JP2004043567A - 共重合ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

共重合ポリアミド樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】産業用材料として好適な成形時の溶融粘度の安定性に優れかつ熱分解成分による金型の汚染が低減され、かつ得られる成形品の色調、外観、耐候性に優れ、かつ真円性に優れる共重合ポリアミド樹脂組成物の提供。
【解決手段】ポリアミド66単位90〜99.9重量%とポリアミド6単位0.1〜10重量%とからなり、かつ末端がモノカルボン酸あるいはモノアミンで1〜70(ミリ当量/Kg)封鎖されている共重合ポリアミド(A)100重量部に対して、ヒンダードフェノール類あるいはホスファイト類から選ばれる有機系熱安定剤(B)0.01〜1重量部を含有する共重合ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】 選択図なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、様々な機械工業部品、電気電子部品などの産業用材料として好適な成形時の溶融粘度の安定性に優れかつ熱分解成分による金型の汚染が低減されるという優れた成形性を有し、かつ得られる成形品の色調、外観、耐候性、真円性に優れる共重合ポリアミド樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミドは機械特性、耐熱性、耐薬品性などに優れることからエンジニアリングプラスチックとして自動車部品、電気部品、工業部品などさまざまな用途に用いられている。近年では、ポリアミド樹脂成形品の形状の複雑化、薄肉化、特殊化が進み、これに対応可能なポリアミド樹脂が求められるようになっている。例えば、ネジ部を持った真円状の形状を持った嵌合部品などへの応用を例示することができる。また、経済性の観念や環境問題の観点からハイサイクル化やリサイクルペレットの使用にも対応可能なポリアミド樹脂材料も強く要求されている。
【0003】
しかしながら前記のような成形品を作る際には成形温度を高温にしたり、ホットランナー成形法を用いたりするため熱滞留温度や時間が増加する傾向にあり、従来よりも樹脂の熱酸化劣化や熱分解が起こりやすいという問題が発生している。かかる熱酸化劣化は樹脂の黄色く着色させ、得られた成形品の色調や透明性を低下させる。また、熱分解は揮発性のオリゴマーの生成が起こり、この揮発成分が成形品表面に付着して成形品の外観を損なう結果となる。さらに、この樹脂分解物は金型や紡口等へも付着するため、金型や紡口を頻繁に掃除しなければならず継続して安定成形を阻害することとなる。その上、樹脂の熱劣化や熱分解が進むと樹脂の粘度が変化する。熱滞留中の樹脂の粘度変化も成形条件を不安定化させる要因なるばかりか、得られる成形品の機械物性の低下の要因にもなる。
【0004】
このような熱劣化や熱分解を防止する方法として、一般には不活性ガス環境下での成形加工を行う方法があげられるが重合から後加工までの全ての工程を不活性ガスでシールすることは不経済であり現実的ではない。また、ポリアミドの熱劣化や熱分解を防止するために熱安定剤を配合する検討がなされている。例えばリン酸やリン酸塩類、あるいは次亜リン酸、亜リン酸の金属塩を添加する方法(特開2000−129119号公報)、公知の熱安定剤を添加する方法(特開平7−118926号公報)、末端封止剤を添加する方法(特開平8−3443号公報、特開2001−26647号公報)などが開示されている。しかしながら従来の方法ではある程度の熱安定性の向上は見られるが、十分に満足できる成果を出すには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、様々な機械工業部品、電気電子部品などの産業用材料として好適な成形時の溶融粘度の安定性に優れかつ熱分解成分による金型の汚染が低減されるという優れた成形性を有し、かつ得られる成形品の色調、外観、耐候性に優れ、更には真円性に優れる共重合ポリアミド樹脂を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記本発明課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定量の高分子末端が封鎖されているポリアミド66とポリアミド6からなる特定の共重合ポリアミドに、熱安定剤を含有させた共重合ポリアミド樹脂組成物により、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
(1)ポリアミド66単位90〜99.9重量%とポリアミド6単位0.1〜10重量%とからなり、かつ末端がモノカルボン酸あるいはモノアミンで1〜70(ミリ当量/Kg)封鎖されている共重合ポリアミド100(A)重量部に対して、ヒンダードフェノール類あるいはホスファイト類から選ばれる少なくとも1つの有機系熱安定剤(B)0.01〜1重量部を含有することを特徴とする共重合ポリアミド樹脂組成物、
