JP2004047393A - 自己温度制御型面状ヒータ - Google Patents
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Abstract
【課題】自己温度制御型の面状ヒータに於いて、被加熱体が低温で大熱容量の場合に、被加熱体に接触する側の発熱体表層部の発熱量が十分に増加せずに、これと逆の側の表層部の発熱量が増加するという現象を防止し、被加熱体側の発熱体表層部の発熱量(即ち温度)が迅速且つ斑なく上昇するようにする。
【解決手段】高熱伝導性と耐熱性を有する合成樹脂とカーボン粉末の混合体から形成した導電性合成樹脂から成る板状発熱体と、当該発熱体の一側に固設した金属製の平板状電極と、前記発熱体の他側に固設した金属製の網状電極とから構成した自己温度制御型面状ヒータに於いて、前記発熱体を形成する合成樹脂をPEEK樹脂とすると共にカーボン粉体の含有率を35〜50wt%とし、発熱体が略U字形又は略V字形の抵抗温度特性曲線を具備するものとする。
【選択図】 図1
【解決手段】高熱伝導性と耐熱性を有する合成樹脂とカーボン粉末の混合体から形成した導電性合成樹脂から成る板状発熱体と、当該発熱体の一側に固設した金属製の平板状電極と、前記発熱体の他側に固設した金属製の網状電極とから構成した自己温度制御型面状ヒータに於いて、前記発熱体を形成する合成樹脂をPEEK樹脂とすると共にカーボン粉体の含有率を35〜50wt%とし、発熱体が略U字形又は略V字形の抵抗温度特性曲線を具備するものとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自己温度制御特性を備えた面状ヒータの改良に関するものであり、低温の被加熱体を接触させた側の温度を迅速且つ斑なく上昇させることができ、被加熱体を斑なく均一に加熱することを可能にした自己温度制御型面状ヒータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
所謂面状ヒータは融雪器や保温器等の発熱体として広く利用されており、その中でも、正の抵抗温度係数を備えた発熱体を用いた自己温度制御型の面状ヒータは、安全性に優れているため広く実用に供されている。
【0003】
而して、この種面状ヒータとしては、薄板状の導電性プラスチック(導電性プラスチックシート)の両側表層部に金属シート状の電極板を固設した構造のものや、薄板状の導電性プラスチック(導電性プラスチックシート)の両側表層部に、複数本の金属線条(又は金属網体)から成る電極板を固設した構造のものが開発され、実用化されている。
また、前記導電性プラスチック材としては可撓性を有する耐熱性樹脂材にカーボン等を混合したものが多く利用されており、且つその厚さは1mm〜3mmに選定されている。
更に、前記導電性プラスチック材は耐熱性や伝熱性に優れており、通常は正の抵抗温度係数を具備していて、所謂自己温度制御特性を備えている。
【0004】
上記従前の自己温度制御型面状ヒータは、被加熱体の外表面の囲繞性や密着性に優れているだけでなく、安全性が高いと云う優れた実用的効用を有するものである。
しかし、当該自己温度制御型面状ヒータにも解決すべき多くの問題が残されており、その中でも発熱体の両側表面の放熱条件に大きな差異があると、昇温したい側の発熱量が減少して温度が迅速に上昇しなかったり、或いは、昇温したい側の発熱量に部分的な斑が生じると云う問題が、早急に解決すべき問題点として残されている。
【0005】
例えば、いま図6に示すように、自己温度制御型面状ヒータAの発熱体(導電性プラスチック)Hが、抵抗ra(Ω)のHa部分と抵抗rb(Ω)のHb部分とから構成されており、その両側表層部に固設した電極板B1 ・B2 に電源電圧(図示省略)が印加されているとする。また、この発熱体Hは図7に示すような抵抗温度特性を具備しており、発熱体Hは自己温度制御型の特性を備えているものとする。
【0006】
この自己温度制御型面状ヒータに被加熱体を接触させない状態下で通電(E=1(v))することにより、発熱体Hは図7のra=rb=1(Ω)の点で熱的に平衡しているとする。
この状態下に於ける発熱体HのHa部分の発熱量Paは、Pa=I2 ×ra=(1/2)2 ×1=0.25(w)となり、また、Hb部分の発熱量Pbは、Pb=I2 ×rb=(1/2)2 ×1=0.25(w)となる。
【0007】
次に、面状ヒータAの一側面(Hb側)に低温の被加熱体Cを接触させることにより、発熱体HのHb部分の温度が低下し、その結果Hb部分の抵抗rbが1/3に低下したとする。
