JP2004043959A - Ornament with white coating film and its manufacturing method - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、白色被膜を有する装飾品(装身具)及びその製造方法に関し、特に、硬質でプラチナ色調またはプラチナ合金色調の白色被膜を有する装飾品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、装飾品(装身具)である時計、ネックレス、ペンダント、ブローチ等は、加工性、材料価格等により銅合金が多く使用されている。
【0003】
しかしながら、この銅合金を素材として製造された装飾品は、耐食性が悪いため基材表面に湿式メッキ法によりメッキ被膜が施されているのが現状である。このメッキ被膜は、通常、下地メッキ被膜として湿式メッキ法により形成されるニッケルメッキ被膜と、その被膜表面に湿式メッキ法により形成される最外層メッキ被膜とからなっている。この最外層メッキ被膜は、最外層を金色にする場合、ニッケルメッキ被膜表面に金メッキ被膜が湿式メッキ法により形成され、また、最外層を白色にする場合、ニッケルメッキ被膜表面にパラジウムメッキ被膜、パラジウム合金メッキ被膜またはロジウムメッキ被膜などが湿式メッキ法により形成されている。また、これらのメッキ被膜の厚みは、1〜5μmの範囲で形成されるのが一般的である。
【0004】
上記のような装飾品においては、耐食性を得るため高価な貴金属を含むメッキ被膜を最外層メッキ被膜として形成しているため、装飾品の価格が高くなるという、コスト面での問題がある。したがって、低価格品の装飾品では、最外層メッキ被膜が薄くなり、長期間における耐食性が問題となる。しかも、低価格品の装飾品の製造に際し、安定した薄い最外層メッキ被膜を得るため、貴金属メッキ浴の維持管理が作業上の大きな問題となっている。さらには、安定した色調の最外層メッキ被膜を得るためには、作業者の熟練度も問題となっている。また、プラチナもしくはプラチナ合金特有の美しい白色色調の最外層メッキ被膜を有する安価な装飾品は得られていない。
【0005】
そこで、本願出願人は、白色装飾品として、特許文献1において、金属基材表面を、白色硬質膜とこの膜表面に形成されたプラチナまたはプラチナ合金の膜とで被覆した白色装飾品を開示した。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−120355号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来技術の実施例においては、白色硬質被膜としてTiN被膜を形成しており、その被膜の色調は暗いグレー色か、または薄い金色となっている。このため、TiN被膜の上層にプラチナあるいはプラチナ合金被膜を形成しても、この白色硬質被膜(TiN被膜)の色調の影響を受け、プラチナまたはプラチナ合金特有の美しい発色は得られなかった。
【0008】
また、TiN被膜の膜厚が薄い場合は、外部からの衝撃や圧力により金属基材がへこみ、それによりプラチナまたはプラチナ合金被膜もへこみ、傷が入った状態になるという問題があった。また、プラチナ被膜の厚さが0.1μmとなっているので、コスト面での問題もあった。
【0009】
さらには、金属基材表面へのプラチナまたはプラチナ合金被膜の成膜に失敗した場合には、プラチナまたはプラチナ合金被膜を剥離して、改めてプラチナまたはプラチナ合金被膜を成膜することになるが、これらの被膜を剥離する場合は王水を使用するため、TiNからなる白色硬質被膜はもとより金属基材表面まで侵されてしまい、再生ができないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題を解決しようとするものであって、プラチナまたはプラチナ合金被膜特有の色調が得られ、よって、高級感があり、へこみや傷等による外観品質の劣化が起きにくく、しかも、比較的低コストで高級感のある白色被膜を有する装飾品及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
また、本発明の他の目的は、装飾品用基材、下地層及び炭化チタン層を侵すことなくプラチナまたはプラチナ合金被膜を剥離することができるようにして、再度プラチナ被膜またはプラチナ合金被膜を形成することによって再生が可能な装飾品及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、最外層として貴金属または貴金属の合金からなる白色色調を有する装飾被膜が乾式メッキ法により形成された装飾品において、
金属またはセラミックスからなる装飾品基材と、
該基材表面に形成された下地層と、
該下地層表面に乾式メッキ法により形成された炭化チタン層と、
該炭化チタン層の表面に、乾式メッキ法で形成されたプラチナまたはプラチナ合金からなる装飾被膜層とから構成され、
前記炭化チタン層の厚みが0.5〜1.0μmであり、前記装飾被膜層が厚み0.03〜0.06μmの白色被膜からなることを特徴としている。
【0013】
また、前記下地層が、乾式メッキ法または湿式メッキ法で形成されたニッケルを含まない合金からなることが望ましい。
【0014】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、前記装飾品用基材が、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、銅、銅合金及びタングステンカーバイトの中から選ばれる少なくとも1つの金属からなることを特徴とする。
【0015】
また、前記装飾品用基材が、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、銅、銅合金及びタングステンカーバイトの中から選ばれる少なくとも1つの金属からなり、かつ、基材表面が鏡面、梨地、ヘアライン模様、ホーニング模様、型打ち模様及びエッチング模様の中から選ばれる少なくとも1つの表面仕上げが施されていることを特徴とする。
【0016】
また、前記装飾品用基材が、ジルコニアセラミックスからなり、その組成が酸化イットリウム(Y2O2)、酸化マグネシウム(MgO)または酸化カルシウム(CaO)の安定化剤を含んだ3〜7重量%含む安定化ジルコニアで、白色色調を呈していても良い。
【0017】
また、前記装飾品用基材が、銅と銅合金以外の金属、または前記セラミックスからなり、かつ、該基材表面に形成される下地層が、乾式メッキ法により形成された、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)またはタンタル(Ta)からなる被膜であっても良い。
【0018】
また、前記装飾品用基材が、銅と銅合金以外の金属、または前記セラミックスからなり、かつ、該基材表面に形成される下地層が、乾式メッキ法により形成された、炭素原子含有量が5〜15原子%の炭化チタン(TiC)、炭化クロム(Cr3C2)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化タングステン(WC)または炭化タンタル(TaC)からなる金属化合物被膜で形成される傾斜膜であっても良い。
【0019】
また、前記装飾品用基材が、銅と銅合金以外の金属、または前記セラミックスからなり、かつ、前記下地層が、乾式メッキ法により形成された厚み0.02〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.1μmの被膜であることを特徴とする。
【0020】
また、前記装飾品用基材が、銅または銅合金からなり、かつ、前記下地層が、該基材表面に湿式メッキ法により形成された厚み1〜10μmのニッケル被膜と、該ニッケル被膜表面に湿式メッキ法により形成された厚み3〜10μmのアモルファスのニッケル−リン合金被膜とからなっていても良い。
【0021】
また、前記装飾品用基材が、銅または銅合金からなり、かつ、前記下地層が、湿式メッキ法により形成された、銅、パラジウム、銅−錫合金、銅−錫−亜鉛合金及び銅−錫−パラジウム合金の中から選ばれる少なくとも1つからなる厚み2〜9μmの被膜であっても良い。
【0022】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、前記炭化チタン層と前記装飾被膜層との間に、前記炭化チタン層を形成する炭化チタンと、前記装飾被膜層を形成するプラチナまたはプラチナ合金とからなる、厚み0.005〜0.04μmの混合層を有していることを特徴とする。
【0023】
また、前記炭化チタン層と前記装飾被膜層との間に、乾式メッキ法により形成された厚み0.05〜1.5μmのステンレス鋼被膜層を有していても良い。
前記ステンレス鋼被膜層は、炭素0.01〜0.12容量%、シリコン0.1〜1.5容量%、マンガン1.0〜2.5容量%、ニッケル8〜22容量%、クロム15〜26容量%、残りが鉄の組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼からなる。
【0024】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、前記装飾被膜層のL*、a*、b*表色系(CIE表系)による色評価が、85<L*<95、1.5<a*<4.0、4.5<b*<6.5、好ましくは88<L*<92、1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であることを特徴とする。
【0025】
また、色々な表面仕上げが施された前記装飾品用基材に形成された装飾被膜層のL*、a*、b*のΔ値が、
ΔL*=±6.0、Δa*=±1.55、Δb*=±2.25
であることを特徴とする。
【0026】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、前記下地層、前記炭化チタン層、前記混合層、前記装飾被膜層の各層を形成する手段が、スパッタリング法、イオンプレーティング法及びアーク法の中の少なくとも1つであることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、前記装飾被膜層表面の一部に、乾式メッキ法または湿式メッキ法により形成された、前記装飾被膜層の色調と異なる少なくとも1つの被膜を有していることを特徴とする。
【0028】
前記装飾被膜層の色調と異なる被膜が、ニッケルを含まない合金であることが望ましい。
【0029】
また、前記装飾被膜層の色調と異なる被膜が、金、金合金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウムまたはダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなっていても良い。
【0030】
また、前記装飾被膜層の色調と異なる被膜として、窒化チタン、窒化ジルコニウムまたは窒化ハフニウムからなる下層と、金または金合金からなる上層との二層構造になっていても良い。
【0031】
また、前記装飾被膜層と、前記装飾被膜層の色調と異なる被膜であるダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜との間に、チタン被膜と該チタン被膜表面に形成されたシリコン被膜とを有していても良い。
【0032】
また、前記装飾被膜層が、炭化チタン層を形成する炭化チタンと、プラチナまたはプラチナ合金とからなる混合層であっても良い。
【0033】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、前記装飾被膜層の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重)が1000〜2000であることを特徴とする。
【0034】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、前記装飾品が時計用外装部品であることを特徴とする。
【0035】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品の製造方法は、最外層として貴金属または貴金属の合金からなる白色色調を有する装飾被膜が乾式メッキ法により形成された装飾品の製造方法において、
金属またはセラミックスからなる素材を用い、各種加工手段で装飾品用基材を製造する工程と、
該基材表面に、乾式メッキ法または湿式メッキ法により下地層を形成する工程と、
該下地層の表面に乾式メッキ法により炭化チタン層を形成する工程と、
該炭化チタン層表面に、乾式メッキ法により最外層としてプラチナまたはプラチナ合金からなる装飾被膜層を形成する工程と
を含むことを特徴とする。
【0036】
また、前記下地層が、ニッケルを含まない合金からなり、乾式メッキ法または湿式メッキ法で形成されることが望ましい。
【0037】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品の製造方法は、前記装飾品用基材が、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、銅、銅合金及びタングステンカーバイトの中から選ばれる少なくとも1つの金属からなることを特徴とする。
【0038】
また、前記装飾品用基材が、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、銅、銅合金及びタングステンカーバイトの中から選ばれる少なくとも1つの金属からなり、かつ、基材表面が鏡面、梨地、ヘアライン模様、ホーニング模様、型打ち模様及びエッチング模様の中から選ばれる少なくとも1つの表面仕上げが施されていることを特徴とする。
【0039】
また、前記装飾品用基材が、酸化イットリウム(Y2O2)、酸化マグネシウム(MgO)または酸化カルシウム(CaO)の安定剤を3〜7重量%含んだ安定化ジルコニア粉末100重量部に対して、バインダーを20〜25重量部含んだ素材を射出成形で成形し、その後、機械加工で粗加工、脱脂、焼成、研削及び研磨工程を経て形成され、白色色調を呈していることを特徴とする。
【0040】
また、銅及び銅合金以外の金属、またはセラミックスからなる前記装飾品用基材表面に、前記下地層として、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)またはタンタル(Ta)からなる被膜を乾式メッキ法により形成しても良い。
【0041】
また、銅と銅合金以外の金属、または前記セラミックスからなる装飾品用基材表面に、前記下地層として、炭素原子含有量が5〜15原子%の炭化チタン(TiC)、炭化クロム(Cr3C2)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化タングステン(WC)または炭化タンタル(TaC)からなる金属化合物被膜である傾斜膜を乾式メッキ法により形成しても良い。
【0042】
また、銅及び銅合金以外の金属、またはセラミックスからなる装飾品用基材表面に、前記下地層として、厚み0.02〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.1μmの被膜を乾式メッキ法により形成することを特徴とする。
【0043】
また、銅及び銅合金からなる装飾品用基材表面に、前記下地層として、厚み1〜10μmのニッケル被膜を湿式メッキ法により形成し、該ニッケル被膜表面に厚み3〜10μmのアモルファスのニッケル−リン合金被膜を湿式メッキ法により形成しても良い。
【0044】
また、銅または銅合金からなる装飾品用基材表面に、前記下地層として、銅、パラジウム、銅−錫合金、銅−錫−亜鉛合金及び銅−錫−パラジウム合金からなる群から選ばれる少なくとも1つからなる厚み2〜9μmの被膜を湿式メッキ法により形成しても良い。
【0045】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品の製造方法は、前記炭化チタン層と前記装飾被膜層との間に、前記炭化チタン層を形成する炭化チタンと、前記装飾被膜層を形成するプラチナまたはプラチナ合金とからなる、厚み0.005〜0.04μmの混合層を乾式メッキ法により形成することを特徴とする。
【0046】
また、前記炭化チタン層と前記装飾被膜層との間に、厚み0.05〜1.5μmのステンレス鋼被膜層を乾式メッキ法により形成しても良い。
前記ステンレス鋼被膜層は、炭素0.01〜0.12容量%、シリコン0.1〜1.5容量%、マンガン1.0〜2.5容量%、ニッケル8〜22容量%、クロム15〜26容量%、残りが鉄の組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼からなる被膜を、スパッタリング法、イオンプレーティング法及びアーク法の中の少なくとも1つの方式で形成する。
【0047】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品の製造方法は、前記下地層、前記炭化チタン層、前記混合層、前記装飾被膜層の各層を、スパッタリング法、イオンプレーティング法及びアーク法の中の少なくとも1つの方式で形成することを特徴とする。
【0048】
また、前記炭化チタン層及び/または前記混合層の形成を、メタンガスを使用し乾式メッキ法で行っても良い。
【0049】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品の製造方法は、前記装飾被膜層表面の一部に、前記装飾被膜層の色調と異なる少なくとも1つの被膜を乾式メッキ法または湿式メッキ法により形成することを特徴とする。
【0050】
また、前記装飾被膜層の色調と異なる被膜がニッケルを含まない合金からなる装飾被膜層であり、乾式メッキ法または湿式メッキ法で形成することが望ましい。
【0051】
また、前記装飾被膜層の色調と異なる被膜が、金、金合金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウムまたはダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなっていても良い。
【0052】
また、前記装飾被膜層の色調と異なる被膜として、窒化チタン、窒化ジルコニウムまたは窒化ハフニウムからなる下層と、金または金合金からなる上層との二層構造の被膜を形成しても良い。
【0053】
また、前記装飾被膜層と、前記装飾被膜層の色調と異なる被膜であるダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜との間に、チタン被膜を形成し、さらに該チタン被膜表面にシリコン被膜を形成しても良い。
【0054】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品の製造方法は、前記装飾被膜層が、炭化チタン層を形成する炭化チタンと、プラチナまたはプラチナ合金とからなる混合層であることを特徴とする。
【0055】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品の製造方法は、前記装飾被膜層の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重)が1000〜2000であることを特徴とする。
【0056】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品の製造方法は、前記装飾品が時計用外装部品であることを特徴とする。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る白色被膜を有する装飾品及びその製造方法について具体的に説明する。
【0058】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、装飾品用基材と、下地層好ましくはニッケルを含まない下地層と炭化チタン層と装飾被膜層とから構成されている。さらに、炭化チタン層と装飾被膜層との間に、乾式メッキ法により形成されたステンレス鋼被膜層を有していても良い。本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、前記装飾被膜層である白色被膜表面の一部に、この被膜層の色調と異なる少なくとも1つの被膜を有していても良い。
【0059】
〔装飾品用基材〕
本発明に係る白色被膜を有する装飾品で用いられる装飾品用基材は、金属またはセラミックスから形成される基材である。
上記金属(合金を含む)としては、具体的には、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、銅、銅合金、タングステンなどが挙げられる。これらの金属は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0060】
上記セラミックスとしては、具体的には、ジルコニアセラミックスなどが挙げられる。このジルコニアセラミックスは、その組成が酸化イットリウム(Y2O2)または他の安定化剤(たとえば酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO))を3〜7重量%含む安定化ジルコニアで、白色色調を呈している。より具体的に説明すると、このジルコニアセラミックスは、ジルコニア及びバインダーを主成分とし、酸化イットリウム等の安定剤を3〜7重量%含んだ安定化ジルコニア粉末100重量部に対して、バインダーを20〜25重量部含んでおり、焼成後に白色色調を呈する。バインダーとしては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレンビニルアセテート、ブチルメタクリレート、ポリアセタール、ワックス及びステアリン酸の中から選ばれる少なくとも2種を混合したものがよい。
【0061】
本発明において、酸化イットリウム(イットリア)等の安定化剤を3〜7重量%含むジルコニアセラミックスを選択した理由は、イットリア等の安定化剤が3重量%より少なくなると、成形したジルコニアセラミックスの耐衝撃性が低下し(脆くなる)、外部からの衝撃で割れ等が発生し易くなり、また、安定化剤が7重量%より多くなっても耐衝撃性が低下し、外部からの衝撃で割れ等が発生し易くなるからである。安定化剤が上記範囲内にあると、ジルコニアセラミックスの結晶構造が立方晶と単斜晶の2相混合組織となっているため、耐衝撃性が安定していると考えられる。
【0062】
また、バインダーの含有量を、ジルコニア粉末100重量部に対して20〜25重量部としたのは、バインダーが20重量部より少なくなると、射出成形が悪くなり、金型内に素材が完全に充填されにくくなり、また、25重量部より多くなると、脱脂工程に時間がかかり量産性が悪くなるとともに、成形された形が壊れやすくなるからである。
【0063】
