JP2004043209A - ポリアニリンからなる構造体およびそれを用いた活性酸素発生方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアニリンからなり活性酸素を発生させる構造体において、ポリアニリンA1に存在するアミンまたはイミンの窒素原子が、エポキシ基を持つ有機分子におけるエポキシ基と結合することにより、当該窒素原子がプラス電荷を帯びており、エポキシ基の酸素原子がマイナスに荷電している。ポリアニリンA1は、このマイナスに荷電した酸素原子にて、水中のH2Oから電子およびプロトンを奪うことで、ポリアニリンA1自身は還元される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水と接触して活性酸素を発生することにより、殺菌や脱臭などの機能を発揮するポリアニリンからなる構造体およびそれを用いた活性酸素発生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアニリンは、酸化還元反応におけるレドックス触媒として働き、水中で酸素を還元して主としてスーパーオキシドアニオンラジカル(・O2 −)や過酸化水素などの活性酸素を生成させる能力がある。このようなポリアニリンを利用した水の殺菌方法が特開平9−175801号公報に提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ポリアニリンは、酸素に電子を供与することで,スーパーオキシドアニオンラジカルまたその反応物としての過酸化水素を発生させる能力を有する。
【0004】
ところが、ポリアニリンヘ電子を供給する手段のない場合は、ポリアニリン自からの電子を酸素に供給することとなり、ポリアニリンの電子量が徐々に減少していく。そして、結果として、ポリアニリンはエメラルジン構造にまで酸化されたところで酸素に供給できる電子がなくなり、スーパーオキシドアニオンラジカルを発生させることができなくなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明者らは、ポリアニリンに水から電子を奪い取る能力を付与することで、水の電子および水由来のプロトンをポリアニリンに移動させ、ポリアニリンを還元させることを考えた。
【0006】
それにより、ポリアニリンが酸素に供与する電子の源は水となるため、ポリアニリンが水で濡れる環境下では、スーパーオキシドアニオンラジカルに供給する電子源が無くなる問題は解決できると考えた。
【0007】
さらに、ポリアニリンが水から電子およびプロトンを奪うことによって、水が酸化される際に有機物分解能力の高いヒドロキシラジカル(・OH)が発生することから、結果的に、従来のポリアニリンが主として発生させるスーパーオキシドアニオンラジカルよりも有機物分解能力を高くできると考えた。
【0008】
ちなみに、ポリアニリンよりも酸化還元電位が負側(卑)である金属と接触させることで、金属からポリアニリンヘ電子が移動し、その電子が水中に溶解している酸素に供給されることでスーパーオキシドアニオンラジカルを発生させることができる。
【0009】
しかし、このように卑な金属を電子源とする場合、当該金属からポリアニリンへの電子移動が生じるため、ポリアニリンが水から電子を奪ってヒドロキシラジカルを発生させる反応がほとんど生じない。そのことから、有機物分解能力を高くするためには好ましくない。
【0010】
本発明は上記問題に鑑み、水と接触してヒドロキシラジカルを発生することにより、殺菌や脱臭などの機能を発揮するポリアニリンからなる構造体において、水から電子をポリアニリンに供給可能な構造体およびそれを用いた活性酸素発生方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らは、ポリアニリンの分子構造などについて鋭意検討を行い、ポリアニリンが水から電子を奪ってヒドロキシラジカルを発生させるためには、以下に示す各手段が効果的であることを実験的に見出した。
【0012】
すなわち、請求項1に記載の発明では、ポリアニリンからなり活性酸素を発生させる構造体において、ポリアニリンに存在するイミンの窒素原子が当該イミンと反応し得る官能基と結合しており、この官能基と結合したポリアニリンのイミンにおける窒素原子がプラス電荷を帯びていることを特徴とする。
【0013】
官能基と結合したポリアニリンのイミンにおける窒素原子がプラス電荷を帯びるということは、当該イミンと結合した官能基における特定部がマイナスに荷電されることを意味している。
【0014】
