JP2004041956A - 流体混合装置及びそれを用いて得られる均一分散液 - Google Patents

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笹川 民雄
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Abstract

【課題】分散混合に衝撃剪断効率の最も高いとされるホモジナイザー、コロイドミルなどより更に優れた流体混合装置、及びそれを用いて得られる均一分散液を提供する。
【解決手段】ケーシング内で撹拌羽根先端が35m/s以上の周速度で回転可能な流体混合装置;内面に凹凸を有するケーシングを用いた流体混合装置;内側の撹拌羽根先端が位置する部分に、該撹拌羽根の回転方向に沿って溝を設けたケーシングを有し、かつ、撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根の直径(d)と、該溝のない部分のケーシングの内径(D)との比率(d/D)が0.8以上である流体混合装置;並びに前記流体混合装置を用いた均一分散液の調製方法及び該方法により得られる均一分散液。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体混合装置及びそれを用いて得られる均一分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の混合機は撹拌羽根の周速度が小さく、対象となる流体・液体は限られており、その物性・性状のコントロールにも限界があった。
衝撃剪断効果の高いホモジナイザーは撹拌羽根の形状が複雑で、様々な対象物を扱うには汚れや異物の除去が容易ではなく、一般には処理能力が小さくバッチ式が多い。
コロイドミルは処理能力は大きいが、構造上間隙を通過する過程での処理時間が短く、ミクロ分散化に時間を要する材料には不向きである。
他の一般的な混合機は、処理する液体が限られており、衝撃剪断効果も小さい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、分散混合に衝撃剪断効率の最も高いとされるホモジナイザー、コロイドミルなどより更に優れた流体混合装置、及びそれを用いて得られる均一分散液を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)ケーシング内で撹拌羽根先端が35m/s以上の周速度で回転可能な流体混合装置。
(2)内面に凹凸を有するケーシングを用いた流体混合装置。
(3)内側の撹拌羽根先端が位置する部分に、該撹拌羽根の回転方向に沿って溝を設けたケーシングを有し、かつ、撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根の直径(d)と、該溝のない部分のケーシングの内径(D)との比率(d/D)が0.8以上である流体混合装置。
(4)ケーシングの長さ(L)とケーシングの内径(D)(溝がある場合には、その幅を除く)との比率(L/D)が0.3以上2以下である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の流体混合装置。
(5)撹拌羽根の形状が、ハンマー型、ロッド型、ナイフ羽根、円板羽根及び円形ブラシ型から選ばれる少なくとも1種以上である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の流体混合装置。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の流体混合装置で不均一な流体を処理することを特徴とする均一分散液の調製方法。
(7)前記(6)に記載の調製方法により得られる均一分散液。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の流体混合装置は、一液又は二液以上の多液からなる流体を混合又は分散するための装置をいい、例えば、不均一な流体を混合して均一分散液を調製したり、集合体、凝集体、繊維状のダマなどを含む流体を衝撃剪断力により均一な単一分散液(最小ユニット)にするなどして性状を改善するために用いられる。また、本発明において、均一分散液とは、不均一な流体を混合して得られる均一分散液、及び集合体、凝集体、繊維状のダマなどを含む流体を衝撃剪断力により性状改善して得られる均一な単一分散液(最小ユニット)を包含する。
【0006】
本発明の流体混合装置は、例えば、以下の用途に用いることができる。
▲1▼物性・性状の異なる二液以上の均一混合化、物性・性状のコントロール、反応促進
▲2▼o/w型、w/o型エマルジョンの調製、乳化混合
▲3▼ダマやママコなどの均一分散混合、懸濁化
▲4▼気体の溶解、分散
▲5▼顔料、染料、層状粘土鉱物などの固体・粉体のミクロ分散化
▲6▼液体の改質、物性・性状の改善
▲7▼フロアブル農薬、液状肥料などの農業製品、他各種分野の液状製品の製造
