JP2004043561A - 機能性を有する高通気性・低反発弾性フォーム - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた低反発弾性を有し、フォーム成分中に含有させた機能性添加物の有する効果が、継続的に有効に発揮し得る低反発弾性ポリウレタンフォームを提供すること。
【解決手段】機能性添加物の少なくとも1種を添加してなり、JIS K 6400(1997)のA法に準拠する方法にて測定した反発弾性率が1〜20%であり、JIS K 6400(1997)のB法に準拠する方法で測定した通気度が1〜2dm3/sである機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームであり、かかるポリウレタンフォームが、高分子量ポリオールと低分子量2価アルコールおよび低分子量3価アルコールからなる混合ポリオールをポリオール成分とし、該ポリオール成分とポリイソシアネート化合物を反応させて得られるものであり、機能性添加剤を含有させた機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームである。
【選択図】 なし
【解決手段】機能性添加物の少なくとも1種を添加してなり、JIS K 6400(1997)のA法に準拠する方法にて測定した反発弾性率が1〜20%であり、JIS K 6400(1997)のB法に準拠する方法で測定した通気度が1〜2dm3/sである機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームであり、かかるポリウレタンフォームが、高分子量ポリオールと低分子量2価アルコールおよび低分子量3価アルコールからなる混合ポリオールをポリオール成分とし、該ポリオール成分とポリイソシアネート化合物を反応させて得られるものであり、機能性添加剤を含有させた機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームである。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高通気性を有し、低反発弾性であると共に、抗菌剤、消臭剤、脱臭剤、香料等の機能性添加物を低反発弾性フォーム内部に含有させ、その機能を効果的に発揮させ得る軟質ポリウレタンフォームに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、枕、マットレス、クッション、座布団、衣類用のパット等に使用されている低反発弾性の軟質ポリウレタンフォームが知られている。これらの製品に使用されるポリウレタンフォームは、ウレタンフォームの樹脂組成、すなわちポリオール成分およびポリイソシアネート化合物の種類を適宜選択して、所望の反発弾性率を有するポリウレタンフォームを得るように処方されている。
【0003】
また、このような低反発弾性ポリウレタンフォームに各種機能性を持たせるために、例えば抗菌剤、消臭剤、脱臭剤、香料等の機能性添加物を添加することが考えられるが、フォーム自体に通気性がほとんどないため、フォーム中に含有された機能性添加剤の効果は、ウレタンフォームの表面部分にのみ存在する機能性添加剤に基づくものでしかない。
【0004】
たとえば、低反発弾性ポリウレタンフォーム成分中に竹炭等の炭粉あるいはカーボンブラック(炭素粉)を添加して、防臭効果、吸湿効果の発揮を意図したウレタンフォームが提案されている(特開2002−114904)。しかしながら、ここで使用している低反発弾性ポリウレタンフォーム成分は、通常の低反発弾性ポリウレタンフォームであることより通気性がほとんどなく、添加した竹炭あるいはカーボンブラック(炭素粉)による脱臭効果等は、フォームの表面部分に存在するものに由来するだけであり、あまり期待できないものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、上記した現状に鑑み、優れた低反発弾性を有し、フォーム成分中に含有させた機能性添加物の有する効果が、継続的に有効に発揮し得る低反発弾性ポリウレタンフォームを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる課題を解決するために、種々検討を重ねた結果、低反発弾性率を有し、低反発弾性のポリウレタンフォームにあっても、特定の通気度を有する高通気性のポリウレタンフォームを使用し、そのフォーム中に機能性添加物を含有させれば、フォーム内部に含有させた機能性添加物の有する効果が、高通気性を有するがゆえに、継続的に有効に発揮し得るものであることを確認し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
したがって上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、機能性添加物の少なくとも1種を添加してなり、JIS K 6400(1997)のA法に準拠する方法にて測定した反発弾性率が1〜20%であり、かつ、JIS K 6400(1997)のB法に準拠する方法で測定した通気度が1〜2dm3/sである機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームである。
【0008】
この通気度が1dm3/s未満の場合には、フォーム全体への通気性欠如するものであって、フォーム内部に含有させた機能性添加物の効果を有効に発揮することが困難となり、好ましいものではない。また通気度が2dm3/sを超える場合には、フォームを圧縮させた後のフォームの戻りが速くなり、低反発弾性ポリウレタンフォームの特性を確保することが困難なものとなる。
【0009】
