JP2004045866A - 多色画像形成装置および多色画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、紙折れや紙しわを発生せず、これらの転写材を安定的に搬送することができ、かつ感光体の長寿命化を図ることもできる多色画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成処理のために手差し給紙部13へセットされた転写材の種類を検出する転写材検出手段16aと、装置の使用環境の湿度を検出する湿度検出手段35と、を備え、かつ、前記両検出手段16a,35の検出結果に基づいて、異なる画像形成条件を設定する制御手段31を備えている。
【選択図】図4
【解決手段】画像形成処理のために手差し給紙部13へセットされた転写材の種類を検出する転写材検出手段16aと、装置の使用環境の湿度を検出する湿度検出手段35と、を備え、かつ、前記両検出手段16a,35の検出結果に基づいて、異なる画像形成条件を設定する制御手段31を備えている。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写装置に係り、特に、複数個の電子写真感光体のごとき画像形成媒体を並列に配設し、これら画像形成媒体に電子写真画像形成プロセスを施して複数色の現像画像を得、該現像画像を転写搬送手段により転写位置へ搬送される転写材に順次転写しカラー画像を得るようにした多色画像形成装置および多色画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の形式の画像形成装置は、給紙カセットや手差給紙トレイなどに積載された転写材を装置本体内に1枚ずつ給送し、所定の画像形成プロセスによって画像が形成されるタイミングに合わせて更に搬送して転写材上に所望の画像を得るものである。
【0003】
このように並列に配設された複数の画像形成ステーションを用いて転写材上に画像を順次重ねてフルカラーの画像を得るカラー画像形成装置においては、転写材上に画像を転写する転写手段から画像を転写材に定着させる定着手段までの転写材の搬送手段は、転写材をベルト上に載せて搬送するベルト搬送手段(転写搬送ベルト)が好適であり広く用いられている。
【0004】
画像形成プロセスにより、画像が形成されるタイミングに合わせてレジストローラを駆動させると、転写材は、画像と同期して搬送され、転写搬送ベルト上に静電吸着され、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色に対応した4つの画像形成媒体である感光ドラムの転写部に搬送され、転写搬送ベルトを挟んで感光ドラムとそれぞれ対向する4つの転写手段によって、感光ドラム上に形成された画像が転写材に転写される。
【0005】
感光ドラムは、それぞれ独立した駆動源である感光ドラム駆動モータにより、色ズレ、色ムラなどが発生しないように高精度な駆動が行われる。また、転写搬送ベルトも同様に独立した駆動源である転写搬送ベルト駆動モータによって高精度に駆動される。転写手段には、転写ローラが用いられ、この転写ローラにより、転写搬送ベルト上の転写材が感光ドラムに圧接されると共に、感光ドラム上に現像されたトナー像を転写材に転写するために、トナーと逆極性の電圧が印加される。
【0006】
このような電子写真方式の印字装置の利用方法として、封筒に宛名を記載する場合、普通のシート紙や接着剤が予め塗られて裏紙を被せられた転写材(ラベル紙)に印字して切り取り封筒に貼付ける方法を援用していたが、印字された転写材を切ったり、封筒に貼り付けたりする手間を省き、また、仕上時の見栄えを向上させる目的で、封筒を転写材として使用し、直接宛名等を印字するやり方が最近行なわれるようになってきた。
【0007】
また、封筒という複写媒体は、転写紙を折り曲げて表裏が重なって形成されている構造であるから、転写紙の腰(曲げ剛性)が強く、かつ紙厚が厚く、転写紙間に空気層が介在している。また、趣向性を向上するために、絹目加工、エンボス加工、クレープ加工のように表面に凹凸加工が付与されたものも存在する。
【0008】
従って、感光体面への密着性が普通紙に比べて劣るため、感光体から封筒へトナーが転写される転写工程において、電子写真装置を用いて封筒へ直接印字した場合、印字濃度低下、あるいは濃度ムラ等の転写性低下に係る問題が発生する。
【0009】
この転写効率低下の問題に関しては、封筒通紙時には転写帯電器からの転写電流を切換えて普通紙の場合よりも強い転写電流を印加することにより、転写効率を維持する方法が、例えば特開平5−281874号公報で提案されている。
【0010】
また、封筒の構造の特殊性は、上記のような転写性低下の問題を発生させる一方で、転写搬送ベルトへの静電吸着性の低下及びこれに起因する搬送性低下の問題をも発生させる。とりわけ、使用環境の湿度が高い場合には、転写搬送ベルトへ封筒が静電吸着しにくくなる。そのために、定着部への搬送経路上で紙ジャムを発生し易くなり、搬送性が不安定となる。
【0011】
感光体表面への密着性低下は、転写搬送ベルトに対する吸着性の低下にも繋がるので、転写搬送ベルトの転写材搬送面上の表面移動方向と交差する方向に延在する電流供給領域において、転写材搬送面と交差する方向に吸着帯電ローラを設け、これにプラス極性の電圧を出力する電源を接続し、吸着帯電ローラが転写材に電荷を付与することによって、転写材を転写搬送ベルトに静電吸着させ、確実に搬送するようにした方法が、特開平9−212000号公報で提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常の封筒のサイズは、一般に普通紙として多く使用されているA4サイズ紙やレターサイズ紙に比べると紙幅が狭い。従って、上記特開平5−281874号公報に記載のように、転写効率や画質維持を重視する観点から、封筒通紙の際に一方的に転写ローラから強い転写電流を印加すると、環境条件によっては、封筒通紙幅の範囲だけでなく、封筒通紙幅からはみ出た外側の感光体上にまで直接強い転写電流が印加されることになり、通紙領域外の感光体が部分的に疲労して感度低下を招き、結果的には感光体の寿命が短くなる。とりわけ、転写手段として接触型の転写帯電器(転写ローラまたは帯電ブラシ)が使用される場合には、特に、問題になりやすい。
【0013】
そして、特開平9−212000号公報のように、転写材のみに電荷を付与する方法では、電源に対して定電流制御または定電圧制御のいずれを採用したとしても、転写材の全ての条件変化に追従しながら確実な転写材の搬送を行うことが難しい。また、転写搬送ベルトの転写材搬送方向上流側の端部(転写材搬入部)に、このような吸着帯電ローラを設けることは、装置内部のレイアウト上不利になる。
【0014】
従って、カラー画像形成装置において、封筒のような特殊な転写材を扱う場合には、必ずしも普通紙へカラー画像を複写する場合のような高品位の画像出力を要求されることはなく、合理性を重視する観点からモノクロ画像だけでも効率的に出力したいという要望を優先するような場合が発生する。
【0015】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、紙折れや紙しわを発生せず、これらの転写材を安定的に搬送することができ、かつ感光体の長寿命化を図ることもできる多色画像形成装置および多色画像形成方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段を、以下のように構成している。
【0017】
(1)所定の画像形成プロセスを介して転写材に転写されるべき画像が形成される少なくとも2つ以上並列に配設された画像形成媒体と、転写材を転写位置へ搬送するための転写搬送手段と、を備える多色画像形成装置において、
画像形成処理のために手差し給紙部へセットされた転写材の種類を検出する転写材検出手段と、装置の使用環境の湿度を検出する湿度検出手段と、を備え、かつ、前記両検出手段の検出結果に基づいて、異なる画像形成条件を設定する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
この構成においては、転写材の種類と、使用環境の湿度と、を検出して、これらに基づいて、適切な画像形成条件を設定することができるので、装置の設置される環境条件が変動し、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、搬送障害や紙折れ、紙しわ等が発生せず、これらの転写材を安定に搬送し、かつ感光体の長寿命化を図ることもできる。
【0019】
(2)所定の画像形成プロセスを介して転写材に転写されるべき画像が形成される少なくとも2つ以上並列に配設された画像形成媒体と、転写材を転写位置へ搬送するための転写搬送手段と、を備える多色画像形成装置において、
画像形成処理のために手差し給紙部へセットされた転写材の種類を検出する転写材検出手段と、装置の使用環境の湿度を検出する湿度検出手段と、を備え、かつ、前記両検出手段の検出結果に基づいて、前記転写搬送手段の画像形成媒体に対する接離状態の設定と、前記転写位置で作用する転写材への転写出力の設定と、を変更する制御手段を備えることを特徴とする。
【0020】
この構成においては、転写材の種類と、使用環境の湿度を検出して、これらに基づいて、転写搬送手段の画像形成媒体に対する接離状態と、転写位置で作用する転写材への転写出力と、を適切に設定することができるので、装置の設置される環境条件が変動し、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、搬送障害や紙折れ、紙しわ等が発生せず、これらの転写材を安定に搬送し、かつ感光体の長寿命化を図ることもできる。
【0021】
