JP2004043532A - 廃プラスチックの油化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃プラスチックの油化装置における廃プラスチックの状態を推定し、熱分解槽の運転を適切に実施する。
【解決手段】廃プラスチックの油化装置において、廃プラスチックを加熱し熱分解する熱分解槽1に対して当該熱分解槽1全体の重量を計測するロードセル等の重量計測装置8を設け、この重量計測装置8により熱分解槽1の重量を風袋引きして、熱分解槽1内の廃プラスチックの重量の変化を監視し、かつ熱分解槽1の適正運転時の重量の変化パターンと比較することにより、熱分解槽1の運転状態を監視、制御する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は廃棄されたプラスチック(以下「廃プラスチック」と賞する)の油化装置に係り、特に熱分解槽内のプラスチックの熱分解状態を正確に把握できるよう構成した廃プラスチックの油化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、各種容器や包装材として多種多様なプラスチック容器や包装材が利用され、かつこれらが廃プラスチックとして大量に廃棄され、その処理が問題となっていが、環境対策上及び経済性の観点から、これらの廃プラスチックを埋め立て処理したり或いは焼却処理することは妥当ではない。
【0003】
上述の観点から、廃プラスチック)を熱分解して油化する方法が各種提案されている。廃プラスチックの油化は廃プラスチック処理において環境に対する負荷を減少させ、かつ油化した成分を熱エネルギーして利用することによって経済性を図ることが可能であるので、今後廃プラスチック処理の主流となるものと思われる。
【0004】
先ず、本発明の前提となる廃プラスチックの油化について説明する。
廃プラスチックの熱分解工程では、先ず廃プラスチックに付着あるいは混入している生ゴミ等の廃棄物の水分が先ず蒸発し、その後廃プラスチックがガス化する。廃プラスチックのガス化は、高分子のプラスチックが熱エネルギーによりその炭素の連鎖が分断され、低分子化する現象であり、この過程での熱エネルギーの加え方よにより低分子の構造が変化し、再生油の性状、即ち灯油分と重油分の比率が異なってくる。
【0005】
廃プラスチックの熱分解により生じる熱分解ガスにはメタン、プロパン、ブタン等の引火性を有する低沸点成分(以下「オフガス」とする)が含まれている。オフガスは水等を用いた冷却処理では液化せずまた悪臭成分もふくまれているため現時点では焼却処理或いは触媒による脱臭処理が行われている。またオフガスの発生量は正常な運転では廃プラスチック処理量の6%程度といわれている。
【0006】
廃プラスチックの熱分解は特定の温度(例えば400℃付近)において急激に反応が進展するが、廃プラスチックに対する入力エネルギー以上の反応は起こらない。但し実際には加温条件が一定であるにもかかわらず反応が急速に進展する事態がしばしば生じている。
【0007】
これは加温条件が同じであっても入力エネルギーは熱分解槽内の廃プラスチックの状態により変化することに起因するものと考えられる。即ち、廃プラスチックが溶融、沸騰した状態では、溶融前の廃プラスチックに比較して全体の伝熱抵抗が大幅に小さくなるので、加温条件は同じであっても廃プラスチックに対する入力エネルギーは増大し、この結果廃プラスチックの熱分解が促進されることよるものと考えられる。
【0008】
以上の点から、熱分解槽内の廃プラスチックの状態、量等を確認できればプラント全体の運転を効果的かつより安全に実施することが可能となる。このため熱分解槽内の状態を確認する方法がいくつか試験されてきたがそれぞれ問題があり、内部の状態の確認が極めて不十分或いは殆ど確認できないで装置を運転しているのが実情である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