(2)ポリアミド66原料90〜99.9重量%、およびポリアミド6原料0.1〜10重量%からなるポリアミド原料100重量部に対し、モノカルボン酸あるいはモノアミン0.07〜0.4重量%を重合して共重合ポリアミド(A)を得、該共重合ポリアミド100重量部に対して、ヒンダードフェノール類あるいはホスファイト類から選ばれる少なくとも1つの有機系熱安定剤(B)0.01〜1重量部を含有させ得られることを特徴とする上記1に記載の共重合ポリアミド樹脂組成物、
(3)上記(1)か(2)のいずれかに記載の共重合ポリアミド樹脂組成物から得られることを特徴とする射出成形品、
である。以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】
本発明における共重合ポリアミドは、ポリアミド66(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド6(カプロアミド)ならびに末端封鎖剤としてモノカルボン酸あるいはモノアミンを含有している。
本発明における共重合ポリアミド中のポリアミド66単位の含有量は90〜99.9重量%であり、より好ましくは95〜99.5重量%であり、更に好ましくは97〜99.5重量%である。
【0009】
本発明における共重合ポリアミドのポリアミド6単位の含有量は0.1〜10重量部であり、好ましくは0.5〜5重量%であり、更に好ましくは0.5〜3重量%である。ポリアミド66単位とポリアミド6単位との含有量は、Hあるいは13C−核磁気共鳴法(NMR)や熱分解ガスクロマトグラフィー(Py−GC)/MS法を用いて測定することができる。共重合ポリアミド中のポリアミド66単位は、得られる成形品の強度、吸水時の剛性、外観の低下およびガス発生による金型汚染の観点から決められる。
【0010】
本発明の共重合ポリアミドの末端カルボキシル基濃度[COOH](ミリ当量/Kg)と末端アミノ基濃度(ミリ当量/Kg)は、その和[COOH]+[NH]が約50〜200(ミリ当量/Kg)であり、かつその比[COOH]/[NH]が0.1〜10程度の範囲にあることが好ましい。
【0011】
本発明の共重合ポリアミドは、末端基封鎖剤としてモノカルボン酸あるいはモノアミンを含有している。該末端封鎖剤の含有量は1〜70(ミリ当量/Kg)であり、好ましくは5〜50(ミリ当量/Kg)であり、更に好ましくは10〜30(ミリ当量/Kg)である。末端基封鎖剤であるモノカルボン酸あるいはモノアミンの定量は、本発明者らの経験から、下記式により求まることがわかっている。より具体的には、ASTM D789に準じて測定して求まる分子量(RV)、測定したカルボキシル基濃度[COOH]及び末端アミノ基濃度[NH]を用いて、下記式から算出できる。
Figure 2004043567
【0012】
前記モノカルボン酸は、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸などを挙げることができる。本発明では、これらのモノカルボン酸を1種で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。本発明においては、これらモノカルボン酸の中でも、酢酸、安息香酸が好ましく用いられる。
【0013】
前記モノアミンとは、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンなどの芳香族モノアミンなどを挙げることができる。本発明では、これらのモノアミンを1種で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0014】
本発明の共重合ポリアミド原料は、ポリアミド66原料、ポリアミド6原料並びに末端封鎖剤として前記モノカルボン酸あるいはモノアミンを含有しているものである。
本発明におけるポリアミド66原料はアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの塩あるいは混合物あるいはそれらのオリゴマーであり、ポリアミド66原料は共重合ポリアミド原料中、90〜99.9重量%であり、好ましくは95〜99.5重量%、更に好ましくは97〜99.5重量%である。
【0015】
本発明におけるポリアミド6原料はε−カプロラクタムあるいはそのオリゴマーである。ポリアミド6原料は共重合ポリアミド原料中0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%、更に好ましくは0.5〜3重量%でである。本発明における末端封止剤は前記共重合ポリアミド原料中0.07〜0.4重量%であり、好ましくは0.01〜0.35重量%であり、更に好ましくは0.05〜0.2重量%である。
【0016】
なお、本発明の共重合ポリアミドには、本発明の目的を損なわない程度で、ポリアミド66、ポリアミド6以外、例えばポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T(T:テレフタル酸)、ポリアミド6I(I:イソフタル酸)などの他のポリアミド成分を混合あるいは共重合させてもかまわない。