さらに、反発弾性率が20%を超える場合には、低反発弾性フォームの特性が得られない。反発弾性率が10%以下である場合には、フォームを圧縮した後のもとに戻るスピードがゆっくりであり好ましい。しかしながら、反発弾性率が1%未満のものは、ポリウレタンフォームにべたつきが生じやすく、製品とならない場合が多い。
【0010】
さらに、請求項4に記載の発明は、ポリオール成分100重量部に対して機能性添加物の少なくとも1種を10重量部以下含有した機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームである。
【0011】
添加する機能性添加物の添加物が10重量部を超える場合には、機能性添加物をポリオールに混ぜた段階で、ポリオールの粘度が高くなり、ポリオール中で機能性添加物の分離沈降が起こり易くなり生産性が落ちる。また、機能性添加物の添加量が10重量部を超えて添加してもその効果にあまり差異がなく、かえってコスト高になる。要は、目的とする低反発弾性ポリウレタンフォームの使用目的に応じ、添加する機能性添加物の機能が有効に発揮し得るに十分な量を添加すればよい。
【0012】
本発明において、高通気性・低反発弾性のポリウレタンフォーム中に添加させる機能性添加物とは、消臭剤、脱臭剤、または香料である。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記したように、本発明は、低反発弾性でありながら、優れたフォームの通気性を有するポリウレタンフォームであり、かかる高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームに、機能性の添加物を含有させたものである。特に、かかるポリウレタンフォームの特性としては、JIS K 6400(1997)のA法に準拠する方法にて測定した反発弾性率が1〜20%であり、かつ、JIS K 6400(1997)のB法にて測定した通気性が1〜2dm3/sを有するものである。
【0014】
このような高通気性・低反発弾性のポリウレタンフォームは、例えば、高分子量ポリオールと低分子量多価アルコールからなる混合ポリオールをポリオール成分とし、該ポリオール成分とポリイソシアネート化合物を反応させて得られるものであり、特に低分子量多価アルコールとして、低分子量2価アルコールおよび低分子量3価アルコールの混合物を使用することによっても得ることができる。
【0015】
このようなポリウレタンフォームを形成する高分子量ポリオールとしては、これまでの低反発弾性ポリウレタンフォームを構成する樹脂成分であるポリオール成分として使用されているものを挙げることができ、例えば、ポリオキシアルキレンポリオール、ビニル重合体含有ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオキシアルキレンポリエステルブロック共重合体ポリオール等を挙げることができる。
【0016】
ポリオキシアルキレンポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ショ糖等の多価アルコールを開始剤としたアルキレンオキシド付加物;ビスフェノールAのような多価フェノール類のアルキレンオキシド付加物;リン酸、ポリリン酸(例えば、トリポリリン酸およびテトラポリリン酸)などの多価ヒドロキシ化合物、フェノール−アニリン−ホルムアルデヒド縮合生成物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、メチレンビスオルソクロロアニリン、4,4’−および2,4’−ジフェニルメタンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミンなどのポリアミン類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン類にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシドなどの1種または2種以上を付加させて得られるポリエーテルポリオール類;またはポリテトラメチレンエーテルグリコール等を例示することができる。
【0017】
また、ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソルビットなどの少なくとも2個以上のヒドロキシル基を有する化合物の1種または2種以上とマロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、セバシン酸、シュウ酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの少なくとも2個以上のカルボキシル基を有する化合物の1種または2種以上から得られたポリエステルポリオールを挙げることができる。また、ポリカプロラクトンなどの環状エステルの開環重合体類等も使用することができる。
【0018】
ビニル共重合体含有ポリオキシアルキレンポリオールとしては、上記に例示したポリオキシアルキレンポリオール中で、ラジカルの存在下にアクリロニトリル、スチレン等のビニルポリマーを重合して安定分散させたものが挙げられる。なお、ポリオキシアルキレンポリオール中のビニル重合体の含有量は、通常15〜45重量%程度である。
【0019】
一方、これらの高分子量ポリオールと共に使用する低分子量多価アルコールとしての低分子量2価アルコールおよび低分子量3価アルコールは、本発明においては、分子量が200以下のものである。そのような低分子量2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール等を挙げることができる。
【0020】
また、低分子量3価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。
【0021】