具体的には、請求項3に記載の発明のように、ポリアニリンのイミンと反応し得る官能基としてはエポキシ基を用いることができる。そして、例えばイミンを有するエメラルジン構造のポリアニリンとエポキシ基を含む有機分子とを反応させ、当該イミンに当該有機分子を結合させることにより、請求項1に記載のポリアニリンを得ることができる(図1参照)。
【0015】
このようなポリアニリン分子上において発生した電荷の分離は、水からのヒドロキシラジカル生成反応を引き起こす一因となる。すなわち、上記したマイナスに荷電した官能基部分が、水中のH2Oから電子およびプロトンを奪い、ポリアニリン自身は還元される(図2参照)。
【0016】
このように、ポリアニリンには水から電子が供給されて、有機物分解能力の高いヒドロキシラジカルが発生し、このヒドロキシラジカルにより殺菌や脱臭が行われる。そのため、水の存在する環境下では、ポリアニリンが酸素に供与する電子が無くなることはなく、活性酸素発生能力の寿命を心配する必要はない。さらに、ヒドロキシラジカルの発生をともなうため、有機物分解能力を高めることができる。
【0017】
よって、本発明によれば、水と接触してヒドロキシラジカルを発生することにより、殺菌や脱臭などの機能を発揮するポリアニリンからなる構造体において、水から電子をポリアニリンに供給可能な構造体を提供することができる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明では、ポリアニリンからなり活性酸素を発生させる構造体において、ポリアニリンに存在するアミンの窒素原子が当該アミンと反応し得る官能基と結合している構造を有し、且つポリアニリン自体が電子を放出する性質を持っていることを特徴とする。
【0019】
本発明も実験的に見出したものであり、ポリアニリンの分子構造によっては、ポリアニリンに存在するアミンの窒素原子が当該アミンと反応し得るエポキシ基などの官能基と結合した直後は、アミンはプラスに荷電されていない場合がある。具体的には、2級アミンに官能基が結合した場合などであり、ルイコエメラルジン構造のもの、あるいはルイコエメラルジン構造とエメラルジン構造との間の酸化還元状態にあるものなどが挙げられる。
【0020】
しかし、本発明者らは、このような構造でも、ポリアニリンが水中にある酸素などに電子を放出することでアミンがイミンに変化し、上記請求項1に記載の構造体と同様に、イミン中の窒素原子がプラス電荷を帯び、官能基はマイナス電荷を帯びるようになることを実験的に見出した。
【0021】
そして、請求項1の発明と同様、マイナスに荷電した官能基部分が、水中のH2Oから電子およびプロトンを奪い、ポリアニリン自身は還元される。それにより、ポリアニリンには水から電子が供給されて、有機物分解能力の高いヒドロキシラジカルが発生し、このヒドロキシラジカルにより殺菌や脱臭が行われる。
【0022】
よって、本発明によっても、水と接触してヒドロキシラジカルを発生することにより、殺菌や脱臭などの機能を発揮するポリアニリンからなる構造体において、水から電子をポリアニリンに供給可能な構造体を提供することができる。
【0023】
次の各手段は、請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の構造体と水とを接触させることにより活性酸素を発生させる活性酸素発生方法に関するものである。
【0024】
請求項4に記載の発明は、このような活性酸素発生方法であって、水に濡れたポリアニリンを乾燥させる工程を備えることを特徴とする。
【0025】
本発明も実験的に見出したものである。詳しいメカニズムは不明ではあるが、請求項1〜請求項3に記載のポリアニリンを水に接触させてヒドロキシラジカルを発生させ続けているうちに、次第にヒドロキシラジカル発生能力が低下していくことを見出した。
【0026】
ここにおいて、水に濡れたポリアニリンを乾燥させることにより、ポリアニリンにおけるヒドロキシラジカルの発生能力を回復させることができることを実験的に確認した。
【0027】
このように、本発明の活性酸素発生方法によれば、ポリアニリンにおけるヒドロキシラジカル発生能力を長期に渡って低下させることなく維持することができる。
【0028】
また、請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の活性酸素発生方法において、構造体をポリアニリンへ電子が移動しない材料の表面に形成した状態で用いることを特徴とする。
【0029】
上述したように、ポリアニリンからなる構造体を、卑な金属などの表面に形成すると、当該金属からポリアニリンへの電子移動が生じるため、ポリアニリンが水から電子を奪ってヒドロキシラジカルを発生させる反応がほとんど生じることなくなり、好ましくない。
