JP2004042646A - 低解像度記録モードを有するドット記録方法および装置、並びに、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】同一のインクを多数回重ねることなく、低解像度用の比較的大サイズのドットを形成する。
【解決手段】低解像度記録モードにおいて、濃度と色相とのうちの少なくとも一方が異なる複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように同一の主走査の間にそれぞれ吐出することによって、低解像度記録モードにおけるドットピッチに適した比較的大サイズのドットを形成する。大サイズのドットを形成する第1の方法では、ほぼ同一色で濃度が異なる複数種類の同一色インクを同一のドット位置に重ねるように吐出する。第2の方法では、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された1つのインクと、ブラックインクとの2種類のインクを重ねて吐出する。第3の方法では、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された2種類のインクを重ねて吐出する。
【選択図】 図8
【解決手段】低解像度記録モードにおいて、濃度と色相とのうちの少なくとも一方が異なる複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように同一の主走査の間にそれぞれ吐出することによって、低解像度記録モードにおけるドットピッチに適した比較的大サイズのドットを形成する。大サイズのドットを形成する第1の方法では、ほぼ同一色で濃度が異なる複数種類の同一色インクを同一のドット位置に重ねるように吐出する。第2の方法では、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された1つのインクと、ブラックインクとの2種類のインクを重ねて吐出する。第3の方法では、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された2種類のインクを重ねて吐出する。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高解像度と低解像度の記録モードを有するドット記録装置を用いたドット記録技術に関し、特に低解像度記録モードにおけるドット形成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの出力装置として、複数色のインクをヘッドから吐出するタイプのカラープリンタが広く普及し、コンピュータ等が処理した画像を多色多階調で印刷するのに広く用いられている。プリンタで印刷を行う際には、高解像度で高品質な印刷物を作成したい場合と、低解像度でも高速に印刷物を作成したい場合とがある。高解像度では小さなピッチで小さなドットが形成され、低解像度では大きなピッチで大きなドットが形成される。従来は、低解像度で記録を行うためには、同一のインクを多数回重ねることによってドットの大きさを増加させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、同一のインクを多数回重ねるためには、通常は、同一ライン上を走査する走査回数を増加させる必要がある。このため、低解像度での記録にも係わらず、記録速度があまり高くならないという問題があった。
【0004】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、同一のインクを多数回重ねることなく、低解像度用の比較的大サイズのドットを形成することのできる技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明による装置は、ドット記録ヘッドを用いて記録媒体の表面にドットの記録を行うドット記録装置であって、
複数種類のインクを吐出するための複数組のノズルアレイを含むドット記録ヘッドと、
前記ドット記録ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行う主走査駆動手段と、
前記主走査の最中に前記ドット記録ヘッドに含まれる複数のノズルの少なくとも一部を駆動してドットの形成を行わせるヘッド駆動手段と、
前記主走査が終わる度に前記ドット記録ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査駆動手段と、
前記各手段を制御するための制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
比較的大きなドットピッチで記録を行う低解像度記録モードと、比較的小さなドットピッチで記録を行う高解像度記録モードとを有し、
前記低解像度記録モードにおいて、濃度と色相とのうちの少なくとも一方が異なる複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように同一の主走査の間にそれぞれ吐出することによって、前記低解像度記録モードにおけるドットピッチに適した比較的大サイズのドットを形成することを特徴とする。
【0006】
上記装置では、複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように同一の主走査の間にそれぞれ吐出するので、同一のインクを多数回重ねることなく、低解像度用の比較的大サイズのドットを形成することができる。
【0007】
なお、前記低解像度記録モードにおいては、ほぼ同一色で濃度が異なる複数種類の同一色インクを同一のドット位置に重ねるように吐出することが好ましい。こうすれば、ほぼ同一色のインクで比較的大サイズのドットを形成することができる。
【0008】
また、前記濃度が異なる複数種類の同一色インクとしては、少なくともシアンとマゼンタの2種類の1次色に関するインクが用いられることが好ましい。ほぼ同一色で濃度が異なるインクは、画質の向上のためにシアンやマゼンタについて用いられることが多い。従って、少なくともこれらの1次色については、濃度が異なる複数種類の同一色インクを重ねることによって、比較的大サイズのドットを形成することができる。
【0009】
あるいは、前記低解像度記録モードにおいては、各ドット位置において、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された1つのインクと、ブラックインクとの2種類のインクを重ねて吐出することによって前記比較的大サイズのドットを形成するとともに、
シアンインクが吐出される第1のドット位置と、マゼンタインクが吐出される第2のドット位置と、イエローインクが吐出される第3のドット位置とが、互いにほぼ等価な分布を有するように前記第1ないし第3のドット位置を配置することによって、巨視的にグレー色として認識される領域を記録することも可能である。
【0010】
こうすれば、同一のインクを多数回重ねることなく低解像度用の比較的大サイズのドットを形成して、巨視的にグレー色として認識される領域を記録することができる。
【0011】
あるいは、前記低解像度記録モードにおいては、各ドット位置において、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された2種類のインクを重ねて吐出することによって前記比較的大サイズのドットを形成するとともに、
シアンインクが吐出される第1のドット位置と、マゼンタインクが吐出される第2のドット位置と、イエローインクが吐出される第3のドット位置とが、互いにほぼ等価な分布を有するように前記第1ないし第3のドット位置を配置することによって、巨視的にグレー色として認識される領域を記録するようにしてもよい。
【0012】
この場合にも、同一のインクを多数回重ねることなく低解像度用の比較的大サイズのドットを形成して、巨視的にグレー色として認識される領域を記録することができる。
【0013】
本発明による方法は、比較的大きなドットピッチで記録を行う低解像度記録モードと比較的小さなドットピッチで記録をおこなう高解像度記録モードとでそれぞれ記録を実行し得るドット記録装置を用いてドットの記録を行う方法であって、
前記低解像度記録モードにおいて、濃度と色相とのうちの少なくとも一方が異なる複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように同一の主走査の間にそれぞれ吐出することによって、前記低解像度記録モードにおけるドットピッチに適した比較的大サイズのドットを形成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明による記録媒体は、ドット記録ヘッドとコンピュータとを備えたドット記録装置に用いられ、前記ドット記録ヘッドを用いて記録媒体の表面にドットの記録を行うためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、
比較的大きなドットピッチで記録を行う低解像度記録モードと比較的小さなドットピッチで記録をおこなう高解像度記録モードとにおいて前記コンピュータにそれぞれ記録を実行させる機能を有し、
前記低解像度記録モードは、濃度と色相とのうちの少なくとも一方が異なる複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように吐出することによって、前記低解像度記録モードにおけるドットピッチに適した比較的大サイズのドットを形成するモードであることを特徴とする。
【0015】
これらの方法や記録媒体によっても、上記のドット記録装置と同様に、同一のインクを多数回重ねることなく、低解像度用の比較的大サイズのドットを形成することができる。
【0016】
なお、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0017】
【発明の他の態様】
この発明は、以下のような他の態様も含んでいる。第1の態様は、コンピュータに上記の発明の各工程または各手段の機能を実現させるコンピュータプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての態様である。こうした態様では、プログラムをネットワーク上のサーバなどに置き、通信経路を介して、必要なプログラムをコンピュータにダウンロードし、これを実行することで、上記の方法や装置を実現することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
A.第1実施例:
