JP2004047819A - 光増幅装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広い増幅帯域を維持したうえで、溶融接続損を有効に防止する。
【解決手段】石英系ガラスより屈折率の高いガラスを主成分とする第1の希土類添加光ファイバ2と、石英系ガラスを主成分とし第1の希土類添加光ファイバ2に直列に接続された第2の希土類添加光ファイバ3とを有している。そして、第2の希土類添加光ファイバ3は、第1の希土類添加光ファイバ2の増幅帯域に実質的に影響を及ぼさない特性を有するものとする。具体的には、第2の希土類添加光ファイバは、6kppm・m未満2kppm・m以上の濃度条長積を有するものとする。
【選択図】 図1
【解決手段】石英系ガラスより屈折率の高いガラスを主成分とする第1の希土類添加光ファイバ2と、石英系ガラスを主成分とし第1の希土類添加光ファイバ2に直列に接続された第2の希土類添加光ファイバ3とを有している。そして、第2の希土類添加光ファイバ3は、第1の希土類添加光ファイバ2の増幅帯域に実質的に影響を及ぼさない特性を有するものとする。具体的には、第2の希土類添加光ファイバは、6kppm・m未満2kppm・m以上の濃度条長積を有するものとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野等に用いられる光増幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、広帯域増幅を実現するために、石英系ガラスより屈折率の高いガラスを主成分とする希土類添加光ファイバ(以下、希土類添加高屈折率光ファイバという)を備えた光増幅装置が開発されている。このような希土類添加高屈折率光ファイバとして、ビスマスガラスをホストガラスとするエルビウム添加光ファイバ(Bi−EDF)やフッ化物ガラスをホストガラスとするエルビウム添加光ファイバ(F−EDF)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの希土類添加高屈折率光ファイバでは、目的とする広帯域増幅は実現されているものの、希土類添加高屈折率光ファイバと送信用光ファイバ(一般に石英系ガラスを主成分としている)との間の屈折率差や軟化点温度差により、両ファイバ間の溶融着接続損が増大するという不具合がある。
【0004】
溶融着接続損の増大は具体的には次のような不都合となる。すなわち、希土類添加高屈折率光ファイバの入力端と送信用光ファイバとの間に生じる溶融着接続損はノイズ特性(NF)の劣化となる。さらには、励起パワーにも損失を与えるため、パワー変換効率劣化の原因となり、また充分な反転分布が得られなくなる。希土類添加高屈折率光ファイバの出力端と送信用光ファイバとの間に生じる溶融着接続損は、出力パワー特性の劣化となる。
【0005】
このような不具合を解消するために、次のような構成を採用することが考えられる。すなわち、希土類添加高屈折率光ファイバの端部に石英系ガラスを主成分とする希土類添加光ファイバ(以下、希土類添加石英系光ファイバという)が接続される。そして、この希土類添加石英系光ファイバが送信用光ファイバに接続される。
【0006】
このような構成では、増幅用光ファイバ(希土類添加高屈折率光ファイバ+希土類添加石英系光ファイバ)と送信用光ファイバとの間の接続は、同等の屈折率を有する石英系光ファイバどうしの接続として実現される。そのため、上述した溶融着接続損はほとんど生じなくなる。
【0007】
しかしながら、このようにして溶融着接続損を抑制した従来の光増幅装置の構成においても、希土類添加高屈折率光ファイバと送信用光ファイバとの間に介装される希土類添加石英系光ファイバの影響を受けて、希土類添加高屈折率光ファイバが本来有する広い増幅帯域が狭くなるという課題があった。
【0008】
したがって、本発明の主たる目的は、広い増幅帯域を維持したうえで溶融着接続損を有効に防止することができる光増幅装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために本発明は、石英系ガラスより屈折率の高いガラスを主成分とする第1の希土類添加光ファイバと、石英系ガラスを主成分とし前記第1の希土類添加光ファイバに直列に接続された第2の希土類添加光ファイバとを有し、前記第2の希土類添加光ファイバは、前記第1の希土類添加光ファイバの増幅帯域に実質的に影響を及ぼさない特性を有するものであることに特徴を有している。
【0010】
この構成によれば、第2の希土類添加光ファイバを設けることにより、増幅用光ファイバ(第1の希土類添加光ファイバ+第2の希土類添加光ファイバ)と送信用光ファイバとの間の接続箇所に、第2の希土類添加光ファイバを介在させることが可能となる。これにより、増幅用光ファイバ(第1の希土類添加光ファイバ+第2の希土類添加光ファイバ)における溶融着接続損は有効に抑制される。
【0011】
さらには、第2の希土類添加光ファイバとして、第1の希土類添加光ファイバの増幅帯域に実質的に影響を及ぼさない特性を有するものを用いることにより、希土類添加高屈折率光ファイバが本来有する広い増幅帯域は狭められることなく維持される。
【0012】
なお、第2の希土類添加光ファイバは、例えばその濃度条長積を可及的に短くすることにより上記特性(第1の希土類添加光ファイバの増幅帯域に実質的に影響を及ぼさない特性)を発揮することができる。具体的には、第2の希土類添加光ファイバは、例えば、濃度条長積6kppm・m未満の濃度条長積とすることで上記特性を発揮することができる。