(3)転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、前記両検出手段の検出結果を表示する表示部と、前記表示部の表示内容に基づいて、印字の実行または中止を選択的に入力する入力部と、を備えることを特徴とする。
【0022】
この構成においては、転写材の種類と湿度を検出結果として表示部に表示することによって、作業者に対して、装置の設置環境等の状態を的確に認識・把握させることができるため、この表示部の表示内容に基づいて印字実行の有無を適切に選択することができる。
【0023】
また、装置の使用環境が高湿度であることが表示され、搬送障害が発生する可能性が示唆された状態で印字がおこなわれるので、たとえ、搬送障害が発生しても、作業者は、戸惑うことなく、適切に対処することができる。
【0024】
(4)転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの画像形成媒体に対しても一様帯電を行なうべく主帯電手段を作動させる制御手段を備えることを特徴とする。
【0025】
この構成においては、隣接する画像形成ステーションで、均一に帯電した感光体を介してトナーと同極性の電荷注入を行うことによって、転写搬送ベルト上に静電保持されている転写材上に転写されたBKトナー像が定着工程に至るまでの間におけるトナー帯電電位の低下をカバーして、トナー像が転写材上に安定して静電保持される環境を確保することができる。
【0026】
(5)転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、前記転写搬送手段を全ての画像形成ステーションの画像形成媒体に対して当接位置に保持する制御手段を備えることを特徴とする。
【0027】
この構成においては、均一に帯電した感光体を利用し、トナーの帯電電位を維持するために行う電荷注入を実現するための必須の要件を満たしており、転写搬送手段(例えば、転写搬送ベルト)上に静電保持されている転写材上に転写されたBKトナー像が定着工程に至るまでの間におけるトナー帯電電位の低下をカバーして、トナー像が転写材上に安定して静電保持される環境を確保することができる。
【0028】
(6)転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの主帯電手段を作用させる制御手段を備えることを特徴とする。
【0029】
この構成においては、搬送方向の下流側に配置される各画像形成ステーションで、搬送されてくる転写材が感光体と接触する際に、トナーの帯電電位を維持または補償するためのトナーと同極性の電荷注入を行なうことができる。
【0030】
C,M及びYのトナー色の画像形成ステーションは画像形成に関与しないにも関わらず、各感光体に対して帯電器を作用させることによって、転写搬送手段上に静電保持されている転写材上に転写されたBKトナー像が定着工程に至るまでの間における電位の低下をカバーして、トナー像が転写材上に安定して静電保持される環境が確保される。
【0031】
(7)転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの転写手段を作用させる制御手段を備えることを特徴とする。
【0032】
この構成においては、転写搬送手段(例えば、転写搬送ベルト)に対する吸着性の劣る封筒もしくは厚紙に関して、転写搬送手段での搬送中に、転写材表面電位の低下が発生しても、転写手段と転写材表面のマイナス電荷との間に吸引力が働くので、転写手段と転写搬送手段の当接部分のみであるが、転写搬送手段への転写材の吸着力が若干回復する方向へ働くこととなり、定着部へ到達するまで転写材の吸着力の低下を防止することができる。すなわち、転写材表面電位の低下を、BK以外の下流側の転写手段を作用させることによって補償し、転写搬送手段への吸着性を維持することができる。
【0033】
(8)前記湿度検出手段に代えて、転写材の水分量を検出する水分量検出手段を備えたことを特徴とする。
【0034】
装置の使用環境が高湿度になれば、転写材の水分量も多くなり、低湿度になれば、水分量も減る。従って、使用環境の「湿度」と転写材の「水分量」は比例関係にあると見做すことができる。
【0035】
この構成においては、水分量検出手段によって転写材の水分量を検出するので、湿度検出手段によって装置の使用環境の湿度を検出する場合と、同等の機能が得られる。
【0036】
(9)所定の画像形成プロセスを介して転写材に転写されるべき画像が形成される少なくとも2つ以上並列に配設された画像形成媒体と、転写材を転写位置へ搬送するための転写搬送手段と、を備える多色画像形成装置において、
手差し給紙部へセットされた転写材の種類と、装置の使用環境の湿度と、に基づいて、異なる画像形成条件を設定することを特徴とする。
【0037】
この方法においては、転写材の種類と、使用環境の湿度と、に基づいて、適切な画像形成条件を設定することができるので、装置の設置される環境条件が変動し、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、搬送障害や紙折れ、紙しわ等が発生せず、これらの転写材を安定に搬送することができ、かつ感光体の長寿命化を図ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態に係る多色画像形成装置について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0039】
(多色画像形成装置の概要)
図1は多色画像形成装置の基本的な構成を示し、この多色画像形成装置には、図示のように、例えばブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のトナー像を形成する4個の感光ドラム(画像形成媒体)1a、1b、1c、1dが並行に配置され、これらの感光ドラム1a〜1dの周囲には、それぞれ一次帯電器(主帯電手段)2a、2b、2c、2d、現像器3a、3b、3c、3d、及び転写手段である転写ローラ4a、4b、4c、4dが配置され、また、感光ドラム1a〜1dの上方にはLED等で構成される露光装置6a、6b、6c、6dが配置されている。
【0040】
このような構成により、感光ドラム1a〜1dをそれぞれ帯電器2a〜2dにより帯電し、色分解したブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色の光像を露光装置6a、6b、6c、6dにより露光して、感光ドラム1a〜1dにブラック、シアン、マゼンタ、イエローの潜像を形成し、それぞれの潜像を現像器3a〜3dにより現像して、感光ドラム1a〜1dにブラック、シアン、マゼンタ、イエローのトナー像を順次形成する。
【0041】
転写材Sとしての記録用紙が収納されたカセット7a、7bは、図中手前方向に引き出し可能に構成され、例えば、転写材Sの補給や、カセット内ジャム時のジャム処理等は、カセット7a、7bを装置手前側に引き出すことによりおこなえる。また、転写材Sは、カセット7aまたは7bからピックアップローラ8aまたは8bにより1枚ずつ繰り出され、縦パスローラ対9を経て、給送手段であるレジストローラ10でタイミングを合わされた後、搬送ガイド18に案内されて、転写搬送ベルト(転写搬送手段)21上を図1に示す矢印A方向に搬送される。
【0042】
そして、装置本体の図示右側の手差し給紙部には、手差し給紙トレイ13が着脱自在に取り付けられており、この手差し給紙トレイ13から、封筒や厚紙等の特殊な転写材Sを給送することができる。その場合には、1枚ずつセットし、ピックアップローラ13aによって繰り出させ、装置本体内の手差し専用の搬入ローラ13bを経て、レジストローラ10に搬入され、以下同様に、転写搬送ベルト21上を矢印A方向に搬送される。なお、薄手の転写材であれば、適当な枚数を手差し給紙トレイ13に積層して自動給紙することもできる。
【0043】
転写材Sは、転写搬送ベルト21の転動動作により各感光ドラム1a〜1dと対向した転写部に順次搬送され、感光ドラム1a〜1d上の各色のトナー像が、トナーと逆極性の電圧を印加された転写ローラ4a〜4dの作用により転写材S上に重ね合わせて転写され、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のトナー像を重ね合わせたカラー画像が転写材Sに形成される。
【0044】
4色のトナー像が転写された転写材Sは、転写搬送ベルト21から搬送方向先端において分離して定着器11に搬送され、そこで熱及び圧力を受けて定着され、これにより各色のトナーが溶融混色して転写材Sに固定されたフルカラーのプリント画像とされた後、定着器11の下流に設けられた排紙搬送手段29によって画像形成装置の機外に排紙される。
【0045】
(転写材検出手段)
以上のように画像が形成される転写材の種類を画像形成前に検出する方法として、以下のような方法があるが、本発明は、これらに限定されることなく、他の適当な検出方法を適用することもできる。
【0046】
1)モータ駆動電流で検出する方法
例えば、図2(a)に示すようなモータ駆動電流検知回路54によって転写材を検出することができる。この場合、モータ駆動電流検知回路54は、モータ駆動用IC52と抵抗R1,R2,R3を組み合わせてなり、メインモータ51の駆動電流を電圧変換し、さらにA/Dコンバーター53によってA/D変換してCPU32に出力する。
【0047】
CPU32は、給紙クラッチがONしていない時の電流値及び、給紙クラッチがONしている時の電流値を読み込み、この電流値の差を給紙に必要となるモータトルクとし、普通紙と厚紙もしくは封筒とのトルク境界値(この値より大きければ厚紙もしくは封筒、小さければ普通紙とみなされる)と比較し、現在給紙している転写材が普通紙か、厚紙もしくは封筒であるかを判別する。なお、このような検出方法の制御系統ブロック図を図2(b)に示す。
【0048】
2)手差し給紙トレイで検出する方法
