JP2004042247A - 熱交換器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換器の製造に際して、ろう材、フラックスを用いない接合方法により、金属母材の選択自由度が高くしかも薄肉化に必要な高強度合金を使用可能にするとともに、伝熱プレートの多数同時接合を低温で実現できこと。
【解決手段】熱交換器の製造方法は、金属母材26の少なくとも片面に、B状態の熱硬化型接着剤からなる未硬化固状被膜(樹脂材料)42を被覆させて接着剤被覆金属材(プレコート材)46を調製する。その後、プレコート材46をプレス加工して伝熱プレート20Aを調製する。続いて、伝熱プレート20Aを仮組み立て後、加熱雰囲気下で、未硬化固状被膜を42を加熱硬化させて組み立て結合を行なって、熱交換器(製品)22Aとする。
【選択図】図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換器(コンデンサ、エバポレータ、ヒータ等)の製造方法に関する。
【0002】
ここでは、多数枚の伝熱プレートを接着剤結合させて熱交換通路群(コア部)と熱媒体導入・導出部(分配・集合タンク部)とを一体形成した熱交換器に適用する場合を例にとり説明をするが、これに限られるものではない。
【0003】
すなわち、本発明は、当該構成のものに限られるものではなく、多管式、二重管式、渦巻き式、プレートフィン式等各種熱交換器に適用できるものである(熱交換器の種類は、化学工学協会編「化学装置便覧」丸善、昭52−3−20、p1167−1174参照)。
【0004】
【従来の技術】
例えば、図1に示すように、熱媒体導入・導出部(タンク部)12と熱交換部(コア部)14とを備え、タンク形成部16とコア形成部18とがプレス加工により形成された多数枚の伝熱プレート20(図2参照)が接合一体化された構成の熱交換器22は、従来、アルミニウム(Al)系合金帯板(圧延材)の母材(芯材)とし、ろう材(Al−Si系合金)を片面又は両面にクラッド圧延したブレージングシートを使用して製造していた(特許文献1等参照)。なお、ここで、プレス加工とは、ロール加工を含めた広い意味である。
【0005】
例えば、その製造方法は図3に示す如くであった。なお、図例は、コア部(熱交換部)14における1つの冷媒細径通路(1mmφ前後)14a部位を拡大表示してモデル的に製造工程を図示したものである。
【0006】
皮材(ろう材)24を心材(Al系合金帯板)26の両面又は片面(図例では片面)にクラッド(形成)したブレージングシート(合せ板)28を用意する(図3(I))。なお、該ブレージングシート28は、金属帯材の熱間圧延時に同時被覆して製造する。
【0007】
そして、該ブレージングシート28から、図3に示す如く、タンク形成部16とコア形成部18とがプレス加工により形成された多数枚の板状の構成部材(伝熱プレート)20を調する(図3(II))。即ち、ブレージングシート28の上に図2に示す如く、タンク・コア形成部16、18をプレス加工(フォーミング)した後、伝熱プレート20を打ち抜く順送り加工、又は、ブランクを打ち抜き後、上記タンク・コア形成部16、18のプレス加工(フォーミング)を行なうトランスファ加工にて、上記伝熱プレート(板状構成部材)20を製造する。
【0008】
そして、伝熱プレート20、20を積層して仮組み立てを行なった後、フラックス30を静電塗装等により塗布する(図3(III)・(IV))。このとき、フラックスとは、金属材料表面の酸化皮膜を除去し、ろう材の流動性向上を目的に添加する無機材料である。そして、Alのブレージングシートの場合、フラックスとしては、四ふっ化カリウムアルミニウム(KAlF)を主成分とするものを使用することが多い。
【0009】
続いて、N2ガス雰囲気下の加熱炉32で、母材融点より低い温度でろう材を溶かしてろう付け(ろう接)を行ない、熱交換器(製品)22を得る(図3(V)・(VI))。たとえば、ブレージングシートとして、アルミブレージング材を使用した場合、即ち、板状構成部材の心材(母材)がAlの場合、加熱温度は600℃前後である。なお、図3(VI)において、冷媒通路のろう材がほとんど残存していないのは、毛細管現象により接合部にろう材が移動するためである。
【0010】
しかし、上記のような従来の製造方法によると、ブレージングシート(高価である。)とともにフラックスを必要とし、さらには、ろう付けに際して、Nガス雰囲気で600℃前後に加熱する必要があるため、エネルギーコストが嵩むのともに、気密性の高い高出力電気加熱炉を必要とした。
