号を生成する黒生成処理と、色補正部3からのCMY信号から黒生成処理で得られたK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理とを行い、CMYの3色信号をCMYKの4色信号に変換する。黒生成下色除去処理は、一般的な方法であるスケルトンブラックによって行われる。スケルトンブラックによる黒生成下色除去処理は、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)とし、入力される信号をC,M,Yとし、出力される信号をC’,M’,Y’,K’とし、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、以下の式(1)〜(4)で表される。なお、minは、最小値(minimum)を表す。
K’=f{min(C,M,Y)}             …(1)
C’=C−αK’                     …(2)
M’=M−αK’                     …(3)
Y’=Y−αK’                     …(4)
【0177】
出力階調補正部10は、濃度信号であるCMYK信号を、カラー画像出力装置13の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行う。階調再現処理部11は、領域識別信号に基づいて領域の識別がなされた画素のCMYK信号に対して、階調補正処理と、多値誤差拡散処理などの中間調生成処理とを施す。
【0178】
領域分離処理部7にて文字領域に分離された画素に関しては、特に黒文字あるいは色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部2によって鮮鋭強調処理が施され、高周波数の強調量を増大した後、階調再現処理部11で、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの2値化処理または多値化処理のいずれかが施される。領域分離処理部7にて写真領域に分離された画素に関しては、階調再現処理部11で、階調再現性を重視したスクリーンでの2値化処理または多値化処理のいずれかの処理が施される。そして、最終的に階調再現処理部11にて画像を複数の画素に分離し、各画素の階調を再現することができるようにする中間調生成処理が施される。
【0179】
以上の各処理が施された画素データから成る画像データは、カラー画像処理装置Aの有する画像メモリに一旦記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置13に入力される。
【0180】
前述のように、補間処理を行う補間処理部1は、空間フィルタ処理部2の後に処理を行うよう構成されているが、本発明はこの形態に限定されるものではなく、色補正部3や黒生成下色処除去部9の後など、入力階調補正部6以降、階調再現処理部11以前ならばいずれの時点で処理を行うよう構成されていてもよい。
【0181】
なお、補間処理部1における補間処理は、補間処理部1あるいはカラー画像処理装置AのDSPを用いることによって行うこともできるが、補間処理プログラムを用いて、補間処理部1あるいはカラー画像処理装置AのCPUに行わせることもできる。
【0182】
このような画像形成装置Bによって、カラー画像処理装置Aにて生成された高画質の画像を出力することができる。また、装置規模の増大が抑えられているカラー画像処理装置Aを備えることによって、画像形成装置Bの装置規模の増大も抑えることができる。
【0183】
この補間処理プログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータに実行させるようなものでもよい。これによって、補間処理プログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
【0184】
この記録媒体としては、コンピュータで処理を行うためのメモリ、たとえばROM(Read Only Memory)のようなプログラムメディアであってもよい。また、外部記憶装置として設けられたプログラム読取り装置に挿入することで、読取られるプログラムメディアであってもよい。
【0185】
いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいは、いずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、コンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0186】
ここで、前述のプログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フロッピディスクやハードディスクなどの磁気ディスクやCD−ROM(Compact Disk Read OnlyMemory)、MO(Magneto Optical)、MD(Mini Disk)およびDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスクのディスク系、IC(Integrated Circuits)カード(メモリカードを含む)、光カードなどのカード系あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROMなどによる半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0187】
また、本実施形態においては、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークから補間処理プログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークから、補間処理プログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムを予め本体装置に格納しておくか、あるいは、別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0188】