金属からなる装飾品用基材は、上記の金属から従来公知の機械加工により調製される。
また、装飾品用基材には、必要に応じて各種手段により、鏡面、梨地、ヘアライン模様、ホーニング模様、型打ち模様、エッチング模様の中の少なくとも1つの表面仕上げが施されている。
【0064】
また、セラミックスからなる装飾品用基材、たとえば時計ケース用基材は、ジルコニア及びバインダーを主成分とする素材を用いて射出成形により時計ケースの形状を有する成形体を作った後、この成形体を機械加工により粗加工、さらに、この粗加工した成形体を脱脂及び焼成して時計ケースの粗基材を作り、次いで、この粗基材を研削及び研磨等の機械加工することにより製造される。
【0065】
本発明における装飾品(部品も含む)としては、たとえば腕時計ケース、腕時計バンド、腕時計のリューズ、腕時計の裏蓋等の時計外装部品、さらにはベルトのバックル、指輪、ネックレス、ブレスレット、イヤリング、ペンダント、ブローチ、カフスボタン、ネクタイ止め、バッジ、メダル、眼鏡のフレーム、カメラのボディ、ドアノブなどが挙げられる。
【0066】
本発明においては、装飾品用基材の表面に下地層を形成する前に、予め装飾品用基材表面を従来公知の有機溶剤等で洗浄・脱脂しておくことが好ましい。
【0067】
〔下地層〕
本発明に係る白色被膜を有する装飾品を構成している下地層は、湿式メッキ法及び/または乾式メッキ法により形成される少なくとも1つのメッキ被膜からなる。
【0068】
装飾品用基材が銅及び銅合金以外の金属、またはセラミックスからなる場合、この基材表面に形成される下地層としては、乾式メッキ法により形成された、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、またはタンタル(Ta)からなる金属被膜が望ましい。
【0069】
下地層は、乾式メッキ法により形成された、炭素原子含有量が5〜15原子%の炭化チタン(TiC)、炭化クロム(Cr3C2)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化タングステン(WC)または炭化タンタル(TaC)からなる金属化合物被膜であることが特に好ましい。この金属化合物被膜において、装飾用基材表面に近づくに従って、上記金属化合物の炭素原子含有量が徐々に少なくなっており、この金属化合物被膜は、いわゆる傾斜膜と呼ばれる。
【0070】
これらの金属被膜及び金属化合物被膜(下地層)の厚みは0.02〜0.2μmであることが望ましく、特に0.05〜0.1μmであることが好ましい。
【0071】
乾式メッキ法としては、具体的には、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法、イオンビーム等の物理的蒸着法(PVD)、CVDなどが挙げられる。中でも、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法が特に好ましく用いられる。
【0072】
また、本発明に係る白色被膜を有する装飾品において、装飾品用基材が銅または銅合金からなる場合、下地層としては、この基材表面に湿式メッキ法により形成された厚み1〜10μm、好ましくは1〜5μmのニッケル被膜と、このニッケル被膜表面に湿式メッキ法により形成された厚み3〜10μm、好ましくは3〜5μmのアモルファスのニッケル−リン合金被膜とからなることが好ましい。
【0073】
また、ニッケルアレルギー防止の面からは、装飾品用基材が銅または銅合金からなる場合、下地層としては、湿式メッキ法により形成された、銅、パラジウム、銅−錫合金、銅−錫−亜鉛合金及び銅−錫−パラジウム合金の中の少なくとも1つからなる厚み2〜9μm、好ましくは2〜3μmの被膜であることが好ましい。
【0074】
また、これらの金属化合物被膜は乾式メッキ法または湿式メッキ法で形成された上記以外のニッケルを含まない合金であっても良い。
【0075】
〔炭化チタン層〕
本発明に係る白色被膜を有する装飾品を構成している炭化チタン層は乾式メッキ法により形成される。乾式メッキ法としては、具体的には、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法、イオンビーム等の物理的蒸着法(PVD)、CVDなどが挙げられる。中でも、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法が特に好ましく用いられる。
炭化チタン層の厚みは、0.2〜1.5μm、好ましくは0.5〜1.0μmである。
【0076】
〔ステンレス鋼被膜層〕
本発明に係る白色被膜を有する装飾品を構成することがあるステンレス鋼被膜層は、装飾品の再生ができるようにするために、炭化チタン層と装飾被膜層との間に形成されるものである。すなわち、装飾被膜層の形成に問題(成膜した装飾被膜にムラ等がある場合)が生じた場合、装飾被膜層の剥離に王水を使用するため、装飾被膜層の剥離はもとより、炭化チタン層と下地層と装飾品基材表面とが侵されてしまい、装飾品の再生はできなかった。この問題を解決するため設けられた被膜層がステンレス鋼被膜層であり、王水で装飾被膜層を剥離しても、このステンレス鋼被膜層により炭化チタン層と下地層と装飾品基材表面とが侵されることがない。したがって、問題が生じた装飾被膜層を王水を用いて剥離した後、再度、ステンレス鋼被膜表面に装飾被膜層を形成することによって装飾品の再生を図ることができる。
【0077】
このステンレス鋼被膜層の形成は、乾式メッキ法であるスパッタリング法で行い、ステンレス鋼被膜層の厚みが0.05〜1.5μmの範囲内になるようにする。また、ステンレス鋼被膜層の組成は、炭素0.01〜0.12容量%、シリコン0.1〜1.5容量%、マンガン1.0〜2.5容量%、ニッケル8〜22容量%、クロム15〜26容量%、残りが鉄からなるオーステナイト系ステンレス鋼が好ましい。
【0078】
〔装飾被膜層〕
本発明に係る白色被膜を有する装飾品を構成する最外層である装飾被膜層は、下地層表面に乾式メッキ法により形成される炭化チタン層の表面または後述の混合層の表面に、乾式メッキ法により形成される貴金属のプラチナまたはプラチナ合金の被膜からなる。乾式メッキ法としては、具体的には、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法、イオンビーム等の物理的蒸着法(PVD)、CVDなどが挙げられる。中でも、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法が特に好ましく用いられる。
【0079】
また、本発明に係る白色被膜を有する装飾品においては、後述する混合層(炭化チタン層を形成する炭化チタンとプラチナもしくはプラチナ合金とからなる混合層)を装飾被膜層とすることができる。
【0080】
装飾被膜層の厚みは、0.02〜0.1μm、好ましくは0.03〜0.06μmである。
【0081】
なお、装飾被膜層の形成に用いられる上記合金としては、乾式メッキ法または湿式メッキ法で形成されたニッケルを含まない合金が好ましい。
【0082】
〔混合層〕
本発明に係る白色被膜を有する装飾品において混合層は、必要に応じて炭化チタン層と装飾被膜層との間に形成されることがあり、乾式メッキ法により形成される被膜である。乾式メッキ法としては、具体的には、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法、イオンビーム等の物理的蒸着法(PVD)、CVDなどが挙げられる。中でも、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法が特に好ましく用いられる。
【0083】
この被膜は、炭化チタン層を形成する炭化チタンと、装飾被膜層を形成するプラチナまたはプラチナ合金とからなる。この混合層の厚みは、通常、0.005〜0.04μm、好ましくは0.008〜0.03μmであることが望ましい。このような混合層を設けることにより、炭化チタン層と装飾被膜層との密着性をより強固にすることができる。
【0084】
上記のような炭化チタン層と装飾被膜層、または炭化チタン層と混合層と装飾被膜層とからなるL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、85<L*<95、1.5<a*<4.0、4.5<b*<6.5であることが望ましい。中でも、88<L*<92、1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であることが好ましい。
【0085】
なお、鏡面仕上げが施された装飾品用基材に形成された装飾被膜層と、ヘアライン仕上げ(微細な線の模様)が施された装飾品用基材に形成された装飾被膜層のそれぞれのL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、
85<L*<90、0<a*<2.0、3.5<b*<5.0と、
75<L*<85、0<a*<2.0、3.5<b*<5.0とであった。
また、色々な表面仕上げが施された装飾品用基材に形成された装飾被膜層のL*、a*、b*のΔ値は、ΔL*=±6.0、
Δa*=±1.55、Δb*=±2.25であった。
【0086】
また、炭化チタン層と装飾被膜層、または炭化チタン層と混合層と装飾被膜層とからなる表面層の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、通常700〜2000、好ましくは1000〜2000である。
【0087】
本発明に係る白色被膜を有する装飾品においては、少なくとも厚みが0.5〜1.0μmの炭化チタン被膜層と厚み0.03〜0.06μmの装飾被膜層を前記下地層表面に形成することにより、傷等による外観品質の劣化が起きにくく、しかも、高級感のある白色被膜を有する装飾品が得られる。
【0088】
また、混合層はニッケルを含まない合金であることが望ましい。
【0089】
〔装飾被膜層と異なる被膜〕
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、前記装飾被膜層からなるプラチナ色調またはプラチナ合金色調を有する白色被膜表面の一部に、装飾被膜層の色調と異なる少なくとも1つの被膜が乾式メッキ法または湿式メッキ法により形成されていてもよい。
【0090】
装飾被膜層の色調と異なる被膜としては、金、金合金(好ましくはニッケルを含まない金合金)、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウムまたはダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる被膜が望ましい。この被膜は、装飾被膜層を形成する最外層とともに装飾品の外観に現れる。したがって、本発明に係る装飾品には、いわゆるツートーンの装飾品等も含まれる。
【0091】
装飾被膜層と色調の異なるメッキ被膜の厚みは、通常0.1〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.5μmである。
【0092】
また、この装飾被膜層と色調の異なる被膜は、窒化チタン、窒化ジルコニウムまたは窒化ハフニウムからなる下層と、金または金合金(好ましくはニッケルを含まない金合金)(たとえば金−鉄合金)からなる上層との二層構造になっていてもよい。この場合、下層の厚みは、通常0.2〜1.5μm、好ましくは0.5〜1.0μmであり、上層の厚みは、通常0.03〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.1μmである。
【0093】
さらに、装飾被膜層と色調の異なる被膜は、チタンからなる下層と、窒化チタン、窒化ジルコニウム、または窒化ハフニウムからなる中間層と、金または金合金(好ましくはニッケルを含まない金合金)からなる上層との三層構造になっていてもよい。この場合、下層の厚みは、通常0.02〜0.1μm、好ましくは0.03〜0.08μmであり、中間層の厚みは、通常0.2〜1.5μm、好ましくは0.5〜1.0μmであり、上層の厚みは、通常0.03〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.1μmである。
【0094】
さらにまた、この装飾被膜層と色調の異なる被膜は、装飾被膜層表面の一部に、チタン被膜とシリコン被膜とダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜とがこの順で形成されていてもよい。この場合、下層の厚みは、通常0.05〜0.3μm、好ましくは0.08〜0.2μmであり、中間層の厚みは、通常0.05〜0.3μm、好ましくは0.08〜0.2μmであり、上層の厚みは、通常0.5〜3.0μm、好ましくは0.8〜1.5μmである。
【0095】
上記の単層構造、二層構造、三層構造を構成する各層は、通常、乾式メッキ法により形成される。乾式メッキ法としては、具体的には、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法、イオンビーム等の物理的蒸着法(PVD)、CVDなどが挙げられる。中でも、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法が特に好ましく用いられる。
【0096】
また、この装飾被膜層と色調の異なる被膜は、湿式メッキ法により形成される金ストライクメッキ被膜等からなる下層と、湿式メッキ法により形成される金または金合金メッキ被膜(好ましくはニッケルを含まない金合金メッキ被膜)等からなる上層との二層構造であってもよい。この場合、下層の厚みは、通常0.05〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.1μmであり、上層の厚みは、通常1.0〜10μm、好ましくは1.0〜3.0μmである。
【0097】
このような装飾被膜層と色調の異なる被膜を装飾被膜層表面の一部に有する装飾品は、たとえば以下のような方法により調製することができる。
【0098】
まず、装飾品用基材表面に下地層を形成し、この下地層表面に、前記装飾被膜層を形成した後、この装飾被膜層表面の一部にマスキング処理を施し、この装飾被膜層及びマスク表面に装飾被膜層と色調の異なるメッキ被膜を乾式メッキ法または湿式メッキ法で形成し、その後、このマスク及びマスクの上のメッキ被膜を除去する工程を少なくとも1回行うことにより、プラチナ色調もしくはプラチナ合金色調を有する白色被膜と、この白色被膜と色調の異なる少なくとも1つのメッキ被膜とからなる、2以上の色調を有する装飾被膜層を得ることができる。
【0099】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0100】
(実施例1)
まず、ステンレス鋼(SUS316L)を機械加工して得られた装飾品である腕時計ケース用基材及び腕時計バンド用基材を有機溶剤で洗浄・脱脂した。なお、これらの基材の表面は、機械加工により鏡面仕上げとした。
【0101】
次いで、これらの基材をイオンプレーティング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
【0102】
次いで、これらの基材表面に、厚み0.05μmのチタンメッキ被膜(下地層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.004〜0.009Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:50V
フィラメント電圧:7V
【0103】
次いで、これらの基材表面に形成されたチタンメッキ被膜表面に、厚み0.6μmの白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜(炭化チタン層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、300mA
ガス:メタンガス
成膜圧力:0.02Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
【0104】
次いで、これらの基材表面に形成された炭化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.02μmの白色色調を有する炭化チタンとプラチナとの混合メッキ被膜(混合層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
【0105】
次いで、これらの基材表面に形成された炭化チタンとプラチナとの混合メッキ被膜表面に、厚み0.05μmの白色色調を有するプラチナ被膜(装飾被膜層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成し、プラチナ色調の腕時計ケース及び腕時計バンドを得た。
<成膜条件>
蒸発源:プラチナ
電子銃:10kV、500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−50V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
【0106】
上記のようにして得られた腕時計ケース及び腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1400であった。これらの腕時計ケース及び腕時計バンドは、耐傷性に優れ、しかも、プラチナ色調で高級感のある白色被膜が形成されていた。
【0107】
また、装飾被膜層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、
88<L*<92、1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であった。
【0108】
(実施例2)
まず、チタンを機械加工して得られた装飾品である腕時計ケース用基材及び腕時計バンド用基材を有機溶剤で洗浄・脱脂した。なお、これらの基材の表面は、機械加工により鏡面仕上げとした。
【0109】
次いで、これらの基材をスパッタリング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
【0110】
次いで、これらの基材表面に、厚み0.05μmのジルコニウム被膜(下地層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:ジルコニウム
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.5Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
【0111】
次いで、これらの基材表面に形成されたジルコニウムメッキ被膜表面に、厚み0.6μmの白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜(炭化チタン層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:チタン
スパッタガス:メタンガス
成膜圧力:0.6Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
【0112】
次いで、これらの基材表面に形成された炭化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.2μmの白色色調を有するステンレス鋼メッキ被膜(ステンレス鋼被膜層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:オーステナイト系ステンレス鋼SUS304
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2〜0.9Pa
ターゲット印加電力:0.4〜0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):Ground〜−300V
【0113】
次いで、これらの基材表面に形成されたステンレス鋼メッキ被膜表面に、厚み0.05μmの白色色調を有するプラチナ被膜(装飾被膜層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成し、プラチナ色調の腕時計ケース及び腕時計バンドを得た。
<成膜条件>
ターゲット:プラチナ
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
【0114】
上記のようにして得られた腕時計ケース及び腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1300であった。これらの腕時計ケース及び腕時計バンドは、耐傷性に優れ、しかも、プラチナ色調で高級感のある白色被膜が形成されていた。
【0115】
また、装飾被膜層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、
88<L*<92、1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であった。
【0116】
(実施例3)
まず、黄銅(銅合金)を機械加工して得られた装飾品である腕時計ケース用基材及び腕時計バンド用基材を有機溶剤で洗浄・脱脂した。なお、これらの基材の表面は、機械加工により鏡面仕上げとした。
【0117】
次いで、これらの基材を下記の組成を有するメッキ液中に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキをして厚さ2μmの銅−錫合金メッキ被膜(下地層1)基材表面に形成し、水洗した。
《銅−錫合金メッキ》
<メッキ液の組成>
シアン化銅 15g/l(銅換算)
錫酸ナトリウム 15g/l(錫換算)
シアン化亜鉛 1g/l(亜鉛換算)
KOH 20g/l
KCN(フリー) 30g/l
光沢剤 10ml/l
<メッキ条件>
pH 12.5(at50℃)
液温 50℃
電流密度(Dk) 2A/dm2
成膜速度 3分/1μm
【0118】
次いで、これらの銅−錫合金メッキ被膜を有する基材を下記の組成を有するメッキ液中に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして厚み2μmの銅−錫−亜鉛合金メッキ被膜(下地層2)を銅−錫合金メッキ被膜表面に形成し、水洗した。
《銅−錫−亜鉛合金メッキ》
<メッキ液の組成>
シアン化銅 8.5g/l(銅換算)
錫酸ナトリウム 34.0g/l(錫換算)
シアン化亜鉛 1g/l(亜鉛換算)
KOH 20g/l
KCN(フリー) 50g/l
光沢剤1 5ml/l
光沢剤2 5ml/l
<メッキ条件>
pH 13.0(at50℃)
液温 60℃
電流密度(Dk) 2A/dm2
成膜速度 3分/1μm
【0119】
