JP2004047801A - 半導体ウエーハの研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエーハの外周ダレを緩和し、ウエーハ表面の平坦度を上げる。
【解決手段】研磨すべき半導体ウエーハ6を上下の回転定盤間でキャリア5により保持し、回転定盤の対向面に装着された研磨パッド1a,1b間でキャリア5を自転させることにより、半導体ウエーハ6の両面を同時に研磨する半導体ウエーハ研磨方法において、前記研磨パッド1a,1bとして硬質パッドを使用する。前記研磨パッド1a,1bの表面に所定間隔で設けられる凹部4a,4bを、パッド内周部で高密度とする。ドレッシングで研磨パッド1a,1bの内周部が薄くなり、半導体ウエーハ6が受ける面圧が定盤内周部で低下することにより、半導体ウエーハ6の外周ダレが緩和される。
【選択図】 図1
【解決手段】研磨すべき半導体ウエーハ6を上下の回転定盤間でキャリア5により保持し、回転定盤の対向面に装着された研磨パッド1a,1b間でキャリア5を自転させることにより、半導体ウエーハ6の両面を同時に研磨する半導体ウエーハ研磨方法において、前記研磨パッド1a,1bとして硬質パッドを使用する。前記研磨パッド1a,1bの表面に所定間隔で設けられる凹部4a,4bを、パッド内周部で高密度とする。ドレッシングで研磨パッド1a,1bの内周部が薄くなり、半導体ウエーハ6が受ける面圧が定盤内周部で低下することにより、半導体ウエーハ6の外周ダレが緩和される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下の回転定盤間でキャリアを用いて半導体ウエーハの両面を同時に研磨する半導体ウエーハの研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの高集積化が急速に進み、その素材である半導体ウエーハに要求される平坦度は非常に厳しくなっている。一方、半導体デバイスの製造コスト低減の観点からは、半導体ウエーハの大径化が進められている。このため、半導体ウエーハの平坦度の向上は一層困難なものになっている。このような事情から、半導体ウエーハの加工プロセスにおいては、エッチング後に研削工程を導入したプロセスが提案され、研削に続く鏡面研磨工程においては、従来の片面研磨よりも高い平坦度が得られる両面研磨方式が注目されている。
【0003】
半導体ウエーハの両面研磨装置としては、通常、遊星歯車方式のものが使用される。この両面研磨装置は、上下一対の回転定盤と、回転定盤間の回転中心部に設けられた太陽歯車と呼ばれるインナーギヤと、回転定盤間の外周部に設けられた環状の内歯歯車からなるアウターギヤとを備えている。上側の回転定盤は昇降可能で、加圧用を兼ねるシリンダーにより昇降駆動され、その回転方向は下側の回転定盤の回転方向と反対である。上下の回転定盤の対向面には、それぞれ研磨パッドが装着されている。
【0004】
研磨作業では、上側の回転定盤を上昇させた状態で、下側の回転定盤上の回転中心回りに複数のキャリアをセットすると共に、各キャリアに半導体ウエーハをセットする。遊星歯車である複数のキャリアは、インナーギヤ及びアウターギヤに噛み合っており、その中心から偏心した位置にホールと呼ばれるウエーハ収容孔を有している。
【0005】
キャリア及び半導体ウエーハのセットが終わると、上側の回転定盤をゆっくり下降させ、複数の半導体ウエーハを上下の回転定盤間に上下の研磨パッドを介して所定圧力で挟む。この状態で、回転定盤間に研磨液を供給しながら回転定盤、インナーギヤ及びアウターギヤを回転させる。これにより、複数のキャリアは逆方向に回転する上下の研磨パッドの間で自転しつつインナーギヤの回りを公転する。こうして、複数の半導体ウエーハの両面が同時に研磨される。
【0006】
上下の研磨パッドとしては、例えば硬質ポリウレタン系、ウレタン樹脂を含浸硬化させた不織布、硬質ゴムなどの硬質パッドが使用される。硬質パッドは、パッド表面の平坦度を上げるためのドレッシング作業を受ける。上下の研磨パッドの対向面には、研磨液を供給するための凹部として例えば溝部が碁盤目状に設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような半導体ウエーハの両面研磨における問題点の一つとして、研磨装置の構造に起因する定盤径方向における不均一荷重や、定盤の周速度が半径方向で相違することなどによるウエーハの平坦度の低下がある。
【0008】
即ち、上側の回転定盤を下側の回転定盤に押し付ける押圧構造として、通常は上側の回転定盤の中心部を支持して昇降させる中心加圧が採用される。中心加圧によると、定盤半径方向における荷重分布が外周部から内周部にかけて漸増する傾向となる。この傾向は、回転定盤の直径が大きくなるほど顕著となり、その結果、12インチウエーハを加工する大型装置では、外周部から内周部にかけて荷重分布が急増することになり、これによりウエーハの外周ダレが顕著になり、そのウエーハの平坦度が低下することになる。
【0009】
