JP2004047520A - 洗浄装置、この洗浄装置を用いた研磨装置、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法及びこの方法により製造される半導体デバイス - Google Patents

洗浄装置、この洗浄装置を用いた研磨装置、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法及びこの方法により製造される半導体デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2004047520A
JP2004047520A JP2002199399A JP2002199399A JP2004047520A JP 2004047520 A JP2004047520 A JP 2004047520A JP 2002199399 A JP2002199399 A JP 2002199399A JP 2002199399 A JP2002199399 A JP 2002199399A JP 2004047520 A JP2004047520 A JP 2004047520A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
wafer
cleaned
polishing
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002199399A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidemi Ono
小野 秀美
Eiichi Yamamoto
山本 栄一
Chiyuuran Ryu
劉 仲蘭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2002199399A priority Critical patent/JP2004047520A/ja
Publication of JP2004047520A publication Critical patent/JP2004047520A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】ウエット洗浄において、効率よく、かつ確実に微小パーティクルを除去し得る洗浄装置を提供する。
【解決手段】容器31に蓄えられた洗浄液内に被洗浄面の法線方向が水平方向となるように被洗浄物(半導体ウエハW)を保持して被洗浄面の洗浄を行う洗浄装置において、容器31に蓄えられた洗浄液に超音波を与える超音波発生装置60と、この超音波発生装置60により超音波が与えられた状態の洗浄液内に被洗浄物を保持するとともに、被洗浄物の少なくとも一部が洗浄液の液面よりも上方に突出する状態で被洗浄物を洗浄液内で移動させる被洗浄物保持移動手段である第1及び第2のチャックローラ43,44を備えた下部保持具40、第3のチャックローラ53を備えた上部保持具50、これら上下両保持具40を移動させる保持具上下動機構45及びチャックローラ回転機構55とを備える。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被洗浄物を薬液内に浸してその表面を洗浄するウエット型の洗浄装置に関する。また、本発明は、このような洗浄装置を組み込んで構成される研磨装置に関する。更に本発明は、このような研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法及びこの方法により製造される半導体デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハに代表されるICデバイス、液晶基板、プリント基板等の精密部品の製造では、表面に付着した微小パーティクルが高性能・高歩留まりを阻害する原因となり得る。このためICデバイスの製造ラインであるクリーンルーム等は非常に清浄な環境下に置かれるが、各工程において発生するパーティクルを完全に除去することはできず、各工程間、特に研磨工程後には多くの場合デバイスの表面を洗浄・乾燥する洗浄・乾燥工程が設けられている。
【0003】
洗浄には種々の方法が知られており、被洗浄面をブラシスクラバーと呼ばれるスポンジブラシで機械的に擦り取るブラシ洗浄のほか、被洗浄物を酸やアルカリの薬液に浸漬して行うウエット洗浄が知られている。また、プラズマガス(プラズマジェット)を被洗浄面に吹き付けて行うドライ洗浄や、被洗浄面に超音波を与えたガスを吹き付けるジェット式メガソニック洗浄なども用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の洗浄方法においては次のような問題点が指摘されていた。先ず、ブラシ洗浄では被洗浄物の表面が疎水性である場合にはブラシローディング(ブラシ内に溜まったごみがウエハに転写される現象)が生じるほか、ブラシによりウエハ表面が傷つけられてしまう場合があった。また、ブラシの先が届かない段差部に付着したパーティクルは除去できない場合があった。更に、非常に柔らかくて傷付き易い低誘電率膜やリソグラフィ工程において焼き付けた回路パターンがある場合にはこれらにダメージを与える虞もあり、ブラシの材質によっては使用できない薬液があるという不都合もあった。一方、ドライ洗浄やジェット式メガソニック洗浄ではブラシ洗浄のように直接ウエハ表面に接触して傷付ける虞はないものの、高圧のガスをウエハ表面に吹き付けるために低誘電率膜や回路パターンを傷つける虞が全くないというわけではなかった。また、ガスの吹きつけではパーティクルの除去性能がやや劣るという欠点もあった。
【0005】
その点、薬液に浸して行うウエット洗浄は上記のように被洗浄面を傷つける虞は少なく、本発明ではこのようなウエット洗浄において、効率よく、かつ確実に微小パーティクルを除去し得る洗浄装置を提供することを目的としている。また、本発明では、このような洗浄装置を組み込んだ研磨装置及びこの研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法、更にはこの半導体デバイス製造方法により製造される半導体デバイスを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明に係る洗浄装置は、容器に蓄えられた洗浄液内に被洗浄面の法線方向が水平方向となるように被洗浄物(例えば、実施形態における半導体ウエハW)を保持して被洗浄面の洗浄を行う洗浄装置において、容器に蓄えられた洗浄液に超音波を与える超音波発生手段(例えば、実施形態における超音波発生装置60)と、超音波発生手段により超音波が与えられた状態の洗浄液内に被洗浄物を保持するとともに、被洗浄物の少なくとも一部が洗浄液の液面よりも上方に突出する状態で被洗浄物を洗浄液内で移動させる被洗浄物保持移動手段とを備える。
【0007】
本発明に係る洗浄装置は、液体に超音波が与えられるとその液体の持つ洗浄力が高められること、及び超音波が与えられた液体ではその液面付近において超音波の密度が他の部分よりも高くなり、液面付近での洗浄力は極めて高いものとなること、更に、被洗浄物を洗浄液内で移動させて被洗浄面と洗浄液との間に相対移動変化を与えると洗浄力が向上することを利用したものである。従って本発明に係る洗浄装置では、容器内の洗浄液に超音波を与えて洗浄液が高い洗浄力を発揮し得る状態とした上で、この洗浄液内で被洗浄物を移動させる構成を採っている。そしてこの移動が、被洗浄物を洗浄液に水没させて行われるのではなく、被洗浄物の少なくとも一部が洗浄液の液面よりも上方に突出する状態を保持しつつ行われるように構成されている。本発明に係る洗浄装置はこのような構成を有しているため非常に高い洗浄力が発揮され、効率よく、かつ確実に被洗浄物に付着した微小パーティクルを除去し得るものとなっている。なお、上記洗浄液内で行う被洗浄物の移動は被洗浄面に平行な面内での往復移動若しくは回転移動若しくはこれら往復移動及び回転移動の組み合わせであることが好ましい。
【0008】
また、上記本発明に係る洗浄装置において、被洗浄物が円盤状である場合には、上記被洗浄物保持手段は、被洗浄物の中心よりも下方に位置し、かつ被洗浄物の中心を挟んで位置する被洗浄物の外周上の2点を支持する2つのローラ部材(例えば、実施形態における第1及び第2のチャックローラ43,44)を備えた下部保持具と、被洗浄物の中心よりも上方に位置する被洗浄物の外周上の1点を支持する1つのローラ部材(例えば、実施形態における第3のチャックローラ53)を備えた上部保持具と、これら上下両保持具を移動させる保持具移動機構(例えば、実施形態における保持具上下動機構45及びチャックローラ回転機構55)とからなっていることが好ましい。このような構成であれば、円盤状の被洗浄物を簡単な構成で確実に保持することができる。そして、これら3つのローラ部材のうち少なくとも一つを回転させることにより被洗浄物を自身の中心まわりに回転移動させるようにしていることが好ましい。このような構成であれば、被洗浄物の洗浄液内での回転移動が大変容易になる。