本発明の共重合ポリアミド樹脂組成物には熱安定剤として銅化合物とヨウ素銅化合物を含有することができる。銅化合物としては、銅元素の金属化合物を挙げることができ、例えば、銅のハロゲン化物、硫酸塩、酢酸塩、プロピオオン酸塩、安息香酸塩、アジピン酸塩、テレフタル酸塩、サルチル酸塩、ニコチン酸塩、ステアリン酸塩や、エチレンジアミン(en)、エチレンジアミン四酢酸等のキレート化合物など、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。この中でも、好ましいものとしては、ヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第二銅、塩化第一銅、酢酸銅を挙げることができる。
【0017】
本発明のヨウ化銅以外のヨウ素化合物は、ヨウ素と元素周期律表の1あるいは2族の金属元素との塩であり、好ましいものとしては、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができ、中でも最も好ましいものとしては、ヨウ化カリウムを挙げることができる。
本発明の銅化合物とヨウ素銅以外のヨウ素化合物との配合量は、共重合ポリアミド100重量部に対して0.01〜1重量部であることが好ましく、0.05〜0.75重量部がより好ましく、0.05〜0.5重量部が最も好ましい。
【0018】
本発明においては、銅化合物とヨウ素銅以外のヨウ素化合物とは、組み合わせて用いるが、金型汚染性がより改善されるという観点から、ヨウ素と銅元素とのモル比が1〜50の範囲が好ましく、10〜30の範囲がより好ましい。
共重合ポリアミドに銅化合物とヨウ素銅以外のヨウ素化合物を配合する方法は、例えば、該化合物を共重合ポリアミド原料に配合する方法、共重合ポリアミド重合過程で配合する方法、共重合ポリアミドペレット表面に付着させる方法、共重合ポリアミドに溶融混練法により配合する方法、マスターバッチとして共重合ポリアミドに配合する方法など、あるいはこれらの方法を組み合わせて配合する方法など、いずれの方法を用いてもかまわない。本発明においては、中でも共重合ポリアミド原料に配合する方法が好ましい方法として挙げることができる。
【0019】
本発明の共重合ポリアミドの好ましい重合方法は、より具体的には、ヘキサメチレンアジパミド、カプロラクタム、末端封鎖剤の共重合ポリアミド原料に、必要に応じて、銅化合物、ヨウ素銅以外のヨウ素化合物、消泡剤等を配合し、40〜300℃の温度下、加熱濃縮し、発生する水蒸気圧を常圧〜20気圧の間の圧力に保ち、最終的には圧力を抜き常圧あるいは減圧し重縮合を行う熱溶融重縮合法である。さらには、ジアミン・ジカルボン酸固体塩や重縮合物の融点以下の温度で行う固相重合法、ジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分とを溶液中で重縮合させる溶液法なども用いることができる。これらの方法は必要に応じて組み合わせてもかまわない。また、重合形態としては、バッチ式でも連続式でもかまわない。また、重合装置も特に制限されるものではなく、公知の装置、例えば、オートクレーブ型の反応器、タンブラー型反応器、ニーダーなどの押出機型反応器などを用いることができる。
【0020】
本発明の共重合ポリアミドの分子量は、ASTM D789に準じて測定して求まる分子量(RV)にして、20〜500が好ましく、25〜350がより好ましく、30〜300が最も好ましい。分子量(RV)は、溶媒として90%蟻酸を用いて、3gサンプル/30ml蟻酸の濃度で、25℃の温度条件下で行う。
本発明の有機系熱安定剤は、ヒンダードフェノール類、ホスファイト類から選ばれる少なくとも1つの熱安定剤である。
【0021】
前記ヒンダードフェノール類は、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールが挙げられる。
【0022】
また、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、3,3′,3″,5,5′,5″−ヘキサン−tert−ブチル−4−a,a′,a″−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]が挙げられる。
【0023】
また、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0024】
前記ホスファイト類は、例えば、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルージフェニルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイトが挙げられる。
【0025】
また、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)−ジホスファイト、4,4’−イソプロピリデン−ジフェノールアルキルホスファイト(但し、アリキルは炭素数12〜15程度)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノ−ル)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジホスファイトが挙げられる。
【0026】
