JP2004043304A - 二酸化チタン薄膜の形成方法およびその二酸化チタン薄膜を有する触媒等 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 塩素イオンを塩素元素として50〜10,000ppm含有させた水分散酸化チタンゾル、又は平均粒子径が0.5μm以下で比表面積が20m2 /g以上のブルーカイト型酸化チタン粒子が分散した水分散酸化チタンゾルを基材に塗布して酸化チタン薄膜を形成する。
前者のゾルは四塩化チタンの加水分解により水分散酸化チタンゾルを生成させ、該ゾル中の塩素イオンを塩素元素として50〜10,000ppmになるように脱塩素等により調整することにより得られる。後者のゾルは75〜100℃の熱水に四塩化チタンを加え、75℃〜溶液の沸点までの温度で加水分解することにより得られる。
【選択図】 図1
Description
これら報告から今までブルーカイト型の酸化チタンを液相法で安定的に製造することは困難であった。上記したように気相法による酸化チタンを高温で熱処理すればブルーカイト型酸化チタンになるが、熱処理するため粒子が成長するので、微細な粒子でブルーカイト型結晶のものを得ることは従来難しかった。
酸化チタンゾルは酸化チタン粉末の製造に用いられたり、あるいはゾルをガラスやプラスチック等に塗布し、酸化チタンの薄膜をそれらの表面に形成したりするのに用いられている。
酸化チタンは光半導体であり、粒子径が小さくなれば透明性が生じ、かつ光触媒機能が向上することが知られている。酸化チタンの光触媒機能については近年、盛んに研究開発が行われている。この光触媒の利用方法には有害物質の除去による防汚、アンモニアなどの悪臭ガスの脱臭、細菌類の殺菌などがあるが、その利用目的により酸化チタンの形態は、バルク粒子、薄膜、ゾルと様々である。この光触媒機能はさらに透明性を付加しようとする場合はもっぱら薄膜にされる場合が多い。そのために酸化チタンはゾルの形で薄膜生成材料として使用される。
また酸化チタン薄膜を基材に形成する場合、薄膜と基材との密着性をよくし、容易に薄膜が剥離しないようにしなければならない。
チタンアルコシド化合物の加水分解ではゾル中の酸化チタンは非常に小さい微粒子となるなど粉体特性としては優れているが、ゾル中にアルコールが含まれ、薄膜にして焼成する場合爆発などの安全上の問題がある。また、爆発を防ぐには防爆の大型設備が必要となり、経済的に不利である。
またチタンアルコシド化合物は四塩化チタンに比べ非常に高価である。
本発明は水分散酸化チタンゾルを各種の基材に塗布し、基材表面に酸化チタンの薄膜を形成した場合、薄膜が光触媒機能及び透明性に優れ、かつ薄膜と基材との密着性が良好となる酸化チタンゾル及び微細なブルーカイト型酸化チタン粒子を提供することを目的とする。
(1)塩素イオンを塩素元素として50〜10,000ppm含む水分散酸化チタンゾル。
(2)平均粒子径が0.5μm以下で比表面積が20m2 /g以上のブルーカイト型酸化チタン粒子が分散した水分散酸化チタンゾル。
(3)接着剤を含む上記(1)又は(2)記載の水分散酸化チタンゾル。
(4)平均粒子径が0.5μm以下で比表面積が20m2 /g以上であるブルーカイト型酸化チタン粒子。
(5)上記(1)〜(3)の水分散酸化チタンゾルを用いて基材表面に形成した酸化チタン薄膜。
(6)四塩化チタンの加水分解により水分散酸化チタンゾルを生成させ、該ゾル中の塩素イオンを塩素元素として50〜10,000ppmに調整することを特徴とする水分散酸化チタンゾルの製造法。
(7)75〜100℃の熱水に四塩化チタンを加え、75℃〜溶液の沸点の温度範囲で加水分解することを特徴とするブルーカイト型酸化チタン粒子の水分散ゾルの製造法。
(8)上記(7)の酸化チタン粒子の水分散ゾルを濾過、乾燥することを特徴とするブルーカイト型酸化チタン粒子の製造法。
従って基材上の薄膜は耐久性があり、この薄膜を例えば照明器具のガラス管や照明器具のカバー等に使用すれば光を遮断することなく長期に亘って光触媒作用が維持される。
本発明の水分散酸化チタンゾルは四塩化チタンを原料とする水系で製造することが可能であるので、原料は安価であり、またゾルが容易に薄膜を形成でき、経済的にも有利である。