次いで、これらの銅−錫−亜鉛合金メッキ被膜を有する基材を下記の組成を有するメッキ液中に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして厚み0.5μmのパラジウムストライクメッキ被膜(下地層3)を銅−錫−亜鉛合金メッキ被膜表面に形成し、水洗した。
《パラジウムストライクメッキ》
<メッキ液の組成>
純パラジウム 1〜3g/l
<メッキ条件>
pH 8
液温 32℃
電流密度(Dk) 3〜5A/dm2
時間 30秒
【0120】
次いで、これらの基材をスパッタリング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
【0121】
次いで、これらの基材表面に形成されたパラジウムストライクメッキ被膜表面に、厚み0.05μmのタンタル被膜(下地層4)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:タンタル
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.4Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
【0122】
次いで、これらの基材表面に形成されたタンタルメッキ被膜表面に、厚み0.6μmの白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜(炭化チタン被膜層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:チタン
スパッタガス:メタンガスとアルゴンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.6Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
【0123】
次いで、これらの基材表面に形成された炭化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.05μmの白色色調を有するプラチナ合金被膜(装飾被膜層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成し、プラチナ色調の腕時計ケース及び腕時計バンドを得た。
<成膜条件>
ターゲット:プラチナ合金
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.6Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
【0124】
上記のようにして得られた腕時計ケース及び腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ合金被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1300であった。これらの腕時計ケース及び腕時計バンドは、耐傷性に優れ、しかも、プラチナ合金色調で高級感のある白色被膜が形成されていた。
【0125】
また、装飾被膜層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、
88<L*<92、1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であった。
【0126】
(実施例4)
まず、ジルコニアセラミックスを用いて製造した装飾品である腕時計ケース及び腕時計バンドの形状に成形加工等を行って得られた腕時計ケース用基材及び腕時計バンド用基材を有機溶剤で洗浄・脱脂した(これらの基材、たとえば腕時計ケースの製造方法については、本願出願人が平成13年10月30日に特許出願した特願2001−333236号に係る明細書に、より具体的に記載されている)。なお、これらの基材の表面は、機械加工により鏡面仕上げとした。
【0127】
次いで、これらの基材をスパッタリング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
【0128】
次いで、これらの基材表面に、厚み0.05μmのクロムメッキ被膜(下地層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:クロム
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.4Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
【0129】
次いで、これらの基材表面に形成されたクロムメッキ被膜表面に、厚み0.6μmの白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜(炭化チタン層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:チタン
スパッタガス:メタンガス
成膜圧力:0.6Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
【0130】
次いで、これらの基材表面に形成された炭化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.2μmの白色色調を有するステンレス鋼メッキ被膜(ステンレス鋼被膜層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2〜0.9Pa
ターゲット印加電力:0.4〜0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):Ground〜−300V
【0131】
次いで、これらの基材表面に形成されたステンレス鋼メッキ被膜表面に、厚み0.05μmの白色色調を有するプラチナ被膜(装飾被膜層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成し、プラチナ色調の腕時計ケース及び腕時計バンドを得た。
<成膜条件>
蒸発源:プラチナ
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
【0132】
上記のようにして得られた腕時計ケース及び腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1300であった。これらの腕時計ケース及び腕時計バンドは、耐傷性に優れ、しかも、プラチナ色調で高級感のある白色被膜が形成されていた。
【0133】
また、装飾被膜層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、88<L*<92、
1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であった。
【0134】
(実施例5)
まず、ステンレス鋼(SUS316L)を機械加工して得られた装飾品である腕時計ケース用基材及び腕時計バンド用基材を有機溶剤で洗浄・脱脂した。なお、これらの基材の表面は、機械加工により鏡面仕上げとした。
【0135】
次いで、これらの基材をイオンプレーティング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
【0136】
次いで、これらの基材表面に、厚み0.05μmのチタンメッキ被膜(下地層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.004〜0.009Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:50V
フィラメント電圧:7V
【0137】
次いで、これらの基材表面に形成されたチタンメッキ被膜表面に、厚み0.6μmの白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜(炭化チタン層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、300mA
ガス:メタンガスとアルゴンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.02Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
【0138】
次いで、これらの基材表面に形成された炭化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.05μmの白色色調を有するプラチナ被膜(装飾被膜層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成し、プラチナ色調の腕時計ケース及び腕時計バンドを得た。
<成膜条件>
蒸発源:プラチナ
電子銃:10kV、500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−50V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
【0139】
上記のようにして得られた腕時計ケース及び腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1200であった。これらの腕時計ケース及び腕時計バンドは、耐傷性に優れ、しかも、プラチナ色調で高級感のある白色被膜が形成されていた。
【0140】
また、装飾被膜層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、88<L*<92、
1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であった。
【0141】
(実施例6)
実施例5と同様にして得たプラチナ被膜(装飾被膜層)表面の一部に、この被膜の色調と異なるメッキ被膜を乾式メッキ法により形成した。
【0142】
すなわち、この被膜表面に、厚み0.05μmのチタンメッキ被膜をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:40〜50V
フィラメント電圧:7V
【0143】
次いで、このチタンメッキ被膜表面に、厚み0.6μmの金色を呈する窒化チタンメッキ被膜をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガスと窒素ガスの混合ガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:40〜50V
フィラメント電圧:7V
【0144】
次いで、この窒化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.1μmの金色を呈する金−鉄合金メッキ被膜をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:金−鉄合金
電子銃:8kV、500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.26Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:10〜30V
フィラメント電圧:7V
【0145】
次いで、この金−鉄合金メッキ被膜表面の一部にマスキング処理(マスク材としてエポキシ系レジストを使用)を施し、金−鉄合金メッキ被膜、窒化チタンメッキ被膜及びチタンメッキ被膜を順次エッチング液で除去し、最後にマスクを除去することにより、プラチナ色調の被膜と金色の金−鉄合金メッキ被膜とからなる、2つの色調の異なる装飾被膜層を有する腕時計ケース及び腕時計バンドを得た。
【0146】
なお、金−鉄合金メッキ被膜用剥離液として、シアンを主成分に酸化剤が含有された剥離液を用い、窒化チタンメッキ被膜及びチタンメッキ被膜用剥離液として、硝酸を主成分にフッ化アンモンが含有された剥離液を用い、マスク剥離液として塩化メチレンを用いた。
【0147】
上記のようにして得られた腕時計ケース及び腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1200であり、金−鉄合金メッキ被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、120であった。これらの腕時計ケース及び腕時計バンドは、耐傷性に優れ、しかも、プラチナ色調で高級感のある白色被膜が形成されていた。
【0148】
また、装飾被膜層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、
88<L*<92、1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であった。
【0149】
(実施例7)
実施例5と同様にして得たプラチナ被膜(装飾被膜層)表面の一部に、この被膜の色調と異なるメッキ被膜を湿式メッキ法により形成した。
【0150】
すなわち、この被膜が形成された基材を、前処理として電解脱脂、中和、水洗を行いクリーニングを行った。
【0151】
次いで、この被膜を有する基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み0.1μmの金ストライクメッキ被膜を基材表面に形成し、水洗した。
《金ストライクメッキ》
<メッキ液の組成>
金 3〜5g/l
硫酸 10g/l
<メッキ条件>
pH 0.3以上1未満
液温 25℃
電流密度(Dk) 3〜5A/dm2
時間 30秒
【0152】
次いで、この金ストライクメッキ被膜を有する基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み2.0μmの金−鉄合金メッキ被膜を、金ストライクメッキ被膜表面に形成し、水洗した。
《金−鉄合金メッキ》
<メッキ液の組成>
シアン化第2カリウム 8.7g/l(メタル5.0g/l)
塩化鉄 2.7g/l(メタル1.0g/l)
クエン酸 150g/l以上
クエン酸ソーダ 150g/l以上
光沢剤 10ml/l
<メッキ条件>
pH 3.5〜3.7
浴温 37〜40℃
電流密度(Dk) 1.0〜1.5A/dm2
Be(ボーメ比重) 20
【0153】
次いで、この金−鉄合金メッキ被膜表面の一部にマスキング処理を施し、金−鉄合金メッキ被膜及び金ストライクメッキ被膜を順次エッチング液で除去し、最後にマスクを除去することにより、プラテナ色調の被膜と金色の金−鉄合金メッキ被膜とからなる、2つの色調の異なる装飾被膜層を有する腕時計ケース及び腕時計バンドを得た。
【0154】
なお、金−鉄合金メッキ被膜及び金ストライクメッキ被膜用剥離液として、シアンを主成分に酸化剤が含有された剥離液を用い、マスク剥離液として塩化メチレンを用いた。
【0155】
上記のようにして得られた腕時計ケース及び腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は1100であり、金−鉄合金メッキ被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、120であった。これらの腕時計ケース及び腕時計バンドは、耐傷性に優れ、しかも、プラチナ色調で高級感のある白色被膜が形成されていた。
【0156】
また、装飾被膜層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、
88<L*<92、1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であった。
【0157】
(実施例8)
実施例5と同様にして得たプラチナ被膜(装飾被膜層)表面の一部に、この被膜の色調と異なるメッキ被膜を乾式メッキ法により形成した。
【0158】
すなわち、この被膜表面の一部にマスク材(エポキシ系レジスト)を塗布し乾燥させた後、被膜表面及びマスク材表面に、厚み0.05μmのチタンメッキ被膜をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:チタン
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.02Pa
ターゲット印加電力:0.3〜0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50〜−100V
【0159】
次いで、このチタンメッキ被膜表面に、厚み0.1μmのシリコンメッキ被膜をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:シリコン
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.05Pa
ターゲット印加電力:0.3〜0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50〜−100V
【0160】
次いで、このシリコンメッキ被膜表面に、厚み0.1μmの黒色のダイヤモンドライクカーボン(DLC)メッキ被膜をプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ガ ス :ベンゼン
成膜圧力:0.2Pa
フィラメント電流:20A
アノード電流:2.0A
カソード電圧(加速電圧):−1.0〜−5.0kV
次いで、塩化メチレンでマスキング材をエッチングし、マスキング材直上に形成されているチタンメッキ被膜、シリコンメッキ被膜及びDLC被膜をリフトオフすることにより、プラチナ色調の被膜と黒色のDLCメッキ被膜とからなる、2つの色調の異なる装飾被膜層を有する腕時計ケース及び腕時計バンドを得た。
【0161】
上記のようにして得られた腕時計ケース及び腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1200であり、DLCメッキ被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1800であった。これらの腕時計ケース及び腕時計バンドは、耐傷性に優れ、しかも、プラチナ色調で高級感のある白色被膜が形成されていた。
【0162】
また、装飾被膜層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、
88<L*<92、1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であった。
【0163】
(実施例9)
まず、チタンを機械加工して得られた装飾品である腕時計ケース用基材及び腕時計バンド用基材を有機溶剤で洗浄・脱脂した。なお、これらの基材の表面は、機械加工により鏡面仕上げとした。
【0164】
次いで、これらの基材をスパッタリング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
【0165】
次いで、これらの基材表面に、厚み0.05μmのジルコニウム被膜(下地層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:ジルコニウム
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.5Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
【0166】
次いで、これらの基材表面に形成されたジルコニウムメッキ被膜表面に、厚み0.6μmの白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜(炭化チタン層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:チタン
スパッタガス:メタンガスとアルゴンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.6Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
【0167】
次いで、これらの基材表面に形成された炭化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.2μmの白色色調を有するステンレス鋼メッキ被膜(ステンレス鋼被膜層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:オーステナイト系ステンレス鋼SUS304
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2〜0.9Pa
ターゲット印加電力:0.4〜0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):Ground〜−300V
【0168】
次いで、これらの基材表面に形成されたステンレス鋼メッキ被膜表面に、厚み0.05μmの白色色調を有するプラチナ被膜(装飾被膜層)をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成し、プラチナ色調の腕時計ケース及び腕時計バンドを得た。
<成膜条件>
ターゲット:プラチナ
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
【0169】
上記のようにして得られた腕時計ケース及び腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1300であった。これらの腕時計ケース及び腕時計バンドは、耐傷性に優れ、しかも、プラチナ色調で高級感のある白色被膜が形成されていた。
【0170】
また、装飾被膜層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、
88<L*<92、1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であった。
【0171】
(実施例10)
まず、ステンレス鋼(SUS316L)を機械加工して得られた装飾品である腕時計ケース用基材及び腕時計バンド用基材を有機溶剤で洗浄・脱脂した。なお、これらの基材の表面は、機械加工により鏡面仕上げとした。
【0172】
次いで、これらの基材をイオンプレーティング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
【0173】
次いで、これらの基材表面に、厚み0.05μmの炭素原子含有量が5〜15原子%の傾斜構造からなる炭化チタンメッキ被膜(下地層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガスとメタンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.004〜0.009Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:50V