この状態下に於ける発熱体HのHa部分の発熱量Pa′は、Pa′=(3/4)2 ×1=0.75(w)となり、また、Hb部分の発熱量Pb′は、Pb′=(3/4)2 ×1/3=0.18(w)となる。即ち、発熱体Ha部分の発熱量は増加して温度が急上昇するのに対して、発熱体Hb部分の発熱量は減少するため、急激な温度上昇が生じない。
【0008】
一方、前記発熱体Ha部分の温度が上昇すると、Ha部分の抵抗raが上昇し、その値ra′がra′=2(Ω)に増加したとする。同様に、発熱体Hb部分の温度が若干低下することにより、Hb部分の抵抗rbが低下し、その値rb′がrb′=1/2(Ω)に低下したとする。
この状態下に於ける発熱体HのHa部分の発熱量Pa″=(2/5)2 ・2=0.32(w)となる。また、発熱体HのHb部分の発熱量Pb″は、Pb″=(2/5)2 ・1/2=0.08(w)となり、発熱体HのHa部分とHb部分の温度差がより大きくなることになる。
【0009】
勿論、発熱体HのHa部分からHb部分への熱移動があるため、上記Ha部分とHb部分との温度差は時間の経過と共に平衡値に達することになるが、低温の被加熱体Cの接触により、面状ヒータAの片側面の温度が急激に下降すると、被加熱体Cと接触しない他側面の温度が急激に上昇するのに反して、被加熱体Cが接触する加温したい側の温度が逆に低下して、被加熱体Cの加熱が困難になると云う上記の如き事象は、屡々見られる現象である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従前の自己温度制御型面状ヒータに於ける上記の如き問題、即ち低温の被加熱体を接触させた場合に、加熱したい側の温度がなかなか上昇せずに、逆に、被加熱体が接触する側とは反対側の温度が上昇すると云う問題を解決せんとするものであり、低温の被加熱体を接触させた場合に、被加熱体が接触する側の温度を直ちに斑なく上昇させ得るようにした自己温度制御型面状ヒータを提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
而して、自己温度制御型面状ヒータに於ける上記の如き事象の発生を防止するには、面状ヒータAを形成する発熱体Hの熱伝導率を高めること、発熱体Hの厚みを可能な限り薄くすること及び発熱体Hの抵抗温度特性の変化率を適宜に選定すること等の対策が考えられ、これ等の対策を取り入れした多くの面状ヒータAが開発されている。
本願発明者は、従前の面状ヒータを構成する発熱体Hの抵抗温度特性の利用範囲に関する思考方法を完全に破棄し、加熱温度の低い範囲に於いては発熱体Hに負の抵抗温度特性を具備せしめ、また、逆に加熱温度の高い範囲に於いては、発熱体Hに正の抵抗温度特性を具備せしめることを新たに想到し、これ等の条件を満たす抵抗温度特性を備えた各種の発熱体Hを開発し製作すると共に、これを用いた面状ヒータAについて数多くの加熱特性試験を実施した。
【0012】
本発明は、上述の如き多数の面状ヒータに係る試験の結果に基づいて創作されたものであり、請求項1に記載の発明は、高熱伝導性と耐熱性を有する合成樹脂とカーボン粉末の混合体から形成した導電性合成樹脂から成る板状発熱体と、当該発熱体の一側に固設した金属製の平板状電極と、前記発熱体の他側に固設した金属製の網状電極とから構成した自己温度制御型面状ヒータに於いて、前記発熱体を形成する合成樹脂をPEEK樹脂とすると共にカーボン粉体の含有率を35〜50wt%とし、発熱体が略U字形又は略V字形の抵抗温度特性曲線を具備するものとしたことを発明の基本構成とするものである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明に於いて、平板状電極をステンレス鋼板製とすると共に、網状電極を銅製網体とするようにしたものである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明に於いて、カーボン粉体の含有率を40〜43wt%とすると共に網状電極を発熱体の一側の表層部へ埋設固定し、更に発熱体の網状電極側の外表面へ被加熱体を接触させるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自己温度制御型面状ヒータの断面概要図の一部を示すものであり、図に於いて1は面状ヒータ、1aは面状ヒータの発熱体、1bは被加熱体2の側に位置する網状電極、1cは平板状電極である。
【0016】
当該面状ヒータ1は、例えば図1に示すように、前記網状電極1b側の外表面が被加熱体(缶体その他)2に接触するか、若しくは被加熱体2の外表面を囲繞する状態で使用され、両電極1b・1c間に所定の電圧が印加される。