この問題を解決するために、定盤押圧荷重の絶対値を低減することにより、定盤半径方向における荷重分布を均一化することが考えられている。しかしながら、このような対策を講じてもなおウエーハの外周ダレを避け得ないのが実情である。
【0010】
本発明の目的は、ウエーハの平坦度低下、特にウエーハの外周ダレに起因する平坦度低下を抑制できる半導体ウエーハ研磨方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは硬質パッドのドレッシング操作に注目した。硬質パッドのドレッシング操作では、研磨パッドにダイヤモンドなどの硬質粒子を樹脂や電解メッキなどにより固着した円板を、キャリアに代えて上下の回転定盤間にセットして研磨操作を行うことにより、上下の研磨パッドの表面を研削する。この作業を研磨パッドの新品交換時に行うことにより、パッド表面を平坦化する。また、所定回数の研磨作業毎に行うことにより、パッド表面に発生した変形を除去し、そのパッド表面を平坦化すると共に、そのパッド表面に蓄積した異物を除去する。
【0012】
研磨パットの表面には、前述したとおり、研磨液を供給するための凹部として例えば溝部が碁盤目状に設けられている。この溝部は、基本的に表面全体に等ピッチで形成されており、その密度は均一である。溝部の密度が均一な研磨パッドにドレッシングを行うと、研磨パッドの表面が均一に研削される。ところが、この溝部の密度を内周部で高くした研磨パッドに対してドレッシングを行うと、内周部でドレッサーとの接触面積が小さくなり、ドレッサーによる研削が顕著となる結果、研磨パッドの内周部が薄くなる。このような不均一厚の研磨パッドを使用して半導体ウエーハの研磨を行うと、ウエーハの外周ダレによるウエーハの平坦度低下が抑制されることが判明した。
【0013】
その理由は次のように考えられる。ウエーハの平坦度低下の大きな原因である外周ダレには、上下研磨パッドの外周部による過剰研磨が大きく影響している。
その対策も種々提案されているが、十分とは言えない。このような状況下で、本発明者らは上下研磨パッドの内周部に着目した。外周ダレを生じるウエーハの外周縁部は上下研磨パッドの外周部間だけでなく内周部間も通過しており、その外周ダレには上下研磨パッドの外周部による過剰研磨だけでなく、上下研磨パッドの内周部による研磨も少なからず影響している。このため、研磨パッドの内周部を薄くすると、仮に外周部による研磨レートが変わらなくても、内周部による研磨レートが大幅に低下し、内周部による研磨が実質的に停止することにより、その分、研磨パッドの外周部による過剰研磨がキャンセルされ、ウエーハの外周ダレが抑制される。そして、これに加え、外周部による研磨レートを低下させるならば、ウエーハの外周ダレが一層効果的に抑制される。
【0014】
なお、研磨パットの表面に設けられた凹部の密度分布を変化させることは特開平11−285963号公報及び特開2001−1255号公報に記載されているが、凹部の密度分布を変化させる目的は、前者においてはウエーハ又はキャリアの安定な自転を保証することであり、また後者においては研磨パッドの外周部における研磨剤の保持量を少なくすることにより、ウエーハ外周部の研磨レートを低下させることであり、上述したようなドレッシングでの研磨パッドの偏厚化を意図したものではない。
【0015】
本発明の半導体ウエーハの研磨方法は、上記知見に基づいて開発されたものであり、研磨すべき半導体ウエーハを上下の回転定盤間でキャリアにより保持し、回転定盤の対向面に装着された研磨パッド間でキャリアを自転させることにより、前記半導体ウエーハの両面を同時に研磨する半導体ウエーハ研磨方法において、前記研磨パッドとして硬質パッドを使用すると共に、その研磨パッドの表面に所定間隔で設けられる凹部をパッド内周部で高密度とし、研磨作業に先立つドレッシングにより前記研磨パッドを内周部で薄くして、前記研磨作業を行うものである。
【0016】
研磨パッドの表面に所定間隔で設けられる凹部を内周部で高密度とすることにより、ドレッシングでは、この部分の単位面積当たりの接触面が狭くなることにより、表面の研削が進行し、厚みが薄くなる。その結果、ドレッシングに続く研磨では、内周部で面圧が低下する。これにより、ウエーハの外周ダレが抑制され、これに起因するウエーハの平坦度低下が抑制されることは、前述したとおりである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す研磨パッド及びキャリアの平面図、図2は図1中のA−A線矢示図、図3は図1中のB−B線矢示図である。
【0018】
本実施形態の半導体ウエーハ研磨装置では、遊星歯車方式の両面研磨装置が使用される。この両面研磨装置は、対向面に研磨パッド1a,1bが装着された上下一対の回転定盤と、回転定盤間の回転中心部に設けられたインナーギヤ2と、回転定盤間の外周部に設けられた環状の内歯歯車からなるアウターギヤ3とを備えている。
【0019】
この両面研磨装置は又、中心加圧構造である。上側の回転定盤は中心部をシリンダーを介して懸吊されており、そのシリンダーにより昇降駆動される。上側の回転定盤の回転方向は下側の回転定盤の回転方向と反対である。
【0020】