また、テトラ(C1〜C15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10−ジ−ヒドロ−9−オキサ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェンールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス(4,4’ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル))・1,6−ヘキサンオールジフォスファイトが挙げられる。
【0027】
また、ヘキサトリデシル−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ジホスファイト、トリス(4、4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール))ホスファイト、トリス(1,3−ステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、2、2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2−メチレンビス(3−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイトおよびテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイトなどあるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0028】
さらに、好ましいホスファイト化合物としてペンタエリスリトール型ホスファイト化合物が挙げられる。ペンタエリストール型ホスファイト化合物の具体的な例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・メチル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−エチルヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソデシル・ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。
【0029】
また、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ラウリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソトリデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ステアリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・シクロヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ベンジル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・エチルセロソルブ・ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。
【0030】
また、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ブチルカルビトール・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ノニルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,6−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。
【0031】
また、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−シクロヘキシルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリストリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−オクチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
【0032】
本発明の有機系熱安定剤は、前記ヒンダードフェノール類、ホスファイト類から選ばれる少なくとも1種の化合物であれば良く、それらの配合量は、本発明の共重合ポリアミド100重量部に対して、0.01〜1重量部、好ましくは0.02〜0.75重量部、更には0.025〜0.7重量部、最も好ましくは0.05〜0.5重量部である。前記の有機熱安定剤の配合量は、金型汚染性などの改良効果が十分でなく、また成形品表面の銀状発生、靱性の観点から決められる。
【0033】
本発明の共重合ポリアミド樹脂組成物の製造方法は、共重合ポリアミドに有機系熱安定剤を配合する方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、共重合ポリアミド樹脂ペレット表面に有機系熱安定剤を付着させる方法、共重合ポリアミド樹脂に溶融混練法により有機系熱安定剤を配合する方法、有機系熱安定剤のマスターバッチを共重合ポリアミド樹脂に配合する方法など、あるいはこれらの方法を組み合わせて配合する方法など、いずれの方法を用いてもかまわない。
【0034】