一方、ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されず、ポリウレタンフォームの製造に通常使用される公知のポリイソシアネート化合物を用いることができる。具体的には、芳香族系、脂環族系、脂肪族系のポリイソシアネート、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートの1種または2種以上が、適宜選択されて使用される。
【0022】
芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネートなどが挙げられる。
【0023】
脂環族系ポリイソシアネートとしては、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。また、脂肪族系ポリイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0024】
これらのポリイソシアネート化合物のなかでも、本発明にあっては、特に芳香族系のポリイソシアネートである2,4−トリレンジイソシアネートあるいは2,6−トリレンジイソシアネート、およびこれらの混合物(TDI−80、TDI−65)が好結果を与えた。
【0025】
トルマリン粉末は、いわゆる電気石と称される鉱石であって、マイナスイオンを発生させる性質を有するものとして、近年各種の製品に添加されている。本発明が提供する高通気性・高反発弾性のポリウレタンフォームは、例えば、枕、マットレス、自動車の座席等のクッションに使用されることから、トルマリン粉末の有するマイナスイオン発生効果を有効に確保するため、かかるトルマリン粉末を機能性添加物として添加させることがよい。この場合のトルマリン粉末の粒径は特に限定されないが、10〜100μm程度のものであればよい。
【0026】
脱臭剤としては、木炭や竹炭、備長炭、白炭、黒炭、活性炭等のカーボンブラック(炭素粉)や、シリカ、アルミナ、ゼオライト等が使用できる。これらの炭素粉末は、脱臭剤としてだけではなく、調湿剤や吸湿剤、遠赤外線放射剤としても作用する。
【0027】
消臭剤としては、例えば、ツバキ科植物、シソ科植物、クスノキ科植物、フトモモ科植物、キキョウ科植物、アオイ科植物等の各種植物から抽出その他の手段により分離される消臭成分が好適に用いられる。特に、茶、山茶花、椿、サカキ、モッコク等を減圧下乾留し、減圧分留されるものが好ましい。また、このような天然物からの消臭成分に相当する成分(ポリフェノールやフラボノイド、フラバノール、カテキン等)を合成法により製造したものも使用することができる。さらに、上記の消臭剤をシリカ、アルミナ、ゼオライト、パーライト、セラミックス等の担時体に担持させたものも使用できる。
【0028】
芳香剤としては、特に制限されるものではないが、天然芳香剤としては、ジャコウ、シベット(レイビョウ香)、カストル(カイリ香)、アンバーグリス等の動物性芳香剤;ラベンダー油、ハッカ油、レモン油、オレンジ油、ローズ油、ショウノウ油、ビャクダン油、ヒノキ油等の植物性芳香剤が挙げられる。
【0029】
また、人工芳香剤としては、アセトオイゲノール、アセトイソオイゲノール、オリバノール、フェランドリン、脂肪族アルデヒド、チモール、カルバクロール、ボルニールメトキシシクロヘキサノール、オイゲノール、シンナミックアルデヒド、ベンズアルデヒド、カリオフイレン、クマリン、大環状ムスク、エチルワニリン、エベリン酸、ケイヒ酸、ワニリン、グアヨール、フルフラール、アセトフェノン、γ−ウンデカラクトン、γ−デカラクトン等の合成芳香剤;精油から主として分留によって成分を分けた単離芳香剤;天然芳香剤および/または人工芳香剤を混合して調製した調合芳香剤等が挙げられる。
【0030】
人工芳香剤の具体的な商品としては、花王社製:ALDEHYDE C−10、ALDEHYDE C−11、UNDECYL、ALDEHYDE C−111LEN、ALDEHYDE C−12 LAURYL、ALDEHYDE C−12 MNA、ALDEHYDE C−6、ALDEHYDE C−8、ALDEHYDE C−9、AMBER CORE、AMYL CINNAMIC ALDEHYDE、FRUITATE、GAMMA DECALACTION、GAMMA NONALACTONE、GAMMA UNDECALACTONE、HEXYL CINNAMIC ALDEHYDE、IONONE 100%、MAGNOL、0−t−BCHA、p−t−BCHA、PEARLIDE B.B.、PEARLIDE DEP、PEARLIDE IPM、PEARLIDE PURE、POIRENATE、POLLENAL 2、SAGETONEV、SANDALMYSORE CORE等が挙げられる。
【0031】
また、本発明のポリウレタンフォームにあっては、上記した機能性添加物以外に、各種の添加剤、例えば、抗菌剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料、可塑剤等を使用することができる。
【0032】
抗菌剤としては、銀や亜鉛、銅等の金属粉やこれらの金属粉や、アルコール系抗菌剤、フェノール系抗菌剤等の有機系抗菌剤、天然抽出物や天然鉱石等の天然系抗菌剤、第4級アンモニウム、これらをゼオライトやシリカ、アルミナ等の担時体に担時させた無機粒子抗菌剤等が使用できる。これらの抗菌剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
そのような無機充填剤としては、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、タルク、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル等が挙げられる。
【0034】
上記したポリオール成分とポリイソシアネート化合物との反応によりポリウレタンフォームを製造する場合に使用する触媒としては、例えば、アミン系触媒や有機金属触媒等のウレタンフォームの発泡において公知のものを使用することができ、特に限定されない。そのような触媒としては、例えば、アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどが挙げられる。
