JP2004039861A - 電子素子の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子素子5で生じた熱を熱拡散板に伝達するとともに、ファン3による送風で熱拡散板から放熱させる電子素子の冷却装置1において、前記熱拡散板が平板型ヒートパイプ2とされるとともに、その一部が前記ファン3の外周に沿って屈曲もしくは湾曲され、かつ前記ファン3のハウジング3Aに、ブレード3Bの回転方向に並べて、前記屈曲もしくは湾曲した平板型ヒートパイプ2の放熱部7,8に対して送風する複数の吹出口9,10が形成され、さらに前記各平板型ヒートパイプ2の少なくとも一部分に、前記電子素子5と接触する入熱部4が形成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、平板型ヒートパイプおよび送風ファンが用いられている冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータなどの電子装置に内蔵されている各種の電子部品は、不可避的な内部抵抗があるので、通電して動作させることにより発熱し、その結果、ある程度以上に温度が上昇すると、動作が不安定になり、ついには動作不良を起こしてしまう。そのため、電子部品の冷却のための種々の装置が開発されており、例えば電子部品にヒートシンクを直接取り付けて放熱面積を増大させる装置や、そのヒートシンクにマイクロファンを取り付けて強制空冷する装置などが開発されている。
【0003】
これらの冷却装置は、電子部品の実質的な放熱面積をヒートシンクによって増大させることにより、電子部品からの放熱量を増大させて、電子部品の過熱を防止する構造である。したがって、冷却に使用される空気は、電子部品の周囲の空気に限られる。そのため、電子部品が収容されている筐体の内容積が小さい場合には、その内部温度が次第に上昇し、電子部品を充分に冷却できなくなる事態が生じる。
【0004】
その典型的な例が、いわゆるモバイルといわれる小型のデータ処理装置であり、この種の装置では、携帯性や搬送性を重視して可及的に小容積の筐体を使用するから、電子部品の周囲の空間部分が極めて限られたものとなる。そのために、電子部品の周囲に放熱するのでは、筐体内の空気の熱容量が少ないことにより充分な冷却をおこなうことができない。言い換えれば、使用可能な電子部品が冷却器の冷却能力で制限されてしまう。
【0005】
そこで従来では、電子部品などの発熱体から離れた箇所で、外気に放熱させることにより、電子部品の冷却をおこなう冷却装置が開発されている。この種の冷却装置は、冷却対象物である電子部品と放熱部とが離隔しているので、両者の間で効率よく熱を伝達する必要がある。そのために、アルミニウムなどの熱伝導性の高い伝熱板の上に発熱体を接触させるとともに、その伝熱板の他の部分にヒートシンクを取り付けた構成としている。また、その伝熱板による熱の伝導を補助するために、伝熱板にヒートパイプを沿わせて配置することもおこなわれている。
【0006】
そのヒートパイプは、密閉した容器(コンテナ)の内部に、水やアルコールなどの凝縮性の流体を作動流体として封入し、外部からの入熱によってその作動流体を蒸発させるとともに、その蒸気を低温・低圧部に流動させた後、放熱させて凝縮させ、さらにその液化した作動流体を蒸発の生じる箇所に、毛細管圧力などによって還流させるように構成した伝熱装置である。そのコンテナとしては必要に応じて各種のものを採用することができ、例えば平板型ヒートパイプは、中空平板構造のコンテナによって密閉された空間部を形成し、その空間部に空気などの非凝縮性ガスを脱気した状態で凝縮性の流体を作動流体として封入したものである。この種のヒートパイプは、表面が平坦になるので、熱交換対象物との接触面積が広くなり、その結果、熱伝達性能あるいは熱交換性能が向上することができるなどの利点がある。
【0007】
平板型ヒートパイプは、ベーパーチャンバーと称されることがある。したがって、前記ベーパーチャンバーによれば、作動流体の蒸発潜熱によって熱を輸送できるので、これを伝熱板に沿わせて配置することにより、電子部品からヒートシンクへの熱の輸送量が格段に増大して電子部品をより効率よく冷却することができる。
【0008】
上記のような平板型ヒートパイプを利用した冷却装置であれば、電子部品で発生する熱が伝熱板を介して、熱輸送能力に優れるヒートパイプに伝達されて放熱機構まで運ばれ、その後、空気流によって電子部品から離れた箇所に放熱されるので、電子部品の温度上昇を抑制することができる。
【0009】