研磨作業では、上側の回転定盤を上昇させた状態で、下側の回転定盤上の回転中心回りに複数のキャリア5をセットすると共に、各キャリア5に半導体ウエーハ6をセットする。各キャリア5は遊星歯車であり、内側のインナーギヤ2及び外側のアウターギヤ3にそれぞれ噛み合っている。各キャリア5の中心から偏心した位置、ここでは中心回りに複数のウエーハ収容孔7が設けられている。
【0021】
ここで、研磨パッド1a,1bは、硬質ポリウレタン系、ウレタン樹脂を含浸硬化させた不織布、硬質ゴムなどからなる環状の硬質パッドである。研磨パッド1a,1bの対向面には、研磨液を供給するための凹部として溝部4a,4bが碁盤目状に設けられている。
【0022】
溝部4a,4bは、研磨パッド1a,1bの内周部を除き所定のピッチPa,Pbで設けられている。研磨パッド1a,1bの内周部では、溝部4a,4bのピッチPa′,Pb′は他の部分より小さく設定されている。一方、研磨パッド1a,1bの外周部では、特定の溝部4a′,4b′の溝幅が他の溝部4a,4bの溝幅より大きく設定されており、より具体的には、半導体ウエーハ6が回転定盤の最外周部に位置したときにそのウエーハ6の外周部が通過する部分の1又は複数の溝部4a′,4b′でその溝幅W′が他の溝部4a,4bの溝幅Wより大きくされている。
【0023】
キャリア5及び半導体ウエーハ6のセットが終わると、上側の回転定盤をゆっくり下降させ、複数の半導体ウエーハ6を上下の回転定盤間に上下の研磨パッド1a,1bを介して所定圧力で挟む。この状態で、回転定盤の中心部より回転定盤間に研磨液を供給しながら回転定盤、インナーギヤ2及びアウターギヤ3を回転させる。これにより、複数のキャリア5は、逆方向に回転する上下の研磨パッドの間で自転しつつインナーギヤ2の回りを公転する。こうして、複数の半導体ウエーハ6の両面が同時に研磨される。
【0024】
このような研磨作業を所定回数行うごとに、研磨パッド1a,1bにドレッシングが実施される。また、研磨パッド1a,1bの消耗が進むと、その研磨パッド1a,1bのものに交換され、その交換後にも研磨パッド1a,1bにドレッシングが実施される。
【0025】
各ドレッシングでは、研磨パッドにダイヤモンドなどの硬質粒子を樹脂で固着したドレッサーと呼ばれる円板を、キャリア5に代えて上下の回転定盤間にセットして研磨操作を行うことにより、上下の研磨パッド1a,1bの表面を研削する。このとき、研磨パッド1a,1bの内周部では、溝部4a,4bのピッチPa′,Pb′が他の部分のピッチPa,Pbより小さくされている。つまり、研磨パッド1a,1bの内周部では、溝部4a,4bが密に形成されている。このため、ドレッサーに接触する部分の単位面積当たりの広さは、他の部分より狭い。その結果、ドレッシングでは、研磨パッド1a,1bの内周部の研削が他の部分の研削より顕著となり、その内周部の厚みが薄くなる。
【0026】
一方、ドレッシングに続く研磨作業では、研磨パッド1a,1bの内周部の厚みが他の部分の厚みより小さくなっているため、研磨パッド1a,1bから半導体ウエーハ6が受ける面圧が定盤内周部で低下する。その結果、定盤内周部で研磨レートが低下し、半導体ウエーハ6の外周ダレが緩和されることにより、そのウエーハの平坦度が向上する。
【0027】
研磨作業では又、冷却されたスラリー状の研磨液が回転定盤の中心部より回転定盤間に供給される。回転定盤の内周部では、研磨パッド1a,1bの溝部4a,4bのピッチPa′,Pb′が他の部分のピッチPa,Pbより小さく、溝容量が大きい。従って、これによっても定盤内周部の研磨レートが低下し、半導体ウエーハ6の外周ダレが一層緩和される傾向となる。
【0028】
これに加え、回転定盤の外周部では、半導体ウエーハ6が回転定盤の最外周部に位置したときにそのウエーハ6の外周部が通過する部分の溝部4a′,4b′の溝幅W′が他の溝部4a,4bの溝幅Wより大きく設定されている。これにより、半導体ウエーハ6が回転定盤の最外周部に位置したとき、そのウエーハ6の外周部は研磨パッド1a,1bに直接当接しない。これによっても、半導体ウエーハ6の外周ダレが緩和され、そのウエーハの平坦度が向上する。
【0029】
研磨パッド1a,1bの内周部における溝部4a,4bのピッチPa′,Pb′は他の部分のピッチPa,Pbの20〜50%が好ましい。ピッチPa,Pbに比べてピッチPa′,Pb′が小さすぎるとパッド内周部が薄くなり過ぎてウエーハ外周が逆に反り立つ。一方、大きすぎる場合はドレッシングでのパッド内周部の薄厚化が進まず、半導体ウエーハ6の外周ダレが十分に緩和されない。また、溝ピッチを小さくする領域はウエーハ外周部が通過する領域によって決定される。パッド内周部であってもウエーハ外周部が通過しない部分で溝ピッチを小さくしても無意味である。この観点から、溝ピッチを小さくする領域は、半導体ウエーハ6の外周縁から3mm以上、ウエーハ直径の25%以下の部分が通過するパッド内周部とするのが好ましい。この領域が狭すぎると、半導体ウエーハ6の外周ダレが十分に緩和されず、広すぎる場合はウエーハ全体の形状が凸化してしまう。
【0030】
