JP2004041481A - 携帯型脈波検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】心臓の伸収縮に基づき大動脈から末梢血管に血液が流れることで生ずる純粋な脈波波形を検出することができる携帯型脈波検出装置を提供すること。
【解決手段】携帯型脈波検出装置は、脈波検出部と低域遮断部とを有する。脈波検出部は、被験者に装着され、非侵襲的に末梢における脈波を検出する。低域遮断部は、検出された脈波から、自律神経系機能の活動に伴う変動(血管の動きは除く)に起因した低域周波数成分を除去する。この低域周波数成分は、心臓の伸収縮に基づき大動脈から末梢血管に血液が流れることで生ずる純粋な脈波の周波数成分ではなく、純粋な脈波中の周波数成分よりも低域の周波数成分である。脈波中に重畳された低域周波数成分は、低域遮断周波数を0.4〜0.6Hzの範囲に設定した低域遮断部にて除去される。
【選択図】 図3
【解決手段】携帯型脈波検出装置は、脈波検出部と低域遮断部とを有する。脈波検出部は、被験者に装着され、非侵襲的に末梢における脈波を検出する。低域遮断部は、検出された脈波から、自律神経系機能の活動に伴う変動(血管の動きは除く)に起因した低域周波数成分を除去する。この低域周波数成分は、心臓の伸収縮に基づき大動脈から末梢血管に血液が流れることで生ずる純粋な脈波の周波数成分ではなく、純粋な脈波中の周波数成分よりも低域の周波数成分である。脈波中に重畳された低域周波数成分は、低域遮断周波数を0.4〜0.6Hzの範囲に設定した低域遮断部にて除去される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被験者に装着される携帯型脈波検出装置に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
被験者に装着されて被験者の末梢の脈波を被侵襲的に検出する脈波検出装置の開発が進められている。被験者は、自身の健康状態等を、携帯型脈波検出装置にて検出された脈波から自ら知ることができる。
【0003】
脈波を被侵襲的に検出するのに、脈波を光学的に検出したり、あるいは脈圧に基づいて脈波を検出することが知られている。
【0004】
上記のようにして検出される脈波波形は、心臓の伸収縮に基づき大動脈から末梢血管に血液が流れることで生ずる純粋な脈波波形とはならない。検出される脈波波形には、被験者の無意識でのさまざまな動きに起因した周波数成分がノイズとして重畳されているからである。
【0005】
そこで、本発明の目的は、心臓の伸収縮に基づき大動脈から末梢血管に血液が流れることで生ずる純粋な脈波波形を検出することができる携帯型脈波検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る携帯型脈波検出装置は、脈波検出部と低域遮断部とを有する。脈波検出部は、被験者に装着され、被験者の脈波を光学的に検出するか、あるいは脈圧から脈波を検出する等して、非侵襲的に末梢における脈波を検出する。低域遮断部は、検出された脈波から、自律神経系機能の活動に伴う変動(血管の動きは除く)に起因した低域周波数成分を除去する。この低域周波数成分は、心臓の伸収縮に基づき大動脈から末梢血管に血液が流れることで生ずる純粋な脈波の周波数成分ではなく、純粋な脈波中の周波数成分よりも低域の周波数成分である。この低域周波数成分が脈波中に重畳するノイズとなる。このノイズを除去することで、安定して脈波を検出できる。
【0007】
低域遮断部は、被験者の静止時の体動に起因した低域周波数成分をさらに除去することができる。被験者は、静止した状態であったとしても、その静止状態を維持するため等により体の揺らぎ(体動)がある。この体動は、意識的に手足を速く動かした時のようなものでなく、比較的ゆったりとした動きである。よって、この体動に起因して脈波に低域周波数成分が重畳し、これもノイズとなるので除去している。
【0008】
低域遮断部は、低域遮断周波数を0.4〜0.5Hzの範囲中の値に設定することができる。低域遮断周波数を0.4〜0.5Hzのいずれかの値に設定して低域周波数成分を除去すると、脈波波形固有の特徴を損なうことなく、ノイズを有効に除去できる。自律神経系機能の活動に伴う変動(血管の動きは除く)に起因した低域周波数成分や、被験者の静止時の体動に起因した低域周波数成分は、0.4Hz〜0.5Hzの低域遮断周波数未満であり、しかもその低域遮断周波数未満の周波数成分には脈波固有の特徴は含まれていないからである。
【0009】
以上のような低域遮断部は、交換神経系機能の活動に伴う変動、例えば10秒に1回程度に生ずる筋ポンプ機能の変動等に起因した低域周波数成分(例えば0.1Hz程度)を除去することができる。
【0010】
低域遮断部はさらに、副交感神経系機能の活動に伴う変動、例えば呼吸運動に起因した低域周波数成分(例えば0.15Hz程度)を除去することができる。
【0011】
低域遮断部は、高域遮断周波数を16〜30Hzの範囲中の値とするバンドパスフィルタにて構成できる。これにより、高域遮断周波数を超える無駄な高域成分も除去できる。高域遮断周波数は、余裕を見ても30Hzとすれば十分であり、高域遮断周波数を20Hz、あるいは16Hzとしてもよい。
【0012】
本発明の一態様に係る携帯型脈波検出装置は、前記低域周波数成分が除去された脈波を一次微分する一次微分部と、一次微分された脈波を二次微分する二次微分部とをさらに有することができる。低域周波数成分が除去された脈波を二回微分することで、得られた脈波波形中に脈波固有の特徴が顕在化されるからである。
【0013】
ここで、前記低域遮断部及び前記一次微分部を、アナログ微分回路にて形成することができる。このアナログ微分回路は、脈波検出部からのアナログ信号である脈波をアナログ微分し、かつハイパス特性を有するものとして構成できる。あるいは、このアナログ微分回路は、脈波検出部からのアナログ信号である脈波を微分し、かつバンドパス特性を有するものとして構成できる。
【0014】
本発明の一態様では、前記脈波検出部の出力を量子化する量子化部をさらに有することができる。この場合、低域遮断部は、量子化データをフーリエ変換するフーリエ変換部と、低域遮断周波数未満の周波数スペクトルを除去するデジタルフィルタと、前記デジタルフィルタの出力を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換部とを有することができる。さらにこの場合、一次微分部及び二次微分部の少なくとも一方を、時間軸上の各2つの離散値の傾きを求める量子化微分部にて形成することができる。
【0015】
上述した量子化部を、ダイナミックレンジの範囲内で脈波が一定振幅レベル以上となるように増幅するオート・ゲイン・コントロールするアナログ−デジタル変換器にて形成することができる。
【0016】
本発明の一態様では、二次微分された脈波中の指標を抽出する指標抽出部をさらに有することができる。二次微分された脈波中の指標を取り出すことで、被験者固有の情報を取り出すことができ、それに基づいて被験者を医学的に評価することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
