JP2004042094A - タンディッシュ内精錬方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入して連続鋳造する間、タンディッシュスラグのCaO/SiO2を相応に高く維持し、その酸素ポテンシャルを相応に低く維持して、タンディッシュ内溶鋼が汚染されるのを防止できるタンディッシュ内精錬方法を提供する。
【解決手段】連続鋳造の当初にタンディッシュ内へCaO/SiO2が高い粉末状フラックスを投入するだけではなく、連続鋳造の間にもタンディッシュ内へCaO/SiO2が高い粉末状フラックスを逐次追加投入した。
【選択図】 なし
【解決手段】連続鋳造の当初にタンディッシュ内へCaO/SiO2が高い粉末状フラックスを投入するだけではなく、連続鋳造の間にもタンディッシュ内へCaO/SiO2が高い粉末状フラックスを逐次追加投入した。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタンディッシュ内精錬方法に関する。溶鋼を、取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ、該タンディッシュから該溶鋼がとぎれないようにモールドへと注入して連続鋳造することが行なわれる。本発明は、かかる連続鋳造の際の、タンディッシュ内における溶鋼の精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記のような連続鋳造においては、タンディッシュスラグのCaO/SiO2が低くなると、その酸素ポテンシャルが高くなると共にタンディッシュ内溶鋼との間の平衡酸素濃度も高くなり、タンディッシュ内溶鋼中に酸化物等が生成され易くなって、タンディッシュ内溶鋼が汚染され易くなることが知られている。またタンディッシュスラグのCaO/SiO2を低くする原因として、酸素ポテンシャルの高い取鍋スラグがタンディッシュ内へ持ち込まれることにあることも知られている。そこで従来一般に、タンディッシュ内精錬方法としては、酸素ポテンシャルの高い取鍋スラグがタンディッシュ内へ持ち込まれないように配慮しつつ、連続鋳造の当初に、CaO/SiO2の高い、所謂高塩基度の粉末状フラックスを所定量、タンディッシュ内へ一時に投入することが行なわれている。投入した高塩基度の粉末状フラックスにより、タンディッシュスラグのCaO/SiO2を高くし、その酸素ポテンシャルを低くして、タンディッシュ内溶鋼が汚染されるのを防止しているのである。ところが、かかる従来法によると、連続鋳造の初期は、タンディッシュスラグのCaO/SiO2が相応に高く、その酸素ポテンシャルが相応に低くて、タンディッシュ内溶鋼が汚染されるのを相応に防止できるが、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ連続鋳造するうちに、次第にタンディッシュスラグのCaO/SiO2が低くなり、その酸素ポテンシャルが高くなって、タンディッシュ内溶鋼が汚染されるようになるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入して連続鋳造する間、タンディッシュスラグのCaO/SiO2を相応に高く維持し、その酸素ポテンシャルを相応に低く維持して、タンディッシュ内溶鋼が汚染されるのを防止できるタンディッシュ内精錬方法を提供する処にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記した従来法において、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ連続鋳造するうちに、次第にタンディッシュスラグのCaO/SiO2が高くなる原因を追究した結果、その主因が取鍋のスライディングノズルに詰めた詰め砂にあることを見出した。溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移す都度、詰め砂がタンディッシュへと持ち込まれるので、これを複数回に亘り繰り返すと、次第にタンディッシュスラグのCaO/SiO2が低くなるのである。そこで本発明者は、更に追究した結果、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入して連続鋳造するとき、従来法のようにかかる連続鋳造の当初にCaO/SiO2の高い粉末状フラックスを投入するだけではなく、かかる連続鋳造の間にもCaO/SiO2の高い粉末状フラックスを逐次追加投入すると、タンディッシュスラグのCaO/SiO2比を相応に高く維持できることを見出した。
【0005】
したがって、前記の課題を解決する本発明は、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入して連続鋳造する際の、該タンディッシュ内における該溶鋼の精錬方法であって、連続鋳造の間、タンディッシュ内へCaO/SiO2が高い粉末状フラックスを逐次追加投入することを特徴とするタンディッシュ内精錬方法に係る。
【0006】