【0030】
その点、構造体をポリアニリンへ電子が移動しない材料の表面に形成した状態で用いるようにすれば、ポリアニリンのヒドロキシラジカル発生能力が阻害されずに十分発揮されうる。
【0031】
また、請求項6に記載の発明では、請求項4に記載の活性酸素発生方法において、構造体を金属基板の表面に形成した状態で用いる場合に、構造体と金属基板との間に電子の移動を阻止または抑制することのできる導電性を持たない層間膜を介在させることを特徴とする。
【0032】
それによれば、金属基板の表面にポリアニリンからなる構造体を設ける必要のある場合に、上記層間膜を介在させることにより、上記請求項5の発明と同様の作用効果が得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。本実施形態のポリアニリンからなる構造体は、水と接触して活性酸素を発生するが、本実施形態においてポリアニリンが発生させる活性酸素は、ヒドロキシラジカル(・OH)およびスーパーオキシドアニオンラジカル(・O2 −)であり、これらのラジカルは、水のpHなどの条件により、パーヒドロキシラジカル(・OOH)、過酸化水素(H2O2)などに変化する。
【0034】
本実施形態のポリアニリンからなる構造体は、2種類ある。第1のタイプは、ポリアニリンに存在するイミンの窒素原子が当該イミンと反応し得る官能基と結合しており、この官能基と結合したポリアニリンのイミンにおける窒素原子がプラス電荷を帯びているものである。
【0035】
第2のタイプは、ポリアニリンに存在するアミンの窒素原子が当該アミンと反応し得る官能基と結合している構造を有し、且つポリアニリン自体が電子を放出する性質を持っているものである。
【0036】
これら第1および第2のタイプのような官能基と結合したポリアニリンは、通常のポリアニリンと当該官能基を有する有機分子とを反応させることで得ることができる。反応に用いるポリアニリンは、次の化学式1〜化学式4に示す構造を有する化合物である。
【0037】
【化1】
【0038】
【化2】
【0039】
【化3】
【0040】
【化4】
【0041】
ここで、上記化学式1〜化学式4において、X+Y=1で、nは2〜5000の間である。
【0042】
X=Yの構造になる時がエメラルジン構造であり、X=1の時がルイコエメラルジン構造である。なお、上記化学式1〜化学式4において、水から電子を奪い取る能力を有するポリアニリンは、エメラルジンとルイコエメラルジンとの間の酸化還元状態にあるものすなわち0.5≦X≦1.0の条件を満たすポリアニリンである。
【0043】
さらに言うならば、エメラルジン構造では、1分子における2級アミン骨格部分(化学式1〜4における左の部分)と3級アミン骨格部分(化学式1〜4における右の部分)との割合が1:1であり、ルイコエメラルジン構造では、1分子が2級アミン骨格のみからなる。
【0044】
そして、0.5≦X≦1.0の条件を満たすポリアニリンは、1分子中、2級アミン骨格部分の方が3級アミン骨格部分よりも過剰なものである。この0.5≦X≦1.0の条件を満たすポリアニリンを以下、エメラルジン−ルイコエメラルジン中間構造と呼ぶことにする。
【0045】
なお、上記化学式1〜化学式4に示すポリアニリンにおいては、ベンゼン環の水素がアルキル基やアルコキシル基、水酸基、スルホン基などの官能基と置換されていても構わない。また、これらポリアニリンの分子量についても特に制限されるものではない。
【0046】
これら化学式1〜化学式4のポリアニリンと反応する上記官能基を有する有機分子としては、限定するものではないが、エポキシ基を有する有機分子を用いることができる。エポキシ基を有する有機分子を用いた場合において、まず、第1のタイプを生成する反応メカニズムを図1に示す。
【0047】
図1に示すように、第1のタイプでは、イミンを有するエメラルジン構造のポリアニリンとエポキシ基を含む有機分子とを反応させる。有機分子のエポキシ基が開環して、イミンの窒素原子に有機分子が結合する。
【0048】
それにより、このエポキシ基と結合したポリアニリンのイミンにおける窒素原子がプラス電荷を帯びるとともに、当該イミンと結合したエポキシ基における酸素原子がマイナスに荷電される。このマイナスに荷電した酸素原子は反応性が高く、ポリアニリンが水から電子を引き抜く能力が発現する。図1に示すように、上記電荷の分離が発生したポリアニリンA1が第1のタイプである。
【0049】