【0009】
また、本発明に係る研磨装置は、平板状の被研磨物の表面を研磨する研磨手段(例えば、実施形態における粗研磨用研磨工具2a、中研磨用研磨工具2b及び仕上げ研磨用研磨工具2c)と、この研磨手段において研磨された被研磨物を被洗浄物として洗浄する上記本発明に係る洗浄装置とを備えて構成されるものである。このような構成の研磨装置では、上記効果を有する本発明に係る洗浄装置を備えているため、研磨工程後に行う被研磨物(被洗浄物)の洗浄を高性能に行うことができる。
【0010】
また、本発明に係る半導体デバイス製造方法は、上記本発明に係る研磨装置を用いて被研磨物を研磨し、この被研磨物を被洗浄物として洗浄する工程を有する。このような半導体デバイスの製造方法では、研磨工程後に行う洗浄工程において上記本発明に係る洗浄装置が用いられるため、歩留まりが向上する。更に、本発明に係る半導体デバイス(例えば、実施形態における半導体ウエハW)は、上記本発明に係る半導体デバイス製造方法により製造される。このように製造された半導体デバイスは高歩留まりで製造されるので、低コストの半導体デバイスとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本実施形態では、本発明に係る洗浄装置が半導体ウエハの研磨装置の一例として知られるCMP(Chemical Mechanical Polishing)装置(化学的機械的研磨装置)に組み込まれている場合を例にして説明する。従って本実施形態では被洗浄物は半導体ウエハである。
【0012】
図1は本発明に係る洗浄装置が組み込まれたCMP装置1の部分斜視図であり、図2はこのCMP装置1における一部を拡大して示す図である。このCMP装置1は研磨工具移送機構7により支持されて上下方向に延びた3つの回転軸3の下端部それぞれに粗研磨用研磨工具2a、中研磨用研磨工具2b、仕上げ研磨用研磨工具2cを有しており、インデックステーブル12により所定位置に運ばれてきた被研磨物である半導体ウエハ(以下、「ウエハ」と略す)Wの表面(上面)を各研磨工具に要求された精度で研磨する構成となっている。各研磨工具2a,2b,2cの下部にはパッド保持具を介して研磨パッドが接着取り付けされており、各研磨工具2a,2b,2cの回転軸3は研磨工具移送機構7内に設けられた図示しない3つのモータによりそれぞれ回転駆動されるようになっている。
【0013】
粗研磨用研磨工具2aは研磨対象となるウエハWの表面を部分的に研磨し、表面の膜厚凹凸を修正して平坦化するものであり、ウエハWに対して十分に小さい大きさの径を有している。一方、中研磨用研磨工具2b及び仕上げ研磨用研磨工具2cは、粗研磨用研磨工具2aにより表面膜厚凹凸が修正されて平坦化されたウエハWの表面を更に均一に研磨するものであり、ウエハW表面の全面若しくはほぼ全面を覆う大きさの径を有している。
【0014】
CMP装置1内にはパッドコンディショニング機構5が設けられており、ここで各研磨工具2a,2b,2cの研磨パッドのドレッシングが行われる。パッドコンディショニング機構5にはドレッシングディスク5a、洗浄液噴射ノズル5b及び回転可能な洗浄ブラシ6が図示のように配設されている。
【0015】
研磨工具移送機構7は図2に示すように、水平なX方向に直線状に延びて形成されたレール7aと、このレール7aと平行にX方向に延びて設けられた送りねじ7bと、この送りねじ7bに螺着されてレール7aによりスライド移動自在に支持された移動体7cとを有して構成されており、上記3つの回転軸3はこの移動体7cに取り付けられている。送りねじ7bは歯車7d,7eを介してモータ7fにより回転駆動されるようになっており、これにより移動体7cをX方向に移動させることができる。また、移動体7cの内部には図示しない昇降機構が設けられており、この昇降機構により上記3つの研磨工具2a,2b,2cを上下方向(Z方向)に昇降移動させることができるようになっている。各研磨工具2a,2b,2cはそれぞれ独立してX,Z方向に移動させることができるが、粗研磨用研磨工具2aは特に、X,Z方向に直角なY方向にも移動させることができるようになっている。
【0016】
CMP装置1には更に、被研磨物であるウエハWを複数枚上下方向に収納可能な収納カセット9が設けられており、この収納カセット9の近傍位置には、収納カセット9内に収納された未研磨状態のウエハWをインデックステーブル12上に搬送し、或いは研磨が終了したウエハWをインデックステーブル12よりベルトコンベア16上に搬送する搬送用ロボット10が設けられている。なお、搬送用ロボット10は収容カセット9より搬出したウエハWを直接インデックステーブル12に載置するのではなく、収納カセット9の近傍位置に設けられたウエハ仮置台11上に一旦載置する。
【0017】
インデックステーブル12は図示しない上下軸まわりに水平面内で回転させることができ、この上下軸を中心とした同一円周上には自転可能な4基のウエハチャック機構20が等間隔に配設されている。4基のウエハチャック機構20は4つの作業ゾーン、すなわち収納カセット9より搬出されてウエハ仮置台11上に載置されたウエハWが載置されるウエハローディング・アンド・アンローディングゾーンZ1、ウエハローディング・アンド・アンローディングゾーンZ1より時計まわり方向に90度回転させた位置である粗研磨ゾーンZ2、この粗研磨ゾーンZ2より時計まわり方向に90度回転させた位置である中研磨ゾーンZ3、この中研磨ゾーンZ3より時計まわり方向に90度回転させた位置である仕上げ研磨ゾーンZ4の間を順番に移動させることができるようになっており、粗研磨ゾーンZ2、中研磨ゾーンZ3及び仕上げ研磨ゾーンZ4それぞれの上方には、粗研磨用研磨工具2a、中研磨用研磨工具2b、仕上げ研磨用研磨工具2cが位置するようになっている。また、ウエハローディング・アンド・アンローディングゾーンZ1の上方位置には、各ウエハチャック機構20をドレッシング洗浄するチャックドレッサ14a及びチャック洗浄機構14bが設けられている。
【0018】
研磨後のウエハWが搬出されるベルトコンベア16の進行方向(図1においては図の右方)には洗浄・乾燥装置が設けられている。洗浄・乾燥装置は図3に示すように、洗浄工程を担当する第1〜第6洗浄装置30a,30b,30c,30d,30e,30fと、乾燥工程を担当する1つの乾燥装置70とがこの順に整列した構成を有しており、これら装置の側方位置にはこれら装置の延びる方向に敷設されたレール80上を移動可能なウエハ出入用ロボット81が設けられている。第1〜第6洗浄装置は研磨が終了してベルトコンベア16により搬送されてきたウエハWを洗浄する洗浄工程を行う装置であり、乾燥装置は洗浄工程が終了したウエハWに付着した水分を乾燥させる乾燥工程を行う装置である。ウエハ出入用ロボット81は端部にウエハ把持部83が設けられた多関節アーム82を備えており、研磨工程を終えてベルトコンベア16により運ばれてきたウエハWを把持してこれを洗浄・乾燥装置に設置し、或いは洗浄・乾燥装置において洗浄・乾燥工程が終了したウエハWをCMP装置1の外部に運び出す作業を行うことができる。また、このロボット81は、洗浄・乾燥装置を構成する各装置間におけるウエハWの出し入れも行うことができる。
【0019】
洗浄工程を担当する第1〜第6洗浄装置はそれぞれ分担した役割を有している。第1洗浄装置30aは研磨工程終了後のウエハWを洗浄液により親水化する装置であり、第2洗浄装置30bはこの親水化が終了したウエハWを純水によりリンスする装置である。第3洗浄装置30cはリンスが終了したウエハWをアルカリ系の洗浄液により洗浄する装置であり、第4洗浄装置30dはこの洗浄が終了したウエハWをリンスする装置である。第5洗浄装置30eはこのリンスが終了したウエハWを酸性系の液体により洗浄する装置であり、第6洗浄装置30fはこの洗浄が終了したウエハWをリンスする装置である。また、乾燥装置70は第6洗浄装置30fにおけるリンスが終了したウエハWを回転させて乾燥させる装置である。第1〜第6洗浄装置30a,30b,30c,30d,30e,30fは構成が同じ装置であり、以下、これを洗浄装置30と称してその構成について説明する。
【0020】
図4(A)は洗浄装置30の正面図であり、図4(B)は同洗浄装置30の側面図である。これらの図に示すように、洗浄装置30は、洗浄対象(被洗浄物)となるウエハWを直立させた状態、すなわち被洗浄面の法線方向が水平方向となる姿勢で被洗浄物を収容可能な形状及び大きさを有する直方体状の容器31と、この容器31の内部に設けられてウエハWを上記姿勢に保持する被洗浄物保持具(下部保持具40と上部保持具50)とを有しており、容器31の外方下部には超音波発生装置60(例えばメガソニックトランスデューサ)が設けられている。
【0021】
容器31の天井部には図示しない開口が設けられており、ここから被洗浄物であるウエハWが出し入れされる。容器31の下部には液体注入排出口32が設けられており、ここから容器31内に水や洗浄液(薬液)等の液体を注入し、或いは排出することができるようになっている。
