JP2004044705A - 油圧シリンダ - Google Patents
油圧シリンダ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004044705A JP2004044705A JP2002203943A JP2002203943A JP2004044705A JP 2004044705 A JP2004044705 A JP 2004044705A JP 2002203943 A JP2002203943 A JP 2002203943A JP 2002203943 A JP2002203943 A JP 2002203943A JP 2004044705 A JP2004044705 A JP 2004044705A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plunger
- piston
- port
- chamber
- cylinder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Actuator (AREA)
Abstract
【課題】油圧シリンダの大型化を招くことなく、ストロークエンドにおける良好な緩衝(クッション)機能およびピストンの逆方向への機敏なストロークを確保する。さらには、エンジン動弁系などに用いられる、小型のアクチュエータとして、最適な油圧シリンダを提供する。
【解決手段】シリンダ1の内部を摺動自由なピストン2と、シリンダの内部にピストンで画成される室3,4と、室の油の出入口をシリンダ端部1aに形成するポート7と、ポートへの進入により縮み側の室からポートへの油の流れを絞る手段としてピストンに突設されるプランジャ6と、プランジャ内部を通してピストン受圧面への開口部とプランジャ先端の開口部を継ぐ流路8a〜8cと、縮み側の室から流路を油がポート側へ流れるのを規制する手段としてプランジャ内部に収装される逆止弁9と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】シリンダ1の内部を摺動自由なピストン2と、シリンダの内部にピストンで画成される室3,4と、室の油の出入口をシリンダ端部1aに形成するポート7と、ポートへの進入により縮み側の室からポートへの油の流れを絞る手段としてピストンに突設されるプランジャ6と、プランジャ内部を通してピストン受圧面への開口部とプランジャ先端の開口部を継ぐ流路8a〜8cと、縮み側の室から流路を油がポート側へ流れるのを規制する手段としてプランジャ内部に収装される逆止弁9と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、油圧シリンダの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧シリンダにおいては、ピストンの往復に伴うストロークエンドの衝撃(ショック)を和らげるため、図5および図6のようなクッション機構が備えられる(特開2000−329111号,特開2000−46010号、参照)。
【0003】
図はパワーショベル等に用いられる油圧シリンダCであり、30はシリンダ、32はピストン、33はピストンロッドであり、図示の状態において、ヘッド側の室50(またはロッド側の室60)へ作動油が供給され、ロッド側の室60(またはヘッド側の室50)が低圧側に開放されると、ヘッド側の室50(またはロッド側の室60)への作動油により、ピストン32は、ロッド側の室60(またはヘッド側の室50)の油を押し出しながら、ピストンロッド33の伸長方向(または収縮方向)へストロークする。
【0004】
ピストン32のヘッド側の面から軸方向へ突出するプランジャ36が設けられる。プランジャ36の進入可能な凹部38がシリンダ端部31(エンドキャップ)に形成され、外部の配管に接続される流路39が凹部38の奥部に開口される。凹部38の内面にその開口部から奥行き方向へ複数の溝40が形成され、その断面積は奥部へ向けて次第に縮小するように設定される。
【0005】
ピストンロッド33の収縮方向へのストロークにおいて、ピストン32により圧縮される室50の油は、シリンダ端部31の凹部38から流路39を介して低圧側へ戻されるが、ピストン32がストロークエンドへ接近すると、プランジャ36が凹部38に進入して戻り側の通路面積を絞るため、戻り側の油の流れに抵抗が付与され、ピストン32を減速させるので、シリンダ端部31との衝突が防止される。複数の溝40により、戻り側の油への絞り抵抗は徐々に大きくなり、ピストン32の減速度の急激な立ち上がりも抑制され、ピストン速度をショックなく減衰させることができる。