【0035】
また、金属触媒としては、オクチル酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等を挙げることができる。
【0036】
ポリウレタンフォームを製造する場合の発泡剤としては、水、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンクロライド、トリクロロフルオロエタン、トリクロロエタンなど1種以上の混合物が挙げられる。
【0037】
また、整泡剤としては、従来から知られているオルガノシリコーン系界面活性剤が使用される。そのようなオルガノシリコーン系界面活性剤としては、例えば、日本ユニカー社製のL−520、L−532、L−540、L−544、L−3550、L−5740S、L−5740M、L−6202等;トーレシリコーン社製のSH−190、SH−192、SH−193、SH−194、SRX−294、SRX−298等;信越シリコーン社製のF−114、F−121、F−122、F−230、F−258、F−260B、F−317、F−341、F−601、F−606等を挙げることができる。
【0038】
以上のようなポリオール成分、ポリイソシアネート化合物、機能性添加物、可塑剤、触媒および発泡剤等が含有される本発明のポリウレタンフォーム組成物において、各成分が配合される割合は、当該ウレタンフォームの組成物の発泡により、本発明が目的とする低反発弾性ポリウレタンフォームが得られるような割合であれば特に制限されるものではない。
【0039】
例えば、ポリオール成分100重量部に対して、触媒が0.01〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部、水が0.5〜5重量部、好ましくは0.8〜3.5重量部、整泡剤が配合される場合には、0.1〜4重量部、好ましくは0.4〜2.0重量部、顔料が配合される場合には、0.001〜2.0重量部、好ましくは0.01〜1.5重量部程度である。
【0040】
またポリイソシアネート化合物が配合される割合は、イソシアネートインデックスが、例えば、70〜120、好ましくは80〜110程度となる量である。
【0041】
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、従来の連続気泡性のポリウレタンフォームの製造方法に基づいて行うことができ、例えば、プレポリマー法、ワンショット法、部分プレポリマー法等を適用して行うことができる。
【0042】
かくして製造された本発明のポリウレタンフォームにあっては、その反発弾性率は、JIS K 6400(1997)のA法に準拠する方法にて測定した場合に1〜20%であり、またフォームの通気度は、JIS K 6400(1997)のB法に準拠する方法で測定した場合に、1〜2dm3/s範囲の高通気性を有している。
【0043】
したがって、このような本発明の高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームにあっては、フォーム中に均一に分散された機能性添加物の有する効果が、高通気性を有するがゆえに、継続的に有効に発揮される。従来の低反発弾性フォームでは、通気性が乏しいもの、或いはほとんどないものであり、機能性添加物の効果はフォーム表面付近の添加物の効果だけである点と比較すれば、本発明の機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームの効果は、より有効なものであるといえる。
【0044】
なお、本発明が提供する機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームは、例えば枕やマットレスの芯材、クッション、座布団、衣類用のパット等、或いは自動車のクッション等に好適に使用することができる。
【0045】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0046】
実験例1〜6
下記表1中に記載の各配合処方により、ポリウレタンフォームを製造した。すなわち、ポリオール成分と機能性添加剤、水、触媒、発泡剤およびシリコーン系整泡剤を攪拌混合し、そこにポリイソシアネート化合物を加え、混ぜ合わせ、発泡させることにより、所望の反発弾性率と、通気性を有する本発明の機能性を有する軟質ポリウレタンフォームを製造した。
【0047】
各実験例により得られたポリウレタンフォームについて、その反発弾性率(%)および通気度(dm3/s)を測定し、また、その結果をあわせて表中に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
*1:ポリオール1:EL−903(旭硝子社製)
*2:ポリオール2:EL−1030(旭硝子社製)
*3:ポリオール3:EL−730(旭硝子社製)
*4:ポリオール4:EL−430(旭硝子社製)
*5:ポリイソシアネート:TDI−65
*6:整泡剤:L−520(日本ユニカー社製)
*7:触媒:トリエチレンジアミン
*8:炭素粉末:備長炭粉末(平均粒径80μm)
*9:消臭剤:FS−670A(白井松新薬社製)
*10:香料:STRAWBERRY FRAGRANCE[K−1644](Bell Flavors & Fragrance.INC.社製)
【0050】
各物性の測定方法:
(a)反発弾性率(%)は、JIS K 6400(1997)のA法に準拠して測定した。
(b)通気度(dm3/s)は、JIS K 6400(1997)のB法に準拠して測定した。
【0051】
【発明の効果】
以上記載したように、本発明は、高通気性を有し、低反発弾性であると共に、抗菌剤、消臭剤、脱臭剤、香料等の機能性添加物を低反発弾性フォーム内部に含有させ、その機能を効果的に発揮させ得る軟質ポリウレタンフォームである。