【0022】
容器31の高さ方向ほぼ中央部、詳しくは容器31内に収容した状態のウエハWの中心Oが位置する高さよりもやや高い位置には、第1の液体排出口33が設けられている。この第1の液体排出口33は、後述するように、容器31内に収容したウエハWの中心Oが位置する辺りまで洗浄液を蓄えた状態でウエハWを上下方向等に移動させたときに、洗浄液の液面高さが上下しても常に所定高さ(ここでは第1の液体排出口33が位置する高さ)以下となるようにするためのものである。
【0023】
また、容器31の上部、詳しくは容器31内に収容した状態のウエハWの最上部よりもやや高い位置には第2の液体排出口34が設けられている。この第2の液体排出口34は、後述するように、洗浄液を容器31内に収容したウエハWが水没するまで蓄えた状態でウエハWを上下方向等に移動させたときに、洗浄液の液面高さが上下しても常に所定高さ(ここでは第2の液体排出口34が位置する高さ)以下となるようにするためのものである。なお、このとき第2の液体排出口34は開放状態にするが、第1の液体排出口33は閉止状態にしておく(栓をしておく)必要がある。
【0024】
下部保持具40は容器31の下部を上下方向に貫通して設けられた上下アーム41と、この上下アーム41の上端部に左右に延びて設けられた左右アーム42と、この左右アーム42の両端部に前後方向軸まわり回転自在に設けられた第1及び第2のチャックローラ43,44とから構成されている。ここで、これら第1及び第2のチャックローラ43,44は、これら両チャックローラ43,44の回転軸間距離mが被洗浄物であるウエハWの直径2Rよりも小さくなるように設けられている。
【0025】
上部保持具50は容器31の背面部を前後方向に貫通して設けられた揺動軸51と、この揺動軸51に下端部が取り付けられて上方に延びた揺動アーム52と、この揺動アーム52の上端部に前後方向軸まわり回転自在に設けられた第3のチャックローラ53とから構成されており、容器31内に収容されたウエハWは、その下部が下部保持具40の第1及び第2のチャックローラ43,44により支持されるとともに、その上部が第3のチャックローラ53に支持されて保持されるようになっている。ここで、揺動軸51は、容器31の正面視(図4(A)参照)において、容器31内に収容された状態のウエハWの中心Oを通る垂直線からの水平距離sがウエハWの半径Rよりも大きくなる位置に取り付けられているため、揺動アーム52をほぼ垂直姿勢になるように位置させておけば(図4(A)中に一点鎖線で示す上部保持具50参照)、ウエハWが容器31の上方より出し入れされる際にこれが邪魔になることがない。
【0026】
ウエハWを上下両保持具40,50により保持するには、先ず、容器31の上方に設けられた上記開口よりウエハWを容器31内に入れる(このウエハWを容器31内に入れる作業は前述のウエハ出入用ロボット81により行われる)。そして、ウエハWの下部(中心Oよりも下方に位置する部分)が下部保持具40の第1及び第2のチャックローラ43,44により支持されたら、上部保持具50の揺動アーム52を揺動させ、ウエハWの上部(中心Oよりも上方に位置する部分)が第3のチャックローラ53により支持されるようにする。上下両保持具40,50により保持されたウエハWは、その中心Oよりも下方に位置し、かつその中心Oを挟んで位置する外周上の2点が2つのチャックローラ(第1及び第2のチャックローラ43,44)により支持されるとともに、中心Oよりも上方に位置する外周上の1点が1つのチャックローラ(第3のチャックローラ53)により支持された状態となる。
【0027】
ここで、上部保持具50の揺動アーム52が取り付けられた揺動軸51は電動モータ等のアーム揺動機構54により揺動駆動されるようになっており、容器31内に入れられたウエハWが下部保持具40の第1及び第2のチャックローラ43,44に上方から当接したことが検知された(検知手段は図示せず)ときに揺動アーム52を垂直姿勢から揺動させ、第3のチャックローラ53がウエハWに当接したことが検知された(検知手段は図示せず)ときに揺動アーム52の揺動を停止するようにして、ウエハWの保持が自動で行われるようになっている。
【0028】
また、本洗浄装置30では、第3のチャックローラ53は電動モータ等のチャックローラ回転機構55によりその回転軸まわりに回転駆動されるようになっており、下部保持具40及び上部保持具50によりウエハWを保持した状態で第3のチャックローラ53を回転させることにより、ウエハWをその中心まわりに回転(自転)させることが可能である。また、下部保持具40の上下アーム41は電動モータ等の保持具上下動機構45により上下方向に往復作動させることができるようになっており、上下両保持具40,50により保持した状態のウエハWを容器31内で上下方向に往復移動させることが可能である。なお、下部保持具40が上下してもウエハWが上下両保持具40,50から脱落しないようにするためにはウエハWが上下方向に移動しても第3のチャックローラ53がウエハWの外周部から離脱しないようにする必要が生じるが、これは、アーム揺動機構54が下部保持具40の上下動に合わせて(連動して)揺動アーム52を揺動させる構成とすればよい。或いは、下部保持具40の上下動の際には揺動アーム52がフリーに揺動できるようにして、第3のチャックローラ53が自重によりウエハWの外周に接触する構成としてもよい。
【0029】
また、容器31の上部には、容器31内に保持されたウエハWに向かってリンス液(純水)を噴射供給するリンス液供給装置35が設けられている。このリンス液供給装置35は容器31の前面側と後面側とに一基ずつ設けられており、ウエハWの両面に同時にリンス液を供給することができる。
【0030】
次に、乾燥工程において用いられる乾燥装置70について説明する。図5(A)は乾燥装置70の正面図であり、図5(B)は同乾燥装置70の側面図である。これらの図に示すように、乾燥装置70は、乾燥対象(被乾燥物)となるウエハWを直立させた状態、すなわち被乾燥面が上下方向となる姿勢でウエハWを収容可能な形状及び大きさを有する直方体状の容器71と、この容器71の内部に設けられてウエハWを上記姿勢に保持するウエハ保持具72とを有している。
【0031】
容器71の天井部には図示しない開口が設けられており、ここから被乾燥物であるウエハWが出し入れされる。ウエハ保持具72は容器71の背面部を前後方向に貫通して設けられた回転軸73と、この回転軸73の容器71内側端部に取り付けられたハブ74と、このハブ74より上下面内で放射状に延びた複数(ここでは4本)のアーム75と、これらアーム75それぞれの端部より前方へ延びて設けられた延出部75aに設けられた複数(ここでは4つ)のウエハ把持部76とから構成されている。各ウエハ把持部76はアーム75の延出部75aと図示しないヒンジを介して連結されており、ウエハWを保持するロック位置とウエハWを開放する非ロック位置との間で揺動することが可能である(図5に示す位置はロック位置)。ここで、4つのウエハ把持部76は、隣接し合うもの同士の直線距離nが、被乾燥物であるウエハWの直径2Rよりも小さくなるように設けられている。
【0032】
ウエハ保持具72の回転軸73は電動モータ等のウエハ保持具回転機構77により回転駆動できるようになっている。上記4つのウエハ把持部76においてウエハWを保持した状態でウエハ保持具72の回転軸73を回転させるとウエハWはその中心まわりに回転(自転)し、ウエハWの表面上に付着した水分は遠心力により外方に振り飛ばされる。
【0033】
図6は上記のように構成されたCMP装置1を用いて行うウエハW表面の研磨加工手順をフローチャートにより示したものである。このフローチャートに示すように、本CMP装置1によるウエハWの表面研磨加工では、先ず始めに図示しない表面膜厚形状測定装置によりウエハWの表面形状を測定し、その測定結果データ(形状データ)を図示しないメモリに記憶保存する(ステップS1)。表面膜厚形状データが得られたウエハWは収納カセット9内に収納され、ウエハ搬送用ロボット10によりウエハ仮置台11に載せられる。そして、図示しない洗浄ブラシにより裏面が洗浄された後、搬送用ロボット10により搬送されてインデックステーブル12のローディング・アンド・アンローディングゾーンZ1に位置するウエハチャック機構20上に載置される(ステップS2)。
【0034】