水分散酸化チタンゾルの酸化チタン粒子は細かい方が酸化チタン薄膜の光触媒作用が高まり、また透明性もよくなる。また触媒作用の点から結晶質であることが好ましい。しかし、あまり細かい酸化チタン粒子を得ることは製造上の困難を伴うので、ゾル中の酸化チタン粒子は平均粒径で0.01〜0.1μmの範囲が好ましい。
酸化チタンの粒子径に関していえば、酸化チタン薄膜の透明性を高めるためゾル中の酸化チタン粒子は平均粒径が0.5μm以下、より好ましくは0.01〜0.1μmの単分散であることが好ましい。比表面積が大きくても、ゾル中で1次粒子が凝集している場合は塗布して薄膜とした時に透明にはならない。
このブルーカイト型酸化チタンが水に分散したゾルにも前記同様塩素イオンを塩素元素として50〜10,000ppm含めることができる。これによってゾルから形成された薄膜は触媒機能に優れるばかりでなく、基材との密着性も高まる。
上記の第1及び第2の発明のゾルにおいて、ゾル中の酸化チタン粒子の濃度が高過ぎると粒子が凝集し、ゾルが不安定になる。また酸化チタン粒子の濃度が低過ぎると、例えば薄膜形成の際ゾルの塗布工程に時間がかかるなどの問題が生じる。これらのことから水分散酸化チタンゾル中の酸化チタン粒子の濃度(含有量)は0.05〜10モル/リットルが特に適する。
また水分散酸化チタンゾルを薄膜形成に用いる場合、塗膜の成膜性を高めるためにゾルに水溶性高分子を少量、例えば10〜10,000ppm程度添加することが好ましい。水溶性高分子としてはポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、澱粉などが好適である。
水分散酸化チタンゾルを基材に塗布するには基材をゾル中に浸漬する方法、基材にゾルをスプレーする方法、ゾルを刷毛で基材に塗布する方法などが採用される。ゾルの塗布量は液状の厚さにして0.01〜0.2mmが適当である。塗布後乾燥して水分を除去すれば薄膜が得られ、このままでも触媒等の用途に供することができる。
焼成の雰囲気は特に制限されず、大気中でよい。焼成時間は特に制限はなく、例えば1〜60分の範囲で行えばよい。焼成によって得られる酸化チタン薄膜の厚さは、前記の塗布量の場合0.05〜1.0μm位である。
また、本発明の透明薄膜をより強固で基材に対する接着力を高めるために、適当な接着剤を水分散酸化チタンゾルに添加することもできる。例えば、アルキルシリケートなどの有機シリカ化合物が好適である。添加量は本発明の酸化チタンゾル中の酸化チタンに対しSiO2 換算にして1〜50重量%程度でよい。添加量が1重量%未満であると、接着剤の添加効果が低い。また、50重量%を越えると、基材に対する接着強度は非常に強固になるが、酸化チタン粒子が接着剤に完全にくるまれてしまい光触媒能が消失してしまうので好ましくない。この場合の接着剤は、接着剤の性質により成膜直前に混入するかあらかじめゾルに混合した状態にするか選択すればよく、どちらでも本発明の効果には何ら問題はない。この接着剤を含む薄膜は焼成しなくてもよいが焼成することもできる。
本発明の第1の水分散酸化チタンゾルは前記した量の塩素イオンが含まれていればよく、その製法は特に限定されない。例えばチタンのアルコキシド化合物を加水分解し、アルコールを少量含む水分散酸化チタンゾルを得、これにHCl等を加え、塩素イオン濃度を前記の範囲とすることも可能である。しかし、加水分解により塩化水素が生成する四塩化チタンを用いることが好ましい。第2の発明は四塩化チタンを特定の条件で加水分解することにより得られる。
これらの加水分解において生成する塩化水素は反応槽からの逸出を防止し、できるだけゾル中に残留させることが好ましい。発生する塩化水素を逸出させながら四塩化チタンの加水分解を行なうとゾル中の酸化チタンは粒子径が小さくなりにくく、また結晶性もよくない。
四塩化チタン水溶液の加水分解は四塩化チタンと水との混合溶液を反応槽中で所定の温度に加熱してもよく、また水を反応槽中で予め加熱しておき、これに四塩化チタンを添加し、所定の温度にしてもよい。この加水分解により一般的にはブルーカイト型にアナターゼ型及び/又はブルーカイト型が混合した酸化チタンが得られる。その中でブルーカイト型の酸化チタンの含有率を高めるには水を反応槽で予め75〜100℃に加熱しておき、これに四塩化チタンを添加し、75℃〜溶液の沸点の温度範囲で加水分解する方法が適する。その方法によって生成する全酸化チタンのうちブルーカイト型の酸化チタンを70重量%以上とすることが可能である。