回転定盤の外周部に位置する溝部4a′,4b′の溝幅W′は他の溝部4a,4bの溝幅Wの2〜10倍が好ましい。溝幅W′が溝幅Wの2倍未満の場合は半導体ウエーハ6の外周ダレを緩和する効果が小さい。10倍超の場合は溝部4a′,4b′を通過する時間増により外周の反り立ちやウエーハ外周部の段差が発生する。
【0031】
【実施例】
次に、本発明の実施例を示し、従来例と対比することにより、本発明の効果を明らかにする。
【0032】
上述した遊星歯車方式の中心加圧型両面研磨装置において、キャリア5枚を用いて、外径が200mmのシリコンウエーハを15枚同時に両面研磨する際に、溝密度が表面全体で均一な通常の研磨パッドと、溝密度を内周部で変えた改良型パッドとを用いた。
【0033】
いずれの研磨パッドも発泡ウレタンからなる硬質パッド(ローデス製LP−57/外径1360mm、内径440mm、厚み100μm)であり、使用面に碁盤目状の溝部を有している。溝ピッチは、通常パッドでは上側20mm(一定)、下側30mm(一定)である。改良型パッドにおける溝ピッチは、内縁から幅30mmの内周部を除く部分では通常パッドと同じ上側20mm、下側30mmであり、内周部では上側、下側ともに7mmである。溝幅は全ての溝部で2mmである。改良パッドの内縁から幅30mmの領域は、シリコンウエーハの外周縁から20mm(ウエーハ直径の10%)の部分が通過する箇所である。
【0034】
研磨液としてはpH10.5程度のアルカリエッチング液に研磨砥粒としてコロイダルシリカ粒子(BET粒子径約30nm)を添加したものを使用した。定盤加圧力は約1400kgである。
【0035】
研磨パッドの使用前にはドレッシングを行った。このドレッシングには、ダイヤモンド粒子含有の樹脂をキャリアと同寸法の円板に加工したドレッサーを、キャリアに代えて使用した。
【0036】
通常パッドを使用した従来例及び改良型パッドを使用した本発明例のそれぞれにおいて、ドレッシング後の研磨パッドの径方向の厚み分布及びウエーハが受ける径方向の面圧分布を図4(a)(b)に示す。また、従来例及び本発明例における研磨後のウエーハの平坦度を図5(a)(b)に静電容量式平坦度測定器にて測定した鳥瞰図により示す。パッド厚及び面圧は何れも指数で表している。指数とは、パット厚ではパッド厚の初期値を100、面圧では理想ワーク面圧を100としたときの値である。
【0037】
通常パッドを使用した従来例では、ドレッシング後も研磨パッドの内周部の厚みは他の部分と大差なく、径方向全域で均一である。ウエーハが受ける面圧は半径方向でほぼ均一であるが、研磨後のウエーハの平坦度は、顕著な外周ダレのため、TTVで0.5μmであった。面圧分布が均一であるにもかかわらず顕著な外周ダレが生じるのは、研磨パッドの外周部で高い研磨レートが原因である。
【0038】
これに対し、改良型パッドを使用した本発明例では、ドレッシング後の研磨パッドの厚みは内周部で薄くなり、ウエーハが受ける面圧は内周部、特に最内周部で下がる分布となる。その結果、研磨後のウエーハの平坦度は、外周ダレの顕著な緩和により、TTVで0.2μmになった。内周部での積極的な面圧低下が外周ダレの緩和に有効なのは、前述したとおり、内周部での研磨レートが極端に低下し、その分、外周部での研磨がキャンセルされるからである。
【0039】
両面研磨装置は、上述の実施形態では遊星歯車方式とし、キャリアを自転させながらインナーギヤの回りを公転させたが、キャリアを定位置で自転させ、キャリアの公転を伴わない方式でもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明の半導体ウエーハの研磨方法は、研磨すべき半導体ウエーハを上下の回転定盤間でキャリアにより保持し、回転定盤の対向面に装着された研磨パッド間でキャリアを自転させることにより、前記半導体ウエーハの両面を同時に研磨する半導体ウエーハ研磨方法において、前記研磨パッドとして硬質パッドを使用すると共に、その研磨パッドの表面に所定間隔で設けられる凹部をパッド内周部で高密度とし、研磨作業に先立つドレッシングにより前記研磨パッドを内周部で薄くして、前記研磨作業を行うことにより、定盤内周部でウエーハ面圧が減少し、研磨レートが低下することにより、ウエーハの外周ダレを緩和でき、その平坦度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す研磨パッド及びキャリアの平面図である。
【図2】図1中のA−A線矢示図である。
【図3】図1中のB−B線矢示図である。
【図4】(a)及び(b)はドレッシング後の研磨パッドの径方向の厚み分布及びウエーハが受ける径方向の面圧分布を従来例及び本発明例について示したグラフである。
【図5】(a)及び(b)は研磨後のウエーハの表面の平坦度を従来例及び本発明例について示したもので、静電容量式平坦度測定器にて測定した鳥瞰図である。
【符号の説明】
1a,1b 研磨パッド
2 インナーギヤ
3 アウターギヤ
4a,4b 溝部
5 キャリア
6 半導体ウエーハ