前記溶融混練法を用いる場合には、溶融混練を行う装置としては、一般に実用されている混練機が適用できる。例えば、一軸または多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサーなどを用いれば良い。中でも、減圧装置、およびサイドフィーダー設備を装備した2軸押出機が最も好ましい。溶融混練の方法は、全成分を同時に混練を行ってもよく、あらかじめ予備混練したブレンド物を用いて混練する方法、更に押出機の途中から逐次、各成分をフィードし、混練を行ってもよい。溶融混練の条件は、特に制限されるものではないが、減圧度に関しては、0〜0.07Mpa程度が好ましい。混練の温度は、JISK7121に準じた示差走査熱量(DSC)測定で求まる融点より1〜100℃程度高い温度が好ましい。混練機での剪断速度は100(SEC−1)以上程度であることが好ましく、混練時の平均滞留時間は、1〜15分程度が好ましい。樹脂組成物中の溶媒は1重量%程度以下であることが好ましい。上記範囲を外れた場合には、生産性が低下したり、成形加工性が低下したり、得られた成形品の外観が十分でなかったり、また物性の改良効果が十分でなかったりする場合がある。
【0035】
本発明の共重合ポリアミド樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない程度で、ポリアミド樹脂に慣用的に用いられる添加剤、例えば顔料および染料、難燃剤、潤滑剤、蛍光漂白剤、可塑化剤、有機酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、核剤、ゴム、並びに強化剤を含有することもできる。
本発明の共重合ポリアミド樹脂組成物は、公知の成形方法、例えばプレス成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、溶融紡糸など、一般に知られているプラスチック成形方法を用いても、良好に成形加工ができる。中でも、射出成形性に優れる。
【0036】
本発明における射出成形品は、射出成形により得られた成形品であれば特に限定はされないが、特に、結束バンド、タグピン等のハイサイクルが要求される薄肉成形品、形状が円筒状でかつネジ構造を有する嵌合部品用の成形品、更にはそり、寸法特性が要求される薄肉の平板状の成形品等に好適に利用される。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において記載した物性評価は、以下のように行った。
【0038】
1.共重合ポリアミド樹脂の特性
(1−1)分子量(RV)
溶媒として90%蟻酸を用いて、3gサンプル/30ml蟻酸の濃度で、25℃の温度条件下で行った。
(1−2)末端基濃度
(a)カルボキシル基濃度[COOH](ミリ当量/Kg)
試料4.0gをベンジルアルコール50mlに170℃で溶解し、フェノールフタレインを指示薬として、1/10規定の水酸化ナトリウム溶液(エチレングリコール溶液)で中和滴定して求めた。
(b)アミノ基濃度[NH2](ミリ当量/Kg)
試料4.0gを90重量%フェノール50mlに50℃で溶解し、PHメーターを用い、1/20規定の塩酸で中和滴定して求めた。
【0039】
(c)末端封止剤の含有量[末端封止剤](ミリ当量/Kg)
前記(1−1)の方法で求まる分子量(RV)、(1−2)の(a)及び(b)で求まる[COOH]及び[NH]を用いて、下記式から算出できる。
Figure 2004043567
【0040】
2.共重合ポリアミド樹脂組成物の物性
(2−1)曲げ弾性率および曲げ強度(MPa)
ASTM D790に準じて行った。
(2−2)引張り強度(MPa)および引張伸度(%)
ASTM D638に準じて行った。
(2−3)熱分解によるガス成分の量(重量%)
12mgの試料をTG−DTA装置(理学電機、Thermo Plus2 TG8120)にセットし、炉内に空気を30ml/分で流通させる空気雰囲気で測定した。温度条件は、100℃/分で室温から280℃まで昇温し、280℃で30分間保持した。加熱前の重量(W)と280℃で30分保持した後の重量(W)を測定し、下記式からガス成分の量(重量%)を求めた。
ガス成分の量(重量%)=(W−W)×100/W
【0041】
3.評価項目
(3−1)機械物性
射出成形機(日精樹脂(株)製FN3000)を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定し、射出14秒、冷却15秒の射出成形条件で評価用試験片を得た。
(a)曲げ弾性率および曲げ強度(MPa)
ASTM D790に準じて行った。
【0042】
(b)引張り強度(MPa)および引張伸度(%)
ASTM D638に準じて行った。
【0043】
(c)耐候性
85mm×55mm×3mmの平板を用いて実施した。耐候試験は、メタルハライド法(波長=295〜780nm)で行った。装置はダイプラ社製メタルウェザーKU−R4型、63℃の温度条件下で、湿度1(70%RH)/湿度2(90%RH)の条件で4時間/1時間の周期で繰り返し、かつ湿度1及び湿度2の周期が完了した直後に約30秒の水を試験片にスプレーした。耐候試験時間は、500時間行い、成形品の表面状態を目視にて以下の様に評価した。