従来の機能性添加剤を添加した低反発弾性ポリウレタンフォームは、フォーム自体の通気性が全くないため、フォーム中に含有された機能性添加剤の効果はウレタンフォームの表面部分にのみ存在する機能性添加剤に基づくものでしかなかった。
【0052】
これに対して、本発明の機能性を有するポリウレタンフォームは、高通気性を有することより、フォーム内部に含有される機能性添加物の効果も有効に発揮し得るものである。したがって、添加した機能性添加物の本来の効果を継続的に発揮し得る利点を有する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高通気性を有し、低反発弾性であると共に、抗菌剤、消臭剤、脱臭剤、香料等の機能性添加物を低反発弾性フォーム内部に含有させ、その機能を効果的に発揮させ得る軟質ポリウレタンフォームに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、枕、マットレス、クッション、座布団、衣類用のパット等に使用されている低反発弾性の軟質ポリウレタンフォームが知られている。これらの製品に使用されるポリウレタンフォームは、ウレタンフォームの樹脂組成、すなわちポリオール成分およびポリイソシアネート化合物の種類を適宜選択して、所望の反発弾性率を有するポリウレタンフォームを得るように処方されている。
【0003】
また、このような低反発弾性ポリウレタンフォームに各種機能性を持たせるために、例えば抗菌剤、消臭剤、脱臭剤、香料等の機能性添加物を添加することが考えられるが、フォーム自体に通気性がほとんどないため、フォーム中に含有された機能性添加剤の効果は、ウレタンフォームの表面部分にのみ存在する機能性添加剤に基づくものでしかない。
【0004】
たとえば、低反発弾性ポリウレタンフォーム成分中に竹炭等の炭粉あるいはカーボンブラック(炭素粉)を添加して、防臭効果、吸湿効果の発揮を意図したウレタンフォームが提案されている(特開2002−114904)。しかしながら、ここで使用している低反発弾性ポリウレタンフォーム成分は、通常の低反発弾性ポリウレタンフォームであることより通気性がほとんどなく、添加した竹炭あるいはカーボンブラック(炭素粉)による脱臭効果等は、フォームの表面部分に存在するものに由来するだけであり、あまり期待できないものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、上記した現状に鑑み、優れた低反発弾性を有し、フォーム成分中に含有させた機能性添加物の有する効果が、継続的に有効に発揮し得る低反発弾性ポリウレタンフォームを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる課題を解決するために、種々検討を重ねた結果、低反発弾性率を有し、低反発弾性のポリウレタンフォームにあっても、特定の通気度を有する高通気性のポリウレタンフォームを使用し、そのフォーム中に機能性添加物を含有させれば、フォーム内部に含有させた機能性添加物の有する効果が、高通気性を有するがゆえに、継続的に有効に発揮し得るものであることを確認し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
したがって上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、機能性添加物の少なくとも1種を添加してなり、JIS K 6400(1997)のA法に準拠する方法にて測定した反発弾性率が1〜20%であり、かつ、JIS K 6400(1997)のB法に準拠する方法で測定した通気度が1〜2dm3/sである機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームである。
【0008】
この通気度が1dm3/s未満の場合には、フォーム全体への通気性欠如するものであって、フォーム内部に含有させた機能性添加物の効果を有効に発揮することが困難となり、好ましいものではない。また通気度が2dm3/sを超える場合には、フォームを圧縮させた後のフォームの戻りが速くなり、低反発弾性ポリウレタンフォームの特性を確保することが困難なものとなる。
【0009】
さらに、反発弾性率が20%を超える場合には、低反発弾性フォームの特性が得られない。反発弾性率が10%以下である場合には、フォームを圧縮した後のもとに戻るスピードがゆっくりであり好ましい。しかしながら、反発弾性率が1%未満のものは、ポリウレタンフォームにべたつきが生じやすく、製品とならない場合が多い。
【0010】
さらに、請求項4に記載の発明は、ポリオール成分100重量部に対して機能性添加物の少なくとも1種を10重量部以下含有した機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームである。
【0011】
添加する機能性添加物の添加物が10重量部を超える場合には、機能性添加物をポリオールに混ぜた段階で、ポリオールの粘度が高くなり、ポリオール中で機能性添加物の分離沈降が起こり易くなり生産性が落ちる。また、機能性添加物の添加量が10重量部を超えて添加してもその効果にあまり差異がなく、かえってコスト高になる。要は、目的とする低反発弾性ポリウレタンフォームの使用目的に応じ、添加する機能性添加物の機能が有効に発揮し得るに十分な量を添加すればよい。
【0012】
