JP2004044851A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】快適な空気調和の実現と、小型化及び性能確保の両立とを図る。
【解決手段】コア部9aの幅方向片半部の風下側部分で、第一冷媒移送タンク部62内を流れた冷媒が、複数の第一伝熱管素子に設けた第一直線状流路42と、複数の第二伝熱管素子に設けた第二直線状流路43とに分流する。このうちの各第一直線状流路42内を流れた冷媒は、風上側部分で、空気の通過方向αに関して上記各第二伝熱管素子の第二直線状流路43と対向する位置に設けた、これら各第二伝熱管素子の第一直線状流路42内を流れる。風下側部分で上記各第二伝熱管素子の第二直線状流路43内を流れた冷媒は、風上側部分で、上記空気の通過方向αに関して上記各第一伝熱管素子の第一直線状流路42と対向する位置に設けた、これら各第一伝熱管素子の第二直線状流路43内を流れる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明の熱交換器は、例えば、自動車用空気調和装置に組み込んで、車室内を空気調和する為の空気を冷却するエバポレータとして利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空気調和装置には、内部で冷媒を蒸発させ、外部を流通する空気を冷却するエバポレータを組み込んでいる。又、この様な、自動車用空気調和装置に組み込むエバポレータとして従来から、例えば特開昭62−798号公報、実開平7−12778号公報、特開平9−318195号公報等に記載されている様な、複数枚の金属板を互いに積層して成る、所謂積層型エバポレータが知られている。この積層型エバポレータは、それぞれが2枚の金属板を最中状に組み合わせて成る伝熱管素子を複数個、互いに積層する事により構成している。図8〜9は、この様に従来から知られている積層型エバポレータの1例を示している。
【0003】
このエバポレータ1は、それぞれの片面に凹部を形成した金属板を2枚1組とし、互いの凹部同士を整合させた状態で最中状に重ね合わせて互いに気密且つ液密に接合する事により、内側に扁平で上端部で180度折り返したU字形流路2を有する複数の第一伝熱管素子3、3と、内側に扁平で互いに独立した2本の直線状流路4、4を有する複数の第二伝熱管素子5、5とを、それぞれ構成している。そして、上記複数の第一伝熱管素子3、3を、隣り合う第一伝熱管素子3、3同士の間にフィン6、6を設けた状態で重ね合わせて第一部分7を構成すると共に、上記複数の第二伝熱管素子5、5を、隣り合う第二伝熱管素子5、5同士の間にフィン6、6を設けた状態で重ね合わせて第二部分8を構成している。そして、上記第一部分6と第二部分8とを、上記各第一、第二伝熱管素子3、5の重ね合わせ方向に関して互いに重ね合わせる事により、コア部9を構成している。
【0004】
又、上記各第一、第二伝熱管素子3、5の上下両端部のそれぞれ2個所位置で合計4個所位置に、タンク空間を設けている。これら複数のタンク空間のうち、上記各第一伝熱管素子3、3の下端部に設けた1対のタンク空間は、上記各U字形流路2、2の両端部に接続している。又、上記各第一伝熱管素子3、3の上端部に設けた1対のタンク空間は、上記各U字形流路2、2とは独立して設けている。これに対して、上記各第二伝熱管素子5、5の4個所位置に設けた複数のタンク空間は、中間部に存在する上記各直線状流路4、4の上下両端部に接続している。そして、上記各タンク空間のうち、上記各第一、第二伝熱管素子3、5を重ね合わせた状態で、隣り合うタンク空間同士を互いに連通させる事により、入口タンク部10と中間タンク部11、11と出口タンク部12とを構成している。そして、上記コア部9の上端部に設けた入口タンク部10の長さ方向一端部(図9の左端部)に冷媒送り込み管13の下流端部を、同じく出口タンク部12の長さ方向一端部(図9の左端部)に冷媒取り出し管14の上流端部を、それぞれ接続している。
【0005】
エバポレータ1の使用時には、冷媒送り込み管13に設けた冷媒送り込み口15を通じてコア部9の内部に液状若しくは気液混合状態の冷媒を送り込む。このコア部9に送り込まれた冷媒は、このコア部9の厚さ方向片側部分(図8、9の右側部分)にそれぞれ存在する、一部の直線状流路4内とU字形流路2の上流側半部内とを流れた後、上記コア部9の厚さ方向他側部分(図8、9の左側部分)にそれぞれ存在する、U字形流路2の下流側半部内と残部の直線状流路4内とを流れる。上記冷媒が上記コア部9内を流れる間に、この冷媒は上記コア部9の外部を、図8、9の矢印α方向に通過する空気調和用の空気との間で熱交換を行なって蒸発する。又、上記コア部9内で蒸発したガス状の冷媒は、出口タンク部12から冷媒取り出し管14に設けた冷媒取り出し口16を通じて外部に取り出され、図示しないコンプレッサに送られる。この結果、上記空気調和用の空気は、上記熱交換により冷却される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に構成し作用する従来から知られているエバポレータ1に就いて、本発明の発明者が使用時の表面の温度分布を測定したところ、図10に示す様な測定結果を得た。この図10は、上述の図8、9を右方から見た状態での、コア部9の表面の温度分布の測定結果を示しており、斜格子部が最も低温である事を、無地部が最も高温である事を、梨地部が中間の温度である事を、それぞれ表している。この図10で示した結果から明らかな様に、上記コア部9の幅方向片半部(図10の右半部)である第二部分8では、表面の温度分布がほぼ均一になっている。但し、上記コア部9の幅方向他半部(図10の左半部)である第一部分7では、幅方向片側部分(図10の左側部分)で低温になっているのに対し、幅方向他側部分(図10の右側部分)の一部で高温になっており、温度分布に偏りがある。この様にコア部9の表面の温度分布に偏りがある場合に、空気調和用の空気をこのコア部9の厚さ方向に通過させた場合には、車室内の吹き出し口から吹き出した空気に温度差が生じて、乗員に違和感を生じさせる。又、この様に上記温度分布に偏りがある場合には、エバポレータ1の効率が低下して、性能確保と小型化との両立を図る事が難しくなる。