ウエハWがローディング・アンド・アンローディングゾーンZ1に位置するウエハチャック機構20上に載置されたらインデックステーブル12を90度時計まわり方向に回転させる。これによりウエハWはウエハチャック機構20に保持されたまま粗研磨ゾーンZ2に移動する(ステップS3)。ウエハWが粗研磨ゾーンZ2に移動したら粗研磨用研磨工具2aを降下させ、その研磨パッドがウエハWの表面(被研磨面)に押し当てられるようにした上でウエハチャック機構20及び粗研磨用研磨工具2aを回転駆動し、被研磨面が研磨されるようにする。このようにして行われる粗研磨加工は、ステップS1においてメモリに記憶保存されたウエハWの形状データに基づき、ウエハW表面に接触させた状態の粗研磨用研磨工具2aをウエハW表面の面内方向(XY方向)に移動させて行う。この粗研磨加工では、径の小さな粗研磨用研磨工具2aの研磨パッドがウエハWの被研磨面上で移動するので、被研磨面上の凸部が多く研磨され、表面膜厚の凹凸形状がおおまかに平坦化修正される(ステップS4)。
【0035】
この粗研磨加工はウエハW表面の膜厚凹凸が修正された後、更に所定の研磨量が得られるまで行われる。所定の研磨量が得られたか否かは、粗研磨ゾーンZ2の領域近傍に設けられて被研磨面の研磨量を直接測定する図示しない研磨量測定器(終点検出器)により判断されるようになっており(ステップS5)、研磨量測定器により所定の研磨量が得られていないと判断されたときにはステップS4に戻って粗研磨加工を継続し(ステップS5におけるNO判断)、所定の研磨量が得られたと判断されたときには粗研磨加工を終了する(ステップS5におけるYES判断)。粗研磨加工が終了すると、ウエハWの表面は、図7に示すように、研磨前に凹凸が存在した第1表面形状WS(1)から凹凸が修正されて平坦化されるとともに所望の研磨量の研磨が行われ、第2表面形状WS(2)へと変化する。
【0036】
粗研磨加工が終了したらインデックステーブル12を90度時計まわり方向に回転させる。これによりウエハWは中研磨ゾーンZ3に移動する(ステップS6)。ウエハWが中研磨ゾーンZ3に移動したら中研磨用研磨工具2bを降下させ、その研磨パッドがウエハWの表面(被研磨面)に押し当てられるようにした上でウエハチャック機構20及び中研磨用研磨工具2bを回転駆動し、被研磨面が研磨されるようにする。このようにして行われる中研磨加工では、中研磨用研磨工具2bの研磨パッドが比較的大きな径を有しているため、ウエハW表面の全面がほぼ均一に研磨される(ステップS7)。
【0037】
この中研磨加工は被研磨面の研磨量が所定の量に至るまで行われる。所定の研磨量が得られたか否かは、中研磨ゾーンZ3の領域近傍に設けられた研磨量測定器(図示せず)により判断されるようになっており(ステップS8)、この研磨量測定器により所定の研磨量が得られていないと判断されたときにはステップS7に戻って中研磨加工を継続し(ステップS8におけるNO判断)、所定の研磨量が得られたと判断されたときには中研磨加工を終了する(ステップS8におけるYES判断)。中研磨加工が終了すると、ウエハWの表面は、図7に示すように、第2表面形状WS(2)から所定の研磨量だけ研磨された第3表面形状WS(3)へと変化する。
【0038】
中研磨加工が終了したら、続いてインデックステーブル12を90度時計まわり方向に回転させる。これによりウエハWはウエハチャック機構20に保持されたまま仕上げ研磨ゾーンZ4に移動する(ステップS9)。ウエハWが仕上げ研磨ゾーンZ4に移動したら仕上げ研磨用研磨工具2cを降下させ、その研磨パッドがウエハWの表面(被研磨面)に押し当てられるようにした上でウエハチャック機構20及び仕上げ研磨用研磨工具2cを回転駆動し、被研磨面が研磨されるようにする。このようにして行われる仕上げ研磨加工では、仕上げ研磨用研磨工具2cの研磨パッドが中研磨用研磨工具2bの研磨パッドと同様、比較的大きな径を有しているため、ウエハW表面の全面がほぼ均一に加工される(ステップS10)。
【0039】
この仕上げ研磨加工も被研磨面の研磨量が所定の量に至るまで行われる。所定の研磨量が得られたか否かは、仕上げ研磨ゾーンZ4の領域近傍に設けられた研磨量測定器(図示せず)により判断されるようになっており(ステップS11)、この研磨量測定器により所定の研磨量が得られていないと判断されたときにはステップS10に戻って仕上げ研磨加工を継続し(ステップS11におけるNO判断)、所定の研磨量が得られたと判断されたときには仕上げ研磨加工を終了する(ステップS11におけるYES判断)。仕上げ研磨加工が終了すると、ウエハWの表面は、図7に示すように、第3表面形状WS(3)から所定の研磨量だけ研磨された第4表面形状WS(4)へと変化する。
【0040】
仕上げ研磨加工が終了したら、インデックステーブル12を90度時計まわり方向に回転させる。これによりウエハWはウエハチャック保持機構20に保持されたまま、最初のローディング・アンド・アンローディングゾーンZ1に戻る(ステップS12)。ローディング・アンド・アンローディングゾーンZ1に戻ったウエハWはウエハ搬送用ロボット10によりベルトコンベア16上に移動され、次工程である洗浄・乾燥工程へ回される(ステップS13)。これによりウエハWの研磨工程は終了する。
【0041】
次に、図8を用いてCMP装置1に備えられた洗浄・乾燥装置を用いて行うウエハWの洗浄・乾燥工程について説明する。ウエハWの洗浄・乾燥工程では、先ず、ベルトコンベア16により搬送されてきた研磨工程終了後のウエハWを上述のウエハ出入用ロボット81により把持・運搬させて、第1洗浄装置30a内に設置させる。すなわちロボット81によりウエハWを第1洗浄装置30aの上方よりその容器31内へ差し入れて、これが上下両保持具40,50により保持されるようにする(洗浄・乾燥装置へのロード工程。図8(A)参照)。
【0042】
ウエハWが第1洗浄装置30a内に設置されたら、容器31の下部に設けられた液体注入排出口32よりウエハWを親水化するための洗浄液(例えば界面活性剤が添加された水)を注入する。ここで上記洗浄液は、その液面が容器31内に設置されたウエハWの中心O位置近傍高さに至るまで注入する(図4(A)に示す液面高さL1参照)。なお、ここでは第1の液体排出口33は開放状態(栓をしていない状態)にしておく。
【0043】
洗浄液を上記所定の液面高さになるまで注入したら、超音波発生装置60を作動させて容器31内に蓄えられた洗浄液に超音波を与える。そして、チャックローラ回転機構55を作動させて第3のチャックローラ53を回転させつつ(回転数は10〜30rpm程度)、保持具上下動機構45を作動させて下部保持具40を上下方向に往復移動させる。これによりウエハWは上下両保持具40,50に保持された状態を保ちつつ、超音波が与えられた状態の洗浄液内を移動(被洗浄面に平行な面内での上下往復移動及び回転移動)する。ここで、下部保持具40の上下動の範囲はウエハWの大きさ(直径)に比して小さい範囲とし(上下動ストロークは例えば0〜300mm程度)、洗浄液の液面高さが常時ウエハWの中心O付近領域内に位置するようにする(親水化工程。図8(B)参照)。
【0044】
ここで、洗浄液に超音波を与えるのは、液体に超音波が与えられるとその液体の持つ洗浄力が高められるためである。また、洗浄液が容器31内でウエハWが完全に水没するまで注入されず、ウエハWの上半分が液面の上方に突出するようにしているのは、超音波が与えられた液体では、その液面付近における超音波の密度が他の部分よりも高くなり、極めて高い洗浄作用が得られるからである。また、ウエハWを超音波が与えられた状態の洗浄液内を移動させるのは、ウエハWの被洗浄面と洗浄液との間に相対移動変化を与えて洗浄力の一層の向上を図るためである。なお、上記のようにウエハWを洗浄液内で上下動等させることにより洗浄液の液面高さは上下するが、液面高さが第1液体排出口33の設けられている高さに達したときには、洗浄液の一部は第1液体排出口33より排出されて容器31内での液面高さが徒に高くならないようになっている。また、このような洗浄液の排出に伴って、液面付近を浮遊しているごみも一緒に排出される。また、上記のように、ウエハWに上下方向の往復移動と自身の中心まわりの回転移動とを与えることにより、ウエハW表面における洗浄の偏りを防止して均一な洗浄状態が得られるようになっている。
【0045】
上記親水化工程が終了したら、第1洗浄装置30a内のウエハWをロボット81により取り出させて第2洗浄装置30b内に設置させる。ウエハWが第2洗浄装置30b内に設置されたら液体注入排出口32を開放状態にし、リンス液供給装置35よりリンス液(純水)をウエハWに向かって噴射供給させる。これにより上記親水化工程においてウエハWの表面に付着した洗浄液は綺麗に洗い流される(リンス工程。図8(C)参照)。
【0046】
上記リンス工程が終了したら、第2洗浄装置30b内のウエハWをロボット81により取り出させて第3洗浄装置30c内に設置させる。ウエハWが第3洗浄装置30c内に設置されたら、液体注入排出口32よりウエハWを洗浄するためのアルカリ性系の洗浄液(例えば、水酸化アンモニウム、過酸化水素、水からなる混合薬液)を注入する。この洗浄液は親水化工程の場合と同様、その液面が容器31内に設置されたウエハWの中心O位置近傍高さに至るまで注入する(図4(A)に示す液面高さL1参照)。また、ここでも第1の液体排出口33は開放状態にしておく。
【0047】