一般には、封筒の給紙は、手差し給紙トレイ13を介して行う。例えば、手差し給紙トレイ13を裏側から見た構成を表す図3(a)(b)に示すように、両サイドの給紙ガイド14,14に、それぞれラックギヤr,rを形成し、このラックギヤr,rに、手差し給紙トレイ13の底板に軸支させたピニオンギヤpを噛合させることにより、両給紙ガイド14,14を、給紙方向に対して直角方向に摺動自在とし、かつ、その摺動方向に手差し給紙トレイ13の底板に設けた紙サイズセンサ15に接触させるように構成する。なお、図3(c)は封筒の搬送方向(通紙方向)を示す。
【0049】
このような構成により、その両給紙ガイド14,14で封筒の両側端を規制した時点で、紙サイズセンサ15によって、両給紙ガイド14,14の移動位置を抵抗値の変化または通電の有無等により検知する。つまり、両給紙ガイド14,14が左右に移動すると,紙サイズセンサ15により,移動された位置(サイズ)を検知することができる。
【0050】
すなわち、図示の矢印の如く,両給紙ガイド14,14の位置が変化することによって、紙サイズセンサ15に流れる電流値が変化する。その電流値をCPU(図示省略)によって読み取ることにより、手差し給紙トレイ13にセットされた転写材Sのサイズを自動的に検知できる。例えば,封筒のサイズ(幅)は,通常使用される転写材のサイズ(幅)とは異なるため,手差し給紙トレイ13にセットされた場合に封筒か或いは通常の転写材であるかが判別可能となる。このような給紙ガイド14,14を用いた転写材検出手段は、また、例えば、図4に示すような構成(後述する)としてもよい。
【0051】
(湿度検出手段)
下記に代表的な湿度の検出方法を挙げるが、本発明はこれらに限定されることなく、これらに代わる他の適当な検出方法を適用することもできる。
【0052】
1)湿度センサ
画像形成装置本体内の転写材収納部(転写材カセット部)に、この転写材収納部内の湿度を検出する湿度センサを設ける。
【0053】
2)転写材の含水率(または転写材水分量)
転写材収容部内の湿度と、転写材の含水率(または転写材水分量)とは正の相関関係を示す。従って、転写材含水率(または転写材水分量)を検出し、その値を転写材収容部内の湿度に代えることが可能である。転写材水分量検出手段は、短時間で検知可能なもの、すなわち、転写材に含まれる水分による電気抵抗値の変化や、赤外線やマイクロ波等の吸収(これらが転写材を透過する際に、転写材含水率に応じて減衰するので、その減衰量を検出する)を検出するものが望ましい。
【0054】
転写材水分量検知手段の配置位置は、転写材の給紙搬送部分(例えば、レジストローラ対を導電性部材で形成し、転写材水分量検出手段を構成する回路の一部とする)に設置し、ここを通過する転写材の水分量を測定することができる。なお、転写材の収容されている転写材カセットや、給紙トレイ部分の近傍に配置し、積載されている状態の転写材の水分量を測定してもよい。
【0055】
(制御系統ブロック図)
図4は、多色画像形成装置の制御系統を示し、制御装置(制御手段)31は、各種演算処理をおこなうCPU32と、記憶処理をおこなうROM33、RAM34を具備し、多色画像形成装置の動作全般を制御する。その入力側には、転写材検出手段を構成するスイッチ16a、湿度センサ(湿度検出手段)35、印字の実行または中止を選択的に入力するための選択スイッチ(入力部)36、外部入力機器37、スキャナ部38、が接続され、出力側には、検出結果を表示するための操作パネルのディスプレイ(表示部)39、転写搬送ベルト離接駆動手段40、転写出力高圧電源41、画像形成部42、画像処理部43、が接続されている。
【0056】
この場合、図示の転写材検出手段は、以下のように構成している。すなわち、両給紙ガイド14,14の下部に連結したレバー14a,14aの内面側に、手差し給紙トレイ13の底板に軸支させたピニオンギヤpに噛み合うラックギヤr,rを形成すると共に、その一方のレバー14aの外面側に、転写材検出回路(図示省略)に接続した金属皮膜抵抗等からなる抵抗体16を貼り付け、この抵抗体16に摺接するスイッチ16aを手差し給紙トレイ13の底板に固設してCPU32に接続している。
【0057】
このような構成により、両給紙ガイド14,14によって封筒等の転写材Sの両側端を規制した時点で、そのスイッチ16aからの抵抗値(の変化)を読取り、基準値と比較することにより、転写材Sのサイズを自動的に検知することができる。なお、本発明は、転写材検出手段の構成を特定するものではなく、上述のような手差し給紙トレイ13で検出する方法や、前述したモータ駆動電流で検出する方法以外の方法であってもよく、使用条件や多色画像形成装置の機種等に応じて適切な方法が適宜選択されてよい。また、このような転写材検出手段を装置本体に設けていない場合においても、例えば、手動入力(操作パネルでのサイズ指定)による方法であっても、本発明の方法を適用することができる。
【0058】
(制御フロー図)
図5は制御フローの一例を示し、この場合、制御装置31は、手差し給紙トレイ13にセットされた転写材Sの種類と、湿度センサ35が検出した湿度に基づいて、転写搬送ベルト21の感光ドラム1a〜1dに対する接離状態の切換と、各画像形成ステーションの転写手段(転写ローラ)4a〜4dの転写出力を変更するようにしている。
【0059】
具体的には、まず、転写材Sの幅を検出し(STEP1)、湿度(水分量)を検出(STEP2)した後、転写材が封筒または厚紙であるか否かが判断され(STEP3)、封筒または厚紙であると、高湿度であるか否かが判断され(STEP4)、高湿度であれば、操作パネルのディスプレイ39にその旨が表示され(STEP5)、その表示内容を確認した作業者によって印字を実行するか中止するかが、例えば、選択スイッチ36によって、選択される(STEP6)。
【0060】
印字を実行する場合には、カラー印字か否かが判断され(STEP7)、カラー印字であれば、H/H(高温・高湿)下における封筒(厚紙)のカラー用転写条件が設定され(STEP8)、印字が実行(STEP9)された後、待機状態となり(STEP10)、フローは終了する。STEP7にて、カラー印字でなければ、H/H(高温・高湿)下における封筒(厚紙)のモノクロ用転写条件が設定され(STEP11)、印字が実行(STEP12)された後、待機状態となる(STEP10)。
【0061】
STEP4にて、高湿度でなければ、カラー印字か否かが判断され(STEP13)、カラー印字であれば、封筒(厚紙)カラー用転写出力の設定がなされ(STEP14)、印字が実行(STEP15)された後、待機状態となる(STEP10)。また、STEP13にて、モノクロ印字であれば、転写搬送ベルト21を退避させ(STEP16)、封筒(厚紙)モノクロ用転写出力の設定をおこなった(STEP17)後、印字を実行し(STEP18)、転写搬送ベルト21を復帰(STEP19)させた後、待機状態となる(STEP10)。
【0062】
また、STEP3にて、封筒(厚紙)でなければ(普通紙であれば)、カラー印字であるか否かが判断され(STEP20)、カラー印字であれば、普通紙カラー用転写出力が設定され(STEP21)、印字を実行(STEP22)した後、待機状態となる(STEP10)。STEP20にて、カラー印字でなければ(モノクロ印字であれば)、転写搬送ベルト21を退避させ(STEP23)、普通モノクロ用転写出力の設定(STEP24)をおこなった後、印字を実行し(STEP25)、転写搬送ベルト21を復帰させた(STEP26)後、待機状態となる(STEP10)。
【0063】
(転写搬送ベルトの接離状態)
下記表1に示すように、制御装置31は、手差し給紙トレイ13へセットされた転写材Sの種類と、湿度センサ35が検出した湿度に基づいて、転写搬送ベルト21の感光ドラム1a〜1dに対する接離状態を変更する。
【0064】
【表1】
【0065】
普通紙及び封筒(もしくは厚紙)とも、N/N(常温・常湿)でモノクロ印字を行う場合には、感光ドラム1a〜1dの磨耗を防止するために、転写搬送ベルト21をBK以外の画像形成ステーションから離間させるように切換える(図6(b)参照)。
【0066】
封筒(もしくは厚紙)に関してH/H(高温・高湿)でモノクロ印字を行う場合には、BK以外の画像形成ステーションは、画像形成に関与しないが、転写搬送ベルト21を全ての画像形成ステーションに対して当接させる(図6(a)参照)。なお、図6(a)(b)にて、5a〜5dはクリーニング装置である。
【0067】
(感光体帯電器出力)
下記表2に示すように、制御装置31は、手差し給紙トレイ13へセットされた転写材Sの種類と、湿度センサ35が検出した湿度に基づいて、各画像形成ステーションの感光ドラム1a〜1dを帯電させるための帯電器出力をON・OFFする。
【0068】
普通紙及び封筒(もしくは厚紙)とも、N/Nでモノクロ印字を行う場合には、帯電器出力をOFFとするのに対して、封筒(もしくは厚紙)に関してH/Hでモノクロ印字を行う場合には、BK以外の画像形成ステーションは、画像形成に関与しないが、帯電器出力をONとする。なお、各画像形成ステーションの感光ドラム1a〜1dの帯電電位を−600Vとしている。
【0069】
【表2】
【0070】
ここで、C、M及びYのトナー色の画像形成ステーションは画像形成に関与しないにも関わらず、各感光ドラム1b〜1dに対して帯電器2b〜2dを作用させているのは、転写搬送ベルト21上に静電保持されている転写材上に転写されたBKトナー像の定着工程に至るまでの間における電位の低下をカバーして、トナー像が転写材上に安定して静電保持される環境を確保するためである。
【0071】
すなわち、封筒(もしくは厚紙)に、H/Hでモノクロ印字を行う場合には、BK色の画像形成ステーションよりも下流側に配置される各画像形成ステーションで、搬送されてくる転写材Sが感光ドラム1b〜1dと接触する際に、トナーの帯電電位を維持または補償するためにトナーと同極性の電荷注入を行うようにしている。