【0006】
34はピストンロッド33の端部にピストン32を締め付けるナット、37はピストン32をヘッド側へ貫通するピストンロッド33のネジ部にプランジャ36を組み付けるボルト、46はピストン外周のシール、48はシリンダ端部31をピン結合するための目玉部、を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ピストンロッド33の伸長方向へのストロークにおいては、流路39から凹部38へ作動油が供給されるが、プランジャ36が凹部38から抜け出るまでの間、ピストン32の受圧面が十分に確保されず、ピストン32の伸側への機敏なストロークが得られない。そのため、室50と流路39と結ぶバイパスと、縮み側のストロークにおけるプランジャ36の絞りを確保するため、バイパスの油の流れを規制する逆止弁と、を設けることが考えられる。バイパスは、凹部38の周辺に形成され、その内部に逆止弁を収装することになるが、そのためシリンダ端部31ひいてはシリンダ30の大型化を招いてしまう。
【0008】
この発明は、油圧シリンダの大型化を招くことなく、ストロークエンドにおける良好な緩衝(クッション)機能およびピストンの逆方向への機敏なストロークを確保しようとするものであり、さらにはエンジン動弁系などに用いられる小型のアクチュエータとして最適な油圧シリンダの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、油圧シリンダにおいて、シリンダの内部を摺動自由なピストンと、シリンダの内部にピストンで画成される室と、室の油の出入口をシリンダ端部に形成するポートと、ポートに進入して室からポートへの油の流れを絞る手段としてピストンに突設されるプランジャと、プランジャ内部を通してピストン受圧面への開口部とプランジャ先端の開口部を継ぐ流路と、室から流路を油がポートへ流れるのを規制する手段としてプランジャ内部に収装される逆止弁と、を備えることを特徴する。
【0010】
第2の発明は、エンジン動弁系などに用いられる小型の油圧シリンダにおいて、シリンダの内部を摺動自由なピストンと、シリンダの内部にピストンで画成される室と、室の油の出入口をシリンダ端部に形成するポートと、ポートに進入して室からポートへの油の流れを絞る手段としてピストンに突設されるプランジャと、プランジャ内部を通してピストン受圧面への開口部とプランジャ先端の開口部を継ぐ流路と、室から流路を油がポートへ流れるのを規制する手段としてプランジャ内部に収装される逆止弁と、を備えることを特徴する。
【0011】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に係る油圧シリンダにおいて、プランジャは、ポートとの間で油の流れを絞るスリットを形成することを特徴とする。
【0012】
第4の発明は、第3の発明に係る油圧シリンダにおいて、 スリットは、プランジャ外周のカット部により、プランジャとポートとのラップ範囲に設定されることを特徴とする。
【0013】
第5の発明は、第1の発明または第2の発明に係る油圧シリンダにおいて、逆止弁は、球状の弁体とその開弁圧を設定するスプリングと、から構成されることを特徴とする。
【0014】
【発明の効果】
第1の発明〜第5の発明においては、ピストンがストロークエンドへ接近する過程において、プランジャがポートに進入すると、ポートの通路面積が絞られる。室からプランジャ内部の流路を油がポート側へ流れるのを逆止弁が規制するので、プランジャとポートとの間を流れる油に抵抗が付与され、ピストンをストロークエンドへ減速させるようになる。ピストンの反対側へのストロークにおいては、室へポートから作動油が供給されると、作動油はポートから流路の逆止弁を介して室へ流れ、ピストンの受圧面に作用するので、ピストンが伸び側へ応答よくストロークするようになる。
【0015】