【0007】
この様に、上述した従来構造を有するエバポレータ1で、上記第一部分7の表面の温度分布に偏りがある理由に就いて、本発明の発明者は、次の様に考えた。先ず、図11に示す様に、1対の中間タンク部11、11のうちの一方(図11の表側)の中間タンク部11から上記第一部分7に、液状若しくは気液混合状態の冷媒が送り込まれる状態を考える。この状態で、上記一方の中間タンク部11内を流れる冷媒には慣性力が作用する為、この一方の中間タンク部11の下流端寄り部分(図11の左端寄り部分)に接続したU字形流路2に冷媒が多く送り込まれる傾向となる。逆に、この一方の中間タンク部11の上流端寄り部分(図11の右端寄り部分)に接続したU字形流路2内には冷媒が送り込まれにくくなる。尚、図11で示した矢印のうち、実線矢印はU字形流路2内を多くの冷媒が流れる事を、破線矢印はU字形流路2内を少量の冷媒が流れる事を、それぞれ表している。この様に、上記第一部分7を構成する複数のU字形流路2、2内を流れる冷媒量に差が生じた場合には、この第一部分7を構成する各第一伝熱管素子3同士及び各フィン6(図8参照)同士の間で、表面の温度に差が生じる。即ち、この第一部分7のうち、幅方向片側部分(図11の左側部分)では、U字形流路2内を流れる液状冷媒が多く蒸発する事で、表面の温度が大きく低下するのに対して、幅方向他側部分(図11の右側部分)では、U字形流路2内を流れる液状冷媒の蒸発量が少ない為、表面の温度が低下する程度が小さい。本発明の発明者は、この様な理由により、上記第一部分7の表面の温度分布に偏りが生じると考えた。
本発明の熱交換器は、この様な事情に鑑みて、コア部の内部での冷媒の流れを工夫する事により、このコア部を通過した空気調和用の空気の温度分布をほぼ均一にして、使用者にとって快適な空気調和を実現すると共に、性能確保と小型化との両立を図るべく発明したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱交換器は、上述した従来から知られている熱交換器と同様に、内側に冷媒を流す為の複数の扁平な流路と、隣り合う流路同士の間に設けられた複数のフィンとから成るコア部と、このコア部の両端部に中間部に存在する複数の流路と連通する状態で設けられた複数のタンク部と、これら複数のタンク部の一部に冷媒を送り込む為の冷媒送り込み口と、上記複数のタンク部の一部から冷媒を取り出す為の冷媒取り出し口とを備える。そして、上記コア部の厚さ方向に空気調和用の空気を通過させる状態で使用する。
【0009】
特に、本発明の熱交換器に於いては、上記コア部の少なくとも幅方向一部で、厚さ方向片側部分に設けたタンク部に送り込まれた冷媒が、この厚さ方向片側部分のうちの幅方向片側部分に設けた第一流路と、この厚さ方向片側部分のうちの幅方向他側部分に設けた第二流路とに分流した後、上記第一流路内を流れた冷媒が、上記コア部の厚さ方向他側部分で、上記空気の通過方向に関して上記第二流路と対向する位置に設けた第三流路内を流れると共に、この第二流路内を流れた冷媒が、上記コア部の厚さ方向他側部分で、上記空気の通過方向に関して上記第一流路と対向する位置に設けた第四流路内を流れる。
【0010】
更に、請求項2に記載した熱交換器の場合には、上記コア部の少なくとも幅方向一部は、互いに内部構造が同じである複数の第一伝熱管素子を、互いの表裏方向を同方向にしつつ、隣り合う第一伝熱管素子同士の間にフィンを設けた状態で重ね合わせて成る第一部分と、これら各第一伝熱管素子と同じ内部構造を有する複数の第二伝熱管素子を、互いの表裏方向を同方向にしつつ、隣り合う第二伝熱管素子同士の間にフィンを設けた状態で重ね合わせて成る第二部分とを、上記各第一伝熱管素子と上記各第二伝熱管素子との表裏方向を互いに異ならせた状態で、幅方向に重ね合わせる事により構成している。
又、上記各第一、第二伝熱管素子は、それぞれの片面の長さ方向一端部に互いに独立した状態で設けられた第一、第二、第三凹部と、同じく長さ方向他端部に互いに独立した状態で設けられた第四、第五凹部と、同じく中間部に設けられてこのうちの第二、第四凹部同士を連通させる第一浅凹部と、同じく中間部に設けられて上記第三、第五凹部同士を連通させる第二浅凹部とを備えた1対の金属板を、それぞれの凹部同士を対向させた状態で最中状に重ね合わせて互いに接合する事により、上記第一凹部同士が突き合わされた部分に第一タンク空間を、上記第二凹部同士が突き合わされた部分に第二タンク空間を、上記第三凹部同士が突き合わされた部分に第三タンク空間を、上記第四凹部同士が突き合わされた部分に第四タンク空間を、上記第五凹部同士が突き合わされた部分に第五タンク空間を、上記第一浅凹部同士が突き合わされた部分に上記第二、第四タンク空間同士を連通させる第一直線状流路を、上記第二浅凹部同士が突き合わされた部分に上記第三、第五タンク空間同士を連通させる第二直線状流路を、それぞれ設けたものである。
そして、上記各第一伝熱管素子により構成する第一部分と、上記各第二伝熱管素子により構成する第二部分とを互いに重ね合わせた状態で、互いに対向する、上記各第一伝熱管素子に設けた第一タンク空間同士を連通して、第一タンク部を構成している。