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例としての印刷装置の構成を示すブロック図である。図示するように、コンピュータ90にスキャナ12とカラープリンタ22とが接続されており、このコンピュータ90に所定のプログラムがロードされ実行されることにより、全体として印刷装置として機能する。印刷装置としてのハードウェアは、通常のコンピュータ90である。図示するように、このコンピュータ90は、プログラムに従って画像処理に関わる動作を制御するための各種演算処理を実行するCPU81を中心に、バス80により相互に接続された次の各部を備える。ROM82は、CPU81で各種演算処理を実行するのに必要なプログラムやデータを予め格納しており、RAM83は、同じくCPU81で各種演算処理を実行するのに必要な各種プログラムやデータが一時的に読み書きされるメモリである。入力インターフェイス84は、スキャナ12やキーボード14からの信号の入力を司り、出力インタフェース85は、プリンタ22へのデータの出力を司る。CRTC86は、カラー表示可能なCRT21への信号出力を制御し、ディスクコントローラ(DDC)87は、ハードディスク16やフレキシブルドライブ15あるいは図示しないCD−ROMドライブとの間のデータの授受を制御する。ハードディスク16には、RAM83にロードされて実行される各種プログラムやデバイスドライバの形式で提供される各種プログラムなどが記憶されている。このほか、バス80には、シリアル入出力インタフェース(SIO)88が接続されている。このSIO88は、モデム18に接続されており、モデム48を介して、公衆電話回線PNTに接続されている。コンピュータ90は、このSIO88およびモデム18を介して、外部のネットワークに接続されており、特定のサーバーSVに接続することにより、画像処理に必要なプログラムをハードディスク76にダウンロードすることも可能である。また、必要なプログラムをフレキシブルディスクFDやCD−ROMによりロードし、コンピュータ90に実行させることも可能である。
【0019】
図2は、印刷処理に関係するソフトウェアの構成を示すブロック図である。コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からはこれらのドライバを介して、最終カラー画像データFNLが出力されることになる。画像のレタッチなどを行なうアプリケーションプログラム95は、スキャナから画像を読み込み、これに対して所定の処理を行ないつつビデオドライバ91を介してCRTディスプレイ93に画像を表示している。このアプリケーションプログラム95が、印刷命令を発行すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像情報をアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ22が印字可能な信号(ここでは各インク色についての2値化された信号)に変換している。図2に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、アプリケーションプログラム95が扱っているカラー画像データをドット単位の画像データに変換するラスタライザ97と、ドット単位の画像データに対してプリンタ22が使用するインク色および発色の特性に応じた色補正を行なう色補正モジュール98と、色補正モジュール98が参照する色補正テーブルCTと、色補正された後の画像情報からドット単位でのインクの有無によってある面積での濃度を表現するいわゆるハーフトーンの画像情報を生成するハーフトーンモジュール99とが備えられている。
【0020】
図3は、プリンタ22の概略構成図である。図示するように、このプリンタ22は、紙送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載された印字ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御する機構と、これらの紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印字ヘッド集合体60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成されている。
【0021】
このプリンタ22のキャリッジ31には、黒インク用カートリッジ71と、カラーインク用カートリッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の底部には、印字ヘッド集合体60の各インク用ヘッドにインクタンクからのインクを導く導入管65(図4参照)が立設されている。キャリッジ31に黒インク用のカートリッジ71およびカラーインク用カートリッジ72を上方から装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に導入管が挿入され、各インクカートリッジから印字ヘッド集合体60へのインクの供給が可能となる。
【0022】
インクが吐出される機構を簡単に説明する。インク用カートリッジ71,72がキャリッジ31に装着されると、毛細管現象を利用してインク用カートリッジ内のインクが導入管65を介して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられた印字ヘッド集合体60の各色のノズルに導かれる。なお、初めてインクカートリッジが装着されたときには、専用のポンプによりインクを印字ヘッド集合体60に吸引する動作が行なわれるが、本実施例では吸引のためのポンプ、吸引時に印字ヘッド集合体60を覆うキャップ等の構成については図示および説明を省略する。
【0023】
印字ヘッド集合体60には、図4に示したように、各色毎に複数のノズルnが設けられており、各ノズル毎に電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子PEが配置されている。ピエゾ素子PEとノズルnとの構造を詳細に示したのが、図5である。図示するように、ピエゾ素子PEは、ノズルnまでインクを導くインク通路66に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行なう素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図5下段に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路66の一側壁を変形させる。この結果、インク通路66の体積は、ピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとなって、ノズルnの先端から高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み込むことにより、印刷が行なわれることになる。
【0024】
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ22は、紙送りモータ23によりプラテン26その他のローラを回転して用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ31をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印字ヘッド集合体60の各インクノズルのピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行ない、用紙P上に多色の画像を形成する。各インクノズルの具体的な配列に関してはさらに後述する。
【0025】
用紙Pを搬送する機構は、紙送りモータ23の回転をプラテン26のみならず、図示しない用紙搬送ローラに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ31を往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0026】
制御回路40(図3)の内部には、図示しないCPUやメインメモリ(ROMやRAM)のほかに、書き換え可能な不揮発性メモリとしてのプログラマブルROM(PROM)42が備えられている。PROM42には、複数のドット記録モードのパラメータを含むドット記録モード情報が格納されている。ここで、「ドット記録モード」とは、記録解像度や、走査速度、各ノズルアレイにおいて実際に使用するノズル個数N、副走査送り量L等で規定されるドットの記録方式を意味している。この明細書では、「記録方式」と「記録モード」はほぼ同じ意味で用いられているPROM42には、さらに、複数のドット記録モードの中から好ましいモードを指定するためのモード指定情報も格納されている。例えば、PROM42に16種類のドット記録モード情報を格納可能な場合には、モード指定情報は4ビットのデータで構成されている。
【0027】
ドット記録モード情報は、コンピュータ90の起動時にプリンタドライバ96(図2)がインストールされる際に、プリンタドライバ96によってPROM42から読み出される。すなわち、プリンタドライバ96は、モード指定情報で指定された好ましいドット記録モードに対するドット記録モード情報をPROM42から読み込む。プリンタドライバ96(図2)の各モジュールにおける処理や、主走査および副走査の動作は、このドット記録モード情報に応じて実行される。
【0028】
なお、PROM42は、書き換え可能な不揮発性メモリであればよく、EEPROMやフラッシュメモリなどの種々の不揮発性メモリを使用することができる。また、モード指定情報は書き換え可能な不揮発性メモリに格納することが好ましいが、ドット記録モード情報は、書き換えができないROMに格納するようにしてもよい。また、複数のドット記録モード情報は、PROM42ではなく、他の記憶手段に格納されていてもよく、また、プリンタドライバ96内に登録されていてもよい。
【0029】
図6は、本発明の第1実施例における印字ヘッド集合体の構成を示す図である。印字ヘッド集合体60は、2つの印字ヘッド61,62に分離されている。2つの印字ヘッド61,62は、ねじ止め等の固定手段によって相互に固定され、1つの印字ヘッド集合体60として組み立てられている。
【0030】
第1の印字ヘッド61には、濃ブラックインクノズル群KD と、淡ブラックインクノズル群KL とが形成されている。一方、第2の印字ヘッド62には、濃シアンインクノズル群CD と、淡シアンインクノズル群CL と、濃マゼンタインクノズル群MD と、淡マゼンタインクノズル群ML と、濃イエローインクノズル群YD と、淡イエローインクノズル群YL とが形成されている。1つのインクのノズル群には、それぞれ128個のノズル#1〜#128が含まれている。