(携帯型脈波検出装置の外観構成)
本実施形態の携帯型脈波検出装置は、例えば図1(A)、図1(B)および図1(C)に示すような外観的構成とすることができる。携帯型脈波検出装置10は、腕時計状の構造を有する装置本体12と、この装置本体12のコネクタ部20にコネクタピース57を介して接続されるケーブル58と、このケーブル58の先端側に設けられた脈波検出部60とを含んで構成されている。装置本体12にはリストバンド56が取り付けられ、リストバンド56によって装置本体12が被験者の手首に装着される。
【0019】
装置本体12はコネクタ部20を備えており、コネクタ部20にはケーブル58の端部となっているコネクタピース57が着脱自在に取り付けられている。
【0020】
図1(C)は、このコネクタピース57を取り外したコネクタ部20を示しており、例えば、ケーブル58との接続ピン21や、データ転送を行うためのLED22、フォトトランジスタ23を備えている。
【0021】
また、装置本体12の表面側には、液晶パネルからなる表示部54が設けられている。表示部54は、セグメント表示領域や、ドット表示領域などを有し、脈波中から得られる指標や解析結果など表示する。なお、表示部54には液晶パネルではなく他の表示装置を用いてもよい。
【0022】
装置本体12の内部には、各種演算や変換などを制御するCPU(central processing unit)、CPUを動作させるプログラムその他を記憶するメモリを備え(図示省略)、装置本体12の外周部には各種操作や入力を行うためのボタンスイッチ14がそれぞれ設けられている。
【0023】
一方、脈波検出部60は、図1(B)に示すように、センサ固定用バンド62によって遮光されながら、被験者の人差し指の根本付近に装着される。このように、脈波検出部60を指の根本付近に装着すると、ケーブル58が短くて済むので、装着しても邪魔にならない。また、指の根元付近は指先に比べると気温による血流量の変化が少ないため、検出した脈波波形に対する気温などの影響が比較的少ない。
【0024】
(脈波検出部)
脈波検出部60は、例えば図2に示すように、LED64、フォトトランジスタ65などを含み、非侵襲的すなわち皮膚を破ることなく末梢における脈波を検出できるように構成されている。この脈波検出部60は、脈波波形が血流量の変動波形(容積脈波波形)とほぼ同様の波形となることを利用し、毛細血管網に対する光照射と、毛細血管内の血液による反射光量の変動または透過光量の変動の検出とを行うように形成された光センサを用いて脈波(容積脈波)を検出する。
【0025】
さらに具体的には、脈波検出部60は、スイッチSWがオン状態となり、電源電圧が印加されると、LED64から光が照射される。この照射光は、被験者の血管や組織によって反射した後に、フォトトランジスタ65によって受光される。したがって、フォトトランジスタ65の光電流を電圧に変換したものが、脈波検出部60の信号PTGとして出力される。
【0026】
ここで、LED64の発光波長は、血液中のヘモグロビンの吸収波長ピーク付近に選ばれる。このため、受光レベルは血流量に応じて変化する。したがって、受光レベルを検出することによって、脈波波形が検出されることとなる。例えば、LED64としては、InGaN系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDが好適である。このLEDの発光スペクトルは、450nm付近を発光ピークとし、その発光波長域は、350nmから600nmまでの範囲とすることができる。
【0027】
このような発光特性を有するLEDに対応するフォトトランジスタ65として、本実施形態においては、例えばGaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)のものを用いることができる。このフォトトランジスタ65の受光波長領域は、主要感度領域が300nmから600nmまでの範囲とし、300nm以下にも感度領域があるものとすることができる。
【0028】
このような青色LED64とフォトトランジスタ65とを組み合わせると、その重なり領域である300nmから600nmまでの波長領域において、脈波を検出することができ、以下のような利点がある。
【0029】
まず、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指の組織を透過しにくい傾向があるため、外光がセンサ固定用バンドで覆われていない指の部分に照射されても、指の組織を介してフォトトランジスタ65まで到達せず、検出に影響を与えない波長領域の光のみがフォトトランジスタ65に達する。一方、300nmより長い波長領域の光は、皮膚表面でほとんど吸収されるので、受光波長領域を700nm以下としても、実質的な受光波長領域は、300nm〜700nmとなる。したがって、指を大掛かりに覆わなくとも、外光の影響を抑圧することができる。また、血液中のヘモグロビンは、波長が300nmから700nmまでの光に対する吸光係数が大きく、波長が880nmの光に対する吸光係数に比して数倍〜約100倍以上大きい。したがって、この例のように、ヘモグロビンの吸光特性に合わせて、吸光特性が大きい波長領域(300nmから700nm)の光を検出光として用いると、その検出値は、血量変化に応じて感度よく変化するので、血量変化に基づく脈波波形のSN比を高めることができる。
【0030】
このように、脈波検出部60は、血流量に対応して変化する脈波すなわち容積脈波を、皮膚付近に存在する毛細血管網における赤血球量の変動としてとらえ、皮膚に照射した光の透過量または反射量の変動として検出することができるため、センサを末梢動脈例えば橈骨動脈や側指動脈の位置に合わせることなく検出することができる。したがって、脈波検出部60は、皮膚付近に存在する毛細血管における赤血球量の変動を、末梢動脈における脈波(容積脈波)として安定して検出することが可能である。なお、脈波検出部60は、脈圧に基づいて脈波を検出するものであっても良い。
【0031】
(基本機能ブロック構成及び低域遮断部)
図3は、実施形態に係る携帯型脈波検出装置の機能ブロック図である。図3では、携帯型脈波検出装置として必須の構成である脈波検出部60及び低域遮断部70に加えて、例えば一次・二次微分部80,90及び指標抽出部100をさらに有するが、これに限定されない。ここで、脈波検出部60にて検出された脈波を、低域遮断部70より以降のいずれかのブロックにてデジタル処理する場合には、そのブロックの前段に量子化部としてのA/D変換部を設ければよい(図3では省略)。従って、低域遮断部70以降のブロックは、アナログ処理またはデジタル処理のいずれでも良い。
【0032】
なお、低域遮断部70、一次・二次微分部89,90及び指標抽出部100の具体的構成については後述するとして、先ず、低域遮断部70の機能について説明しておく。
【0033】
低域遮断部70は、脈波検出部60にて検出された脈波から、自律神経系機能の活動に伴う変動(血管の動きは除く)に起因した低域周波数成分を除去するものである。この低域周波数成分は、心臓の伸収縮に基づき大動脈から末梢血管に血液が流れることで生ずる純粋な脈波の周波数成分ではなく、純粋な脈波中の周波数成分よりも低域の周波数成分である。この低域周波数成分が脈波中に重畳するノイズとなるので、このノイズを除去することで、安定して脈波を検出できる。