【0072】
(像露光)
封筒(もしくは厚紙)に対してH/Hでモノクロ印字を行う場合には、像露光に関しては、下記表3に示すように、画像形成に関与するBK画像形成ステーションの像露光器(露光装置)6aのみを作用させて感光ドラム1aへの書込みを行う。
【0073】
【表3】
【0074】
なお、下流側の画像形成ステーションについては、搬送されてくる転写材Sが感光ドラム1b〜1dと接触する際に、転写材S上に保持されているトナーの帯電電位を維持または補償するためのトナーと同極性の電荷注入を行なう必要があるので、感光体表面電位は低下させない(表2参照)。
【0075】
(現像装置の回転及び現像バイアス印加)
下記表4に示すように、画像形成に関与するBK画像形成ステーションのみ現像器3aを作動させ、現像バイアス電圧を印加する。画像形成に関与しない、C、M及びYの画像形成ステーションについては、現像器3b〜3dは作用させない。
【0076】
【表4】
【0077】
(転写条件)
下記表5に示すように、制御装置31は、手差し給紙トレイ13へセットされた転写材Sの種類と、湿度センサ35が検出した湿度に基づいて、各画像形成ステーションの転写出力を変更する。封筒(もしくは厚紙)に関してH/Hでモノクロ印字を行う場合には、BK以外の画像形成ステーションは、画像形成に関与しないが、転写出力(転写ローラー4b〜4dへの供給電力)をONとする。
【0078】
【表5】
【0079】
図7(a)は、転写部近傍の構成を模式的に表わしたものであり、転写材Sの搬送方向上流側に黒用の画像形成ステーションを配置した状態を示している。転写搬送ベルト21の抵抗値と転写バイアスを測定すると、転写搬送ベルト21の抵抗値は1013Ω・cm、転写搬送ベルト21の転写バイアスは普通紙の場合2kV、封筒もしくは厚紙の場合2.5kVであった。
【0080】
図7(a)において、例えば、普通紙に対してN/N条件では、2kVの転写バイアスによりBK(黒色)トナーが転写材Sに転写されるが、このとき転写材表面電位を測定すると約−800Vとなり、約1秒後(ほぼ隣接する画像形成ステーションの感光体位置に移動している)には、約半分の−400Vまで転写材表面電位が低下し、転写材吸着力が低下する。
【0081】
この状態を示したのが図7(b)であり、時間が経過するに従い、転写材表面電位が低下する。同様なことが、封筒もしくは厚紙を用いてH/H条件で画像形成を行う場合にも発生し、封筒もしくは厚紙に関しては、転写搬送ベルト21に対する吸着性が普通紙よりも低下する。
【0082】
従って、隣接する画像形成ステーションの転写ローラ4bに通常転写時よりも低い(この場合、数百Vオーダーから1kV程度の範囲)転写バイアスを印加すると、転写材表面のマイナス電荷との間に吸引力が働き、転写ローラ4b〜4dと転写搬送ベルト21の当接部分のみであるが、転写搬送ベルト21への転写材Sの吸着力が若干回復する方向へ働くこととなり、定着部へ到達するまで転写材Sに対する吸着力の低下を防止することができる。すなわち、転写材表面電位の低下を、BK以外の下流側の転写ローラ4b〜4dによって補償していることになる。
【0083】
なお、本発明は多色画像形成装置の構成を実施形態で説明したものに限定されることなく、少なくとも、2つ以上並列に配設された画像形成媒体と、転写材を転写位置へ搬送するための転写搬送手段と、を備え、所定の画像形成プロセスを介して転写材上に画像を形成することができる多色画像形成装置であれば、構成や形式の如何を問わず、本発明を適用することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、以下のような効果を奏する。
【0085】
(1)転写材の種類と、使用環境の湿度と、を検出して、これらに基づいて、適切な画像形成条件を設定することができるので、装置の設置される環境条件が変動し、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、搬送障害や紙折れ、紙しわ等が発生せず、これらの転写材を安定に搬送し、かつ感光体の長寿命化を図ることもできる。
【0086】
(2)転写材の種類と、使用環境の湿度を検出して、これらに基づいて、転写搬送手段の画像形成媒体に対する接離状態と、転写位置で作用する転写材への転写出力と、を適切に設定することができるので、装置の設置される環境条件が変動し、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、搬送障害や紙折れ、紙しわ等が発生せず、これらの転写材を安定に搬送し、かつ感光体の長寿命化を図ることもできる。
【0087】
(3)転写材の種類と湿度を検出結果として表示部に表示することによって、作業者に対して、装置の設置環境等の状態を的確に認識・把握させることができるため、この表示部の表示内容に基づいて印字実行の有無を適切に選択することができる。
【0088】
また、装置の使用環境が高湿度であることが表示され、搬送障害が発生する可能性が示唆された状態で印字がおこなわれるので、たとえ、搬送障害が発生しても、作業者は、戸惑うことなく、適切に対処することができる。
【0089】
(4)隣接する画像形成ステーションで、均一に帯電した感光体を介してトナーと同極性の電荷注入を行うので、転写搬送手段上に静電保持されている転写材上に転写されたBKトナー像が定着工程に至るまでの間におけるトナー帯電電位の低下をカバーして、トナー像が転写材上に安定して静電保持される環境を確保することができる。
【0090】
(5)転写材が封筒もしくは厚紙であり、かつ、装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、転写搬送手段を全ての画像形成ステーションの画像形成媒体に対して当接位置に保持するので、転写搬送手段上に静電保持されている転写材上に転写されたBKトナー像が定着工程に至るまでの間におけるトナー帯電電位の低下をカバーして、トナー像が転写材上に安定して静電保持される環境を確保することができる。
【0091】
(6)転写材が封筒もしくは厚紙であり、かつ、装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの主帯電手段を作用させるので、搬送方向の下流側に配置される各画像形成ステーションで、搬送されてくる転写材が感光体と接触する際に、トナーの帯電電位を維持または補償するためのトナーと同極性の電荷注入を行なうことができ、トナー像を転写材上に安定して静電保持することができる。
【0092】
(7)転写材が封筒もしくは厚紙であり、かつ、装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの転写手段を作用させるので、転写搬送手段での搬送中に、転写材表面電位の低下が発生しても、転写手段と転写材表面のマイナス電荷との間に吸引力が働くため、転写搬送手段への転写材の吸着力が若干回復する方向へ働くこととなり、定着部へ到達するまで転写材の吸着力の低下を防止することができる。
【0093】
(8)湿度検出手段に代えて、転写材の水分量を検出する水分量検出手段を備えるので、湿度検出手段によって装置の使用環境の湿度を検出する場合と、同等の機能が得られる。
【0094】
(9)転写材の種類と、使用環境の湿度と、に基づいて、適切な画像形成条件を設定することができるので、装置の設置される環境条件が変動し、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、搬送障害や紙折れ、紙しわ等が発生せず、これらの転写材を安定に搬送することができ、かつ感光体の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る多色画像形成装置の構成図である。
【図2】同転写材の種類を検出するためのモータ駆動電流検知回路図と制御系統ブロック図である。
【図3】同手差し給紙トレイの構成説明図である。
【図4】同多色画像形成装置の制御系統ブロック図である。
【図5】同多色画像形成の方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】同転写搬送ベルトの離接動作の説明図である。
【図7】同転写部近傍の構成説明図と感光ドラムの表面電位の経時的な変化状態を表すグラフである。
【符号の説明】
1a〜1d−画像形成媒体
2a〜2d−主帯電手段
4a〜4d−転写手段
13−手差し給紙部
16a,54−転写材検出手段
21−転写搬送手段
31−制御手段
35−湿度検出手段
36−入力部
39−表示部
S−転写材
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写装置に係り、特に、複数個の電子写真感光体のごとき画像形成媒体を並列に配設し、これら画像形成媒体に電子写真画像形成プロセスを施して複数色の現像画像を得、該現像画像を転写搬送手段により転写位置へ搬送される転写材に順次転写しカラー画像を得るようにした多色画像形成装置および多色画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の形式の画像形成装置は、給紙カセットや手差給紙トレイなどに積載された転写材を装置本体内に1枚ずつ給送し、所定の画像形成プロセスによって画像が形成されるタイミングに合わせて更に搬送して転写材上に所望の画像を得るものである。
【0003】
このように並列に配設された複数の画像形成ステーションを用いて転写材上に画像を順次重ねてフルカラーの画像を得るカラー画像形成装置においては、転写材上に画像を転写する転写手段から画像を転写材に定着させる定着手段までの転写材の搬送手段は、転写材をベルト上に載せて搬送するベルト搬送手段(転写搬送ベルト)が好適であり広く用いられている。
【0004】