このようなポリアニリンA1上において発生した電荷の分離は、水からのヒドロキシラジカル生成反応を引き起こす。この第1のタイプのポリアニリンA1においては、実際に、ヒドロキシラジカルの発生およびそれに伴うスーパーオキシドアニオンラジカルの発生が起こる。この現象についての推定メカニズムを図2に示す。
【0050】
第1のタイプのポリアニリンA1においては、図2中の左上に位置する第1の状態100に示すように、エポキシ基と結合したポリアニリンの3級アミンにおける窒素原子がプラス電荷を帯びるとともに、当該アミンと結合したエポキシ基における酸素原子がマイナスに荷電している。
【0051】
マイナスに荷電したエポキシ基の酸素原子の反応性は高くなり、水の水素原子を引き抜くことでOH基を形成させ、それと同時にヒドロキシラジカルを発生させる。その際、水から奪った電子がポリアニリンの六員環または窒素原子ヘ移動することで電荷分離は消失する。
【0052】
このように、ポリアニリンA1が酸素原子の部分にて水中のH2Oから電子およびプロトンを奪うことに伴い、ヒドロキシラジカルが発生し、ポリアニリン自身は還元され、図2中の左下の部分に位置する第2の状態200に示す構造となる。
【0053】
これが図2中にPAn還元系として示すポリアニリン還元系の活性酸素発生機構である。つまり、第1のタイプのポリアニリンA1は第1の状態100から第2の状態200へと、自身は還元され、それに伴いヒドロキシラジカルを発生させる。
【0054】
なお、図2中、第2の状態20に示される還元されたポリアニリンにおいては、水から奪った電子は、ポリアニリンの六員環に移動したラジカル電子E1として示している。このラジカル電子E1は不安定な状態であり、図2の右上の部分に位置する第3の状態300に示すように、容易に水中の酸素に渡される。
【0055】
その際、図2の右下の部分に位置する第4の状態400に示すように、ラジカル電子E2を渡された酸素はスーパーオキシドアニオンラジカルとなるとともに、ポリアニリンのOH基のプロトンが外れ、再び電荷分離した初期の状態すなわち第1の状態100のポリアニリンA1に戻る。
【0056】
これが図2中にPAn酸化系として示すポリアニリン酸化系の活性酸素発生機構である。つまり、ポリアニリンは第3の状態300から第4の状態400へと、自身は酸化され、それに伴いスーパーオキシドアニオンラジカルを発生させる。
【0057】
次に、第2のタイプについて説明する。図3は、エポキシ基を有する有機分子を用いた場合において、第2のタイプを生成する反応メカニズムである。この第2のタイプは、2級アミンとエポキシ基との結合反応により生成することができる。
【0058】
このような第2のタイプを生成するために用いるポリアニリンとしては、上記化学式1〜化学式4において、2級アミンが過剰なもの、すなわちルイコエメラルジン構造のもの、あるいはルイコエメラルジン構造とエメラルジン構造との間の酸化還元状態にあるものすなわちエメラルジン−ルイコエメラルジン中間構造を用いることができる。
【0059】
図3に示すように、第2のタイプは、ポリアニリンの2級アミンとエポキシ基を含む有機分子とを反応させる。有機分子のエポキシ基が開環して、2級アミンの窒素原子に有機分子が結合する。このとき、2級アミンの水素原子が移動して開環したエポキシ基の酸素原子に結合して、OH基となる。この状態のポリアニリンA2が第2のタイプである。
【0060】
この反応直後のポリアニリンA2では、第1のタイプのような電荷の分離は生じないが、本発明者らの検討によれば、このポリアニリンA2が水中にある酸素に電子を放出することで、ポリアニリンA2の酸化が進行すると、上記図1に示した第1のタイプのポリアニリンA1と同様にアミンがイミンに変化し、イミン中の窒素原子がプラス電荷を帯び官能基はマイナス電荷を帯びる構造となる。
【0061】
そのため、この第2のタイプのポリアニリンA2においても、第1のタイプのポリアニリンA1の構造となることができ、後は、上記図2に示すメカニズムに準じて、ヒドロキシラジカルおよびスーパーオキシドアニオンラジカルを発生させることができる。
【0062】
このように、第1および第2のタイプのポリアニリンA1、A2によれば、ポリアニリンには水から電子が供給されて、有機物分解能力の高いヒドロキシラジカルが発生し、このヒドロキシラジカルにより殺菌や脱臭が行われる。そのため、水の存在する環境下では、ポリアニリンが酸素に供与する電子が無くなることはなく、活性酸素発生能力の寿命を心配する必要はない。さらに、ヒドロキシラジカルの発生をともなうため、有機物分解能力を高めることができる。
【0063】