【0034】
低域遮断部70は、被験者の静止時の体動に起因した低域周波数成分をさらに除去することができる。被験者は、静止した状態であったとしても、その静止状態を維持するため等により体の揺らぎ(体動)がある。この体動は、意識的に手足を速く動かした時のようなものでなく、比較的ゆったりとした動きである。よって、この体動に起因して脈波に低域周波数成分が重畳し、これもノイズとなるので除去している。
【0035】
低域遮断部70は、自律神経系機能の活動に伴う変動(血管の動きは除く)及び体動に起因した低域周波数成分を除去するためには、低域遮断周波数を0.4〜0.5Hzの範囲中の値に設定することが好ましい。この低域遮断周波数未満の低域周波数成分には脈波固有の特徴は含まれてなく、これらはノイズとなるからである。自律神経系機能に伴う変動として、交換神経系機能及び副交換神経系機能の活動に伴う変動がある。交換神経系機能の活動に伴う変動に起因した低域周波数成分として、例えば10秒に1回程度に生ずる筋ポンプ機能の変動等に起因した低域周波数成分(例えば0.1Hz程度)を挙げることができる。副交感神経系機能の活動に伴う変動に起因した低域周波数成分として、例えば呼吸運動に起因した低域周波数成分(例えば0.15Hz程度)を挙げることができる。
【0036】
低域遮断部70は、上述の低域遮断周波数の他に、高域遮断周波数が例えば16〜30Hzの範囲中の値に設定されたバンドパスフィルタにて構成してもよい。これにより、低域周波数成分に加えて、高域遮断周波数を越える無駄な高域成分も除去できる。高域遮断周波数は、余裕を見ても30Hzとすれば十分であり、高域遮断周波数を20Hz、あるいは16Hzとしてもよい。
【0037】
(脈波波形について)
図4は、脈波検出センサ50にて検出された脈波の1拍分の波形を示している。図4に示すように、この脈波には下記の特徴がある。
(1)1拍分の脈波に順次変極点P1〜P5が現われる。
(2)変極点P1〜P5は、波高y1〜y5を有する。
(3)脈波開始時刻t0を基準として、各変極点P1〜P5が出現するまでの時間はT1〜T5であり、次の1拍の脈波が開始するまでの経過時間(周期)はT6である。
【0038】
このような変極点P1〜P5の波高y1〜y5の少なくとも一つか、あるいは時刻t0から変極点P1〜P5のいずれかが生ずるまでの時間T1〜T5または周期T6の少なくとも一つを、脈波波形の指標として抽出することができる。あるいは、波高y1〜y5のうちの任意の2つの波高比率、例えばy2/y1,y3/y1,y4/y1,y5/y1などのうち少なくとも一つの波高比率を指標として求めることができる。あるいは、時間T1〜T6のうちの任意の2つの時間比率、例えばT1/T6,T2/T6,T3/T6,T4/T6,T5/T6などのうち少なくとも一つの時間比率を指標として求めることができる。
【0039】
本実施形態は上述した指標のうちのいずれかを抽出するものにも適用可能であるが、以下に、図3に示す基本機能ブロック図に示す構成により抽出される指標について説明する。
【0040】
図5(A)は脈波検出部60にて検出された脈波の原波形PTG、図5(B)は図5(A)の一次微分波形FDPTG(速度波形)、図5(C)は図5(A)の二次微分波形SDPTG(加速度波形)をそれぞれ示す波形図である。図5(B)の一次微分波形FDPTGは、図3の脈波検出部60にて検出された脈波波形PTGより低域遮断部70にて低域周波数成分を除去し、かつそれを一次微分部80にて一次微分して得られる。図5(C)の二次微分波形SDPTGは、一次微分波形FDPTGを図3の二次微分部90にて二次微分して得られる。二次微分波形SDPTGは、図6に示すように、原波形PTGより明確な変極点a〜eを有する。そこで、二次微分波形SDPTFGの変極点a〜eのうちの任意の2つの変極点の波高比率もまた、指標として利用することができる。
【0041】
このような波高比率として、例えば−b/a,−/a,−d/a,e/aなどは、年齢に依存して変化する指標である。例えば、波高比率−d/aは、図7に示すように年齢依存率が顕著であることが確認されており、波高比率−b/aも同様に右肩上がりの直線で補間される特性を有する。図3の指標抽出部100は、二次微分波形SDPTGより、上述したいずれかの波高比率を抽出するものである。
【0042】
(具体的構成例1)
図8は、図3の基本機能ブロックに従がった構成例1を示すブロック図であり、図9は低域遮断部の回路図である。図8に示すように、構成例1は、脈波検出部60、アナログ微分回路110、量子化部120及び二次微分部90を有する。アナログ微分回路110は、図3に示す低域遮断部70及び一次微分部80の機能に加えて高域遮断部の機能も兼ね備えている。換言すれば、このアナログ微分回路110は、バンドパス機能を備えている。これに代えて、アナログ微分回路110が、ハイパス機能を備えるものであっても良い。いずれの場合も、0.4〜0.5Hzの遮断周波数未満の低域周波数成分を遮断できるからである。
【0043】
このアナログ微積分回路110は、例えば図9に示すように、オペアンプ112の正入力端子、負入力端子及び負帰還経路に所定の定数を有する素子C1〜C3及びR1,R2を備えて構成できる。これらの素子の定数の設定により、このアナログ微分回路110は、0.4〜30Hz、0.4〜20Hzあるいは0.4〜16Hzなどの帯域の周波数成分を通過させるバンドパス機能を備えることができる。いずれの場合も、低域遮断周波数は0.4〜0.5Hzである。
【0044】
量子化部120は、アナログ微分回路110からのアナログ信号を量子化して、図10(A)に示すようなデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器である。量子化の手法は、公知の種々の手法を採用できる。例えば、図2及び図9に示すスイッチSWにて発光素子64を点滅させた場合、そのスイッチングにより出力波形は標本化されているので、スイッチング周期と同じサンプリングレートでサンプリングすればよい。このとき、量子化部120はAGC(オート・ゲイン・コントロール)機能により、出力振幅をダイナミックレンジの範囲内で一定レベル以上となるように増幅させると良い。脈波検出部60の発光素子64と受光素子65との間の光伝達経路には、被験者の皮膚内の血管床が存在する。このため、脈波検出部60の出力信号を、ダイナミックレンジの範囲内で適切に増幅する必要があるからである。
【0045】
図8に示す二次微分部90は、量子化微分部であり、図10(A)の時間軸上で隣り合う2つの離散値の変化量(傾き)を得るものである。具体的には、図11に示すように、スイッチ92によって交互にデータが記憶される第1,第2の記憶部94,96と、第1,第2の記憶部94,96からのデータ同士の差分をとるデジタル減算器98とで構成できる。図10(A)に示すデータの変化量である二次微分波形は図10(B)に示す通りとなる。
【0046】
(実験例)