【0017】
前記発熱体1aは厚さ約1.0〜2mmの四角状のシート体に形成されており、一辺の寸法は100mm〜200mm程度に選定されている。
また、当該発熱体1aは、耐熱・高熱伝導性の合成樹脂にカーボン粉体を混練した混合体を原料とし、これをシート状に圧縮成形することにより形成されている。
更に当該発熱体1aを形成する前記混合体の合成樹脂とカーボン粉体の混合率は、発熱体1aの抵抗温度特性が、図2に示す略U字形(又は略V字形)となるように選定されている。
【0018】
前記発熱体1aの構成材である合成樹脂材としては、熱伝導性と耐熱性を有し、更に炭素粉体の混入により導電性が賦与され且つ抵抗温度特性が略U字形又は略V字形になるものであれば、如何なる合成樹脂であってもよく、本実施形態に於いては所謂PEEK樹脂が使用されている。
尚、前記PEEK樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の略称であり、下記のような構造式で表わされる分子構造を有するものである。また、当該PEEK樹脂は、英国のアイ・シー・アイ社が1977年に合成に成功し、且つ英国のビクトレックス社が現在製造・販売をしている熱可塑性の超耐熱樹脂である。
【0019】
【化1】
【0020】
更に、当該PEEEK樹脂の諸物性値は、比重が1.3、吸水率が0.14%(23℃、24時間)、引張強度990kg/cm2 (23℃)、420kg/cm2 (200℃)、圧縮強度1300kg/cm2 (23℃)、熱変形温度152℃(18.6kg/cm2 )、融点334℃、熱伝導率6×10−6cal/sec・cm・℃、比熱0.32cal/℃・g、誘電率3.2〜3.3(0℃〜150℃、50Hz〜1010Hz)、体積固有抵抗1015(Ω・cm)等である。
【0021】
また、前記被加熱体2側に位置する網状電極1bとしては、ステンレスや銅等の線条を網状に編成加工したものでも、或いはステンレスや銅等の線条を格子状に一定間隔で並列配置したものであってもよく、本実施形態では銅線からなる平面状の網状体が電極1bとして使用されている。
尚、当該網状電極1bは、混合体から発熱体1aを成形加工する時に予かじめ発熱体1a内へ若干入り込んだ位置に配設しておくことにより、発熱体1aと一体化されており、その結果、網状電極1bが被加熱体2へ直接接触することは無い。
【0022】
前記平板電極1cは、銅又はステンレス製の薄板から形成されており、本実施形態に於いてはステンレス鋼製の四角形薄板が電極1cとして使用されている。尚、当該平板状電極1cは、網状電極1bの場合と同様に、発熱体1aの成形時に、予かじめ電極1cを発熱体1aの内方へ若干入り込んだ位置にセットしておくことにより、発熱体1aと一体化されている。
【0023】
図2を参照して、両電極1b・1c間へ通電する前は、合成樹脂シートから成る発熱体1aは低温状態にあり、その結果発熱体1aの抵抗値は、図2の抵抗温度特性曲線上のP1 点に位置している。
【0024】
今、ここで電極1a・1b間へ通電されると、発熱体1aの平板状電極1c側は、その外表面が空気に接しているため熱容量が比較的小さく、直ちに温度が上昇する。その結果、平面電極1c側の発熱体1aの温度は、P1 点からP2 点へ移動する。
【0025】
これに対して、発熱体1aの網状電極1b側の発熱量は、網状電極1bそのものの抵抗値が平板状電極1cより大きいために、平板状電極1c側の発熱量よりも大きくなる。しかし、発熱体1aの網状電極1b側の外表面には熱容量の比較的大きな被加熱体2が接触しているため、発熱体1aの網状電極1b側の温度は比較的緩やかに上昇し、P1 点からP3 点へ移行する。
【0026】
一方、発熱体1aの前記平板状電極1c側は、その温度が上昇することにより抵抗値が減少し、温度は緩やかに上昇して、抵抗温度特性曲線上のP4 点に達することになる。
また、発熱体1aの網状電極1b側の温度は、被加熱体2の温度が上昇するにつれて上昇する。これにより、その抵抗が下降し、電流即ち発熱量が増加することにより抵抗温度特性曲線上のP5 点に達する。
【0027】
その後、発熱体1aの網状電極1b側及び平板状電極1c側の温度が上昇すると、発熱体1aの抵抗が上昇することになり(P6 及びP7 )、その結果電流の増加が抑制されて温度上昇も制約されることになる。
【0028】
図2からも明らかなように、本発明の実施形態に係る面状ヒータ1によれば、発熱体1aの網状電極1b側の温度は、従前の面状ヒータのように低温の被加熱体2の接触によって温度上昇が阻害されるようなことは全く無く、所定の温度にまで斑なく連続的に上昇すると共に、所定の温度を越えると自動的に温度上昇が制限されることになる。