本発明に係るタンディッシュ内精錬方法は、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入する際の、該タンディッシュ内における該溶鋼の精錬方法である。本発明に係るタンディッシュ内精錬方法では、前記のような連続鋳造の当初にCaO/SiO2の高い粉末状フラックスを投入するだけではなく、かかる連続鋳造の間にもCaO/SiO2の高い粉末状フラックスを逐次追加投入する。CaO/SiO2の高い粉末状フラックスを逐次追加投入する方法としては、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移す回数が1回毎に追加投入する方法、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移す回数が2回毎に追加投入する方法、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移す回数が3回毎に追加投入する方法等が挙げられる。
【0007】
本発明に係るタンディッシュ内精錬方法において、CaO/SiO2が高い粉末状フラックスとしては、CaO/SiO2が3以上のものが好ましい。CaO/SiO2が3未満のものでは、連続鋳造の間における粉末状フラックスの追加量が多くなり、それだけ作業が煩わしくなるだけでなく、タンディッシュスラグのCaO/SiO2を所望通りに安定して高く維持するのが難しくなる。逆にCaO/SiO2が異常に高いものでは、タンディッシュ内溶鋼上に所望通りのタンディッシュスラグを安定して形成するのが難しくなる。同様の観点で、CaO/SiO2が高い粉末状フラックスとしては、CaO/SiO2が4〜10のものがより好ましい。
【0008】
また本発明に係るタンディッシュ内精錬方法において、連続鋳造の間における粉末状フラックスの逐次追加投入は、タンディッシュスラグのCaO/SiO2が2以上に維持されるように行なうのが好ましい。タンディッシュスラグのCaO/SiO2が2未満では、タンディッシュスラグの酸素ポテンシャルを安定して低くするのが難しく、逆にタンディッシュスラグのCaO/SiO2を異常に高い値に維持するのは、単に非経済的であるだけでなく、それに応じた効果が得られず、他の不都合を生じ易い。同様の観点で、タンディッシュスラグのCaO/SiO2は3〜5に維持するのがより好ましく、3〜4に維持するのが特に好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係るタンディッシュ内精錬方法の実施形態としては、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入して連続鋳造するとき、連続鋳造の当初にCaO/SiO2が8.9の粉末状フラックスを投入する一方で、更に連続鋳造の間、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移す回数が3回毎に前記と同じ粉末状フラックスを追加投入し、タンディッシュスラグのCaO/SiO2を3〜4に維持する方法が挙げられる。
【0010】
【実施例】
取鍋スラグがタンディッシュ内へ持ち込まれないように配慮して、下記の条件で、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ、該タンディッシュ内で精錬し、モールドへと注入して、軸受鋼のビレットを連続鋳造した(実施例)。
条件
取鍋:内容11.0m3、1回当たり取鍋からタンディッシュへと移した溶鋼量:77.0トン、取鍋のスライディングノズルに詰めた詰め砂(クロマイト)の組成:表1に記載、1回当たり取鍋からタンディッシュ内へ持ち込まれた詰め砂の量:20kg、タンディッシュ:内容2.9m3、タンディッシュ内へ投入及び逐次追加投入した粉末状フラックスの組成:表1に記載、連続鋳造の当初にタンディッシュ内へ投入した粉末状フラックスの量:90kg、連続鋳造の間におけるタンディッシュ内への粉末状フラックスの逐次追加投入方法及び追加投入量:溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移す回数が3回毎に20kg。
【0011】
【表1】
【0012】
別に、連続鋳造の間にタンディッシュ内へ粉末状フラックスを逐次追加投入しなかったことを除き、他は実施例と同じ条件下で、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ、該タンディッシュ内で精錬し、モールドへと注入して、軸受鋼のビレットを連続鋳造した(比較例)。
【0013】
前記のような連続鋳造を各例で2回行ない、かかる連続鋳造におけるタンディッシュスラグのCaO/SiO2及びFeO含有量(重量%)を、実施例の場合は図1に、また比較例の場合は図2に示した。図1及び図2において、横軸には溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移した回数をまた左縦軸にはCaO/SiO2を、更に右縦軸にはFeO含有量(重量%)を目盛っており、白抜き丸印はCaO/SiO2を、また黒塗り丸印はFeO含有量(重量%)を示していて、実線で囲んだ範囲はCaO/SiO2の変動幅を、また破線で囲んだ範囲はFeO含有量(重量%)の変動幅を示している。
【0014】