上記のような冷却装置の冷却効率を更に向上させる一例として、平板型ヒートパイプにフィンを設けて、前記フィンの設けられている部分をファンの吹き出し口に沿うように配置した構造の冷却装置がある。このような構造の冷却装置であれば、前記フィンによって放熱面積を増加することができるので、冷却効率を更に向上させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近では、モバイルコンピュータなどの電子機器の性能向上が顕著なため、電子部品の性能も向上し、それに伴って、電子部品の発熱量も増加している。このため、冷却装置の冷却効率を更に向上させることが望まれていた。また、上記のような冷却装置のヒートパイプは単なる熱輸送手段として用いられるに過ぎず、放熱効率の向上の点で改善の余地があった。
【0011】
この発明は、上記の事情を背景にしてなされたものであり、冷却効率が高い電子素子の冷却装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、電子素子で生じた熱を熱拡散板に伝達するとともに、ファンによる送風で熱拡散板から放熱させる電子素子の冷却装置において、前記熱拡散板が平板型ヒートパイプとされるとともに、その一部が前記ファンの外周に沿って屈曲もしくは湾曲され、かつ前記ファンのハウジングに、ブレードの回転方向に並べて、前記屈曲もしくは湾曲した平板型ヒートパイプの一部に対して送風する複数の吹き出し部が形成され、さらに前記各平板型ヒートパイプの少なくとも一部分に、前記電子素子と接触する入熱部が形成されていることを特徴とする電子素子の冷却装置である。
【0013】
したがって、請求項1の発明によれば、前記冷却装置の平板型ヒートパイプに入熱部から熱が伝達されると、平板型ヒートパイプの内部の作動流体が蒸発し、その蒸気が温度および圧力の低い、前記平板型ヒートパイプの放熱部に流動する。そしてファンの複数の吹き出し部からの送風によって、前記作動流体の有する熱が放熱される。この前記吹き出し部は、ファンのハウジングのうち、ブレードの回転方向に形成されている。そのため、ファンが駆動すると、前記ブレードの半径方向に空気流が生じる。一方、前記吹き出し部に沿って平板型ヒートパイプの一部が配置されている。したがって、平板型ヒートパイプの形状が変形されたことにより放熱面積が増加される。そのため、前記平板型ヒートパイプの放熱性が向上し、電子素子の熱が効率よく放熱される。その後、作動流体が凝縮して液化する。液化した作業流体は、前記平板型ヒートパイプの内部に設けられたウイックの毛細管作用によって入熱部側に還流される。
【0014】
また、請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記ハウジングが多角形状に形成され、前記吹き出し部が前記多角形状の連続する二つの側面にそれぞれ設けられるとともに、上下面に開口が設けられて、前記ファンの吸気口とされていることを特徴とする電子素子の冷却装置である。
【0015】
したがって、請求項2の発明によれば、請求項1の作用に加えて、前記ハウジングが多角形状に形成されて、前記吹き出し部が前記多角形状の連続する二つの側面にそれぞれ設けられ、さらに前記ハウジングの上下面に吸気口が設けられている。そのため、前記ファンを起動すると、前記ハウジングの上下方向から吸気が行われて二方向に送風される。その後、前記各吹き出し部に沿って配置されている前記平板型ヒートパイプの一部分から強制冷却される。
【0016】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記平板型ヒートパイプのうち、前記吹き出し部に沿って配置されている部分に、一体化させた放熱フィンが配置されていることを特徴とする電子素子の冷却装置である。
【0017】
したがって、請求項3の発明によれば、請求項1または2の作用に加えて、前記平板型ヒートパイプのうち、前記吹き出し部に沿うように配置されている部分に放熱フィンが設けられているので、前記平板型ヒートパイプの放熱面積が増加されている。そのため、前記吹き出し口から送風されると、効率よく強制冷却される。
【0018】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の具体例を図面を参照して説明する。ここに示す例は、この発明の冷却装置を図示しないノートブック型パソコンに適用した例である。なお、この発明の適用はこのノートブック型パソコンに限定されず、適宜の機器に適用することができる。
【0019】
前記図示しないノートブック型パソコンの内部には、冷却装置1が配置されている。この冷却装置1には、平板型ヒートパイプ2と全体形状が正方形に形成されているファン3とが設けられている。ここに示す平板型ヒートパイプ2は、気密状態に密閉したコンテナ(中空密閉容器)の内部に、空気などの非凝縮性ガスを脱気した状態で水などの凝縮性の流体を作動流体として封入し、さらに前記作動流体を還流するためのウイックが設けられている熱伝導装置である。