画像形成プロセスにより、画像が形成されるタイミングに合わせてレジストローラを駆動させると、転写材は、画像と同期して搬送され、転写搬送ベルト上に静電吸着され、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色に対応した4つの画像形成媒体である感光ドラムの転写部に搬送され、転写搬送ベルトを挟んで感光ドラムとそれぞれ対向する4つの転写手段によって、感光ドラム上に形成された画像が転写材に転写される。
【0005】
感光ドラムは、それぞれ独立した駆動源である感光ドラム駆動モータにより、色ズレ、色ムラなどが発生しないように高精度な駆動が行われる。また、転写搬送ベルトも同様に独立した駆動源である転写搬送ベルト駆動モータによって高精度に駆動される。転写手段には、転写ローラが用いられ、この転写ローラにより、転写搬送ベルト上の転写材が感光ドラムに圧接されると共に、感光ドラム上に現像されたトナー像を転写材に転写するために、トナーと逆極性の電圧が印加される。
【0006】
このような電子写真方式の印字装置の利用方法として、封筒に宛名を記載する場合、普通のシート紙や接着剤が予め塗られて裏紙を被せられた転写材(ラベル紙)に印字して切り取り封筒に貼付ける方法を援用していたが、印字された転写材を切ったり、封筒に貼り付けたりする手間を省き、また、仕上時の見栄えを向上させる目的で、封筒を転写材として使用し、直接宛名等を印字するやり方が最近行なわれるようになってきた。
【0007】
また、封筒という複写媒体は、転写紙を折り曲げて表裏が重なって形成されている構造であるから、転写紙の腰(曲げ剛性)が強く、かつ紙厚が厚く、転写紙間に空気層が介在している。また、趣向性を向上するために、絹目加工、エンボス加工、クレープ加工のように表面に凹凸加工が付与されたものも存在する。
【0008】
従って、感光体面への密着性が普通紙に比べて劣るため、感光体から封筒へトナーが転写される転写工程において、電子写真装置を用いて封筒へ直接印字した場合、印字濃度低下、あるいは濃度ムラ等の転写性低下に係る問題が発生する。
【0009】
この転写効率低下の問題に関しては、封筒通紙時には転写帯電器からの転写電流を切換えて普通紙の場合よりも強い転写電流を印加することにより、転写効率を維持する方法が、例えば特開平5−281874号公報で提案されている。
【0010】
また、封筒の構造の特殊性は、上記のような転写性低下の問題を発生させる一方で、転写搬送ベルトへの静電吸着性の低下及びこれに起因する搬送性低下の問題をも発生させる。とりわけ、使用環境の湿度が高い場合には、転写搬送ベルトへ封筒が静電吸着しにくくなる。そのために、定着部への搬送経路上で紙ジャムを発生し易くなり、搬送性が不安定となる。
【0011】
感光体表面への密着性低下は、転写搬送ベルトに対する吸着性の低下にも繋がるので、転写搬送ベルトの転写材搬送面上の表面移動方向と交差する方向に延在する電流供給領域において、転写材搬送面と交差する方向に吸着帯電ローラを設け、これにプラス極性の電圧を出力する電源を接続し、吸着帯電ローラが転写材に電荷を付与することによって、転写材を転写搬送ベルトに静電吸着させ、確実に搬送するようにした方法が、特開平9−212000号公報で提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常の封筒のサイズは、一般に普通紙として多く使用されているA4サイズ紙やレターサイズ紙に比べると紙幅が狭い。従って、上記特開平5−281874号公報に記載のように、転写効率や画質維持を重視する観点から、封筒通紙の際に一方的に転写ローラから強い転写電流を印加すると、環境条件によっては、封筒通紙幅の範囲だけでなく、封筒通紙幅からはみ出た外側の感光体上にまで直接強い転写電流が印加されることになり、通紙領域外の感光体が部分的に疲労して感度低下を招き、結果的には感光体の寿命が短くなる。とりわけ、転写手段として接触型の転写帯電器(転写ローラまたは帯電ブラシ)が使用される場合には、特に、問題になりやすい。
【0013】
そして、特開平9−212000号公報のように、転写材のみに電荷を付与する方法では、電源に対して定電流制御または定電圧制御のいずれを採用したとしても、転写材の全ての条件変化に追従しながら確実な転写材の搬送を行うことが難しい。また、転写搬送ベルトの転写材搬送方向上流側の端部(転写材搬入部)に、このような吸着帯電ローラを設けることは、装置内部のレイアウト上不利になる。
【0014】
従って、カラー画像形成装置において、封筒のような特殊な転写材を扱う場合には、必ずしも普通紙へカラー画像を複写する場合のような高品位の画像出力を要求されることはなく、合理性を重視する観点からモノクロ画像だけでも効率的に出力したいという要望を優先するような場合が発生する。
【0015】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、紙折れや紙しわを発生せず、これらの転写材を安定的に搬送することができ、かつ感光体の長寿命化を図ることもできる多色画像形成装置および多色画像形成方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段を、以下のように構成している。
【0017】
(1)所定の画像形成プロセスを介して転写材に転写されるべき画像が形成される少なくとも2つ以上並列に配設された画像形成媒体と、転写材を転写位置へ搬送するための転写搬送手段と、を備える多色画像形成装置において、
画像形成処理のために手差し給紙部へセットされた転写材の種類を検出する転写材検出手段と、装置の使用環境の湿度を検出する湿度検出手段と、を備え、かつ、前記両検出手段の検出結果に基づいて、異なる画像形成条件を設定する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
この構成においては、転写材の種類と、使用環境の湿度と、を検出して、これらに基づいて、適切な画像形成条件を設定することができるので、装置の設置される環境条件が変動し、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、搬送障害や紙折れ、紙しわ等が発生せず、これらの転写材を安定に搬送し、かつ感光体の長寿命化を図ることもできる。
【0019】
(2)所定の画像形成プロセスを介して転写材に転写されるべき画像が形成される少なくとも2つ以上並列に配設された画像形成媒体と、転写材を転写位置へ搬送するための転写搬送手段と、を備える多色画像形成装置において、
画像形成処理のために手差し給紙部へセットされた転写材の種類を検出する転写材検出手段と、装置の使用環境の湿度を検出する湿度検出手段と、を備え、かつ、前記両検出手段の検出結果に基づいて、前記転写搬送手段の画像形成媒体に対する接離状態の設定と、前記転写位置で作用する転写材への転写出力の設定と、を変更する制御手段を備えることを特徴とする。
【0020】
この構成においては、転写材の種類と、使用環境の湿度を検出して、これらに基づいて、転写搬送手段の画像形成媒体に対する接離状態と、転写位置で作用する転写材への転写出力と、を適切に設定することができるので、装置の設置される環境条件が変動し、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、搬送障害や紙折れ、紙しわ等が発生せず、これらの転写材を安定に搬送し、かつ感光体の長寿命化を図ることもできる。
【0021】
(3)転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、前記両検出手段の検出結果を表示する表示部と、前記表示部の表示内容に基づいて、印字の実行または中止を選択的に入力する入力部と、を備えることを特徴とする。
【0022】
この構成においては、転写材の種類と湿度を検出結果として表示部に表示することによって、作業者に対して、装置の設置環境等の状態を的確に認識・把握させることができるため、この表示部の表示内容に基づいて印字実行の有無を適切に選択することができる。
【0023】
また、装置の使用環境が高湿度であることが表示され、搬送障害が発生する可能性が示唆された状態で印字がおこなわれるので、たとえ、搬送障害が発生しても、作業者は、戸惑うことなく、適切に対処することができる。
【0024】
(4)転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの画像形成媒体に対しても一様帯電を行なうべく主帯電手段を作動させる制御手段を備えることを特徴とする。
【0025】
この構成においては、隣接する画像形成ステーションで、均一に帯電した感光体を介してトナーと同極性の電荷注入を行うことによって、転写搬送ベルト上に静電保持されている転写材上に転写されたBKトナー像が定着工程に至るまでの間におけるトナー帯電電位の低下をカバーして、トナー像が転写材上に安定して静電保持される環境を確保することができる。
【0026】
(5)転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、前記転写搬送手段を全ての画像形成ステーションの画像形成媒体に対して当接位置に保持する制御手段を備えることを特徴とする。
【0027】
この構成においては、均一に帯電した感光体を利用し、トナーの帯電電位を維持するために行う電荷注入を実現するための必須の要件を満たしており、転写搬送手段(例えば、転写搬送ベルト)上に静電保持されている転写材上に転写されたBKトナー像が定着工程に至るまでの間におけるトナー帯電電位の低下をカバーして、トナー像が転写材上に安定して静電保持される環境を確保することができる。
【0028】
(6)転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの主帯電手段を作用させる制御手段を備えることを特徴とする。
【0029】