【0013】
なお、本発明の構成は、前記第2の希土類添加光ファイバが前記第1の希土類添加光ファイバの信号伝搬方向の前端側に設けられた構成において実施するのが好ましい。そうすれば、第1の希土類添加光ファイバの信号伝搬方向の前端側に第2の希土類添加光ファイバが設けられることにより生じるノイズ特性(NF)の劣化が効果的に抑制される。
【0014】
一方、本発明の構成は、前記第2の希土類添加光ファイバが前記第1の希土類添加光ファイバの信号伝搬方向の後端側に設けられた構成において実施してもよい。そうすれば、第1の希土類添加光ファイバの信号伝搬方向の後端側に第2の希土類添加光ファイバが設けられることにより生じる出力パワー特性の劣化が効果的に抑制される。
【0015】
なお、例えば、第1の希土類添加光ファイバの信号伝搬方向前方側に、第2の希土類添加光ファイバを配置したうえで、第1、第2の希土類添加光ファイバを直列に二段接続する場合、第1の希土類添加光ファイバのノイズ特性は次のようにして向上する。
【0016】
利得G1,ノイズ特性NF1を有する第1の希土類添加光ファイバ(後段側)と、利得G2,ノイズ特性NF2を有する第2の希土類添加光ファイバ(前段側)とを直列に二段接続する場合、その構成により得られる総合利得Gtotalと、総合ノイズ特性NFtotalとは次の(1),(2)式により求められる。
Gtotal=G2×G1 …(1)
NFtotal=NF2+(NF1/G2) …(2)
(2)式に示すように、第1の希土類添加光ファイバのノイズ特性NF1は、NF1/G2となって総合ノイズ特性NFtotalに加算される。そのため、総合ノイズ特性NFtotalを向上させるためには、第2の希土類添加光ファイバの利得G2をできるだけ高く設定することが望ましい。
【0017】
希土類添加光ファイバ(本発明の第1の希土類添加光ファイバを含む)においては、増幅帯域における長波長域のノイズ特性に比べて短波長側のノイズ特性が劣化するという特徴を有している。このことに着目したうえで、上記(2)式を詳細に検討してみると、本発明は、第2の希土類添加光ファイバとして、その増幅帯域における長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を有するものであるのが好ましい。そうすれば、第1の希土類添加光ファイバの短波長側のノイズ特性がよくなり、その結果、本発明の光増幅装置の総合ノイズ特性NFtotalが向上する。
【0018】
なお、第1の希土類添加光ファイバの増幅帯域の長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を有する第2の希土類添加光ファイバは、例えば、濃度条長積を2kppm・m以上に設定することで実現される。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態の光増幅装置1の構成図である。この光増幅装置1は、信号光の伝搬方向の前方側に設けられた送信用光ファイバ10と、後方側に設けられた送信用光ファイバ11との間に設けられている。送信用光ファイバ10、11は、通常石英系ガラスをホストガラスとして構成されている。
光増幅装置1は第1の希土類添加光ファイバ2と、第2の希土類添加光ファイバ3と、励起光源4A,4Bと、合波器5A,5Bとを備えている。
【0020】
第1の希土類添加光ファイバ2と第2の希土類添加光ファイバ3とは、信号光の伝搬方向に沿って直列に接続されている。第2の希土類添加光ファイバ3は、第1の希土類添加光ファイバ2の信号伝搬方向の前端側に溶融着接続されている。信号伝播方向前方側に設けられた送信用光ファイバ10は第2の希土類添加光ファイバ3に溶融着接続されている。信号伝播方向後方側に設けられた送信用光ファイバ11は第1の希土類添加光ファイバ2に溶融着接続されている。なお、光ファイバの溶融着接続箇所は、図1中において×印で表記されている。
【0021】
第1の希土類添加光ファイバ2は、石英系ガラスより屈折率の高いガラスを主成分とする光ファイバから構成されている。ここでは、その一例として、ビスマスガラスをホストガラスとするエルビウム添加光ファイバ(Bi−EDF)から第1の希土類添加光ファイバ2は構成されている。この他、フッ化物ガラスをホストガラスとするエルビウム添加光ファイバ(F−EDF)から第1の希土類添加光ファイバ2は構成されてもよい。
【0022】
第2の希土類添加光ファイバ3は、石英系ガラスを主成分とするエルビウム添加光ファイバ(EDF)から構成されている。
【0023】
この光増幅装置1は、双方向励起型の光増幅装置であって、第1,第2の希土類添加光ファイバ2,3に対して、その信号伝搬方向の前方側と後方側とにそれぞれ励起光源4A,4Bが設けられている。励起光源4A,4Bは、例えば、1.48μm帯の励起光を生成するレーザ光源から構成されている。なお、本発明は双方向励起型の光増幅装置のみならず、前方励起型の光増幅装置であっても、後方励起型の光増幅装置であっても実施できる。
【0024】
合波器5Aは、第2の希土類添加光ファイバ3の信号伝搬方向前端側に設けられており、励起光源4Aから出力される励起光(例えば、1.48μm帯の励起光)を信号伝搬方向に沿って第2の希土類添加光ファイバ3および第1の希土類添加光ファイバ2に導入している。
【0025】