【0031】
この明細書では、印刷用インクの4原色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を1次色と呼ぶ。濃インクと淡インクは、ほぼ同一の色を有する比較的濃度の高いインクと比較的濃度の低いインクとを意味している。厳密に言えば、濃インクと淡インクは濃度が異なるのみでなく、色相や彩度が多少異なる場合もある。しかし、この明細書では、厳密には色相や彩度が多少異なっていても、ほぼ同じ色を有するものと認識されるような濃度の異なる2種類のインクを、「濃インク」および「淡インク」と呼んでいる。
【0032】
各インク群の128個のノズルは副走査方向SSに沿ってそれぞれ一直線上に整列している。また、各ノズル群において同じノズル番号が割り当てられた8つのノズルは、主走査方向MSに沿って一直線上に整列するように配置されている。このように、異なるインクを吐出する8つのノズルが主走査方向MSに沿った一直線上に整列するようにしているのは、主に、異なる色のドットが副走査方向にずれることに起因して生じる画質の劣化を防止するためである。また、後述するように、主走査方向MSに沿って一直線上に並ぶ8つのノズルのうちの2つのノズル(例えばノズルKD ,KL )から、同一位置にインクを重ねるように吐出することによって、低解像度用の大サイズのドットを形成することができる。
【0033】
図7は、解像度とドット径との一般的な関係を示す説明図である。図7(A)に示す一点鎖線は、1つのドット202で覆われるべき領域(「1ドット領域」と呼ぶ)200の境界を示している。1ドット領域200の幅はドットピッチw[μm]で定義される。各ドット202の形はほぼ円形であり、その径は、印刷用紙を隙間無く覆うように決定される。図7(A)のように、各ドット202が1ドット領域200の中央に正確に形成される場合には、各ドット202の直径は、ドットピッチwの√2倍になる。しかし、現実には図7(B)に示すように、ドットの位置は1ドット領域200から多少ずれる。ドットの位置決め誤差εを考慮すると、実際に形成されるドット204の直径Dは(√2×w+2×ε)となる。
【0034】
図8は、解像度とドット径との関係の実例を示す説明図である。図8(A)に示すように、解像度が600dpiの場合には、ドットピッチw1は約42μmである。ドットの位置決め誤差εを10μmと仮定すると、600dpi用のドット210の直径D1は約80μm(=√2×42+2×10)となる。一方、図8(B)に示すように、解像度が360dpiの場合には、ドットピッチw2は約70μmである。ドットの位置決め誤差εを10μmと仮定すると、360dpi用のドット220(破線で示す)の直径D2は約120μm(=√2×70+2×10)となる。なお、図8(B)には、参考のために600dpi用のドット210のサイズも描かれている。
【0035】
600dpi用のドット210(直径D1=80μm)と360dpi用のドット220(直径D2=120μm)は、大きさ(面積)がかなり異なるので、これらを形成するために必要なインクの吐出量もかなり異なる。図9は、第1実施例におけるインクの吐出量とドットの直径との関係を示すグラフである。直径80μmのドットを形成するためにはインク吐出量が20ng必要であり、また、直径120μmのドットを形成するためにはインク吐出量が40ng必要である。各ノズルからのインクの吐出量は、ピエゾ素子の駆動信号の波形を制御することによって或る程度は調整可能である。しかし、600dpi用のドット210と360dpi用ドット220では、必要な吐出量の差が大きいので、通常のノズルでは両方のドットをそれぞれ1回の吐出で形成することは困難な場合もある。この実施例では、各ノズルにおけるインク吐出量の調整範囲を5ng〜20ngの範囲と仮定している。
【0036】
なお、図9に示す調整範囲内でインク吐出量を制御すれば、各ドットの面積階調を調整することができ、このドットの面積階調を用いて画像の階調を再現することができるが、ここではその詳細は省略する。なお、ドットの面積階調の調整を行わず、600dpi用のドット210と360dpi用のドット220を形成するだけであれば、各ノズルの吐出量制御を行わずに、常に20ngのインクを吐出するようにしてもよい。
【0037】
図9の特性を有するノズルを用いた場合には、600dpi用のドット210に必要な20ngのインク吐出量は、1つのノズルの一回の吐出で得ることができる。一方、360dpi用のドット220に必要な40ngのインク吐出量は、600dpi用のドット210に必要な20ngのインク吐出量の2倍である。従って、360dpi用のドット220は、2つのノズルでそれぞれ20ngのインクを吐出することによって形成できる。第1実施例では、図6に示したように、4つの原色についてそれぞれ濃インクノズル群と淡インクノズル群とが設けられている。従って、各原色について、濃インクノズルと淡インクノズルとを用いて同一の画素位置に20ngのドットを吐出することによって、360dpi用のドット220を形成することが可能である。
【0038】
図6から理解できように、主走査時には、印刷用紙上の同一のラスタ(主走査ライン)上を8つの異なるインクを吐出する8つのノズルが順次通過していく。すなわち、同一ラスタ上の同一の画素位置を、まず淡イエローインクノズル群YL のノズルが通過し、次に、濃イエローインクノズル群YD のノズル、淡マゼンタインクノズル群ML のノズル、濃マゼンタインクノズル群MD のノズル…の順番に通過していく。例えば、360dpiのイエローのドットを形成する場合には、まず淡イエローインクノズル群YL のノズルから20ngの淡イエローインクを吐出し、次に、濃イエローインクノズル群YD のノズルから20ngの濃イエローインクを同じ画素位置に吐出することによって直径120μmのドット220(図8(B))を形成する。
【0039】
同じ色の淡インクと濃インクとを同一位置に吐出することによって形成されたドットは、淡インクと濃インクの中間的な濃度を有している。このようなドットの濃度の違いは、画像処理(具体的には図2の色補正モジュール98やハーフトーンモジュール99での処理)に影響を与える。従って、同じ色の淡インクと濃インクを同一位置に吐出することによってドット径を大きくする場合には、形成されるドットの色に応じてこれらの画像処理の内容が変更される。
【0040】
なお、淡インクと濃インクの吐出の順序は、上述した第1実施例のように、淡インクを先である方が好ましい。この理由は、淡インクを後に吐出すると濃インクの周辺に淡インクが広がるので、濃インクを先に吐出する場合に比べて、ドットの周辺と中央での濃度変化がより大きくなる傾向にあるからである。
【0041】
上述した第1実施例では、同一色で濃度の異なるインクを同じ位置に重ねるように1回の主走査の間に順次吐出することによって、大サイズのドットを形成している。キャリッジ31(図1)の主走査速度は、解像度の逆数に比例するので、例えば360dpiでの印刷は600dpiでの印刷に比べて5/3倍の速度で主走査を行うことができる。また、360dpiのラスタ本数は、600dpiのラスタ本数の3/5になるので、副走査方向の印刷速度も600dpiの5/3倍になる。従って、360dpiでの印刷は、600dpiでの印刷の約25/9倍の速度で行うことが可能になる。なお、低解像度の360dpiでドット記録を行うモードを高速モードと呼び、高解像度の600dpidでドット記録を行うモードを低速モード(高画質モード)と呼ぶことができる。
【0042】
なお、上記の第1実施例では、1ノズルの最大吐出量(20ng)の2倍のインク量で比較的大サイズのドット220を形成していたが、これに限らず、1ノズルの最大吐出量以上で、かつ、1ノズルの最大吐出量の2倍以下のインク量で形成されるような大サイズのドットを記録することが可能である。
【0043】
B.第2実施例:
図10は、本発明の第2実施例における印字ヘッド集合体の構成を示す図である。第1の印字ヘッド61’には濃ブラックインクノズル群KD が形成されており、第2の印字ヘッド62’には、濃シアンインクノズル群CD と、濃マゼンタインクノズル群MD と、濃イエローインクノズル群YD と、淡シアンインクノズル群CL と、淡マゼンタインクノズル群ML とが形成されている。第2実施例の印字ヘッド集合体は、淡イエローインクノズル群YL と淡ブラックノズル群KLとが設けられていない点で前述した図6の印字ヘッド集合体と異なる。また、濃イエローインクノズル群YD のノズルは、他のインクのノズルよりも大きな口径を有し、従って、より多くのインクを吐出できるように形成されている。
【0044】
図11は、第2実施例におけるインクの吐出量とドットの直径との関係を示すグラフである。シアンインクとマゼンタインクとブラックインクを吐出するノズルは、いずれも5ng〜20ngの範囲のインクを1回に吐出できる。一方、イエローインクを吐出するノズルは、10〜40ngのインクを1回に吐出できる。各ノズルは、これらの調整範囲内でドットの面積階調を調整することができる。
【0045】
4つの原色のうちで、シアンとマゼンタについては、上記第1実施例と同様に、淡インクと濃インクとを同一位置に重なるように吐出することによって360dpi用のドット220を形成することができる。イエローについては、ノズルの調整範囲が、600dpi用のドット210の必要吐出量(20ng)と360dpi用のドット220の必要吐出量(40ng)とを包含しているので、360dpiのドット220を1回の吐出で形成することができる。
【0046】
ブラックについては、濃ブラックインクと、濃シアンインクと、濃マゼンタインクと、濃イエローインクとの4種類のインクを同一位置に重ねるように吐出することによって、360dpi用のドット220を形成することが可能である。この場合には、4種類のインクの吐出量としては複数種類の組合せが可能である。例えば、濃シアンインクと濃マゼンタインクと濃イエローインクとをそれぞれ10ng(濃イエローインクの最少可能吐出量)ずつ吐出し、濃ブラックインクを10ng吐出することによって、360dpi用のドット220を形成することができる。あるいは、濃シアンインクと濃マゼンタインクと濃イエローインクとをそれぞれ約13ngずつ吐出すれば、濃ブラックインクを吐出せずに360dpi用のドット220を形成することが可能である。なお、濃シアンインクと濃マゼンタインクと濃イエローインクとの吐出量は、必ずしも等しい必要はなく、実際にはグレーバランスがとれるように(すなわち3色のインクを混合したときにグレーになるように)それぞれの吐出量が決定される。