本発明において、高通気性・低反発弾性のポリウレタンフォーム中に添加させる機能性添加物とは、消臭剤、脱臭剤、または香料である。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記したように、本発明は、低反発弾性でありながら、優れたフォームの通気性を有するポリウレタンフォームであり、かかる高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームに、機能性の添加物を含有させたものである。特に、かかるポリウレタンフォームの特性としては、JIS K 6400(1997)のA法に準拠する方法にて測定した反発弾性率が1〜20%であり、かつ、JIS K 6400(1997)のB法にて測定した通気性が1〜2dm3/sを有するものである。
【0014】
このような高通気性・低反発弾性のポリウレタンフォームは、例えば、高分子量ポリオールと低分子量多価アルコールからなる混合ポリオールをポリオール成分とし、該ポリオール成分とポリイソシアネート化合物を反応させて得られるものであり、特に低分子量多価アルコールとして、低分子量2価アルコールおよび低分子量3価アルコールの混合物を使用することによっても得ることができる。
【0015】
このようなポリウレタンフォームを形成する高分子量ポリオールとしては、これまでの低反発弾性ポリウレタンフォームを構成する樹脂成分であるポリオール成分として使用されているものを挙げることができ、例えば、ポリオキシアルキレンポリオール、ビニル重合体含有ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオキシアルキレンポリエステルブロック共重合体ポリオール等を挙げることができる。
【0016】
ポリオキシアルキレンポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ショ糖等の多価アルコールを開始剤としたアルキレンオキシド付加物;ビスフェノールAのような多価フェノール類のアルキレンオキシド付加物;リン酸、ポリリン酸(例えば、トリポリリン酸およびテトラポリリン酸)などの多価ヒドロキシ化合物、フェノール−アニリン−ホルムアルデヒド縮合生成物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、メチレンビスオルソクロロアニリン、4,4’−および2,4’−ジフェニルメタンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミンなどのポリアミン類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン類にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシドなどの1種または2種以上を付加させて得られるポリエーテルポリオール類;またはポリテトラメチレンエーテルグリコール等を例示することができる。
【0017】
また、ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソルビットなどの少なくとも2個以上のヒドロキシル基を有する化合物の1種または2種以上とマロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、セバシン酸、シュウ酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの少なくとも2個以上のカルボキシル基を有する化合物の1種または2種以上から得られたポリエステルポリオールを挙げることができる。また、ポリカプロラクトンなどの環状エステルの開環重合体類等も使用することができる。
【0018】
ビニル共重合体含有ポリオキシアルキレンポリオールとしては、上記に例示したポリオキシアルキレンポリオール中で、ラジカルの存在下にアクリロニトリル、スチレン等のビニルポリマーを重合して安定分散させたものが挙げられる。なお、ポリオキシアルキレンポリオール中のビニル重合体の含有量は、通常15〜45重量%程度である。
【0019】
一方、これらの高分子量ポリオールと共に使用する低分子量多価アルコールとしての低分子量2価アルコールおよび低分子量3価アルコールは、本発明においては、分子量が200以下のものである。そのような低分子量2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール等を挙げることができる。
【0020】
また、低分子量3価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。
【0021】
一方、ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されず、ポリウレタンフォームの製造に通常使用される公知のポリイソシアネート化合物を用いることができる。具体的には、芳香族系、脂環族系、脂肪族系のポリイソシアネート、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートの1種または2種以上が、適宜選択されて使用される。
【0022】
芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネートなどが挙げられる。
【0023】
脂環族系ポリイソシアネートとしては、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。また、脂肪族系ポリイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0024】
これらのポリイソシアネート化合物のなかでも、本発明にあっては、特に芳香族系のポリイソシアネートである2,4−トリレンジイソシアネートあるいは2,6−トリレンジイソシアネート、およびこれらの混合物(TDI−80、TDI−65)が好結果を与えた。
【0025】
トルマリン粉末は、いわゆる電気石と称される鉱石であって、マイナスイオンを発生させる性質を有するものとして、近年各種の製品に添加されている。本発明が提供する高通気性・高反発弾性のポリウレタンフォームは、例えば、枕、マットレス、自動車の座席等のクッションに使用されることから、トルマリン粉末の有するマイナスイオン発生効果を有効に確保するため、かかるトルマリン粉末を機能性添加物として添加させることがよい。この場合のトルマリン粉末の粒径は特に限定されないが、10〜100μm程度のものであればよい。