合波器5Bは、第1の希土類添加光ファイバ3の信号伝搬方向後端側に設けられており、励起光源4Bから出力される励起光(例えば、1.48μm帯の励起光)を信号伝搬方向の逆方向に沿って第1の希土類添加光ファイバ2および第2の希土類添加光ファイバ3に導入している。
【0026】
本実施形態では、以上説明した基本構成が備えられることで、増幅用光ファイバ(第1の希土類添加光ファイバ2+第2の希土類添加光ファイバ3)と送信用光ファイバ10,11との間の溶融着接続損は有効に防止される。
【0027】
本実施形態では、上記基本構成に加えてさらに次の構成が備えられている。すなわち、第2の希土類添加光ファイバ3は、第1の希土類添加光ファイバ2の増幅帯域に実質的に影響を及ぼさない特性を有している。さらに、第2の希土類添加光ファイバ3は、その増幅帯域における長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を有している。
【0028】
以上説明した特性を発揮するために、本実施形態では、具体的には次のような構成を備えている。すなわち、第2の希土類添加光ファイバ3として比較的濃度条長積の大きい(条長の長い)光ファイバを設ける場合、その増幅帯域は、図2(b)に示すように、希土類添加光ファイバ2に比べて狭くなる。
【0029】
なお、図2においては、符号αが第1の希土類添加光ファイバ2の波長利得特性を示し、βが第2の希土類添加光ファイバ3の波長利得特性を示している。また、α−1が第1の希土類添加光ファイバ2の増幅帯域を示し、β−1が第2の希土類添加光ファイバ3の増幅帯域を示している。
【0030】
そこで、本実施形態では、第2の希土類添加光ファイバ3の濃度条長積を可及的に小さく(条長を短く)している。これにより、図2(a)に示すように、第2の希土類添加光ファイバ3の利得(波長利得特性β参照)は減少し、特に増幅帯域の長波長側帯域において顕著に減少する。したがって、第2の希土類添加光ファイバ3の増幅作用が第1の希土類添加光ファイバ2に及ぼす影響は可及的に小さくなる。そのため、第1の希土類添加光ファイバ2の増幅帯域α−1は本来の広帯域を維持することになる。
【0031】
なお、図2(a)はLバンド領域における波長利得特性である。本実施形態では、図2(a)に示すLバンド領域を参照して本発明の作用効果を説明が説明されるが、本発明は、Cバンド領域等の他の帯域においても、若干特性が変わるものの同様の効果を発揮するものであるのはいうまでもない。
【0032】
このような波長利得特性を発揮させるために、具体的には、第2の希土類添加光ファイバ3の濃度条長積は6kppm・m未満に設定されている。第2の希土類添加光ファイバ3の濃度条長積が6kppm・m以上に設定されると、短波長帯域においては、4I15/2→4I13/2の吸収の影響が生じる一方、長波長側においては、4I13/2→4I9/2の励起準位の吸収の影響が大きくなる。その結果、第2の希土類添加光ファイバ3の増幅帯域β−1が狭くなる。これに対して、本実施形態では、上述したように、第2の希土類添加光ファイバ3の濃度条長積が6kppm・m未満に設定されている。これにより、上述した吸収が生じなくなって、所望の波長利得特性が得られる。
【0033】
また、第2の希土類添加光ファイバ3を構成する希土類添加石英ガラス光ファイバにおいては、その濃度条長積が可及的に小さく設定されることにより、その長波長側帯域においてその利得は減少するものの、その短波長側帯域においては、その利得は若干ながら上昇するという特性を有している(図2(a)の波長利得特性β参照)。
【0034】
これにより、本実施形態では、図2(a)に示すように、濃度条長積が6kppm・m未満に設定されることにより、その増幅帯域における長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を発揮することになる。そのため、本実施形態では、ノイズ特性(NF)の劣化が効果的に抑制される。以下、その理由を説明する。
【0035】
光増幅装置1では、第2の希土類添加光ファイバ3が第1の希土類添加光ファイバ1の信号伝搬方向の前端側に設けられているために、ノイズ特性(NF)が
劣化するという特徴がある(
【発明が解決しようとする課題】参照)。
【0036】
光増幅装置1の総合利得Gtotalと総合ノイズ特性NFtotalとは
【課題を解決するための手段】において前述した(1),(2)式により求められる。そして、光増幅装置1の総合ノイズ特性NFtotalを向上させるためには、第2の希土類添加光ファイバの利得G2をできるだけ高く設定する必要がある。
【0037】
第1の希土類添加光ファイバ2や第2希土類添加光ファイバ3においては、図3に示すように、増幅帯域における長波長域のノイズ特性に比べて短波長側のノイズ特性が劣化するという特徴を有している。そこで、本実施形態では、第2の希土類添加光ファイバ3として、その増幅帯域における長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を有するものを用いている。これにより、第1の希土類添加光ファイバ2の短波長側のノイズ特性がよくなり、その結果、光増幅装置1の総合ノイズ特性NFtotalは向上する。
【0038】
増幅帯域の長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を有する第2の希土類添加光ファイバ3は、その濃度条長積を2kppm・m以上に設定することで実現される。反対に、第2の希土類添加光ファイバ3として、その濃度条長積が2kppm・mに満たないものを用いると、短波長域の利得が下がり、本実施形態で必要となる特性を発揮することができなくなる。