【0047】
上記第2実施例のように、少なくともシアンとマゼンタについて濃インクと淡インクを吐出するノズルを設けるようにすれば、大サイズのドットと小サイズのドットを、各色についてそれぞれ形成することが可能である。この際、イエロー用のノズルは、大サイズのドットと小サイズのドットをそれぞれ1回の吐出で形成できるように構成することが好ましい。
【0048】
C.グレー画像のための実施例:
カラー画像では無くグレー画像であれば、以下のようにして大サイズのドットと小サイズのドットを形成することも可能である。図12は、第3実施例においてグレー画像を再現するための600dpi用のドット210と360dpi用のドット220の構成を示す説明図である。図12(A)に示すように、600dpi用の小サイズのドット210は、20ngのブラックインクを1回吐出することによって形成される。
【0049】
一方、図12(B)に示すように、360dpi用の大サイズのドット220は、まずシアンインクとマゼンタインクとイエローインクのいずれか1つを20ng吐出し、その同一位置にブラックインクを20ng吐出することによって形成される。この場合に、シアンインクが吐出される第1のドット位置と、マゼンタインクが吐出される第2のドット位置と、イエローインクが吐出される第3のドット位置とは、それぞれ規則的で互いに等価な分布を有するように配置されている。この結果、巨視的にグレー色として認識される領域を360dpiで記録することができる。
【0050】
図13は、第3実施例に使用されるマスクを示す説明図である。このマスクは、3×3ドットの領域を有しており、各ドット位置にどのインクが吐出されるべきかが規定されている。例えば左上のドット位置には、ブラックインクとシアンインクが吐出される。巨視的にグレーである領域を印刷する場合に、このようなマスクをそのグレー領域に繰り返し適用すれば、図12(B)に示したような配置で各インクを吐出することが可能である。
【0051】
なお、図12(B)の例では、すべてのドット位置にインクが吐出されているが、グレーの濃度が低い場合には、一部のドット位置でインクを吐出しないようにすることも可能である。このような場合には、シアンとマゼンタとイエローの各インクが吐出されるドット位置の規則性は多少損なわれる。しかし、この場合にも、巨視的にはグレー色として認識されるようにするために、各インクの吐出位置が互いにほぼ等価な分布を有するように決定される。
【0052】
図14は、第4実施例においてグレー画像を再現するための600dpi用のドット210と360dpi用のドット220の構成を示す説明図である。図14(A)に示す600dpi用の小サイズのドット210は、第3実施例と同様に、20ngのブラックインクを1回吐出することによって形成される。
【0053】
一方、図14(B)に示すように、360dpi用の大サイズのドット220は、ブラックインクを用いずに、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された2種類のインクを同一位置に重ねるように20ngずつ吐出することによって形成される。この場合にも、第3実施例と同様に、シアンインクが吐出される第1のドット位置と、マゼンタインクが吐出される第2のドット位置と、イエローインクが吐出される第3のドット位置とは、互いにほぼ等価な分布を有するように配置されている。この結果、巨視的にグレー色として認識される領域を360dpiで記録することができる。
【0054】
図15は、第4実施例に使用されるマスクを示す説明図である。このマスクも3×3ドットの領域を有しており、各ドット位置にどのインクが吐出されるべきかが規定されている。巨視的にグレーである領域を印刷する場合に、このようなマスクをそのグレー領域に繰り返し適用すれば、図14(B)に示したような配置で各インクを吐出することが可能である。
【0055】
上述した第3および第4実施例では、色の異なる2種類のインクを同一位置に重ねて吐出することによって大サイズのドットを形成することができ、従って、高速モードでグレー画像を記録することが可能である。
【0056】
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0057】
(1)上記実施例では、高解像度を600dpiとし、低解像度を360dpiとしたが、高解像度と低解像度との組合せはこれらの以外の種々のものが考えら得る。一般には、低解像度用の大サイズのドットを形成するためのインクの吐出量が、1ノズルの最大吐出量以上で、かつ、2つのノズルの合計吐出量以下であるような場合に本発明を適用可能である。なお、大サイズのドットを形成する際に用いられる2つのノズルの吐出量は同じである必要はない。
【0058】
(2)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の印刷装置をコンピュータ90を中心に構成した例を示すブロック図。
【図2】印刷処理に関係するソフトウェアの構成を示すブロック図。
【図3】画像出力装置20の一例としてのカラープリンタ22の構成を示す概略構成図。
【図4】各印字ヘッドにおけるインク吐出のための構成を示す説明図。
【図5】ピエゾ素子PEの伸張によりインク粒子Ipが吐出される様子を示す説明図。
【図6】本発明の第1実施例における印字ヘッド集合体の構成を示す図。
【図7】解像度とドット径との一般的な関係を示す説明図。
【図8】解像度とドット径との関係の実例を示す説明図。
【図9】第1実施例におけるインクの吐出量とドットの直径との関係を示すグラフ。
【図10】本発明の第2実施例における印字ヘッド集合体の構成を示す図。
【図11】第2実施例におけるインクの吐出量とドットの直径との関係を示すグラフ。
【図12】第3実施例においてグレー画像を再現するための600dpi用のドット210と360dpi用のドット220の構成を示す説明図。
【図13】第3実施例に使用されるマスクを示す説明図。
【図14】第4実施例においてグレー画像を再現するための600dpi用のドット210と360dpi用のドット220の構成を示す説明図。
【図15】第4実施例に使用されるマスクを示す説明図。
【符号の説明】
12…スキャナ
14…キーボード
15…フレキシブルドライブ
16…ハードディスク
18…モデム
21…CRT
22…プリンタ
23…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印字ヘッド
31…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置検出センサ
40…制御回路
42…PROM
48…モデム
60…印字ヘッド集合体
61,62…印字ヘッド
65…導入管
66…インク通路
71…黒インク用カートリッジ
72…カラーインク用カートリッジ
76…ハードディスク
80…バス
81…CPU
82…ROM
83…RAM
84…入力インターフェイス
85…出力インタフェース
86…CRTC
88…SIO
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
93…CRTディスプレイ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…ラスタライザ
98…色補正モジュール
99…ハーフトーンモジュール
【発明の属する技術分野】
この発明は、高解像度と低解像度の記録モードを有するドット記録装置を用いたドット記録技術に関し、特に低解像度記録モードにおけるドット形成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの出力装置として、複数色のインクをヘッドから吐出するタイプのカラープリンタが広く普及し、コンピュータ等が処理した画像を多色多階調で印刷するのに広く用いられている。プリンタで印刷を行う際には、高解像度で高品質な印刷物を作成したい場合と、低解像度でも高速に印刷物を作成したい場合とがある。高解像度では小さなピッチで小さなドットが形成され、低解像度では大きなピッチで大きなドットが形成される。従来は、低解像度で記録を行うためには、同一のインクを多数回重ねることによってドットの大きさを増加させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、同一のインクを多数回重ねるためには、通常は、同一ライン上を走査する走査回数を増加させる必要がある。このため、低解像度での記録にも係わらず、記録速度があまり高くならないという問題があった。
【0004】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、同一のインクを多数回重ねることなく、低解像度用の比較的大サイズのドットを形成することのできる技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明による装置は、ドット記録ヘッドを用いて記録媒体の表面にドットの記録を行うドット記録装置であって、
複数種類のインクを吐出するための複数組のノズルアレイを含むドット記録ヘッドと、
前記ドット記録ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行う主走査駆動手段と、
前記主走査の最中に前記ドット記録ヘッドに含まれる複数のノズルの少なくとも一部を駆動してドットの形成を行わせるヘッド駆動手段と、
前記主走査が終わる度に前記ドット記録ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査駆動手段と、
前記各手段を制御するための制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
比較的大きなドットピッチで記録を行う低解像度記録モードと、比較的小さなドットピッチで記録を行う高解像度記録モードとを有し、
前記低解像度記録モードにおいて、濃度と色相とのうちの少なくとも一方が異なる複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように同一の主走査の間にそれぞれ吐出することによって、前記低解像度記録モードにおけるドットピッチに適した比較的大サイズのドットを形成することを特徴とする。
【0006】
上記装置では、複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように同一の主走査の間にそれぞれ吐出するので、同一のインクを多数回重ねることなく、低解像度用の比較的大サイズのドットを形成することができる。