フィラメント電圧:7V
【0174】
次いで、これらの基材表面に下地層として形成された炭化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.6μm、炭素原子含有量40±10原子%の白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜(炭化チタン層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、300mA
ガス:メタンガスとアルゴンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.02Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
【0175】
次いで、これらの基材表面に形成された炭化チタンメッキ被膜表面に、厚み0.05μmの白色色調を有するプラチナ被膜(装飾被膜層)をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成し、プラチナ色調の腕時計ケース及び腕時計バンドを得た。
<成膜条件>
蒸発源:プラチナ
電子銃:10kV、500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−50V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
【0176】
上記のようにして得られた腕時計ケース及び腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜の表面硬度(Hv:マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1200であった。これらの腕時計ケース及び腕時計バンドは、耐傷性に優れ、しかも、プラチナ色調で高級感のある白色被膜が形成されていた。
【0177】
また、装飾被膜層(白色被膜)のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価は、88<L*<92、
1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であった。
【0178】
さらに、上記のようにして得られた腕時計ケース及び腕時計バンドと実施例5で得られた腕時計ケース及び腕時計バンドについて、それぞれ引っ掻き試験を行い、基材に対する被膜の密着力の比較を行った。引っ掻き試験に使用した測定機は、HEIDON−14型の表面性測定機である。
【0179】
以下、チタンメッキ被膜からなる下地層と炭素原子含有量40±10原子%の白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜を有する実施例5の装飾部品試料と、炭素原子含有量5〜15原子%の炭化チタンメッキ被膜からなる下地層と炭素原子含有量40±10原子%の白色色調を有する炭化チタンメッキ被膜を有する実施例10の装飾部品試料を作製して被膜の密着力(後述の臨界荷重)を測定した。
【0180】
この測定条件は、先端角度が90°で先端曲率半径が50μmのダイヤモンド圧子を使用し、引っ掻き速度は30mm/分とし、引っ掻き荷重は50gfから300gfまで、50gfおきに変化させた。
【0181】
この測定結果は、引っ掻き荷重と引っ掻き後の抵抗値により、引っ掻き荷重がある値以上になると、抵抗値が急激に変化する。これは、荷重の増加とともに直線的に引っ掻き抵抗値が増加していくが、臨界荷重以上になると、基材上に形成した被膜に亀裂が発生し、チッピング剥がれが発生しているためと考えられる。そして、発生した亀裂、チッピング剥がれのために、引っ掻き抵抗値は急激な増加を示し、摩擦係数が増大する。この臨界荷重の値によって、基材に対する被膜の密着力を評価することができる。ここでは、急激に変化した引っ掻き荷重の点を光学顕微鏡で観察し、被膜の密着強度を評価した。
【0182】
実施例5では、引っ掻き荷重を200gfにしたときにチッピング剥がれが発生した。一方、実施例10では、引っ掻き荷重を250gfにしたときにチッピング剥がれが発生した。すなわち、実施例5における臨界荷重は200gfであり、実施例10における臨界荷重は250gfであった。このことから、実施例10の装飾部品は、実施例5の装飾部品よりも、被膜の密着力が25%もアップしていることが理解される。
【0183】
なお、上記実施例1〜10において、装飾用基材としてタングステンカーバイト、下地層としてクロム、ハフニウム、バナジウム、またはニオブからなるメッキ被膜を形成できることは言うまでもない。また、実施例1〜10では、腕時計ケース及び腕時計バンドを製造しているが、実施例1〜10に記載の技術はネックレス、ペンダント、ブローチ等の装飾品にも適用できることは言うまでもない。
【0184】
【発明の効果】
本発明によれば、プラチナまたはプラチナ合金被膜特有の色調が得られ、よって、高級感があり、硬質でへこみや傷等による外観品質の劣化が起きにくく、しかも、比較的低コストで高級感のある白色被膜を有する装飾品及びその製造方法を提供することができる。
【0185】
また、炭化チタン層と装飾被膜層との間にステンレス鋼被膜層が形成されていれば、プラチナまたはプラチナ合金被膜に色ムラ等の問題が生じた場合、装飾品用基材、下地層及び炭化チタン層を侵すことなくプラチナまたはプラチナ合金被膜を王水を使用して剥離することができ、その剥離後に再度、ステンレス鋼被膜層表面にプラチナ被膜またはプラチナ合金被膜を形成することによって、再生が可能な装飾品及びその製造方法を提供することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a decorative article (ornament) having a white coating and a method of manufacturing the same, and more particularly to a decorative article having a hard white coating having a platinum color tone or a platinum alloy color and a method of manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, copper alloys are often used for watches, necklaces, pendants, brooches, and the like, which are ornaments (ornaments), depending on workability, material price, and the like.
[0003]
However, decorative articles manufactured using this copper alloy as a raw material have a poor corrosion resistance, so that the surface of the base material is currently coated with a plating film by a wet plating method. This plating film usually comprises a nickel plating film formed by a wet plating method as a base plating film, and an outermost plating film formed on the surface of the film by a wet plating method. When the outermost layer is made of gold, a gold plating film is formed on the surface of the nickel plating film by a wet plating method, and when the outermost layer is made white, a palladium plating film or a palladium film is formed on the surface of the nickel plating film. An alloy plating film or a rhodium plating film is formed by a wet plating method. The thickness of these plating films is generally formed in the range of 1 to 5 μm.
[0004]
In the decorative article as described above, since a plating film containing an expensive noble metal is formed as the outermost plating film in order to obtain corrosion resistance, there is a problem in terms of cost that the price of the decorative article increases. Therefore, in the case of low-priced decorative articles, the outermost plating film becomes thin, and there is a problem of long-term corrosion resistance. In addition, in the production of low-priced decorative articles, maintenance of a precious metal plating bath is a major problem in operation in order to obtain a stable and thin outermost plating film. Furthermore, in order to obtain the outermost plating film having a stable color tone, the skill of the operator is also a problem. Further, an inexpensive decorative article having an outermost plating film having a beautiful white color characteristic of platinum or a platinum alloy has not been obtained.
[0005]
In view of this, the present applicant disclosed in Patent Document 1 as a white decorative article, a white decorative article in which the surface of a metal substrate was covered with a white hard film and a platinum or platinum alloy film formed on the film surface. .
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-3-120355
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in this embodiment of the prior art, a TiN film is formed as a white hard film, and the color tone of the film is dark gray or light gold. For this reason, even if a platinum or platinum alloy film was formed on the TiN film, the beautiful hard color peculiar to platinum or a platinum alloy could not be obtained due to the influence of the color tone of the white hard film (TiN film).
[0008]
Further, when the thickness of the TiN film is small, there is a problem that the metal substrate is dented due to external impact or pressure, whereby the platinum or platinum alloy film is also dented and damaged. Further, since the thickness of the platinum coating is 0.1 μm, there is a problem in cost.
[0009]
Furthermore, if the formation of the platinum or platinum alloy film on the metal substrate surface fails, the platinum or platinum alloy film is peeled off and a platinum or platinum alloy film is formed again. When aqua regia is used to peel off the film, the white hard film made of TiN as well as the metal substrate surface is eroded, and there is a problem that it cannot be regenerated.
[0010]
The present invention is intended to solve the above problems, and a color tone specific to platinum or a platinum alloy film can be obtained.Therefore, there is a sense of quality, and deterioration in appearance quality due to dents, scratches, etc. does not easily occur, and It is an object of the present invention to provide a decorative article having a high-quality white coating at a relatively low cost and a method for manufacturing the same.
[0011]
Another object of the present invention is to form a platinum coating or a platinum alloy coating again so that the platinum or platinum alloy coating can be peeled off without attacking the decorative base material, the base layer and the titanium carbide layer. It is an object of the present invention to provide a decorative article that can be reproduced by doing so and a method for manufacturing the same.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The decorative article having a white coating according to the present invention is a decorative article in which a decorative coating having a white color tone made of a noble metal or an alloy of a noble metal is formed by a dry plating method as an outermost layer,
A decorative substrate made of metal or ceramics,
An underlayer formed on the substrate surface,
A titanium carbide layer formed on the underlayer surface by a dry plating method,
On the surface of the titanium carbide layer, a decorative coating layer made of platinum or a platinum alloy formed by a dry plating method,
The thickness of the titanium carbide layer is 0.5 to 1.0 μm, and the decorative coating layer is a white coating having a thickness of 0.03 to 0.06 μm.
[0013]
Further, it is preferable that the underlayer is made of an alloy containing no nickel formed by a dry plating method or a wet plating method.
[0014]
The decorative article having a white coating according to the present invention is characterized in that the decorative article base material is made of at least one metal selected from stainless steel, titanium, titanium alloy, copper, copper alloy and tungsten carbide. And
[0015]
Further, the decorative article base material is made of at least one metal selected from stainless steel, titanium, titanium alloy, copper, copper alloy and tungsten carbide, and the base material surface has a mirror surface, satin finish, and hairline pattern. , A honing pattern, a stamping pattern, and an etching pattern.
[0016]
Further, the decorative article base material is made of zirconia ceramic, and its composition is yttrium oxide (Y2O2), Stabilized zirconia containing 3 to 7% by weight containing a stabilizer of magnesium oxide (MgO) or calcium oxide (CaO), and may have a white color tone.
[0017]
Further, the decorative article base material is made of a metal other than copper and a copper alloy, or the ceramics, and the base layer formed on the base material surface is formed by dry plating. It may be a coating made of chromium (Cr), zirconium (Zr), hafnium (Hf), vanadium (V), niobium (Nb) or tantalum (Ta).
[0018]
Further, the decorative article base material is made of a metal other than copper and a copper alloy, or the ceramics, and a base layer formed on the base material surface is formed by a dry plating method. Of titanium carbide (TiC) and chromium carbide (Cr3C2), Zirconium carbide (ZrC), hafnium carbide (HfC), vanadium carbide (VC), niobium carbide (NbC), tungsten carbide (WC) or tantalum carbide (TaC). May be.
[0019]
Further, the decorative article base material is made of a metal other than copper and a copper alloy, or the ceramics, and the base layer is formed by a dry plating method to a thickness of 0.02 to 0.2 μm, preferably 0 to 0.2 μm. It is characterized in that it is a coating of 0.05 to 0.1 μm.