【0029】
(実施例1)
図3は、本発明の実施例に係る自己温度制御型面状ヒータ1の断面概要図である。発熱体1aは、PEEK樹脂とカーボンの混合体(カーボン粉体の混合率42.5wt%)から成型されており、その外形寸法は厚さ約1.5mm、横幅25mm、縦幅15mmとされている。
また、平板状電極1cは厚さ1.6mmのステンレス鋼板(25mm×15mm)により形成されており、発熱体1aの一側の外表面へ固設されている。
更に、網状電極1bは、外径0.6mmφのニッケルメッキ銅線から成る25mm×15mmの網状体(格子間隔1.5mm×1.5mm)から形成されており、発熱体1aの一方の外表面から約0.5mm内部へ入り込んだ位置に発熱体1aと一体的に固設されている。
【0030】
表1は、図3に示した面状ヒータ1の両電極1b・1c間へ電圧E(v)を印加した場合の測定値を示すものであり、網状電極1b及び平板状電極1c側の温度は放射温度計((株)堀場製作所製)により測定したものである。
【0031】
【表1】
【0032】
また、図4は、前記表1をグラフ化したものであり、曲線Taは網状電極1b側の発熱体1aの外表面温度(℃)、Tbは平板状電極1c側の発熱体1aの外表面温度(℃)、Rは発熱体抵抗(Ω)を示すものである。
【0033】
(実施例2)
【表2】
表2は、前記図3の自己温度制御型面状ヒータに於いて、網状電極1bの材料をステンレス鋼製(外径0.6mmφ、格子間隔1.5mm×1.5mm)とした場合の発熱体1aの抵抗温度特性の測定値であり、発熱体1aの温度は網状電極1b側の発熱体1aの外表面温度を示すものである。
また、発熱体1aを形成する混合体のカーボン粉体の含有率は42.3wt%に選定されている。
【0034】
図5は前記表2の測定値をグラフ化したものであり、発熱体1aの抵抗温度特性は略U字形を呈している。
【0035】
PEEK樹脂とカーボン粉体の混合体のカーボン粉体の含有率を、42.5wt%(実施例1)及び42.3wt%(実施例2)としているが、カーボン粉体の含有率は35〜50wt%、望ましくは40〜43wt%とするのがよい。含有率が50wt%を超えると導電性が高かくなり過ぎ発熱体としての利用が困難になる。また、逆に含有率が35wt%以下になると、U字形又はV字形の抵抗温度特性曲線を得ることが困難となる。
【0036】
尚、前記実施例1及び実施例2に於ける抵抗温度特性の測定(表1及び表2)では、発熱体1aの網状電極1b側の温度を測定するに際して被加熱体を網状電極1b側の発熱体1aの外表面へ接触させることはしていないが、被加熱体を網状電極1b側の外表面へ直接接触させた場合には、その熱容量に応じて、外表面側温度が平衡状態に達するまでに時間がかかるものの、抵抗温度特性曲線そのものの形状は図4及び図5の場合と同様に、略U字形(又は略V字形)の形状となることが実験により確認されている。
【0037】
【発明の効果】
本発明に於いては、自己温度制御型の面状ヒータを構成する発熱体をPEEK樹脂とカーボン粉体の混合体から成る導電性合成樹脂製とすると共に、カーボン粉体の含有率を35〜50wt%として発熱体が略U字形状又は略V字形状の抵抗温度特性曲線を具備するようにしている。
その結果、低温で且つ熱容量の大きな被加熱体を加熱する場合であっても、発熱体の被加熱体側の表層部温度は、常に迅速且つ斑なく所定の温度にまで上昇することになり、従前のこの種自己温度制御型面状ヒータのように、加熱の途中で昇温したい側の発熱量が減少してその表層部温度が迅速に上昇しなかったり、或いは温度上昇に部分的な斑を生ずるようなことが略皆無となる。
【0038】
また、本発明に於いては、発熱体の抵抗温度特性曲線の形状を略U字形状又は略V字形状となるようにしているため、発熱体そのものは高温に自己制御性を発揮することになり、面状ヒータとしての安全性が損われることは全くない。
本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自己温度制御型面状ヒータの断面概要図の一部を示すものである。
【図2】本発明に係る面状ヒータで用いる加熱体の抵抗温度特性を示すものである。
【図3】本発明の実施例に係る自己温度制御型面状ヒータの断面概要図である。
【図4】図3に係る面状ヒータの特性曲線図である。
【図5】第2実施例に係る面状ヒータの抵抗温度特性曲線である。
【図6】従前の自己温度制御型面状ヒータの断面概要図である。
【図7】従前の自己温度制御型面状ヒータの抵抗温度特性を示す曲線である。
【符号の説明】