【0020】
平板型ヒートパイプ2は、そのコンテナがL字型に形成され、その屈曲した内側の側面に沿わせて、平面視で正方形状のファン3が組み合わされている。ファン3には、ファンの一例としてマイクロファンが使用されているが、他のファンが使用されていてもよい。平板型ヒートパイプ2のL字形状の一方の先端部分には、入熱部4が設置されている。この入熱部4における下面部は、平坦面を成していて、そこにはCPUなどの電子素子5が密着状態で取り付けられている。また、平板型ヒートパイプ2には、熱伝導率が大きくかつ加工性の良好なアルミニウム等の材料で形成された薄板状の放熱フィン6が、平行に設置された放熱部7と、放熱部8とが設けられている。この放熱フィン6の形状は波形など適宜の形状でよい。放熱部7と放熱部8とは、互いに直角を成すように配置されている。したがって、放熱フィン6の間隙によって形成されている放熱部7および放熱部8の通風路同士が直角を成している。また、平板型ヒートパイプ2と放熱フィン6とは、ハンダ付けで固定されている。なお、平板型ヒートパイプ2と放熱フィン6との固定方法は、ハンダ付けに限定されず、他の方法でもよい。
【0021】
更に平板型ヒートパイプ2の近傍には、ファン3が設置されていて、適宜の手段によってパソコンケースに対して固定されている。このファン3は、設置状態での厚さ(高さ)が平板型ヒートシンク2の高さよりも小さい設定の中空平板状のハウジング3Aと、ハウジングの内部に収容された回転駆動するブレード3Bとを備えたいわゆる横型軸流ファンが採用されている。ハウジングにおける上下面には、円形状に開口した吸込口3Cおよび3Dが形成されており、またマイクロファン3における一側面部には、矩形状に開口した吹出口9および吹出口10が設けられている。したがって、ファン3は、前記吸込口3C,3Dから空気を吸い込み、ブレードの回転面での半径方向に送風するようになっている。
【0022】
平板型ヒートパイプ2とファン3とにおいて、前記吹出口9と放熱部7と、および吹出口10と放熱部8とが対向するように配置されている。また、吹出口9および吹出口10は、直角を成している。なお、吹出口9および吹出口10は、平板型ヒートパイプ2に対して離隔させてもあるいは密着させてもよい。したがって、ファン3を駆動させると、パソコンケースの内部の空気が、ハウジング3Aの内側に入り込むとともに、吹出口9および吹出口10から平板型ヒートパイプ2に向けて供給され、各放熱フィン6同士の間を通過してパソコンケースの外部に送り出される。なおファン3は、パソコンケースの内部に標準装備されるバッテリ(図示せず)の電力によっても駆動可能な構成であり、この発明のファンに相当するものである。
【0023】
したがって、上記の冷却装置1によれば、平板型ヒートパイプ2に電子素子5に生じた熱が伝達されると、平板型ヒートパイプ2の内部の作動流体が蒸発し、その蒸気が温度および圧力の低い、前記平板型ヒートパイプ2に設けられている放熱部7および放熱部8に流動する。そしてファン3の吹出口9および吹出口10からの送風によって、前記作動流体の有する熱が放熱される。
【0024】
吹出口9および吹出口10は、ファン3のハウジング3Aのうち、ブレード3Bの回転方向に形成されている。そのため、ファン3が駆動すると、前記ブレード3Bの半径方向に空気流が生じる。一方、吹出口9および吹出口10に沿って平板型ヒートパイプ2の一部が配置されている。
【0025】
したがって、平板型ヒートパイプ2の形状が変形されたことにより放熱面積が増加される。そのため、前記平板型ヒートパイプ2の放熱性が向上し、電子素子5の熱が効率よく放熱される。その後、作動流体が凝縮して液化する。液化した作業流体は、前記平板型ヒートパイプ2の内部に設けられたウイックの毛細管作用によって入熱部4側に還流される。
【0026】
また、前記ハウジング3Aが四角形状に形成されて、吹出口9および吹出口10が前記四角形状の連続する二つの側面にそれぞれ設けられ、さらにハウジング3Aの上下面に吸気口3Cおよび3Dが設けられている。そのため、前記ファン3を起動すると、前記ハウジングの上下方向から吸気が行われて二方向に送風される。その後、前記吹出口9および吹出口10に沿って配置されている前記平板型ヒートパイプ2の一部分から強制冷却される。
【0027】
また、平板型ヒートパイプ2のうち、吹出口9および吹出口10に沿って配置されている部分に放熱フィン6が設けられているので、前記平板型ヒートパイプ2の放熱面積が増加されている。そのため、吹出口9および吹出口10から前記放熱部7および放熱部8に対して送風されると、効率よく強制冷却される。