又、互いに対向する、上記各第一伝熱管素子に設けた第二タンク空間と上記各第二伝熱管素子に設けた第二タンク空間とを互いに連通して、第二タンク部を構成している。
又、互いに対向する、上記各第二伝熱管素子に設けた第一タンク空間同士を連通して、第三タンク部を構成している。
又、互いに対向する、上記各第一伝熱管素子に設けた第四タンク空間と上記各第二伝熱管素子に設けた第五タンク空間とを互いに連通して、第四タンク部を構成している。
又、互いに対向する、上記各第一伝熱管素子に設けた第五タンク空間と上記各第二伝熱管素子に設けた第四タンク空間とを互いに連通して、第五タンク部を構成している。
更に、上記第一タンク部と上記第三タンク部とを、連通路を介して連通させている。
そして、前記第一流路が、上記各第一伝熱管素子に設けた第一直線状流路であり、前記第二流路が、上記各第二伝熱管素子に設けた第二直線状流路であり、前記第三流路が、これら各第二伝熱管素子に設けた第一直線状流路であり、前記第四流路が、上記各第一伝熱管素子に設けた第二直線状流路である。
【0011】
【作用】
上述の様に構成する本発明の熱交換器によれば、コア部の少なくとも幅方向一部で、比較的温度が高くなる部分同士、又は比較的温度が低くなる部分同士が、空気調和用の空気の通過方向に関して、互いに重畳する事を少なくできる。この為、上記コア部を通過した空気調和用の空気の温度分布をほぼ均一にでき、使用者にとって快適な空気調和を実現できる。又、熱交換器の小型化と性能確保との両立を図り易くなる。
【0012】
更に、請求項2に記載した熱交換器によれば、コア部を構成する伝熱管素子の種類を少なくできる為、コスト低減を図れる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜7は、本発明の実施の形態の1例を示している。本発明の熱交換器であるエバポレータ1aは、それぞれが複数ずつの第一伝熱管素子19と、第二伝熱管素子20、20と、第三伝熱管素子21、21と、コルゲート型のフィン6、6とを積層して成るコア部9aを有する。そして、このコア部9aの幅方向片半部(図1、5、6の右半部)を、上記複数の第一伝熱管素子19を、隣り合う第一伝熱管素子19同士の間にフィン6を設けた状態で重ね合わせて成る第一部分22と、上記複数の第二伝熱管素子20、20を、隣り合う第二伝熱管素子20、20同士の間にフィン6を設けた状態で重ね合わせて成る第二部分23とを、1個のフィン6を介して互いに幅方向に重ね合わせる事により構成している。
【0014】
又、上記コア部9aの幅方向他半部(図1、5、6の左半部)を、上記複数の第三伝熱管素子21、21を、隣り合う第三伝熱管素子21、21同士の間にフィン6を設けた状態で重ね合わせて成る、第三部分28としている。上記各第一〜第三伝熱管素子19〜21のうち、各第一伝熱管素子19と各第二伝熱管素子20、20とは、互いの内部構造を同じにしている。これに対して、第三伝熱管素子21の内部構造は、これら第一、第二各伝熱管素子19、20の内部構造と異ならせている。又、上記各第一〜第三伝熱管素子19〜21は、それぞれの片面に凹部を形成した第一金属板29(又は第二金属板45)をそれぞれ2枚1組とし、互いの凹部同士を対向させた状態で最中状に重ね合わせて互いに気密且つ液密に接合する事により造ったもので、内側に冷媒を流す為の扁平な流路を有する。
【0015】
上記第一、第二各金属板29、45は、芯材(比較的融点が高いアルミニウム合金)の両面にろう材(Siを多く含み、比較的融点が低いアルミニウム合金)を積層した、所謂両面クラッド材としている。上記エバポレータ1aを造る場合には、上記各第一、第二金属板29、45と、各フィン6、6と、冷媒送り込み口15を有する冷媒送り込み管13と、冷媒取り出し口16を有する冷媒取り出し管14と、内部に連通路26を設けたサイドタンク27とを組み合わせ、加熱炉中で加熱して、上記ろう材により上記各部材29、45、6、13、14、27を、互いにろう付け接合する。この状態で、上記コア部9aの幅方向片半部のうち、幅方向片側部分(図1の右側部分)は、複数の第一伝熱管素子19とフィン6とを重ね合わせた第一部分22となり、同じく幅方向他側部分は、複数の第二伝熱管素子18、18とフィン6とを重ね合わせた第二部分23となり、上記コア部9aの幅方向他半部は、複数の第三伝熱管素子21、21とフィン6とを重ね合わせた第三部分28となる
【0016】
上記コア部9aの第一部分22を構成する各第一伝熱管素子19と、同じく第二部分23を構成する各第二伝熱管素子20、20とは、それぞれ図3(A)(B)に詳示する様な第一金属板29を2枚、互いの凹部を対向させた状態で最中状に重ね合わせ、一体にろう付けして成る。アルミニウム合金製の両面クラッド材である素板にプレス加工を施して成る、上記第一金属板29は、それぞれの片面の上端部に、互いに独立した第一〜第三凹部30〜32を設けている。又、それぞれの片面の下端部に、互いに独立した第四、第五凹部33、34を設けている。更に、中間部には、上記第一、第三凹部30、33同士を連通させる、上記各第一〜第五凹部30〜34よりも浅い第一浅凹部35と、この第一浅凹部35と独立した状態で設けて、上記第二、第四凹部31、34同士を連通させる、やはり上記各第一〜第五凹部30〜34よりも浅い第二浅凹部36とを設けている。
【0017】