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下の回転定盤間でキャリアを用いて半導体ウエーハの両面を同時に研磨する半導体ウエーハの研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの高集積化が急速に進み、その素材である半導体ウエーハに要求される平坦度は非常に厳しくなっている。一方、半導体デバイスの製造コスト低減の観点からは、半導体ウエーハの大径化が進められている。このため、半導体ウエーハの平坦度の向上は一層困難なものになっている。このような事情から、半導体ウエーハの加工プロセスにおいては、エッチング後に研削工程を導入したプロセスが提案され、研削に続く鏡面研磨工程においては、従来の片面研磨よりも高い平坦度が得られる両面研磨方式が注目されている。
【0003】
半導体ウエーハの両面研磨装置としては、通常、遊星歯車方式のものが使用される。この両面研磨装置は、上下一対の回転定盤と、回転定盤間の回転中心部に設けられた太陽歯車と呼ばれるインナーギヤと、回転定盤間の外周部に設けられた環状の内歯歯車からなるアウターギヤとを備えている。上側の回転定盤は昇降可能で、加圧用を兼ねるシリンダーにより昇降駆動され、その回転方向は下側の回転定盤の回転方向と反対である。上下の回転定盤の対向面には、それぞれ研磨パッドが装着されている。
【0004】
研磨作業では、上側の回転定盤を上昇させた状態で、下側の回転定盤上の回転中心回りに複数のキャリアをセットすると共に、各キャリアに半導体ウエーハをセットする。遊星歯車である複数のキャリアは、インナーギヤ及びアウターギヤに噛み合っており、その中心から偏心した位置にホールと呼ばれるウエーハ収容孔を有している。
【0005】
キャリア及び半導体ウエーハのセットが終わると、上側の回転定盤をゆっくり下降させ、複数の半導体ウエーハを上下の回転定盤間に上下の研磨パッドを介して所定圧力で挟む。この状態で、回転定盤間に研磨液を供給しながら回転定盤、インナーギヤ及びアウターギヤを回転させる。これにより、複数のキャリアは逆方向に回転する上下の研磨パッドの間で自転しつつインナーギヤの回りを公転する。こうして、複数の半導体ウエーハの両面が同時に研磨される。
【0006】
上下の研磨パッドとしては、例えば硬質ポリウレタン系、ウレタン樹脂を含浸硬化させた不織布、硬質ゴムなどの硬質パッドが使用される。硬質パッドは、パッド表面の平坦度を上げるためのドレッシング作業を受ける。上下の研磨パッドの対向面には、研磨液を供給するための凹部として例えば溝部が碁盤目状に設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような半導体ウエーハの両面研磨における問題点の一つとして、研磨装置の構造に起因する定盤径方向における不均一荷重や、定盤の周速度が半径方向で相違することなどによるウエーハの平坦度の低下がある。
【0008】
即ち、上側の回転定盤を下側の回転定盤に押し付ける押圧構造として、通常は上側の回転定盤の中心部を支持して昇降させる中心加圧が採用される。中心加圧によると、定盤半径方向における荷重分布が外周部から内周部にかけて漸増する傾向となる。この傾向は、回転定盤の直径が大きくなるほど顕著となり、その結果、12インチウエーハを加工する大型装置では、外周部から内周部にかけて荷重分布が急増することになり、これによりウエーハの外周ダレが顕著になり、そのウエーハの平坦度が低下することになる。
【0009】
この問題を解決するために、定盤押圧荷重の絶対値を低減することにより、定盤半径方向における荷重分布を均一化することが考えられている。しかしながら、このような対策を講じてもなおウエーハの外周ダレを避け得ないのが実情である。
【0010】
本発明の目的は、ウエーハの平坦度低下、特にウエーハの外周ダレに起因する平坦度低下を抑制できる半導体ウエーハ研磨方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは硬質パッドのドレッシング操作に注目した。硬質パッドのドレッシング操作では、研磨パッドにダイヤモンドなどの硬質粒子を樹脂や電解メッキなどにより固着した円板を、キャリアに代えて上下の回転定盤間にセットして研磨操作を行うことにより、上下の研磨パッドの表面を研削する。この作業を研磨パッドの新品交換時に行うことにより、パッド表面を平坦化する。また、所定回数の研磨作業毎に行うことにより、パッド表面に発生した変形を除去し、そのパッド表面を平坦化すると共に、そのパッド表面に蓄積した異物を除去する。
【0012】
研磨パットの表面には、前述したとおり、研磨液を供給するための凹部として例えば溝部が碁盤目状に設けられている。この溝部は、基本的に表面全体に等ピッチで形成されており、その密度は均一である。溝部の密度が均一な研磨パッドにドレッシングを行うと、研磨パッドの表面が均一に研削される。ところが、この溝部の密度を内周部で高くした研磨パッドに対してドレッシングを行うと、内周部でドレッサーとの接触面積が小さくなり、ドレッサーによる研削が顕著となる結果、研磨パッドの内周部が薄くなる。このような不均一厚の研磨パッドを使用して半導体ウエーハの研磨を行うと、ウエーハの外周ダレによるウエーハの平坦度低下が抑制されることが判明した。