図1及び図2からも明らかなように、実施例の場合には、連続鋳造の間、タンディッシュスラグのCaO/SiO2がほぼ3〜4の範囲内に高く維持されており、その酸素ポテンシャルは低く維持されていて、具体的にはタンディッシュスラグのFeO含有量はほぼ1重量%以下と低く維持されていて、それだけタンディッシュ内溶鋼が汚染されるのを防止しているが、比較例の場合には、連続鋳造の初期を除き、その後は次第にタンディッシュスラグのCaO/SiO2が2未満と低くなっており、その酸素ポテンシャルは高くなっていて、具体的にはタンディッシュスラグのFeO含有量は2重量%以上となっていて、それだけタンディッシュ内溶鋼が汚染されている。
【0015】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入して連続鋳造する間、タンディッシュスラグのCaO/SiO2を相応に高く維持し、その酸素ポテンシャルを相応に低く維持して、タンディッシュ内溶鋼が汚染されるのを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、連続鋳造時におけるタンディッシュスラグのCaO/SiO2及びFeO含有量(重量%)を例示するグラフ。
【図2】比較の従来法において、連続鋳造時におけるタンディッシュスラグのCaO/SiO2及びFeO含有量(重量%)を例示するグラフ。
【符号の説明】
11,12・・CaO/SiO2変動曲線、21,22・・FeO含有量(重量%)変動曲線
【発明の属する技術分野】
本発明はタンディッシュ内精錬方法に関する。溶鋼を、取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ、該タンディッシュから該溶鋼がとぎれないようにモールドへと注入して連続鋳造することが行なわれる。本発明は、かかる連続鋳造の際の、タンディッシュ内における溶鋼の精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記のような連続鋳造においては、タンディッシュスラグのCaO/SiO2が低くなると、その酸素ポテンシャルが高くなると共にタンディッシュ内溶鋼との間の平衡酸素濃度も高くなり、タンディッシュ内溶鋼中に酸化物等が生成され易くなって、タンディッシュ内溶鋼が汚染され易くなることが知られている。またタンディッシュスラグのCaO/SiO2を低くする原因として、酸素ポテンシャルの高い取鍋スラグがタンディッシュ内へ持ち込まれることにあることも知られている。そこで従来一般に、タンディッシュ内精錬方法としては、酸素ポテンシャルの高い取鍋スラグがタンディッシュ内へ持ち込まれないように配慮しつつ、連続鋳造の当初に、CaO/SiO2の高い、所謂高塩基度の粉末状フラックスを所定量、タンディッシュ内へ一時に投入することが行なわれている。投入した高塩基度の粉末状フラックスにより、タンディッシュスラグのCaO/SiO2を高くし、その酸素ポテンシャルを低くして、タンディッシュ内溶鋼が汚染されるのを防止しているのである。ところが、かかる従来法によると、連続鋳造の初期は、タンディッシュスラグのCaO/SiO2が相応に高く、その酸素ポテンシャルが相応に低くて、タンディッシュ内溶鋼が汚染されるのを相応に防止できるが、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ連続鋳造するうちに、次第にタンディッシュスラグのCaO/SiO2が低くなり、その酸素ポテンシャルが高くなって、タンディッシュ内溶鋼が汚染されるようになるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入して連続鋳造する間、タンディッシュスラグのCaO/SiO2を相応に高く維持し、その酸素ポテンシャルを相応に低く維持して、タンディッシュ内溶鋼が汚染されるのを防止できるタンディッシュ内精錬方法を提供する処にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記した従来法において、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ連続鋳造するうちに、次第にタンディッシュスラグのCaO/SiO2が高くなる原因を追究した結果、その主因が取鍋のスライディングノズルに詰めた詰め砂にあることを見出した。溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移す都度、詰め砂がタンディッシュへと持ち込まれるので、これを複数回に亘り繰り返すと、次第にタンディッシュスラグのCaO/SiO2が低くなるのである。そこで本発明者は、更に追究した結果、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入して連続鋳造するとき、従来法のようにかかる連続鋳造の当初にCaO/SiO2の高い粉末状フラックスを投入するだけではなく、かかる連続鋳造の間にもCaO/SiO2の高い粉末状フラックスを逐次追加投入すると、タンディッシュスラグのCaO/SiO2比を相応に高く維持できることを見出した。
【0005】
したがって、前記の課題を解決する本発明は、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入して連続鋳造する際の、該タンディッシュ内における該溶鋼の精錬方法であって、連続鋳造の間、タンディッシュ内へCaO/SiO2が高い粉末状フラックスを逐次追加投入することを特徴とするタンディッシュ内精錬方法に係る。