【0007】
なお、前記低解像度記録モードにおいては、ほぼ同一色で濃度が異なる複数種類の同一色インクを同一のドット位置に重ねるように吐出することが好ましい。こうすれば、ほぼ同一色のインクで比較的大サイズのドットを形成することができる。
【0008】
また、前記濃度が異なる複数種類の同一色インクとしては、少なくともシアンとマゼンタの2種類の1次色に関するインクが用いられることが好ましい。ほぼ同一色で濃度が異なるインクは、画質の向上のためにシアンやマゼンタについて用いられることが多い。従って、少なくともこれらの1次色については、濃度が異なる複数種類の同一色インクを重ねることによって、比較的大サイズのドットを形成することができる。
【0009】
あるいは、前記低解像度記録モードにおいては、各ドット位置において、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された1つのインクと、ブラックインクとの2種類のインクを重ねて吐出することによって前記比較的大サイズのドットを形成するとともに、
シアンインクが吐出される第1のドット位置と、マゼンタインクが吐出される第2のドット位置と、イエローインクが吐出される第3のドット位置とが、互いにほぼ等価な分布を有するように前記第1ないし第3のドット位置を配置することによって、巨視的にグレー色として認識される領域を記録することも可能である。
【0010】
こうすれば、同一のインクを多数回重ねることなく低解像度用の比較的大サイズのドットを形成して、巨視的にグレー色として認識される領域を記録することができる。
【0011】
あるいは、前記低解像度記録モードにおいては、各ドット位置において、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された2種類のインクを重ねて吐出することによって前記比較的大サイズのドットを形成するとともに、
シアンインクが吐出される第1のドット位置と、マゼンタインクが吐出される第2のドット位置と、イエローインクが吐出される第3のドット位置とが、互いにほぼ等価な分布を有するように前記第1ないし第3のドット位置を配置することによって、巨視的にグレー色として認識される領域を記録するようにしてもよい。
【0012】
この場合にも、同一のインクを多数回重ねることなく低解像度用の比較的大サイズのドットを形成して、巨視的にグレー色として認識される領域を記録することができる。
【0013】
本発明による方法は、比較的大きなドットピッチで記録を行う低解像度記録モードと比較的小さなドットピッチで記録をおこなう高解像度記録モードとでそれぞれ記録を実行し得るドット記録装置を用いてドットの記録を行う方法であって、
前記低解像度記録モードにおいて、濃度と色相とのうちの少なくとも一方が異なる複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように同一の主走査の間にそれぞれ吐出することによって、前記低解像度記録モードにおけるドットピッチに適した比較的大サイズのドットを形成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明による記録媒体は、ドット記録ヘッドとコンピュータとを備えたドット記録装置に用いられ、前記ドット記録ヘッドを用いて記録媒体の表面にドットの記録を行うためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、
比較的大きなドットピッチで記録を行う低解像度記録モードと比較的小さなドットピッチで記録をおこなう高解像度記録モードとにおいて前記コンピュータにそれぞれ記録を実行させる機能を有し、
前記低解像度記録モードは、濃度と色相とのうちの少なくとも一方が異なる複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように吐出することによって、前記低解像度記録モードにおけるドットピッチに適した比較的大サイズのドットを形成するモードであることを特徴とする。
【0015】
これらの方法や記録媒体によっても、上記のドット記録装置と同様に、同一のインクを多数回重ねることなく、低解像度用の比較的大サイズのドットを形成することができる。
【0016】
なお、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0017】
【発明の他の態様】
この発明は、以下のような他の態様も含んでいる。第1の態様は、コンピュータに上記の発明の各工程または各手段の機能を実現させるコンピュータプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての態様である。こうした態様では、プログラムをネットワーク上のサーバなどに置き、通信経路を介して、必要なプログラムをコンピュータにダウンロードし、これを実行することで、上記の方法や装置を実現することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
A.第1実施例:
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例としての印刷装置の構成を示すブロック図である。図示するように、コンピュータ90にスキャナ12とカラープリンタ22とが接続されており、このコンピュータ90に所定のプログラムがロードされ実行されることにより、全体として印刷装置として機能する。印刷装置としてのハードウェアは、通常のコンピュータ90である。図示するように、このコンピュータ90は、プログラムに従って画像処理に関わる動作を制御するための各種演算処理を実行するCPU81を中心に、バス80により相互に接続された次の各部を備える。ROM82は、CPU81で各種演算処理を実行するのに必要なプログラムやデータを予め格納しており、RAM83は、同じくCPU81で各種演算処理を実行するのに必要な各種プログラムやデータが一時的に読み書きされるメモリである。入力インターフェイス84は、スキャナ12やキーボード14からの信号の入力を司り、出力インタフェース85は、プリンタ22へのデータの出力を司る。CRTC86は、カラー表示可能なCRT21への信号出力を制御し、ディスクコントローラ(DDC)87は、ハードディスク16やフレキシブルドライブ15あるいは図示しないCD−ROMドライブとの間のデータの授受を制御する。ハードディスク16には、RAM83にロードされて実行される各種プログラムやデバイスドライバの形式で提供される各種プログラムなどが記憶されている。このほか、バス80には、シリアル入出力インタフェース(SIO)88が接続されている。このSIO88は、モデム18に接続されており、モデム48を介して、公衆電話回線PNTに接続されている。コンピュータ90は、このSIO88およびモデム18を介して、外部のネットワークに接続されており、特定のサーバーSVに接続することにより、画像処理に必要なプログラムをハードディスク76にダウンロードすることも可能である。また、必要なプログラムをフレキシブルディスクFDやCD−ROMによりロードし、コンピュータ90に実行させることも可能である。
【0019】
図2は、印刷処理に関係するソフトウェアの構成を示すブロック図である。コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からはこれらのドライバを介して、最終カラー画像データFNLが出力されることになる。画像のレタッチなどを行なうアプリケーションプログラム95は、スキャナから画像を読み込み、これに対して所定の処理を行ないつつビデオドライバ91を介してCRTディスプレイ93に画像を表示している。このアプリケーションプログラム95が、印刷命令を発行すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像情報をアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ22が印字可能な信号(ここでは各インク色についての2値化された信号)に変換している。図2に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、アプリケーションプログラム95が扱っているカラー画像データをドット単位の画像データに変換するラスタライザ97と、ドット単位の画像データに対してプリンタ22が使用するインク色および発色の特性に応じた色補正を行なう色補正モジュール98と、色補正モジュール98が参照する色補正テーブルCTと、色補正された後の画像情報からドット単位でのインクの有無によってある面積での濃度を表現するいわゆるハーフトーンの画像情報を生成するハーフトーンモジュール99とが備えられている。
【0020】
図3は、プリンタ22の概略構成図である。図示するように、このプリンタ22は、紙送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載された印字ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御する機構と、これらの紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印字ヘッド集合体60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成されている。
【0021】
このプリンタ22のキャリッジ31には、黒インク用カートリッジ71と、カラーインク用カートリッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の底部には、印字ヘッド集合体60の各インク用ヘッドにインクタンクからのインクを導く導入管65(図4参照)が立設されている。キャリッジ31に黒インク用のカートリッジ71およびカラーインク用カートリッジ72を上方から装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に導入管が挿入され、各インクカートリッジから印字ヘッド集合体60へのインクの供給が可能となる。
【0022】
インクが吐出される機構を簡単に説明する。インク用カートリッジ71,72がキャリッジ31に装着されると、毛細管現象を利用してインク用カートリッジ内のインクが導入管65を介して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられた印字ヘッド集合体60の各色のノズルに導かれる。なお、初めてインクカートリッジが装着されたときには、専用のポンプによりインクを印字ヘッド集合体60に吸引する動作が行なわれるが、本実施例では吸引のためのポンプ、吸引時に印字ヘッド集合体60を覆うキャップ等の構成については図示および説明を省略する。