【0039】
以上説明した実施の形態では、第2の希土類添加光ファイバ3を第1の希土類添加光ファイバ2の信号伝播方向の前方側に設けた構成において、本発明を実施していたが、このほか、第2の希土類添加光ファイバ3を第1の希土類添加光ファイバ2の信号伝播方向の後方側に設けた構成において本発明を実施しても同様の効果が得られるのはいうまでもない。この場合、特に、出力パワー特性が向上する。
【0040】
さらには、第2の希土類添加光ファイバ3を第1の希土類添加光ファイバ2の信号伝播方向の前方側と後方側との両方に設けた構成において本発明を実施しても同様の効果が得られるのはいうまでもない。
【0041】
また、上述した実施形態では、第2の希土類添加光ファイバ3に対して、その濃度条長績を6kppm・m未満、2kppm・m以上とすることで、第2の希土類添加光ファイバ3の特性を、第1の希土類添加光ファイバ2の増幅帯域に実質的に影響を及ぼさないものとした。しかしながら、このほか、広帯域石英系EDF(例えば、P−EDF)などを用いた場合、上限の6kppm・mがさらに大きくなっても吸収の影響は生じにくくなる。
【0042】
次に、本発明の実施例の光増幅装置と比較例の光増幅装置とにおいてその波長利得特性と波長ノイズ特性とを測定した結果を、図4を参照して説明する。
【0043】
図4において、各データは次のような測定条件に拠っている。*は第1の希土類添加光ファイバ2のみを設けたうえで、その第1の希土類添加光ファイバ2に出力286mWの前方励起光と出力104mWの後方励起光を付与した比較例における利得とノイズの測定結果を示している。
【0044】
黒菱・白菱は、第1の希土類添加光ファイバ2と濃度条長績8kppm・mの第2の希土類添加光ファイバ3とを設けたうえで、第1,第2の希土類添加光ファイバ2,3に出力306mWの前方励起光と出力47mWの後方励起光を付与した比較例における利得とノイズの測定結果を示している。
【0045】
黒三角・白三角は、第1の希土類添加光ファイバ2と濃度条長績6kppm・mの第2の希土類添加光ファイバ3とを設けたうえで、第1,第2の希土類添加光ファイバ2,3に出力306mWの前方励起光と出力47mWの後方励起光を付与した比較例における利得とノイズの測定結果を示している。
【0046】
黒丸・白丸は、第1の希土類添加光ファイバ2と濃度条長積4kppm・mの第2の希土類添加光ファイバ3とを設けたうえで、第1,第2の希土類添加光ファイバ2,3に出力307mWの前方励起光と出力66mWの後方励起光を付与した本発明の実施例における利得とノイズの測定結果を示している。
【0047】
黒四角・白四角は、第1の希土類添加光ファイバ2と濃度条長績2kppm・mの第2の希土類添加光ファイバ3とを設けたうえで、第1,第2の希土類添加光ファイバ2,3に出力307mWの前方励起光と出力75mWの後方励起光を付与した本発明の実施例における利得とノイズの測定結果を示している。
【0048】
図4より明らかなように、8〜6kppm・mの濃度条長積の第2の希土類添加光ファイバ3を有する比較例の増幅帯域は、第2の希土類添加光ファイバ3を設けていない比較例に比べて狭くなっている。
【0049】
これに対して、6kppm・m未満の濃度条長積(4kppm・m,2kppm・m)の第2の希土類添加光ファイバ3を有する本発明の実施例では、その増幅帯域は、8〜6kppm・mの濃度条長積の第2の希土類添加光ファイバ3を有する比較例の増幅帯域より広くなっており、第2の希土類添加光ファイバ3を設けていない比較例の増幅帯域に近づいている。これは、第1の希土類添加光ファイバ2の増幅帯域に対する第2の希土類添加光ファイバ3の影響がほとんどなくなっているためだと考えられる。
【0050】
また、本発明の実施例では、第2の希土類添加光ファイバ3として、2kppm・m以上の濃度条長績(4kppm・m,2kppm・m)を有するものを用いることで、第2の希土類添加光ファイバ3を設けていない比較例に対して、1dB以上のNF改善が得られている。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、広い増幅帯域を維持したうえで、溶融接続損を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光増幅装置の構成を示す図である。
【図2】(a),(b)とも光増幅装置の波長利得特性を示す図である。
【図3】光増幅装置の波長ノイズ特性を示す図である。
【図4】実施形態の光増幅装置とその比較例との波長利得特性と波長ノイズ特性とを測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 光増幅装置 2 第1の希土類添加光ファイバ
3 第2の希土類添加光ファイバ 4A,4B 励起光源