【0013】
その理由は次のように考えられる。ウエーハの平坦度低下の大きな原因である外周ダレには、上下研磨パッドの外周部による過剰研磨が大きく影響している。
その対策も種々提案されているが、十分とは言えない。このような状況下で、本発明者らは上下研磨パッドの内周部に着目した。外周ダレを生じるウエーハの外周縁部は上下研磨パッドの外周部間だけでなく内周部間も通過しており、その外周ダレには上下研磨パッドの外周部による過剰研磨だけでなく、上下研磨パッドの内周部による研磨も少なからず影響している。このため、研磨パッドの内周部を薄くすると、仮に外周部による研磨レートが変わらなくても、内周部による研磨レートが大幅に低下し、内周部による研磨が実質的に停止することにより、その分、研磨パッドの外周部による過剰研磨がキャンセルされ、ウエーハの外周ダレが抑制される。そして、これに加え、外周部による研磨レートを低下させるならば、ウエーハの外周ダレが一層効果的に抑制される。
【0014】
なお、研磨パットの表面に設けられた凹部の密度分布を変化させることは特開平11−285963号公報及び特開2001−1255号公報に記載されているが、凹部の密度分布を変化させる目的は、前者においてはウエーハ又はキャリアの安定な自転を保証することであり、また後者においては研磨パッドの外周部における研磨剤の保持量を少なくすることにより、ウエーハ外周部の研磨レートを低下させることであり、上述したようなドレッシングでの研磨パッドの偏厚化を意図したものではない。
【0015】
本発明の半導体ウエーハの研磨方法は、上記知見に基づいて開発されたものであり、研磨すべき半導体ウエーハを上下の回転定盤間でキャリアにより保持し、回転定盤の対向面に装着された研磨パッド間でキャリアを自転させることにより、前記半導体ウエーハの両面を同時に研磨する半導体ウエーハ研磨方法において、前記研磨パッドとして硬質パッドを使用すると共に、その研磨パッドの表面に所定間隔で設けられる凹部をパッド内周部で高密度とし、研磨作業に先立つドレッシングにより前記研磨パッドを内周部で薄くして、前記研磨作業を行うものである。
【0016】
研磨パッドの表面に所定間隔で設けられる凹部を内周部で高密度とすることにより、ドレッシングでは、この部分の単位面積当たりの接触面が狭くなることにより、表面の研削が進行し、厚みが薄くなる。その結果、ドレッシングに続く研磨では、内周部で面圧が低下する。これにより、ウエーハの外周ダレが抑制され、これに起因するウエーハの平坦度低下が抑制されることは、前述したとおりである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す研磨パッド及びキャリアの平面図、図2は図1中のA−A線矢示図、図3は図1中のB−B線矢示図である。
【0018】
本実施形態の半導体ウエーハ研磨装置では、遊星歯車方式の両面研磨装置が使用される。この両面研磨装置は、対向面に研磨パッド1a,1bが装着された上下一対の回転定盤と、回転定盤間の回転中心部に設けられたインナーギヤ2と、回転定盤間の外周部に設けられた環状の内歯歯車からなるアウターギヤ3とを備えている。
【0019】
この両面研磨装置は又、中心加圧構造である。上側の回転定盤は中心部をシリンダーを介して懸吊されており、そのシリンダーにより昇降駆動される。上側の回転定盤の回転方向は下側の回転定盤の回転方向と反対である。
【0020】
研磨作業では、上側の回転定盤を上昇させた状態で、下側の回転定盤上の回転中心回りに複数のキャリア5をセットすると共に、各キャリア5に半導体ウエーハ6をセットする。各キャリア5は遊星歯車であり、内側のインナーギヤ2及び外側のアウターギヤ3にそれぞれ噛み合っている。各キャリア5の中心から偏心した位置、ここでは中心回りに複数のウエーハ収容孔7が設けられている。
【0021】
ここで、研磨パッド1a,1bは、硬質ポリウレタン系、ウレタン樹脂を含浸硬化させた不織布、硬質ゴムなどからなる環状の硬質パッドである。研磨パッド1a,1bの対向面には、研磨液を供給するための凹部として溝部4a,4bが碁盤目状に設けられている。
【0022】
溝部4a,4bは、研磨パッド1a,1bの内周部を除き所定のピッチPa,Pbで設けられている。研磨パッド1a,1bの内周部では、溝部4a,4bのピッチPa′,Pb′は他の部分より小さく設定されている。一方、研磨パッド1a,1bの外周部では、特定の溝部4a′,4b′の溝幅が他の溝部4a,4bの溝幅より大きく設定されており、より具体的には、半導体ウエーハ6が回転定盤の最外周部に位置したときにそのウエーハ6の外周部が通過する部分の1又は複数の溝部4a′,4b′でその溝幅W′が他の溝部4a,4bの溝幅Wより大きくされている。
【0023】
キャリア5及び半導体ウエーハ6のセットが終わると、上側の回転定盤をゆっくり下降させ、複数の半導体ウエーハ6を上下の回転定盤間に上下の研磨パッド1a,1bを介して所定圧力で挟む。この状態で、回転定盤の中心部より回転定盤間に研磨液を供給しながら回転定盤、インナーギヤ2及びアウターギヤ3を回転させる。これにより、複数のキャリア5は、逆方向に回転する上下の研磨パッドの間で自転しつつインナーギヤ2の回りを公転する。こうして、複数の半導体ウエーハ6の両面が同時に研磨される。