上記各第一、第二伝熱管素子19、20はそれぞれ、上述の様な第一金属板29を1対ずつ、それぞれの凹部同士を対向させた状態、即ち、第一凹部30同士、第二凹部31同士、第三凹部32同士、第四凹部33同士、第五凹部34同士、第一浅凹部35同士、第二浅凹部36同士を互いに対向させた状態で最中状に重ね合わせている。そして、上記第一凹部30同士が突き合わされた部分に第一タンク空間37を、上記第二凹部31同士が突き合わされた部分に第二タンク空間38を、上記第三凹部32同士が突き合わされた部分に第三タンク空間39を、上記第四凹部33同士が突き合わされた部分に第四タンク空間40を、上記第五凹部34同士が突き合わされた部分に第五タンク空間41を、それぞれ設けている。
【0018】
又、上記第一浅凹部35同士が突き合わされた部分を第一直線状流路42として、上記第一、第四タンク空間37、40同士を連通させている。更に、上記第二浅凹部36同士が突き合わされた部分を第二直線状流路43として、上記第二、第五タンク空間38、41同士を連通させている。尚、上記第一、第二浅凹部35、36内には多数の突起44、44を形成している。これら各突起44、44の先端面は、1対の上記第一金属板29同士を最中状に組み合わせる際に、これら第一金属板29の周縁部及び上記第一、第二浅凹部35、36同士の間部分等と共に、互いに突き合わされてろう付けされる。そして、上記各第一伝熱管素子19の耐圧強度を確保すると共に、上記第一、第二直線状流路42、43内を流れる冷媒の流れを攪乱する役目を果たす。
【0019】
一方、上記コア部9aの第三部分28を構成する、前記各第三伝熱管素子21、21は、図4(A)(B)に詳示する様な第二金属板45を2枚、最中状に重ね合わせ、互いにろう付けして成る。やはりアルミニウム合金製の両面クラッド材である素板にプレス加工を施して成る、上記第二金属板45は、それぞれの片面の上端部に、互いに独立した第六、第七、第八凹部46、47、48を設けている。又、それぞれの片面の下端部に、互いに独立した第九、第十凹部49、50を設けている。更に、中間部には、上記第六、第九凹部46、49同士を連通させる第三浅凹部51と、上記第八、第十凹部48、50同士を連通させる第四浅凹部52とを、それぞれ設けている。これら各第三、第四浅凹部51、52は、上記各第六〜第十凹部46〜50よりも浅い。
【0020】
上記各第三伝熱管素子21、21はそれぞれ、上述の様な第二金属板45を1対ずつ、それぞれの凹部同士を対向させた状態、即ち、第六凹部46同士、第七凹部47同士、第八凹部48同士、第九凹部49同士、第十凹部50同士、第三浅凹部51同士、第四浅凹部52同士を互いに対向させた状態で最中状に重ね合わせている。そして、上記第六凹部46同士が突き合わされた部分に第六タンク空間53を、上記第七凹部47同士が突き合わされた部分に第七タンク空間54を、上記第八凹部48同士が突き合わされた部分に第八タンク空間55を、上記第九凹部49同士が突き合わされた部分に第九タンク空間56を、上記第十凹部50同士が突き合わされた部分に第十タンク空間57を、それぞれ形成している。
【0021】
又、上記第三浅凹部51同士が突き合わされた部分を第三直線状流路58として、上記第六、第九タンク空間53、56同士を連通させている。更に、上記第四浅凹部52同士が突き合わされた部分を第四直線状流路59として、上記第八、第十タンク空間55、57同士を連通させている。尚、上記第三、第四浅凹部51、52内にも、前述した第一金属板29に設けた第一、第二浅凹部35、36の場合と同様に、多数の突起44、44を形成している。
【0022】
前記コア部9aは、それぞれが前述した様に構成する複数の第一伝熱管素子19及びフィン6から成る第一部分22と、同じく複数の第二伝熱管素子20、20及びフィン6から成る第二部分23と、それぞれが上述した様に構成する複数の第二伝熱管素子21、21及びフィン6から成る第三部分28とを、間部分にフィン6を設けた状態で互いに重ね合わせる事により構成している。このうちの第一部分22は、それぞれ上記複数の第一伝熱管素子19を、互いの表裏方向を同方向にしつつ、隣り合う第一伝熱管素子19同士の間にフィン6を設けた状態で重ね合わせる事により構成している。又、上記第二部分23は、それぞれ上記複数の第二伝熱管素子20、20を、互いの表裏方向を同方向にしつつ、隣り合う第二伝熱管素子20、20同士の間にフィン6を設けた状態で重ね合わせる事により構成している。そして、上記第一、第二部分22、23同士を、これら各部分22、23を構成する第一、第二伝熱管素子19、20の表裏方向を互いに異ならせた状態で、フィン6を介して幅方向(各伝熱管素子19、20の積層方向)に重ね合わせている。又、上記第三部分28は、複数の第三伝熱管素子21、21を、隣り合う第三伝熱管素子21、21同士の間にフィン6を設けた状態で重ね合わせる事により構成している。
【0023】
そして、エバポレータ1aを自動車用空気調和装置の一部に組み付けた状態で、上記各第一伝熱管素子19内の第二直線状流路43と、上記各第二伝熱管素子20、20内の第一直線状流路42、42と、上記各第三伝熱管素子21、21内の第四直線状流路59、59とを、空気調和用の空気の通過方向αに関して風上側(図1、5、6の裏側)に位置させている。
【0024】
そして、この様に上記各第一〜第三伝熱管素子19〜21を重ね合わせた状態で、互いに対向する、上記各第三伝熱管素子21、21の第六タンク空間53、53同士を互いに連通して、入口タンク部60を構成している。この為、上記各第三伝熱管素子21、21を構成する第二金属板45に形成した第六凹部46の底部には、上記第三部分28の幅方向一端(図1、5、6の左端)に位置する1枚の第二金属板45を除き、冷媒を通過させる為の通孔61を形成している。この様にして構成した、上記入口タンク部60の長さ方向一端部(図1、5、6の左端部)には、前記冷媒送り込み管13の下流端を接続している。