【0011】
また、上記KAlFを主成分とするフラックスを使用する場合は、他のAl系合金に比して相対的に高強度であるAl−Mg系合金(例えば、A5000系:A5052、A5182等)を母材として使用することはできなかった。KAlFはMgと反応して、高融点物質(KMgF等)が生成されるため、フラックス機能(酸化皮膜除去作用)が低下し、ろう材の流動性を阻害するためである。
【0012】
さらに、ろう付けの加熱温度が600℃前後と比較的高温であることから、Al−Cu−Mg系(A2024等)の低融点Al系合金や、高温加熱により加工硬化の戻りがあるAl系加工硬化材(H14材等)も母材としての使用も制限された。
【0013】
したがって、Al系合金の母材としての選択幅が狭く、薄肉化に必要なこれら高強度Al系合金が使用可能な接合方法への変更が課題とされていた。
【0014】
そして、あえて従来強度の薄肉材(引張強度180Mpa以下、0.15mmt以下のAl材料;例えばA3003)で製造した場合は、タンク部において所定の耐圧性を得難く、伝熱プレート調製後の後工程でタンク部補強工程を組み込む必要があった。タンク部の熱媒体受圧内径はコア部のそれより格段に大きく(例えば、前者10〜15mmφに対して後者1mmφ)、タンク部にはコア部に比して大きな耐内圧破壊強度が要求される。
【0015】
このため、図4に示す如く、ろう付け(組み立て結合)後、締結バンド(アルミバンド)33をタンク部12にその長手方向(垂直方向)に締結したり、周囲に接着剤塗布を行って再度加熱硬化させたりして補強していた。ろう付け温度(約600℃)における加熱では、エポキシ系接着剤でも熱劣化してしまい、加熱工程を兼用することは不可能である。
【0016】
なお、ろう付け以外の接合方法としては、溶接、摩擦圧接及び接着(剤)等がある。
【0017】
しかし、溶接、摩擦圧接は、母材の溶融を伴うこと、及び、高荷重での加圧が必要であるため、薄肉材を用い多数の部位を同時に接合する必要のある熱交換器に対しては不適である。他方、接着(剤)については、薄肉材の多数同時接合を低温(例えば、250℃以下)で実現するという点では可能性がある。
【0018】
例えば、特許文献2・3では、プレス加工後の構成部材(熱交換器の)に接着剤を塗布して組み立て一体化する技術が記載されている。
【0019】
しかし、プレス加工後で多数の微小凹凸のある構成部材に均一に接着剤を塗布することは、特許文献2に記載の如く、高圧エア等を吹き付けて余分な接着剤を除去する等する必要があり、面倒である。特許文献2においても、同様な問題が発生すると推定される。
【0020】
また、特許文献4・5では、プレス加工前に素材段階で接着剤を塗布した後、硬化させて接着させる技術が記載されている。
【0021】
しかし、通常の接着剤は液状でありまた粘着性を有しているため、プレス加工時等において接触物(ハンドリング材、工具)に付着する等の問題点が発生するものと推定される。
【0022】
【特許文献1】
特開平11−287580号公報
【特許文献2】
特開昭64−58990号公報
【特許文献3】
特開平2−115288号公報
【特許文献4】
特開平1−273634号公報
【特許文献5】
特開2002−243395公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記にかんがみて、ろう付け(ろう材結合)に替えて接着剤結合することに起因する問題点を発生させることのない熱交換器の製造方法を提供することを目的とする。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、伝熱プレート調製工程の後工程で、タンク部等の他部に比して耐内圧破壊強度が要求される部位の補強工程を組込む必要がない熱交換器の製造方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構成の熱交換器の製造方法に想到した。
【0026】
実質的な接着構造体である熱交換器を製造する方法であって、
金属母材に、B状態の熱硬化型接着剤からなる未硬化固状被膜を全面的に又は部分的に被覆させて接着剤被覆金属材(プレコート材)を調製するプレコート材調製工程、
プレコート材を、プレス加工により構成部材を形成する構成部材調製工程、及び、
前記構成部材を仮組み立て後、加熱雰囲気において、前記未硬化固状被膜をC状態に完全硬化(架橋)させる組み立て結合工程
を含むことを特徴とする。
【0027】