前述の記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読取り装置により読取られることによって、補間処理方法を実行する。
【0189】
コンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ・フィルムスキャナ・デジタルカメラなどの画像入力装置、所定のプログラムがロードされることにより前述の画像処理方法など様々な処理が行われるコンピュータ、コンピュータの処理結果を表示するCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ・液晶ディスプレイなどの画像表示装置、および、コンピュータの処理結果を紙などに出力するプリンタによって構成される。さらには、このコンピュータシステムには、ネットワークを介してサーバなどに接続するための通信手段としてのモデムなどが備えられる。
【0190】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、2種類の補間処理を組み合わせて補間処理を行うので、エッジの鮮鋭性の保存と画像の平滑化という各補間処理の特性を利用することができ、これによって各補間処理の利点および欠点を調整することができ、また各補間処理によって生じる画像の劣化を緩和することができる。また、2種類の補間処理の組合せは補間画素の特徴量に基づいて行うので、補間画素ごとにその特徴に応じた最適な補間処理を行うことができる。これによって、エッジの鮮鋭性が適度に保存されるとともに、滑らかで高画質の画像を得ることができる。
【0191】
また本発明によれば、周囲画素のいずれかがエッジ画素である補間画素については、算出した第1および第2補間データの平均値を画素データとして生成する。したがって、補間処理による画像の劣化が生じやすいエッジ付近について、最適な補間処理をすることができ、エッジが極端に強調されたり、平滑化されたりすることを防止できる。これによって、ジャギーの発生やエッジの鈍りなどの画像の劣化を防止することができ、高画質の画像を得ることができる。
【0192】
また本発明によれば、周囲画素のいずれもがエッジ画素でない補間画素については、画像を平滑化する第2内挿補間のみで補間画素の画素データを生成する。したがって、画像の連続性が維持された高画質の画像を得ることができる。また、すべての補間画素について第1内挿補間と第2内挿補間を行う場合と比べると、演算量を抑えることができ、また、処理時間も短縮することができる。
【0193】
また本発明によれば、最近接の周囲画素の画素データをそのまま第1補間データとして用いるので、第1補間ステップにおける演算量が少なくなり、演算手段の処理能力の低下を防止するとともに、処理時間の短縮を図ることができる。
【0194】
また本発明によれば、周囲画素のいずれかがエッジ画素である補間画素については、算出した第1および第2補間データの平均値を画素データとして生成する。したがって、補間処理による画像の劣化が生じやすいエッジ付近について、最適な補間処理をすることができ、エッジが極端に強調されたり、平滑化されたりすることを防止できる。これによって、ジャギーの発生やエッジの鈍りなどの画像の劣化を防止することができ、高画質の画像を得ることができる。
【0195】
また、周囲画素のいずれもがエッジ画素でない補間画素については、画像を平滑化する第2内挿補間のみで補間画素の画素データを生成する。したがって、画像の連続性が維持された高画質の画像を得ることができる。また、すべての補間画素について第1内挿補間と第2内挿補間を行う場合と比べると、演算量を抑えることができ、また、処理時間も短縮することができる。
【0196】
さらに、最近接の周囲画素の画素データをそのまま第1補間データとして用いるので、第1補間ステップにおける演算量が少なくなり、演算手段の処理能力の低下を防止するとともに、処理時間の短縮を図ることができる。
【0197】
また、第1内挿補間において周囲画素がエッジ画素でない補間画素については、画素データを予め定める数値(「0」)とすることによって、画素データの数値に基づいて第1補間データと第2補間データとの合成を行うか否かを判断することができる。
【0198】
また本発明によれば、エッジ画素であるにもかかわらず、階調データの値が予め定める数値(「0」)であるために、エッジ画素ではないと誤認することが防止され、誤処理を防止することができる。
【0199】
また本発明によれば、周囲画素とその周囲に位置する周辺画素との階調差に基づいて適切な範囲を設定して判定することによって、孤立点をエッジ画素と判定することを防止することができる。また、判定に用いる範囲を適宜選択することによって、画像の主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を構成するエッジ画素であることを、比較的高い精度で判定することができる。階調差は、画像の主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を検出するために画素データに基づく予め定める演算を行う2つのフィルタを用いて求めてもよい。
【0200】
また本発明によれば、ラプラシアン・フィルタによって前記階調差を求めるので、2つのフィルタを用いることなく、容易にエッジ画素であるか否かの判定を行うことができる。
【0201】
また本発明によれば、第1および第2補間データを合成するので、エッジの鮮鋭性の保存と画像の平滑化という各補間処理の特性を満たす画素データを生成することができ、これによって各補間処理の利点および欠点を調整することができ、また各補間処理によって生じる画像の劣化を緩和することができる。また、第1および第2補間データの合成はエッジ強度を重み系数として用いて行うので、補間画素ごとに最適な画素データを生成することができる。これによって、エッジの鮮鋭性が適度に保存されるとともに、滑らかで高画質の画像を得ることができる。