【0025】
又、互いに対向する、上記各第三伝熱管素子21、21の第九タンク空間56、56と、上記各第二伝熱管素子18、18の第五タンク空間41、41と、上記各第一伝熱管素子19の第四タンク空間40とを互いに連通して、第一冷媒移送タンク部62を構成している。この為、上記各第三伝熱管素子21、21を構成する第二金属板45に形成した第九凹部49の底部と、上記各第二伝熱管素子20、20を構成する第一金属板29に形成した第五凹部34の底部と、上記各第一伝熱管素子19を構成する第四凹部33の底部とには、上記コア部9aの幅方向両端に位置する2枚の第一、第二金属板29、45を除き、冷媒を通過させる為の通孔61を形成している。尚、上記第一冷媒移送タンク部62の一端側半部(図1、5、6の右半部)が、請求項2に記載した第四タンク部に相当する。
【0026】
又、互いに対向する、上記各第二伝熱管素子20、20の第三タンク空間39、39と、上記各第一伝熱管素子19の第一タンク空間37とを互いに連通して、第一中間タンク部63を構成している。この為、上記各第二伝熱管素子20、20を構成する第一金属板29に形成した第三凹部32の底部と、上記各第一伝熱管素子19を構成する第一金属板29に形成した第一凹部30の底部とには、前記第二部分23の幅方向一端(図1、5、6の左端)に位置する1枚の第一金属板29を除き、冷媒を通過させる為の通孔61を形成している。尚、本例の場合、上記第一中間タンク部63の一端側半部(図1、5、6の右半部)が、請求項2に記載した第一タンク部に相当する。
【0027】
又、互いに対向する、上記各第二伝熱管素子20、20の第二タンク空間38、38と、上記各第一伝熱管素子19の第二タンク空間38とを互いに連通して、請求項2に記載した第二タンク部に相当する、第二中間タンク部64を構成している。この為、上記各第一、第二伝熱管素子19、20を構成する各第一金属板29に形成した第二凹部31の底部には、上記第二部分23の幅方向一端(図1、5、6の左端)と、上記第一部分22の幅方向他端(図1、5、6の右端)とに位置する2枚の第一金属板29、29を除き、冷媒を通過させる為の通孔61を形成している。
【0028】
更に、互いに対向する、上記各第二伝熱管素子20、20の第一タンク空間37、37と、上記各第一伝熱管素子19の第三タンク空間39とを互いに連通して、第三中間タンク部65を構成している。この為、上記各第二伝熱管素子20、20を構成する各第一金属板29に形成した第一凹部30の底部と、上記各第一伝熱管素子19を構成する各第一金属板29に形成した第三凹部32の底部とには、上記第二部分23の幅方向一端(図1、5、6の左端)に位置する1枚の第一金属板29を除き、冷媒を通過させる為の通孔61を形成している。尚、本例の場合には、上記第三中間タンク部65の一端側半部(図1、5、6の左半部)が、請求項2に記載した第三タンク部に相当する。
【0029】
又、互いに対向する、前記各第三伝熱管素子21、21の第十タンク空間57、57と、上記各第二伝熱管素子20、20の第四タンク空間40、40と、上記各第一伝熱管素子19の第五タンク空間41とを互いに連通して、第二冷媒移送タンク部66を構成している。この為、上記各第三伝熱管素子21、21を構成する第二金属板45の第十凹部50の底部と、上記各第二伝熱管素子20、20を構成する第一金属板29の第四凹部33の底部と、上記各第一伝熱管素子19を構成する第一金属板29の第五凹部34の底部とには、上記コア部9aの幅方向両端に位置する2枚の第一、第二金属板29、45を除き、冷媒を通過させる為の通孔61を形成している。尚、上記第二冷媒移送タンク部66の一端側半部(図1の右半部)が、請求項2に記載した第五タンク部に相当する。
【0030】
更に、上記各第三伝熱管素子21、21の第八タンク空間55、55同士を互いに連通して、出口タンク部67を構成している。この為、上記各第三伝熱管素子21、21を構成する第二金属板45の第八凹部48の底部には、上記第三部分28の幅方向一端(図1、5、6の右端)に位置する1枚の第二金属板45を除き、冷媒を通過させる為の通孔61を形成している。この様にして構成した、上記出口タンク部67の長さ方向一端部(図1、5、6の左端部)には、前記冷媒取り出し管14の上流端を接続している。上述した様に、上記各第三伝熱管素子21、21を構成する第二金属板45に設けた、第六、第八〜第十凹部46、48〜50の底部には、一部を除いて、通孔61、61を形成している。但し、上記第二金属板45の上端部中央に設けた第七凹部47の底部には通孔を形成せず、この第七凹部47により形成する第七タンク空間54を、隣り合う第三伝熱管素子21、21同士で連通させていない。この様な第七凹部47は、隣り合う第三伝熱管素子21、21同士の結合強度を高める為に設けている。この為、この結合強度を十分に確保できるのであれば、上記第七凹部47を省略する事もできる。
【0031】
又、前記コア部9aの幅方向一端(図1、5、6の右端)に位置する1枚の第一金属板29の片面(図5の右側面)の上端部の幅方向両端部に、サイドタンク27の両端部を接続している。そして、このサイドタンク27の内部に設けた連通路26を介して、前記第一中間タンク部63の長さ方向一端部(図1、5、6の右端部)と、前記第三中間タンク部65の長さ方向一端部(図1、5、6の右端部)とを連通させている。
【0032】