1は自己温度制御型面状ヒータ、1aは発熱体(導電性合成樹脂シート)、1bは網状電極、1cは平板状電極、2は被加熱体、Taは発熱体の網状電極側の温度、Tbは発熱体の平板状電極側の温度、Rは発熱体の抵抗、Rtは発熱体の抵抗温度特性曲線。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自己温度制御特性を備えた面状ヒータの改良に関するものであり、低温の被加熱体を接触させた側の温度を迅速且つ斑なく上昇させることができ、被加熱体を斑なく均一に加熱することを可能にした自己温度制御型面状ヒータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
所謂面状ヒータは融雪器や保温器等の発熱体として広く利用されており、その中でも、正の抵抗温度係数を備えた発熱体を用いた自己温度制御型の面状ヒータは、安全性に優れているため広く実用に供されている。
【0003】
而して、この種面状ヒータとしては、薄板状の導電性プラスチック(導電性プラスチックシート)の両側表層部に金属シート状の電極板を固設した構造のものや、薄板状の導電性プラスチック(導電性プラスチックシート)の両側表層部に、複数本の金属線条(又は金属網体)から成る電極板を固設した構造のものが開発され、実用化されている。
また、前記導電性プラスチック材としては可撓性を有する耐熱性樹脂材にカーボン等を混合したものが多く利用されており、且つその厚さは1mm〜3mmに選定されている。
更に、前記導電性プラスチック材は耐熱性や伝熱性に優れており、通常は正の抵抗温度係数を具備していて、所謂自己温度制御特性を備えている。
【0004】
上記従前の自己温度制御型面状ヒータは、被加熱体の外表面の囲繞性や密着性に優れているだけでなく、安全性が高いと云う優れた実用的効用を有するものである。
しかし、当該自己温度制御型面状ヒータにも解決すべき多くの問題が残されており、その中でも発熱体の両側表面の放熱条件に大きな差異があると、昇温したい側の発熱量が減少して温度が迅速に上昇しなかったり、或いは、昇温したい側の発熱量に部分的な斑が生じると云う問題が、早急に解決すべき問題点として残されている。
【0005】
例えば、いま図6に示すように、自己温度制御型面状ヒータAの発熱体(導電性プラスチック)Hが、抵抗ra(Ω)のHa部分と抵抗rb(Ω)のHb部分とから構成されており、その両側表層部に固設した電極板B1 ・B2 に電源電圧(図示省略)が印加されているとする。また、この発熱体Hは図7に示すような抵抗温度特性を具備しており、発熱体Hは自己温度制御型の特性を備えているものとする。
【0006】
この自己温度制御型面状ヒータに被加熱体を接触させない状態下で通電(E=1(v))することにより、発熱体Hは図7のra=rb=1(Ω)の点で熱的に平衡しているとする。
この状態下に於ける発熱体HのHa部分の発熱量Paは、Pa=I2 ×ra=(1/2)2 ×1=0.25(w)となり、また、Hb部分の発熱量Pbは、Pb=I2 ×rb=(1/2)2 ×1=0.25(w)となる。
【0007】
次に、面状ヒータAの一側面(Hb側)に低温の被加熱体Cを接触させることにより、発熱体HのHb部分の温度が低下し、その結果Hb部分の抵抗rbが1/3に低下したとする。
この状態下に於ける発熱体HのHa部分の発熱量Pa′は、Pa′=(3/4)2 ×1=0.75(w)となり、また、Hb部分の発熱量Pb′は、Pb′=(3/4)2 ×1/3=0.18(w)となる。即ち、発熱体Ha部分の発熱量は増加して温度が急上昇するのに対して、発熱体Hb部分の発熱量は減少するため、急激な温度上昇が生じない。
【0008】
一方、前記発熱体Ha部分の温度が上昇すると、Ha部分の抵抗raが上昇し、その値ra′がra′=2(Ω)に増加したとする。同様に、発熱体Hb部分の温度が若干低下することにより、Hb部分の抵抗rbが低下し、その値rb′がrb′=1/2(Ω)に低下したとする。
この状態下に於ける発熱体HのHa部分の発熱量Pa″=(2/5)2 ・2=0.32(w)となる。また、発熱体HのHb部分の発熱量Pb″は、Pb″=(2/5)2 ・1/2=0.08(w)となり、発熱体HのHa部分とHb部分の温度差がより大きくなることになる。
【0009】