5A,5B 合波器 10,11 送信用光ファイバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野等に用いられる光増幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、広帯域増幅を実現するために、石英系ガラスより屈折率の高いガラスを主成分とする希土類添加光ファイバ(以下、希土類添加高屈折率光ファイバという)を備えた光増幅装置が開発されている。このような希土類添加高屈折率光ファイバとして、ビスマスガラスをホストガラスとするエルビウム添加光ファイバ(Bi−EDF)やフッ化物ガラスをホストガラスとするエルビウム添加光ファイバ(F−EDF)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの希土類添加高屈折率光ファイバでは、目的とする広帯域増幅は実現されているものの、希土類添加高屈折率光ファイバと送信用光ファイバ(一般に石英系ガラスを主成分としている)との間の屈折率差や軟化点温度差により、両ファイバ間の溶融着接続損が増大するという不具合がある。
【0004】
溶融着接続損の増大は具体的には次のような不都合となる。すなわち、希土類添加高屈折率光ファイバの入力端と送信用光ファイバとの間に生じる溶融着接続損はノイズ特性(NF)の劣化となる。さらには、励起パワーにも損失を与えるため、パワー変換効率劣化の原因となり、また充分な反転分布が得られなくなる。希土類添加高屈折率光ファイバの出力端と送信用光ファイバとの間に生じる溶融着接続損は、出力パワー特性の劣化となる。
【0005】
このような不具合を解消するために、次のような構成を採用することが考えられる。すなわち、希土類添加高屈折率光ファイバの端部に石英系ガラスを主成分とする希土類添加光ファイバ(以下、希土類添加石英系光ファイバという)が接続される。そして、この希土類添加石英系光ファイバが送信用光ファイバに接続される。
【0006】
このような構成では、増幅用光ファイバ(希土類添加高屈折率光ファイバ+希土類添加石英系光ファイバ)と送信用光ファイバとの間の接続は、同等の屈折率を有する石英系光ファイバどうしの接続として実現される。そのため、上述した溶融着接続損はほとんど生じなくなる。
【0007】
しかしながら、このようにして溶融着接続損を抑制した従来の光増幅装置の構成においても、希土類添加高屈折率光ファイバと送信用光ファイバとの間に介装される希土類添加石英系光ファイバの影響を受けて、希土類添加高屈折率光ファイバが本来有する広い増幅帯域が狭くなるという課題があった。
【0008】
したがって、本発明の主たる目的は、広い増幅帯域を維持したうえで溶融着接続損を有効に防止することができる光増幅装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために本発明は、石英系ガラスより屈折率の高いガラスを主成分とする第1の希土類添加光ファイバと、石英系ガラスを主成分とし前記第1の希土類添加光ファイバに直列に接続された第2の希土類添加光ファイバとを有し、前記第2の希土類添加光ファイバは、前記第1の希土類添加光ファイバの増幅帯域に実質的に影響を及ぼさない特性を有するものであることに特徴を有している。
【0010】
この構成によれば、第2の希土類添加光ファイバを設けることにより、増幅用光ファイバ(第1の希土類添加光ファイバ+第2の希土類添加光ファイバ)と送信用光ファイバとの間の接続箇所に、第2の希土類添加光ファイバを介在させることが可能となる。これにより、増幅用光ファイバ(第1の希土類添加光ファイバ+第2の希土類添加光ファイバ)における溶融着接続損は有効に抑制される。
【0011】
さらには、第2の希土類添加光ファイバとして、第1の希土類添加光ファイバの増幅帯域に実質的に影響を及ぼさない特性を有するものを用いることにより、希土類添加高屈折率光ファイバが本来有する広い増幅帯域は狭められることなく維持される。
【0012】
なお、第2の希土類添加光ファイバは、例えばその濃度条長積を可及的に短くすることにより上記特性(第1の希土類添加光ファイバの増幅帯域に実質的に影響を及ぼさない特性)を発揮することができる。具体的には、第2の希土類添加光ファイバは、例えば、濃度条長積6kppm・m未満の濃度条長積とすることで上記特性を発揮することができる。
【0013】
なお、本発明の構成は、前記第2の希土類添加光ファイバが前記第1の希土類添加光ファイバの信号伝搬方向の前端側に設けられた構成において実施するのが好ましい。そうすれば、第1の希土類添加光ファイバの信号伝搬方向の前端側に第2の希土類添加光ファイバが設けられることにより生じるノイズ特性(NF)の劣化が効果的に抑制される。
【0014】
一方、本発明の構成は、前記第2の希土類添加光ファイバが前記第1の希土類添加光ファイバの信号伝搬方向の後端側に設けられた構成において実施してもよい。そうすれば、第1の希土類添加光ファイバの信号伝搬方向の後端側に第2の希土類添加光ファイバが設けられることにより生じる出力パワー特性の劣化が効果的に抑制される。
【0015】
なお、例えば、第1の希土類添加光ファイバの信号伝搬方向前方側に、第2の希土類添加光ファイバを配置したうえで、第1、第2の希土類添加光ファイバを直列に二段接続する場合、第1の希土類添加光ファイバのノイズ特性は次のようにして向上する。
【0016】
利得G1,ノイズ特性NF1を有する第1の希土類添加光ファイバ(後段側)と、利得G2,ノイズ特性NF2を有する第2の希土類添加光ファイバ(前段側)とを直列に二段接続する場合、その構成により得られる総合利得Gtotalと、総合ノイズ特性NFtotalとは次の(1),(2)式により求められる。
Gtotal=G2×G1 …(1)
NFtotal=NF2+(NF1/G2) …(2)
(2)式に示すように、第1の希土類添加光ファイバのノイズ特性NF1は、NF1/G2となって総合ノイズ特性NFtotalに加算される。そのため、総合ノイズ特性NFtotalを向上させるためには、第2の希土類添加光ファイバの利得G2をできるだけ高く設定することが望ましい。