この構成においては、搬送方向の下流側に配置される各画像形成ステーションで、搬送されてくる転写材が感光体と接触する際に、トナーの帯電電位を維持または補償するためのトナーと同極性の電荷注入を行なうことができる。
【0030】
C,M及びYのトナー色の画像形成ステーションは画像形成に関与しないにも関わらず、各感光体に対して帯電器を作用させることによって、転写搬送手段上に静電保持されている転写材上に転写されたBKトナー像が定着工程に至るまでの間における電位の低下をカバーして、トナー像が転写材上に安定して静電保持される環境が確保される。
【0031】
(7)転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの転写手段を作用させる制御手段を備えることを特徴とする。
【0032】
この構成においては、転写搬送手段(例えば、転写搬送ベルト)に対する吸着性の劣る封筒もしくは厚紙に関して、転写搬送手段での搬送中に、転写材表面電位の低下が発生しても、転写手段と転写材表面のマイナス電荷との間に吸引力が働くので、転写手段と転写搬送手段の当接部分のみであるが、転写搬送手段への転写材の吸着力が若干回復する方向へ働くこととなり、定着部へ到達するまで転写材の吸着力の低下を防止することができる。すなわち、転写材表面電位の低下を、BK以外の下流側の転写手段を作用させることによって補償し、転写搬送手段への吸着性を維持することができる。
【0033】
(8)前記湿度検出手段に代えて、転写材の水分量を検出する水分量検出手段を備えたことを特徴とする。
【0034】
装置の使用環境が高湿度になれば、転写材の水分量も多くなり、低湿度になれば、水分量も減る。従って、使用環境の「湿度」と転写材の「水分量」は比例関係にあると見做すことができる。
【0035】
この構成においては、水分量検出手段によって転写材の水分量を検出するので、湿度検出手段によって装置の使用環境の湿度を検出する場合と、同等の機能が得られる。
【0036】
(9)所定の画像形成プロセスを介して転写材に転写されるべき画像が形成される少なくとも2つ以上並列に配設された画像形成媒体と、転写材を転写位置へ搬送するための転写搬送手段と、を備える多色画像形成装置において、
手差し給紙部へセットされた転写材の種類と、装置の使用環境の湿度と、に基づいて、異なる画像形成条件を設定することを特徴とする。
【0037】
この方法においては、転写材の種類と、使用環境の湿度と、に基づいて、適切な画像形成条件を設定することができるので、装置の設置される環境条件が変動し、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、搬送障害や紙折れ、紙しわ等が発生せず、これらの転写材を安定に搬送することができ、かつ感光体の長寿命化を図ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態に係る多色画像形成装置について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0039】
(多色画像形成装置の概要)
図1は多色画像形成装置の基本的な構成を示し、この多色画像形成装置には、図示のように、例えばブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のトナー像を形成する4個の感光ドラム(画像形成媒体)1a、1b、1c、1dが並行に配置され、これらの感光ドラム1a〜1dの周囲には、それぞれ一次帯電器(主帯電手段)2a、2b、2c、2d、現像器3a、3b、3c、3d、及び転写手段である転写ローラ4a、4b、4c、4dが配置され、また、感光ドラム1a〜1dの上方にはLED等で構成される露光装置6a、6b、6c、6dが配置されている。
【0040】
このような構成により、感光ドラム1a〜1dをそれぞれ帯電器2a〜2dにより帯電し、色分解したブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色の光像を露光装置6a、6b、6c、6dにより露光して、感光ドラム1a〜1dにブラック、シアン、マゼンタ、イエローの潜像を形成し、それぞれの潜像を現像器3a〜3dにより現像して、感光ドラム1a〜1dにブラック、シアン、マゼンタ、イエローのトナー像を順次形成する。
【0041】
転写材Sとしての記録用紙が収納されたカセット7a、7bは、図中手前方向に引き出し可能に構成され、例えば、転写材Sの補給や、カセット内ジャム時のジャム処理等は、カセット7a、7bを装置手前側に引き出すことによりおこなえる。また、転写材Sは、カセット7aまたは7bからピックアップローラ8aまたは8bにより1枚ずつ繰り出され、縦パスローラ対9を経て、給送手段であるレジストローラ10でタイミングを合わされた後、搬送ガイド18に案内されて、転写搬送ベルト(転写搬送手段)21上を図1に示す矢印A方向に搬送される。
【0042】
そして、装置本体の図示右側の手差し給紙部には、手差し給紙トレイ13が着脱自在に取り付けられており、この手差し給紙トレイ13から、封筒や厚紙等の特殊な転写材Sを給送することができる。その場合には、1枚ずつセットし、ピックアップローラ13aによって繰り出させ、装置本体内の手差し専用の搬入ローラ13bを経て、レジストローラ10に搬入され、以下同様に、転写搬送ベルト21上を矢印A方向に搬送される。なお、薄手の転写材であれば、適当な枚数を手差し給紙トレイ13に積層して自動給紙することもできる。
【0043】
転写材Sは、転写搬送ベルト21の転動動作により各感光ドラム1a〜1dと対向した転写部に順次搬送され、感光ドラム1a〜1d上の各色のトナー像が、トナーと逆極性の電圧を印加された転写ローラ4a〜4dの作用により転写材S上に重ね合わせて転写され、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のトナー像を重ね合わせたカラー画像が転写材Sに形成される。
【0044】
4色のトナー像が転写された転写材Sは、転写搬送ベルト21から搬送方向先端において分離して定着器11に搬送され、そこで熱及び圧力を受けて定着され、これにより各色のトナーが溶融混色して転写材Sに固定されたフルカラーのプリント画像とされた後、定着器11の下流に設けられた排紙搬送手段29によって画像形成装置の機外に排紙される。
【0045】
(転写材検出手段)
以上のように画像が形成される転写材の種類を画像形成前に検出する方法として、以下のような方法があるが、本発明は、これらに限定されることなく、他の適当な検出方法を適用することもできる。
【0046】
1)モータ駆動電流で検出する方法
例えば、図2(a)に示すようなモータ駆動電流検知回路54によって転写材を検出することができる。この場合、モータ駆動電流検知回路54は、モータ駆動用IC52と抵抗R1,R2,R3を組み合わせてなり、メインモータ51の駆動電流を電圧変換し、さらにA/Dコンバーター53によってA/D変換してCPU32に出力する。
【0047】
CPU32は、給紙クラッチがONしていない時の電流値及び、給紙クラッチがONしている時の電流値を読み込み、この電流値の差を給紙に必要となるモータトルクとし、普通紙と厚紙もしくは封筒とのトルク境界値(この値より大きければ厚紙もしくは封筒、小さければ普通紙とみなされる)と比較し、現在給紙している転写材が普通紙か、厚紙もしくは封筒であるかを判別する。なお、このような検出方法の制御系統ブロック図を図2(b)に示す。
【0048】
2)手差し給紙トレイで検出する方法
一般には、封筒の給紙は、手差し給紙トレイ13を介して行う。例えば、手差し給紙トレイ13を裏側から見た構成を表す図3(a)(b)に示すように、両サイドの給紙ガイド14,14に、それぞれラックギヤr,rを形成し、このラックギヤr,rに、手差し給紙トレイ13の底板に軸支させたピニオンギヤpを噛合させることにより、両給紙ガイド14,14を、給紙方向に対して直角方向に摺動自在とし、かつ、その摺動方向に手差し給紙トレイ13の底板に設けた紙サイズセンサ15に接触させるように構成する。なお、図3(c)は封筒の搬送方向(通紙方向)を示す。
【0049】
このような構成により、その両給紙ガイド14,14で封筒の両側端を規制した時点で、紙サイズセンサ15によって、両給紙ガイド14,14の移動位置を抵抗値の変化または通電の有無等により検知する。つまり、両給紙ガイド14,14が左右に移動すると,紙サイズセンサ15により,移動された位置(サイズ)を検知することができる。
【0050】
すなわち、図示の矢印の如く,両給紙ガイド14,14の位置が変化することによって、紙サイズセンサ15に流れる電流値が変化する。その電流値をCPU(図示省略)によって読み取ることにより、手差し給紙トレイ13にセットされた転写材Sのサイズを自動的に検知できる。例えば,封筒のサイズ(幅)は,通常使用される転写材のサイズ(幅)とは異なるため,手差し給紙トレイ13にセットされた場合に封筒か或いは通常の転写材であるかが判別可能となる。このような給紙ガイド14,14を用いた転写材検出手段は、また、例えば、図4に示すような構成(後述する)としてもよい。
【0051】
(湿度検出手段)
下記に代表的な湿度の検出方法を挙げるが、本発明はこれらに限定されることなく、これらに代わる他の適当な検出方法を適用することもできる。
【0052】
1)湿度センサ
画像形成装置本体内の転写材収納部(転写材カセット部)に、この転写材収納部内の湿度を検出する湿度センサを設ける。
【0053】
2)転写材の含水率(または転写材水分量)
転写材収容部内の湿度と、転写材の含水率(または転写材水分量)とは正の相関関係を示す。従って、転写材含水率(または転写材水分量)を検出し、その値を転写材収容部内の湿度に代えることが可能である。転写材水分量検出手段は、短時間で検知可能なもの、すなわち、転写材に含まれる水分による電気抵抗値の変化や、赤外線やマイクロ波等の吸収(これらが転写材を透過する際に、転写材含水率に応じて減衰するので、その減衰量を検出する)を検出するものが望ましい。