図12〜図15は、被験者Aについて、アナログ微分回路110のバンドパス特性を異ならせて収集した原波形PTG、一次微分波形FDPTG及び二次微分波形SDPTGをそれぞれ示している。バンドパス帯域として、高域遮断周波数は16Hzで共通しているが、低域遮断周波数は、図12が0.1Hz(比較例1)、図13が0.2Hz(比較例2)、図14が0.43Hz(実施例1)、図15が0.6Hz(比較例3)である。
【0047】
図12〜図15の二次微分波形SDPTGのそれぞれについて、図6に示す指標−b/aを算出した結果が各図中に示されている。図14の実施例1に示す二次微分波形SDPTGの指標−b/a(=1.12)が、被験者Aの年齢に最も相応しい値であることが確認できた。
【0048】
被験者Aより年齢が高い被験者Bについて、図14の実施例1と同じバンドパス帯域に設定して測定した実施例2の各波形を図16に示す。同様と、被験者Aよりも年齢が低い被験者Cについて、図14の実施例1と同じバンドパス帯域に設定して測定した実施例3の各波形を図17に示す。図7と同様に、指標−b/aは年齢が高いほど高くなる傾向がある。図16に示す被験者Bの指標−b/a=1.18であり、図17に示す被験者Cの指標−b/a=0.89であり、被験者Cの年齢<被験者Aの年齢<被験者Bの年齢の相関と、被験者Cの指標(0.89)<被験者Aの指標(1.12)<被験者Bの指標(1.18)の相関は、図7と同じく年齢順に一致した。これにより、バンドパス特性の低域遮断周波数は、図12〜図15に示す各種特性の中でも、図14に示す実施例1の低域遮断周波数0.43Hzが最適であることが分かる。このように、低域遮断周波数は0.4〜0.5Hzが最適であり、比較例1〜3のように、その低域遮断周波数より低く過ぎても(0.1Hz,0.2Hz)高過ぎても(0.6Hz)好ましくない。
【0049】
(具体的構成2)
図18は、脈波検出部60と低域遮断部70との間に量子化部120を設けた変形例を示している。量子化部120の機能は図8と同じである。同様に、一次・二次微分部80,90の機能は、図8に示す二次微分部90と同じである。なお、一次・二次微分部80,90のいずれか一方を、アナログ微分回路とすることも可能である。
【0050】
図18に示す低域遮断部70は、図19に示すように、量子化データをフーリエ変換するフーリエ変換部72と、低域遮断周波数未満の周波数スペクトルを除去するデジタルフィルタ74と、前記デジタルフィルタの出力を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換部76とを有する。フーリエ変換により得られた周波数スペクトルのうち、所定遮断周波数未満の周波数スペクトルをデジタルフィルタで除去することで、低域周波数成分を除去できる。
【0051】
この他、低域遮断部70までをアナログ信号処理とし、低域遮断部70と一次微分回路80との間に量子化部120を設け、一次・二次微分部80,90をデジタル微分回路として構成しても良い。
【0052】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)、図1(B)及び図1(C)は、本発明の実施形態に係る携帯型脈波検出装置の外観図である。
【図2】図1に示す脈波検出部の回路構成の一例を示す回路図である。
【図3】本発明の実施形態の基本機能ブロック図である。
【図4】脈波検出部にて検出された脈波の1拍分の波形図である。
【図5】図5(A)は検出された脈波の原波形、図5(B)は図5(A)の一次微分波形、図5(C)は図5(A)の二次微分波形をそれぞれ示す波形図である。
【図6】二次微分波形の特徴を説明するための概略説明図である。
【図7】二次微分波形中の指標の年齢依存性を示す特性図である。
【図8】低域遮断回路以降の回路の具体的構成1を示すブロック図である。
【図9】図8中のアナログ微分回路の回路図である。
【図10】図10(A)は量子化波形を示し、図10(B)はその微分波形を示す波形図である。
【図11】図8に示す二次微分部の構成例を示すブロック図である。
【図12】被験者Aについてバンドパス帯域を0.1〜16Hzとして収集した比較例1である原波形、一次微分波形及び二次微分波形の波形図である。
【図13】被験者Aについてバンドパス帯域を0.2〜16Hzとして収集した比較例2である原波形、一次微分波形及び二次微分波形の波形図である。
【図14】被験者Aについてバンドパス帯域を0.43〜16Hzとして収集した実施例1である原波形、一次微分波形及び二次微分波形の波形図である。
【図15】被験者Aについてバンドパス帯域を0.6〜16Hzとして収集した比較例3である原波形、一次微分波形及び二次微分波形の波形図である。
【図16】被験者Aよりも年齢の高い被験者Bについてバンドパス帯域を0.43〜16Hzとして収集した実施例2である原波形、一次微分波形及び二次微分波形の波形図である。
【図17】被験者Aよりも年齢の低い被験者Cについてバンドパス帯域を0.6〜16Hzとして収集した実施例3である原波形、一次微分波形及び二次微分波形の波形図である。
【図18】低域遮断回路以降の回路の具体的構成2を示すブロック図である。
【図19】図18中の低域遮断部の回路図である。
【符号の説明】
10 携帯型脈波検出装置
60 脈波検出部
64 発光素子
65 受光素子
70 低域遮断部
72 フーリエ変換部
74 デジタルフィルタ
76 逆フーリエ変換部
80 一次微分部
90 二次微分部
92 スイッチ
94,96 第1,第2の記憶部
98 デジタル減算器
100 指標抽出部
110 アナログ微分回路(低域遮断部+一次微分回路+高域遮断部)
112 オペアンプ
120 量子化部
PTG 原波形
FDPTG 一次微分波形
SDPTG 二次微分波形
【発明の属する技術分野】
本発明は、被験者に装着される携帯型脈波検出装置に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
被験者に装着されて被験者の末梢の脈波を被侵襲的に検出する脈波検出装置の開発が進められている。被験者は、自身の健康状態等を、携帯型脈波検出装置にて検出された脈波から自ら知ることができる。
【0003】
脈波を被侵襲的に検出するのに、脈波を光学的に検出したり、あるいは脈圧に基づいて脈波を検出することが知られている。
【0004】
上記のようにして検出される脈波波形は、心臓の伸収縮に基づき大動脈から末梢血管に血液が流れることで生ずる純粋な脈波波形とはならない。検出される脈波波形には、被験者の無意識でのさまざまな動きに起因した周波数成分がノイズとして重畳されているからである。
【0005】
そこで、本発明の目的は、心臓の伸収縮に基づき大動脈から末梢血管に血液が流れることで生ずる純粋な脈波波形を検出することができる携帯型脈波検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る携帯型脈波検出装置は、脈波検出部と低域遮断部とを有する。脈波検出部は、被験者に装着され、被験者の脈波を光学的に検出するか、あるいは脈圧から脈波を検出する等して、非侵襲的に末梢における脈波を検出する。低域遮断部は、検出された脈波から、自律神経系機能の活動に伴う変動(血管の動きは除く)に起因した低域周波数成分を除去する。この低域周波数成分は、心臓の伸収縮に基づき大動脈から末梢血管に血液が流れることで生ずる純粋な脈波の周波数成分ではなく、純粋な脈波中の周波数成分よりも低域の周波数成分である。この低域周波数成分が脈波中に重畳するノイズとなる。このノイズを除去することで、安定して脈波を検出できる。