【0202】
また本発明によれば、補間画素のエッジ強度は、周囲画素と、その周囲画素の周辺に位置する周辺画素の各画素データに基づいて算出するので、周囲画素の画素データのみに基づいて算出する場合よりも、精度の高いエッジ強度を算出することができる。
【0203】
また本発明によれば、各画素の階調値に基づいて予め定める演算が行われ、抽出された前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調差を求め、求められた階調差がエッジ強度とされる。ただし、階調差が大きい場合であっても、特定の画素とその周囲の画素すべてとの間に階調差がある場合はその特定画素は孤立点である可能性が高い。そこで、求めたエッジ強度が所定の閾値を超えた場合はその周囲画素は孤立点と判断し、エッジ強度を低い値に変更してもよい。エッジ強度は、画像の主走査方向および副走査方向に延びるエッジ部分を検出するために画素データに基づく予め定める演算を行う2つのフィルタを用いて求めてもよい。
【0204】
また本発明によれば、ラプラシアン・フィルタによってエッジ強度を算出するので、2つのフィルタを用いることなく、容易にエッジ強度を算出することができる。
【0205】
また本発明によれば、算出された各周囲画素のエッジ強度および周囲画素と補間画素との位置関係に基づいて、補間画素のエッジ強度を算出するので、周囲画素のエッジ強度との関係を考慮した精度の高いエッジ強度を算出することができる。
【0206】
また本発明によれば、第1内挿補間として、単純な補間処理を行う最近隣内挿補間を用いることによって、少ない演算量で、エッジの鮮鋭性を保存する補間処理を行うことができる。
【0207】
また本発明によれば、第2内挿補間として線形内挿補間を用いることによって、さほど多くない演算量で、画像を平滑化する補間処理を行うことができる。
【0208】
また本発明によれば、コンピュータに前記の補間処理方法を実行させることができる。
【0209】
また本発明によれば、コンピュータに補間処理プログラムを提供し、前記の補間処理方法を実行させることができる。
【0210】
また本発明によれば、前述の画像処理装置によって生成された高画質の画像を出力することができる。また、装置規模が抑えられている前述の画像処理装置を備えることによって、画像形成装置の装置規模も抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における補間処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図2】ラプラシアン・フィルタをオペレータ表現で示した模式図である。
【図3】ラプラシアン・フィルタによるエッジ判定を具体的に説明するための模式図である。
【図4】ゾーベル・フィルタをオペレータ表現で示した模式図である。
【図5】第2実施形態における補間処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】補間処理の対象となる補間画素Pとその周囲画素P1〜P4を示した図である。
【図7】周囲画素P1〜P4およびその周辺の12画素と、それらの階調値を表す画素データを示した図である。
【図8】図7中の点線で示した正方形の領域を拡大し、周囲画素P1〜P4および補間画素Pの座標および画素データを示した図である。
【図9】補間処理を実行する補間処理部1のブロック図である。
【図10】第3実施形態における補間処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】補間画素におけるエッジ強度算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】補間処理を実行する補間処理部1のブロック図である。
【図13】カラー画像処理装置Aを備えた画像形成装置Bを示すブロック図である。
【図14】NNによる補間処理が施された画像の一部を示す図である。
【図15】BLによる補間処理が施された画像の一部を示す図である。
【図16】BCによる補間処理が施された画像の一部を示す図である。
【符号の説明】
1 補間処理部
2 空間フィルタ処理部
3 色補正部
4 A/D(アナログ/デジタル)変換部
5 シェーディング補正部
6 入力階調補正部
7 領域分離処理部
8 色空間変換部
9 黒生成下色除去部
10 出力階調補正部
11 階調再現処理部
12 カラー画像入力装置
13 カラー画像出力装置
14 外部入力インターフェース
15 外部出力インターフェース
100 補間処理手段
101 抽出手段
102 エッジ強度算出手段
103 第1補間手段
103a 判定手段
103b 算出手段
104 第2補間手段
106 生成手段
A カラー画像処理装置
B 画像形成装置

Claims (22)

  1. 画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、前記画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理方法において、
    前記補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出し、
    抽出された周囲画素の画素データに基づいて、前記補間画素の特徴を示す特徴量を算出するとともに、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間と画像を平滑化する第2内挿補間とを、算出された特徴量に基づいて組み合わせることによって前記補間画素の画素データを生成することを特徴とする補間処理方法。
  2. 画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、前記画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理方法において、