▲8▼粘土スラリーの凝集物や廃油の集合体の破壊による粘度低下、微細化等
本明細書において、流体とは、通常の液体以外に、固体、粉体又は気体が分散した状態の液体も含むものである。不均一な流体であれば、一液、又は2つ以上の液の集合体のいずれをも包含する。
【0007】
例えば、廃食油、潤滑油などの廃機械油は、灯油、A重油などの鉱物油と比較すると、高粘度で引火点も高い。これらの廃油は通常油の集合体を形成しており、単独では燃焼炉ボイラーなどの燃料油としては適応しない。
本発明の流体混合装置は、強力な衝撃剪断力により、これらの集合体をことごとくミクロ分散化し比表面積を増大させる。灯油、A重油、軽油などを適量比率で一緒に処理すると、ミクロ分散混合した均一分散液は、動粘度、引火点等が大きく低下し、長期間安定している。これらの分散液は燃焼炉、ボイラー、ハウス暖房又はジーゼルエンジン等に用いられる燃料油として再生させることが可能となる。また、前記燃料油を良好な水エマルジョン燃料として使用すると、燃焼効率のアップ、ばいじんやSOx、NOxの低下をもたらす。
【0008】
本発明の第1の流体混合装置は、ケーシング内で撹拌羽根先端が35m/s以上の周速度で回転可能な流体混合装置である。
本発明の第2の流体混合装置は、内面に凹凸を有するケーシングを用いた流体混合装置である。従来の流体混合装置は、内面に凹凸を有しない非凹凸型のケーシング(図2(c))を用いていた。本発明の第2の流体混合装置では、ケーシング内面に凹凸を設けることにより、流体処理液の均一性を高めることができる。
【0009】
本発明の第2の流体混合装置においては、好ましくは、撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根の先端が、高い周速度で回転するように、ケーシング内の撹拌羽根先端が位置する部分に溝を設け、更に好ましくは、回転時の撹拌羽根先端が当該溝に入り込むように設計されている。これにより、流体処理液の均一性を高めることができる。
【0010】
本発明の第2の流体混合装置は、内面に凹凸を有するケーシングを用いたものであれば、前記の態様に限定されるものではなく、例えば、ラセンねじ型(図2(a))、内歯車型(図2(b))のケーシングを用いてもよい。
撹拌羽根先端の周速度は、35m/s以上であることが望ましく、更に、36m/s以上、37m/s以上、38m/s以上、39m/s以上の順に好ましく、最も好ましくは、40m/s以上である。
また、本発明においては、撹拌羽根先端の周速度を高めるため、ケーシング内径(D)を大きくとり、撹拌羽根の直径を長くすることが好ましい。
【0011】
一方、撹拌軸は剛性が要求され、またその撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根は高周速度で回転するため振動の振れを極力抑えることが必要である。そのため、非常に高い回転精度が要求され、撹拌軸は短い方が好ましいことから、ケーシングの長さ(L)は短く設計される。具体的には、ケーシングの内径(D)(溝がある場合には、その幅を除く)と長さ(L)の比率(L/D)は、0.3以上2以下であることが好ましい。
【0012】
撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根の直径(d)と、該溝のない部分のケーシングの内径(D)との比率(d/D)は、撹拌羽根とケーシングとの組み合わせによって異なり、ハンマー型、ロッド型及びナイフ羽根は、内側の撹拌羽根先端が位置する部分に、該撹拌羽根の回転方向に沿って溝を設けたケーシング(図1参照)との組み合わせでは、好ましくは0.8以上1.2以下、更に好ましくは0.95以上1.2以下であり、ラセンねじ型、内歯車型のケーシング(図2参照)との組み合わせでは、好ましくは0.8以上1.0未満、更に好ましくは0.95以上1.0未満であり、円板羽根のうち多孔板型、及び円形ブラシ型は、ラセンねじ型、内歯車型のケーシング(図2参照)との組み合わせでは、好ましくは0.8以上1.0未満である。該(d/D)は、0.8以上であることが好ましく、更に、0.85以上、0.9以上、0.95以上の順に好ましい。ただし、円板羽根のうち丸ノコ型及び丸ノコ変形型は、ラセンねじ型、内歯車型のケーシング(図2参照)との組み合わせでは、該(d/D)は、0.8以上1.0未満であることが必要である。
【0013】
処理される流体の物性・性状に応じて、撹拌羽根の形状、枚数、位置の設定変更が可能である。
例えば、植物油や潤滑油など、油集合体を形成している流体と鉱物油とから、均一なミクロ混合液を製造するには、ロッド型、ハンマー型、円形ブラシ型羽根などを動バランスを考慮して複数枚設定する。
【0014】
流体中にダマやママコになりやすい粉体などを均一分散混合する場合や層状粘土鉱物などをへき開分散させる用途には、ナイフ羽根やロッド型羽根が望ましい。