【0007】
低域遮断部は、被験者の静止時の体動に起因した低域周波数成分をさらに除去することができる。被験者は、静止した状態であったとしても、その静止状態を維持するため等により体の揺らぎ(体動)がある。この体動は、意識的に手足を速く動かした時のようなものでなく、比較的ゆったりとした動きである。よって、この体動に起因して脈波に低域周波数成分が重畳し、これもノイズとなるので除去している。
【0008】
低域遮断部は、低域遮断周波数を0.4〜0.5Hzの範囲中の値に設定することができる。低域遮断周波数を0.4〜0.5Hzのいずれかの値に設定して低域周波数成分を除去すると、脈波波形固有の特徴を損なうことなく、ノイズを有効に除去できる。自律神経系機能の活動に伴う変動(血管の動きは除く)に起因した低域周波数成分や、被験者の静止時の体動に起因した低域周波数成分は、0.4Hz〜0.5Hzの低域遮断周波数未満であり、しかもその低域遮断周波数未満の周波数成分には脈波固有の特徴は含まれていないからである。
【0009】
以上のような低域遮断部は、交換神経系機能の活動に伴う変動、例えば10秒に1回程度に生ずる筋ポンプ機能の変動等に起因した低域周波数成分(例えば0.1Hz程度)を除去することができる。
【0010】
低域遮断部はさらに、副交感神経系機能の活動に伴う変動、例えば呼吸運動に起因した低域周波数成分(例えば0.15Hz程度)を除去することができる。
【0011】
低域遮断部は、高域遮断周波数を16〜30Hzの範囲中の値とするバンドパスフィルタにて構成できる。これにより、高域遮断周波数を超える無駄な高域成分も除去できる。高域遮断周波数は、余裕を見ても30Hzとすれば十分であり、高域遮断周波数を20Hz、あるいは16Hzとしてもよい。
【0012】
本発明の一態様に係る携帯型脈波検出装置は、前記低域周波数成分が除去された脈波を一次微分する一次微分部と、一次微分された脈波を二次微分する二次微分部とをさらに有することができる。低域周波数成分が除去された脈波を二回微分することで、得られた脈波波形中に脈波固有の特徴が顕在化されるからである。
【0013】
ここで、前記低域遮断部及び前記一次微分部を、アナログ微分回路にて形成することができる。このアナログ微分回路は、脈波検出部からのアナログ信号である脈波をアナログ微分し、かつハイパス特性を有するものとして構成できる。あるいは、このアナログ微分回路は、脈波検出部からのアナログ信号である脈波を微分し、かつバンドパス特性を有するものとして構成できる。
【0014】
本発明の一態様では、前記脈波検出部の出力を量子化する量子化部をさらに有することができる。この場合、低域遮断部は、量子化データをフーリエ変換するフーリエ変換部と、低域遮断周波数未満の周波数スペクトルを除去するデジタルフィルタと、前記デジタルフィルタの出力を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換部とを有することができる。さらにこの場合、一次微分部及び二次微分部の少なくとも一方を、時間軸上の各2つの離散値の傾きを求める量子化微分部にて形成することができる。
【0015】
上述した量子化部を、ダイナミックレンジの範囲内で脈波が一定振幅レベル以上となるように増幅するオート・ゲイン・コントロールするアナログ−デジタル変換器にて形成することができる。
【0016】
本発明の一態様では、二次微分された脈波中の指標を抽出する指標抽出部をさらに有することができる。二次微分された脈波中の指標を取り出すことで、被験者固有の情報を取り出すことができ、それに基づいて被験者を医学的に評価することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
(携帯型脈波検出装置の外観構成)
本実施形態の携帯型脈波検出装置は、例えば図1(A)、図1(B)および図1(C)に示すような外観的構成とすることができる。携帯型脈波検出装置10は、腕時計状の構造を有する装置本体12と、この装置本体12のコネクタ部20にコネクタピース57を介して接続されるケーブル58と、このケーブル58の先端側に設けられた脈波検出部60とを含んで構成されている。装置本体12にはリストバンド56が取り付けられ、リストバンド56によって装置本体12が被験者の手首に装着される。
【0019】
装置本体12はコネクタ部20を備えており、コネクタ部20にはケーブル58の端部となっているコネクタピース57が着脱自在に取り付けられている。
【0020】
図1(C)は、このコネクタピース57を取り外したコネクタ部20を示しており、例えば、ケーブル58との接続ピン21や、データ転送を行うためのLED22、フォトトランジスタ23を備えている。
【0021】
また、装置本体12の表面側には、液晶パネルからなる表示部54が設けられている。表示部54は、セグメント表示領域や、ドット表示領域などを有し、脈波中から得られる指標や解析結果など表示する。なお、表示部54には液晶パネルではなく他の表示装置を用いてもよい。
【0022】
装置本体12の内部には、各種演算や変換などを制御するCPU(central processing unit)、CPUを動作させるプログラムその他を記憶するメモリを備え(図示省略)、装置本体12の外周部には各種操作や入力を行うためのボタンスイッチ14がそれぞれ設けられている。
【0023】
一方、脈波検出部60は、図1(B)に示すように、センサ固定用バンド62によって遮光されながら、被験者の人差し指の根本付近に装着される。このように、脈波検出部60を指の根本付近に装着すると、ケーブル58が短くて済むので、装着しても邪魔にならない。また、指の根元付近は指先に比べると気温による血流量の変化が少ないため、検出した脈波波形に対する気温などの影響が比較的少ない。
【0024】
(脈波検出部)
脈波検出部60は、例えば図2に示すように、LED64、フォトトランジスタ65などを含み、非侵襲的すなわち皮膚を破ることなく末梢における脈波を検出できるように構成されている。この脈波検出部60は、脈波波形が血流量の変動波形(容積脈波波形)とほぼ同様の波形となることを利用し、毛細血管網に対する光照射と、毛細血管内の血液による反射光量の変動または透過光量の変動の検出とを行うように形成された光センサを用いて脈波(容積脈波)を検出する。
【0025】
さらに具体的には、脈波検出部60は、スイッチSWがオン状態となり、電源電圧が印加されると、LED64から光が照射される。この照射光は、被験者の血管や組織によって反射した後に、フォトトランジスタ65によって受光される。したがって、フォトトランジスタ65の光電流を電圧に変換したものが、脈波検出部60の信号PTGとして出力される。
【0026】