○:成形品表面はほとんど劣化していない。
△:成形品表面の一部が劣化している。
×:成形品表面の劣化が激しい。
【0044】
(3−2)円筒状でネジ構造を有する嵌合部品の物性
射出成形機(東芝機械(株)製IS150)を用いて、シリンダー温度300℃、金型温度100℃に設定し、射出14秒、冷却30秒の射出成形条件で評価用試験片を得た。円筒状構造を有する筒状部材とネジ構造を有するボルト部品と両端ナット部品を射出成形し評価した。
(a)金型汚染性
ナット部の射出成形を30ショット行い、金型の汚れの状態を目視にて評価した。
○:金型がほとんど汚れていない。
△:金型の一部が汚れている。
×:金型が全面汚れている。
(b)成形品の色調
ボルト部とナット部の成形品の色調を目視にて評価した。
○:成形品はほとんど着色せず白い。
△:成形品はやや着色しており、やや黄色い。
×:成形品の着色がひどく、褐色である。
【0045】
(c)成形品の外観
ボルト部とナット部の成形品の外観を目視にて評価した。
○:成形品の外観は良好である。
△:成形品は一部に銀状のシルバーがある。
×:成形品は銀状のシルバーが多くあり不良である。
(d)回動操作性
ボルトとナットを互いに勘合させ、その回動操作時の円滑性の感触の良否、及びきしみ音の発生の有無で評価した。
○:円滑良好かつきしみ音無し
△:ある程度良好かつきしみ音無し
×:不良かつきしみ音有り
(e)圧縮試験
23℃×50%RHの雰囲気下で平衡吸水化させたナット部とボルト部を勘合させ、東洋ボールドウイン(株)製圧縮試験機UTM−5Tを用い、製品高さL=580mm、歪み速度50mm/分で圧縮したときの圧縮強度を測定した。
【0046】
(製造例1)
共重合ポリアミド(1)の製造
共重合ポリアミド原料として、ポリアミド66原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)1600kgとポリアミド6原料(カプロラクタム)16kgを含有する50重量%水溶液、末端封鎖剤として酢酸1.38kgを用いた。この共重合ポリアミド原料水溶液にシリコーン系消泡剤55gを配合し、下部に放出ノズルを有する約4000リットルのオートクレーブ中に仕込み、50℃の温度の温度条件で混合し窒素で置換した。次に温度を50℃から約150℃まで約1時間かけて昇温した。この際オートクレーブ内の圧力をゲージ圧にして約0.15MPaに保つため水を系外に除去しながら加熱を続けた。更にオートクレーブを密閉状態にし、温度を150℃から約220℃まで約1時間かけて昇温して圧力をゲージ圧にして約1.77MPaまで上昇させた。
【0047】
その後、温度を約220℃から約280℃まで約1時間かけて昇温するが、圧力は約1.77MPaで保つように水を系外に除去しながら加熱を行った。最後に、約1時間かけて圧力を大気圧まで降圧し、大気圧になった後、下部ノズルからストランド状にペレットを排出し、水冷、カッティングを行い共重合ポリアミド樹脂(1)ペレットを得た。得られたペレットを窒素気流中、90℃の条件下で4時間乾燥した。該ポリアミド樹脂(1)ペレットの相対粘度(RV)は46.5であった。また、カールフィッシャー法で測定した水分率は0.2重量%であった。
【0048】
(製造例2)
共重合ポリアミド(2)の製造
共重合ポリアミド原料を、ポリアミド66原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)1600kgとポリアミド6原料(カプロラクタム)16kgを含有する50重量%水溶液、末端封鎖剤として酢酸1.38kg用いた。この共重合ポリアミド原料にヨウ化銅0.265Kgとヨウ化カリウム4.38Kgの混合物、シリコーン系消泡剤55gを配合し、下部に放出ノズルを有する約4000リットルのオートクレーブ中に仕込み、製造例1と同様にして実施した。
【0049】
(製造例3)
共重合ポリアミド(3)の製造
末端封鎖剤として酢酸2.76Kgを用いる以外は、実施例1と同様にして実施した。
【0050】
(製造例4)
共重合ポリアミド(4)の製造
共重合ポリアミド原料をポリアミド66原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)1600Kgとポリアミド6原料(カプロラクタム)40Kg、末端封鎖剤として酢酸1.38Kgを含有する50重量%水溶液を用い、実施例1と同様にして実施した。
【0051】
(製造例5)
ポリアミド(5)の製造
ポリアミド原料を、ポリアミド66原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)1600Kgのみとする以外は実施例1と同様にして実施した。
【0052】
(製造例6)
共重合ポリアミド(6)の製造
共重合ポリアミド原料に末端封止剤を添加せず、製造例1と同様にして実施した。
【0053】
(製造例7)
共重合ポリアミド(7)の製造
末端封鎖剤として、酢酸10Kgを用いる以外は、実施例1と同様にして実施した。
【0054】
【実施例1】