高粘性流体には、液抵抗の小さいハンマー型、ロッド型羽根やナイフ羽根の必要枚数を最小限に設定する。また、例えば、対象液によってはロッド型と多孔板型の羽根(形状・直径の異なる羽根)を組み合わせて使用してもよい。
流体中への比重の小さい気体の溶解や均一分散などには、多孔板型や丸ノコ変形型羽根を組み合わせて設定する。
【0015】
本発明の第2の流体混合装置のうち、内側の撹拌羽根先端が位置する部分に、該撹拌羽根の回転方向に沿って溝を設けたケーシングを有するものは、ケーシング内の撹拌羽根先端の回転方向に沿って、溝が切ってあるため、処理物が効率よく高速回転している撹拌羽根を通過するので未処理部がほとんどなく、均一な流体が得られる。なお、このタイプのものは、撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根の直径(d)と、溝のない部分のケーシングの内径(D)との比率(d/D)が1.0以上であると、ケーシング内径(D)に比べて撹拌羽根直径(d)が同一又はそれ以上になり、そのままでは、撹拌羽根を取り付けた撹拌軸の出し入れが困難になるため、撹拌羽根の回転方向に沿って設けられた溝に加えて、更に、撹拌軸と平行に撹拌羽根を通すための溝を一定間隔で設けることが必要である。
【0016】
前記比率(d/D)が0.8以上1.0未満の場合、撹拌軸の出し入れには何ら問題はなく、前記のタイプ以外のケーシング、例えば、ラセンねじ型(図2(a))、内歯車型(図2(b))のケーシングを用いてもよい。ラセンねじ型ケーシングは、ねじ部の形(例えば、三角、四角、多角、半円、半楕円)、幅、大きさ、ねじ数、深さは制限されない。ラセンの本数にも制限はなく、連続でも不連続でもよい。その傾斜角度は垂直から左右傾斜のいずれでもよい。内歯車型ケーシングは、歯の形、幅、大きさ、歯数、深さ、歯車の本数は制限されない。
本装置内での必要処理時間は流体の供給量変更によって制御でき、ほとんどの流体が対象となる。
【0017】
以下、本発明の流体混合装置を、図面を用いて具体的に説明する。
図1は、溝型ケーシング内に撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根(3枚ナイフフラット型羽根3列の例)を含む流体混合装置の模式断面図である。
図1において、1はケーシング、2は撹拌軸、3は撹拌軸2に取り付けられた撹拌羽根、4はケーシング内側の溝、5は流体導入配管、6は処理流体排出管、7はドレイン管を示す。
【0018】
ケーシングの長さ(L)とケーシングの内径(D)(溝がある場合には、その幅を除く)との比率(L/D)は0.3≦L/D≦2で設計されている。撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根の直径(d)と、該溝のない部分のケーシングの内径(D)との比率(d/D)は、0.8≦d/D≦1.2で設計される。
【0019】
図2は、図1に示したもの以外のケーシングを示し、これらのケーシングは流体により使い分ける。(a)及び(b)は、それぞれラセンねじ型及び内歯車型模式断面図である。他の各部は図1と同様である。また、(c)は、非凹凸型の模式断面図である。
【0020】
図3は、図1に示したもの以外の、撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根の模式図である。これらの撹拌羽根は流体により使い分ける。
図3(a)は、ナイフ羽根の2枚の例を示すが、強度・動バランスを考慮して3枚以上の羽根を用いてもよい。高周速時の負荷に耐えられる範囲内であれば、羽根の枚数に制限はない。(a−1)、(a−2)及び(a−3)は、それぞれナイフフラット型、ナイフノコギリ型及びナイフノコ変形型の撹拌羽根の模式図である。ナイフ羽根は、撹拌軸に対称的な対にして備える。ナイフノコギリ型の刃はライン状に並び、ナイフノコ変形型の刃は左右に折り曲げられている。その折り曲げ角度は特に制限されない。高周速回転では、回転方向の刃先面が大きいほど抵抗が大きくなるため高負荷(電流値で判断)となり、振動などトラブルの原因となる。従って、回転方向の刃先端は、効率よく衝撃剪断するため線状や鋭角に近い方がよい。
【0021】
図3(b)は、円板羽根((b−1)、(b−2)及び(b−3)は、それぞれ丸ノコ型、多孔板型及び丸ノコ変形型)の模式図である。円板羽根としては、外周が丸ノコ型又は丸ノコ変形型で、円板部が多孔板型である複合型のものを用いてもよい。多孔板型(図3(b−2))は円板の中心に沿って、円、楕円、三角、四角、多角、星状などの形状に少なくとも2つ以上複数箇所切り抜かれている。動バランス、強度が許容される範囲内であれば、切り抜きの大きさ、数は特に制限されない。また、多孔板型の孔は、切り抜かれても折り曲げられてもよい。折り曲げ角度は特に制限されず、回転方向側に抵抗が小さくなるように垂直に当たるようになっている。丸ノコ変形型(図3(b−3))は回転方向に対して、動バランスを考慮して一定間隔で対称的に折り曲げられている。回転方向の折り曲げ部は、抵抗を小さくするため鋭角になっている。折り曲げ部の角度、寸法は特に制限されない。