[0020]
Further, the decorative article base material is made of copper or a copper alloy, and the underlayer is a nickel coating having a thickness of 1 to 10 μm formed on the surface of the base material by a wet plating method, and a nickel coating surface. It may be composed of an amorphous nickel-phosphorus alloy film having a thickness of 3 to 10 μm formed by a wet plating method.
[0021]
Further, the decorative article base material is made of copper or a copper alloy, and the base layer is formed by a wet plating method, and is made of copper, palladium, a copper-tin alloy, a copper-tin-zinc alloy, and a copper- It may be a coating having a thickness of 2 to 9 μm made of at least one selected from a tin-palladium alloy.
[0022]
The decorative article having the white coating according to the present invention is a titanium carbide forming the titanium carbide layer and a platinum or a platinum alloy forming the decorative coating layer between the titanium carbide layer and the decorative coating layer. Characterized by having a mixed layer having a thickness of 0.005 to 0.04 μm.
[0023]
Further, a stainless steel coating layer having a thickness of 0.05 to 1.5 μm formed by a dry plating method may be provided between the titanium carbide layer and the decorative coating layer.
The stainless steel coating layer contains 0.01 to 0.12% by volume of carbon, 0.1 to 1.5% by volume of silicon, 1.0 to 2.5% by volume of manganese, 8 to 22% by volume of nickel, and 15 to 26% by volume, the balance consisting of austenitic stainless steel having a composition of iron.
[0024]
In the decorative article having the white coating according to the present invention, the color evaluation of the decorative coating layer by the L *, a *, b * color system (CIE system) is 85 <L * <95, 1.5 <a. * <4.0, 4.5 <b * <6.5, preferably 88 <L * <92, 1.8 <a * <2.5, 5.0 <b * <5.5 It is characterized by.
[0025]
Further, the Δ values of L *, a *, and b * of the decorative coating layer formed on the decorative article base material having various surface finishes are as follows:
ΔL * = ± 6.0, Δa * = ± 1.55, Δb * = ± 2.25
It is characterized by being.
[0026]
In the decorative article having the white coating according to the present invention, the means for forming each of the undercoat layer, the titanium carbide layer, the mixed layer, and the decorative coating layer includes a sputtering method, an ion plating method, and an arc method. It is characterized by at least one.
[0027]
The decorative article having the white coating according to the present invention has at least one coating different from the color tone of the decorative coating layer formed on a part of the surface of the decorative coating layer by a dry plating method or a wet plating method. It is characterized by having.
[0028]
It is desirable that the coating different from the color tone of the decorative coating layer is an alloy containing no nickel.
[0029]
Further, the coating different from the color tone of the decorative coating layer may be made of gold, a gold alloy, titanium nitride, zirconium nitride, hafnium nitride or diamond-like carbon (DLC).
[0030]
In addition, the coating different from the color tone of the decorative coating layer may have a two-layer structure of a lower layer made of titanium nitride, zirconium nitride or hafnium nitride and an upper layer made of gold or a gold alloy.
[0031]
Further, a titanium coating and a silicon coating formed on the surface of the titanium coating are provided between the decorative coating layer and a diamond-like carbon (DLC) coating which is a coating different in color from the decorative coating layer. Is also good.
[0032]
Further, the decorative coating layer may be a mixed layer composed of titanium carbide forming a titanium carbide layer and platinum or a platinum alloy.
[0033]
The decorative article having a white coating according to the present invention is characterized in that the decorative coating layer has a surface hardness (Hv: micro Vickers hardness meter, 5 g load) of 1,000 to 2,000.
[0034]
The decorative article having the white coating according to the present invention is characterized in that the decorative article is a watch exterior part.
[0035]
The method for manufacturing a decorative article having a white coating according to the present invention is a method for manufacturing a decorative article in which a decorative coating having a white color tone made of a noble metal or an alloy of a noble metal as an outermost layer is formed by a dry plating method.
Using a material made of metal or ceramics, manufacturing a base material for decorative goods by various processing means,
Forming a base layer on the surface of the base material by a dry plating method or a wet plating method;
Forming a titanium carbide layer on the surface of the underlayer by dry plating;
Forming a decorative coating layer made of platinum or a platinum alloy as an outermost layer on the surface of the titanium carbide layer by a dry plating method;
It is characterized by including.
[0036]
Preferably, the underlayer is made of an alloy containing no nickel, and is formed by a dry plating method or a wet plating method.
[0037]
In the method for producing a decorative article having a white coating according to the present invention, the decorative article base material is made of at least one metal selected from stainless steel, titanium, a titanium alloy, copper, a copper alloy, and tungsten carbide. It is characterized by the following.
[0038]
Further, the decorative article base material is made of at least one metal selected from stainless steel, titanium, titanium alloy, copper, copper alloy and tungsten carbide, and the base material surface has a mirror surface, satin finish, and hairline pattern. , A honing pattern, a stamping pattern, and an etching pattern.
[0039]
Further, the decorative article base material is made of yttrium oxide (Y2O2), A material containing 20 to 25 parts by weight of a binder with respect to 100 parts by weight of a stabilized zirconia powder containing 3 to 7% by weight of a stabilizer of magnesium oxide (MgO) or calcium oxide (CaO) by injection molding. After that, it is formed through roughing, degreasing, firing, grinding, and polishing steps by mechanical processing, and has a white color tone.
[0040]
In addition, titanium (Ti), chromium (Cr), zirconium (Zr), hafnium (Hf), vanadium ( V), niobium (Nb) or tantalum (Ta) may be formed by a dry plating method.
[0041]
In addition, titanium carbide (TiC) having a carbon atom content of 5 to 15 at%, chromium carbide (Cr) is formed on the surface of a decorative material base material made of a metal other than copper and a copper alloy or the ceramics as the underlayer.3C2), Zirconium carbide (ZrC), hafnium carbide (HfC), vanadium carbide (VC), niobium carbide (NbC), tungsten carbide (WC) or tantalum carbide (TaC). May be formed.
[0042]
In addition, a coating having a thickness of 0.02 to 0.2 μm, preferably 0.05 to 0.1 μm, is dry-plated on the surface of a decorative article base material made of a metal other than copper and copper alloys or ceramics as the base layer. It is characterized by being formed by a method.
[0043]
Further, a nickel coating having a thickness of 1 to 10 μm is formed as a base layer on the surface of a decorative article base material made of copper and copper alloy by a wet plating method, and an amorphous nickel coating having a thickness of 3 to 10 μm is formed on the nickel coating surface. The phosphorus alloy film may be formed by a wet plating method.
[0044]
Further, on the surface of a decorative article base material made of copper or copper alloy, at least selected from the group consisting of copper, palladium, copper-tin alloy, copper-tin-zinc alloy and copper-tin-palladium alloy as the underlayer. A single coating having a thickness of 2 to 9 μm may be formed by a wet plating method.
[0045]
The method for producing a decorative article having a white coating according to the present invention includes the steps of: providing a titanium carbide forming the titanium carbide layer between the titanium carbide layer and the decoration coating layer; and platinum or platinum forming the decoration coating layer. A mixed layer made of an alloy and having a thickness of 0.005 to 0.04 μm is formed by a dry plating method.
[0046]
Further, a stainless steel coating layer having a thickness of 0.05 to 1.5 μm may be formed between the titanium carbide layer and the decorative coating layer by a dry plating method.
The stainless steel coating layer contains 0.01 to 0.12% by volume of carbon, 0.1 to 1.5% by volume of silicon, 1.0 to 2.5% by volume of manganese, 8 to 22% by volume of nickel, and 15 to A film made of an austenitic stainless steel having a composition of 26% by volume and the balance of iron is formed by at least one of a sputtering method, an ion plating method, and an arc method.
[0047]
The method for manufacturing a decorative article having a white coating according to the present invention includes the base layer, the titanium carbide layer, the mixed layer, and each layer of the decorative coating layer, at least one of a sputtering method, an ion plating method, and an arc method. It is characterized by being formed by one method.
[0048]
Further, the formation of the titanium carbide layer and / or the mixed layer may be performed by a dry plating method using methane gas.
[0049]
The method for producing a decorative article having a white coating according to the present invention includes forming at least one coating different from the color tone of the decorative coating layer on a part of the surface of the decorative coating layer by a dry plating method or a wet plating method. Features.
[0050]
Further, the coating different from the color tone of the decorative coating layer is a decorative coating layer made of an alloy containing no nickel, and is desirably formed by a dry plating method or a wet plating method.
[0051]
Further, the coating different from the color tone of the decorative coating layer may be made of gold, a gold alloy, titanium nitride, zirconium nitride, hafnium nitride or diamond-like carbon (DLC).
[0052]
Further, as a film different from the color tone of the decorative film layer, a film having a two-layer structure of a lower layer made of titanium nitride, zirconium nitride or hafnium nitride and an upper layer made of gold or a gold alloy may be formed.
[0053]
Further, a titanium film is formed between the decorative film layer and a diamond-like carbon (DLC) film which is a film having a different color tone from the decorative film layer, and a silicon film is further formed on the titanium film surface. good.
[0054]
The method for manufacturing a decorative article having a white coating according to the present invention is characterized in that the decorative coating layer is a mixed layer composed of titanium carbide forming a titanium carbide layer and platinum or a platinum alloy.
[0055]
The method for producing a decorative article having a white coating according to the present invention is characterized in that the decorative coating layer has a surface hardness (Hv: micro Vickers hardness meter, 5 g load) of 1,000 to 2,000.
[0056]
The method for producing a decorative article having a white coating according to the present invention is characterized in that the decorative article is a watch exterior part.
[0057]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a decorative article having a white film according to the present invention and a method for manufacturing the same will be specifically described.
[0058]
The decorative article having a white coating according to the present invention comprises a decorative article base material, an underlayer, preferably an underlayer containing no nickel, a titanium carbide layer, and a decorative coating layer. Further, a stainless steel coating layer formed by a dry plating method may be provided between the titanium carbide layer and the decorative coating layer. The decorative article having a white coating according to the present invention may have at least one coating different from the color tone of the coating layer on a part of the surface of the white coating serving as the decorative coating layer.
[0059]
(Base material for decorative articles)
The decorative article base material used in the decorative article having a white film according to the present invention is a base material formed of metal or ceramics.
Specific examples of the metals (including alloys) include stainless steel, titanium, titanium alloys, copper, copper alloys, and tungsten. These metals can be used alone or in combination of two or more.
[0060]
Specific examples of the ceramics include zirconia ceramics. This zirconia ceramic has a composition of yttrium oxide (Y2O2) Or other stabilizers (e.g., magnesium oxide (MgO), calcium oxide (CaO)) in a stabilized zirconia containing 3 to 7% by weight and exhibiting a white color. More specifically, the zirconia ceramic has a binder of 20 to 25 parts per 100 parts by weight of stabilized zirconia powder containing zirconia and a binder as main components and containing 3 to 7% by weight of a stabilizer such as yttrium oxide. It contains parts by weight and has a white color tone after firing. As the binder, for example, a mixture of at least two selected from polyethylene, polypropylene, polystyrene, ethylene vinyl acetate, butyl methacrylate, polyacetal, wax, and stearic acid is preferable.
[0061]
In the present invention, the reason for selecting zirconia ceramics containing 3 to 7% by weight of a stabilizer such as yttrium oxide (yttria) is that when the amount of the stabilizer such as yttria is less than 3% by weight, the impact resistance of the formed zirconia ceramics is reduced. The strength is reduced (brittle), cracks and the like are likely to be generated by an external impact, and the impact resistance is reduced even when the content of the stabilizer is more than 7% by weight. Is likely to occur. When the stabilizing agent is within the above range, it is considered that the impact resistance is stable because the crystal structure of the zirconia ceramic has a two-phase mixed structure of cubic and monoclinic.
[0062]
The reason why the content of the binder is set to 20 to 25 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the zirconia powder is that if the amount of the binder is less than 20 parts by weight, the injection molding becomes worse and the material is completely filled in the mold. If the amount is more than 25 parts by weight, the degreasing step takes a long time, the mass productivity is deteriorated, and the formed shape is easily broken.
[0063]
The decorative base material made of a metal is prepared from the above-mentioned metal by a conventionally known machining process.
Further, the decorative article base material is provided with at least one surface finish of a mirror surface, a satin finish, a hairline pattern, a honing pattern, a stamped pattern, and an etched pattern by various means as necessary.
[0064]
In addition, a base material for decorative articles made of ceramics, for example, a base material for a watch case is formed by molding a watch case shape by injection molding using a material mainly composed of zirconia and a binder. Rough processing by machining, further, degreased and fired the roughly processed molded body to produce a rough base material of a watch case, and then manufactured by machining such a rough base material by grinding and polishing. .
[0065]
Examples of the decorative articles (including parts) in the present invention include watch exterior parts such as a watch case, a watch band, a watch crown, a watch back cover, and a belt buckle, a ring, a necklace, a bracelet, an earring, a pendant, and the like. Brooches, cufflinks, tie closures, badges, medals, eyeglass frames, camera bodies, doorknobs, and the like.
[0066]
In the present invention, it is preferable to wash and degrease the surface of the decorative article base material with a conventionally known organic solvent or the like before forming the base layer on the surface of the decorative article base material.
[0067]
(Underlayer)
The underlayer constituting the decorative article having the white coating according to the present invention comprises at least one plating coating formed by a wet plating method and / or a dry plating method.
[0068]
When the base material for a decorative article is made of a metal other than copper and copper alloy, or ceramics, the base layer formed on the surface of the base material may be titanium (Ti), chromium (Cr) formed by dry plating. , Zirconium (Zr), hafnium (Hf), vanadium (V), niobium (Nb), or tantalum (Ta).
[0069]
The underlayer is made of titanium carbide (TiC) or chromium carbide (Cr) having a carbon atom content of 5 to 15 atomic% formed by a dry plating method.3C2), Zirconium carbide (ZrC), hafnium carbide (HfC), vanadium carbide (VC), niobium carbide (NbC), tungsten carbide (WC) or tantalum carbide (TaC). In the metal compound film, the carbon atom content of the metal compound gradually decreases as approaching the surface of the decorative substrate, and the metal compound film is called a so-called gradient film.
[0070]
The thickness of the metal film and the metal compound film (underlayer) is preferably 0.02 to 0.2 μm, and particularly preferably 0.05 to 0.1 μm.
[0071]
Specific examples of the dry plating method include a sputtering method, an arc method, an ion plating method, a physical vapor deposition method (PVD) such as an ion beam, and a CVD method. Among them, a sputtering method, an arc method, and an ion plating method are particularly preferably used.