まず、発明者らも含め以下のように各種の試験をした結果、熱分解槽の内部変化の直接的な把握は事実上不可能であり、何らかの手段を介して間接的にその変化を把握し、かつその把握精度を向上させることが実現可能な手段であるとの結論に達した。以下試験例を示し、その問題点に言及する。
【0010】
(1)内部の直接的視認
例えば熱分解槽に点検窓を設置して槽内を直接視認する方法が考えられるが、内部では不透明な熱分解ガスが激しく対流しており、実際には槽内の見通しは殆どない。また比較的短時間で点検窓に油膜が形成され、僅かな視界もこの油膜に遮られ、視認による内部監視は不可能である。即ち前述のように熱分解槽内の直接的把握は不可能であることがこの方法の実施により明らかとなった。
【0011】
(2)非接触のレベル計の使用
非接触レベル計により溶融廃プラスチックのレベルを検知する方法においては、400℃以上に達する熱分解槽において使用可能なレベル計は存在せず、またエアーパージ等によりこの非接触レベル計を冷却しながら使用しても、極めて短時間でこのレベル計に汚れが付着し、実用にはならなかった。
【0012】
(3)熱電対等の温度計の使用
熱分解槽において、溶融廃プラスチック部分の温度と空間部の温度とは約100℃の差があるので、この温度差が検知できれば溶融廃プラスチックのレベルを検知することができる。
【0013】
このため熱電対を熱分解槽内に対して垂直方向に多点設置し、溶融廃プラスチックのレベルの変化を温度変化として捉えることが考えられる。しかし、最も測定したい溶融廃プラスチック滞留部である熱分解槽底部にはこの溶融廃プラスチックを攪拌するための攪拌装置(図1の符号1A参照)が設けられ、熱分解槽内周面に近接してこの攪拌部材が回転しているため、実際には熱電対を設置することができない。
【0014】
(4)熱分解槽に対する廃プラスチックの投入量を測定する方法
熱分解槽に対する廃プラスチック投入ラインから廃プラスチックをサンプリングし、熱分解槽に対する廃プラスチックの投入量(重量)を測定し、この投入量から熱分解槽内の変化を把握しようとする方法が提案されている(特開平10−251658号等)。
【0015】
この方法では、熱分解ガスの流出量と、この熱分解ガスを冷却液化する冷却器上部の温度が比例するので、この温度と熱分解槽内部の温度とを相関させて熱分解槽内の状態を判断する。しかし、この方法は熱分解槽内に投入された廃プラスチック全体が熱分解槽内の温度変化に対応して均一に変化していることを前提としている。
【0016】
しかし、実際には攪拌装置に廃プラスチックが絡まってしまう事態がしばしば生じている。このような状態になると絡まった部分の伝熱は大きく低下し廃プラスチックは未分解として残ってしまう。一方熱分解槽内面に接触している部分はガス化するので、適正な運転状態と同じ温度変化を示す。即ち前記方法による観測では未分解分があるのか否かが全く判別できない。ここで、未分解分が存在することが確認できれば、攪拌装置を逆転して絡まった廃プラスチックを除去したり、後述する乾燥工程を長くする等により適正な対処が可能となる。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の問題点に鑑み構成されたものであって、廃プラスチックの熱分解をバッチ処理する廃プラスチック油化装置において、熱分解槽自体の重量を計測し、その計測値の変化から熱分解槽内の廃プラスチックの状態を検知し、かつ検知した状態に対応して油化装置の運転を制御するよう構成した装置であることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
先ず本発明は、廃プラスチック油化をバッチ処理することを前提とする。ここで、廃プラスチックの油化には廃プラスチックを連続的に投入し、油化処理を連続して行う連続処理方式と、所定量の廃プラスチックを投入した後、この投入廃プラスチックの油化が終了して一つの工程を終了し、かつこの工程を繰り返す方式のバッチ処理方式とがある。本発明はこのバッチ処理方式を実施することを前提とする。