    前記補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する抽出ステップと、
    抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出する第1補間ステップと、
    抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像を平滑化する第2内挿補間を行って第2補間データを算出する第2補間ステップと、
    算出された前記第1および第2補間データに基づいて、前記補間画素の画素データを生成する生成ステップとを含み、
    前記第1補間ステップでは、
    前記周囲画素が画像のエッジ部分を構成するエッジ画素であるか否かを判定し、
    前記周囲画素のいずれかがエッジ画素である場合は、抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、前記第1内挿補間を行って第1補間データを算出し、
    前記生成ステップでは、算出された前記第1および第2補間データの平均値を求めて前記補間画素の画素データを生成することを特徴とする補間処理方法。
  3. 前記第1補間ステップでは、前記周囲画素のいずれもがエッジ画素でない場合は、第1補間データを算出せず、
    前記生成ステップでは、前記第1補間データが算出されない場合は、算出された前記第2補間データを補間画素の画素データとすることを特徴とする請求項2記載の補間処理方法。
  4. 前記第1補間ステップでは、前記補間画素に最近接する周囲画素がエッジ画素である場合は、その周囲画素の画素データを第1補間データとして算出することを特徴とする請求項2記載の補間処理方法。
  5. 画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、前記画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理方法において、
    前記補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する抽出ステップと、
    抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出する第1補間ステップと、
    抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像を平滑化する第2内挿補間を行って第2補間データを算出する第2補間ステップと、
    算出された前記第1および第2補間データに基づいて、前記補間画素の画素データを生成する生成ステップとを含み、
    前記第1補間ステップでは、
    前記周囲画素が画像のエッジ部分を構成するエッジ画素であるか否かを判定し、
    エッジ画素である周囲画素の画素データはそのままとし、エッジ画素でない周囲画素の画素データは予め定める数値とするエッジ画像データを作成し、
    前記周囲画素について作成されたエッジ画像データを用いて、前記補間画素に最近接する周囲画素の画素データを第1補間データとして算出し、
    前記生成ステップでは、
    算出された前記第1補間データが前記予め定める数値でない場合は、算出された前記第1および第2補間データの平均値を補間画素の画素データとして生成し、
    算出された前記第1補間データが前記予め定める数値である場合は、算出された前記第2補間データを補間画素の画素データとして生成することを特徴とする補間処理方法。
  6. 前記第1補間ステップにおける判定では、前記予め定める数値が、画素データの階調値の範囲内の数値である場合は、エッジ画素であると判定された周囲画素のうち、前記予め定める数値と同一の階調値の画素データを有する周囲画素については、その周囲画素の画素データを前記予め定める数値以外の数値に変換することを特徴とする請求項5記載の補間処理方法。
  7. 前記第1補間ステップにおける判定では、各画素の階調値に基づいて予め定める演算を行い、前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する周辺画素との階調差を求め、求めた階調差が予め定める範囲内である場合に前記周囲画素がエッジ画素であると判定することを特徴とする請求項5記載の補間処理方法。
  8. 前記第1補間ステップにおける判定では、画素データに基づいて画像の主走査方向に延びるエッジ部分を検出するための演算を行うフィルタと、画素データに基づいて画像の副走査方向に延びるエッジ部分を検出するための演算を行うフィルタとを用いて、2つのフィルタによる演算値の和を前記階調差とすることを特徴とする請求項7記載の補間処理方法。
  9. 前記第1補間ステップにおける判定では、ラプラシアン・フィルタを用いて、前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調値の差分絶対値の総和を前記階調差とすることを特徴とする請求項7記載の補間処理方法。
  10. 画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、前記画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理方法において、
    前記補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する抽出ステップと、
    抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、前記補間画素の特徴を示すエッジ強度を算出するエッジ強度算出ステップと、
    抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出する第1補間ステップと、
    抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像を平滑化する第2内挿補間を行って第2補間データを算出する第2補間ステップと、
    前記エッジ強度を重み係数として用いて、前記第1および第2補間データを重み付き平均し、前記補間画素の画素データを生成する生成ステップとから成ることを特徴とする補間処理方法。
  11. 前記エッジ強度算出ステップでは、前記周囲画素ごとに、前記周囲画素の周辺に位置する周辺画素の階調値に基づいてエッジ強度を算出し、算出された前記周囲画素ごとのエッジ強度に基づいて前記補間画素のエッジ強度を算出することを特徴とする請求項10記載の補間処理方法。
  12. 前記エッジ強度算出ステップでは、各画素の階調値に基づいて予め定める演算を行い、前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調差を求め、求めた階調差を前記周囲画素のエッジ強度とすることを特徴とする請求項11記載の補間処理方法。
  13. 前記エッジ強度算出ステップでは、画素データに基づいて画像の主走査方向に延びるエッジ部分を検出するための演算を行うフィルタと、画素データに基づいて画像の副走査方向に延びるエッジ部分を検出するための演算を行うフィルタとを用いて、2つのフィルタによる演算値の和を求め、求めた和を前記階調差とすることを特徴とする請求項12記載の補間処理方法。
  14. 前記エッジ強度算出ステップでは、ラプラシアン・フィルタを用いて、前記周囲画素と該周囲画素の周辺に位置する各周辺画素との階調値の差分絶対値の総和を求め、求めた総和を前記階調差とすることを特徴とする請求項12記載の補間処理方法。
  15. 前記エッジ強度算出ステップでは、算出された前記周囲画素ごとのエッジ強度を前記周囲画素と前記補間画素との位置関係を示す倍率によってそれぞれ変倍し、変倍した各値の総和を求め、求めた総和を前記補間画素のエッジ強度とすることを特徴とする請求項11記載の補間処理方法。
  16. 前記第1内挿補間は、最近隣内挿補間であることを特徴とする請求項1,5,10のいずれか1つに記載の補間処理方法。
  17. 前記第2内挿補間は、2次の線形内挿補間であることを特徴とする請求項1,2,5,10のいずれか1つに記載の補間処理方法。
  18. コンピュータに請求項1〜17のいずれか1つに記載の補間処理方法を実行させるための補間処理プログラム。
  19. 請求項18記載の補間処理プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  20. 画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、前記画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理手段を備え、入力された画像の画素間に設定された補間画素の画素データを求めて画像を出力する画像処理装置において、
    前記補間処理手段は、
    前記補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する抽出手段と、
    抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出する第1補間手段と、
    抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像を平滑化する第2内挿補間を行って第2補間データを算出する第2補間手段と、
    算出された前記第1および第2補間データに基づいて、前記補間画素の画素データを生成する生成手段とを備え、
    前記第1補間手段は、
    抽出された周囲画素が画像のエッジ部分を構成するエッジ画素であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて、前記周囲画素のいずれかがエッジ画素である場合は、抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、前記第1内挿補間を行って第1補間データを算出する算出手段とを含み、
    前記生成手段は、算出された前記第1および第2補間データの平均値を補間画素の画素データとして生成することを特徴とする画像処理装置。
  21. 画像を構成する複数の画素の階調値を表す画素データを用いて、前記画素間に設定される補間画素の画素データを生成する補間処理手段を備え、入力された画像の画素間に設定された補間画素の画素データを求めて画像を出力する画像処理装置において、
    前記補間処理手段は、
    前記補間画素の周囲に位置する周囲画素の画素データを抽出する抽出手段と、
    抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、前記補間画素の特徴を示すエッジ強度を算出するエッジ強度算出手段と、
    抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像のエッジの鮮鋭性を保存する第1内挿補間を行って第1補間データを算出する第1補間手段と、
    抽出された前記周囲画素の画素データを用いて、画像を平滑化する第2内挿補間を行って第2補間データを算出する第2補間手段と、
    前記エッジ強度を重み係数として用いて、前記第1および第2補間データを重み付き平均し、前記補間画素の画素データを生成する生成手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  22. 請求項20または21に記載の画像処理装置を備え、前記画像処理装置によって生成された補間画像の画素データを用いて、画像を形成し出力することを特徴とする画像形成装置。
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