【0026】
脱臭剤としては、木炭や竹炭、備長炭、白炭、黒炭、活性炭等のカーボンブラック(炭素粉)や、シリカ、アルミナ、ゼオライト等が使用できる。これらの炭素粉末は、脱臭剤としてだけではなく、調湿剤や吸湿剤、遠赤外線放射剤としても作用する。
【0027】
消臭剤としては、例えば、ツバキ科植物、シソ科植物、クスノキ科植物、フトモモ科植物、キキョウ科植物、アオイ科植物等の各種植物から抽出その他の手段により分離される消臭成分が好適に用いられる。特に、茶、山茶花、椿、サカキ、モッコク等を減圧下乾留し、減圧分留されるものが好ましい。また、このような天然物からの消臭成分に相当する成分(ポリフェノールやフラボノイド、フラバノール、カテキン等)を合成法により製造したものも使用することができる。さらに、上記の消臭剤をシリカ、アルミナ、ゼオライト、パーライト、セラミックス等の担時体に担持させたものも使用できる。
【0028】
芳香剤としては、特に制限されるものではないが、天然芳香剤としては、ジャコウ、シベット(レイビョウ香)、カストル(カイリ香)、アンバーグリス等の動物性芳香剤;ラベンダー油、ハッカ油、レモン油、オレンジ油、ローズ油、ショウノウ油、ビャクダン油、ヒノキ油等の植物性芳香剤が挙げられる。
【0029】
また、人工芳香剤としては、アセトオイゲノール、アセトイソオイゲノール、オリバノール、フェランドリン、脂肪族アルデヒド、チモール、カルバクロール、ボルニールメトキシシクロヘキサノール、オイゲノール、シンナミックアルデヒド、ベンズアルデヒド、カリオフイレン、クマリン、大環状ムスク、エチルワニリン、エベリン酸、ケイヒ酸、ワニリン、グアヨール、フルフラール、アセトフェノン、γ−ウンデカラクトン、γ−デカラクトン等の合成芳香剤;精油から主として分留によって成分を分けた単離芳香剤;天然芳香剤および/または人工芳香剤を混合して調製した調合芳香剤等が挙げられる。
【0030】
人工芳香剤の具体的な商品としては、花王社製:ALDEHYDE C−10、ALDEHYDE C−11、UNDECYL、ALDEHYDE C−111LEN、ALDEHYDE C−12 LAURYL、ALDEHYDE C−12 MNA、ALDEHYDE C−6、ALDEHYDE C−8、ALDEHYDE C−9、AMBER CORE、AMYL CINNAMIC ALDEHYDE、FRUITATE、GAMMA DECALACTION、GAMMA NONALACTONE、GAMMA UNDECALACTONE、HEXYL CINNAMIC ALDEHYDE、IONONE 100%、MAGNOL、0−t−BCHA、p−t−BCHA、PEARLIDE B.B.、PEARLIDE DEP、PEARLIDE IPM、PEARLIDE PURE、POIRENATE、POLLENAL 2、SAGETONEV、SANDALMYSORE CORE等が挙げられる。
【0031】
また、本発明のポリウレタンフォームにあっては、上記した機能性添加物以外に、各種の添加剤、例えば、抗菌剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料、可塑剤等を使用することができる。
【0032】
抗菌剤としては、銀や亜鉛、銅等の金属粉やこれらの金属粉や、アルコール系抗菌剤、フェノール系抗菌剤等の有機系抗菌剤、天然抽出物や天然鉱石等の天然系抗菌剤、第4級アンモニウム、これらをゼオライトやシリカ、アルミナ等の担時体に担時させた無機粒子抗菌剤等が使用できる。これらの抗菌剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
そのような無機充填剤としては、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、タルク、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル等が挙げられる。
【0034】
上記したポリオール成分とポリイソシアネート化合物との反応によりポリウレタンフォームを製造する場合に使用する触媒としては、例えば、アミン系触媒や有機金属触媒等のウレタンフォームの発泡において公知のものを使用することができ、特に限定されない。そのような触媒としては、例えば、アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどが挙げられる。
【0035】
また、金属触媒としては、オクチル酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等を挙げることができる。
【0036】
ポリウレタンフォームを製造する場合の発泡剤としては、水、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンクロライド、トリクロロフルオロエタン、トリクロロエタンなど1種以上の混合物が挙げられる。
【0037】
また、整泡剤としては、従来から知られているオルガノシリコーン系界面活性剤が使用される。そのようなオルガノシリコーン系界面活性剤としては、例えば、日本ユニカー社製のL−520、L−532、L−540、L−544、L−3550、L−5740S、L−5740M、L−6202等;トーレシリコーン社製のSH−190、SH−192、SH−193、SH−194、SRX−294、SRX−298等;信越シリコーン社製のF−114、F−121、F−122、F−230、F−258、F−260B、F−317、F−341、F−601、F−606等を挙げることができる。
【0038】