上述の様に構成する本発明の熱交換器である、エバポレータ1aの使用時には、コンデンサから吐出され、膨張弁を通過した液状若しくは気液混合状態の冷媒を、前記冷媒送り込み管13から前記入口タンク部60内に送り込む。この入口タンク部60に送り込まれた冷媒は、図1、5、6に実線矢印イで示す様に、この入口タンク部60の全体に広がる。この入口タンク部60内に広がった冷媒は、続いて、図1、5、6に実線矢印ロ、ロで示す様に、前記第三部分28の風下側部分を構成する、各第三伝熱管素子21、21内の第三直線状流路58、58内を、前記第一冷媒移送タンク部62に向けて、図1、5、6の矢印α方向に流れる空気との間で熱交換を行ないつつ流れる。
【0033】
この様にして第一冷媒移送タンク部62内に流れ込んだ冷媒は、この第一冷媒移送タンク部62内を図1、5、6に実線矢印ハで示す様に、前記コア部9aの風下側部分の下端部を、水平方向に流れた後、上記第一冷媒移送タンク部62の下流側半部で、前記第二部分23を構成する各第二伝熱管素子20、20の第二直線状流路43、43内と、前記第一部分22を構成する各第一伝熱管素子19の第一直線状流路42内とに、それぞれ送られる。続いて、上記各第二伝熱管素子20、20の第二直線状流路43、43内に送られた冷媒は、これら各第二直線状流路43、43内を、図1、5、6に実線矢印ニ、ニで示す様に、上記熱交換をしつつ流れた後、前記第二中間タンク部64に達する。又、上記各第一伝熱管素子19内の第一直線状流路42内に送られた冷媒は、これら各第一直線状流路42を、図1、5、6に実線矢印ニで示す様に、上記熱交換をしつつ流れた後、前記第一中間タンク部63に達する。
【0034】
この様にして、この第一中間タンク部63と上記第二中間タンク部64とに達した冷媒は、これら各第一、第二中間タンク部63、64内を図1、5、6に破線矢印ホ、ホで示す様に流れる。この様にして流れた冷媒のうち、第二中間タンク部64内を流れた冷媒は、上記第一部分22を構成する各第一伝熱管素子19の第二直線状流路43内に送られ、これら各第二直線状流路43内を、同図に破線矢印チで示す様に、上から下に上記熱交換をしつつ流れて、第二冷媒移送タンク部66に達する。
【0035】
これに対して、上記第一中間タンク部63内を流れた冷媒は、前記サイドタンク27に設けた連通路26を、図1、5、6に実線矢印ヘで示す様に流れた後、前記第三中間タンク部65内に送られる。続いて、この第三中間タンク部65内を、図1、5、6に破線矢印トで示す様に流れた冷媒は、上記第二部分23を構成する各第二伝熱管素子20、20の第一直線状流路42、42内を、同図に破線矢印チ、チで示す様に、上から下に上記熱交換をしつつ流れて、上記第二冷媒移送タンク部66に達する。何れにしてもこの第二冷媒移送タンク部66に達した冷媒は、この第二冷媒移送タンク部66内を、同図に鎖線矢印リで示す様に、前記コア部9aの風上側部分の下端部を、水平方向に流れた後、前記第三部分28を構成する各第三伝熱管素子21、21の第四直線状流路59、59に達する。そして、これら各第四直線状流路59、59内に達した冷媒は、同図に鎖線矢印ヌ、ヌで示す様に、下から上に上記熱交換をしつつ流れて、前記出口タンク部67に達する。
【0036】
この様にして出口タンク部67に達した、過熱状態のガス状冷媒は、同図に破線矢印ルで示す様に、この出口タンク部67内を流れた後、前記冷媒取り出し管14に流出し、この冷媒取り出し管14の下流端に接続した配管を通じて、コンプレッサの吸入口に送られる。
【0037】
前述の様に構成し、上述の様にコア部9aの内部を流れる冷媒とこのコア部9aの外部を通過する空気との間で熱交換を行ない、この空気を冷却する、エバポレータ1aの場合、上記コア部9aを通過後の空気の温度分布をほぼ均一にできる。即ち、本発明の場合には、このコア部9aの幅方向片半部を構成する第一部分22と第二部分23とで、比較的温度が高くなる部分同士、及び比較的温度が低くなる部分同士が、空気調和用の空気の通過方向αに関して、それぞれ互いに重畳する事を少なくできる。即ち、上記コア部9aの風下側部分の下端部に設けた第一冷媒移送タンク部62を流れる液状若しくは気液混合状態の冷媒には慣性力が作用する。この為、この第一冷媒移送タンク部62から、中間部に設けた複数の第二伝熱管素子20、20の第二直線状流路43、43と、同じく複数の第一伝熱管素子19の第一直線状流路42とに冷媒が分配される際に、上記第一冷媒移送タンク部62の下流端近くに設けた、第一伝熱管素子19の第一直線状流路42内に、冷媒が多く送り込まれ易くなる。又、逆に、上記第一冷媒移送タンク部62の上流端近くに設けた、第二伝熱管素子20、20の第二直線状流路43、43内には冷媒が送り込まれにくくなる。従って、上記各第一伝熱管素子19の第一直線状流路42内を流れる冷媒が、上記各第二伝熱管素子20、20の第二直線状流路43、43内を流れる冷媒よりも多くなる、偏流が生じ易い。
【0038】
これに対して、本例の場合には、上記第一、第二部分22、23の風下側部分で上記各第一伝熱管素子19の第一直線状流路42内を流れた冷媒が、同じく風上側部分で、上記空気の通過方向αに関して上記各第二伝熱管素子20、20の第二直線状流路43、43と対向する位置に設けた、これら各第二伝熱管素子20、20の第一直線状流路42、42に送られる。又、上記第一、第二部分22、23の風下側部分で上記各第二伝熱管素子20、20の第二直線状流路43、43内を流れた冷媒が、同じく風上側部分で、上記空気の通過方向αに関して上記各第一伝熱管素子19の第一直線状流路42と対向する位置に設けた、これら各第一伝熱管素子19の第二直線状流路43内に送られる。この為、上記第一、第二部分22、23の厚さ方向半部同士で、内部を冷媒が多く流れる流路同士と、内部を少量の冷媒が流れる流路同士とが、それぞれ空気調和用の空気の通過方向αに関して互いに重畳する事を少なくできる。従って、上記第一、第二部分22、23で、内部を流れる冷媒の流量が少なくなる事で比較的温度が高くなる、図7に無地で示す、コア部9aの一部同士が、上記空気の通過方向αに関して互いに重畳する事を少なくできる。又、上記第一、第二部分22、23で、内部を流れる冷媒の流路が多くなる事で比較的温度が低くなる、図7に斜格子で示す、コア部9aの一部同士が、上記空気の通過方向αに関して互いに重畳する事を少なくできる。従って、上記第一、第二部分22、23を通過後の空気の温度分布を、ほぼ均一にできる。