勿論、発熱体HのHa部分からHb部分への熱移動があるため、上記Ha部分とHb部分との温度差は時間の経過と共に平衡値に達することになるが、低温の被加熱体Cの接触により、面状ヒータAの片側面の温度が急激に下降すると、被加熱体Cと接触しない他側面の温度が急激に上昇するのに反して、被加熱体Cが接触する加温したい側の温度が逆に低下して、被加熱体Cの加熱が困難になると云う上記の如き事象は、屡々見られる現象である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従前の自己温度制御型面状ヒータに於ける上記の如き問題、即ち低温の被加熱体を接触させた場合に、加熱したい側の温度がなかなか上昇せずに、逆に、被加熱体が接触する側とは反対側の温度が上昇すると云う問題を解決せんとするものであり、低温の被加熱体を接触させた場合に、被加熱体が接触する側の温度を直ちに斑なく上昇させ得るようにした自己温度制御型面状ヒータを提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
而して、自己温度制御型面状ヒータに於ける上記の如き事象の発生を防止するには、面状ヒータAを形成する発熱体Hの熱伝導率を高めること、発熱体Hの厚みを可能な限り薄くすること及び発熱体Hの抵抗温度特性の変化率を適宜に選定すること等の対策が考えられ、これ等の対策を取り入れした多くの面状ヒータAが開発されている。
本願発明者は、従前の面状ヒータを構成する発熱体Hの抵抗温度特性の利用範囲に関する思考方法を完全に破棄し、加熱温度の低い範囲に於いては発熱体Hに負の抵抗温度特性を具備せしめ、また、逆に加熱温度の高い範囲に於いては、発熱体Hに正の抵抗温度特性を具備せしめることを新たに想到し、これ等の条件を満たす抵抗温度特性を備えた各種の発熱体Hを開発し製作すると共に、これを用いた面状ヒータAについて数多くの加熱特性試験を実施した。
【0012】
本発明は、上述の如き多数の面状ヒータに係る試験の結果に基づいて創作されたものであり、請求項1に記載の発明は、高熱伝導性と耐熱性を有する合成樹脂とカーボン粉末の混合体から形成した導電性合成樹脂から成る板状発熱体と、当該発熱体の一側に固設した金属製の平板状電極と、前記発熱体の他側に固設した金属製の網状電極とから構成した自己温度制御型面状ヒータに於いて、前記発熱体を形成する合成樹脂をPEEK樹脂とすると共にカーボン粉体の含有率を35〜50wt%とし、発熱体が略U字形又は略V字形の抵抗温度特性曲線を具備するものとしたことを発明の基本構成とするものである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明に於いて、平板状電極をステンレス鋼板製とすると共に、網状電極を銅製網体とするようにしたものである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明に於いて、カーボン粉体の含有率を40〜43wt%とすると共に網状電極を発熱体の一側の表層部へ埋設固定し、更に発熱体の網状電極側の外表面へ被加熱体を接触させるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自己温度制御型面状ヒータの断面概要図の一部を示すものであり、図に於いて1は面状ヒータ、1aは面状ヒータの発熱体、1bは被加熱体2の側に位置する網状電極、1cは平板状電極である。
【0016】
当該面状ヒータ1は、例えば図1に示すように、前記網状電極1b側の外表面が被加熱体(缶体その他)2に接触するか、若しくは被加熱体2の外表面を囲繞する状態で使用され、両電極1b・1c間に所定の電圧が印加される。
【0017】
前記発熱体1aは厚さ約1.0〜2mmの四角状のシート体に形成されており、一辺の寸法は100mm〜200mm程度に選定されている。
また、当該発熱体1aは、耐熱・高熱伝導性の合成樹脂にカーボン粉体を混練した混合体を原料とし、これをシート状に圧縮成形することにより形成されている。
更に当該発熱体1aを形成する前記混合体の合成樹脂とカーボン粉体の混合率は、発熱体1aの抵抗温度特性が、図2に示す略U字形(又は略V字形)となるように選定されている。
【0018】
前記発熱体1aの構成材である合成樹脂材としては、熱伝導性と耐熱性を有し、更に炭素粉体の混入により導電性が賦与され且つ抵抗温度特性が略U字形又は略V字形になるものであれば、如何なる合成樹脂であってもよく、本実施形態に於いては所謂PEEK樹脂が使用されている。
尚、前記PEEK樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の略称であり、下記のような構造式で表わされる分子構造を有するものである。また、当該PEEK樹脂は、英国のアイ・シー・アイ社が1977年に合成に成功し、且つ英国のビクトレックス社が現在製造・販売をしている熱可塑性の超耐熱樹脂である。
【0019】
【化1】
【0020】