よって、本実施形態によれば、水と接触してヒドロキシラジカルを発生することにより、殺菌や脱臭などの機能を発揮するポリアニリンからなる構造体において、上記第1および第2のタイプのポリアニリンA1、A2を採用することにより、水から電子をポリアニリンに供給可能な構造体を提供することができる。
【0064】
なお、上記官能基を有する有機分子としてエポキシ基を有する有機分子を用いた例を示したが、上記のような特性でアミンまたはイミンと結合できる官能基を有している分子であれば、その種類や分子量など、特に制限されるものではない。また、上記第1および第2のタイプのポリアニリンA1、A2を生成する反応は通常の化学反応にて行うことができる。
【0065】
ここで、本実施形態のポリアニリンからなる構造体としては、ポリアリニン鎖のアミンと官能基の結合によりポリアニリン鎖が架橋された構造であっても良い。例えば、上記図1において用いられる有機分子の両端にエポキシ基がある場合、一つの有機分子によって二つのポリアニリン分子が架橋された構造となる。
【0066】
また、本実施形態に用いるポリアニリンからなる構造体としては、基板に成膜した状態でも、単独の膜または塊の状態でも構わない。もちろん、成膜する基板の形による制約もない。
【0067】
また、本実施形態の構造体中には、導電性の向上をはかり、接触する水との電子のやり取りをスムーズにするために、カーボン粉末や導電性金属類、他の導電性高分子などの導電性物質または化合物を含ませても良い。
【0068】
しかし、ポリアニリンの酸化還元電位(水素電極(SHE)を基準として+0.8〜−0.2V)よりも負側(卑)である金属を含ませた場合は、当該金属からポリアニリンヘの電子移動が生じるため、ポリアニリンが水から電子を奪ってヒドロキシラジカルを生成する能力が低下する。そのため、ポリアニリンよりも酸化還元電位が負側である金属を添加する場合、その添加量は少なめにする方がよい。
【0069】
また、ポリアニリンからなる構造体に対し、接着性や物理強度の向上など、特定の性能を強化する目的で、樹脂からなる接着材などの添加物を含ませることも可能である。ここで、当該添加物の含有量に関しては特に制約されるものではないが、添加物の割合は少ない方が好ましい。
【0070】
また、その添加物は、疎水性よりも親水性の方がポリアニリンと水との接触頻度が多くなるため、活性酸素を発生させて有機物を分解させるという目的や、ポリアニリンを還元させるという目的に対して望ましい。
【0071】
また、本実施形態のポリアニリン構造体がヒドロキシラジカルを発生させる能力はその表面積により大きく影響されるため、構造体をポーラス(多孔質)な状態に加工、またはポーラスな基板にポリアニリンを成膜するなどの手段で有機物分解能力を高めることもできる。
【0072】
以上のように、本実施形態の構造体は水と接触させることにより活性酸素を発生させることができる。
【0073】
すなわち、上記両タイプのポリアニリンA1、A2を含む構造体では、水に濡らすことではじめて、水からポリアニリンに電子およびプロトンを移動させてポリアニリンを還元させることができる。その際、有機物分解能力の高いヒドロキシラジカルが生成する。
【0074】
そして、ポリアニリンは、還元されることで自らの電子を酸素に供与できるようになるため、引き続きスーパーオキシドアニオンラジカルを発生させることができるようになる。
【0075】
このような図2に示す第1〜第4の状態100〜400のサイクルを繰り返すことで水からポリアニリンへ電子が供給されるため、水を電子供給源とできることにより、ポリアニリン自身の電子の減少が抑制され、活性酸素発生能力の長寿命化が図れる。
【0076】
しかし、本発明者らの実験検討によれば、このサイクルを繰り返すうちに、ヒドロキシラジカルやスーパーオキシドアニオンラジカルを発生させれる能力が徐々に低下していくことがわかった。これは、詳しいメカニズムは不明ではあるが、上記サイクル中においても、ある程度ポリアニリンが自らの電子を失い酸化されていくためと考えられる。
【0077】
したがって、本実施形態のポリアニリン構造体を用いた活性酸素発生方法においては、ポリアニリン構造体を水に浸漬して放置していると、ヒドロキシラジカルおよびスーパーオキシドアニオンラジカルの発生能力が徐々に低下していくことになる。この発生能力低下について検討した結果、水に濡れたポリアニリンを乾燥させる工程を備えるものにすれば良いことが実験的にわかった。
【0078】
すなわち、あるサイクルでポリアニリンに対して水漏れと乾燥という処理を繰り返し行うことで、ポリアニリンにおける水から電子を奪う能力を回復させることができ、ヒドロキシラジカルおよびスーパーオキシドアニオンラジカルの発生能力を回復させることができる。そして、活性酸素発生能力を長期に渡って低下させることなく維持することができる。