洗浄液が上記所定の液面高さになるまで注入されたら、超音波発生装置60を作動させて容器31内に蓄えられた洗浄液に超音波を与える。そして親水化工程の場合と同様、チャックローラ回転機構55を作動させて第3のチャックローラ53を回転させつつ、保持具上下動機構45を作動させて下部保持具40を上下方向に往復移動させる。これによりウエハWは両保持具40,50に保持された状態を保ちつつ、超音波が与えられた状態の洗浄液内を移動(被洗浄面に平行な面内での上下往復移動及び回転移動)する。ここでも、下部保持具40の上下動の範囲はウエハWの大きさ(直径)に比して小さい範囲とし、洗浄液の液面高さが常時ウエハWの中心O付近領域内に位置するようにする(アルカリ性系の洗浄液による洗浄工程。図8(D)参照)。
【0048】
上記アルカリ性系の洗浄液による洗浄工程が終了したら、第3洗浄装置30c内のウエハWをロボット81により取り出させて第4洗浄装置30d内に設置させる。ウエハWが第4洗浄装置30d内に設置されたら液体注入排出口32を開放状態にし、リンス液供給装置35よりリンス液(純水)をウエハWに向かって噴射供給させる。これにより上記洗浄工程においてウエハWの表面に付着したアルカリ性系の洗浄液は綺麗に洗い流される(リンス工程。図8(E)参照)。
【0049】
上記リンス工程が終了したら、第4洗浄装置30d内のウエハWをロボット81により取り出させて第5洗浄装置30e内に設置させる。ウエハWが第5洗浄装置30e内に設置されたら、液体注入排出口32よりウエハWを洗浄するための酸性系の洗浄液(例えば、フッ酸を純水で希釈した希フッ酸)を注入する。この洗浄液は上述の親水化工程及びアルカリ性系の洗浄液による洗浄工程の場合と違い、その液面がウエハWを水没させる高さに至るまで注入する(図4(A)に示す液面高さL2参照)。ここでは第1の液体排出口33は閉止状態にし、第2の液体排出口34を開放状態にしておく。
【0050】
洗浄液が上記所定の液面高さになるまで注入されたら、チャックローラ回転機構55を作動させて第3のチャックローラ53を回転させつつ、保持具上下動機構45を作動させて下部保持具40を上下方向に往復移動させる。これによりウエハWは両保持具40,50に保持された状態を保ちつつ、洗浄液内を移動(被洗浄面に平行な面内での上下往復移動及び回転移動)する。なお、ここでは容器31内に蓄えられた洗浄液に超音波は与えない(酸性系の洗浄液による洗浄工程。図8(F)参照)。
【0051】
上記酸性系の洗浄液による洗浄工程が終了したら、第5洗浄装置30e内のウエハWをロボット81により取り出させて第6洗浄装置30f内に設置させる。ウエハWが第6洗浄装置30f内に設置されたら液体注入排出口32を開放状態にし、リンス液供給装置35よりリンス液(純水)をウエハWに向かって噴射供給させる。これにより上記洗浄工程においてウエハWの表面に付着した酸性系の洗浄液は綺麗に洗い流される(リンス工程。図8(G)参照)。
【0052】
上記リンス工程が終了したら、第6洗浄装置30f内のウエハWをロボット81により取り出させて乾燥装置70内に設置させる。すなわち、ロボット81によりウエハWを乾燥装置70の上方から容器71内へ差し入れて、これがウエハ保持具72により保持されるようにする。ウエハWが乾燥装置70内に設置されたらウエハ保持具回転機構77によりウエハ保持具72の回転軸73を回転駆動し、ウエハWをその中心まわりに回転(自転)させる。これによりウエハWに付着した水分は遠心力により振り飛ばされ、ウエハW表面は乾燥状態となる(乾燥工程。図8(H)参照)。
【0053】
上記乾燥工程が終了したら、乾燥装置70内のウエハWをロボット81により取り出させ、図示しないベルトコンベアに載置してCMP装置1の外部に搬出させる(洗浄・乾燥装置からのアンロード工程。図8(I)参照)。これによりCMP装置1における研磨工程後の洗浄・乾燥工程が終了する。
【0054】
本発明に係る洗浄装置は、上述の乾燥・洗浄工程において、ウエハWの親水化とアルカリ系洗浄液による洗浄を行う洗浄装置30(第1洗浄装置30aと第3洗浄装置30c)に相当し、容器31内に蓄えられた洗浄液に超音波を与える超音波発生手段(超音波発生装置60)を備えて容器31内に蓄えられた洗浄液に超音波を与えることができるようになっているので、被洗浄物(ここではウエハW)の高い洗浄力が発揮される。そして、被洗浄物の少なくとも一部が洗浄液の液面より上方に突出するようにした(超音波が与えられた状態の液面部分が被洗浄面内に保持されるようにした)状態で被洗浄物を洗浄液内で移動させる構成になっているため、極めて高い洗浄力でウエハW表面を洗浄することができる。
【0055】
また、洗浄液内で行う被洗浄物(ウエハW)の移動は、被洗浄面に平行な面内での往復移動若しくは回転移動であることが好ましいところ、本実施形態に示したように、その移動がこれら往復移動及び回転移動の組み合わせである場合には、洗浄力の向上が著しい。
【0056】
また、本実施形態において示したように、被洗浄物が半導体ウエハWのように円盤状である場合には、容器31内において被洗浄物を保持しかつ移動させる被洗浄物保持移動手段は、被洗浄物の中心(ウエハWの中心O)よりも下方に位置し、かつ被洗浄物の中心を挟んで位置する被洗浄物の外周上の2点を支持する2つのローラ部材(第1のチャックローラ43と第2のチャックローラ44)を備えた下部保持具40と、被洗浄物の上記中心よりも上方に位置する被洗浄物の外周上の1点を支持する1つのローラ部材(第3のチャックローラ53)を備えた上部保持具50と、これら上下両保持具40,50を移動させる保持具移動機構(保持具上下動機構45及びチャックローラ回転機構55)とから構成されることが好ましい。簡単な構成で被洗浄物を確実に保持するからである。また、本実施形態において示したように、これら3つのローラ部材のうち少なくとも一つを回転させることにより被洗浄物を自身の中心まわりに回転移動させる構成を採ることは、被洗浄物を洗浄液内で回転移動させる構成を簡易にする面から特に好ましい。
【0057】
更に、上記実施形態において示したCMP装置1は本発明に係る洗浄装置が組み込まれた構成を有していたが、これが本発明に係る研磨装置に相当する。すなわち、本発明に係る研磨装置は、平板状の被研磨物であるウエハWの表面を研磨する研磨手段(粗研磨用研磨工具2a、中研磨用研磨工具2b、仕上げ研磨用研磨工具2c等)と、本発明に係る上記洗浄装置とを備えて構成されるものであり、このような構成の研磨装置では、上記効果を奏する本発明に係る洗浄装置を備えているため、研磨工程後に行う被研磨物(被洗浄物)の洗浄を高性能に行うことが可能となる。
【0058】
次に、上記CMP装置1に備えられた洗浄・乾燥装置において行うウエハWの洗浄・乾燥工程の第2の例を示す。この第2の例に係る洗浄・乾燥工程は、図示はしないが、図3において示した上記例(第1の例とする)に係る洗浄・乾燥工程において用いられた6つの洗浄装置(第1〜第6洗浄装置30a,30b,30c,30d,30e,30f)を3つにしたものに相当する。すなわち、第2の例に係る洗浄・乾燥工程において用いられる洗浄・乾燥装置は、3つの洗浄装置である第1洗浄装置130a、第2洗浄装置130b、第3洗浄装置130cと、1つの乾燥装置170とから構成される。ここで、各洗浄装置は上述の第1の例における洗浄装置30と構成が同じであるとし、乾燥装置170は上述の第1の例における乾燥装置70にリンス液供給装置135(図9(E)参照)を備えたものであるとする。
【0059】
図9はこの第2の例に係るウエハWの洗浄・乾燥工程を示す概略工程説明図である。この図に示すように、第2の例に係る洗浄・乾燥工程では、先ず、ベルトコンベア16上を搬送されてきたウエハWを上述のロボット81に把持・運搬させて、第1洗浄装置130a内に設置させる(洗浄・乾燥装置へのロード工程。図9(A)参照)。
【0060】
ウエハWが第1洗浄装置130a内に設置されたら、液体注入排出口32よりウエハWを親水化するための洗浄液(例えば界面活性剤が添加された水)をその液面が容器31内に設置されたウエハWの中心O位置近傍高さに至るまで注入し(図4(A)に示す液面高さL1参照)、上述の第1の例に係る洗浄・乾燥工程において行ったウエハWの親水化を行う。なお、この親水化工程では、第1の例における場合と同様、洗浄液には超音波を与えるとともに、ウエハWの少なくとも一部が洗浄液の液面よりも上方に突出する状態でウエハWを洗浄液内で移動させるようにして洗浄力が向上するようにする。そして、このウエハWの親水化が終了したら液体注入排出口32を開放して洗浄液を排出し、続いてリンス液供給装置35よりリンス液(純水)をウエハWに向かって噴射供給させる。すなわち、この第2の例に係る洗浄・乾燥工程では、第1の例において第1洗浄装置30aで行っていた親水化工程と第2洗浄装置30bで行っていたリンス工程を1つの洗浄装置(第1洗浄装置130a)で行う(親水化&リンス工程。図9(B)参照)。
【0061】