流路および逆止弁は、ポートを進退するプランジャの内部に設定のため、シリンダ端部の凹部周辺にバイパスが形成され、その内部に逆止弁を収装するのに較べると、シリンダ端部(ひいてはシリンダ)を遙かに小さく設定可能となる。その結果、エンジン動弁系などにおいても、ストロークエンドにおけるショックを良好に吸収しえる、小型のアクチュエータとして最適な油圧シリンダが得られるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、単動型の油圧シリンダYの構成を模式的に表すものであり、シリンダ1の内部にピストン2が摺動自由に収装され、ピストン2の両側に室3,4が形成される。一方の室3は大気に開放され、もう一方の室4に油が給排される。は大気に開放の室3(以下、開放室と称する)を軸方向へ延びるロッド5であり、その基端はピストン2に結合される。ロッド5の他端側は、開放室3から外部へ突き出され、その先端に負荷が連結される。
【0017】
ピストン2に油の給排を受ける室4(以下、油室と称する)を軸方向へ延びるプランジャ6が結合され、プランジャ6の進入可能なポート7がシリンダ端部1aに形成される。ポート7にシリンダ1外部の油圧配管(図示せず)が接続され、ポート7側の配管に低圧(タンク)側の配管と高圧(油圧供給源)側の配管を選択的に接続する給排弁が介装される。
【0018】
プランジャ6は、ポート7に進入すると、その開口面積を徐々に縮小させるテーパ部6a(先端部)と、ポート7との摺接面を形成する円柱部6b(基端部)と、からなり、これら外周にカット部6cが設けられる。カット部6cは、プランジャ6の軸芯と平行な段差面(平坦な削除面)に形成され、ポート7とのラップ範囲において、段差面の形成するスリット(図の10、参照)により、油の流れを絞る構成に設定される。
【0019】
プランジャ6の内部に弁室8aが形成され、弁室8aをポート7とのラップ範囲から外れるプランジャ外周に開口する通路8bと、プランジャ6先端に弁室8aを開口する通路8cと、が備えられる。弁室8aに対する通路8cの開口部が弁座に形成され、通路8bから通路8cへの油の流れを規制する逆止弁9が弁室8aに収装される。逆止弁9は、弁座を開閉する球状の弁体9aと、弁体9aの開弁圧を設定するスプリング9bと、から構成される。
【0020】
図2は、油圧シリンダYの作動を説明するものであり、縮み側のストロークエンドにおいては、プランジャ6の進入により、スリット10もポート7に塞がれ、ピストン2の縮み側への動き(ストローク)が拘束される。
【0021】
この状態から、ポート7へ作動油が供給されると、ポート7内部の作動油は、プランジャ6の受圧面12に作用する一方で、プランジャ6の先端に開口する通路8cから弁体9aを開いて弁室8aへ入り、弁室8aからプランジャ6外周に開口する通路8bを抜けて油室4へ流れ、ピストン2の受圧面12に作用するので、ピストン2が伸び側へ応答よく往動する(▲1▼および▲2▼、参照)。
【0022】
伸び側のストロークエンドにおいて、ポート7が低圧側に開放されると、外部のリターン力により、油室4の作動油をポート7へ排出しながら、ピストン2が縮み側のストロークエンドへ復動するのである。ピストン2が縮み側のストロークエンドへ接近し、プランジャ6がポート7に進入すると、プランジャ6の先端部6b(テーパ部)により、ポート7の開口面積が徐々に縮小される。逆止弁9の規制が働くので、油室4からポート7への流量は、テーパ部6bの進入に連れて減少しつつ、プランジャ6の進入が深まり、カット部6cがポート7に掛かると、スリット10に絞られる(▲3▼および▲4▼、参照)。このため、プランジャ6とポート7との間を流れる油に与える抵抗が徐々に大きくなり、ピストン2を緩やかに減速させるのである。
【0023】
流路8a〜8cおよび逆止弁9は、プランジャ6の内部に設定のため、シリンダ端部の凹部周辺にバイパスが形成され、その内部に逆止弁を収装するのに較べると、シリンダ端部(ひいてはシリンダ)を遙かに小さく設定可能となる。そのため、エンジン動弁系などにおいても、ストロークエンドにおけるショックを良好に吸収しえる、小型のアクチュエータとして最適な油圧シリンダの提供を実現できるのである。
【0024】
この例においては、スリット10を形成するカット部6cにより、ピストン2のストロークエンドを精度よく規制できる。カット部6cは、プランジャ6の軸芯と平行な段差面のため、溝型に較べると加工しやすく、スリットの設定も容易に図れる。もちろん、この発明に係るクッション機構については、復動型の油圧シリンダへの適用も可能である。
【0025】