【0019】
図5はバッチ処理方式における熱分解槽の温度設定と熱分解ガスの冷却器入口温度との関係を示す。
先ず熱分解槽内温度を200℃付近まで一気に上昇させ、この温度を一定時間(図示の場合は20分程度)保持し、廃プラスチックに付着している水分の除去を行う。またこの時点で熱分解槽内面に接する廃プラスチックの一部が溶融し始める。
【0020】
次に400℃まで段階的に温度を上昇させる。この時点で再生油の出量を確認し、熱分解槽内温度を小刻みに上昇させ、最適ガス化温度に設定する。
一方出油前後から熱分解ガスの冷却器上部入口温度が上昇を始め上記最適ガス化温度付近でピークに達し以後下降に向かう。
【0021】
ピークから約2割下がった温度の付近がガス化の終了点と判断されるので、以後熱分解槽内の残滓の乾燥工程に移行する。乾燥工程における熱分解槽内温度は前記最適ガス化温度の10%アップ程度とし、この温度を一定時間保持する。この間冷却器入口温度は上昇パターンを示すこともあるが直ぐに下降に向かい、当該温度が150℃以下に下がれば油化終了としなり、一回の油化工程が終了する。
【0022】
【実施例】
図1は本発明が実施される部分を中心としたプラスチック油化装置の一部を示す。先ずこの図を用いて廃プラスチックの油化工程の流れを示す。
廃プラスチックPは切断機(図示せず)により処理可能な大きさに切断されて熱分解槽1に投入され、ここにおいて前述の図5に示すような加熱パターンで油化処理運転が行われる。熱分解槽1の加熱はバーナ3aによって加熱された熱風を発生させる熱風炉3からの高温ガスを配管4を経て熱分解槽1に供給されることにより行われる。
【0023】
熱分解槽1内で発生した熱分解ガスは配管2を経て洗浄槽5に至り、ノズル5aから噴射される洗浄水により不純物が除去され、且つその一部は油化して洗浄水と共に油水分離槽7に至る。残りの熱分解ガスは冷却器31に至り、ここにおいて残りの熱分解ガスが冷却されて液化し、油分として配管6を経由して油水分離槽7に入る。水よりも比重の小さい油分は前記洗浄に用いた水の上に層を成して滞留するので、この油水分離槽7の上部に滞留している熱分解油(再生油)OLを抽出する。なお、符号9は熱風炉のガスを吸引するエジェクター装置である。
【0024】
以上の構成の装置において熱分解槽1全体の重量が重量計測装置8により計測され、熱分解槽1内における廃プラスチックの熱分解の進行に対応する重量変化が計測可能に構成されている。
【0025】
ここで、熱分解槽1の重量計測、直接的には熱分解槽1内の内部の廃プラスチックの重量の変化を測定するのは次の理由による。
即ち、熱分解槽1内での変化は、槽内に投入された廃プラスチックPの水分と樹脂分がガス化して熱分解槽1から流出してゆく過程であり、この変化に対応する最も直接的な変化量は熱分解槽1内の廃プラスチックPの重量の変化であるということができる。即ち、熱分解槽1そのものの重量を風袋とした熱分解槽1全体の重量の変化を測定することにより、当該熱分解槽1内の廃プラスチックPの重量の変化を計測することによって熱分解槽1内の変化を推定することが可能となり、油化装置全体を適正に運転することが可能となる。
【0026】
より具体的には熱分解槽1内の廃プラスチックPは水分の蒸発、樹脂分の溶融、樹脂分のガス化という変化点に沿って変化するが、この変化点は廃プラスチックPの重量変化と必ず結びつくので、この重量変化から最適運転条件を見つけ出し、この最適運転条件と、実測した重量変化とを比較しながら油化装置を適正に自動運転することが可能となる。
【0027】
図2及び図3は熱分解槽1の重量計測を行うための構成を示す。
先ず熱分解槽1は図1に示すように熱風炉3或いはガス洗浄槽5等の他の固設の装置と配管により接続されている。従ってどのような構成の重量計測装置を使用する場合でも、先ず熱分解槽1自体をこれらの装置から重量的に開放し、熱分解槽1自体の重量を測定可能な状態にしておく必要がある。
【0028】