【0079】
また、本実施形態のポリアニリンを用いた活性酸素発生方法において、ポリアニリンが水から電子を奪いヒドロキシラジカルを発生させる能力を高めるためには、水以外からポリアニリンに対して電子が供給されない環境をつくることが重要である。
【0080】
そのため、ポリアニリンからなる構造体を基板に成膜した形で水と接触させる場合には、当該基板の構成材料としてポリアニリンへ電子が移動しない材料、例えば絶縁性の樹脂やセラミックなどを選定することが望ましい。
【0081】
当該基板として卑な金属を用いると、当該金属からポリアニリンへの電子移動が生じるため、ポリアニリンが水から電子を奪ってヒドロキシラジカルを発生させる反応がほとんど生じることなくなり、好ましくない。その点、構造体をポリアニリンへ電子が移動しない材料の表面に形成した状態で用いれば、ポリアニリンのヒドロキシラジカル発生能力が阻害されずに十分発揮されうる。
【0082】
また、本実施形態のポリアニリン構造体を、アルミニウムや鉄、亜鉛、鉛、白金などの金属基板の表面に形成した状態で用いる必要のある場合には、構造体と金属基板との間に電子の移動を阻止または抑制することのできる導電性を持たない層間膜を介在させることが好ましい。
【0083】
それによれば、上記層間膜を介在させることにより、構造体をポリアニリンへ電子が移動しない材料の表面に形成した状態で用いる場合と同様の作用効果が得られる。
【0084】
このような層間膜としては、金属基板の表面に対してリン酸チタン処理、リン酸鉛処理、クロメート処理、アロジン法、モリブデン酸系処理、塩化セレン処理、シラン化合物処理などの化成処理を行うことにより形成された酸化防止皮膜を採用することができる。これら酸化皮膜では、金属からポリアニリンヘの電子移動を完全に阻止することは難しいが、移動する電子量を著しく低下できる。
【0085】
次に、本実施形態について、以下に示す実施例を参照してより具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は本実施形態に述べた効果の検証などを行ったものであるが、本実施形態はこの実施例に限定されるものではない。
【0086】
【実施例】
(実施例1)
通常のリン酸チタン処理を行うことにより層間膜としてのリン酸チタン皮膜を形成したアルミニウム基板を1.5×0.5cmの大きさに切り取り、その上に構造体としてのポリアニリン膜を成膜した。
【0087】
本実施例のポリアニリン膜の原料液として、上記化学式1に示すエメラルジン構造のポリアニリンをNMP(n−メチルピロリドン)に1.7wt%溶解し、さらに、このポリアニリンの重量に対して3倍量のエポキシ系親水化剤(共栄社化学製の商品名:エポライト)を添加したもの作製した。
【0088】
また、比較例のポリアニリン膜の原料液として上記した本実施例の原料液においてエポキシ系親水化剤を添加しないものを作製した。そして、本実施例および比較例の原料液を、それぞれリン酸チタン皮膜を形成したアルミニウム基板の上に塗布し、140℃の条件下で加熱乾燥させた。
【0089】
それにより、本実施例においては、上記図2に示されるような官能基としてのエポキシ基が3級アミンに結合してなる第1のタイプのポリアニリンA1が得られる。一方、比較例においては、上記化学式1に示される構造のポリアニリンが得られる。ここで、本実施例のポリアニリン膜を「EB−epx」と言うこととし、比較例のポリアニリン膜を「EB−non」と言うこととする。
【0090】
これらリン酸チタン皮膜処理したアルミニウム基板に成膜されたEB−epxおよびEB−nonについて、次のような水への浸漬試験を行い、まず、ポリアニリンの過酸化水素発生能力およびヒドロキシラジカル発生能力を調べて比較した。
【0091】
[過酸化水素およびヒドロキシラジカル発生能力の比較]
上記基板に成膜されたEB−epxおよびEB−nonをそれぞれ水に浸漬し、5時間浸漬した後に蓄積されたスーパーオキシドアニオンラジカルの発生指標となる過酸化水素の量、およびヒドロキシラジカルの発生指標となるp−ニトロソジメチルアニリンのA440nmの吸光度の減少量について測定した。なお、この水への浸漬試験における測定の反復数は3とした。
【0092】
その結果を図4に示す。図4中、(a)ではスーパーオキシドアニオンラジカル発生能力としての過酸化水素発生能力を示す過酸化水素発生量の測定結果を示し、(b)ではヒドロキシラジカル発生能力としての上記A440nmの吸光度の減少量の測定結果を示す。
【0093】