この方法によってゾル中の酸化チタン粒子は平均粒径が0.5μm以下、好ましくは0.01〜0.1μmの範囲の結晶性のよいものとなる。
本発明の水分散酸化チタンゾルの製造方法はバッチ式に限らず、反応槽を連続槽にして四塩化チタンと水を連続投入しながら、投入口の反対側で反応液を取り出し、引き続き脱塩素処理するような連続方式も可能である。
生成したゾルは第1の発明においては脱塩素処理やあるいは支障ない範囲で水の添加、脱水等により塩素イオンが50〜10,000ppmになるように調整する。また第2発明においても必要により前記同様塩素イオンを50〜10,000ppmに調整することができる。
本発明の水分散ゾルに有機溶媒を加え、水と有機溶媒の混合物に酸化チタン粒子を分散させることもできる。
本発明の水分散酸化チタンゾルから酸化チタンの薄膜を形成する場合、加水分解反応で生成したゾルをそのまま用いるのが好ましく、このゾルから酸化チタンの粉末を製造し、これを水に分散し、ゾルにして用いることは好ましい方法ではない。酸化チタンの粒子は表面活性が高く、微粒子になればなるほど活性度が上昇するため水への分散は非常に困難になる、すなわち凝集体となってしまい、これからつくられた薄膜は透明性に劣り、光触媒作用も低下するからである。
(実施例1〜6)
四塩化チタン(純度99.9%)に水を加え、四塩化チタン濃度が0.25モル/リットル(酸化チタン換算2重量%)となるように溶液を調整した。この時、水溶液の液温が50℃以上に上昇しないように氷冷など適当な冷却装置を設けた。次に、この水溶液1リットルを図1に示す還流冷却器付きの反応槽に装入し、沸点付近(104℃)まで加熱し、60分間保持して加水分解した。得られたゾルを冷却後、反応で生成した残留塩素を電気透析により取り除き、表1に示す塩素イオン濃度とした。電気透析は旭化成工業(株)製電気透析装置G3型を用いゾル液のpHを監視しながら実施した。
塩素イオンを調整した夫々の水分散酸化チタンゾルに、成膜用助剤として水溶性高分子であるポリビニルアルコールをゾル液重量に対して1,000ppm添加した。このゾルは塩素イオンが50〜10,000ppmのものは安定であり、1日以上経過しても生成した酸化チタン微粒子の沈降は認められなかった。しかし、塩素イオンが30ppmのものはゾル中の酸化チタンの凝集がみられ、また15,000ppmのものはそれを用いた薄膜が薄い白色を呈した。
透過型電子顕微鏡でゾル中の粒子を観察したところ粒子の平均粒子径は0.015〜0.018μmであり、X線回折装置から前記粒子の同定を行ったところ結晶性の酸化チタンであった。
水分散酸化チタンゾル中の塩素イオン濃度を30ppm(比較例1)及び15,000ppm(比較例2)とした以外は実施例と同様にしてゾルを得た。
酸化チタンの結晶形を粉末X線回折パターンのリートベルト解析により調べた結果、熱処理前のものはアナターゼ型約50重量%と、ブルーカイト型約50重量%の混合物であり、800℃以上に加熱するとルチル型単独となった。
実施例、比較例それぞれの水分散酸化チタンゾルから得た酸化チタン薄膜の光透過率、光触媒能力及び石英ガラス板との密着性を測定した。
光透過率の測定方法は、石英ガラス板上に成膜した酸化チタン薄膜を日本分光(株)製分光光度計にセットして700〜200nmまで波長を連続的に変化させることで光透過率を測定した。そして550nmにおける光透過率を本発明における光透過率として表わした。その結果を表1に示す。
シュウ酸の分解方法は、成膜した酸化チタン薄膜付石英ガラス板で反応容器を作製し、これに5ミリモル/リットルのシュウ酸を入れ、酸素を吹込みながら100Wの水銀ランプを照射し、4時間後のシュウ酸の分解量を過マンガン酸カリウムの酸化還元滴定により求めた。その結果を表1に示す。
また焼成後の石英ガラス板と薄膜との密着性は鉛筆硬度試験法ならびにごばん目剥離試験法(JIS K5400)により求めた。その結果を表1に示す。