図1の構成においては熱風用の配管4及び熱分解ガスが通過する配管2、エジェクタ9に接続する配管32に重量的な開放手段(符号30で示す)を施す必要がある。
図2は熱風炉3からの高温ガスが通過する配管4における重量的な開放手段30の構成を示しているが、熱分解ガスが通過する配管2及びエジェクタ9に接続する配管32に対しても同様の構成で対処することができる。
【0029】
図中、配管4は2箇所切断され、二つの切断部により独立した配管四の中間部分を継手配管4Aとする。10a、10bは接続材であって、例えば断熱を有する繊維からなる織布等、一定の可撓性を有する断熱材により構成されている。この接続材10a、10bは継手配管4Aを中央に置き、一定の間隔を以て配置された前後の配管4B、4Bとこの継手配管4Aとを一体的に連接するよう各配管の円周方向に配置されている。11はこれら接続材10a、10bを固定するためのバンドである。
【0030】
なお前記熱風炉3は熱分解槽1の加熱に用いたガスをエジェクタ9で吸引するよう構成されており、配管4の内部圧力が負圧となるよう制御されているので、接続材10a、10bのシール性については問題ない。また、重量計として最適なものはロードセルであるが、ロードセルで計測する場合、熱分解槽1自体の変位は極めて僅かであるので、図2に示す構成で熱分解槽1を問題なく重量的に開放することができる。
【0031】
なお、発明者らは上記構成以外に金属ベローズを用いる方法も試みたが、配管径が大きくなるとベーロズ自体の剛性が影響し、熱分解槽1の十分な重量的開放が困難になり、重量計測装置の分解能が大幅に低下することを確認した。
【0032】
図3は重量計測装置の構成例を示す。
熱分解槽1の底面には複数の支持部12が形成されている。13はロードセルである。ロードセル13と支持部12との間には断熱部14が配置されている。断熱部14は、例えば図示の構成のように内部が中空であり、かつ1以上の通気孔14a、14b・・・・が形成されている。
【0033】
熱分解槽1の底部には以上の構成の重量計測部が複数箇所設置され、これらに設けられた各ロードセルの出力が合算されることにより熱分解槽1全体の重量が計測される。また、断熱部14が形成されることにより熱分解槽1からの熱は遮断され、ロードセル13は熱的に防護される。
【0034】
即ち、熱分解槽1は断熱構造となっているとは言え経時的に外部に熱が伝達される。
このため前記熱分解槽1の熱は支持部12を介して伝熱されるが、この伝熱された熱分解槽1の熱は、断熱部空間において空気層に遮断される。またこの断熱空間部で昇温した空気A1は上部の通気孔14bから外部に流出し、かつこれに見合う外部の低温の空気A2が下部の通気孔14aから空間内に流入する。この空気の流れによりロードセル3は熱分解槽1に対して熱的に遮断され、正確な重量計測が可能となる。
【0035】
図4は熱分解槽1の重量計測データに基づいた熱分解槽1の制御装置の一例を示す図である。
先ず、制御装置15には前記熱分解槽1における廃プラスチックの適正な油化反応を行った際の重量変化のパターンが重量変化パターンデータ16として記憶されている。この重量変化バターンは、バッジ方式による廃プラスチックの熱分解を前提とし、前記重量計測装置8を用いて、熱分解槽1の重量を風袋引きすることにより熱分解槽1に対する廃プラスチックの投入量を先ず計測し、かつ熱分解槽1の運転開始から終了までの廃プラスチックの重量の変化を計測する。
【0036】
バッチ方式による廃プラスチックPの処理状態と、各バッチ処理におけるこの重量計測データとをそれぞれ比較し、最適な処理時の計測重量の変化パターンを選定しこの変化パターンのデータを前記重量変化パターンデータ16として制御装置15に取り込む。
【0037】
また、制御時の補正値として熱分解層1内の温度、熱風の熱分解槽入口温度、当該熱風の熱分解槽1の出口温度、熱分解ガスの冷却器入口温度等を計測し、前記重量変化に基づく制御の補正値として使用するようにしてもよい。またこの場合、前記重量変化パターンと同様、適正な運転が行われたときの上記各温度変化パターンを温度変化パターンデータ17として制御装置15に取り込む。