本発明では、熱交換器の素材とする接着剤被覆金属材(プレコート材)の被膜が固状被膜で粘着性を実質的に有せず、後工程におけるプレス加工や組み立てにおける取り扱い性に問題が発生しない。即ち、他部材との干渉・接触による接着剤付着等の問題が発生しない。
【0028】
したがって、接着剤結合により熱交換器を製造することが容易となり、当然、ろう付けにより製造する場合の、金属選択自由度の制限、さらには、600℃前後の高温N雰囲気とするための特別な設備も不要となる。
【0029】
上記プレコート材調製工程は、未硬化固状のフィルム状接着剤を金属母材の上に載置して圧接ローラにより接合させて接着剤層を形成することが、プレコート材の生産性が良好である。即ち、この方法を採用すると、液状接着剤を塗布後、乾燥ないし硬化させて未硬化固状(いわゆるB状態)の接着剤層を形成する場合に比して、生産性が良好である。
【0030】
上記加熱雰囲気は、通常、金属母材が加熱影響を受ける可能性がほとんどない250℃以下とする。
【0031】
また、熱交換型接着剤としては、通常、エポキシ系を使用する。金属用接着剤として汎用性に富み、要求特性に応じたものを入手し易い。
【0032】
そして、上記熱交換器の製造方法を、熱媒体導入・導出部(タンク部)と熱交換部(コア部)とを備え、タンク形成部とコア形成部とがプレス加工により形成された多数枚の板状の構成部材(伝熱プレート)が積層一体化された構成の熱交換器を製造する方法においては、下記(1)又は(2)の製造方法とすることが望ましい。
【0033】
(1)金属板材(金属母材)の片面又は両面に、B状態の熱硬化型接着剤からなる未硬化固状被膜を、タンク構成部位を他部位より厚肉状態に塗布して形成する接着剤被覆金属材(プレコート材)を調製するプレコート材調製工程、
プレコート材からプレス加工により伝熱プレートを形成する伝熱プレート調製工程、及び、
伝熱プレートを仮組み立て後、加熱雰囲気において、未硬化固状被膜をC状態に完全硬化(架橋)させる組み立て結合工程
を含むことを特徴とする。
【0034】
(2)金属板材(金属母材)の片面又は両面に、B状態の熱硬化型接着剤からなる未硬化固状被膜を全面に均一厚さで形成する接着剤被覆金属材(プレコート材)調製工程、
プレコート材をプレス加工により伝熱プレートを形成する伝熱プレート調製工程、及び、
伝熱プレートを仮組み立て後、タンク部の周囲に補強用接着剤を塗布し、続いて、加熱雰囲気において、未硬化固状被膜をC状態に完全硬化させる組み立て結合工程
を含むことを特徴とする、熱交換器の製造方法。
【0035】
上記(1)、(2)の如く、タンク構成部位における未硬化固状被膜(接着剤層)を加熱硬化前において、厚肉に形成することにより、1回の加熱硬化工程にて、タンク部のみ厚肉化でき、変形しやすいタンク部を接着剤で厚くし、強度補強することが可能である。
【0036】
そして、上記各方法においては、通常、接着剤層を加熱硬化させる加熱雰囲気温度は、通常、金属母材が熱影響を実質的に受けない250℃以下とする。そのような熱硬化性接着剤としては、通常、エポキシ系のものを使用する。
【0037】
また、金属板材は、通常、肉厚0.15mmt以下で引張り強度(JIS Z 2241)180MPa以上を示すアルミニウム系板材とすることが好ましい。熱交換器の小型化・軽量化に寄与するためである。
【0038】
そして、上記各構成の製造方法で製造した熱交換器は、下記構成のものとすることが望ましい。
【0039】
熱媒体導入・導出部(タンク部)と熱交換部(コア部)とを備え、タンク形成部とコア形成部とが金属板材からプレス加工により形成された多数枚の板状の構成部材(伝熱プレート)が積層一体化された構成の熱交換器において、
構成部材相互が実質的に接着剤層を介して結合され、
接着剤層がエポキシ系の熱硬化型接着剤からなるとともに、金属板材が肉厚0.15mmt以下で引張り強度(JIS Z 2241)180MPa以上を示すアルミニウム系板材であることを特徴とする、又は、タンク構成部位の接着剤層がコア構成部位の接着剤層より厚肉に形成されていることを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ここでは、前述例と同様、図1に示すように、タンク部12とコア部14とを備え、伝熱プレート20を接合一体化した構成(の熱交換器(製品)22)を製造する場合について説明をする。伝熱プレート20は、図2に示す如く、タンク形成部16とコア形成部18とがプレス加工により形成したものである。
【0041】