【0039】
しかも、本例の場合には、上記コア部9aの幅方向他半部である、前記第三部分28の表面の温度分布に偏りが生じにくい。即ち、この第三部分28の風下側部分では、上端部に位置する入口タンク部60内を流れた冷媒が、中間部に設けた複数の第三直線状流路58、58に分流する。この際、この入口タンク部60内を流れる冷媒に重力が作用する事に基づいて、この入口タンク部60の上流端近くに接続した第三直線状流路58内に冷媒が多く送り込まれる傾向となる。一方、この入口タンク部60を流れる冷媒に慣性力が作用する事に基づいて、この入口タンク部60の下流端近くに接続した第三直線状流路58内に冷媒が多く送り込まれる傾向となる。この結果、上記入口タンク部60に連通する複数の第三直線状流路58、58同士で、冷媒が、ほぼ均一に流れる事となる。一方、上記第三部分28の風上側部分では、下端部に位置する第二冷媒移送タンク部66内を流れる冷媒の多くがガス状になっている。この為、この冷媒に作用する慣性力は小さくなる。この為、この冷媒が、この第二冷媒移送タンク部66の下流端近くに接続した第四直線状流路59内に偏って流れる事は少ない。この結果、上記第三部分28の表面の温度分布をほぼ均一にできる。この為、上記第一、第二部分22、23を通過した空気の温度分布をほぼ均一にできる事と相俟って、上記コア部9aを通過後の空気の温度分布をほぼ均一にでき、乗員にとって快適な冷房状態を実現できる。又、エバポレータ1aを大型化する事なく、性能の向上を図れる為、性能確保と小型化との両立を図り易くなる。
【0040】
更に、本例の構造によれば、上記コア部9aを構成する、内部構造が異なる伝熱管素子の種類が、2種類で済む。この為、部品製作、部品管理、組立作業が何れも容易になって、エバポレータ1aのコスト低減を図れる。又、本例の場合には、比較的高温側のコア部9aの厚さ方向他側部分を風上側に、比較的低温側のコア部9aの厚さ方向片側部分を風下側に、それぞれ位置させている。従って、このコア部9aと、このコア部9aを通過する空気との間の温度差を、風上側から風下側迄十分に確保して、上記コア部9aと空気との熱交換を効率良く行なわせる事ができる。
【0041】
尚、本発明の熱交換器は、上述した様な、複数のタンク部60、62〜67を、複数の第一〜第三伝熱管素子19〜21の一部により構成した構造に限定するものではない。本発明の熱交換器は、内側に冷媒を流す為の扁平な流路を有する複数の伝熱管素子の両端に、これら各伝熱管素子と別体のタンク部材を設けて、これら各タンク部材の内側にタンク部を設けた場合でも実施できる。
【0042】
又、上述した説明は、コア部9aを第一〜第三部分22、23、28により構成した場合に就いて説明したが、コア部を、このうちの第一部分22及び第二部分23のみから構成する事もできる。この場合には、このコア部を構成する、内部構造が異なる伝熱管素子の種類が1種類で済む為、エバポレータのコストをより低減し易くなる。又、上述した説明は、本発明の熱交換器を、エバポレータとして使用する場合に就いて説明したが、本発明の熱交換器は、エバポレータに限定するものではない。例えば、本発明の熱交換器は、ヒータコアとして使用する場合にも実施できる。この様に本発明の熱交換器をヒータコアとして使用する場合でも、上述の様にエバポレータとして使用する場合と同様に、コア部を通過した空気の温度分布を、ほぼ均一にできる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の熱交換器は、以上に述べた通り構成され作用するので、快適な空気調和を実現できると共に、小型化及び性能確保の両立を図り易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例の熱交換器に於ける冷媒の流れ状態を説明する為の、略透視斜視図。
【図2】本発明の熱交換器を構成する3種類の素子を、それぞれ図1の右方から見た状態で示す略透視図。
【図3】図2(A)に示した第一伝熱管素子と、図2(B)に示した第二伝熱管素子とを構成する第一金属板を示しており、(A)は図1の裏表方向から、(B)は図1の側方から、それぞれ見た図。
【図4】図2(C)に示した第三伝熱管素子を構成する第二金属板を示しており、(A)は図1の裏表方向から、(B)は図1の側方から、それぞれ見た図。
【図5】本発明の熱交換器の略分解斜視図。
【図6】コア部の各部での冷媒の流れ状態を量的に説明する為の、略透視斜視図。
【図7】コア部の幅方向片半部のみを取り出して、表面の温度分布状態を説明する為の、略透視斜視図。
【図8】従来構造の1例を示す略斜視図。
【図9】従来構造の1例に於ける冷媒の流れ状態を説明する為の、略斜視図。
【図10】同じくコア部の表面温度を測定した結果を示す図。
【図11】同じくコア部の幅方向一部のみを取り出して、冷媒の流れ状態を量的に説明する為の、略透視斜視図。
【符号の説明】
1、1a エバポレータ
2  U字形流路
3  第一伝熱管素子
4  直線状流路
5  第二伝熱管素子
6  フィン
7  第一部分