【0038】
熱分解槽1の運転(バッチ運転)開始に先立って、重量計測装置(重量センサ)8は熱分解槽1の重量を風袋引きすることにより廃プラスチックPの投入重量を計測し、重量データ18として制御装置15に出力する。
【0039】
次に熱風炉3を制御することにより図5に示すように熱分解槽1の温度を制御する。この間重量センサ8は熱分解槽1の重量を計測し、この重量データを連続的に出力する。制御装置15はこの連続的な重量データ18から運転中の廃プラスチックの重量変化を検出し、重量データ比較手段19において前記重量変化パターンデータ16と比較し、熱分解槽1内の状態を把握する。またこの場合タイマ20の時間データを重畳させる。
【0040】例えば、熱分解槽1内の温度センサにより、熱分解槽1内の温度が適正に設定されているにも係わらず、重量データ18による重量の変化が、前記重量変化パターンデータに比較してその変化が遅れている場合には、攪拌装置1Aの羽に廃プラスチックが絡まる等して熱分解槽1内で廃プラスチックの油化正常に進行していないことが考えられる。このような場合、実測した重量の変化パターンの前記重量変化パターンデータ16に対する偏差が予め設定した値以上の場合には、中央処理装置22は攪拌装置1Aに反転信号を出力し、この攪拌装置1Aを反転させて重量変化のパターンを監視する。
【0041】
攪拌装置1Aの反転後、実測した重量の変化パターンが重量変化パターンデータ16に近似する方向に変化したならば熱分解槽1の運転を継続し、またこの実測のパターンがこのような近似を示さない場合には別の原因が考えられるので、警報手段23により警報を発すると共に、緊急停止手段24を介して熱風炉3の運転停止、緊急放出装置33からの処理ガスの緊急放出等を実施し、油化装置の運転を一時停止し、内部点検を行うことによりその原因を究明する。因みに従来の運転では熱分解槽1の運転中に内部の変化を推測することが出来ないため、バッチ式の1回の運転が終了した後でなければ運転中に異常事態が発生していたことが判らない。
【0042】
なお熱分解槽1内の状態は前記重量データの他、温度センサ21のうち、熱分解ガスのガス冷却器入口温度等の温度センサからの温度データを補正値として併用することによって、熱分解槽内の変化をより正確把握することが可能となる。この場合、各点の温度を適宜計測する他、温度を連続的に計測し、かつ熱分解槽1の適正運転時の温度変化パターン17を設定し、実測した温度データの変化パターンを温度データ比較手段27で比較するよう構成すれば補正値としての温度データの利用価値をより高めることができる。
【0043】
また重量センサ8の分解能が高ければ、重量計測値の変化によりオフガスの発生状態も比較的高精度で把握できることが期待される。
オフガスは水で冷却しても液化しない低沸点成分が主体であるから、バッチ式の運転では廃プラスチックの油化が本格化する前にオフガスが発生する。オフガスの発生量は投入した廃プラスチック重量の6〜7%程度であるので、重量センサ8の分解能が比較的高ければ重量計測値の変化によりこのオフガスの発生を把握することができる。
【0044】
熱分解槽1の運転中、熱分解ガスの発生量が急激に増加する事態が発生することがあり、ガス冷却槽の冷却能力を越えてオーパーフローすることがある。このような事態の前提として、熱分解槽1の重量計測値は適正運転時の計測値の下降パターンよりも急激な下降パターンを示すことになり、この場合には熱風炉3からの高温ガスの供給を一時停止するなど、熱分解槽1の温度制御することにより対処可能である。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、廃プラスチックの熱分解装置にはおいて、熱分解槽内の廃プラスチックの重量を連続的に計測し、かつこの計測値の変化により、熱分解槽の運転の状態を的確に把握することが可能となり、この結果効率良くかつ安全にプラスチックの油化処理を実施することができる。