本実施形態の熱交換器は、実質的な接着構造体である熱交換器を製造する方法である。ここでは、実質的な接着構造体とは、熱交換器の部品の主体部品(熱交換部等)が接着結合されておればよく、カバー部やブラケット等の付属的部品が溶接ないし脱着可能なビス・クリップ止め等の機械的結合を含んでいてもよいことを意味する。
【0042】
そして、本発明の製造方法の一実施形態は、下記(1)プレコート材調製工程、(2)伝熱プレート(構成部材)調製工程、及び(3)組み立て結合工程からなる(図5・6参照)。
【0043】
(1)プレコート材調製工程:
金属板材(金属母材)26の片面又は両面(図例では片面)に、B状態(未架橋)の熱硬化型接着剤からなる未硬化固状被膜(接着剤層)42を、タンク構成部位12Aをコア部構成部位14Aより厚肉に塗布して接着剤被覆金属材(プレコート材)46を調製する(図7参照)。なお、図7の二点鎖線は、ブランクないし伝熱プレートの裁断位置である。
【0044】
ここで、金属母材としては、通常、伝熱性及び軽量化の見地からAl系金属を使用するが、熱交換器の要求特性に応じて、Cu系、鉄系さらにはMg系、Ti系等の金属材であってもよい。
【0045】
上記Al系金属とは、Al及びAl系合金を含み、Al合金としては、熱交換器素材とする場合、例えば、A2000系(Al−Cu系)、A3000系(Al−Mn系)、A5000系(Al−Mg系)、A6000系(Al−Mg−Si系)、A7000系(Al−Zn系)等を使用できる。とくに、上記伝熱プレートの場合は、軽量化等の見地から、高強度Al合金、例えばA5052、A5182(Al−Mg系)、A2017(Al−Cu−Mg系)、A3003(Al−Mn−Cu系)等を使用することが望ましい。ここで、材料記号は、JIS記号である。
【0046】
金属板材は、圧延材とし、その板厚(肉厚)は、Al系の場合、通常、0.02〜1mm、望ましくは、0.05〜0.5mmとする。軽量化の見地からは、後述の如く、肉厚0.15mmt以下で引張り強度(JIS Z 2241)180MPa以上を示すものを使用することが望ましい。ただし、耐内圧破壊強度が要求される部位、本実施形態では、タンク構成部位は、後述の如く、補強対策を構ずる必要がある。
【0047】
そして、使用する熱硬化型接着剤としては、金属構造用熱硬化型接着剤として、未硬化固状(B状態)のものを入手可能若しくは製造可能なものなら特に限定されない。
【0048】
例えば、固形エポキシ、エポキシ/フェノリック、ナイロン/エポキシ、ニトリル/エポキシ、ポリビニルホルマール/フェノリック、ニトリルゴム/フェノリック等を使用できる(接着協会編「接着ハンドブック」昭55−11−20、日刊工業、p350−353参照)。これらのうち、前四者のエポキシ系のものが、汎用性があり、各種特性のものを選択できるため望ましい。特に、耐熱性の見地からは、熱安定性に優れているエポキシ/フェノリックのものが望ましい。
【0049】
また、未硬化固状被膜(接着剤層)42の塗膜厚は、タンク構成部位12Aをコア構成部位14Aより厚肉に塗布する(図7参照)。ここで、コア構成部位(一般部)は、通常、5〜100μm、望ましくは10〜50μmとし、タンク部は、それより厚肉、通常、10〜200μm、望ましくは40〜80μmとする。
【0050】
被膜の形成方法は、ローラ塗り、刷毛塗り、スプレー塗り、浸漬塗り等任意である。安定した塗膜厚を得る見地から、通常、図8に示す如く、バックアップロール34の上を搬送される圧延材(母材:心材)26の表面に、ドクターロール36により付着量(被膜厚)を調節しながらコーティングロール38により塗布する。コーティングロール38への液状接着剤40Aの供給は、図示しないピックアップロール等により行なう。
【0051】
そして、タンク構成部位部位12を厚肉に接着剤を塗布するには、二回塗り(重ね塗り)してもよいが、ドクターロール36のタンク形成部に対応する端部を小径にして、ドクターロール36とコーティングロール38の隙間を大きくして、又は、タンク形成部位に要求塗膜厚に塗布後、ドクターブレード等によりコア形成部位の接着剤を掻きとってコア形成部位の要求塗膜厚に形成してもよい。さらには、押出ダイスを使用してタンク構成部位を厚肉に接着剤を塗布することも可能である。
【0052】
また、固状(B状態:未架橋)のフィルム状接着剤を使用する場合は、図9に示す如く、バックアップロール34Aの上を搬送される圧延板(母材)26の表面に、フィルム状接着剤40Aを載せながら、必要により若干加熱(100℃)した圧接ロール(圧着ローラ)35で圧着して未硬化固状被膜42を形成する。なお、フィルム状接着剤40Aは、キャスト、乾燥させて作ったものを使用する。