【0006】
本発明に係るタンディッシュ内精錬方法は、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入する際の、該タンディッシュ内における該溶鋼の精錬方法である。本発明に係るタンディッシュ内精錬方法では、前記のような連続鋳造の当初にCaO/SiO2の高い粉末状フラックスを投入するだけではなく、かかる連続鋳造の間にもCaO/SiO2の高い粉末状フラックスを逐次追加投入する。CaO/SiO2の高い粉末状フラックスを逐次追加投入する方法としては、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移す回数が1回毎に追加投入する方法、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移す回数が2回毎に追加投入する方法、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移す回数が3回毎に追加投入する方法等が挙げられる。
【0007】
本発明に係るタンディッシュ内精錬方法において、CaO/SiO2が高い粉末状フラックスとしては、CaO/SiO2が3以上のものが好ましい。CaO/SiO2が3未満のものでは、連続鋳造の間における粉末状フラックスの追加量が多くなり、それだけ作業が煩わしくなるだけでなく、タンディッシュスラグのCaO/SiO2を所望通りに安定して高く維持するのが難しくなる。逆にCaO/SiO2が異常に高いものでは、タンディッシュ内溶鋼上に所望通りのタンディッシュスラグを安定して形成するのが難しくなる。同様の観点で、CaO/SiO2が高い粉末状フラックスとしては、CaO/SiO2が4〜10のものがより好ましい。
【0008】
また本発明に係るタンディッシュ内精錬方法において、連続鋳造の間における粉末状フラックスの逐次追加投入は、タンディッシュスラグのCaO/SiO2が2以上に維持されるように行なうのが好ましい。タンディッシュスラグのCaO/SiO2が2未満では、タンディッシュスラグの酸素ポテンシャルを安定して低くするのが難しく、逆にタンディッシュスラグのCaO/SiO2を異常に高い値に維持するのは、単に非経済的であるだけでなく、それに応じた効果が得られず、他の不都合を生じ易い。同様の観点で、タンディッシュスラグのCaO/SiO2は3〜5に維持するのがより好ましく、3〜4に維持するのが特に好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係るタンディッシュ内精錬方法の実施形態としては、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入して連続鋳造するとき、連続鋳造の当初にCaO/SiO2が8.9の粉末状フラックスを投入する一方で、更に連続鋳造の間、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移す回数が3回毎に前記と同じ粉末状フラックスを追加投入し、タンディッシュスラグのCaO/SiO2を3〜4に維持する方法が挙げられる。
【0010】
【実施例】
取鍋スラグがタンディッシュ内へ持ち込まれないように配慮して、下記の条件で、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ、該タンディッシュ内で精錬し、モールドへと注入して、軸受鋼のビレットを連続鋳造した(実施例)。
条件
取鍋:内容11.0m3、1回当たり取鍋からタンディッシュへと移した溶鋼量:77.0トン、取鍋のスライディングノズルに詰めた詰め砂(クロマイト)の組成:表1に記載、1回当たり取鍋からタンディッシュ内へ持ち込まれた詰め砂の量:20kg、タンディッシュ:内容2.9m3、タンディッシュ内へ投入及び逐次追加投入した粉末状フラックスの組成:表1に記載、連続鋳造の当初にタンディッシュ内へ投入した粉末状フラックスの量:90kg、連続鋳造の間におけるタンディッシュ内への粉末状フラックスの逐次追加投入方法及び追加投入量:溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移す回数が3回毎に20kg。
【0011】
【表1】
【0012】
別に、連続鋳造の間にタンディッシュ内へ粉末状フラックスを逐次追加投入しなかったことを除き、他は実施例と同じ条件下で、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ、該タンディッシュ内で精錬し、モールドへと注入して、軸受鋼のビレットを連続鋳造した(比較例)。
【0013】
前記のような連続鋳造を各例で2回行ない、かかる連続鋳造におけるタンディッシュスラグのCaO/SiO2及びFeO含有量(重量%)を、実施例の場合は図1に、また比較例の場合は図2に示した。図1及び図2において、横軸には溶鋼を取鍋からタンディッシュへと移した回数をまた左縦軸にはCaO/SiO2を、更に右縦軸にはFeO含有量(重量%)を目盛っており、白抜き丸印はCaO/SiO2を、また黒塗り丸印はFeO含有量(重量%)を示していて、実線で囲んだ範囲はCaO/SiO2の変動幅を、また破線で囲んだ範囲はFeO含有量(重量%)の変動幅を示している。
【0014】