実施例1〜6、比較例1,2と同じく水分散酸化チタンゾルを用い、基材としてプラスチック(ポリエチレンテレフタレート(PET))板を用い、その上に前記酸化チタンゾルの塗膜を形成し、焼成の代りに100℃で乾燥した以外は前記実施例、比較例と同様にして酸化チタン薄膜を形成し、その薄膜の特性を評価した。
その結果を表2に示す。
蒸留水954mlを図1に示す還流冷却器付きの反応槽に装入し、95℃に加温する。撹拌速度を約200rpmに保ちながら、ここに四塩化チタン(Ti含有量:16.3%、比重1.59、純度99.9%)水溶液46mlを約5ml/minの速度で反応槽に滴下した。この時、反応液の温度が下がらないように注意した。その結果、四塩化チタン濃度が0.25mol/l(酸化チタン換算2重量%)であった。
反応槽中では反応液が滴下直後から、白濁し始めたがそのままの温度で保持を続け、滴下終了後さらに昇温し沸点付近(104℃)まで加熱し、この状態で60分間保持して完全に反応を終了した。冷却後、反応で生成した残留塩素を電気透析により取り除き、pH=2(塩素イオン600ppm)とした後、成膜用助剤として水溶性高分子であるポリビニルアルコールを酸化チタン含有量に対して0.1%添加して、酸化チタンゾルとした。このゾルは安定であり、30日以上経過しても生成した酸化チタン微粒子の沈降は認められなかった。
一方、前記ゾルをスピンコーターを用いて石英ガラス基板に均一に塗布して、100℃乾燥器で乾燥し透明膜を得た。この薄膜付き石英ガラス基板の透過率は可視部では95%以上を示し完全に透明であった。さらに、紫外部において吸収が認められ、基礎吸収端から求めたエネルギーギャップは3.75eVであった。この時のエネルギーギャップを求める式は(1)式に示す。
λ=1239/Eg (1)
λ:基礎吸収端(nm) Eg:エネルギーギャップ(eV)
実施例9において、四塩化チタン水溶液の滴下する反応温度を75℃とした以外は、実施例9と同様にして酸化チタンを析出させた。この粒子を同様にX線回折装置で同定したところブルーカイト型酸化チタンが75重量%、ルチル型酸化チタンが25重量%であった。また、透過型電子顕微鏡でこの微粒子を観察したところ、1次粒子の平均粒子径は10nmであった。さらにBET法によりこの微粒子比表面積は120m2 /gであった。
電気透析により、pH=1(塩素イオン3000ppm)とした酸化チタンゾルを用いてガラス基板に塗布して、500℃に焼成することで透明薄膜を作製した。この薄膜を薄膜X線回折で測定したところ、前記同様ブルーカイト型とルチル型の混合酸化チタンであった。また、この薄膜付きガラス基板の透過スペクトルから可視部では95%以上の透過率を示し完全に透明であった。さらに、紫外部による基礎吸収端から求めたエネルギーギャップは3.30eVであった。
実施例9において、水と四塩化チタン水溶液の量をそれぞれ862ml、138mlとした以外は同様にした。電気透析でpHを2とした後、このゾルに対してエチルアルコールを等量添加して有機溶媒混合ゾルとした。これをポリエチレンシート上に塗布して乾燥することで酸化チタン薄膜を得た。解析の結果、結晶形はブルーカイト型85重量%、ルチル型15重量%の混合物で、粒子径は15nmであった。可視部の透過率は80%以上であり、エネルギーギャップは3.51eVであった。
1次粒子径が7nmであるアナターゼ型酸化チタン粒子を用い、実施例9と同じように酸化チタン濃度が2%水溶液となるように水に超音波分散器を用いて分散させた。この際、解膠剤として塩酸を添加してpH1とし、以下同様の操作をして酸化チタンゾルとした。また、同様にガラス基板上に塗布、100℃での乾燥により透明薄膜を作成した。
1次粒子径が50nmであるルチル型の酸化チタン粒子を用いた以外は比較例5と同様にして酸化チタンゾルを得た。このゾルも比較例5と同様酸化チタン微粒子の沈降が認められたので解膠剤として塩酸を用いて再分散させて成膜した。この酸化チタンのゾルは時間の経過と共に酸化チタンの微粒子が沈降した。沈降後の上澄み液で成膜した膜に光触媒能力が認められなかったため、ゾルを作成直後に超音波分散器で分散させてから実施例9と同じ方法でガラス基板上に成膜し、光触媒能力の評価を行った。