上記親水化&リンス工程が終了したら、第1洗浄装置130a内のウエハWをロボット81により取り出させて第2洗浄装置130b内に設置させる。ウエハWが第2洗浄装置130b内に設置されたら、液体注入排出口32よりウエハWを洗浄するためのアルカリ性系の洗浄液をその液面が容器31内に設置されたウエハWの中心O位置近傍高さに至るまで注入し、上述の第1の例に係る洗浄・乾燥工程において行ったアルカリ性系の洗浄液による洗浄を行う。なお、このアルカリ性系の洗浄液による洗浄工程においても、第1の例に係るアルカリ性の洗浄液による洗浄工程の場合と同様、洗浄液には超音波を与えるとともに、ウエハWの少なくとも一部が洗浄液の液面よりも上方に突出する状態でウエハWを洗浄液内で移動させるようにして洗浄力が向上するようにする。そして、この洗浄が終了したら液体注入排出口32を開放して洗浄液を排出し、続いてリンス液供給装置35よりリンス液(純水)をウエハWに向かって噴射供給させる。すなわち、この第2の例に係る洗浄・乾燥工程では、第1の例において第3洗浄装置30cで行っていたアルカリ性系の洗浄液による洗浄工程と第4洗浄装置30dで行っていたリンス工程を1つの洗浄装置(第2洗浄装置130b)で行う(アルカリ性系の洗浄液による洗浄工程&リンス工程。図9(C)参照)。
【0062】
上記アルカリ性系の洗浄液による洗浄工程&リンス工程が終了したら、第2洗浄装置130b内のウエハWをロボット81により取り出させて第3洗浄装置130c内に設置させる。ウエハWが第3洗浄装置130c内に設置されたら、液体注入排出口32よりウエハWを洗浄するための酸性系の洗浄液をその液面がウエハWを水没させる高さに至るまで注入し、上述の第1の例に係る洗浄・乾燥工程において行った酸性系の洗浄液による洗浄を行う。なお、この酸性系の洗浄液による洗浄工程では、第1の例における場合と同様、洗浄液には超音波は与えない。そして、この洗浄が終了したら液体注入排出口32を開放して洗浄液を排出し、続いてリンス液供給装置35よりリンス液をウエハWに向かって噴射供給させる。すなわち、この第2の例に係る洗浄・乾燥装置では、第1の例において第5洗浄装置30eで行っていた酸性系の洗浄液による洗浄工程と第6洗浄装置30fで行っていたリンス工程を1つの洗浄装置(第3洗浄装置130c)で行う(酸性系の洗浄液による洗浄工程&リンス工程図9(D)参照)。
【0063】
上記酸性系の洗浄液による洗浄工程&リンス工程が終了したら、第3洗浄装置130c内のウエハWをロボット81により取り出させて乾燥装置170内に設置させる。ここでは第1の例において行ったウエハWの乾燥を行うが、この乾燥工程の前にリンス液供給装置135よりリンス液を供給するリンス工程を行う(リンス&乾燥工程。図9(E)参照)。
【0064】
上記リンス&乾燥工程が終了したら、乾燥装置170内のウエハWをロボット81により取り出させる(洗浄・乾燥装置からのアンロード工程。図9(F)参照)。これにより第2の例に係る洗浄・乾燥工程が終了する。
【0065】
ここに示した第2の例に係る洗浄・乾燥工程では、親水化&リンス工程を担当する第1洗浄装置130aとアルカリ性系の洗浄液による洗浄工程&リンス工程を担当する第2洗浄装置130bが本発明に係る洗浄装置に相当し、第1の例に係る洗浄・乾燥工程の説明において示した洗浄・乾燥装置の場合と同様、容器31内に蓄えられた洗浄液に超音波を与える超音波発生手段(超音波発生装置60)を備えて容器31内に蓄えられた洗浄液に超音波を与えるとともに、ウエハWの少なくとも一部が洗浄液の液面よりも上方に突出する状態でウエハWを洗浄液内で移動させる構成となっており、被洗浄物(ここではウエハW)の高い洗浄力が発揮される。
【0066】
更に、上記CMP装置1に備えられた洗浄・乾燥装置において行うウエハWの洗浄・乾燥工程の例を示す。この例に示すウエハWの洗浄・乾燥工程は、ウエハWを拡散炉に投入する直前に行う洗浄・乾燥工程であり、第3の例とする。
【0067】
この第3の例に係る洗浄・乾燥工程は、図示はしないが、図8において示した第1の例に係る洗浄・乾燥工程において用いられた6つの洗浄装置(第1〜第6洗浄装置30a,30b,30c,30d,30e,30f)を8つにしたものに相当する。すなわち、この第3の例に係る洗浄・乾燥工程において用いられる洗浄・乾燥装置は、8つの洗浄装置である第1洗浄装置230a、第2洗浄装置230b、第3洗浄装置230c、第4洗浄装置230d、第5洗浄装置230e、第6洗浄装置230f、第7洗浄装置230g、第8洗浄装置230hと、1つの乾燥装置270とから構成される。ここで、各洗浄装置は上述の第1の例における洗浄装置30と構成が同じであるとし、乾燥装置270は上述の第1の例における乾燥装置70と構成が同じであるとする。
【0068】
図10はこの第3の例に係るウエハWの洗浄・乾燥工程を示す概略工程説明図である。この図に示すように、第3の例に係る洗浄・乾燥工程では、先ず、ベルトコンベア16上を搬送されてきたウエハWを上述のロボット81により把持・運搬させて、第1洗浄装置230a内に設置させる(洗浄・乾燥装置へのロード工程。図10(A)参照)。
【0069】
ウエハWが第1洗浄装置230a内に設置されたら、液体注入排出口32よりウエハWを親水化するための洗浄液(例えば界面活性剤が添加された水)をその液面が容器31内に設置されたウエハWの中心O位置近傍高さに至るまで注入する(図4(A)に示す液面高さL1参照)。なお、ここでは第1の液体排出口33は開放状態にしておく。洗浄液が上記所定の液面高さになるまで注入されたら、超音波発生装置60を作動させて容器31内に蓄えられた洗浄液に超音波を与える。そして、チャックローラ回転機構55を作動させて第3のチャックローラ53を回転させつつ、保持具上下動機構45を作動させて下部保持具40を上下方向に往復移動させる。これによりウエハWは上下両保持具40,50に保持された状態を保ちつつ、超音波が与えられた状態の洗浄液内を移動(被洗浄面に平行な面内での上下往復移動及び回転移動)する。下部保持具40の上下動の範囲はウエハWの大きさ(直径)に比して小さい範囲とし、洗浄液の液面高さが常時ウエハWの中心O付近領域内に位置するようにする(前処理(親水化)工程。図10(B)参照。)
【0070】
上記前処理工程が終了したら、第1洗浄装置230a内のウエハWをロボット81により取り出させて第2洗浄装置230b内に設置させる。ウエハWが第2洗浄装置230b内に設置されたら液体注入排出口32を開放状態にし、リンス液供給装置35よりリンス液(純水)をウエハWに向かって噴射供給させる。これにより親水化工程においてウエハWの表面に付着した洗浄液は除去される(リンス工程。図10(C)参照)。
【0071】
上記リンス工程が終了したら、第2洗浄装置230b内のウエハWをロボット81により取り出させて第3洗浄装置230c内に設置させる。ウエハWが第3洗浄装置30c内に設置されたら液体注入排出口32よりAPM洗浄液(水酸化アンモニウム、過酸化水素、水からなる混合薬液)をその液面が容器31内に設置されたウエハWの中心O位置近傍高さに至るまで注入し、よく知られたSC−1洗浄を行う。この際、超音波発生装置60を作動させて、容器31内に蓄えられたAPM洗浄液に超音波を与えるとともに、ウエハWの少なくとも一部が洗浄液の液面よりも上方に突出する状態でウエハWを洗浄液内で移動させるようにして洗浄力を向上させる(SC−1洗浄工程。図10(D)参照)。
【0072】
上記SC−1洗浄工程が終了したら、第3洗浄装置230c内のウエハWをロボット81により取り出させて第4洗浄装置230d内に設置させる。ウエハWが第4洗浄装置230d内に設置されたら液体注入排出口32を開放状態にし、リンス液供給装置35よりリンス液をウエハWに向かって噴射供給させる。これにより上記洗浄工程においてウエハWの表面に付着したAPM洗浄液は除去される(リンス工程。図10(E)参照)。
【0073】
上記リンス工程が終了したら、第4洗浄装置230d内のウエハWをロボット81により取り出させて第5洗浄装置230e内に設置させる。ウエハWが第5洗浄装置230e内に設置されたら液体注入排出口32よりHPM洗浄液(塩酸、過酸化水素水、純水の混合薬液)をウエハWが水没するまで注入し、よく知られたSC−2洗浄を行う。なお、この洗浄工程ではHPM洗浄液に超音波は与えない(SC−2洗浄工程。図10(F)参照)。
【0074】
上記SC−2洗浄工程が終了したら、第5洗浄装置230e内のウエハWをロボット81により取り出させて第6洗浄装置230f内に設置させる。ウエハWが第6洗浄装置230f内に設置されたら液体注入排出口32を開放状態にし、リンス液供給装置35よりリンス液(純水)をウエハWに向かって噴射供給させる。これにより上記洗浄工程においてウエハWの表面に付着したHPM洗浄液は除去される(リンス工程。図10(G)参照)。
【0075】
上記リンス工程が終了したら、第6洗浄装置230f内のウエハWをロボット81により取り出させて第7洗浄装置230g内に設置させる。ウエハWが第7洗浄装置230g内に設置されたら液体注入排出口32よりDHF洗浄液(フッ酸を純水で希釈した希フッ酸)をウエハWが水没するまで注入し、よく知られたHPM洗浄を行う。なお、この洗浄工程ではDHF洗浄液に超音波は与えない(HF洗浄工程。図10(H)参照)。