図4に示すように、本実施例のEB−epxの過酸化水素発生能力は、比較例のEB−nonよりも低かったが、ヒドロキシラジカルの発生能力は逆に高く、EB−nonの2倍となった。つまり、EB−epxにおいては、水から電子を奪いヒドロキシラジカルを発生させる反応が促進されていることがわかった。
【0094】
ちなみに、比較例のEB−nonでもヒドロキシラジカルが発生しているが、これは、ポリアニリンから水の酸素へ電子が付与されて発生したスーパーオキシドアニオンラジカルが、条件によって過酸化水素と反応してヒドロキシラジカルとなることによるものと考えられる。
【0095】
[水浸漬時間に対する過酸化水素およびヒドロキシラジカルの発生量]
図5は、上記の水への浸漬試験において、EB−epxおよびEB−nonの各ポリアニリン膜における過酸化水素の発生量およびヒドロキシラジカルの発生量(上記吸光度の減少量Δ440nm)を水浸漬時間に対してプロットしたものを示す図である。図5中、(a)はEB−nonの場合、(b)はEB−epxの場合である。
【0096】
図5(a)に示すように、比較例であるEB−nonでは、過酸化水素すなわちスーパーオキシドアニオンラジカルの発生挙動とヒドロキシラジカルの発生挙動が同じとなり、両者とも、水浸漬時間の増加とともにその発生速度が低下していく様子が観察された。これは、水浸漬時間とともにポリアニリン中の電子が次第に減少していくためと考えられる。
【0097】
一方、図5(b)に示すように、本実施例のEB−epxでは、ヒドロキシラジカルの発生速度は水浸漬時間の増加とともに低下していくが、過酸化水素の発生速度は水浸漬時間の増加により徐々に高まっていく傾向が見られた。つまり、両ラジカルの発生挙動が逆の傾向になった。
【0098】
[水浸漬回数によるヒドロキシラジカル発生能力の変化]
次に、リン酸チタン皮膜処理したアルミニウム基板に成膜されたEB−epxとEB−nonを、それぞれ5時間水に浸漬し、その後は自然乾燥するというサイクルを繰り返し行った。なお、自然乾燥は25℃で19時間行った。そして、ヒドロキシラジカル発生能力の水浸漬回数による変化を調査した。
【0099】
図6は、水浸漬回数によるヒドロキシラジカル発生能力(上記吸光度の減少量)の変化を示す図である。比較例であるEB−nonでは水浸漬回数3回目以降、ヒドロキシラジカルを発生させる能力が著しく低下したのに対し、本実施例のEB−epxではそのような低下は観察されなかった。
【0100】
なお、本実施例のEB−epxでは、ヒドロキシラジカル発生能力の低下度合は水浸漬回数5回目にてほぼ飽和し、水浸漬回数6回目以降ヒドロキシラジカル発生能力は同水準で推移した。結果として、本実施例では、7000時間水浸漬による活性酸素の発生を継続させた後でも、ヒドロキシラジカルの発生能力を十分に確認することができた。
【0101】
[ポリアニリンの還元・酸化の検証]
ここまでにおいて、本実施例のEB−epxでは、比較例すなわち従来のものに比べてヒドロキシラジカルの発生能力が高まっていることを確認した。上記図2に示すサイクルに示したように、ヒドロキシラジカルは水の酸化により生ずるものであり、その際に水の電子がポリアニリンヘ移動し、ポリアニリンが還元されていると考えられる。
【0102】
そこで、本実施例のEB−epxを水に浸漬することでポリアニリンが本当に還元されているのか検証するため、上記と同様の方法でEB−epxを石英ガラス基板に成膜し、水浸漬時間に対するEB−epx膜の吸光度特性の変化を観察した。
【0103】
図7は、その結果を示す吸光度スペクトル図であり、300nm〜400nmの間のピークの変化などによりポリアニリンの酸化還元状態がわかる。図7(a)では、水浸漬1時間後のスペクトルを破線、水浸漬前のスペクトルを実線にて示しており、両スペクトルの差から、水浸漬の最初の1時間においてポリアニリンが還元していることがわかる。
【0104】
また、図7(b)では水浸漬後1時間のスペクトルを破線、水浸漬5時間後のスペクトルを実線にて示している。さらに水浸漬を続け水浸漬時間が5時間になると、図7(b)に示す両スペクトルの差に示されるように、ポリアニリンが酸化されていくことがわかる。
【0105】
上記図5(b)に示すように、EB−epxではヒドロキシラジカルおよびスーパーオキシドアニオンラジカルの発生挙動が互いに逆の傾向にあるが、この現象は、図7に示すポリアニリンの酸化還元状態の変化をもとにして次のように解釈できる。
【0106】
すなわち、水浸漬の初期では、ポリアニリンが水から電子を奪い取ってヒドロキシラジカルを発生させポリアニリン自身は還元される反応、すなわち上記図2に示すポリアニリン還元系の活性酸素発生機構が急激に進行する。