更に、当該PEEEK樹脂の諸物性値は、比重が1.3、吸水率が0.14%(23℃、24時間)、引張強度990kg/cm2 (23℃)、420kg/cm2 (200℃)、圧縮強度1300kg/cm2 (23℃)、熱変形温度152℃(18.6kg/cm2 )、融点334℃、熱伝導率6×10−6cal/sec・cm・℃、比熱0.32cal/℃・g、誘電率3.2〜3.3(0℃〜150℃、50Hz〜1010Hz)、体積固有抵抗1015(Ω・cm)等である。
【0021】
また、前記被加熱体2側に位置する網状電極1bとしては、ステンレスや銅等の線条を網状に編成加工したものでも、或いはステンレスや銅等の線条を格子状に一定間隔で並列配置したものであってもよく、本実施形態では銅線からなる平面状の網状体が電極1bとして使用されている。
尚、当該網状電極1bは、混合体から発熱体1aを成形加工する時に予かじめ発熱体1a内へ若干入り込んだ位置に配設しておくことにより、発熱体1aと一体化されており、その結果、網状電極1bが被加熱体2へ直接接触することは無い。
【0022】
前記平板電極1cは、銅又はステンレス製の薄板から形成されており、本実施形態に於いてはステンレス鋼製の四角形薄板が電極1cとして使用されている。尚、当該平板状電極1cは、網状電極1bの場合と同様に、発熱体1aの成形時に、予かじめ電極1cを発熱体1aの内方へ若干入り込んだ位置にセットしておくことにより、発熱体1aと一体化されている。
【0023】
図2を参照して、両電極1b・1c間へ通電する前は、合成樹脂シートから成る発熱体1aは低温状態にあり、その結果発熱体1aの抵抗値は、図2の抵抗温度特性曲線上のP1 点に位置している。
【0024】
今、ここで電極1a・1b間へ通電されると、発熱体1aの平板状電極1c側は、その外表面が空気に接しているため熱容量が比較的小さく、直ちに温度が上昇する。その結果、平面電極1c側の発熱体1aの温度は、P1 点からP2 点へ移動する。
【0025】
これに対して、発熱体1aの網状電極1b側の発熱量は、網状電極1bそのものの抵抗値が平板状電極1cより大きいために、平板状電極1c側の発熱量よりも大きくなる。しかし、発熱体1aの網状電極1b側の外表面には熱容量の比較的大きな被加熱体2が接触しているため、発熱体1aの網状電極1b側の温度は比較的緩やかに上昇し、P1 点からP3 点へ移行する。
【0026】
一方、発熱体1aの前記平板状電極1c側は、その温度が上昇することにより抵抗値が減少し、温度は緩やかに上昇して、抵抗温度特性曲線上のP4 点に達することになる。
また、発熱体1aの網状電極1b側の温度は、被加熱体2の温度が上昇するにつれて上昇する。これにより、その抵抗が下降し、電流即ち発熱量が増加することにより抵抗温度特性曲線上のP5 点に達する。
【0027】
その後、発熱体1aの網状電極1b側及び平板状電極1c側の温度が上昇すると、発熱体1aの抵抗が上昇することになり(P6 及びP7 )、その結果電流の増加が抑制されて温度上昇も制約されることになる。
【0028】
図2からも明らかなように、本発明の実施形態に係る面状ヒータ1によれば、発熱体1aの網状電極1b側の温度は、従前の面状ヒータのように低温の被加熱体2の接触によって温度上昇が阻害されるようなことは全く無く、所定の温度にまで斑なく連続的に上昇すると共に、所定の温度を越えると自動的に温度上昇が制限されることになる。
【0029】
(実施例1)
図3は、本発明の実施例に係る自己温度制御型面状ヒータ1の断面概要図である。発熱体1aは、PEEK樹脂とカーボンの混合体(カーボン粉体の混合率42.5wt%)から成型されており、その外形寸法は厚さ約1.5mm、横幅25mm、縦幅15mmとされている。
また、平板状電極1cは厚さ1.6mmのステンレス鋼板(25mm×15mm)により形成されており、発熱体1aの一側の外表面へ固設されている。
更に、網状電極1bは、外径0.6mmφのニッケルメッキ銅線から成る25mm×15mmの網状体(格子間隔1.5mm×1.5mm)から形成されており、発熱体1aの一方の外表面から約0.5mm内部へ入り込んだ位置に発熱体1aと一体的に固設されている。
【0030】
表1は、図3に示した面状ヒータ1の両電極1b・1c間へ電圧E(v)を印加した場合の測定値を示すものであり、網状電極1b及び平板状電極1c側の温度は放射温度計((株)堀場製作所製)により測定したものである。
【0031】
【表1】
【0032】
また、図4は、前記表1をグラフ化したものであり、曲線Taは網状電極1b側の発熱体1aの外表面温度(℃)、Tbは平板状電極1c側の発熱体1aの外表面温度(℃)、Rは発熱体抵抗(Ω)を示すものである。