図3および図4は、エンジン動弁系に用いられる油圧シリンダの具体的な構成を表すものであり、シリンダ1は、基盤20とこれに螺合される筒体21とから構成される。22はプランジャ6を支持するシール部であり、筒体21の端部に組み付けられる。シール部22においては、筒形の外周部が備えられ、縮み側のストロークエンドを規制するほか、油室4の最小容積を確保する機能も設定される。ポート7は基盤20に形成され、プランジャ6のカット部6cは、ポート7への進入により、シール部22との間でスリット10を形成する。つまり、シール部22の軸穴がポート7の実質的な開口部を形成するのである。
【0026】
ピストン2は、ロッド5およびプランジャ6と一体に成形され、プランジャ6側に流路8a〜8cおよび逆止弁9が備えられる。プランジャ6の軸部にその先端から盲穴24が加工され、その開口部にプラグ23が螺合される。プラグ23に通路8cを構成する貫通穴が設けられ、その弁室8a側の開口部に弁体9aの弁座が形成される。これら盲穴24およびプラグ23により、弁室8aが簡単に形成され、弁体9aおよびスプリング9bも容易に収装できるようになる。
【0027】
図3および図4において、図1と実質的に同じ機能部品に同じ符号を付け、重複説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧シリンダの構成を模式的に表す概要図である。
【図2】同じく作動説明図である。
【図3】油圧シリンダの具体的な構成図である。
【図4】同じくA−A断面図である。
【図5】従来例の説明図である。
【図6】同じくI−I断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 ピストン
3,4 室
5 ロッド
6 プランジャ
7 ポート
8a〜8c 流路
9 逆止弁
9a 弁体
9b スプリング
22 シール部
23 プラグ
24 盲穴
【発明の属する技術分野】
この発明は、油圧シリンダの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧シリンダにおいては、ピストンの往復に伴うストロークエンドの衝撃(ショック)を和らげるため、図5および図6のようなクッション機構が備えられる(特開2000−329111号,特開2000−46010号、参照)。
【0003】
図はパワーショベル等に用いられる油圧シリンダCであり、30はシリンダ、32はピストン、33はピストンロッドであり、図示の状態において、ヘッド側の室50(またはロッド側の室60)へ作動油が供給され、ロッド側の室60(またはヘッド側の室50)が低圧側に開放されると、ヘッド側の室50(またはロッド側の室60)への作動油により、ピストン32は、ロッド側の室60(またはヘッド側の室50)の油を押し出しながら、ピストンロッド33の伸長方向(または収縮方向)へストロークする。
【0004】
ピストン32のヘッド側の面から軸方向へ突出するプランジャ36が設けられる。プランジャ36の進入可能な凹部38がシリンダ端部31(エンドキャップ)に形成され、外部の配管に接続される流路39が凹部38の奥部に開口される。凹部38の内面にその開口部から奥行き方向へ複数の溝40が形成され、その断面積は奥部へ向けて次第に縮小するように設定される。
【0005】
ピストンロッド33の収縮方向へのストロークにおいて、ピストン32により圧縮される室50の油は、シリンダ端部31の凹部38から流路39を介して低圧側へ戻されるが、ピストン32がストロークエンドへ接近すると、プランジャ36が凹部38に進入して戻り側の通路面積を絞るため、戻り側の油の流れに抵抗が付与され、ピストン32を減速させるので、シリンダ端部31との衝突が防止される。複数の溝40により、戻り側の油への絞り抵抗は徐々に大きくなり、ピストン32の減速度の急激な立ち上がりも抑制され、ピストン速度をショックなく減衰させることができる。
【0006】
34はピストンロッド33の端部にピストン32を締め付けるナット、37はピストン32をヘッド側へ貫通するピストンロッド33のネジ部にプランジャ36を組み付けるボルト、46はピストン外周のシール、48はシリンダ端部31をピン結合するための目玉部、を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ピストンロッド33の伸長方向へのストロークにおいては、流路39から凹部38へ作動油が供給されるが、プランジャ36が凹部38から抜け出るまでの間、ピストン32の受圧面が十分に確保されず、ピストン32の伸側への機敏なストロークが得られない。そのため、室50と流路39と結ぶバイパスと、縮み側のストロークにおけるプランジャ36の絞りを確保するため、バイパスの油の流れを規制する逆止弁と、を設けることが考えられる。バイパスは、凹部38の周辺に形成され、その内部に逆止弁を収装することになるが、そのためシリンダ端部31ひいてはシリンダ30の大型化を招いてしまう。