【0076】
上記HF工程が終了したら、第7洗浄装置230g内のウエハWはロボット81により取り出させて第8洗浄装置230h内に設置させる。ウエハWが第8洗浄装置230h内に設置されたら液体注入排出口32よりリンス液(純水)をウエハWが水没するまで注入し、オーバーフローリンスを行う。このオーバーフローリンス工程においてもリンス液に超音波は与えない(オーバーフローリンス工程。図10(I)参照)。
【0077】
上記オーバーフローリンス工程が終了したら、第8洗浄装置230h内のウエハWをロボット81により取り出させて乾燥装置270内に設置させる。ウエハWが乾燥装置270内に設置されたらウエハ保持具回転機構77によりウエハ保持具72の回転軸73を回転駆動し、ウエハWをその中心まわりに回転させる。これによりウエハWに付着した水分は遠心力により振り飛ばされ、ウエハW表面は乾燥状態となる(乾燥工程。図10(J)参照)。
【0078】
上記乾燥工程が終了したら、乾燥装置270内のウエハWをロボット81により取り出させる(洗浄・乾燥装置からのアンロード工程。図10(K)参照)。これにより第3の例に係る洗浄・乾燥工程が終了する。
【0079】
ここに示した第3の例に係る洗浄・乾燥工程では、前処理工程を担当する第1洗浄装置230aとSC−1洗浄工程を担当する第3洗浄装置230cが本発明に係る洗浄装置に相当し、第1の例に係る洗浄・乾燥工程の説明において示した洗浄・乾燥装置の場合と同様、容器31内に蓄えられた洗浄液に超音波を与える超音波発生手段(超音波発生装置60)を備えて容器31内に蓄えられた洗浄液に超音波を与えるとともに、ウエハWの少なくとも一部が洗浄液の液面よりも上方に突出する状態でウエハWを洗浄液内で移動させる構成となっており、被洗浄物(ここではウエハW)の高い洗浄力が発揮される。
【0080】
これまで本発明に係る洗浄装置及びこの洗浄装置を用いた研磨装置について説明してきたが、本発明に係る洗浄装置及び研磨装置は上述したものに限定されない。例えば、本実施形態において示した洗浄装置では、これにより洗浄される被洗浄物は半導体ウエハWであったが、これは一例であり、他の被洗浄物、例えば液晶基板やプリント基板等であってもよい。また、本実施形態において示した洗浄装置では、洗浄液内で行う被洗浄物の移動は、被洗浄面に平行な面内での往復移動と回転移動とを組み合わせた移動であったが、これは被洗浄面に平行な面内での往復移動及び回転移動の一方であってもよい。
【0081】
また、上述の実施形態においては、上部保持具50に備えられた第3のチャックローラ53を回転駆動することにより上下両保持具40,50に保持されたウエハWを回転(自転)させる構成を採っていたが、本発明に係る洗浄装置では、上記3つのチャックローラ(第1及び第2のチャックローラ43,44、第3のチャックローラ53)のうち少なくとも一つを回転させることによりウエハWを自身の中心まわりに回転移動させることができる。したがって、第3のチャックローラ53に替えて第1のチャックローラ43、若しくは第2のチャックローラ44、或いはこれら3つのチャックローラのうち複数を回転駆動してウエハWを回転させるようにしてもよい。
【0082】
また、本実施形態において示した洗浄装置では超音波が与えられた状態の洗浄液の液面高さが被洗浄物(ウエハW)の中心O位置近傍に位置するものであったが、洗浄液に超音波が与えられているのであればその液面高さは被洗浄面内のどの位置にあってもよい。すなわち、洗浄液内の被洗浄物の少なくとも一部が洗浄液の液面より上方に突出していればよい。
【0083】
次に、本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施形態について説明する。図11は半導体デバイス製造プロセスを示すフローチャートである。半導体製造プロセスをスタートすると、先ずステップS200で次に挙げるステップS201〜S204の中から適切な処理工程を選択し、いずれかのステップに進む。
【0084】
ここで、ステップS201はウエハWの表面を酸化させる酸化工程である。ステップ202はCVD等によりウエハW表面に絶縁膜や誘電体膜を形成するCVD工程である。ステップS203はウエハWに電極を蒸着等により形成する電極形成工程である。ステップS204はウエハWにイオンを打ち込むイオン打ち込み工程である。
【0085】
CVD工程(ステップS202)若しくは電極形成工程(ステップS203)の後で、ステップS205に進む。ステップS205はCMP工程である。CMP工程では本発明による上記研磨装置により、層間絶縁膜の平坦化や半導体デバイス表面の金属膜の研磨、誘電体膜の研磨によるダマシン(damascene)の形成等が行われる。
【0086】
CMP工程(ステップS205)若しくは酸化工程(ステップS201)の後でステップS206に進む。ステップS206はフォトリソグラフィ工程である。この工程ではウエハWへのレジストの塗布、露光装置を用いた露光によるウエハWへの回路パターンの焼き付け、露光したウエハWの現像が行われる。更に、次のステップS207は現像したレジスト像以外の部分をエッチングにより削り、その後レジスト剥離が行われ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くエッチング工程である。
【0087】
次に、ステップS208で必要な全工程が完了したかを判断し、完了していなければステップS200に戻り、先のステップを繰り返してウエハW上に回路パターンが形成される。ステップS208で全工程が完了したと判断されればエンドとなる。
【0088】
このように本発明に係る半導体デバイス製造方法では、CMP工程において本発明に係る研磨装置を用いているため、歩留まりが向上する。また、これにより、従来の半導体デバイス製造方法に比べ低コストで半導体デバイスを製造することができるという効果が生まれる。なお、上記半導体デバイス製造プロセス以外の半導体デバイス製造プロセスのCMP工程に本発明に係る洗浄装置を用いてもよい。また、本発明に係る半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイスは高歩留まりで製造されるので、低コストの半導体デバイスとなる。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る洗浄装置においては、容器内の洗浄液に超音波を与えて洗浄液が高い洗浄力を発揮し得る状態とした上で、この洗浄液内で被洗浄物を移動させる構成を採っている。そしてこの移動が、被洗浄物を洗浄液に水没させて行われるのではなく、被洗浄物の少なくとも一部が洗浄液の液面よりも上方に突出する状態を保持しつつ行われるように構成されている。本発明に係る洗浄装置はこのような構成を有しているため非常に高い洗浄力が発揮され、効率よく、かつ確実に被洗浄物に付着した微小パーティクルを除去し得るものとなっている。
【0090】
また、本発明に係る半導体デバイス製造方法は、上記本発明に係る研磨装置を用いて被研磨物を研磨し、この被研磨物を被洗浄物として洗浄する工程を有しており、研磨工程後に行う洗浄工程において上記本発明に係る洗浄装置が用いられるため、歩留まりが向上する。更に、本発明に係る半導体デバイスは、上記本発明に係る半導体デバイス製造方法により高歩留まりで製造されるので、低コストの半導体デバイスとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る洗浄装置が適用されたCMP装置の部分斜視図である。
【図2】上記CMP装置の一部を拡大して示す斜視図である。
【図3】上記CMP装置に組み込まれた洗浄・乾燥装置の外観を示す斜視図である。
【図4】洗浄工程において用いられる本発明に係る洗浄装置を示す図であり、(A)は正面図、図(B)は側面図である。
【図5】乾燥工程において用いられる乾燥装置を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図6】上記CMP装置を用いて行うウエハ表面の研磨加工手順を示すフローチャートである。
【図7】上記CMP装置により研磨加工を行ったときの表面形状の変化を模式的に示す図である。
【図8】第1の例に係る洗浄・乾燥工程の概略を示す工程説明図である。
【図9】第2の例に係る洗浄・乾燥工程の概略を示す工程説明図である。
【図10】第3の例に係る洗浄・乾燥工程の概略を示す工程説明図である。
【図11】本発明に係る半導体デバイスの製造プロセスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1   CMP装置
30  洗浄装置
31  容器
35  リンス液供給装置
40  下部保持具
41  上下アーム
42  左右アーム
43  第1のチャックローラ
44  第2のチャックローラ