【0023】
印字ヘッド集合体60には、図4に示したように、各色毎に複数のノズルnが設けられており、各ノズル毎に電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子PEが配置されている。ピエゾ素子PEとノズルnとの構造を詳細に示したのが、図5である。図示するように、ピエゾ素子PEは、ノズルnまでインクを導くインク通路66に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行なう素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図5下段に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路66の一側壁を変形させる。この結果、インク通路66の体積は、ピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとなって、ノズルnの先端から高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み込むことにより、印刷が行なわれることになる。
【0024】
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ22は、紙送りモータ23によりプラテン26その他のローラを回転して用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ31をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印字ヘッド集合体60の各インクノズルのピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行ない、用紙P上に多色の画像を形成する。各インクノズルの具体的な配列に関してはさらに後述する。
【0025】
用紙Pを搬送する機構は、紙送りモータ23の回転をプラテン26のみならず、図示しない用紙搬送ローラに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ31を往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0026】
制御回路40(図3)の内部には、図示しないCPUやメインメモリ(ROMやRAM)のほかに、書き換え可能な不揮発性メモリとしてのプログラマブルROM(PROM)42が備えられている。PROM42には、複数のドット記録モードのパラメータを含むドット記録モード情報が格納されている。ここで、「ドット記録モード」とは、記録解像度や、走査速度、各ノズルアレイにおいて実際に使用するノズル個数N、副走査送り量L等で規定されるドットの記録方式を意味している。この明細書では、「記録方式」と「記録モード」はほぼ同じ意味で用いられているPROM42には、さらに、複数のドット記録モードの中から好ましいモードを指定するためのモード指定情報も格納されている。例えば、PROM42に16種類のドット記録モード情報を格納可能な場合には、モード指定情報は4ビットのデータで構成されている。
【0027】
ドット記録モード情報は、コンピュータ90の起動時にプリンタドライバ96(図2)がインストールされる際に、プリンタドライバ96によってPROM42から読み出される。すなわち、プリンタドライバ96は、モード指定情報で指定された好ましいドット記録モードに対するドット記録モード情報をPROM42から読み込む。プリンタドライバ96(図2)の各モジュールにおける処理や、主走査および副走査の動作は、このドット記録モード情報に応じて実行される。
【0028】
なお、PROM42は、書き換え可能な不揮発性メモリであればよく、EEPROMやフラッシュメモリなどの種々の不揮発性メモリを使用することができる。また、モード指定情報は書き換え可能な不揮発性メモリに格納することが好ましいが、ドット記録モード情報は、書き換えができないROMに格納するようにしてもよい。また、複数のドット記録モード情報は、PROM42ではなく、他の記憶手段に格納されていてもよく、また、プリンタドライバ96内に登録されていてもよい。
【0029】
図6は、本発明の第1実施例における印字ヘッド集合体の構成を示す図である。印字ヘッド集合体60は、2つの印字ヘッド61,62に分離されている。2つの印字ヘッド61,62は、ねじ止め等の固定手段によって相互に固定され、1つの印字ヘッド集合体60として組み立てられている。
【0030】
第1の印字ヘッド61には、濃ブラックインクノズル群KD と、淡ブラックインクノズル群KL とが形成されている。一方、第2の印字ヘッド62には、濃シアンインクノズル群CD と、淡シアンインクノズル群CL と、濃マゼンタインクノズル群MD と、淡マゼンタインクノズル群ML と、濃イエローインクノズル群YD と、淡イエローインクノズル群YL とが形成されている。1つのインクのノズル群には、それぞれ128個のノズル#1〜#128が含まれている。
【0031】
この明細書では、印刷用インクの4原色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を1次色と呼ぶ。濃インクと淡インクは、ほぼ同一の色を有する比較的濃度の高いインクと比較的濃度の低いインクとを意味している。厳密に言えば、濃インクと淡インクは濃度が異なるのみでなく、色相や彩度が多少異なる場合もある。しかし、この明細書では、厳密には色相や彩度が多少異なっていても、ほぼ同じ色を有するものと認識されるような濃度の異なる2種類のインクを、「濃インク」および「淡インク」と呼んでいる。
【0032】
各インク群の128個のノズルは副走査方向SSに沿ってそれぞれ一直線上に整列している。また、各ノズル群において同じノズル番号が割り当てられた8つのノズルは、主走査方向MSに沿って一直線上に整列するように配置されている。このように、異なるインクを吐出する8つのノズルが主走査方向MSに沿った一直線上に整列するようにしているのは、主に、異なる色のドットが副走査方向にずれることに起因して生じる画質の劣化を防止するためである。また、後述するように、主走査方向MSに沿って一直線上に並ぶ8つのノズルのうちの2つのノズル(例えばノズルKD ,KL )から、同一位置にインクを重ねるように吐出することによって、低解像度用の大サイズのドットを形成することができる。
【0033】
図7は、解像度とドット径との一般的な関係を示す説明図である。図7(A)に示す一点鎖線は、1つのドット202で覆われるべき領域(「1ドット領域」と呼ぶ)200の境界を示している。1ドット領域200の幅はドットピッチw[μm]で定義される。各ドット202の形はほぼ円形であり、その径は、印刷用紙を隙間無く覆うように決定される。図7(A)のように、各ドット202が1ドット領域200の中央に正確に形成される場合には、各ドット202の直径は、ドットピッチwの√2倍になる。しかし、現実には図7(B)に示すように、ドットの位置は1ドット領域200から多少ずれる。ドットの位置決め誤差εを考慮すると、実際に形成されるドット204の直径Dは(√2×w+2×ε)となる。
【0034】
図8は、解像度とドット径との関係の実例を示す説明図である。図8(A)に示すように、解像度が600dpiの場合には、ドットピッチw1は約42μmである。ドットの位置決め誤差εを10μmと仮定すると、600dpi用のドット210の直径D1は約80μm(=√2×42+2×10)となる。一方、図8(B)に示すように、解像度が360dpiの場合には、ドットピッチw2は約70μmである。ドットの位置決め誤差εを10μmと仮定すると、360dpi用のドット220(破線で示す)の直径D2は約120μm(=√2×70+2×10)となる。なお、図8(B)には、参考のために600dpi用のドット210のサイズも描かれている。
【0035】
600dpi用のドット210(直径D1=80μm)と360dpi用のドット220(直径D2=120μm)は、大きさ(面積)がかなり異なるので、これらを形成するために必要なインクの吐出量もかなり異なる。図9は、第1実施例におけるインクの吐出量とドットの直径との関係を示すグラフである。直径80μmのドットを形成するためにはインク吐出量が20ng必要であり、また、直径120μmのドットを形成するためにはインク吐出量が40ng必要である。各ノズルからのインクの吐出量は、ピエゾ素子の駆動信号の波形を制御することによって或る程度は調整可能である。しかし、600dpi用のドット210と360dpi用ドット220では、必要な吐出量の差が大きいので、通常のノズルでは両方のドットをそれぞれ1回の吐出で形成することは困難な場合もある。この実施例では、各ノズルにおけるインク吐出量の調整範囲を5ng〜20ngの範囲と仮定している。
【0036】
なお、図9に示す調整範囲内でインク吐出量を制御すれば、各ドットの面積階調を調整することができ、このドットの面積階調を用いて画像の階調を再現することができるが、ここではその詳細は省略する。なお、ドットの面積階調の調整を行わず、600dpi用のドット210と360dpi用のドット220を形成するだけであれば、各ノズルの吐出量制御を行わずに、常に20ngのインクを吐出するようにしてもよい。
【0037】
図9の特性を有するノズルを用いた場合には、600dpi用のドット210に必要な20ngのインク吐出量は、1つのノズルの一回の吐出で得ることができる。一方、360dpi用のドット220に必要な40ngのインク吐出量は、600dpi用のドット210に必要な20ngのインク吐出量の2倍である。従って、360dpi用のドット220は、2つのノズルでそれぞれ20ngのインクを吐出することによって形成できる。第1実施例では、図6に示したように、4つの原色についてそれぞれ濃インクノズル群と淡インクノズル群とが設けられている。従って、各原色について、濃インクノズルと淡インクノズルとを用いて同一の画素位置に20ngのドットを吐出することによって、360dpi用のドット220を形成することが可能である。
【0038】