【0033】
(実施例2)
【表2】
表2は、前記図3の自己温度制御型面状ヒータに於いて、網状電極1bの材料をステンレス鋼製(外径0.6mmφ、格子間隔1.5mm×1.5mm)とした場合の発熱体1aの抵抗温度特性の測定値であり、発熱体1aの温度は網状電極1b側の発熱体1aの外表面温度を示すものである。
また、発熱体1aを形成する混合体のカーボン粉体の含有率は42.3wt%に選定されている。
【0034】
図5は前記表2の測定値をグラフ化したものであり、発熱体1aの抵抗温度特性は略U字形を呈している。
【0035】
PEEK樹脂とカーボン粉体の混合体のカーボン粉体の含有率を、42.5wt%(実施例1)及び42.3wt%(実施例2)としているが、カーボン粉体の含有率は35〜50wt%、望ましくは40〜43wt%とするのがよい。含有率が50wt%を超えると導電性が高かくなり過ぎ発熱体としての利用が困難になる。また、逆に含有率が35wt%以下になると、U字形又はV字形の抵抗温度特性曲線を得ることが困難となる。
【0036】
尚、前記実施例1及び実施例2に於ける抵抗温度特性の測定(表1及び表2)では、発熱体1aの網状電極1b側の温度を測定するに際して被加熱体を網状電極1b側の発熱体1aの外表面へ接触させることはしていないが、被加熱体を網状電極1b側の外表面へ直接接触させた場合には、その熱容量に応じて、外表面側温度が平衡状態に達するまでに時間がかかるものの、抵抗温度特性曲線そのものの形状は図4及び図5の場合と同様に、略U字形(又は略V字形)の形状となることが実験により確認されている。
【0037】
【発明の効果】
本発明に於いては、自己温度制御型の面状ヒータを構成する発熱体をPEEK樹脂とカーボン粉体の混合体から成る導電性合成樹脂製とすると共に、カーボン粉体の含有率を35〜50wt%として発熱体が略U字形状又は略V字形状の抵抗温度特性曲線を具備するようにしている。
その結果、低温で且つ熱容量の大きな被加熱体を加熱する場合であっても、発熱体の被加熱体側の表層部温度は、常に迅速且つ斑なく所定の温度にまで上昇することになり、従前のこの種自己温度制御型面状ヒータのように、加熱の途中で昇温したい側の発熱量が減少してその表層部温度が迅速に上昇しなかったり、或いは温度上昇に部分的な斑を生ずるようなことが略皆無となる。
【0038】
また、本発明に於いては、発熱体の抵抗温度特性曲線の形状を略U字形状又は略V字形状となるようにしているため、発熱体そのものは高温に自己制御性を発揮することになり、面状ヒータとしての安全性が損われることは全くない。
本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自己温度制御型面状ヒータの断面概要図の一部を示すものである。
【図2】本発明に係る面状ヒータで用いる加熱体の抵抗温度特性を示すものである。
【図3】本発明の実施例に係る自己温度制御型面状ヒータの断面概要図である。
【図4】図3に係る面状ヒータの特性曲線図である。
【図5】第2実施例に係る面状ヒータの抵抗温度特性曲線である。
【図6】従前の自己温度制御型面状ヒータの断面概要図である。
【図7】従前の自己温度制御型面状ヒータの抵抗温度特性を示す曲線である。
【符号の説明】
1は自己温度制御型面状ヒータ、1aは発熱体(導電性合成樹脂シート)、1bは網状電極、1cは平板状電極、2は被加熱体、Taは発熱体の網状電極側の温度、Tbは発熱体の平板状電極側の温度、Rは発熱体の抵抗、Rtは発熱体の抵抗温度特性曲線。
Claims (3)
- 高熱伝導性と耐熱性を有する合成樹脂とカーボン粉末の混合体から形成した導電性合成樹脂から成る板状発熱体と、当該発熱体の一側に固設した金属製の平板状電極と、前記発熱体の他側に固設した金属製の網状電極とから構成した自己温度制御型面状ヒータに於いて、前記発熱体を形成する合成樹脂をPEEK樹脂とすると共にカーボン粉体の含有率を35〜50wt%とし、発熱体が略U字形又は略V字形の抵抗温度特性曲線を具備するものとしたことを特徴とする自己温度制御型面状ヒータ。
- 平板状電極をステンレス鋼板製とすると共に網状電極を銅製網体とするようにした請求項1に記載の自己温度制御型面状ヒータ。
- カーボン粉体の含有率を40〜43wt%とすると共に網状電極を発熱体の一側の表層部へ埋設固定し、更に発熱体の網状電極側の外表面へ被加熱体を接触させる構成とした請求項1又は請求項2に記載の自己温度制御型面状ヒータ。
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