【0017】
希土類添加光ファイバ(本発明の第1の希土類添加光ファイバを含む)においては、増幅帯域における長波長域のノイズ特性に比べて短波長側のノイズ特性が劣化するという特徴を有している。このことに着目したうえで、上記(2)式を詳細に検討してみると、本発明は、第2の希土類添加光ファイバとして、その増幅帯域における長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を有するものであるのが好ましい。そうすれば、第1の希土類添加光ファイバの短波長側のノイズ特性がよくなり、その結果、本発明の光増幅装置の総合ノイズ特性NFtotalが向上する。
【0018】
なお、第1の希土類添加光ファイバの増幅帯域の長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を有する第2の希土類添加光ファイバは、例えば、濃度条長積を2kppm・m以上に設定することで実現される。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態の光増幅装置1の構成図である。この光増幅装置1は、信号光の伝搬方向の前方側に設けられた送信用光ファイバ10と、後方側に設けられた送信用光ファイバ11との間に設けられている。送信用光ファイバ10、11は、通常石英系ガラスをホストガラスとして構成されている。
光増幅装置1は第1の希土類添加光ファイバ2と、第2の希土類添加光ファイバ3と、励起光源4A,4Bと、合波器5A,5Bとを備えている。
【0020】
第1の希土類添加光ファイバ2と第2の希土類添加光ファイバ3とは、信号光の伝搬方向に沿って直列に接続されている。第2の希土類添加光ファイバ3は、第1の希土類添加光ファイバ2の信号伝搬方向の前端側に溶融着接続されている。信号伝播方向前方側に設けられた送信用光ファイバ10は第2の希土類添加光ファイバ3に溶融着接続されている。信号伝播方向後方側に設けられた送信用光ファイバ11は第1の希土類添加光ファイバ2に溶融着接続されている。なお、光ファイバの溶融着接続箇所は、図1中において×印で表記されている。
【0021】
第1の希土類添加光ファイバ2は、石英系ガラスより屈折率の高いガラスを主成分とする光ファイバから構成されている。ここでは、その一例として、ビスマスガラスをホストガラスとするエルビウム添加光ファイバ(Bi−EDF)から第1の希土類添加光ファイバ2は構成されている。この他、フッ化物ガラスをホストガラスとするエルビウム添加光ファイバ(F−EDF)から第1の希土類添加光ファイバ2は構成されてもよい。
【0022】
第2の希土類添加光ファイバ3は、石英系ガラスを主成分とするエルビウム添加光ファイバ(EDF)から構成されている。
【0023】
この光増幅装置1は、双方向励起型の光増幅装置であって、第1,第2の希土類添加光ファイバ2,3に対して、その信号伝搬方向の前方側と後方側とにそれぞれ励起光源4A,4Bが設けられている。励起光源4A,4Bは、例えば、1.48μm帯の励起光を生成するレーザ光源から構成されている。なお、本発明は双方向励起型の光増幅装置のみならず、前方励起型の光増幅装置であっても、後方励起型の光増幅装置であっても実施できる。
【0024】
合波器5Aは、第2の希土類添加光ファイバ3の信号伝搬方向前端側に設けられており、励起光源4Aから出力される励起光(例えば、1.48μm帯の励起光)を信号伝搬方向に沿って第2の希土類添加光ファイバ3および第1の希土類添加光ファイバ2に導入している。
【0025】
合波器5Bは、第1の希土類添加光ファイバ3の信号伝搬方向後端側に設けられており、励起光源4Bから出力される励起光(例えば、1.48μm帯の励起光)を信号伝搬方向の逆方向に沿って第1の希土類添加光ファイバ2および第2の希土類添加光ファイバ3に導入している。
【0026】
本実施形態では、以上説明した基本構成が備えられることで、増幅用光ファイバ(第1の希土類添加光ファイバ2+第2の希土類添加光ファイバ3)と送信用光ファイバ10,11との間の溶融着接続損は有効に防止される。
【0027】
本実施形態では、上記基本構成に加えてさらに次の構成が備えられている。すなわち、第2の希土類添加光ファイバ3は、第1の希土類添加光ファイバ2の増幅帯域に実質的に影響を及ぼさない特性を有している。さらに、第2の希土類添加光ファイバ3は、その増幅帯域における長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を有している。
【0028】
以上説明した特性を発揮するために、本実施形態では、具体的には次のような構成を備えている。すなわち、第2の希土類添加光ファイバ3として比較的濃度条長積の大きい(条長の長い)光ファイバを設ける場合、その増幅帯域は、図2(b)に示すように、希土類添加光ファイバ2に比べて狭くなる。
【0029】
なお、図2においては、符号αが第1の希土類添加光ファイバ2の波長利得特性を示し、βが第2の希土類添加光ファイバ3の波長利得特性を示している。また、α−1が第1の希土類添加光ファイバ2の増幅帯域を示し、β−1が第2の希土類添加光ファイバ3の増幅帯域を示している。
【0030】