[0072]
Further, in the decorative article having a white film according to the present invention, when the decorative article base material is made of copper or a copper alloy, as a base layer, a thickness of 1 to 10 μm formed on the base material surface by a wet plating method, It is preferable that a nickel coating having a thickness of 1 to 5 μm and an amorphous nickel-phosphorus alloy coating having a thickness of 3 to 10 μm, preferably 3 to 5 μm formed on the surface of the nickel coating by a wet plating method are preferable.
[0073]
In addition, from the viewpoint of preventing nickel allergy, when the decorative article base material is made of copper or a copper alloy, the base layer is formed of copper, palladium, a copper-tin alloy, copper-tin- It is preferable that the coating is made of at least one of a zinc alloy and a copper-tin-palladium alloy and has a thickness of 2 to 9 µm, preferably 2 to 3 µm.
[0074]
In addition, these metal compound coatings may be alloys containing no nickel other than those formed by a dry plating method or a wet plating method.
[0075]
(Titanium carbide layer)
The titanium carbide layer constituting the decorative article having the white coating according to the present invention is formed by a dry plating method. Specific examples of the dry plating method include a sputtering method, an arc method, an ion plating method, a physical vapor deposition method (PVD) such as an ion beam, and a CVD method. Among them, a sputtering method, an arc method, and an ion plating method are particularly preferably used.
The thickness of the titanium carbide layer is 0.2 to 1.5 μm, preferably 0.5 to 1.0 μm.
[0076]
[Stainless steel coating layer]
The stainless steel coating layer which may constitute the decorative article having the white coating according to the present invention is formed between the titanium carbide layer and the decorative coating layer so that the decorative article can be reproduced. is there. That is, when a problem occurs in the formation of the decorative coating layer (when the formed decorative coating has unevenness or the like), aqua regia is used to separate the decorative coating layer. The layer, the underlayer, and the decorative article base material surface were damaged, and the decorative article could not be reproduced. The coating layer provided to solve this problem is a stainless steel coating layer, and even if the decorative coating layer is peeled off with aqua regia, this stainless steel coating layer allows the titanium carbide layer, the underlayer, and the decorative article base material surface to be removed. Is not affected. Therefore, after the decorative coating layer in which the problem has occurred is peeled off using aqua regia, the decorative article can be regenerated by forming the decorative coating layer on the stainless steel coating surface again.
[0077]
The stainless steel coating layer is formed by a sputtering method, which is a dry plating method, so that the thickness of the stainless steel coating layer is in the range of 0.05 to 1.5 μm. The composition of the stainless steel coating layer is as follows: carbon 0.01 to 0.12 volume%, silicon 0.1 to 1.5 volume%, manganese 1.0 to 2.5 volume%, nickel 8 to 22 volume%, Austenitic stainless steel comprising 15 to 26% by volume of chromium and the balance of iron is preferred.
[0078]
(Decorative coating layer)
The decorative coating layer, which is the outermost layer constituting the decorative article having the white coating according to the present invention, is formed by a dry plating method on the surface of the titanium carbide layer formed on the surface of the underlayer by the dry plating method or the surface of the mixed layer described later. Noble metal platinum or platinum alloy film formed by Specific examples of the dry plating method include a sputtering method, an arc method, an ion plating method, a physical vapor deposition method (PVD) such as an ion beam, and a CVD method. Among them, a sputtering method, an arc method, and an ion plating method are particularly preferably used.
[0079]
In the decorative article having a white coating according to the present invention, a mixed layer (a mixed layer of titanium carbide and platinum or a platinum alloy forming a titanium carbide layer) described later can be used as a decorative coating layer.
[0080]
The thickness of the decorative coating layer is 0.02 to 0.1 μm, preferably 0.03 to 0.06 μm.
[0081]
The alloy used for forming the decorative coating layer is preferably an alloy containing no nickel formed by a dry plating method or a wet plating method.
[0082]
(Mixed layer)
In the decorative article having a white coating according to the present invention, the mixed layer may be formed between the titanium carbide layer and the decorative coating layer as necessary, and is a coating formed by a dry plating method. Specific examples of the dry plating method include a sputtering method, an arc method, an ion plating method, a physical vapor deposition method (PVD) such as an ion beam, and a CVD method. Among them, a sputtering method, an arc method, and an ion plating method are particularly preferably used.
[0083]
This coating is composed of titanium carbide forming a titanium carbide layer and platinum or a platinum alloy forming a decorative coating layer. The thickness of the mixed layer is usually desirably 0.005 to 0.04 μm, preferably 0.008 to 0.03 μm. By providing such a mixed layer, the adhesion between the titanium carbide layer and the decorative coating layer can be further strengthened.
[0084]
The color evaluation by the L *, a *, b * display system (CIE table system) composed of the titanium carbide layer and the decorative coating layer or the titanium carbide layer, the mixed layer, and the decorative coating layer as described above is 85 <L *. <95, 1.5 <a * <4.0, and 4.5 <b * <6.5. Especially, it is preferable that 88 <L * <92, 1.8 <a * <2.5, and 5.0 <b * <5.5.
[0085]
The decorative coating layer formed on the mirror-finished decorative base material and the decorative coating layer formed on the hairline finished (fine line pattern) decorative base material are respectively provided. Color evaluation by L *, a *, b * display system (CIE table system)
85 <L * <90, 0 <a * <2.0, 3.5 <b * <5.0,
75 <L * <85, 0 <a * <2.0, 3.5 <b * <5.0.
Further, the Δ values of L *, a *, and b * of the decorative coating layer formed on the decorative article base material having various surface finishes are ΔL * = ± 6.0,
Δa * = ± 1.55 and Δb * = ± 2.25.
[0086]
The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness tester, 5 g load, holding time 10 seconds) of the titanium carbide layer and the decorative coating layer or the surface layer composed of the titanium carbide layer and the mixed layer and the decorative coating layer is usually 700 to 700 μm. 2000, preferably 1000-2000.
[0087]
In the decorative article having a white coating according to the present invention, at least a titanium carbide coating layer having a thickness of 0.5 to 1.0 μm and a decorative coating layer having a thickness of 0.03 to 0.06 μm are formed on the surface of the underlayer. As a result, it is possible to obtain a decorative article having a high-quality white coating, in which the appearance quality is hardly degraded due to scratches or the like.
[0088]
Further, the mixed layer is desirably an alloy containing no nickel.
[0089]
[Coating different from decorative coating layer]
In the decorative article having the white coating according to the present invention, at least one coating different from the color of the decorative coating layer is formed by dry plating on a part of the surface of the white coating having a platinum color or a platinum alloy color comprising the decorative coating layer. It may be formed by a wet plating method.
[0090]
As a film different from the color tone of the decorative film layer, a film made of gold, a gold alloy (preferably a gold alloy containing no nickel), titanium nitride, zirconium nitride, hafnium nitride or diamond-like carbon (DLC) is desirable. This coating appears on the appearance of the decorative article together with the outermost layer forming the decorative coating layer. Therefore, the decorative articles according to the present invention include so-called two-tone decorative articles.
[0091]
The thickness of the plating film having a color tone different from that of the decorative coating layer is usually 0.1 to 1.0 μm, preferably 0.2 to 0.5 μm.
[0092]
Further, the decorative coating layer and the coating having a different color tone have a lower layer made of titanium nitride, zirconium nitride or hafnium nitride and an upper layer made of gold or a gold alloy (preferably a gold alloy containing no nickel) (for example, a gold-iron alloy). And a two-layer structure. In this case, the thickness of the lower layer is usually 0.2 to 1.5 μm, preferably 0.5 to 1.0 μm, and the thickness of the upper layer is usually 0.03 to 0.2 μm, preferably 0.05 to 0 μm. .1 μm.
[0093]
Further, the coating having a different color tone from the decorative coating layer includes a lower layer made of titanium, an intermediate layer made of titanium nitride, zirconium nitride, or hafnium nitride, and an upper layer made of gold or a gold alloy (preferably a gold alloy containing no nickel). And a three-layer structure. In this case, the thickness of the lower layer is usually 0.02 to 0.1 μm, preferably 0.03 to 0.08 μm, and the thickness of the intermediate layer is usually 0.2 to 1.5 μm, preferably 0.5 to 1.0 μm, and the thickness of the upper layer is usually 0.03 to 0.2 μm, preferably 0.05 to 0.1 μm.
[0094]
Furthermore, in the film having a different color tone from the decorative film layer, a titanium film, a silicon film, and a diamond-like carbon (DLC) film may be formed in this order on a part of the surface of the decorative film layer. In this case, the thickness of the lower layer is usually 0.05 to 0.3 μm, preferably 0.08 to 0.2 μm, and the thickness of the intermediate layer is usually 0.05 to 0.3 μm, preferably 0.08 to 0.3 μm. 0.2 μm, and the thickness of the upper layer is usually 0.5 to 3.0 μm, preferably 0.8 to 1.5 μm.
[0095]
Each layer constituting the single-layer structure, the two-layer structure, and the three-layer structure is usually formed by a dry plating method. Specific examples of the dry plating method include a sputtering method, an arc method, an ion plating method, a physical vapor deposition method (PVD) such as an ion beam, and a CVD method. Among them, a sputtering method, an arc method, and an ion plating method are particularly preferably used.
[0096]
Further, the decorative coating layer and the coating different in color from each other include a lower layer made of a gold strike plating coating formed by a wet plating method and a gold or gold alloy plating coating formed by a wet plating method (preferably containing no nickel). It may have a two-layer structure with an upper layer made of a gold alloy plating film or the like. In this case, the thickness of the lower layer is usually 0.05 to 0.2 μm, preferably 0.05 to 0.1 μm, and the thickness of the upper layer is usually 1.0 to 10 μm, preferably 1.0 to 3.0 μm. It is.
[0097]
Such a decorative article having a coating having a different color tone from the decorative coating layer on a part of the surface of the decorative coating layer can be prepared, for example, by the following method.
[0098]
First, an undercoat layer is formed on the surface of a decorative article base material, and the decorative coating layer is formed on the undercoat layer surface. Then, a part of the decorative coating layer surface is subjected to a masking treatment, and the decorative coating layer and the mask are formed. A plating film having a color tone different from that of the decorative coating layer is formed on the surface by a dry plating method or a wet plating method, and thereafter, the mask and the step of removing the plating film on the mask are performed at least once, whereby the platinum color tone or the platinum color is obtained. A decorative coating layer having two or more color tones comprising a white coating having an alloy color tone and at least one plating film having a different color tone from the white coating can be obtained.
[0099]
Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0100]
(Example 1)
First, a base material for a watch case and a base material for a watch band, which are decorative products obtained by machining stainless steel (SUS316L), were washed and degreased with an organic solvent. The surfaces of these substrates were mirror-finished by machining.
[0101]
Next, these substrates were mounted in an ion plating apparatus, and the surfaces of the substrates were bombarded and cleaned in an argon atmosphere.
[0102]
Next, a titanium plating film (underlayer) having a thickness of 0.05 μm was formed on the surface of the base material by ion plating (hot cathode method) under the following film forming conditions.
<Deposition conditions>
Evaporation source: titanium
Electron gun: 10 kV, 200-500 mA
Gas: Argon gas
Film formation pressure: 0.004 to 0.009 Pa
Acceleration voltage (bias voltage): Ground to -100V
Anode voltage: 50V
Filament voltage: 7V
[0103]
Next, a 0.6 μm-thick titanium carbide plating film (titanium carbide layer) having a white color tone was formed on the surface of the titanium plating film formed on the surface of the substrate by ion plating (hot cathode method) as follows. Formed under the conditions.
<Deposition conditions>
Evaporation source: titanium
Electron gun: 10kV, 300mA
Gas: Methane gas
Film formation pressure: 0.02 Pa
Acceleration voltage (bias voltage): Ground to -100V
Anode voltage: 60V
Filament voltage: 7V
[0104]
Next, a mixed plating film (mixed layer) of titanium carbide and platinum having a white color tone having a thickness of 0.02 μm was formed on the surface of the titanium carbide plating film formed on the surface of the base material by ion plating (hot cathode method). Was formed under the following film forming conditions.
[0105]
Next, a platinum coating (decorative coating layer) having a white color tone having a thickness of 0.05 μm was formed on the surface of the mixed plating coating of titanium carbide and platinum formed on the surface of the base material by an ion plating method (hot cathode method). The watch was formed under the following film forming conditions to obtain a platinum color watch case and a watch band.
<Deposition conditions>
Evaporation source: Platinum
Electron gun: 10kV, 500mA
Gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.2 Pa
Acceleration voltage (bias voltage): Ground to -50V
Anode voltage: 60V
Filament voltage: 7V
[0106]
The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness tester, 5 g load, holding time 10 seconds) of the platinum coating formed on the surfaces of the watch case and the watch band obtained as described above was 1,400. These wristwatch cases and wristwatch bands had excellent scratch resistance, and were formed with a platinum color tone and a luxurious white film.
[0107]
The color evaluation of the decorative coating layer (white coating) using the L *, a *, b * display system (CIE table system) is as follows.
88 <L * <92, 1.8 <a * <2.5, 5.0 <b * <5.5.
[0108]
(Example 2)
First, a base material for a watch case and a base material for a watch band, which are decorative products obtained by machining titanium, were washed and degreased with an organic solvent. The surfaces of these substrates were mirror-finished by machining.
[0109]
Next, these substrates were mounted in a sputtering apparatus, and the surfaces of the substrates were bombarded and cleaned in an argon atmosphere.
[0110]
Next, a 0.05 μm-thick zirconium coating (underlayer) was formed on the surface of each of these substrates by sputtering (magnetron sputtering) under the following film forming conditions.
<Deposition conditions>
Target: Zirconium
Sputter gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.5 Pa
Target applied power: 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50V
[0111]
Next, a 0.6 μm-thick titanium carbide plating film (titanium carbide layer) having a white color tone was formed on the surface of the zirconium plating film formed on the surface of these substrates by a sputtering method (magnetron sputtering method) under the following film forming conditions. Formed.
<Deposition conditions>
Target: Titanium
Sputter gas: Methane gas
Film forming pressure: 0.6 Pa
Target applied power: 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50V
[0112]
Then, a 0.2 μm thick stainless steel plating film (stainless steel film layer) having a white color tone was formed on the surface of the titanium carbide plating film formed on the surface of these substrates by sputtering (magnetron sputtering method) as follows. Formed under the conditions.