以上のようなポリオール成分、ポリイソシアネート化合物、機能性添加物、可塑剤、触媒および発泡剤等が含有される本発明のポリウレタンフォーム組成物において、各成分が配合される割合は、当該ウレタンフォームの組成物の発泡により、本発明が目的とする低反発弾性ポリウレタンフォームが得られるような割合であれば特に制限されるものではない。
【0039】
例えば、ポリオール成分100重量部に対して、触媒が0.01〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部、水が0.5〜5重量部、好ましくは0.8〜3.5重量部、整泡剤が配合される場合には、0.1〜4重量部、好ましくは0.4〜2.0重量部、顔料が配合される場合には、0.001〜2.0重量部、好ましくは0.01〜1.5重量部程度である。
【0040】
またポリイソシアネート化合物が配合される割合は、イソシアネートインデックスが、例えば、70〜120、好ましくは80〜110程度となる量である。
【0041】
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、従来の連続気泡性のポリウレタンフォームの製造方法に基づいて行うことができ、例えば、プレポリマー法、ワンショット法、部分プレポリマー法等を適用して行うことができる。
【0042】
かくして製造された本発明のポリウレタンフォームにあっては、その反発弾性率は、JIS K 6400(1997)のA法に準拠する方法にて測定した場合に1〜20%であり、またフォームの通気度は、JIS K 6400(1997)のB法に準拠する方法で測定した場合に、1〜2dm3/s範囲の高通気性を有している。
【0043】
したがって、このような本発明の高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームにあっては、フォーム中に均一に分散された機能性添加物の有する効果が、高通気性を有するがゆえに、継続的に有効に発揮される。従来の低反発弾性フォームでは、通気性が乏しいもの、或いはほとんどないものであり、機能性添加物の効果はフォーム表面付近の添加物の効果だけである点と比較すれば、本発明の機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームの効果は、より有効なものであるといえる。
【0044】
なお、本発明が提供する機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォームは、例えば枕やマットレスの芯材、クッション、座布団、衣類用のパット等、或いは自動車のクッション等に好適に使用することができる。
【0045】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0046】
実験例1〜6
下記表1中に記載の各配合処方により、ポリウレタンフォームを製造した。すなわち、ポリオール成分と機能性添加剤、水、触媒、発泡剤およびシリコーン系整泡剤を攪拌混合し、そこにポリイソシアネート化合物を加え、混ぜ合わせ、発泡させることにより、所望の反発弾性率と、通気性を有する本発明の機能性を有する軟質ポリウレタンフォームを製造した。
【0047】
各実験例により得られたポリウレタンフォームについて、その反発弾性率(%)および通気度(dm3/s)を測定し、また、その結果をあわせて表中に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
*1:ポリオール1:EL−903(旭硝子社製)
*2:ポリオール2:EL−1030(旭硝子社製)
*3:ポリオール3:EL−730(旭硝子社製)
*4:ポリオール4:EL−430(旭硝子社製)
*5:ポリイソシアネート:TDI−65
*6:整泡剤:L−520(日本ユニカー社製)
*7:触媒:トリエチレンジアミン
*8:炭素粉末:備長炭粉末(平均粒径80μm)
*9:消臭剤:FS−670A(白井松新薬社製)
*10:香料:STRAWBERRY FRAGRANCE[K−1644](Bell Flavors & Fragrance.INC.社製)
【0050】
各物性の測定方法:
(a)反発弾性率(%)は、JIS K 6400(1997)のA法に準拠して測定した。
(b)通気度(dm3/s)は、JIS K 6400(1997)のB法に準拠して測定した。
【0051】
【発明の効果】
以上記載したように、本発明は、高通気性を有し、低反発弾性であると共に、抗菌剤、消臭剤、脱臭剤、香料等の機能性添加物を低反発弾性フォーム内部に含有させ、その機能を効果的に発揮させ得る軟質ポリウレタンフォームである。
従来の機能性添加剤を添加した低反発弾性ポリウレタンフォームは、フォーム自体の通気性が全くないため、フォーム中に含有された機能性添加剤の効果はウレタンフォームの表面部分にのみ存在する機能性添加剤に基づくものでしかなかった。
【0052】
これに対して、本発明の機能性を有するポリウレタンフォームは、高通気性を有することより、フォーム内部に含有される機能性添加物の効果も有効に発揮し得るものである。したがって、添加した機能性添加物の本来の効果を継続的に発揮し得る利点を有する。
Claims (2)
- 機能性添加物の少なくとも1種を添加してなり、JIS K6400(1997)のA法に準拠する方法にて測定した反発弾性率が1〜20%であり、かつ、JIS K 6400(1997)のB法に準拠する方法で測定した通気度が1〜2dm3/sである機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォーム。
- ポリオール成分100重量部に対して機能性添加物の少なくとも1種を10重量部以下含有した請求項1に記載の機能性を有する高通気性・低反発弾性ポリウレタンフォーム。
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