実施例9〜11、比較例5,6のそれぞれの酸化チタンゾルから得た酸化チタン薄膜の光触媒能力を前記したシュウ酸分解法で求めた。その結果を表3に示す。
比較例6においては、透明な酸化チタン薄膜が得られなかったため、光触媒能力の評価は実施しなかった。
実施例9と同様の反応を行い、濃度が0.25mol/lの四塩化チタン(酸化チタン換算2重量%)を加水分解させた。次にこの反応液を濃縮し酸化チタン濃度を10重量%とし、電気透析で残留塩素を取り除き、pH=2(塩素イオン濃度約600ppm)とした後、接着剤としてテトラメチルオルソシリケートSi(OCH3 )4 を酸化チタンに対してSiO2 換算で5重量%となるように添加して、酸化チタンゾルとした。
実施例12と濃縮、電気透析まで同様な操作を行った後、イソプロピルアルコールで5倍に希釈した後、接着剤としてテトラエチルオルソシリケートSi(OC2 H5 )4 を酸化チタンに対してSiO2 換算で20重量%となるように添加して、有機溶媒混合の酸化チタンゾルとした。
実施例12において、テトラエチルオルソシリケートの代りにテトラプロピルオルソシリケートSi(OC3 H7 )4 を酸化チタンに対してSiO2 換算で35重量%となるように添加して、酸化チタンゾルとした。
実施例14において、テトラプロピルオルソシリケートSi(OC3 H7 )4 を酸化チタンに対してSiO2 換算で55重量%となるように添加して、酸化チタンゾルとした。
実施例12〜14、比較例7のそれぞれの酸化チタンゾルをスピンコーターを用いて石英ガラス板に均一に塗布して室温に放置・乾燥して透明膜を得た。この膜付き石英ガラス板の透過率は可視部では95%以上の透過率を示し完全に透明であった。また、透明膜付きの石英ガラス板の鉛筆硬度試験と密着性の試験を前述の方法で評価した。その結果を表4に示す。
2…四塩化チタン水溶液
3…還流冷却器
4…撹拌機
5…温度計
6…加熱装置
Claims (17)
- 塩素イオンを塩素元素として50〜10,000ppm含む水分散酸化チタンゾル。
- 酸化チタンが平均粒径0.01〜0.1μmの結晶質である請求項1に記載の水分散酸化チタンゾル。
- 平均粒子径が0.5μm以下で比表面積が20m2 /g以上のブルーカイト型酸化チタン粒子が分散した水分散酸化チタンゾル。
- 塩素イオンを塩素元素として50〜10,000ppm含む請求項3に記載の水分散酸化チタンゾル。
- 酸化チタン含有量が0.05〜10モル/リットルである請求項1〜4に記載の水分散酸化チタンゾル。
- 水溶性高分子を10〜10,000ppm含む請求項1〜5に記載の水分散酸化チタンゾル。
- 接着剤を酸化チタンに対し酸化珪素換算で1〜50重量%含む請求項1〜6記載の水分散酸化チタンゾル。
- 接着剤がアルキルシリケートである請求項7記載の水分散酸化チタンゾル。
- 平均粒子径が0.5μm以下で比表面積が20m2 /g以上であるブルーカイト型酸化チタン粒子。
- ブルーカイト型酸化チタンのエネルギーギャップが3.23eV以上である請求項3〜9に記載の水分散酸化チタンゾル又は酸化チタン粒子。
- 請求項1〜8又は10に記載のゾルを用いて基材表面に形成した酸化チタン薄膜。
- 基材がセラミックス、金属、ガラス、プラスチック、紙、木材のいずれかである請求項11に記載の酸化チタン薄膜。
- 基材がセラミックス、金属、ガラス等の耐熱性物質であり、酸化チタン薄膜が焼成したものである請求項11に記載の酸化チタン薄膜。
- 四塩化チタンの加水分解により水分散酸化チタンゾルを生成させ、該ゾル中の塩素イオンを塩素元素として50〜10,000ppmに調整することを特徴とする水分散酸化チタンゾルの製造法。
- 75〜100℃の熱水に四塩化チタンを加え、75℃〜溶液の沸点の温度範囲で加水分解することを特徴とするブルーカイト型酸化チタン粒子の水分散ゾルの製造法。
- 請求項15の酸化チタン粒子の水分散ゾルを濾過、乾燥することを特徴とするブルーカイト型酸化チタン粒子の製造法。
- 四塩化チタンの加水分解を反応槽に還流冷却器を設置して行なう請求項14又は15に記載の水分散酸化チタンゾルの製造法。
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