【0107】
その間、EB−epxのポリアニリンが水中の酸素に電子を供与することでスーパーオキシドアニオンラジカルを発生させポリアニリン自身は酸化される反応、すなわち上記図2に示すポリアニリン酸化系の活性酸素発生機構はあまり進行せず、結果、過酸化水素の蓄積量も少ない。
【0108】
そして、ポリアニリンが水から電子を奪い取り、自らを還元させる反応の進行は水浸漬時間とともに低下していく。しかし、ポリアニリンは確実に還元されていくため、還元されたポリアニリンが増加していくことにより、ポリアニリンが酸素に電子を供与してスーパーオキシドアニオンラジカルを発生させる能力は高まっていく。
【0109】
その結果、水浸漬時間の経過とともに、ポリアニリン還元系の活性酸素発生機構の進行速度が高まる、すなわちスーパーオキシドアニオンラジカルの発生速度が徐々に高まり、過酸化水素の蓄積量が多くなっていく、と解釈できる。
【0110】
以上述べてきたように、本発明の活性酸素発生方法によれば、ポリアニリンの発生させるスーパーオキシドアニオンラジカルやヒドロキシラジカルなどの活性酸素の電子源が水となるために、水の存在する環境下では活性酸素の発生寿命を考える必要がなくなり、長期間にわたり、活性酸素による有機物分解効果を維持できる。
【0111】
さらに、ポリアニリンが直接水からヒドロキシラジカルを発生させることができるため、有機物などを分解する能力も高くなるという効果がある。
【0112】
また、従来では、二酸化チタンなどの光触媒も同様に水を電子源としてヒドロキシラジカルやスーパーオキシドアニオンラジカルなどの活性酸素を発生させることができる。しかし、ポリアニリンを用いる場合は光触媒と異なり、活性酸素の発生に光源を必要としないという利点がある。
【0113】
つまり、本発明のポリアニリンは、光源や電子源などの設備を必要とせず、水による濡れ乾きのサイクルを利用することで、長期間にわたり有機物分解能力の高いヒドロキシラジカルを発生させることのできる新しい材料を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における第1のタイプのポリアニリンの生成メカニズムを示す図である。
【図2】上記第1のタイプのポリアニリンによるヒドロキシラジカルおよびスーパーオキシドアニオンラジカルの発生メカニズムを示す図である。
【図3】上記実施形態における第2のタイプのポリアニリンの生成メカニズムを示す図である。
【図4】実施例1およびその比較例におけるポリアニリンの過酸化水素発生能力およびヒドロキシラジカル発生能力を調べ比較した結果を示す図である。
【図5】実施例1およびその比較例における過酸化水素の発生量およびヒドロキシラジカルの発生量の水浸漬時間に対する変化を示すものあり、(a)は比較例の場合を示す図、(b)は実施例1の場合を示す図である。
【図6】実施例1およびその比較例におけるポリアニリンのヒドロキシラジカル発生能力の水浸漬回数による変化を示す図である。
【図7】実施例1のポリアニリンにおける水浸漬時間に対する吸光度特性の変化を示す図である。
【符号の説明】
A1…第1のタイプのポリアニリン、A2…第2のタイプのポリアニリン。
Claims (6)
- ポリアニリンからなり活性酸素を発生させる構造体において、
ポリアニリンに存在するイミンの窒素原子が当該イミンと反応し得る官能基と結合しており、この官能基と結合したポリアニリンのイミンにおける窒素原子がプラス電荷を帯びていることを特徴とする構造体。 - ポリアニリンからなり活性酸素を発生させる構造体において、
ポリアニリンに存在するアミンの窒素原子が当該アミンと反応し得る官能基と結合している構造を有し、且つポリアニリン自体が電子を放出する性質を持っていることを特徴とする構造体。 - 前記官能基がエポキシ基であることを特徴とする請求項1または2に記載の構造体。
- 請求項1ないし3のいずれか一つに記載の構造体と水とを接触させることにより活性酸素を発生させる方法であって、
水に濡れたポリアニリンを乾燥させる工程を備えることを特徴とする活性酸素発生方法。 - 前記構造体をポリアニリンへ電子が移動しない材料の表面に形成した状態で用いることを特徴とする請求項4に記載の活性酸素発生方法。
- 前記構造体を金属基板の表面に形成した状態で用いる場合に、前記構造体と前記金属基板との間に電子の移動を阻止または抑制することのできる導電性を持たない層間膜を介在させることを特徴とする請求項4に記載の活性酸素発生方法。
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