図6から理解できように、主走査時には、印刷用紙上の同一のラスタ(主走査ライン)上を8つの異なるインクを吐出する8つのノズルが順次通過していく。すなわち、同一ラスタ上の同一の画素位置を、まず淡イエローインクノズル群YL のノズルが通過し、次に、濃イエローインクノズル群YD のノズル、淡マゼンタインクノズル群ML のノズル、濃マゼンタインクノズル群MD のノズル…の順番に通過していく。例えば、360dpiのイエローのドットを形成する場合には、まず淡イエローインクノズル群YL のノズルから20ngの淡イエローインクを吐出し、次に、濃イエローインクノズル群YD のノズルから20ngの濃イエローインクを同じ画素位置に吐出することによって直径120μmのドット220(図8(B))を形成する。
【0039】
同じ色の淡インクと濃インクとを同一位置に吐出することによって形成されたドットは、淡インクと濃インクの中間的な濃度を有している。このようなドットの濃度の違いは、画像処理(具体的には図2の色補正モジュール98やハーフトーンモジュール99での処理)に影響を与える。従って、同じ色の淡インクと濃インクを同一位置に吐出することによってドット径を大きくする場合には、形成されるドットの色に応じてこれらの画像処理の内容が変更される。
【0040】
なお、淡インクと濃インクの吐出の順序は、上述した第1実施例のように、淡インクを先である方が好ましい。この理由は、淡インクを後に吐出すると濃インクの周辺に淡インクが広がるので、濃インクを先に吐出する場合に比べて、ドットの周辺と中央での濃度変化がより大きくなる傾向にあるからである。
【0041】
上述した第1実施例では、同一色で濃度の異なるインクを同じ位置に重ねるように1回の主走査の間に順次吐出することによって、大サイズのドットを形成している。キャリッジ31(図1)の主走査速度は、解像度の逆数に比例するので、例えば360dpiでの印刷は600dpiでの印刷に比べて5/3倍の速度で主走査を行うことができる。また、360dpiのラスタ本数は、600dpiのラスタ本数の3/5になるので、副走査方向の印刷速度も600dpiの5/3倍になる。従って、360dpiでの印刷は、600dpiでの印刷の約25/9倍の速度で行うことが可能になる。なお、低解像度の360dpiでドット記録を行うモードを高速モードと呼び、高解像度の600dpidでドット記録を行うモードを低速モード(高画質モード)と呼ぶことができる。
【0042】
なお、上記の第1実施例では、1ノズルの最大吐出量(20ng)の2倍のインク量で比較的大サイズのドット220を形成していたが、これに限らず、1ノズルの最大吐出量以上で、かつ、1ノズルの最大吐出量の2倍以下のインク量で形成されるような大サイズのドットを記録することが可能である。
【0043】
B.第2実施例:
図10は、本発明の第2実施例における印字ヘッド集合体の構成を示す図である。第1の印字ヘッド61’には濃ブラックインクノズル群KD が形成されており、第2の印字ヘッド62’には、濃シアンインクノズル群CD と、濃マゼンタインクノズル群MD と、濃イエローインクノズル群YD と、淡シアンインクノズル群CL と、淡マゼンタインクノズル群ML とが形成されている。第2実施例の印字ヘッド集合体は、淡イエローインクノズル群YL と淡ブラックノズル群KLとが設けられていない点で前述した図6の印字ヘッド集合体と異なる。また、濃イエローインクノズル群YD のノズルは、他のインクのノズルよりも大きな口径を有し、従って、より多くのインクを吐出できるように形成されている。
【0044】
図11は、第2実施例におけるインクの吐出量とドットの直径との関係を示すグラフである。シアンインクとマゼンタインクとブラックインクを吐出するノズルは、いずれも5ng〜20ngの範囲のインクを1回に吐出できる。一方、イエローインクを吐出するノズルは、10〜40ngのインクを1回に吐出できる。各ノズルは、これらの調整範囲内でドットの面積階調を調整することができる。
【0045】
4つの原色のうちで、シアンとマゼンタについては、上記第1実施例と同様に、淡インクと濃インクとを同一位置に重なるように吐出することによって360dpi用のドット220を形成することができる。イエローについては、ノズルの調整範囲が、600dpi用のドット210の必要吐出量(20ng)と360dpi用のドット220の必要吐出量(40ng)とを包含しているので、360dpiのドット220を1回の吐出で形成することができる。
【0046】
ブラックについては、濃ブラックインクと、濃シアンインクと、濃マゼンタインクと、濃イエローインクとの4種類のインクを同一位置に重ねるように吐出することによって、360dpi用のドット220を形成することが可能である。この場合には、4種類のインクの吐出量としては複数種類の組合せが可能である。例えば、濃シアンインクと濃マゼンタインクと濃イエローインクとをそれぞれ10ng(濃イエローインクの最少可能吐出量)ずつ吐出し、濃ブラックインクを10ng吐出することによって、360dpi用のドット220を形成することができる。あるいは、濃シアンインクと濃マゼンタインクと濃イエローインクとをそれぞれ約13ngずつ吐出すれば、濃ブラックインクを吐出せずに360dpi用のドット220を形成することが可能である。なお、濃シアンインクと濃マゼンタインクと濃イエローインクとの吐出量は、必ずしも等しい必要はなく、実際にはグレーバランスがとれるように(すなわち3色のインクを混合したときにグレーになるように)それぞれの吐出量が決定される。
【0047】
上記第2実施例のように、少なくともシアンとマゼンタについて濃インクと淡インクを吐出するノズルを設けるようにすれば、大サイズのドットと小サイズのドットを、各色についてそれぞれ形成することが可能である。この際、イエロー用のノズルは、大サイズのドットと小サイズのドットをそれぞれ1回の吐出で形成できるように構成することが好ましい。
【0048】
C.グレー画像のための実施例:
カラー画像では無くグレー画像であれば、以下のようにして大サイズのドットと小サイズのドットを形成することも可能である。図12は、第3実施例においてグレー画像を再現するための600dpi用のドット210と360dpi用のドット220の構成を示す説明図である。図12(A)に示すように、600dpi用の小サイズのドット210は、20ngのブラックインクを1回吐出することによって形成される。
【0049】
一方、図12(B)に示すように、360dpi用の大サイズのドット220は、まずシアンインクとマゼンタインクとイエローインクのいずれか1つを20ng吐出し、その同一位置にブラックインクを20ng吐出することによって形成される。この場合に、シアンインクが吐出される第1のドット位置と、マゼンタインクが吐出される第2のドット位置と、イエローインクが吐出される第3のドット位置とは、それぞれ規則的で互いに等価な分布を有するように配置されている。この結果、巨視的にグレー色として認識される領域を360dpiで記録することができる。
【0050】
図13は、第3実施例に使用されるマスクを示す説明図である。このマスクは、3×3ドットの領域を有しており、各ドット位置にどのインクが吐出されるべきかが規定されている。例えば左上のドット位置には、ブラックインクとシアンインクが吐出される。巨視的にグレーである領域を印刷する場合に、このようなマスクをそのグレー領域に繰り返し適用すれば、図12(B)に示したような配置で各インクを吐出することが可能である。
【0051】
なお、図12(B)の例では、すべてのドット位置にインクが吐出されているが、グレーの濃度が低い場合には、一部のドット位置でインクを吐出しないようにすることも可能である。このような場合には、シアンとマゼンタとイエローの各インクが吐出されるドット位置の規則性は多少損なわれる。しかし、この場合にも、巨視的にはグレー色として認識されるようにするために、各インクの吐出位置が互いにほぼ等価な分布を有するように決定される。
【0052】
図14は、第4実施例においてグレー画像を再現するための600dpi用のドット210と360dpi用のドット220の構成を示す説明図である。図14(A)に示す600dpi用の小サイズのドット210は、第3実施例と同様に、20ngのブラックインクを1回吐出することによって形成される。
【0053】
一方、図14(B)に示すように、360dpi用の大サイズのドット220は、ブラックインクを用いずに、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された2種類のインクを同一位置に重ねるように20ngずつ吐出することによって形成される。この場合にも、第3実施例と同様に、シアンインクが吐出される第1のドット位置と、マゼンタインクが吐出される第2のドット位置と、イエローインクが吐出される第3のドット位置とは、互いにほぼ等価な分布を有するように配置されている。この結果、巨視的にグレー色として認識される領域を360dpiで記録することができる。
【0054】
図15は、第4実施例に使用されるマスクを示す説明図である。このマスクも3×3ドットの領域を有しており、各ドット位置にどのインクが吐出されるべきかが規定されている。巨視的にグレーである領域を印刷する場合に、このようなマスクをそのグレー領域に繰り返し適用すれば、図14(B)に示したような配置で各インクを吐出することが可能である。
【0055】
上述した第3および第4実施例では、色の異なる2種類のインクを同一位置に重ねて吐出することによって大サイズのドットを形成することができ、従って、高速モードでグレー画像を記録することが可能である。
【0056】
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0057】
(1)上記実施例では、高解像度を600dpiとし、低解像度を360dpiとしたが、高解像度と低解像度との組合せはこれらの以外の種々のものが考えら得る。一般には、低解像度用の大サイズのドットを形成するためのインクの吐出量が、1ノズルの最大吐出量以上で、かつ、2つのノズルの合計吐出量以下であるような場合に本発明を適用可能である。なお、大サイズのドットを形成する際に用いられる2つのノズルの吐出量は同じである必要はない。
【0058】
(2)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の印刷装置をコンピュータ90を中心に構成した例を示すブロック図。
【図2】印刷処理に関係するソフトウェアの構成を示すブロック図。
【図3】画像出力装置20の一例としてのカラープリンタ22の構成を示す概略構成図。
【図4】各印字ヘッドにおけるインク吐出のための構成を示す説明図。
【図5】ピエゾ素子PEの伸張によりインク粒子Ipが吐出される様子を示す説明図。
【図6】本発明の第1実施例における印字ヘッド集合体の構成を示す図。
【図7】解像度とドット径との一般的な関係を示す説明図。