【0046】
また、各バッチ運転の重量計測値と熱分解槽の運転結果とを対比して学習することにより、重量値変化に基づく熱分解槽の運転制御プログラムを油化装置の運転を介して順次より適切なものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃プラスチック油化装置のうち、本発明が実施される熱分解槽を中心とした系統図である。
【図2】熱分解槽を重量的に開放するため、配管に設けられた重量開放手段の構成を示す配管の一部破断側面図である。
【図3】複数のロードセルのうち、一つのロードセルの取付状態を示す熱分解槽支持部の部分図である。
【図4】熱分解槽を制御する装置のブロック図である。
【図5】熱分解槽をバッチ方式で運転する際の熱分解槽設定温度と、熱分解ガスの冷却器入口温度とを示すグラフである。
【符号の説明】
1 熱分解槽
1A 攪拌装置
2、4、32 配管
3 熱風炉
5 ガス洗浄槽
7 油水分離槽
8 重量計測装置
10a、10b 接続材
13 ロードセル
14 断熱部
14a 通気孔
15 制御装置
30 重量開放部
31 冷却器
P 廃プラスチック

Claims (7)

  1. バッチ方式により廃プラスチックを熱分解して当該廃プラスチックを油化させる装置において、廃プラスチックを熱分解する熱分解槽には熱分解槽全体の重量を計測する手段が設けられ、熱分解槽に接続する配管には熱分解槽が重力的に開放される手段が設けられ、重量計測手段により熱分解槽に投入された廃プラスチックの重量と、熱分解槽運転中の廃プラスチックの重量の変化を計測し、当該重量の変化に基づいて熱分解槽の運転を監視、制御することを特徴とする廃プラスチックの油化装置。
  2. 熱分解槽に接続する配管は、切断部を有し、この切断部を可撓性を有する材料によりシールすることにより、当該配管が切断部を介して相互に変位するよう構成し、これにより熱分解槽を重力的に開放するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の廃プラスチックの油化装置。
  3. 熱分解槽は制御装置により運転が制御されるよう構成され、制御装置には、重量計測手段から出力された重量データを取り込む手段と、熱分解槽の適正運転時の重量値の変化パターンを記憶している手段と、前記重量データの変化と記憶されている重量値の変化パターンとを比較する手段が設けられ、実測された重量値の変化と当該重量値の変化パターンを比較することにより熱分解槽の運転状態を監視、制御するよう構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の廃プラスチックの油化装置。
  4. 熱風の熱分解槽入口温度、当該熱風の熱分解槽出口温度等各点の温度を計測する手段が設けられ、当該計測温度を前記制御の補正値として用いることを特徴とする請求項3記載の廃プラスチックの油化装置。
  5. 熱分解槽の重量を計測する手段は1以上のロードセルであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の廃プラスチックの油化装置。
  6. 前記ロードセルと熱分解槽側の支持部との間には断熱部が設けられ、熱分解槽側の熱がロードセル側に伝達されるのを防止するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の廃プラスチックの油化装置。
  7. 前記断熱部は、熱分解槽の支持部とロードセルとの間に介在配置され、当該断熱部には断熱空間と、この断熱空間と断熱空間外部とを連通する1以上の空気孔が形成され、当該空気孔を介して流入、流出する断熱空間の空気により断熱を行うよう構成したことを特徴とする請求項5又は6記載の廃プラスチックの油化装置。
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