【0028】
上述の冷却装置1によると、平板型ヒートパイプ2に放熱部7および放熱部8が設けられており、それぞれ吹出口9および吹出口10に沿って配置されている。したがって、平板型ヒートパイプ2の形状を変えることで、放熱面積を増加することができる。そのため、平板型ヒートパイプ2の放熱性が向上し、電子素子5に生じた熱を放熱部7および放熱部8から効率よく放熱することができる。その結果、特に他のファン等の部品点数を増やすことなく、冷却装置1の冷却効率を向上することができる。
【0029】
また、ハウジング3Aが四角形状に形成されて、吹出口9および吹出口10が前記四角形状の連続する二つの側面にそれぞれ設けられ、さらにハウジング3Aの上下面に吸気口が設けられているので、前記ファン3を起動すると、前記ハウジング3Aの上下方向から吸気が行われて二方向に送風することができる。その結果、吹出口9および吹出口10に沿って配置されている前記平板型ヒートパイプ2の放熱部7および放熱部8を、同時に強制冷却することができる。そのため、冷却装置1の冷却効率を向上することができる。
【0030】
また、平板型ヒートパイプ2のうち、吹出口9および吹出口10に沿って配置されている部分に放熱フィン6が設けられているので、前記平板型ヒートパイプ2の放熱面積が増加することができる。そのため、ファン3の吹出口9および吹出口10から、前記放熱部7および放熱部8に対して送風されると、効率よく強制冷却することができる。
【0031】
また、平板型ヒートパイプ2がマイクロファン3を包持した状態に配置され、そのマイクロファン3からその平板型ヒートパイプ2に対して送風されるので、平板型ヒートパイプ2に対する強制冷却のための送風量が増大し、そのため冷却性能が高いうえに、全体としての構成がコンパクト化されるので、冷却装置1の配置の自由度を向上することができる。
【0032】
つぎに、この発明の他の例を示す。なお、上述の具体例と同一または同等の部材には、同一の符号を付けてその部材の説明を省略する。冷却装置11が、パソコンケースの内部に、配置されている。この冷却装置11には、平板型ヒートパイプ12と全体形状が正方形に形成されているファン13とが設けられている。
【0033】
平板型ヒートパイプ12は、そのコンテナが平面視でコの字型に形成され、その屈曲した内側の側面に沿わせて、ファン13が組み合わされている。さらに、前記コの字形状の一方の直角部分からは、平板型ヒートパイプ12が突出しており、入熱部4とされている。この入熱部4における下面部は、平坦面を成していて、そこにはCPUなどの電子素子5が密着状態で取り付けられている。また、平板型ヒートパイプ12には、熱伝導率が大きくかつ加工性の良好なアルミニウム等で形成された薄板状の放熱フィン6が平行に設置された放熱部7と放熱部8と、さらに放熱部14が設けられている。この放熱部7および放熱部8と、放熱部7および放熱部14とは、互いに直角を成すように配置されている。
【0034】
ファン13には、吹出口9と吹出口10と、さらに吹出口15とが設けられている。この吹出口9,10が、放熱部7,8と対向するように配置されている。さらに、吹出口15と放熱部14とが対向するように配置されている。この吹出口9および吹出口15と、吹出口10および吹出口15とは、互いに直角を形成しており、その結果、ファン13は、三方向に送風できるようになっている。
【0035】
したがって、上記の冷却装置11によれば、平板型ヒートパイプ12に電子素子5に生じた熱が伝達されると、平板型ヒートパイプ12の内部の作動流体が蒸発し、その蒸気が温度および圧力の低い、前記平板型ヒートパイプ12に設けられている放熱部7と放熱部8と放熱部14とに流動する。そしてファン3の各吹出口による三方向の送風によって、作動流体の有する熱が放熱される。したがって、平板型ヒートパイプ12の形状が変形されたことにより放熱面積が増加される。そのため、前記平板型ヒートパイプ12の放熱性が向上し、前記各放熱部から効率よく放熱される。その後、作動流体が凝縮して液化する。液化した作業流体は、平板型ヒートパイプ12内部のウイックによる毛細管作用によって入熱部4側に還流される。
【0036】
また、平板型ヒートパイプ12がファン13を包持した状態に配置され、そのファン13からその平板型ヒートパイプ12に対して送風されるので、平板型ヒートパイプ12に対する強制冷却のための送風量が増大し、そのため冷却性能が高いうえに、全体としての構成がコンパクト化される。
【0037】