8  第二部分
9、9a コア部
10  入口タンク部
11  中間タンク部
12  出口タンク部
13  冷媒送り込み管
14  冷媒取り出し管
15  冷媒送り込み口
16  冷媒取り出し口
19  第一伝熱管素子
20  第二伝熱管素子
21  第三伝熱管素子
22  第一部分
23  第二部分
26  連通路
27  サイドタンク
28  第三部分
29  第一金属板
30  第一凹部
31  第二凹部
32  第三凹部
33  第四凹部
34  第五凹部
35  第一浅凹部
36  第二浅凹部
37  第一タンク空間
38  第二タンク空間
39  第三タンク空間
40  第四タンク空間
41  第五タンク空間
42  第一直線状流路
43  第二直線状流路
44  突起
45  第二金属板
46  第六凹部
47  第七凹部
48  第八凹部
49  第九凹部
50  第十凹部
51  第三浅凹部
52  第四浅凹部
53  第六タンク空間
54  第七タンク空間
55  第八タンク空間
56  第九タンク空間
57  第十タンク空間
58  第三直線状流路
59  第四直線状流路
60  入口タンク部
61  通孔
62  第一冷媒移送タンク部
63  第一中間タンク部
64  第二中間タンク部
65  第三中間タンク部
66  第二冷媒移送タンク部
67  出口タンク部

Claims (2)

  1. 内側に冷媒を流す為の複数の扁平な流路と、隣り合う流路同士の間に設けられた複数のフィンとから成るコア部と、このコア部の両端部に中間部に存在する複数の流路と連通する状態で設けられた複数のタンク部と、これら複数のタンク部の一部に冷媒を送り込む為の冷媒送り込み口と、上記複数のタンク部の一部から冷媒を取り出す為の冷媒取り出し口とを備え、上記コア部の厚さ方向に空気調和用の空気を通過させる状態で使用する熱交換器に於いて、
    上記コア部の少なくとも幅方向一部で、厚さ方向片側部分に設けたタンク部に送り込まれた冷媒が、この厚さ方向片側部分のうちの幅方向片側部分に設けた第一流路と、この厚さ方向片側部分のうちの幅方向他側部分に設けた第二流路とに分流した後、上記第一流路内を流れた冷媒が、上記コア部の厚さ方向他側部分で、上記空気の通過方向に関して上記第二流路と対向する位置に設けた第三流路内を流れると共に、この第二流路内を流れた冷媒が、上記コア部の厚さ方向他側部分で、上記空気の通過方向に関して上記第一流路と対向する位置に設けた第四流路内を流れる事を特徴とするエバポレータ。
  2. コア部の少なくとも幅方向一部は、互いに内部構造が同じである複数の第一伝熱管素子を、互いの表裏方向を同方向にしつつ、隣り合う第一伝熱管素子同士の間にフィンを設けた状態で重ね合わせて成る第一部分と、これら各第一伝熱管素子と同じ内部構造を有する複数の第二伝熱管素子を、互いの表裏方向を同方向にしつつ、隣り合う第二伝熱管素子同士の間にフィンを設けた状態で重ね合わせて成る第二部分とを、上記各第一伝熱管素子と上記各第二伝熱管素子との表裏方向を互いに異ならせた状態で、幅方向に重ね合わせる事により構成しており、
    上記各第一、第二伝熱管素子は、それぞれの片面の長さ方向一端部に互いに独立した状態で設けられた第一、第二、第三凹部と、同じく長さ方向他端部に互いに独立した状態で設けられた第四、第五凹部と、同じく中間部に設けられてこのうちの第二、第四凹部同士を連通させる第一浅凹部と、同じく中間部に設けられて上記第三、第五凹部同士を連通させる第二浅凹部とを備えた1対の金属板を、それぞれの凹部同士を対向させた状態で最中状に重ね合わせて互いに接合する事により、上記第一凹部同士が突き合わされた部分に第一タンク空間を、上記第二凹部同士が突き合わされた部分に第二タンク空間を、上記第三凹部同士が突き合わされた部分に第三タンク空間を、上記第四凹部同士が突き合わされた部分に第四タンク空間を、上記第五凹部同士が突き合わされた部分に第五タンク空間を、上記第一浅凹部同士が突き合わされた部分に上記第二、第四タンク空間同士を連通させる第一直線状流路を、上記第二浅凹部同士が突き合わされた部分に上記第三、第五タンク空間同士を連通させる第二直線状流路を、それぞれ設けたものであり、
    上記各第一伝熱管素子により構成する第一部分と、上記各第二伝熱管素子により構成する第二部分とを互いに重ね合わせた状態で、互いに対向する、上記各第一伝熱管素子に設けた第一タンク空間同士を連通して、第一タンク部を構成しており、
    互いに対向する、上記各第一伝熱管素子に設けた第二タンク空間と上記各第二伝熱管素子に設けた第二タンク空間とを互いに連通して、第二タンク部を構成しており、
    互いに対向する、上記各第二伝熱管素子に設けた第一タンク空間同士を連通して、第三タンク部を構成しており、
    互いに対向する、上記各第一伝熱管素子に設けた第四タンク空間と上記各第二伝熱管素子に設けた第五タンク空間とを互いに連通して、第四タンク部を構成しており、
    互いに対向する、上記各第一伝熱管素子に設けた第五タンク空間と上記各第二伝熱管素子に設けた第四タンク空間とを互いに連通して、第五タンク部を構成しており、
    上記第一タンク部と上記第三タンク部とを、連通路を介して連通させており、第一流路が、上記各第一伝熱管素子に設けた第一直線状流路であり、第二流路が、上記各第二伝熱管素子に設けた第二直線状流路であり、第三流路が、これら各第二伝熱管素子に設けた第一直線状流路であり、第四流路が、上記各第一伝熱管素子に設けた第二直線状流路である、請求項1に記載した熱交換器。
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