ここで、LED64の発光波長は、血液中のヘモグロビンの吸収波長ピーク付近に選ばれる。このため、受光レベルは血流量に応じて変化する。したがって、受光レベルを検出することによって、脈波波形が検出されることとなる。例えば、LED64としては、InGaN系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDが好適である。このLEDの発光スペクトルは、450nm付近を発光ピークとし、その発光波長域は、350nmから600nmまでの範囲とすることができる。
【0027】
このような発光特性を有するLEDに対応するフォトトランジスタ65として、本実施形態においては、例えばGaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)のものを用いることができる。このフォトトランジスタ65の受光波長領域は、主要感度領域が300nmから600nmまでの範囲とし、300nm以下にも感度領域があるものとすることができる。
【0028】
このような青色LED64とフォトトランジスタ65とを組み合わせると、その重なり領域である300nmから600nmまでの波長領域において、脈波を検出することができ、以下のような利点がある。
【0029】
まず、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指の組織を透過しにくい傾向があるため、外光がセンサ固定用バンドで覆われていない指の部分に照射されても、指の組織を介してフォトトランジスタ65まで到達せず、検出に影響を与えない波長領域の光のみがフォトトランジスタ65に達する。一方、300nmより長い波長領域の光は、皮膚表面でほとんど吸収されるので、受光波長領域を700nm以下としても、実質的な受光波長領域は、300nm〜700nmとなる。したがって、指を大掛かりに覆わなくとも、外光の影響を抑圧することができる。また、血液中のヘモグロビンは、波長が300nmから700nmまでの光に対する吸光係数が大きく、波長が880nmの光に対する吸光係数に比して数倍〜約100倍以上大きい。したがって、この例のように、ヘモグロビンの吸光特性に合わせて、吸光特性が大きい波長領域(300nmから700nm)の光を検出光として用いると、その検出値は、血量変化に応じて感度よく変化するので、血量変化に基づく脈波波形のSN比を高めることができる。
【0030】
このように、脈波検出部60は、血流量に対応して変化する脈波すなわち容積脈波を、皮膚付近に存在する毛細血管網における赤血球量の変動としてとらえ、皮膚に照射した光の透過量または反射量の変動として検出することができるため、センサを末梢動脈例えば橈骨動脈や側指動脈の位置に合わせることなく検出することができる。したがって、脈波検出部60は、皮膚付近に存在する毛細血管における赤血球量の変動を、末梢動脈における脈波(容積脈波)として安定して検出することが可能である。なお、脈波検出部60は、脈圧に基づいて脈波を検出するものであっても良い。
【0031】
(基本機能ブロック構成及び低域遮断部)
図3は、実施形態に係る携帯型脈波検出装置の機能ブロック図である。図3では、携帯型脈波検出装置として必須の構成である脈波検出部60及び低域遮断部70に加えて、例えば一次・二次微分部80,90及び指標抽出部100をさらに有するが、これに限定されない。ここで、脈波検出部60にて検出された脈波を、低域遮断部70より以降のいずれかのブロックにてデジタル処理する場合には、そのブロックの前段に量子化部としてのA/D変換部を設ければよい(図3では省略)。従って、低域遮断部70以降のブロックは、アナログ処理またはデジタル処理のいずれでも良い。
【0032】
なお、低域遮断部70、一次・二次微分部89,90及び指標抽出部100の具体的構成については後述するとして、先ず、低域遮断部70の機能について説明しておく。
【0033】
低域遮断部70は、脈波検出部60にて検出された脈波から、自律神経系機能の活動に伴う変動(血管の動きは除く)に起因した低域周波数成分を除去するものである。この低域周波数成分は、心臓の伸収縮に基づき大動脈から末梢血管に血液が流れることで生ずる純粋な脈波の周波数成分ではなく、純粋な脈波中の周波数成分よりも低域の周波数成分である。この低域周波数成分が脈波中に重畳するノイズとなるので、このノイズを除去することで、安定して脈波を検出できる。
【0034】
低域遮断部70は、被験者の静止時の体動に起因した低域周波数成分をさらに除去することができる。被験者は、静止した状態であったとしても、その静止状態を維持するため等により体の揺らぎ(体動)がある。この体動は、意識的に手足を速く動かした時のようなものでなく、比較的ゆったりとした動きである。よって、この体動に起因して脈波に低域周波数成分が重畳し、これもノイズとなるので除去している。
【0035】
低域遮断部70は、自律神経系機能の活動に伴う変動(血管の動きは除く)及び体動に起因した低域周波数成分を除去するためには、低域遮断周波数を0.4〜0.5Hzの範囲中の値に設定することが好ましい。この低域遮断周波数未満の低域周波数成分には脈波固有の特徴は含まれてなく、これらはノイズとなるからである。自律神経系機能に伴う変動として、交換神経系機能及び副交換神経系機能の活動に伴う変動がある。交換神経系機能の活動に伴う変動に起因した低域周波数成分として、例えば10秒に1回程度に生ずる筋ポンプ機能の変動等に起因した低域周波数成分(例えば0.1Hz程度)を挙げることができる。副交感神経系機能の活動に伴う変動に起因した低域周波数成分として、例えば呼吸運動に起因した低域周波数成分(例えば0.15Hz程度)を挙げることができる。
【0036】
低域遮断部70は、上述の低域遮断周波数の他に、高域遮断周波数が例えば16〜30Hzの範囲中の値に設定されたバンドパスフィルタにて構成してもよい。これにより、低域周波数成分に加えて、高域遮断周波数を越える無駄な高域成分も除去できる。高域遮断周波数は、余裕を見ても30Hzとすれば十分であり、高域遮断周波数を20Hz、あるいは16Hzとしてもよい。
【0037】
(脈波波形について)
図4は、脈波検出センサ50にて検出された脈波の1拍分の波形を示している。図4に示すように、この脈波には下記の特徴がある。
(1)1拍分の脈波に順次変極点P1〜P5が現われる。
(2)変極点P1〜P5は、波高y1〜y5を有する。
(3)脈波開始時刻t0を基準として、各変極点P1〜P5が出現するまでの時間はT1〜T5であり、次の1拍の脈波が開始するまでの経過時間(周期)はT6である。
【0038】
このような変極点P1〜P5の波高y1〜y5の少なくとも一つか、あるいは時刻t0から変極点P1〜P5のいずれかが生ずるまでの時間T1〜T5または周期T6の少なくとも一つを、脈波波形の指標として抽出することができる。あるいは、波高y1〜y5のうちの任意の2つの波高比率、例えばy2/y1,y3/y1,y4/y1,y5/y1などのうち少なくとも一つの波高比率を指標として求めることができる。あるいは、時間T1〜T6のうちの任意の2つの時間比率、例えばT1/T6,T2/T6,T3/T6,T4/T6,T5/T6などのうち少なくとも一つの時間比率を指標として求めることができる。
【0039】
本実施形態は上述した指標のうちのいずれかを抽出するものにも適用可能であるが、以下に、図3に示す基本機能ブロック図に示す構成により抽出される指標について説明する。