【図8】解像度とドット径との関係の実例を示す説明図。
【図9】第1実施例におけるインクの吐出量とドットの直径との関係を示すグラフ。
【図10】本発明の第2実施例における印字ヘッド集合体の構成を示す図。
【図11】第2実施例におけるインクの吐出量とドットの直径との関係を示すグラフ。
【図12】第3実施例においてグレー画像を再現するための600dpi用のドット210と360dpi用のドット220の構成を示す説明図。
【図13】第3実施例に使用されるマスクを示す説明図。
【図14】第4実施例においてグレー画像を再現するための600dpi用のドット210と360dpi用のドット220の構成を示す説明図。
【図15】第4実施例に使用されるマスクを示す説明図。
【符号の説明】
12…スキャナ
14…キーボード
15…フレキシブルドライブ
16…ハードディスク
18…モデム
21…CRT
22…プリンタ
23…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印字ヘッド
31…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置検出センサ
40…制御回路
42…PROM
48…モデム
60…印字ヘッド集合体
61,62…印字ヘッド
65…導入管
66…インク通路
71…黒インク用カートリッジ
72…カラーインク用カートリッジ
76…ハードディスク
80…バス
81…CPU
82…ROM
83…RAM
84…入力インターフェイス
85…出力インタフェース
86…CRTC
88…SIO
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
93…CRTディスプレイ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…ラスタライザ
98…色補正モジュール
99…ハーフトーンモジュール
Claims (11)
- ドット記録ヘッドを用いて記録媒体の表面にドットの記録を行うドット記録装置において、
複数種類のインクを吐出するための複数組のノズルアレイを含むドット記録ヘッドと、
前記ドット記録ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行う主走査駆動手段と、
前記主走査の最中に前記ドット記録ヘッドに含まれる複数のノズルの少なくとも一部を駆動してドットの形成を行わせるヘッド駆動手段と、
前記主走査が終わる度に前記ドット記録ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査駆動手段と、
前記各手段を制御するための制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
比較的大きなドットピッチで記録を行う低解像度記録モードと、比較的小さなドットピッチで記録を行う高解像度記録モードとを有し、
前記低解像度記録モードにおいて、濃度と色相とのうちの少なくとも一方が異なる複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように同一の主走査の間にそれぞれ吐出することによって、前記低解像度記録モードにおけるドットピッチに適した比較的大サイズのドットを形成することを特徴とするドット記録装置。 - 請求項1記載のドット記録装置であって、
前記制御手段は、前記低解像度記録モードにおいて、ほぼ同一色で濃度が異なる複数種類の同一色インクを同一のドット位置に重ねるように吐出する、ドット記録装置。 - 請求項2記載のドット記録装置であって、
前記濃度が異なる複数種類の同一色インクとしては、少なくともシアンとマゼンタの2種類の1次色に関するインクが用いられる、ドット記録装置。 - 請求項1記載のドット記録装置であって、
前記制御手段は、前記低解像度記録モードにおいては、
各ドット位置において、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された1つのインクと、ブラックインクとの2種類のインクを重ねて吐出することによって前記比較的大サイズのドットを形成するとともに、
シアンインクが吐出される第1のドット位置と、マゼンタインクが吐出される第2のドット位置と、イエローインクが吐出される第3のドット位置とが、互いにほぼ等価な分布を有するように前記第1ないし第3のドット位置を配置することによって、巨視的にグレー色として認識される領域を記録する、ドット記録装置。 - 請求項1記載のドット記録装置であって、
前記制御手段は、前記低解像度記録モードにおいては、
各ドット位置において、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された2種類のインクを重ねて吐出することによって前記比較的大サイズのドットを形成するとともに、
シアンインクが吐出される第1のドット位置と、マゼンタインクが吐出される第2のドット位置と、イエローインクが吐出される第3のドット位置とが、互いにほぼ等価な分布を有するように前記第1ないし第3のドット位置を配置することによって、巨視的にグレー色として認識される領域を記録する、ドット記録装置。 - 比較的大きなドットピッチで記録を行う低解像度記録モードと比較的小さなドットピッチで記録をおこなう高解像度記録モードとでそれぞれ記録を実行し得るドット記録装置を用いてドットの記録を行う方法であって、
前記低解像度記録モードにおいて、濃度と色相とのうちの少なくとも一方が異なる複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように同一の主走査の間にそれぞれ吐出することによって、前記低解像度記録モードにおけるドットピッチに適した比較的大サイズのドットを形成することを特徴とするドット記録方法。 - 請求項6記載のドット記録方法であって、
前記低解像度記録モードにおいては、ほぼ同一色で濃度が異なる複数種類の同一色インクが同一のドット位置に重ねるように吐出される、ドット記録方法。 - 請求項7記載のドット記録方法であって、
前記濃度が異なる複数種類の同一色インクとしては、少なくともシアンとマゼンタの2種類の1次色に関するインクが用いられる、ドット記録方法。 - 請求項6記載のドット記録方法であって、
前記低解像度記録モードにおいては、
各ドット位置において、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された1つのインクと、ブラックインクとの2種類のインクを重ねて吐出することによって前記比較的大サイズのドットが形成されるとともに、
シアンインクが吐出される第1のドット位置と、マゼンタインクが吐出される第2のドット位置と、イエローインクが吐出される第3のドット位置とが、互いにほぼ等価な分布を有するように前記第1ないし第3のドット位置を配置することによって、巨視的にグレー色として認識される領域が記録される、ドット記録方法。 - 請求項6記載のドット記録方法であって、
前記低解像度記録モードにおいては、
各ドット位置において、シアンインクとマゼンタインクとイエローインクの中から選択された2種類のインクを重ねて吐出することによって前記比較的大サイズのドットが形成されるとともに、
シアンインクが吐出される第1のドット位置と、マゼンタインクが吐出される第2のドット位置と、イエローインクが吐出される第3のドット位置とが、互いにほぼ等価な分布を有するように前記第1ないし第3のドット位置を配置することによって、巨視的にグレー色として認識される領域が記録される、ドット記録方法。 - ドット記録ヘッドとコンピュータとを備えたドット記録装置に用いられ、前記ドット記録ヘッドを用いて記録媒体の表面にドットの記録を行うためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、
比較的大きなドットピッチで記録を行う低解像度記録モードと比較的小さなドットピッチで記録をおこなう高解像度記録モードとにおいて前記コンピュータにそれぞれ記録を実行させる機能を有し、
前記低解像度記録モードは、濃度と色相とのうちの少なくとも一方が異なる複数種類のインクを同一のドット位置に重ねるように吐出することによって、前記低解像度記録モードにおけるドットピッチに適した比較的大サイズのドットを形成するモードであることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003199348A JP2004042646A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 低解像度記録モードを有するドット記録方法および装置、並びに、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003199348A JP2004042646A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 低解像度記録モードを有するドット記録方法および装置、並びに、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体 |
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JP27223297A Division JP3810192B2 (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | ドット記録方法および装置、並びに、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004042646A true JP2004042646A (ja) | 2004-02-12 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005335138A (ja) * | 2004-05-25 | 2005-12-08 | Seiko Epson Corp | 印刷装置、印刷方法、およびプログラム |
JP2005335249A (ja) * | 2004-05-27 | 2005-12-08 | Seiko Epson Corp | 印刷装置、印刷方法、およびプログラム |
-
2003
- 2003-07-18 JP JP2003199348A patent/JP2004042646A/ja active Pending
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