【0054】
転写材水分量検知手段の配置位置は、転写材の給紙搬送部分(例えば、レジストローラ対を導電性部材で形成し、転写材水分量検出手段を構成する回路の一部とする)に設置し、ここを通過する転写材の水分量を測定することができる。なお、転写材の収容されている転写材カセットや、給紙トレイ部分の近傍に配置し、積載されている状態の転写材の水分量を測定してもよい。
【0055】
(制御系統ブロック図)
図4は、多色画像形成装置の制御系統を示し、制御装置(制御手段)31は、各種演算処理をおこなうCPU32と、記憶処理をおこなうROM33、RAM34を具備し、多色画像形成装置の動作全般を制御する。その入力側には、転写材検出手段を構成するスイッチ16a、湿度センサ(湿度検出手段)35、印字の実行または中止を選択的に入力するための選択スイッチ(入力部)36、外部入力機器37、スキャナ部38、が接続され、出力側には、検出結果を表示するための操作パネルのディスプレイ(表示部)39、転写搬送ベルト離接駆動手段40、転写出力高圧電源41、画像形成部42、画像処理部43、が接続されている。
【0056】
この場合、図示の転写材検出手段は、以下のように構成している。すなわち、両給紙ガイド14,14の下部に連結したレバー14a,14aの内面側に、手差し給紙トレイ13の底板に軸支させたピニオンギヤpに噛み合うラックギヤr,rを形成すると共に、その一方のレバー14aの外面側に、転写材検出回路(図示省略)に接続した金属皮膜抵抗等からなる抵抗体16を貼り付け、この抵抗体16に摺接するスイッチ16aを手差し給紙トレイ13の底板に固設してCPU32に接続している。
【0057】
このような構成により、両給紙ガイド14,14によって封筒等の転写材Sの両側端を規制した時点で、そのスイッチ16aからの抵抗値(の変化)を読取り、基準値と比較することにより、転写材Sのサイズを自動的に検知することができる。なお、本発明は、転写材検出手段の構成を特定するものではなく、上述のような手差し給紙トレイ13で検出する方法や、前述したモータ駆動電流で検出する方法以外の方法であってもよく、使用条件や多色画像形成装置の機種等に応じて適切な方法が適宜選択されてよい。また、このような転写材検出手段を装置本体に設けていない場合においても、例えば、手動入力(操作パネルでのサイズ指定)による方法であっても、本発明の方法を適用することができる。
【0058】
(制御フロー図)
図5は制御フローの一例を示し、この場合、制御装置31は、手差し給紙トレイ13にセットされた転写材Sの種類と、湿度センサ35が検出した湿度に基づいて、転写搬送ベルト21の感光ドラム1a〜1dに対する接離状態の切換と、各画像形成ステーションの転写手段(転写ローラ)4a〜4dの転写出力を変更するようにしている。
【0059】
具体的には、まず、転写材Sの幅を検出し(STEP1)、湿度(水分量)を検出(STEP2)した後、転写材が封筒または厚紙であるか否かが判断され(STEP3)、封筒または厚紙であると、高湿度であるか否かが判断され(STEP4)、高湿度であれば、操作パネルのディスプレイ39にその旨が表示され(STEP5)、その表示内容を確認した作業者によって印字を実行するか中止するかが、例えば、選択スイッチ36によって、選択される(STEP6)。
【0060】
印字を実行する場合には、カラー印字か否かが判断され(STEP7)、カラー印字であれば、H/H(高温・高湿)下における封筒(厚紙)のカラー用転写条件が設定され(STEP8)、印字が実行(STEP9)された後、待機状態となり(STEP10)、フローは終了する。STEP7にて、カラー印字でなければ、H/H(高温・高湿)下における封筒(厚紙)のモノクロ用転写条件が設定され(STEP11)、印字が実行(STEP12)された後、待機状態となる(STEP10)。
【0061】
STEP4にて、高湿度でなければ、カラー印字か否かが判断され(STEP13)、カラー印字であれば、封筒(厚紙)カラー用転写出力の設定がなされ(STEP14)、印字が実行(STEP15)された後、待機状態となる(STEP10)。また、STEP13にて、モノクロ印字であれば、転写搬送ベルト21を退避させ(STEP16)、封筒(厚紙)モノクロ用転写出力の設定をおこなった(STEP17)後、印字を実行し(STEP18)、転写搬送ベルト21を復帰(STEP19)させた後、待機状態となる(STEP10)。
【0062】
また、STEP3にて、封筒(厚紙)でなければ(普通紙であれば)、カラー印字であるか否かが判断され(STEP20)、カラー印字であれば、普通紙カラー用転写出力が設定され(STEP21)、印字を実行(STEP22)した後、待機状態となる(STEP10)。STEP20にて、カラー印字でなければ(モノクロ印字であれば)、転写搬送ベルト21を退避させ(STEP23)、普通モノクロ用転写出力の設定(STEP24)をおこなった後、印字を実行し(STEP25)、転写搬送ベルト21を復帰させた(STEP26)後、待機状態となる(STEP10)。
【0063】
(転写搬送ベルトの接離状態)
下記表1に示すように、制御装置31は、手差し給紙トレイ13へセットされた転写材Sの種類と、湿度センサ35が検出した湿度に基づいて、転写搬送ベルト21の感光ドラム1a〜1dに対する接離状態を変更する。
【0064】
【表1】
【0065】
普通紙及び封筒(もしくは厚紙)とも、N/N(常温・常湿)でモノクロ印字を行う場合には、感光ドラム1a〜1dの磨耗を防止するために、転写搬送ベルト21をBK以外の画像形成ステーションから離間させるように切換える(図6(b)参照)。
【0066】
封筒(もしくは厚紙)に関してH/H(高温・高湿)でモノクロ印字を行う場合には、BK以外の画像形成ステーションは、画像形成に関与しないが、転写搬送ベルト21を全ての画像形成ステーションに対して当接させる(図6(a)参照)。なお、図6(a)(b)にて、5a〜5dはクリーニング装置である。
【0067】
(感光体帯電器出力)
下記表2に示すように、制御装置31は、手差し給紙トレイ13へセットされた転写材Sの種類と、湿度センサ35が検出した湿度に基づいて、各画像形成ステーションの感光ドラム1a〜1dを帯電させるための帯電器出力をON・OFFする。
【0068】
普通紙及び封筒(もしくは厚紙)とも、N/Nでモノクロ印字を行う場合には、帯電器出力をOFFとするのに対して、封筒(もしくは厚紙)に関してH/Hでモノクロ印字を行う場合には、BK以外の画像形成ステーションは、画像形成に関与しないが、帯電器出力をONとする。なお、各画像形成ステーションの感光ドラム1a〜1dの帯電電位を−600Vとしている。
【0069】
【表2】
【0070】
ここで、C、M及びYのトナー色の画像形成ステーションは画像形成に関与しないにも関わらず、各感光ドラム1b〜1dに対して帯電器2b〜2dを作用させているのは、転写搬送ベルト21上に静電保持されている転写材上に転写されたBKトナー像の定着工程に至るまでの間における電位の低下をカバーして、トナー像が転写材上に安定して静電保持される環境を確保するためである。
【0071】
すなわち、封筒(もしくは厚紙)に、H/Hでモノクロ印字を行う場合には、BK色の画像形成ステーションよりも下流側に配置される各画像形成ステーションで、搬送されてくる転写材Sが感光ドラム1b〜1dと接触する際に、トナーの帯電電位を維持または補償するためにトナーと同極性の電荷注入を行うようにしている。
【0072】
(像露光)
封筒(もしくは厚紙)に対してH/Hでモノクロ印字を行う場合には、像露光に関しては、下記表3に示すように、画像形成に関与するBK画像形成ステーションの像露光器(露光装置)6aのみを作用させて感光ドラム1aへの書込みを行う。
【0073】
【表3】
【0074】
なお、下流側の画像形成ステーションについては、搬送されてくる転写材Sが感光ドラム1b〜1dと接触する際に、転写材S上に保持されているトナーの帯電電位を維持または補償するためのトナーと同極性の電荷注入を行なう必要があるので、感光体表面電位は低下させない(表2参照)。
【0075】
(現像装置の回転及び現像バイアス印加)
下記表4に示すように、画像形成に関与するBK画像形成ステーションのみ現像器3aを作動させ、現像バイアス電圧を印加する。画像形成に関与しない、C、M及びYの画像形成ステーションについては、現像器3b〜3dは作用させない。
【0076】
【表4】
【0077】
(転写条件)
下記表5に示すように、制御装置31は、手差し給紙トレイ13へセットされた転写材Sの種類と、湿度センサ35が検出した湿度に基づいて、各画像形成ステーションの転写出力を変更する。封筒(もしくは厚紙)に関してH/Hでモノクロ印字を行う場合には、BK以外の画像形成ステーションは、画像形成に関与しないが、転写出力(転写ローラー4b〜4dへの供給電力)をONとする。
【0078】
【表5】
【0079】
図7(a)は、転写部近傍の構成を模式的に表わしたものであり、転写材Sの搬送方向上流側に黒用の画像形成ステーションを配置した状態を示している。転写搬送ベルト21の抵抗値と転写バイアスを測定すると、転写搬送ベルト21の抵抗値は1013Ω・cm、転写搬送ベルト21の転写バイアスは普通紙の場合2kV、封筒もしくは厚紙の場合2.5kVであった。
【0080】
図7(a)において、例えば、普通紙に対してN/N条件では、2kVの転写バイアスによりBK(黒色)トナーが転写材Sに転写されるが、このとき転写材表面電位を測定すると約−800Vとなり、約1秒後(ほぼ隣接する画像形成ステーションの感光体位置に移動している)には、約半分の−400Vまで転写材表面電位が低下し、転写材吸着力が低下する。
【0081】