上述の冷却装置11によると、冷却装置1と同等の効果に加えて、平板型ヒートパイプ12に設けられた三つの放熱部が各吹出口に対向して配置されている。したがって、平板型ヒートパイプ12の形状を変えることで、上述の平板型ヒートパイプ2よりもさらに放熱面積を増加することができる。そのため、特に他のファン等の部品点数を増やすことなく、平板型ヒートパイプ12の放熱性が向上する。その結果、さらに冷却効率を向上することができる。
【0038】
なお、上記の冷却装置では、平板型ヒートパイプ2をL字型,平板型ヒートパイプ12をコの字型としたが、この発明は上記の構造に限定されず、例えばC字型などでもよい。要は、側面の一部がファンの輪郭に合わせて屈曲もしくは湾曲していればよい。換言すれば、ファンの周縁部を包持できて、収納できる形状であればよい。また、ファン3をマイクロファンとしたが、これは上記に限定されず、要は、吹き出し方向が半径方向のものであればよい。
【0039】
また、上記の冷却装置では、ファンの周縁部に吹出口が2箇所または、3箇所に設けられたが、この吹出口の個数は、上記の吹出口の個数に限定されない。要は、ファンに設けられたブレードの回転方向の何割かが開口されて、複数の吹出口とされていればよい。したがって、ファンの周縁部に適宜の個数の吹出口を設けることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、冷却装置の熱拡散板が平板型ヒートパイプとされており、その一部分がファンのハウジングに設けられた複数の吹出口に対して配置されている。したがって、平板型ヒートパイプの形状を変えることで、放熱面積を増加することができる。そのため、平板型ヒートパイプの放熱性が向上し、電子素子に生じた熱を前記放熱部から効率よく放熱することができる。その結果、特に他のファン等の部品点数を増やすことなく、冷却装置の冷却効率を向上することができる。
【0041】
また、請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加えて、前記ハウジングが多角形状に形成されて、前記吹出口が前記四角形状の連続する二つの側面にそれぞれ設けられ、さらにハウジングの上下面に吸気口が設けられているので、前記ファンを起動すると、前記ハウジングの上下方向から吸気が行われて二方向に送風することができる。その結果、複数の各吹出口に沿って配置されている前記平板型ヒートパイプの一部分を、同時に強制冷却することができる。そのため、冷却装置の冷却効率を向上することができる。
【0042】
また、請求項3の発明によれば、請求項1または2の効果に加えて、平板型ヒートパイプのうち、前記各吹出口に沿って配置されている部分に放熱フィンが設けられているので、前記平板型ヒートパイプ2の放熱面積を増加することができる。そのため、ファンの前記吹出口から、前記平板型ヒートパイプに対して送風されると、効率よく強制冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る冷却装置の一具体例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す冷却装置の平面図である。
【図3】この発明に係る冷却装置の他の具体例を示す平面図である。
【符号の説明】
1,11…冷却装置、 2,12…平板型ヒートパイプ、 3,13…マイクロファン、 3A…ハウジング、 3B…ブレード、 3C,3D…吸気口、 4…入熱部、 5…電子素子、 6…放熱フィン、 7,8,14…放熱部、 9,10,15…吹出口。
Claims (3)
- 電子素子で生じた熱を熱拡散板に伝達するとともに、ファンによる送風で熱拡散板から放熱させる電子素子の冷却装置において、
前記熱拡散板が平板型ヒートパイプとされるとともに、その一部が前記ファンの外周に沿って屈曲もしくは湾曲され、かつ前記ファンのハウジングに、ブレードの回転方向に並べて、前記屈曲もしくは湾曲した平板型ヒートパイプの一部に対して送風する複数の吹き出し部が形成され、さらに前記各平板型ヒートパイプの少なくとも一部分に、前記電子素子と接触する入熱部が形成されていることを特徴とする電子素子の冷却装置。 - 前記ハウジングが多角形状に形成され、前記吹き出し部が前記多角形状の連続する二つの側面にそれぞれ設けられるとともに、上下面に開口が設けられて、前記ファンの吸気口とされていることを特徴とする請求項1に記載の電子素子の冷却装置。
- 前記平板型ヒートパイプのうち、前記吹き出し部に沿って配置されている部分に、一体化させた放熱フィンが配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子素子の冷却装置。
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