図1及び図2からも明らかなように、実施例の場合には、連続鋳造の間、タンディッシュスラグのCaO/SiO2がほぼ3〜4の範囲内に高く維持されており、その酸素ポテンシャルは低く維持されていて、具体的にはタンディッシュスラグのFeO含有量はほぼ1重量%以下と低く維持されていて、それだけタンディッシュ内溶鋼が汚染されるのを防止しているが、比較例の場合には、連続鋳造の初期を除き、その後は次第にタンディッシュスラグのCaO/SiO2が2未満と低くなっており、その酸素ポテンシャルは高くなっていて、具体的にはタンディッシュスラグのFeO含有量は2重量%以上となっていて、それだけタンディッシュ内溶鋼が汚染されている。
【0015】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入して連続鋳造する間、タンディッシュスラグのCaO/SiO2を相応に高く維持し、その酸素ポテンシャルを相応に低く維持して、タンディッシュ内溶鋼が汚染されるのを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、連続鋳造時におけるタンディッシュスラグのCaO/SiO2及びFeO含有量(重量%)を例示するグラフ。
【図2】比較の従来法において、連続鋳造時におけるタンディッシュスラグのCaO/SiO2及びFeO含有量(重量%)を例示するグラフ。
【符号の説明】
11,12・・CaO/SiO2変動曲線、21,22・・FeO含有量(重量%)変動曲線
Claims (3)
- 溶鋼を取鍋からタンディッシュへと複数回に亘り移しつつ該タンディッシュからモールドへと注入して連続鋳造する際の、該タンディッシュ内における該溶鋼の精錬方法であって、連続鋳造の間、タンディッシュ内へCaO/SiO2が高い粉末状フラックスを逐次追加投入することを特徴とするタンディッシュ内精錬方法。
- CaO/SiO2が4〜10の粉末状フラックスを逐次追加投入する請求項1記載のタンディッシュ内精錬方法。
- タンディッシュスラグのCaO/SiO2が3〜5に維持されるよう粉末状フラックスを逐次追加投入する請求項1又は2記載のタンディッシュ内精錬方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002203376A JP2004042094A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | タンディッシュ内精錬方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002203376A JP2004042094A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | タンディッシュ内精錬方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004042094A true JP2004042094A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31709252
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002203376A Pending JP2004042094A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | タンディッシュ内精錬方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004042094A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012110946A (ja) * | 2010-11-26 | 2012-06-14 | Jfe Steel Corp | 高清浄度鋼の連続鋳造方法 |
KR101458202B1 (ko) | 2013-03-08 | 2014-11-05 | 동국제강주식회사 | 전기로 제강조업 중 턴디쉬 플럭스 투입방법 |
JP2016185548A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | Jfeスチール株式会社 | 鋼の連続鋳造方法 |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002203376A patent/JP2004042094A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012110946A (ja) * | 2010-11-26 | 2012-06-14 | Jfe Steel Corp | 高清浄度鋼の連続鋳造方法 |
KR101458202B1 (ko) | 2013-03-08 | 2014-11-05 | 동국제강주식회사 | 전기로 제강조업 중 턴디쉬 플럭스 투입방법 |
JP2016185548A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | Jfeスチール株式会社 | 鋼の連続鋳造方法 |
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