【0053】
そして、フィルム状接着剤42Aを使用して厚肉塗膜部を形成する場合は、母材全面にフィルム状接着剤を圧接ロール35で圧着させた後、所定幅のテープ状とした圧接ロール35でフィルム状接着剤42Aを圧着させる。
【0054】
(2)伝熱プレート調製工程:
プレコート材46からプレス加工により伝熱プレート20A(図2参照)を形成する。
【0055】
即ち、▲1▼記タンク・コア形成部16、18のプレス加工(フォーミング)を行った後、伝熱プレート20Aを打ち抜く順送り加工、又は、▲2▼ブランクを打ち抜き後、上記タンク・コア形成部16、18のプレス加工(フォーミング)を行なうトランスファ加工により製造する。
【0056】
このとき、接着剤層は実質的に粘着性を有しない未硬化固状層であるため、プレコート材が他部品と干渉・接触しても接着剤が付着したりすることなく、取り扱い性が良好である。
【0057】
(3)組み立て結合工程:
伝熱プレート20Aを仮組み立て後、加熱雰囲気において、未硬化被膜(接着剤層)をC状態に完全硬化(架橋)させる組み立て結合工程
このとき、加熱雰囲気の温度は、母材金属に熱影響を与えない250℃以下とする。接着剤の種類により異なるが、加熱硬化条件は、エポキシ系の場合、通常、180〜220℃×15〜45minとする。加熱温度が低すぎると、接着剤の硬化速度が遅く、生産性的見地から望ましくなく、加熱温度が高すぎると、金属母材に対してばかりでなく、接着剤ポリマーも熱影響(熱劣化)を受け易い。
【0058】
このとき、加熱雰囲気は、ろう付けの場合の如く、N雰囲気で600℃前後の如く高温にする必要がない。すなわち、Nを封入可能な高出力電気加熱炉が不要で、汎用の加熱炉が使用可能である。また、この加熱硬化工程において、プレス加工時に使用した加工油の大気加熱脱脂も兼用できる。
【0059】
なお、上記においては、未硬化固状被膜(接着剤層)42のタンク構成部位12における塗膜厚をコア構成部位に比して厚肉に形成してタンク部の補強対策を行ったが、未硬化固状被膜42を均一に形成しておいれ、伝熱プレート20Aを仮組み立て後、加熱硬化工程前に、タンク部12外周に補強用接着剤塗布してもよい(図6二点鎖線参照)。この場合に使用する接着剤は、前述の固状被膜形成に使用した液状接着剤やフィルム状接着剤を使用できるが、加熱硬化直前であるため、通常の、液状エポキシ等をベースとするA状態の接着剤を使用することが望ましい。塗布方法は、浸漬塗り、スプレー塗り、刷毛塗り等より行なうことが望ましい。
【0060】
【実施例】
以下、発明の効果を確認するために比較例とともに行なった実施例について説明をする。
【0061】
表1に示す各板厚、材質のAl系圧延材を使用して、実施例は、図1に示す工程で、図4に示す工程に準じて、それぞれ表示の条件で製造した。
【0062】
それらの結果を表1示すが、本発明の各実施例の熱交換器は、比較例の熱交換器に比して、軽量化を達成でき、さらには、最初からタンク部の接着剤層を厚肉にしておけば、伝熱プレート調製後の後工程で別のタンク部補強の別工程が不要になることが分かる。またA3000系のブレ−ジングシートで熱交換器(伝熱プレート)を製造した場合、タンク部における耐内圧破壊強度において、板厚0.4mmでは所要強度(3Mpa以上)を示すのに対し(比較例1)、板厚0.20mmでは所要強度を満足できない(比較例2)。このため、Alバンド又は補強用接着剤塗布による補強対策が必要であることが分かる(比較例3・4)。
【0063】
【表1】
Figure 2004042247

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を適用する熱交換器の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の構成部品である伝熱プレートの一例を示す平面図である。
【図3】ブレ−ジングシートを用いて熱交換器を製造する場合のコア部の熱媒体通路形成部位を例に採りモデル的に示した断面工程図である。
【図4】タンク部の耐内圧破壊強度が不足する場合においてバンド補強した熱交換器の斜視図である。
【図5】本発明の熱交換器の製造方法を図3に対応して表した断面工程図である。
【図6】本発明の熱交換器の製造方法を示す流れ図である。
【図7】本発明で使用するタンク形成部を厚肉塗布したプレコート材の平面図及び側面断面図
【図8】ロール塗りにより接着剤被覆金属材をつくる場合の説明図である。
【図9】フィルム状接着剤を用いて接着剤付き金属材をつくる場合の説明図である。