<Deposition conditions>
Target: Austenitic stainless steel SUS304
Sputter gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.2 to 0.9 Pa
Target applied power: 0.4 to 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): Ground to -300V
[0113]
Next, a platinum coating (decorative coating layer) having a thickness of 0.05 μm and having a white color was formed on the surface of the stainless steel plating coating formed on the surface of these substrates by sputtering (magnetron sputtering) under the following film forming conditions. Then, a platinum color watch case and a watch band were obtained.
<Deposition conditions>
Target: Platinum
Sputter gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.2 Pa
Target applied power: 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50V
[0114]
The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness tester, 5 g load, holding time 10 seconds) of the platinum coating formed on the surfaces of the watch case and the watch band obtained as described above was 1,300. These wristwatch cases and wristwatch bands had excellent scratch resistance, and were formed with a platinum color tone and a luxurious white film.
[0115]
The color evaluation of the decorative coating layer (white coating) using the L *, a *, b * display system (CIE table system) is as follows.
88 <L * <92, 1.8 <a * <2.5, 5.0 <b * <5.5.
[0116]
(Example 3)
First, a base material for a watch case and a base material for a watch band, which are decorative products obtained by machining brass (copper alloy), were washed and degreased with an organic solvent. The surfaces of these substrates were mirror-finished by machining.
[0117]
Next, these substrates were immersed in a plating solution having the following composition, and electroplated under the following plating conditions to form a 2 μm thick copper-tin alloy plating film (underlayer 1) on the substrate surface. , Washed with water.
《Copper-tin alloy plating》
<Composition of plating solution>
Copper cyanide @ 15 g / l (copper equivalent)
Sodium stannate @ 15 g / l (tin conversion)
Zinc cyanide @ 1 g / l (converted to zinc)
KOH 20g / l
KCN (free) @ 30g / l
Brightener 10ml / l
<Plating conditions>
pH 12.5 (at50 ℃)
Liquid temperature 50 ℃
Current density (Dk) 2 A / dm2
Film formation speed 3 minutes / 1 μm
[0118]
Next, the substrate having the copper-tin alloy plating film is immersed in a plating solution having the following composition, and electroplated under the following plating conditions to form a copper-tin-zinc alloy plating film (underlayer) having a thickness of 2 μm. 2) was formed on the surface of the copper-tin alloy plating film and washed with water.
<< Copper-tin-zinc alloy plating >>
<Composition of plating solution>
Copper cyanide 8.5 g / l (copper equivalent)
Sodium stannate 34.0 g / l (tin conversion)
Zinc cyanide @ 1 g / l (converted to zinc)
KOH 20g / l
KCN (free) @ 50g / l
Brightener 1 5ml / l
Brightener 2 5ml / l
<Plating conditions>
pH 13.0 (at50 ℃)
Liquid temperature 60 ℃
Current density (Dk) 2 A / dm2
Film formation speed 3 minutes / 1 μm
[0119]
Next, the substrate having the copper-tin-zinc alloy plating film is immersed in a plating solution having the following composition, and electroplated under the following plating conditions to form a 0.5 μm-thick palladium strike plating film (underlayer). 3) was formed on the surface of the copper-tin-zinc alloy plating film and washed with water.
《Palladium strike plating》
<Composition of plating solution>
Pure palladium 1-3g / l
<Plating conditions>
pH 8
Liquid temperature 32 ℃
Current density (Dk) 3-5 A / dm2
Time 30 seconds
[0120]
Next, these substrates were mounted in a sputtering apparatus, and the surfaces of the substrates were bombarded and cleaned in an argon atmosphere.
[0121]
Next, a 0.05 μm-thick tantalum film (underlayer 4) was formed on the surface of the palladium strike plating film formed on the surface of these substrates by sputtering (magnetron sputtering) under the following film forming conditions.
<Deposition conditions>
Target: Tantalum
Sputter gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.4 Pa
Target applied power: 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50V
[0122]
Then, a titanium carbide plating film (titanium carbide film layer) having a white color tone having a thickness of 0.6 μm was formed on the surface of the tantalum plating film formed on the surface of these substrates by a sputtering method (magnetron sputtering method) under the following film forming conditions. Formed.
<Deposition conditions>
Target: Titanium
Sputtering gas: mixed gas of methane gas and argon gas
Film forming pressure: 0.6 Pa
Target applied power: 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50V
[0123]
Next, a platinum alloy film (decorative film layer) having a white color tone having a thickness of 0.05 μm was formed on the surface of the titanium carbide plating film formed on the surface of these substrates by a sputtering method (magnetron sputtering method) under the following film forming conditions. A watch case and a watch band in platinum tone were obtained.
<Deposition conditions>
Target: Platinum alloy
Sputter gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.6 Pa
Target applied power: 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50V
[0124]
The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness tester, 5 g load, holding time 10 seconds) of the platinum alloy film formed on the surfaces of the watch case and the watch band obtained as described above was 1,300. These wristwatch cases and wristwatch bands had excellent scratch resistance, and were formed with a platinum alloy color tone and a high-quality white film.
[0125]
The color evaluation of the decorative coating layer (white coating) using the L *, a *, b * display system (CIE table system) is as follows.
88 <L * <92, 1.8 <a * <2.5, 5.0 <b * <5.5.
[0126]
(Example 4)
First, a base material for a watch case and a base material for a watch band obtained by performing a shaping process or the like into a shape of a watch case and a watch band, which are decorative products manufactured using zirconia ceramics, were washed and degreased with an organic solvent ( The method of manufacturing these base materials, for example, a watch case, is more specifically described in the specification of Japanese Patent Application No. 2001-333236 filed on October 30, 2001 by the present applicant.) . The surfaces of these substrates were mirror-finished by machining.
[0127]
Next, these substrates were mounted in a sputtering apparatus, and the surfaces of the substrates were bombarded and cleaned in an argon atmosphere.
[0128]
Next, a chromium plating film (underlayer) having a thickness of 0.05 μm was formed on the surfaces of these substrates by sputtering (magnetron sputtering) under the following film forming conditions.
<Deposition conditions>
Target: Chrome
Sputter gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.4 Pa
Target applied power: 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50V
[0129]
Next, a 0.6 μm thick titanium carbide plating film (titanium carbide layer) having a white color tone was formed on the surface of the chromium plating film formed on the surface of these substrates by sputtering (magnetron sputtering) under the following film forming conditions. Formed.
<Deposition conditions>
Target: Titanium
Sputter gas: Methane gas
Film forming pressure: 0.6 Pa
Target applied power: 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50V
[0130]
Then, a stainless steel plating film (stainless steel film layer) having a white color tone having a thickness of 0.2 μm was formed on the surface of the titanium carbide plating film formed on the surface of these substrates by sputtering (magnetron sputtering) as follows. Formed under the conditions.
<Deposition conditions>
Target: Austenitic stainless steel (SUS304)
Sputter gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.2 to 0.9 Pa
Target applied power: 0.4 to 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): Ground to -300V
[0131]
Next, a platinum coating (decorative coating layer) having a thickness of 0.05 μm and having a white color was formed on the surface of the stainless steel plating coating formed on the surface of these substrates by sputtering (magnetron sputtering) under the following film forming conditions. Then, a platinum color watch case and a watch band were obtained.
<Deposition conditions>
Evaporation source: Platinum
Gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.2 Pa
Target applied power: 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50V
[0132]
The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness tester, 5 g load, holding time 10 seconds) of the platinum coating formed on the surfaces of the watch case and the watch band obtained as described above was 1,300. These wristwatch cases and wristwatch bands had excellent scratch resistance, and were formed with a platinum color tone and a luxurious white film.
[0133]
The color evaluation of the decorative coating layer (white coating) using the L *, a *, b * display system (CIE table system) was 88 <L * <92.
1.8 <a * <2.5 and 5.0 <b * <5.5.
[0134]
(Example 5)
First, a base material for a watch case and a base material for a watch band, which are decorative products obtained by machining stainless steel (SUS316L), were washed and degreased with an organic solvent. The surfaces of these substrates were mirror-finished by machining.
[0135]
Next, these substrates were mounted in an ion plating apparatus, and the surfaces of the substrates were bombarded and cleaned in an argon atmosphere.
[0136]
Next, a titanium plating film (underlayer) having a thickness of 0.05 μm was formed on the surface of the base material by ion plating (hot cathode method) under the following film forming conditions.
<Deposition conditions>
Evaporation source: titanium
Electron gun: 10 kV, 200-500 mA
Gas: Argon gas
Film formation pressure: 0.004 to 0.009 Pa
Acceleration voltage (bias voltage): Ground to -100V
Anode voltage: 50V
Filament voltage: 7V
[0137]
Next, a 0.6 μm-thick titanium carbide plating film (titanium carbide layer) having a white color tone was formed on the surface of the titanium plating film formed on the surface of the substrate by ion plating (hot cathode method) as follows. Formed under the conditions.
<Deposition conditions>
Evaporation source: titanium
Electron gun: 10kV, 300mA
Gas: mixed gas of methane gas and argon gas
Film formation pressure: 0.02 Pa
Acceleration voltage (bias voltage): Ground to -100V
Anode voltage: 60V
Filament voltage: 7V
[0138]
Next, a platinum coating (decorative coating layer) having a white color tone having a thickness of 0.05 μm was formed on the surface of the titanium carbide plating coating formed on the surface of these substrates by ion plating (hot cathode method) under the following film forming conditions. And a platinum-colored watch case and a watch band were obtained.
<Deposition conditions>
Evaporation source: Platinum
Electron gun: 10kV, 500mA
Gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.2 Pa
Acceleration voltage (bias voltage): Ground to -50V
Anode voltage: 60V
Filament voltage: 7V
[0139]
The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness meter, 5 g load, holding time 10 seconds) of the platinum coating formed on the surface of the watch case and the watch band obtained as described above was 1200. These wristwatch cases and wristwatch bands had excellent scratch resistance, and were formed with a platinum color tone and a luxurious white film.
[0140]
The color evaluation of the decorative coating layer (white coating) using the L *, a *, b * display system (CIE table system) was 88 <L * <92.
1.8 <a * <2.5 and 5.0 <b * <5.5.
[0141]
(Example 6)
On a part of the surface of the platinum film (decorative film layer) obtained in the same manner as in Example 5, a plating film having a color tone different from that of this film was formed by a dry plating method.
[0142]
That is, a titanium plating film having a thickness of 0.05 μm was formed on the surface of this film by ion plating (hot cathode method) under the following film forming conditions.
<Deposition conditions>
Evaporation source: titanium
Electron gun: 10 kV, 200-500 mA
Gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.2 Pa
Acceleration voltage (bias voltage): Ground to -100V
Anode voltage: 40-50V
Filament voltage: 7V
[0143]
Next, a gold-plated titanium nitride plating film having a thickness of 0.6 μm was formed on the surface of the titanium plating film by an ion plating method (hot cathode method) under the following film forming conditions.
<Deposition conditions>
Evaporation source: titanium
Electron gun: 10 kV, 200-500 mA
Gas: Mixed gas of argon gas and nitrogen gas
Film forming pressure: 0.2 Pa
Acceleration voltage (bias voltage): Ground to -100V
Anode voltage: 40-50V
Filament voltage: 7V
[0144]
Next, a gold-iron alloy plating film having a thickness of 0.1 μm was formed on the surface of the titanium nitride plating film by an ion plating method (hot cathode method) under the following film forming conditions.
<Deposition conditions>
Evaporation source: gold-iron alloy
Electron gun: 8 kV, 500 mA
Gas: Argon gas
Film formation pressure: 0.26 Pa
Acceleration voltage (bias voltage): Ground to -100V
Anode voltage: 10-30V
Filament voltage: 7V
[0145]
Next, a part of the surface of the gold-iron alloy plating film is subjected to a masking treatment (using an epoxy-based resist as a mask material), and the gold-iron alloy plating film, the titanium nitride plating film, and the titanium plating film are sequentially removed with an etching solution. Finally, the mask was removed to obtain a wristwatch case and a wristwatch band having a decorative coating layer having two different tones, consisting of a platinum-colored coating and a gold-iron alloy plated coating.
[0146]
As a stripper for the gold-iron alloy plating film, a stripper containing cyanide as a main component and an oxidizing agent was used. Was used, and methylene chloride was used as a mask stripping solution.
[0147]
The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness tester, 5 g load, holding time 10 seconds) of the platinum coating formed on the surface of the watch case and the watch band obtained as described above is 1200, and gold-iron The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness meter, 5 g load, holding time 10 seconds) of the alloy plating film was 120. These wristwatch cases and wristwatch bands had excellent scratch resistance, and were formed with a platinum color tone and a luxurious white film.
[0148]
The color evaluation of the decorative coating layer (white coating) using the L *, a *, b * display system (CIE table system) is as follows.
88 <L * <92, 1.8 <a * <2.5, 5.0 <b * <5.5.
[0149]
(Example 7)
On a part of the surface of the platinum film (decorative film layer) obtained in the same manner as in Example 5, a plating film having a different color tone from this film was formed by a wet plating method.
[0150]
That is, the substrate on which the coating was formed was subjected to electrolytic degreasing, neutralization, and washing with water as pretreatment, and was cleaned.
[0151]
Next, the substrate having this coating was immersed in a plating solution having the following composition, electroplated under the following plating conditions to form a gold strike plating coating having a thickness of 0.1 μm on the substrate surface, and washed with water.
《Gold strike plating》
<Composition of plating solution>
Gold 3-5g / l
Sulfuric acid 10g / l
<Plating conditions>
pH 0.3 or more and less than 1
Liquid temperature 25 ℃
Current density (Dk) 3-5 A / dm2
Time 30 seconds
[0152]
Next, the substrate having the gold strike plating film was immersed in a plating solution having the following composition, and electroplated under the following plating conditions to form a gold-iron alloy plating film having a thickness of 2.0 μm on the surface of the gold strike plating film. And washed with water.
<< gold-iron alloy plating >>
<Composition of plating solution>
Potassium cyanide @ 8.7 g / l (metal 5.0 g / l)
Iron chloride @ 2.7 g / l (metal 1.0 g / l)
Citric acid 150g / l or more
Sodium citrate @ 150 g / l or more
Brightener 10ml / l
<Plating conditions>
pH 3.5-3.7
Bath temperature 37-40 ° C
Current density (Dk) 1.0-1.5 A / dm2
Be (Baume specific gravity) $ 20
[0153]
Next, a part of the surface of the gold-iron alloy plating film is subjected to a masking treatment, and the gold-iron alloy plating film and the gold strike plating film are sequentially removed with an etching solution. A wristwatch case and a wristwatch band having a decorative coating layer of two different tones consisting of a coating and a gold-iron alloy plating coating were obtained.