【0008】
この発明は、油圧シリンダの大型化を招くことなく、ストロークエンドにおける良好な緩衝(クッション)機能およびピストンの逆方向への機敏なストロークを確保しようとするものであり、さらにはエンジン動弁系などに用いられる小型のアクチュエータとして最適な油圧シリンダの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、油圧シリンダにおいて、シリンダの内部を摺動自由なピストンと、シリンダの内部にピストンで画成される室と、室の油の出入口をシリンダ端部に形成するポートと、ポートに進入して室からポートへの油の流れを絞る手段としてピストンに突設されるプランジャと、プランジャ内部を通してピストン受圧面への開口部とプランジャ先端の開口部を継ぐ流路と、室から流路を油がポートへ流れるのを規制する手段としてプランジャ内部に収装される逆止弁と、を備えることを特徴する。
【0010】
第2の発明は、エンジン動弁系などに用いられる小型の油圧シリンダにおいて、シリンダの内部を摺動自由なピストンと、シリンダの内部にピストンで画成される室と、室の油の出入口をシリンダ端部に形成するポートと、ポートに進入して室からポートへの油の流れを絞る手段としてピストンに突設されるプランジャと、プランジャ内部を通してピストン受圧面への開口部とプランジャ先端の開口部を継ぐ流路と、室から流路を油がポートへ流れるのを規制する手段としてプランジャ内部に収装される逆止弁と、を備えることを特徴する。
【0011】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に係る油圧シリンダにおいて、プランジャは、ポートとの間で油の流れを絞るスリットを形成することを特徴とする。
【0012】
第4の発明は、第3の発明に係る油圧シリンダにおいて、 スリットは、プランジャ外周のカット部により、プランジャとポートとのラップ範囲に設定されることを特徴とする。
【0013】
第5の発明は、第1の発明または第2の発明に係る油圧シリンダにおいて、逆止弁は、球状の弁体とその開弁圧を設定するスプリングと、から構成されることを特徴とする。
【0014】
【発明の効果】
第1の発明〜第5の発明においては、ピストンがストロークエンドへ接近する過程において、プランジャがポートに進入すると、ポートの通路面積が絞られる。室からプランジャ内部の流路を油がポート側へ流れるのを逆止弁が規制するので、プランジャとポートとの間を流れる油に抵抗が付与され、ピストンをストロークエンドへ減速させるようになる。ピストンの反対側へのストロークにおいては、室へポートから作動油が供給されると、作動油はポートから流路の逆止弁を介して室へ流れ、ピストンの受圧面に作用するので、ピストンが伸び側へ応答よくストロークするようになる。
【0015】
流路および逆止弁は、ポートを進退するプランジャの内部に設定のため、シリンダ端部の凹部周辺にバイパスが形成され、その内部に逆止弁を収装するのに較べると、シリンダ端部(ひいてはシリンダ)を遙かに小さく設定可能となる。その結果、エンジン動弁系などにおいても、ストロークエンドにおけるショックを良好に吸収しえる、小型のアクチュエータとして最適な油圧シリンダが得られるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、単動型の油圧シリンダYの構成を模式的に表すものであり、シリンダ1の内部にピストン2が摺動自由に収装され、ピストン2の両側に室3,4が形成される。一方の室3は大気に開放され、もう一方の室4に油が給排される。は大気に開放の室3(以下、開放室と称する)を軸方向へ延びるロッド5であり、その基端はピストン2に結合される。ロッド5の他端側は、開放室3から外部へ突き出され、その先端に負荷が連結される。
【0017】
ピストン2に油の給排を受ける室4(以下、油室と称する)を軸方向へ延びるプランジャ6が結合され、プランジャ6の進入可能なポート7がシリンダ端部1aに形成される。ポート7にシリンダ1外部の油圧配管(図示せず)が接続され、ポート7側の配管に低圧(タンク)側の配管と高圧(油圧供給源)側の配管を選択的に接続する給排弁が介装される。
【0018】