【符号の説明】
20A  伝熱プレート(部品)
22  熱交換器(製品)
26  心材(母材)
42  固状被膜(固状接着剤層)
46  プレコート材(接着剤被覆金属材)

Claims (11)

  1. 実質的な接着構造体である熱交換器を製造する方法であって、
    金属母材に、B状態の熱硬化型接着剤からなる未硬化固状被膜を全面的に又は部分的に被覆させて接着剤被覆金属材(プレコート材)を調製するプレコート材調製工程、
    前記プレコート材を、プレス加工により構成部材を形成する構成部材調製工程、及び、
    前記構成部材を仮組み立て後、加熱雰囲気において、前記未硬化固状被膜をC状態に完全硬化(架橋)させる組み立て結合工程
    を含むことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  2. 前記プレコート材調製工程において、未硬化固状のフィルム状接着剤を金属母材の上に載置して圧接ロールにより接合させて前記未硬化固状被膜を形成することを特徴とする請求項1記載の熱交換器の製造方法。
  3. 前記加熱雰囲気を250℃以下とすることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換器の製造方法。
  4. 前記熱硬化型接着剤をエポキシ系とすることを特徴とする請求項3記載の熱交換器の製造方法。
  5. 熱媒体導入・導出部(タンク部)と熱交換部(コア部)とを備え、タンク形成部とコア形成部とがプレス加工により形成された多数枚の板状の構成部材(伝熱プレート)が積層一体化された構成の熱交換器を製造する方法において、
    金属板材(金属母材)の片面又は両面に、B状態の熱硬化型接着剤からなる未硬化固状被膜を、タンク構成部位をコア構成部位より厚肉に塗布して形成する接着剤被覆金属材(プレコート材)を調製するプレコート材調製工程、
    前記プレコート材からプレス加工により伝熱プレートを形成する伝熱プレート調製工程、及び、
    前記伝熱プレートを仮組み立て後、加熱雰囲気において、前記未硬化固状被膜をC状態に完全硬化(架橋)させる組み立て結合工程
    を含むことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  6. 熱媒体導入・導出部(タンク部)と熱交換部(コア部)とを備え、タンク形成部とコア形成部とがプレス加工により形成された多数枚の板状の構成部材(伝熱プレート)が積層一体化された構成の熱交換器を製造する方法において、
    金属板材(金属母材)の片面又は両面に、B状態の熱硬化型接着剤からなる未硬化固状被膜を全面に形成する接着剤被覆金属材(プレコート材)調製工程、
    前記プレコート材をプレス加工により伝熱プレートを形成する伝熱プレート調製工程、及び、
    前記伝熱プレートを仮組み立て後、さらにタンク部周面に補強用接着剤を塗布し、続いて、加熱雰囲気において、前記未硬化固状被膜をC状態に完全硬化させる組み立て結合工程
    を含むことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  7. 前記加熱雰囲気の温度が、250℃以下であることを特徴とする請求項5又は6記載の熱交換器の製造方法。
  8. 前記熱硬化型接着剤を、エポキシ系とすることを特徴とする請求項7記載の熱交換器の製造方法。
  9. 前記金属板材を、肉厚0.15mmt以下で引張り強度(JISZ 2241)180MPa以上を示すアルミニウム系板材とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
  10. 熱媒体導入・導出部(タンク部)と熱交換部(コア部)とを備え、タンク形成部とコア形成部とが金属板材からプレス加工により形成された多数枚の板状の構成部材(伝熱プレート)が積層一体化された構成の熱交換器において、
    板材前記構成部材相互が実質的に接着剤層を介して結合され、
    前記接着剤層がエポキシ系の熱硬化型接着剤からなるとともに、
    前記金属板材が、肉厚0.15mmt以下で引張り強度(JIS Z 2241)180MPa以上を示すアルミニウム系板材であることを特徴とする熱交換器。
  11. タンク構成部位の接着剤層がコア形成部位の接着剤層より厚肉に形成されていることを特徴とする請求項10記載の熱交換器。
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