[0154]
A stripping solution containing cyanide as a main component and an oxidizing agent was used as a stripping solution for the gold-iron alloy plating film and the gold strike plating film, and methylene chloride was used as a mask stripping solution.
[0155]
The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness meter, 5 g load, holding time 10 seconds) of the platinum coating formed on the surface of the watch case and the watch band obtained as described above is 1100, and the gold-iron alloy The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness tester, 5 g load, holding time 10 seconds) of the gold plating film was 120. These wristwatch cases and wristwatch bands had excellent scratch resistance, and were formed with a platinum color tone and a luxurious white film.
[0156]
The color evaluation of the decorative coating layer (white coating) using the L *, a *, b * display system (CIE table system) is as follows.
88 <L * <92, 1.8 <a * <2.5, 5.0 <b * <5.5.
[0157]
(Example 8)
On a part of the surface of the platinum film (decorative film layer) obtained in the same manner as in Example 5, a plating film having a color tone different from that of this film was formed by a dry plating method.
[0158]
That is, a mask material (epoxy-based resist) is applied to a part of the surface of the coating and dried, and then a titanium plating film having a thickness of 0.05 μm is formed on the surface of the coating and the surface of the mask material by a sputtering method (magnetron sputtering method). The film was formed under the following conditions.
<Deposition conditions>
Target: Titanium
Sputter gas: Argon gas
Film formation pressure: 0.02 Pa
Target applied power: 0.3-0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50 to -100 V
[0159]
Next, a 0.1 μm-thick silicon plating film was formed on the surface of the titanium plating film by a sputtering method (magnetron sputtering method) under the following film forming conditions.
<Deposition conditions>
Target: Silicon
Sputter gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.05 Pa
Target applied power: 0.3-0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50 to -100 V
[0160]
Next, a black diamond-like carbon (DLC) plating film having a thickness of 0.1 μm was formed on the surface of the silicon plating film by plasma CVD (Chemical Vapor Deposition) under the following film forming conditions.
<Deposition conditions>
Gas: benzene
Film forming pressure: 0.2 Pa
Filament current: 20A
Anode current: 2.0A
Cathode voltage (acceleration voltage): -1.0 to -5.0 kV
Next, the masking material is etched with methylene chloride, and the titanium plating film, the silicon plating film, and the DLC film formed immediately above the masking material are lifted off to form a platinum-colored film and a black DLC plating film. A watch case and a watch band having a decorative coating layer having two different tones were obtained.
[0161]
The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness meter, 5 g load, holding time 10 seconds) of the platinum coating formed on the surface of the watch case and the watch band obtained as described above is 1200, and the DLC plating coating Had a surface hardness of 1800 (Hv: micro Vickers hardness tester, 5 g load, holding time 10 seconds). These wristwatch cases and wristwatch bands had excellent scratch resistance, and were formed with a platinum color tone and a luxurious white film.
[0162]
The color evaluation of the decorative coating layer (white coating) using the L *, a *, b * display system (CIE table system) is as follows.
88 <L * <92, 1.8 <a * <2.5, 5.0 <b * <5.5.
[0163]
(Example 9)
First, a base material for a watch case and a base material for a watch band, which are decorative products obtained by machining titanium, were washed and degreased with an organic solvent. The surfaces of these substrates were mirror-finished by machining.
[0164]
Next, these substrates were mounted in a sputtering apparatus, and the surfaces of the substrates were bombarded and cleaned in an argon atmosphere.
[0165]
Next, a 0.05 μm-thick zirconium coating (underlayer) was formed on the surface of each of these substrates by sputtering (magnetron sputtering) under the following film forming conditions.
<Deposition conditions>
Target: Zirconium
Sputter gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.5 Pa
Target applied power: 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50V
[0166]
Next, a 0.6 μm-thick titanium carbide plating film (titanium carbide layer) having a white color tone was formed on the surface of the zirconium plating film formed on the surface of these substrates by a sputtering method (magnetron sputtering method) under the following film forming conditions. Formed.
<Deposition conditions>
Target: Titanium
Sputtering gas: mixed gas of methane gas and argon gas
Film forming pressure: 0.6 Pa
Target applied power: 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50V
[0167]
Then, a 0.2 μm thick stainless steel plating film (stainless steel film layer) having a white color tone was formed on the surface of the titanium carbide plating film formed on the surface of these substrates by sputtering (magnetron sputtering method) as follows. Formed under the conditions.
<Deposition conditions>
Target: Austenitic stainless steel SUS304
Sputter gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.2 to 0.9 Pa
Target applied power: 0.4 to 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): Ground to -300V
[0168]
Next, a platinum coating (decorative coating layer) having a thickness of 0.05 μm and having a white color was formed on the surface of the stainless steel plating coating formed on the surface of these substrates by sputtering (magnetron sputtering) under the following film forming conditions. Then, a platinum color watch case and a watch band were obtained.
<Deposition conditions>
Target: Platinum
Sputter gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.2 Pa
Target applied power: 0.5 kW
Bias voltage (acceleration voltage): -50V
[0169]
The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness tester, 5 g load, holding time 10 seconds) of the platinum coating formed on the surfaces of the watch case and the watch band obtained as described above was 1,300. These wristwatch cases and wristwatch bands had excellent scratch resistance, and were formed with a platinum color tone and a luxurious white film.
[0170]
The color evaluation of the decorative coating layer (white coating) using the L *, a *, b * display system (CIE table system) is as follows.
88 <L * <92, 1.8 <a * <2.5, 5.0 <b * <5.5.
[0171]
(Example 10)
First, a base material for a watch case and a base material for a watch band, which are decorative products obtained by machining stainless steel (SUS316L), were washed and degreased with an organic solvent. The surfaces of these substrates were mirror-finished by machining.
[0172]
Next, these substrates were mounted in an ion plating apparatus, and the surfaces of the substrates were bombarded and cleaned in an argon atmosphere.
[0173]
Next, a titanium carbide plating film (base layer) having a tilted structure having a carbon atom content of 5 μm to 15 atomic% and a thickness of 0.05 μm was formed on the surface of the base material by ion plating (hot cathode method) as follows. The film was formed under film forming conditions.
<Deposition conditions>
Evaporation source: titanium
Electron gun: 10 kV, 200-500 mA
Gas: Mixed gas of argon gas and methane gas
Film formation pressure: 0.004 to 0.009 Pa
Acceleration voltage (bias voltage): Ground to -100V
Anode voltage: 50V
Filament voltage: 7V
[0174]
Next, a titanium carbide plating film (titanium carbide layer) having a thickness of 0.6 μm and a white color tone of 40 ± 10 atomic% of carbon atoms was formed on the surface of the titanium carbide plating film formed as an underlayer on the surface of these substrates. The film was formed by the ion plating method (hot cathode method) under the following film forming conditions.
<Deposition conditions>
Evaporation source: titanium
Electron gun: 10kV, 300mA
Gas: mixed gas of methane gas and argon gas
Film formation pressure: 0.02 Pa
Acceleration voltage (bias voltage): Ground to -100V
Anode voltage: 60V
Filament voltage: 7V
[0175]
Next, a platinum coating (decorative coating layer) having a white color tone having a thickness of 0.05 μm was formed on the surface of the titanium carbide plating coating formed on the surface of these substrates by ion plating (hot cathode method) under the following film forming conditions. And a platinum-colored watch case and a watch band were obtained.
<Deposition conditions>
Evaporation source: Platinum
Electron gun: 10kV, 500mA
Gas: Argon gas
Film forming pressure: 0.2 Pa
Acceleration voltage (bias voltage): Ground to -50V
Anode voltage: 60V
Filament voltage: 7V
[0176]
The surface hardness (Hv: micro Vickers hardness meter, 5 g load, holding time 10 seconds) of the platinum coating formed on the surface of the watch case and the watch band obtained as described above was 1200. These wristwatch cases and wristwatch bands had excellent scratch resistance, and were formed with a platinum color tone and a luxurious white film.
[0177]
The color evaluation of the decorative coating layer (white coating) using the L *, a *, b * display system (CIE table system) was 88 <L * <92.
1.8 <a * <2.5 and 5.0 <b * <5.5.
[0178]
Further, the wristwatch case and the wristwatch band obtained as described above and the wristwatch case and the wristwatch band obtained in Example 5 were each subjected to a scratch test, and the adhesion of the coating film to the base material was compared. The measuring instrument used for the scratch test is a HEIDON-14 type surface property measuring instrument.
[0179]
Hereinafter, a decorative part sample of Example 5 having a base layer made of a titanium plating film and a titanium carbide plating film having a white color tone with a carbon atom content of 40 ± 10 atom%, and a carbonized material having a carbon atom content of 5 to 15 atom% A decorative part sample of Example 10 having a base layer made of a titanium plating film and a titanium carbide plating film having a white color tone of 40 ± 10 atomic% of carbon atoms was prepared, and the adhesion (critical load described later) of the film was measured. It was measured.
[0180]
The measurement conditions were as follows: a diamond indenter having a tip angle of 90 ° and a tip radius of curvature of 50 μm was used, the scratching speed was 30 mm / min, and the scratching load was changed every 50 gf from 50 gf to 300 gf.
[0181]
According to the measurement result, the resistance value rapidly changes when the scratch load exceeds a certain value, based on the scratch load and the resistance value after the scratch. This is thought to be because the scratch resistance value increases linearly with an increase in the load, but when the load exceeds the critical load, cracks occur in the coating formed on the base material, and chipping peeling occurs. . Then, due to the generated cracks and chipping peeling, the scratch resistance value shows a sharp increase, and the friction coefficient increases. From the value of the critical load, the adhesion of the coating to the substrate can be evaluated. Here, the point of the abruptly changed scratch load was observed with an optical microscope to evaluate the adhesion strength of the coating.
[0182]
In Example 5, chipping peeling occurred when the scratching load was set to 200 gf. On the other hand, in Example 10, when the scratching load was 250 gf, chipping peeling occurred. That is, the critical load in Example 5 was 200 gf, and the critical load in Example 10 was 250 gf. From this, it is understood that the decorative component of Example 10 has a coating adhesive force 25% higher than that of the decorative component of Example 5.
[0183]
In addition, in Examples 1 to 10, it goes without saying that a plating film made of tungsten carbide can be formed as a decorative base material and a chromium, hafnium, vanadium, or niobium plating film can be formed as a base layer. In the first to tenth embodiments, the watch case and the wristwatch band are manufactured. Needless to say, the techniques described in the first to tenth embodiments can also be applied to ornaments such as necklaces, pendants, and brooches.
[0184]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the color tone peculiar to a platinum or a platinum alloy film is obtained, and therefore, there is a high-grade feeling, it is hard, the appearance quality is hardly degraded due to dents, scratches, and the like. It is possible to provide a decorative article having a certain white coating and a method for producing the same.
[0185]
In addition, if a stainless steel coating layer is formed between the titanium carbide layer and the decorative coating layer, when a problem such as color unevenness occurs in the platinum or platinum alloy coating, the decorative article base material, the base layer, and the carbonized Platinum or platinum alloy coating can be peeled off using aqua regia without attacking the titanium layer, and after peeling, regeneration is possible by forming a platinum coating or platinum alloy coating on the surface of the stainless steel coating layer again And a method for manufacturing the same.
Claims (47)
金属またはセラミックスからなる装飾品用基材と、
該基材表面に形成された下地層と、
該下地層表面に乾式メッキ法により形成された炭化チタン層と、
該炭化チタン層の表面に、乾式メッキ法により形成されたプラチナまたはプラチナ合金からなる装飾被膜層と
から構成され、
前記炭化チタン層の厚みが0.5〜1.0μmであり、前記装飾被膜層が厚み0.03〜0.06μmの白色被膜であることを特徴とする白色被膜を有する装飾品。In a decorative article in which a decorative film having a white color tone made of a noble metal or a noble metal alloy is formed by a dry plating method as an outermost layer,
A decorative article base material made of metal or ceramics,
An underlayer formed on the substrate surface,
A titanium carbide layer formed on the underlayer surface by a dry plating method,
On the surface of the titanium carbide layer, a decorative coating layer made of platinum or a platinum alloy formed by a dry plating method,
A decorative article having a white coating, wherein the titanium carbide layer has a thickness of 0.5 to 1.0 μm and the decorative coating layer is a white coating having a thickness of 0.03 to 0.06 μm.
4.5<b*<6.5、好ましくは88<L*<92、1.8<a*<2.5、5.0<b*<5.5であることを特徴とする請求項1または11に記載の白色被膜を有する装飾品。The color evaluation of the decorative coating layer according to the L *, a *, b * color system (CIE table system) was 85 <L * <95, 1.5 <a * <4.0,
4.5 <b * <6.5, preferably 88 <L * <92, 1.8 <a * <2.5, 5.0 <b * <5.5. A decorative article having the white coating according to 1 or 11.
ΔL*=±6.0、Δa*=±1.55、Δb*=±2.25
であることを特徴とする請求項1または11に記載の白色被膜を有する装飾品。The Δ values of L *, a *, and b * of the decorative coating layer formed on the decorative article base material having various surface finishes are as follows:
ΔL * = ± 6.0, Δa * = ± 1.55, Δb * = ± 2.25
The decorative article having a white film according to claim 1 or 11, wherein:
該基材表面に、乾式メッキ法または湿式メッキ法により下地層を形成する工程と、
該下地層の表面に乾式メッキ法により炭化チタン層を形成する工程と、
該炭化チタン層表面に、乾式メッキ法により最外層としてプラチナまたはプラチナ合金からなる装飾被膜層を形成する工程と
を含むことを特徴とする白色被膜を有する装飾品の製造方法。In a method of manufacturing a decorative article in which a decorative film having a white color tone made of a noble metal or a noble metal alloy is formed by a dry plating method as an outermost layer, a material made of a metal or ceramic is used. Manufacturing process;
Forming a base layer on the surface of the base material by a dry plating method or a wet plating method;
Forming a titanium carbide layer on the surface of the underlayer by dry plating;
Forming a decorative coating layer made of platinum or a platinum alloy as an outermost layer on the surface of the titanium carbide layer by a dry plating method.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003071969A JP4067434B2 (en) | 2002-05-23 | 2003-03-17 | Decorative article having white coating and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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