【0022】
円板羽根の丸ノコ型(図3(b−1))及び丸ノコ変形型(図3(b−3))は、円板の外周がノコギリ状やノコ変形になっており、その大きさ、数、溝深さは特に制限されない。刃先の回転方向側は衝撃剪断効率を高めるため鋭角になっている。丸ノコ変形型の刃先折り曲げ部の角度、寸法は特に制限されない。また、丸ノコ型又は丸ノコ変形型に多孔板型を組み合わせた複合型を用いてもよい。
【0023】
図3(c)は、各種の羽根のうち、ロッド型(c−1)、ハンマー型(c−2)及び円形ブラシ型(c−3)の模式図である。
ロッド型(c−1)は、羽根が対称的に対になっている2枚の例を示すが、強度・動バランスを考慮すれば3枚以上の羽根を用いてもよい。また、回転方向の先端は鋭角になっている。ロッドの太さは高周速回転でも耐えうる強度を持ち、耐摩耗性のある材質で構成されており、細くても太くてもよい。断面形状としては、例えばくさび形、三角形、菱形、多角形、円形、楕円形が挙げられる。
【0024】
ハンマー型(c−2)は、羽根が対称的に対になっている2枚の例を示すが、強度・動バランスを考慮すれば3枚以上の羽根を用いてもよい。また、回転方向の先端は、ロッド型の刃先端と同様に鋭角になっている。
円形ブラシ型(c−3)は、高強度、耐摩耗性のブラシを同心円状にまとめている。強度・動バランスを考慮して、ブラシ一本の線径、形状、本数は特に制限されず、円形ブラシの断面厚みも制限されない。取り付ける数は1枚以上何枚でもよく、他の羽根との併用でもよい。
【0025】
流体の物性、処理目的などによって、ナイフ羽根(ナイフフラット型、ナイフノコギリ型及びナイフノコ変形型)、円板羽根(丸ノコ型、多孔板型及び丸ノコ変形型)、ロッド型、ハンマー型、円形ブラシ型が選択できる。いずれも高周速度で回転するため、撹拌羽根の材料は、耐摩耗性であることが必要であり、また、大きな曲げモーメントを受けるので、十分な強度が必要である。回転方向の刃先は、衝撃剪断力を小さくし、かつ回転時の抵抗を小さくするため鋭角になっている。
撹拌羽根は、撹拌軸に動バランスを考慮して複数枚設定する。枚数は羽根の種類、流体の粘度などの物性によって異なる。
【0026】
本発明の流体混合装置内の撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根の先端は、好ましくは35m/s以上の周速度で回転している。周速度は処理流体の物性・目的、処理時間などによって、インバーターで制御することができる。処理時間は、通常30〜180秒であるが、更に長時間を要する、又は短時間でよい場合でも、流体量の変更によって処理時間を制御することができる。
【0027】
図1に示すように、ケーシング内に溝が彫られ、その溝に沿って撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根が回転する。断面からみると、撹拌羽根の出し入れに障害にならないように、パルス状に、即ち撹拌軸と平行に撹拌羽根を通すための溝を一定間隔で設けられている。
【0028】
本発明の流体混合装置内に処理流体が導入される流体導入配管5の角度はケーシングの上部、横部、下部のいずれでもよい。処理流体は高周速度で回転している撹拌羽根の強力な衝撃剪断力によって、処理流体排出管6から排出される。また、流体導入配管5及び処理流体排出管6は、サイドカバー側の上部、横部、下部でもよい。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例中の部は容量部を示す。
(実施例1)
菜種油と大豆油の組成からなる廃植物油50部にA重油50部を加え、ケーシング内径(D)とケーシング長さ(L)との比率L/D=1.0、及び撹拌羽根の直径(d)とケーシング内径(D)との比率d/D=1.1で、ロッド型撹拌羽根を動バランスを考慮して複数枚備えた流体混合装置にて周速度27m/s及び41m/sで各々3分間処理を行った。処理液温度は、前者では15℃(処理前)から処理後約50℃に上昇し(約35℃アップ)、後者では15℃(処理前)から処理後約75℃に上昇した(約60℃アップ)。同組成の廃植物油50部とA重油50部合計1Lを3Lビーカー中で、プロペラ撹拌機にて800rpm、周速度3m/s(d/D=0.50)、6分間処理を行い、動粘度を比較した。
なお、動粘度はB型粘度計の見かけ粘度の値と密度から計算にて求めた。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 2004041956
【0031】
廃食油、廃機械油等の油分子は集合体を形成している。高周速度の撹拌羽根の衝撃剪断力により単分散化させ、低粘度低引火点の灯油、A重油等との均一ミクロ混合化によって分子間の相互作用がなくなることから、動粘度は小さくなる。