そこで、本実施形態では、第2の希土類添加光ファイバ3の濃度条長積を可及的に小さく(条長を短く)している。これにより、図2(a)に示すように、第2の希土類添加光ファイバ3の利得(波長利得特性β参照)は減少し、特に増幅帯域の長波長側帯域において顕著に減少する。したがって、第2の希土類添加光ファイバ3の増幅作用が第1の希土類添加光ファイバ2に及ぼす影響は可及的に小さくなる。そのため、第1の希土類添加光ファイバ2の増幅帯域α−1は本来の広帯域を維持することになる。
【0031】
なお、図2(a)はLバンド領域における波長利得特性である。本実施形態では、図2(a)に示すLバンド領域を参照して本発明の作用効果を説明が説明されるが、本発明は、Cバンド領域等の他の帯域においても、若干特性が変わるものの同様の効果を発揮するものであるのはいうまでもない。
【0032】
このような波長利得特性を発揮させるために、具体的には、第2の希土類添加光ファイバ3の濃度条長積は6kppm・m未満に設定されている。第2の希土類添加光ファイバ3の濃度条長積が6kppm・m以上に設定されると、短波長帯域においては、4I15/2→4I13/2の吸収の影響が生じる一方、長波長側においては、4I13/2→4I9/2の励起準位の吸収の影響が大きくなる。その結果、第2の希土類添加光ファイバ3の増幅帯域β−1が狭くなる。これに対して、本実施形態では、上述したように、第2の希土類添加光ファイバ3の濃度条長積が6kppm・m未満に設定されている。これにより、上述した吸収が生じなくなって、所望の波長利得特性が得られる。
【0033】
また、第2の希土類添加光ファイバ3を構成する希土類添加石英ガラス光ファイバにおいては、その濃度条長積が可及的に小さく設定されることにより、その長波長側帯域においてその利得は減少するものの、その短波長側帯域においては、その利得は若干ながら上昇するという特性を有している(図2(a)の波長利得特性β参照)。
【0034】
これにより、本実施形態では、図2(a)に示すように、濃度条長積が6kppm・m未満に設定されることにより、その増幅帯域における長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を発揮することになる。そのため、本実施形態では、ノイズ特性(NF)の劣化が効果的に抑制される。以下、その理由を説明する。
【0035】
光増幅装置1では、第2の希土類添加光ファイバ3が第1の希土類添加光ファイバ1の信号伝搬方向の前端側に設けられているために、ノイズ特性(NF)が
劣化するという特徴がある(
【発明が解決しようとする課題】参照)。
【0036】
光増幅装置1の総合利得Gtotalと総合ノイズ特性NFtotalとは
【課題を解決するための手段】において前述した(1),(2)式により求められる。そして、光増幅装置1の総合ノイズ特性NFtotalを向上させるためには、第2の希土類添加光ファイバの利得G2をできるだけ高く設定する必要がある。
【0037】
第1の希土類添加光ファイバ2や第2希土類添加光ファイバ3においては、図3に示すように、増幅帯域における長波長域のノイズ特性に比べて短波長側のノイズ特性が劣化するという特徴を有している。そこで、本実施形態では、第2の希土類添加光ファイバ3として、その増幅帯域における長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を有するものを用いている。これにより、第1の希土類添加光ファイバ2の短波長側のノイズ特性がよくなり、その結果、光増幅装置1の総合ノイズ特性NFtotalは向上する。
【0038】
増幅帯域の長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を有する第2の希土類添加光ファイバ3は、その濃度条長積を2kppm・m以上に設定することで実現される。反対に、第2の希土類添加光ファイバ3として、その濃度条長積が2kppm・mに満たないものを用いると、短波長域の利得が下がり、本実施形態で必要となる特性を発揮することができなくなる。
【0039】
以上説明した実施の形態では、第2の希土類添加光ファイバ3を第1の希土類添加光ファイバ2の信号伝播方向の前方側に設けた構成において、本発明を実施していたが、このほか、第2の希土類添加光ファイバ3を第1の希土類添加光ファイバ2の信号伝播方向の後方側に設けた構成において本発明を実施しても同様の効果が得られるのはいうまでもない。この場合、特に、出力パワー特性が向上する。
【0040】
さらには、第2の希土類添加光ファイバ3を第1の希土類添加光ファイバ2の信号伝播方向の前方側と後方側との両方に設けた構成において本発明を実施しても同様の効果が得られるのはいうまでもない。
【0041】
また、上述した実施形態では、第2の希土類添加光ファイバ3に対して、その濃度条長績を6kppm・m未満、2kppm・m以上とすることで、第2の希土類添加光ファイバ3の特性を、第1の希土類添加光ファイバ2の増幅帯域に実質的に影響を及ぼさないものとした。しかしながら、このほか、広帯域石英系EDF(例えば、P−EDF)などを用いた場合、上限の6kppm・mがさらに大きくなっても吸収の影響は生じにくくなる。
【0042】
次に、本発明の実施例の光増幅装置と比較例の光増幅装置とにおいてその波長利得特性と波長ノイズ特性とを測定した結果を、図4を参照して説明する。
【0043】
図4において、各データは次のような測定条件に拠っている。*は第1の希土類添加光ファイバ2のみを設けたうえで、その第1の希土類添加光ファイバ2に出力286mWの前方励起光と出力104mWの後方励起光を付与した比較例における利得とノイズの測定結果を示している。