【0040】
図5(A)は脈波検出部60にて検出された脈波の原波形PTG、図5(B)は図5(A)の一次微分波形FDPTG(速度波形)、図5(C)は図5(A)の二次微分波形SDPTG(加速度波形)をそれぞれ示す波形図である。図5(B)の一次微分波形FDPTGは、図3の脈波検出部60にて検出された脈波波形PTGより低域遮断部70にて低域周波数成分を除去し、かつそれを一次微分部80にて一次微分して得られる。図5(C)の二次微分波形SDPTGは、一次微分波形FDPTGを図3の二次微分部90にて二次微分して得られる。二次微分波形SDPTGは、図6に示すように、原波形PTGより明確な変極点a〜eを有する。そこで、二次微分波形SDPTFGの変極点a〜eのうちの任意の2つの変極点の波高比率もまた、指標として利用することができる。
【0041】
このような波高比率として、例えば−b/a,−/a,−d/a,e/aなどは、年齢に依存して変化する指標である。例えば、波高比率−d/aは、図7に示すように年齢依存率が顕著であることが確認されており、波高比率−b/aも同様に右肩上がりの直線で補間される特性を有する。図3の指標抽出部100は、二次微分波形SDPTGより、上述したいずれかの波高比率を抽出するものである。
【0042】
(具体的構成例1)
図8は、図3の基本機能ブロックに従がった構成例1を示すブロック図であり、図9は低域遮断部の回路図である。図8に示すように、構成例1は、脈波検出部60、アナログ微分回路110、量子化部120及び二次微分部90を有する。アナログ微分回路110は、図3に示す低域遮断部70及び一次微分部80の機能に加えて高域遮断部の機能も兼ね備えている。換言すれば、このアナログ微分回路110は、バンドパス機能を備えている。これに代えて、アナログ微分回路110が、ハイパス機能を備えるものであっても良い。いずれの場合も、0.4〜0.5Hzの遮断周波数未満の低域周波数成分を遮断できるからである。
【0043】
このアナログ微積分回路110は、例えば図9に示すように、オペアンプ112の正入力端子、負入力端子及び負帰還経路に所定の定数を有する素子C1〜C3及びR1,R2を備えて構成できる。これらの素子の定数の設定により、このアナログ微分回路110は、0.4〜30Hz、0.4〜20Hzあるいは0.4〜16Hzなどの帯域の周波数成分を通過させるバンドパス機能を備えることができる。いずれの場合も、低域遮断周波数は0.4〜0.5Hzである。
【0044】
量子化部120は、アナログ微分回路110からのアナログ信号を量子化して、図10(A)に示すようなデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器である。量子化の手法は、公知の種々の手法を採用できる。例えば、図2及び図9に示すスイッチSWにて発光素子64を点滅させた場合、そのスイッチングにより出力波形は標本化されているので、スイッチング周期と同じサンプリングレートでサンプリングすればよい。このとき、量子化部120はAGC(オート・ゲイン・コントロール)機能により、出力振幅をダイナミックレンジの範囲内で一定レベル以上となるように増幅させると良い。脈波検出部60の発光素子64と受光素子65との間の光伝達経路には、被験者の皮膚内の血管床が存在する。このため、脈波検出部60の出力信号を、ダイナミックレンジの範囲内で適切に増幅する必要があるからである。
【0045】
図8に示す二次微分部90は、量子化微分部であり、図10(A)の時間軸上で隣り合う2つの離散値の変化量(傾き)を得るものである。具体的には、図11に示すように、スイッチ92によって交互にデータが記憶される第1,第2の記憶部94,96と、第1,第2の記憶部94,96からのデータ同士の差分をとるデジタル減算器98とで構成できる。図10(A)に示すデータの変化量である二次微分波形は図10(B)に示す通りとなる。
【0046】
(実験例)
図12〜図15は、被験者Aについて、アナログ微分回路110のバンドパス特性を異ならせて収集した原波形PTG、一次微分波形FDPTG及び二次微分波形SDPTGをそれぞれ示している。バンドパス帯域として、高域遮断周波数は16Hzで共通しているが、低域遮断周波数は、図12が0.1Hz(比較例1)、図13が0.2Hz(比較例2)、図14が0.43Hz(実施例1)、図15が0.6Hz(比較例3)である。
【0047】
図12〜図15の二次微分波形SDPTGのそれぞれについて、図6に示す指標−b/aを算出した結果が各図中に示されている。図14の実施例1に示す二次微分波形SDPTGの指標−b/a(=1.12)が、被験者Aの年齢に最も相応しい値であることが確認できた。
【0048】
被験者Aより年齢が高い被験者Bについて、図14の実施例1と同じバンドパス帯域に設定して測定した実施例2の各波形を図16に示す。同様と、被験者Aよりも年齢が低い被験者Cについて、図14の実施例1と同じバンドパス帯域に設定して測定した実施例3の各波形を図17に示す。図7と同様に、指標−b/aは年齢が高いほど高くなる傾向がある。図16に示す被験者Bの指標−b/a=1.18であり、図17に示す被験者Cの指標−b/a=0.89であり、被験者Cの年齢<被験者Aの年齢<被験者Bの年齢の相関と、被験者Cの指標(0.89)<被験者Aの指標(1.12)<被験者Bの指標(1.18)の相関は、図7と同じく年齢順に一致した。これにより、バンドパス特性の低域遮断周波数は、図12〜図15に示す各種特性の中でも、図14に示す実施例1の低域遮断周波数0.43Hzが最適であることが分かる。このように、低域遮断周波数は0.4〜0.5Hzが最適であり、比較例1〜3のように、その低域遮断周波数より低く過ぎても(0.1Hz,0.2Hz)高過ぎても(0.6Hz)好ましくない。
【0049】
(具体的構成2)
図18は、脈波検出部60と低域遮断部70との間に量子化部120を設けた変形例を示している。量子化部120の機能は図8と同じである。同様に、一次・二次微分部80,90の機能は、図8に示す二次微分部90と同じである。なお、一次・二次微分部80,90のいずれか一方を、アナログ微分回路とすることも可能である。
【0050】
図18に示す低域遮断部70は、図19に示すように、量子化データをフーリエ変換するフーリエ変換部72と、低域遮断周波数未満の周波数スペクトルを除去するデジタルフィルタ74と、前記デジタルフィルタの出力を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換部76とを有する。フーリエ変換により得られた周波数スペクトルのうち、所定遮断周波数未満の周波数スペクトルをデジタルフィルタで除去することで、低域周波数成分を除去できる。
【0051】
この他、低域遮断部70までをアナログ信号処理とし、低域遮断部70と一次微分回路80との間に量子化部120を設け、一次・二次微分部80,90をデジタル微分回路として構成しても良い。
【0052】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)、図1(B)及び図1(C)は、本発明の実施形態に係る携帯型脈波検出装置の外観図である。