プランジャ6は、ポート7に進入すると、その開口面積を徐々に縮小させるテーパ部6a(先端部)と、ポート7との摺接面を形成する円柱部6b(基端部)と、からなり、これら外周にカット部6cが設けられる。カット部6cは、プランジャ6の軸芯と平行な段差面(平坦な削除面)に形成され、ポート7とのラップ範囲において、段差面の形成するスリット(図の10、参照)により、油の流れを絞る構成に設定される。
【0019】
プランジャ6の内部に弁室8aが形成され、弁室8aをポート7とのラップ範囲から外れるプランジャ外周に開口する通路8bと、プランジャ6先端に弁室8aを開口する通路8cと、が備えられる。弁室8aに対する通路8cの開口部が弁座に形成され、通路8bから通路8cへの油の流れを規制する逆止弁9が弁室8aに収装される。逆止弁9は、弁座を開閉する球状の弁体9aと、弁体9aの開弁圧を設定するスプリング9bと、から構成される。
【0020】
図2は、油圧シリンダYの作動を説明するものであり、縮み側のストロークエンドにおいては、プランジャ6の進入により、スリット10もポート7に塞がれ、ピストン2の縮み側への動き(ストローク)が拘束される。
【0021】
この状態から、ポート7へ作動油が供給されると、ポート7内部の作動油は、プランジャ6の受圧面12に作用する一方で、プランジャ6の先端に開口する通路8cから弁体9aを開いて弁室8aへ入り、弁室8aからプランジャ6外周に開口する通路8bを抜けて油室4へ流れ、ピストン2の受圧面12に作用するので、ピストン2が伸び側へ応答よく往動する(▲1▼および▲2▼、参照)。
【0022】
伸び側のストロークエンドにおいて、ポート7が低圧側に開放されると、外部のリターン力により、油室4の作動油をポート7へ排出しながら、ピストン2が縮み側のストロークエンドへ復動するのである。ピストン2が縮み側のストロークエンドへ接近し、プランジャ6がポート7に進入すると、プランジャ6の先端部6b(テーパ部)により、ポート7の開口面積が徐々に縮小される。逆止弁9の規制が働くので、油室4からポート7への流量は、テーパ部6bの進入に連れて減少しつつ、プランジャ6の進入が深まり、カット部6cがポート7に掛かると、スリット10に絞られる(▲3▼および▲4▼、参照)。このため、プランジャ6とポート7との間を流れる油に与える抵抗が徐々に大きくなり、ピストン2を緩やかに減速させるのである。
【0023】
流路8a〜8cおよび逆止弁9は、プランジャ6の内部に設定のため、シリンダ端部の凹部周辺にバイパスが形成され、その内部に逆止弁を収装するのに較べると、シリンダ端部(ひいてはシリンダ)を遙かに小さく設定可能となる。そのため、エンジン動弁系などにおいても、ストロークエンドにおけるショックを良好に吸収しえる、小型のアクチュエータとして最適な油圧シリンダの提供を実現できるのである。
【0024】
この例においては、スリット10を形成するカット部6cにより、ピストン2のストロークエンドを精度よく規制できる。カット部6cは、プランジャ6の軸芯と平行な段差面のため、溝型に較べると加工しやすく、スリットの設定も容易に図れる。もちろん、この発明に係るクッション機構については、復動型の油圧シリンダへの適用も可能である。
【0025】
図3および図4は、エンジン動弁系に用いられる油圧シリンダの具体的な構成を表すものであり、シリンダ1は、基盤20とこれに螺合される筒体21とから構成される。22はプランジャ6を支持するシール部であり、筒体21の端部に組み付けられる。シール部22においては、筒形の外周部が備えられ、縮み側のストロークエンドを規制するほか、油室4の最小容積を確保する機能も設定される。ポート7は基盤20に形成され、プランジャ6のカット部6cは、ポート7への進入により、シール部22との間でスリット10を形成する。つまり、シール部22の軸穴がポート7の実質的な開口部を形成するのである。
【0026】
ピストン2は、ロッド5およびプランジャ6と一体に成形され、プランジャ6側に流路8a〜8cおよび逆止弁9が備えられる。プランジャ6の軸部にその先端から盲穴24が加工され、その開口部にプラグ23が螺合される。プラグ23に通路8cを構成する貫通穴が設けられ、その弁室8a側の開口部に弁体9aの弁座が形成される。これら盲穴24およびプラグ23により、弁室8aが簡単に形成され、弁体9aおよびスプリング9bも容易に収装できるようになる。
【0027】
図3および図4において、図1と実質的に同じ機能部品に同じ符号を付け、重複説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧シリンダの構成を模式的に表す概要図である。