製造例1の共重合ポリアミド(1)100重量部に対して、Irganox1098(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製N,N−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオアミド])を0.2重量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて290℃の条件下で溶融混練して、共重合ポリアミド樹脂組成物を得た。評価結果を表1に示す。
【0055】
【実施例2】
共重合ポリアミド(1)の代わりに製造例3の共重合ポリアミド(3)を用いる以外は実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。
【0056】
【実施例3】
共重合ポリアミド(1)の代わりに製造例4の共重合ポリアミド(4)を用いる以外は実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。
【0057】
【比較例1】
共重合ポリアミド(1)の代わりに製造例4のポリアミド(4)を用いる以外は実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。
【0058】
【比較例2】
共重合ポリアミド(1)の代わりに製造例5の共重合ポリアミド(5)を用いる以外は実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。
【0059】
【比較例3】
共重合ポリアミド(1)の代わりに製造例6の共重合ポリアミド(6)を用いる以外は実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す
【0060】
【実施例4】
Irganox1098(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製N,N−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオアミド])を0.1重量を用いる以外は実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。
【0061】
【実施例5】
Irganox1098を0.2重量部使用する代わりに、Irgafos168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト)との混合物(重量比にして1/1)を0.3重量部用いる以外は実施例1と同様にして実施した。評価結果を表2に示す。
【0062】
【実施例6】
製造例2の共重合ポリアミド(2)100重量部に対して、Irganox1098を0.2重量部、黒色マスターバッチを2重量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて290℃の条件下で溶融混練して、共重合ポリアミド樹脂組成物を得た。評価結果を表2に示す。
【0063】
【比較例4】
製造例2の共重合ポリアミド(2)100重量部に対して、黒色マスターバッチを2重量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて290℃の条件下で溶融混練して、共重合ポリアミド樹脂組成物を得た。評価結果を表2に示す。
【0064】
【表1】
Figure 2004043567
【0065】
【表2】
Figure 2004043567
【0066】
【発明の効果】
本発明における共重合ポリアミド樹脂組成物は、成形時の溶融粘度の安定性に優れかつ熱分解成分による金型の汚染が低減されるという優れた成形性を有し、かつ得られる成形品の色調、外観、耐候性に優れ、かつ真円性に優れるという特徴を持っている。特に射出成形においてその改良効果が顕著であるため、結束バンド、タグピン等のハイサイクルが要求される薄肉成形品、あるいは薄肉の平板状の成形品、更には形状が円筒状でかつネジ構造を有する嵌号部品用の成形品等に好適に利用されることが期待される。

Claims (3)

  1. ポリアミド66単位90〜99.9重量%とポリアミド6単位0.1〜10重量%とからなるり、かつ末端がモノカルボン酸あるいはモノアミンで1〜70(ミリ当量/Kg)封鎖されている共重合ポリアミド(A)100重量部に対して、ヒンダードフェノール類あるいはホスファイト類から選ばれる少なくとも1つの有機系熱安定剤(B)0.01〜1重量部を含有することを特徴とする共重合ポリアミド樹脂組成物。
  2. ポリアミド66原料90〜99.9重量%、およびポリアミド6原料0.1〜10重量%からなるポリアミド原料100重量部に対し、モノカルボン酸あるいはモノアミン0.007〜0.4重量%を重合して共重合ポリアミド(A)を得、該共重合ポリアミド100重量部に対してヒンダードフェノール類あるいはホスファイト類から選ばれる少なくとも1つの有機系熱安定剤(B)0.01〜1重量部を含有させ得られることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリアミド樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の共重合ポリアミド樹脂組成物から得られることを特徴とする射出成形品。
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