この状態を示したのが図7(b)であり、時間が経過するに従い、転写材表面電位が低下する。同様なことが、封筒もしくは厚紙を用いてH/H条件で画像形成を行う場合にも発生し、封筒もしくは厚紙に関しては、転写搬送ベルト21に対する吸着性が普通紙よりも低下する。
【0082】
従って、隣接する画像形成ステーションの転写ローラ4bに通常転写時よりも低い(この場合、数百Vオーダーから1kV程度の範囲)転写バイアスを印加すると、転写材表面のマイナス電荷との間に吸引力が働き、転写ローラ4b〜4dと転写搬送ベルト21の当接部分のみであるが、転写搬送ベルト21への転写材Sの吸着力が若干回復する方向へ働くこととなり、定着部へ到達するまで転写材Sに対する吸着力の低下を防止することができる。すなわち、転写材表面電位の低下を、BK以外の下流側の転写ローラ4b〜4dによって補償していることになる。
【0083】
なお、本発明は多色画像形成装置の構成を実施形態で説明したものに限定されることなく、少なくとも、2つ以上並列に配設された画像形成媒体と、転写材を転写位置へ搬送するための転写搬送手段と、を備え、所定の画像形成プロセスを介して転写材上に画像を形成することができる多色画像形成装置であれば、構成や形式の如何を問わず、本発明を適用することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、以下のような効果を奏する。
【0085】
(1)転写材の種類と、使用環境の湿度と、を検出して、これらに基づいて、適切な画像形成条件を設定することができるので、装置の設置される環境条件が変動し、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、搬送障害や紙折れ、紙しわ等が発生せず、これらの転写材を安定に搬送し、かつ感光体の長寿命化を図ることもできる。
【0086】
(2)転写材の種類と、使用環境の湿度を検出して、これらに基づいて、転写搬送手段の画像形成媒体に対する接離状態と、転写位置で作用する転写材への転写出力と、を適切に設定することができるので、装置の設置される環境条件が変動し、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、搬送障害や紙折れ、紙しわ等が発生せず、これらの転写材を安定に搬送し、かつ感光体の長寿命化を図ることもできる。
【0087】
(3)転写材の種類と湿度を検出結果として表示部に表示することによって、作業者に対して、装置の設置環境等の状態を的確に認識・把握させることができるため、この表示部の表示内容に基づいて印字実行の有無を適切に選択することができる。
【0088】
また、装置の使用環境が高湿度であることが表示され、搬送障害が発生する可能性が示唆された状態で印字がおこなわれるので、たとえ、搬送障害が発生しても、作業者は、戸惑うことなく、適切に対処することができる。
【0089】
(4)隣接する画像形成ステーションで、均一に帯電した感光体を介してトナーと同極性の電荷注入を行うので、転写搬送手段上に静電保持されている転写材上に転写されたBKトナー像が定着工程に至るまでの間におけるトナー帯電電位の低下をカバーして、トナー像が転写材上に安定して静電保持される環境を確保することができる。
【0090】
(5)転写材が封筒もしくは厚紙であり、かつ、装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、転写搬送手段を全ての画像形成ステーションの画像形成媒体に対して当接位置に保持するので、転写搬送手段上に静電保持されている転写材上に転写されたBKトナー像が定着工程に至るまでの間におけるトナー帯電電位の低下をカバーして、トナー像が転写材上に安定して静電保持される環境を確保することができる。
【0091】
(6)転写材が封筒もしくは厚紙であり、かつ、装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの主帯電手段を作用させるので、搬送方向の下流側に配置される各画像形成ステーションで、搬送されてくる転写材が感光体と接触する際に、トナーの帯電電位を維持または補償するためのトナーと同極性の電荷注入を行なうことができ、トナー像を転写材上に安定して静電保持することができる。
【0092】
(7)転写材が封筒もしくは厚紙であり、かつ、装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの転写手段を作用させるので、転写搬送手段での搬送中に、転写材表面電位の低下が発生しても、転写手段と転写材表面のマイナス電荷との間に吸引力が働くため、転写搬送手段への転写材の吸着力が若干回復する方向へ働くこととなり、定着部へ到達するまで転写材の吸着力の低下を防止することができる。
【0093】
(8)湿度検出手段に代えて、転写材の水分量を検出する水分量検出手段を備えるので、湿度検出手段によって装置の使用環境の湿度を検出する場合と、同等の機能が得られる。
【0094】
(9)転写材の種類と、使用環境の湿度と、に基づいて、適切な画像形成条件を設定することができるので、装置の設置される環境条件が変動し、封筒や特殊な厚手の転写材を扱う場合においても、搬送障害や紙折れ、紙しわ等が発生せず、これらの転写材を安定に搬送することができ、かつ感光体の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る多色画像形成装置の構成図である。
【図2】同転写材の種類を検出するためのモータ駆動電流検知回路図と制御系統ブロック図である。
【図3】同手差し給紙トレイの構成説明図である。
【図4】同多色画像形成装置の制御系統ブロック図である。
【図5】同多色画像形成の方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】同転写搬送ベルトの離接動作の説明図である。
【図7】同転写部近傍の構成説明図と感光ドラムの表面電位の経時的な変化状態を表すグラフである。
【符号の説明】
1a〜1d−画像形成媒体
2a〜2d−主帯電手段
4a〜4d−転写手段
13−手差し給紙部
16a,54−転写材検出手段
21−転写搬送手段
31−制御手段
35−湿度検出手段
36−入力部
39−表示部
S−転写材
Claims (9)
- 所定の画像形成プロセスを介して転写材に転写されるべき画像が形成される少なくとも2つ以上並列に配設された画像形成媒体と、転写材を転写位置へ搬送するための転写搬送手段と、を備える多色画像形成装置において、画像形成処理のために手差し給紙部へセットされた転写材の種類を検出する転写材検出手段と、
装置の使用環境の湿度を検出する湿度検出手段と、を備え、かつ、
前記両検出手段の検出結果に基づいて、異なる画像形成条件を設定する制御手段を備えたことを特徴とする多色画像形成装置。 - 所定の画像形成プロセスを介して転写材に転写されるべき画像が形成される少なくとも2つ以上並列に配設された画像形成媒体と、転写材を転写位置へ搬送するための転写搬送手段と、を備える多色画像形成装置において、画像形成処理のために手差し給紙部へセットされた転写材の種類を検出する転写材検出手段と、
装置の使用環境の湿度を検出する湿度検出手段と、を備え、かつ、
前記両検出手段の検出結果に基づいて、前記転写搬送手段の画像形成媒体に対する接離状態の設定と、前記転写位置で作用する転写材への転写出力の設定と、を変更する制御手段を備えることを特徴とする多色画像形成装置。 - 転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、前記両検出手段の検出結果を表示する表示部と、
前記表示部の表示内容に基づいて、印字の実行または中止を選択的に入力する入力部と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の多色画像形成装置。 - 転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの画像形成媒体に対しても一様帯電を行なうべく主帯電器を作動させる制御手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の多色画像形成装置。
- 転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、前記転写搬送手段を全ての画像形成ステーションの画像形成媒体に対して当接位置に保持する制御手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の多色画像形成装置。
- 転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの主帯電手段を作用させる制御手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の多色画像形成装置。
- 転写材検出手段により転写材が封筒もしくは厚紙であることを検出し、かつ、湿度検出手段により装置の使用環境の湿度が高湿であることを検出すると、画像形成に非関与の画像形成ステーションの転写手段を作用させる制御手段を備えることを特徴とする前記請求項1または2に記載の多色画像形成装置。
- 前記湿度検出手段に代えて、転写材の水分量を検出する水分量検出手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の多色画像形成装置。
- 所定の画像形成プロセスを介して転写材に転写されるべき画像が形成される少なくとも2つ以上並列に配設された画像形成媒体と、転写材を転写位置へ搬送するための転写搬送手段と、を備える多色画像形成装置において、手差し給紙部へセットされた転写材の種類と、装置の使用環境の湿度と、に基づいて、異なる画像形成条件を設定することを特徴とする多色画像形成方法。
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