【0044】
黒菱・白菱は、第1の希土類添加光ファイバ2と濃度条長績8kppm・mの第2の希土類添加光ファイバ3とを設けたうえで、第1,第2の希土類添加光ファイバ2,3に出力306mWの前方励起光と出力47mWの後方励起光を付与した比較例における利得とノイズの測定結果を示している。
【0045】
黒三角・白三角は、第1の希土類添加光ファイバ2と濃度条長績6kppm・mの第2の希土類添加光ファイバ3とを設けたうえで、第1,第2の希土類添加光ファイバ2,3に出力306mWの前方励起光と出力47mWの後方励起光を付与した比較例における利得とノイズの測定結果を示している。
【0046】
黒丸・白丸は、第1の希土類添加光ファイバ2と濃度条長積4kppm・mの第2の希土類添加光ファイバ3とを設けたうえで、第1,第2の希土類添加光ファイバ2,3に出力307mWの前方励起光と出力66mWの後方励起光を付与した本発明の実施例における利得とノイズの測定結果を示している。
【0047】
黒四角・白四角は、第1の希土類添加光ファイバ2と濃度条長績2kppm・mの第2の希土類添加光ファイバ3とを設けたうえで、第1,第2の希土類添加光ファイバ2,3に出力307mWの前方励起光と出力75mWの後方励起光を付与した本発明の実施例における利得とノイズの測定結果を示している。
【0048】
図4より明らかなように、8〜6kppm・mの濃度条長積の第2の希土類添加光ファイバ3を有する比較例の増幅帯域は、第2の希土類添加光ファイバ3を設けていない比較例に比べて狭くなっている。
【0049】
これに対して、6kppm・m未満の濃度条長積(4kppm・m,2kppm・m)の第2の希土類添加光ファイバ3を有する本発明の実施例では、その増幅帯域は、8〜6kppm・mの濃度条長積の第2の希土類添加光ファイバ3を有する比較例の増幅帯域より広くなっており、第2の希土類添加光ファイバ3を設けていない比較例の増幅帯域に近づいている。これは、第1の希土類添加光ファイバ2の増幅帯域に対する第2の希土類添加光ファイバ3の影響がほとんどなくなっているためだと考えられる。
【0050】
また、本発明の実施例では、第2の希土類添加光ファイバ3として、2kppm・m以上の濃度条長績(4kppm・m,2kppm・m)を有するものを用いることで、第2の希土類添加光ファイバ3を設けていない比較例に対して、1dB以上のNF改善が得られている。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、広い増幅帯域を維持したうえで、溶融接続損を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光増幅装置の構成を示す図である。
【図2】(a),(b)とも光増幅装置の波長利得特性を示す図である。
【図3】光増幅装置の波長ノイズ特性を示す図である。
【図4】実施形態の光増幅装置とその比較例との波長利得特性と波長ノイズ特性とを測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 光増幅装置 2 第1の希土類添加光ファイバ
3 第2の希土類添加光ファイバ 4A,4B 励起光源
5A,5B 合波器 10,11 送信用光ファイバ
Claims (5)
- 石英系ガラスより屈折率の高いガラスを主成分とする第1の希土類添加光ファイバと、
石英系ガラスを主成分とし前記第1の希土類添加光ファイバに直列に接続された第2の希土類添加光ファイバと、
を有し、
前記第2の希土類添加光ファイバは、前記第1の希土類添加光ファイバの増幅帯域に実質的に影響を及ぼさない特性を有するものである、
ことを特徴とする光増幅装置。 - 請求項1に記載の光増幅装置において、
前記第2の希土類添加光ファイバは、6kppm・m未満の濃度条長積を有するものである、
ことを特徴とする光増幅装置。 - 請求項1または2に記載の光増幅装置において、
前記第2の希土類添加光ファイバを、前記第1の希土類添加光ファイバの信号伝搬方向の前端側に設ける、
ことを特徴とする光増幅装置。 - 請求項3に記載の光増幅装置において、
前記第2の希土類添加光ファイバは、その増幅帯域の長波長域より短波長域の方が高利得となった特性を有するものである、
ことを特徴とする光増幅装置。 - 請求項4に記載の光増幅装置において、
前記第2の希土類添加光ファイバは、2kppm・m以上の濃度条長積を有するものである、
ことを特徴とする光増幅装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010262988A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 光増幅装置および光伝送システム |
US9160135B2 (en) | 2010-10-29 | 2015-10-13 | Furukawa Electric Co., Ltd. | Optical amplifying apparatus and optical transmission system |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002204662A patent/JP2004047819A/ja active Pending
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