45  保持具上下動機構
50  上部保持具
52  揺動アーム
53  第3のチャックローラ
54  アーム揺動機構
55  チャックローラ回転機構
60  超音波発生装置
70  乾燥装置
W   半導体ウエハ

Claims (7)

  1. 容器に蓄えられた洗浄液内に被洗浄面の法線方向が水平方向となるように被洗浄物を保持して前記被洗浄面の洗浄を行う洗浄装置において、
    前記容器に蓄えられた前記洗浄液に超音波を与える超音波発生手段と、
    前記超音波発生手段により超音波が与えられた状態の前記洗浄液内に前記被洗浄物を保持するとともに、前記被洗浄物の少なくとも一部が前記洗浄液の液面よりも上方に突出する状態で前記被洗浄物を前記洗浄液内で移動させる被洗浄物保持移動手段とを備えたことを特徴とする洗浄装置。
  2. 前記洗浄液内で行う前記被洗浄物の移動は、前記被洗浄面に平行な面内での往復移動若しくは回転移動若しくはこれら往復移動及び回転移動の組み合わせであることを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
  3. 前記被洗浄物は円盤状であり、前記被洗浄物保持移動手段は、前記被洗浄物の中心よりも下方に位置し、かつ前記被洗浄物の中心を挟んで位置する前記被洗浄物の外周上の2点を支持する2つのローラ部材を備えた下部保持具と、前記被洗浄物の前記中心よりも上方に位置する前記被洗浄物の外周上の1点を支持する1つのローラ部材を備えた上部保持具と、これら上下両保持具を移動させる保持具移動機構とからなることを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄装置。
  4. 前記3つのローラ部材のうち少なくとも一つを回転させることにより前記被洗浄物を自身の中心まわりに回転移動させるようにしたことを特徴とする請求項3記載の洗浄装置。
  5. 平板状の被研磨物の表面を研磨する研磨手段と、
    前記研磨手段において研磨された前記被研磨物を前記被洗浄物として洗浄する請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄装置とを備えたことを特徴とする研磨装置。
  6. 請求項5記載の研磨装置を用いて前記被研磨物を研磨し、この被研磨物を前記被洗浄物として洗浄する工程を有したことを特徴とする半導体デバイス製造方法。
  7. 請求項6記載の半導体デバイス製造方法により製造されたことを特徴とする半導体デバイス。
JP2002199399A 2002-07-09 2002-07-09 洗浄装置、この洗浄装置を用いた研磨装置、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法及びこの方法により製造される半導体デバイス Pending JP2004047520A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002199399A JP2004047520A (ja) 2002-07-09 2002-07-09 洗浄装置、この洗浄装置を用いた研磨装置、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法及びこの方法により製造される半導体デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002199399A JP2004047520A (ja) 2002-07-09 2002-07-09 洗浄装置、この洗浄装置を用いた研磨装置、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法及びこの方法により製造される半導体デバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004047520A true JP2004047520A (ja) 2004-02-12

Family

ID=31706544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002199399A Pending JP2004047520A (ja) 2002-07-09 2002-07-09 洗浄装置、この洗浄装置を用いた研磨装置、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法及びこの方法により製造される半導体デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004047520A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6916233B2 (en) * 2002-11-28 2005-07-12 Tsc Corporation Polishing and cleaning compound device
JP2008024446A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Hitachi High-Technologies Corp スクリュー搬送機構およびこれを用いるディスク洗浄装置
JP2010212690A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Imec ダメージを低減した物理力アシスト洗浄方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6916233B2 (en) * 2002-11-28 2005-07-12 Tsc Corporation Polishing and cleaning compound device
JP2008024446A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Hitachi High-Technologies Corp スクリュー搬送機構およびこれを用いるディスク洗浄装置
JP2010212690A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Imec ダメージを低減した物理力アシスト洗浄方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101277614B1 (ko) 기판처리장치 및 기판처리방법
TWI724115B (zh) 基板洗淨裝置、基板洗淨方法、基板處理裝置及基板乾燥裝置
US6711775B2 (en) System for cleaning a semiconductor wafer
US6379469B1 (en) Apparatus and method for washing substrate
KR20030097868A (ko) 표면장력 감소공정을 실시한 기판 준비장치 및 방법
JP2002043267A (ja) 基板洗浄装置、基板洗浄方法及び基板処理装置
TW201739529A (zh) 基板清洗裝置
JP2001070896A (ja) 基板洗浄装置
JP7290695B2 (ja) 超音波洗浄装置および洗浄具のクリーニング装置
US20140182628A1 (en) Substrate cleaning apparatus and substrate cleaning method
JPH1167705A (ja) 処理装置
JP2004047520A (ja) 洗浄装置、この洗浄装置を用いた研磨装置、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法及びこの方法により製造される半導体デバイス
JP3902027B2 (ja) 基板処理装置
JP6971676B2 (ja) 基板処理装置および基板処理方法
US11929264B2 (en) Drying system with integrated substrate alignment stage
JP2003320323A (ja) 基板洗浄方法
JPH10303170A (ja) 基板洗浄装置および基板洗浄方法
JP2005142309A (ja) 基板の洗浄方法、洗浄装置および洗浄システム
JP2000208466A (ja) 基板処理方法および基板処理装置
JP3709072B2 (ja) 基板洗浄方法および基板洗浄装置
TW201934212A (zh) 基板洗淨裝置、基板處理裝置、超音波洗淨液供給裝置及記錄媒介
US20230201887A1 (en) Substrate cleaning device and substrate cleaning method
WO2023022210A1 (ja) 基板洗浄装置、基板洗浄方法及び基板研磨装置
JP2005032915A (ja) 基板処理方法および基板処理装置
WO2022185929A1 (ja) 基板処理方法及び基板処理システム