【0024】
このような研磨作業を所定回数行うごとに、研磨パッド1a,1bにドレッシングが実施される。また、研磨パッド1a,1bの消耗が進むと、その研磨パッド1a,1bのものに交換され、その交換後にも研磨パッド1a,1bにドレッシングが実施される。
【0025】
各ドレッシングでは、研磨パッドにダイヤモンドなどの硬質粒子を樹脂で固着したドレッサーと呼ばれる円板を、キャリア5に代えて上下の回転定盤間にセットして研磨操作を行うことにより、上下の研磨パッド1a,1bの表面を研削する。このとき、研磨パッド1a,1bの内周部では、溝部4a,4bのピッチPa′,Pb′が他の部分のピッチPa,Pbより小さくされている。つまり、研磨パッド1a,1bの内周部では、溝部4a,4bが密に形成されている。このため、ドレッサーに接触する部分の単位面積当たりの広さは、他の部分より狭い。その結果、ドレッシングでは、研磨パッド1a,1bの内周部の研削が他の部分の研削より顕著となり、その内周部の厚みが薄くなる。
【0026】
一方、ドレッシングに続く研磨作業では、研磨パッド1a,1bの内周部の厚みが他の部分の厚みより小さくなっているため、研磨パッド1a,1bから半導体ウエーハ6が受ける面圧が定盤内周部で低下する。その結果、定盤内周部で研磨レートが低下し、半導体ウエーハ6の外周ダレが緩和されることにより、そのウエーハの平坦度が向上する。
【0027】
研磨作業では又、冷却されたスラリー状の研磨液が回転定盤の中心部より回転定盤間に供給される。回転定盤の内周部では、研磨パッド1a,1bの溝部4a,4bのピッチPa′,Pb′が他の部分のピッチPa,Pbより小さく、溝容量が大きい。従って、これによっても定盤内周部の研磨レートが低下し、半導体ウエーハ6の外周ダレが一層緩和される傾向となる。
【0028】
これに加え、回転定盤の外周部では、半導体ウエーハ6が回転定盤の最外周部に位置したときにそのウエーハ6の外周部が通過する部分の溝部4a′,4b′の溝幅W′が他の溝部4a,4bの溝幅Wより大きく設定されている。これにより、半導体ウエーハ6が回転定盤の最外周部に位置したとき、そのウエーハ6の外周部は研磨パッド1a,1bに直接当接しない。これによっても、半導体ウエーハ6の外周ダレが緩和され、そのウエーハの平坦度が向上する。
【0029】
研磨パッド1a,1bの内周部における溝部4a,4bのピッチPa′,Pb′は他の部分のピッチPa,Pbの20〜50%が好ましい。ピッチPa,Pbに比べてピッチPa′,Pb′が小さすぎるとパッド内周部が薄くなり過ぎてウエーハ外周が逆に反り立つ。一方、大きすぎる場合はドレッシングでのパッド内周部の薄厚化が進まず、半導体ウエーハ6の外周ダレが十分に緩和されない。また、溝ピッチを小さくする領域はウエーハ外周部が通過する領域によって決定される。パッド内周部であってもウエーハ外周部が通過しない部分で溝ピッチを小さくしても無意味である。この観点から、溝ピッチを小さくする領域は、半導体ウエーハ6の外周縁から3mm以上、ウエーハ直径の25%以下の部分が通過するパッド内周部とするのが好ましい。この領域が狭すぎると、半導体ウエーハ6の外周ダレが十分に緩和されず、広すぎる場合はウエーハ全体の形状が凸化してしまう。
【0030】
回転定盤の外周部に位置する溝部4a′,4b′の溝幅W′は他の溝部4a,4bの溝幅Wの2〜10倍が好ましい。溝幅W′が溝幅Wの2倍未満の場合は半導体ウエーハ6の外周ダレを緩和する効果が小さい。10倍超の場合は溝部4a′,4b′を通過する時間増により外周の反り立ちやウエーハ外周部の段差が発生する。
【0031】
【実施例】
次に、本発明の実施例を示し、従来例と対比することにより、本発明の効果を明らかにする。
【0032】
上述した遊星歯車方式の中心加圧型両面研磨装置において、キャリア5枚を用いて、外径が200mmのシリコンウエーハを15枚同時に両面研磨する際に、溝密度が表面全体で均一な通常の研磨パッドと、溝密度を内周部で変えた改良型パッドとを用いた。
【0033】
いずれの研磨パッドも発泡ウレタンからなる硬質パッド(ローデス製LP−57/外径1360mm、内径440mm、厚み100μm)であり、使用面に碁盤目状の溝部を有している。溝ピッチは、通常パッドでは上側20mm(一定)、下側30mm(一定)である。改良型パッドにおける溝ピッチは、内縁から幅30mmの内周部を除く部分では通常パッドと同じ上側20mm、下側30mmであり、内周部では上側、下側ともに7mmである。溝幅は全ての溝部で2mmである。改良パッドの内縁から幅30mmの領域は、シリコンウエーハの外周縁から20mm(ウエーハ直径の10%)の部分が通過する箇所である。
【0034】
研磨液としてはpH10.5程度のアルカリエッチング液に研磨砥粒としてコロイダルシリカ粒子(BET粒子径約30nm)を添加したものを使用した。定盤加圧力は約1400kgである。
【0035】