【図2】図1に示す脈波検出部の回路構成の一例を示す回路図である。
【図3】本発明の実施形態の基本機能ブロック図である。
【図4】脈波検出部にて検出された脈波の1拍分の波形図である。
【図5】図5(A)は検出された脈波の原波形、図5(B)は図5(A)の一次微分波形、図5(C)は図5(A)の二次微分波形をそれぞれ示す波形図である。
【図6】二次微分波形の特徴を説明するための概略説明図である。
【図7】二次微分波形中の指標の年齢依存性を示す特性図である。
【図8】低域遮断回路以降の回路の具体的構成1を示すブロック図である。
【図9】図8中のアナログ微分回路の回路図である。
【図10】図10(A)は量子化波形を示し、図10(B)はその微分波形を示す波形図である。
【図11】図8に示す二次微分部の構成例を示すブロック図である。
【図12】被験者Aについてバンドパス帯域を0.1〜16Hzとして収集した比較例1である原波形、一次微分波形及び二次微分波形の波形図である。
【図13】被験者Aについてバンドパス帯域を0.2〜16Hzとして収集した比較例2である原波形、一次微分波形及び二次微分波形の波形図である。
【図14】被験者Aについてバンドパス帯域を0.43〜16Hzとして収集した実施例1である原波形、一次微分波形及び二次微分波形の波形図である。
【図15】被験者Aについてバンドパス帯域を0.6〜16Hzとして収集した比較例3である原波形、一次微分波形及び二次微分波形の波形図である。
【図16】被験者Aよりも年齢の高い被験者Bについてバンドパス帯域を0.43〜16Hzとして収集した実施例2である原波形、一次微分波形及び二次微分波形の波形図である。
【図17】被験者Aよりも年齢の低い被験者Cについてバンドパス帯域を0.6〜16Hzとして収集した実施例3である原波形、一次微分波形及び二次微分波形の波形図である。
【図18】低域遮断回路以降の回路の具体的構成2を示すブロック図である。
【図19】図18中の低域遮断部の回路図である。
【符号の説明】
10 携帯型脈波検出装置
60 脈波検出部
64 発光素子
65 受光素子
70 低域遮断部
72 フーリエ変換部
74 デジタルフィルタ
76 逆フーリエ変換部
80 一次微分部
90 二次微分部
92 スイッチ
94,96 第1,第2の記憶部
98 デジタル減算器
100 指標抽出部
110 アナログ微分回路(低域遮断部+一次微分回路+高域遮断部)
112 オペアンプ
120 量子化部
PTG 原波形
FDPTG 一次微分波形
SDPTG 二次微分波形
Claims (14)
- 被験者に装着され、非侵襲的に末梢における脈波を検出する脈波検出部と、
検出された脈波から、自律神経系機能の活動に伴う変動(血管の動きは除く)に起因した低域周波数成分を除去する低域遮断部と、
を有する携帯型脈波検出装置。 - 請求項1において、
前記低域遮断部は、被験者の静止時の体動に起因した低域周波数成分をさらに除去する携帯型脈波検出装置。 - 請求項1または2において、
前記低域遮断部は、低域遮断周波数が0.4〜0.5Hzの範囲中の値に設定されている携帯型脈波検出装置。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記低域遮断部は、交換神経系機能の活動に伴う変動に起因した低域周波数成分を除去する携帯型脈波検出装置。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記低域遮断部は、副交感神経系機能の活動に伴う変動に起因した低域周波数成分を除去する携帯型脈波検出装置。 - 請求項3乃至5のいずれかにおいて、
前記低域遮断部は、高域遮断周波数を16〜30Hzの範囲中の値とするバンドパスフィルタにて形成されている携帯型脈波検出装置。 - 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記低域周波数成分が除去された脈波を一次微分する一次微分部と、
一次微分された脈波を二次微分する二次微分部と、
をさらに有する携帯型脈波検出装置。 - 請求項7において、
前記低域遮断部及び前記一次微分部は、前記脈波検出部からのアナログ信号である脈波を微分し、かつハイパス特性を有するアナログ微分回路にて形成されている携帯型脈波検出装置。 - 請求項7において、
前記低域遮断部及び前記一次微分部は、前記脈波検出部からのアナログ信号である脈波を微分し、かつバンドパス特性を有するアナログ微分回路にて形成されている携帯型脈波検出装置。 - 請求項8または9において、
前記一次微分部の出力を量子化する量子化部をさらに有し、
前記二次微分部は、前記量子化部にて量子化されて時間軸上の各2つの離散値の傾きを求める量子化微分部にて形成されている携帯型脈波検出装置。 - 請求項7において、
前記脈波検出部の出力を量子化する量子化部をさらに有し、
前記低域遮断部は、量子化データをフーリエ変換するフーリエ変換部と、低域遮断周波数未満の周波数スペクトルを除去するデジタルフィルタと、前記デジタルフィルタの出力を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換部とを有する携帯型脈波検出装置。 - 請求項11において、
前記一次微分部及び二次微分部の少なくとも一方は、時間軸上の各2つの離散値の傾きを求める量子化微分部にて形成されている携帯型脈波検出装置。 - 請求項10乃至12のいずれかにおいて、
前記量子化部は、ダイナミックレンジの範囲内で前記脈波が一定振幅レベル以上となるように増幅するオート・ゲイン・コントロールするアナログ−デジタル変換器にて形成されている携帯型脈波検出装置。 - 請求項7乃至13のいずれかにおいて、
二次微分された脈波中の指標を抽出する指標抽出部をさらに有する携帯型脈波検出装置。
Priority Applications (1)
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JP2002203992A JP2004041481A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 携帯型脈波検出装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022044517A1 (ja) * | 2020-08-28 | 2022-03-03 | 株式会社Jvcケンウッド | 測定装置、測定方法、およびプログラム |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002203992A patent/JP2004041481A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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WO2022044517A1 (ja) * | 2020-08-28 | 2022-03-03 | 株式会社Jvcケンウッド | 測定装置、測定方法、およびプログラム |
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