【図2】同じく作動説明図である。
【図3】油圧シリンダの具体的な構成図である。
【図4】同じくA−A断面図である。
【図5】従来例の説明図である。
【図6】同じくI−I断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 ピストン
3,4 室
5 ロッド
6 プランジャ
7 ポート
8a〜8c 流路
9 逆止弁
9a 弁体
9b スプリング
22 シール部
23 プラグ
24 盲穴
Claims (5)
- シリンダの内部を摺動自由なピストンと、シリンダの内部にピストンで画成される室と、室の油の出入口をシリンダ端部に形成するポートと、ポートへの進入により縮み側の室からポートへの油の流れを絞る手段としてピストンに突設されるプランジャと、プランジャ内部を通してピストン受圧面への開口部とプランジャ先端の開口部を継ぐ流路と、縮み側の室から流路を油がポート側へ流れるのを規制する手段としてプランジャ内部に収装される逆止弁と、を備えることを特徴する油圧シリンダ。
- エンジン動弁系などに用いられる小型の油圧シリンダにおいて、シリンダの内部を摺動自由なピストンと、シリンダの内部にピストンで画成される室と、室の油の出入口をシリンダ端部に形成するポートと、ポートへの進入により縮み側の室からポートへの油の流れを絞る手段としてピストンに突設されるプランジャと、プランジャ内部を通してピストン受圧面への開口部とプランジャ先端の開口部を継ぐ流路と、縮み側の室から流路を油がポート側へ流れるのを規制する手段としてプランジャ内部に収装される逆止弁と、を備えることを特徴する油圧シリンダ。
- プランジャは、ポートとの間で油の流れを絞るスリットを形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の油圧シリンダ。
- スリットは、プランジャ外周のカット部により、プランジャとポートとのラップ範囲に設定されることを特徴とする請求項3に記載の油圧シリンダ。
- 逆止弁は、球状の弁体とその開弁圧を設定するスプリングと、から構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の油圧シリンダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002203943A JP2004044705A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 油圧シリンダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002203943A JP2004044705A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 油圧シリンダ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004044705A true JP2004044705A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31709675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002203943A Pending JP2004044705A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 油圧シリンダ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004044705A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012061488A (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-29 | Toshiba Mach Co Ltd | 成形機 |
CN103939420A (zh) * | 2013-09-30 | 2014-07-23 | 湖北江山液压科技有限公司 | 一种液压缸恒节流缓冲装置 |
KR101546730B1 (ko) * | 2015-03-10 | 2015-08-24 | 일신기연(주) | 이속 동작 유공압 실린더 |
CN105971980A (zh) * | 2016-07-21 | 2016-09-28 | 苏州誉衡兴自动化科技有限公司 | 一种用于自动化机床液压油缸的测压接头 |