【0032】
(実施例2)
廃植物油50部とA重油50部に、各々水を5〜20部相当添加して、実施例1と同様に流体混合装置にて処理したエマルジョンの各々の静置状況、及び燃焼炉による燃焼性テスト(燃焼炉能力7L/h)を行い、その燃焼性を評価した。比較例として、プロペラ撹拌機は実施例1と同様の処理条件を用いた。小型ホモジナイザーは180mlのミニカップにて、同組成の液40mlを周速度26m/s(15,000rpm)で3分間処理した。
結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
Figure 2004041956
【0034】
(実施例3)
無機系増粘剤として、膨潤性雲母やモンモリロナイトなどの層状粘土鉱物がある。一枚がりん片状をしており、その大きさが数十nm〜10μm未満、厚みは約10Åである。10〜30枚が層状に重なっている。その一枚の層面側が−電荷、端面側は+電荷を帯びている。水中で一枚一枚がバラバラになりへき開分散性が進むほど、+電荷と−電荷が急激に増加して、いわゆる“カードハウス構造”の密度が増し、粘性の増加とチクソトロピー指数が大きくなる。
【0035】
ナイフ羽根(ナイフフラット型を使用)を動バランスを考慮して複数枚備えた実施例1と同じ流体混合装置にて、膨潤性雲母粉(コープケミカル(株)製)を7%濃度相当量添加した流体を周速度41m/sで3分間処理した。比較例として、同7%処理液1Lを3Lビーカー中撹拌機の周速度2m/sで回転し、見かけ粘度・チクソトロピー指数から比較した。見かけ粘度はB型粘度計(ζ6rpm、ζ60rpm)にて測定し、チクソトロピー指数は計算値から求めた。結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
Figure 2004041956
【0037】
流体混合装置の実施例は見かけ粘度が安定し、処理時間を延ばしても一定であり、へき開分散が終了していた。一方、プロペラ撹拌機は粘性・チクソトロピー指数は上昇しているが、十分ではなく、更に長時間を要した。
【0038】
【発明の効果】
本発明の流体混合装置は、ケーシング内に溝が切ってあり、撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根の周速度・形状、撹拌羽根の直径とケーシング内径との比率、及びケーシング内径とケーシング長さとの比率を効率的に制御することにより、分散混合に衝撃剪断効率の最も高いとされるホモジナイザー、コロイドミルなどを用いた場合より優れた性能を有する均一分散液を製造することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】溝型ケーシング内に撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根(3枚ナイフフラット型羽根3列の例)を含む流体混合装置の模式断面図である。
【図2】図1に示したもの以外のケーシングを示す。(a)、(b)及び(c)は、それぞれラセンねじ型、内歯車型及び非凹凸型の模式断面図である。
【図3】図1に示したもの以外の、撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根の模式図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 撹拌軸
3 撹拌軸2に取り付けられた撹拌羽根
4 ケーシング内側の溝、
5 流体導入配管
6 処理流体排出管
7 ドレイン管

Claims (7)

  1. ケーシング内で撹拌羽根先端が35m/s以上の周速度で回転可能な流体混合装置。
  2. 内面に凹凸を有するケーシングを用いた流体混合装置。
  3. 内側の撹拌羽根先端が位置する部分に、該撹拌羽根の回転方向に沿って溝を設けたケーシングを有し、かつ、撹拌軸に取り付けられた撹拌羽根の直径(d)と、該溝のない部分のケーシングの内径(D)との比率(d/D)が0.8以上である流体混合装置。
  4. ケーシングの長さ(L)とケーシングの内径(D)(溝がある場合には、その幅を除く)との比率(L/D)が0.3以上2以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体混合装置。
  5. 撹拌羽根の形状が、ハンマー型、ロッド型、ナイフ羽根、円板羽根及び円形ブラシ型から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体混合装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体混合装置で不均一な流体を処理することを特徴とする均一分散液の調製方法。
  7. 請求項6記載の調製方法により得られる均一分散液。
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