研磨パッドの使用前にはドレッシングを行った。このドレッシングには、ダイヤモンド粒子含有の樹脂をキャリアと同寸法の円板に加工したドレッサーを、キャリアに代えて使用した。
【0036】
通常パッドを使用した従来例及び改良型パッドを使用した本発明例のそれぞれにおいて、ドレッシング後の研磨パッドの径方向の厚み分布及びウエーハが受ける径方向の面圧分布を図4(a)(b)に示す。また、従来例及び本発明例における研磨後のウエーハの平坦度を図5(a)(b)に静電容量式平坦度測定器にて測定した鳥瞰図により示す。パッド厚及び面圧は何れも指数で表している。指数とは、パット厚ではパッド厚の初期値を100、面圧では理想ワーク面圧を100としたときの値である。
【0037】
通常パッドを使用した従来例では、ドレッシング後も研磨パッドの内周部の厚みは他の部分と大差なく、径方向全域で均一である。ウエーハが受ける面圧は半径方向でほぼ均一であるが、研磨後のウエーハの平坦度は、顕著な外周ダレのため、TTVで0.5μmであった。面圧分布が均一であるにもかかわらず顕著な外周ダレが生じるのは、研磨パッドの外周部で高い研磨レートが原因である。
【0038】
これに対し、改良型パッドを使用した本発明例では、ドレッシング後の研磨パッドの厚みは内周部で薄くなり、ウエーハが受ける面圧は内周部、特に最内周部で下がる分布となる。その結果、研磨後のウエーハの平坦度は、外周ダレの顕著な緩和により、TTVで0.2μmになった。内周部での積極的な面圧低下が外周ダレの緩和に有効なのは、前述したとおり、内周部での研磨レートが極端に低下し、その分、外周部での研磨がキャンセルされるからである。
【0039】
両面研磨装置は、上述の実施形態では遊星歯車方式とし、キャリアを自転させながらインナーギヤの回りを公転させたが、キャリアを定位置で自転させ、キャリアの公転を伴わない方式でもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明の半導体ウエーハの研磨方法は、研磨すべき半導体ウエーハを上下の回転定盤間でキャリアにより保持し、回転定盤の対向面に装着された研磨パッド間でキャリアを自転させることにより、前記半導体ウエーハの両面を同時に研磨する半導体ウエーハ研磨方法において、前記研磨パッドとして硬質パッドを使用すると共に、その研磨パッドの表面に所定間隔で設けられる凹部をパッド内周部で高密度とし、研磨作業に先立つドレッシングにより前記研磨パッドを内周部で薄くして、前記研磨作業を行うことにより、定盤内周部でウエーハ面圧が減少し、研磨レートが低下することにより、ウエーハの外周ダレを緩和でき、その平坦度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す研磨パッド及びキャリアの平面図である。
【図2】図1中のA−A線矢示図である。
【図3】図1中のB−B線矢示図である。
【図4】(a)及び(b)はドレッシング後の研磨パッドの径方向の厚み分布及びウエーハが受ける径方向の面圧分布を従来例及び本発明例について示したグラフである。
【図5】(a)及び(b)は研磨後のウエーハの表面の平坦度を従来例及び本発明例について示したもので、静電容量式平坦度測定器にて測定した鳥瞰図である。
【符号の説明】
1a,1b 研磨パッド
2 インナーギヤ
3 アウターギヤ
4a,4b 溝部
5 キャリア
6 半導体ウエーハ
Claims (2)
- 研磨すべき半導体ウエーハを上下の回転定盤間でキャリアにより保持し、回転定盤の対向面に装着された研磨パッド間でキャリアを自転させることにより、前記半導体ウエーハの両面を同時に研磨する半導体ウエーハの研磨方法において、前記研磨パッドとして硬質パッドを使用すると共に、その研磨パッドの表面に所定間隔で設けられる凹部をパッド内周部で高密度とし、研磨作業に先立つドレッシングにより前記研磨パッドを内周部で薄くして、前記研磨作業を行うことを特徴とする半導体ウエーハの研磨方法。
- 前記凹部を高密度とする領域が、前記半導体ウエーハの外周縁から3mm以上、ウエーハ直径の25%以下の部分が通過するパッド内周部で領域である請求項1に記載の半導体ウエーハの研磨方法。
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KR100914540B1 (ko) * | 2006-07-13 | 2009-09-02 | 실트로닉 아게 | 복수의 반도체 웨이퍼의 동시 양면 연삭 방법과 현저한평탄성을 갖는 반도체 웨이퍼 |
US9403257B2 (en) | 2013-08-30 | 2016-08-02 | Sumco Corporation | Apparatus and method for double-side polishing of work |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002204268A patent/JP2004047801A/ja active Pending
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