CN107130564A (zh) * | 2017-06-27 | 2017-09-05 | 严登丰 | 水力自动门水压缓冲器 |
CN111425485A (zh) * | 2020-04-17 | 2020-07-17 | 河海大学常州校区 | 一种油缸末端缓冲装置 |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002203943A patent/JP2004044705A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012061488A (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-29 | Toshiba Mach Co Ltd | 成形機 |
CN103939420A (zh) * | 2013-09-30 | 2014-07-23 | 湖北江山液压科技有限公司 | 一种液压缸恒节流缓冲装置 |
KR101546730B1 (ko) * | 2015-03-10 | 2015-08-24 | 일신기연(주) | 이속 동작 유공압 실린더 |
CN105971980A (zh) * | 2016-07-21 | 2016-09-28 | 苏州誉衡兴自动化科技有限公司 | 一种用于自动化机床液压油缸的测压接头 |
CN107130564A (zh) * | 2017-06-27 | 2017-09-05 | 严登丰 | 水力自动门水压缓冲器 |
CN107130564B (zh) * | 2017-06-27 | 2022-08-23 | 严登丰 | 水力自动门水压缓冲器 |
CN111425485A (zh) * | 2020-04-17 | 2020-07-17 | 河海大学常州校区 | 一种油缸末端缓冲装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7766138B2 (en) | Arrangement for telescopic fork leg with parallel damping | |
CA2630100A1 (en) | Shock absorber | |
JP2010038348A (ja) | 減衰力調整式緩衝器 | |
JP6417281B2 (ja) | 緩衝器 | |
US6135073A (en) | Hydraulic check valve recuperation | |
CN100357614C (zh) | 用于控制旋转臂的方法以及控制旋转臂的装置 | |
US6896093B2 (en) | Integral power steering apparatus | |
JP5197807B2 (ja) | 油圧シリンダ装置 | |
JP2004044705A (ja) | 油圧シリンダ | |
JP5285963B2 (ja) | 流体圧シリンダ | |
SE8004859L (sv) | Hydraulisk hjelpkraftstyrning | |
CA2118971A1 (en) | Internal Check Valve | |
JP2009150296A (ja) | 吸排気弁駆動装置 | |
JP2023534257A (ja) | アンロード弁及び複合弁式緩衝シリンダ | |
US4609069A (en) | Silencer for a pneumatically driven hydraulic jack | |
JP2003172393A (ja) | 油圧緩衝器の減衰力調整装置 | |
US6543332B1 (en) | Hydraulic booster device | |
KR200239305Y1 (ko) | 파워스티어링조향펌프의유량조절밸브 | |
JPS642808B2 (ja) | ||
JP2003172394A (ja) | 油圧緩衝器の減衰力調整装置 | |
JP3034443B2 (ja) | 正逆移動可能な流体圧力駆動ユニットの自動往復運動方法、往復運動のための切換バルブおよび駆動装置 | |
JPS6354923B2 (ja) | ||
JPH0826791B2 (ja) | 内燃機関の圧縮比可変装置 | |
JP4059669B2 (ja) | 油圧緩衝器の減衰力調整装置 | |
JPH0541099Y2 (ja) |