JP2004038536A - 光学素子の測定方法 - Google Patents

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余平 哲也
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Abstract

【課題】本発明は、複雑な形状をした光学素子自身の相対的な位置関係、もしくは複数の光学素子間の相対的な位置関係や光軸を、より簡単に、低コストに測定でき、かつ汎用性に優れた光学素子の測定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の光学素子の測定方法は、先ず、光学素子全体を位置決めし、任意の位置決め位置との誤差が小さくなるように位置を微調整する。そして、各素子部材の形状又は位置情報を含む光学的特性情報を、予め校正された光学系を有する光電変換手段によって光電変換して電気信号の画像情報を得る。その後、必要に応じて補正手段で補正し、画像情報を解析し、解析した画像情報に基づいて各素子部材と光電変換手段の相対的位置を変える。各素子部材に対して上記肯定を繰り返しながら得られた各素子部材の画像情報に基づいて各素子部材と光電変換手段の相対的位置を測定する。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学素子の測定方法に関し、詳細には両凸レンズ、レンズ面とプリズム面を有する光学素子、格子の刻まれたレンズ、切り欠きのあるプリズム、それらのアレイ状の光学素子など、複雑な形状をした光学素子自身の相対的な位置関係、もしくは複数の光学素子間の相対的な位置を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複雑な光学素子、例えば、コピー機やプリンタ内部で使用される書込み光学系、読み取り光学系、具体的には等倍結像素子、fθレンズ、プロジェクターに用いるマイクロレンズアレイなど、また光ディスクなどのピックアップレンズ、また光通信機器などに用いられる微小光学素子などを開発、製造するには光学素子間の位置関係について、測定、検査などを行い、素子が所望の形状特性、所望の位置関係に収まっているかどうかを判断する必要がある。しかし、これらの光学素子の位置関係、例えば平板のアライメントマーク、V溝、レンズ面の中心、曲率中心、光軸、プリズム面稜線などの、それぞれの相対的位置関係を正確に把握することは困難であった。特に、光学素子が小型になればなるほど測定は困難で、従来は測定したい箇所を切断し、その切断面を顕微鏡で観察するという破壊検査が行われることもあった。しかしながら、切断時に発生する熱や応力による光学素子の変形に伴う影響や破壊検査のため位置関係を把握するには、他の全ての要素を測定してからでないと測定できないため、開発効率が悪かった。よって、こういった微小もしくは複雑な形状を持つ光学素子の位置関係を把握する装置、中でも小さく、または複雑な形状をした光学素子、またはそれらの光学素子が1次元あるいは2次元状に集まったものの、相対的位置関係を明らかにする装置が必要とされている。そこで、従来より光学素子間の距離情報を得るための測定方法がいくつか提案されている。
【0003】
ここで、従来の測定方法について以下に説明する。従来の測定方法としては、能動型計測法及び受動型計測法に大別されている。この内、能動型計測法にはモアレ法、干渉法など、受動型計測法にはレンズ焦点法、単眼視検出法などがある。能動型計測方法は、光のスポットや干渉縞のパターンを対象物体に投影して検出して測定するので、高精度な測定が可能であり、工業分野では良く使われる手法である。一方、受動型計測方法は、対象物からの光学的な特徴を検出することが多いので、正確な測定というよりは手軽で安価な測定手段として認知されている。
【0004】
これらの能動型計測方法及び受動型計測方法ともに距離情報を知るためのものであり、どちらの手法が用いられるかは対象物の特性と要求される精度仕様によって異なる。中でも、レンズ焦点法は、レンズの焦点位置の画像がピント合っているという、簡単な原理に基づいた距離計測方法であるので、人物像や風景像を撮影する1眼レフカメラのような、比較的、ラフな焦点位置合わせでも良いものには多用されている。この場合、レンズの焦点位置での画像はコントラストがはっきりしているが、それ以外の場所の画像はぼけている。レンズ焦点法では焦点位置の画像情報は取得できるが、それ以外の場所の画像情報は所得困難である。レンズ焦点法では、移動機構と組み合わせることで深さ方向の情報が入手できるが、焦点が合っていれば横方向の情報も取得可能である。そこで、焦点深度の深いレンズ系を用いて、フォーカスされている領域の深さ情報と横方向の情報を取得する方法がある。この方法を用いると、位置ずれを検出できるが、一般的に焦点深度の深い光学系は解像度が悪くなる傾向があり、精密な測定には不向きとされる。例えば、基板に配置されたチップの位置ずれを見る場合などは、表面の凹凸に対応した焦点深度を持つ光学顕微鏡を用いることで測定できるが、実装されるチップの高さによっては用いるレンズの焦点深度が不十分であったり、逆に焦点深度は十分であっても解像度が悪くなったりする場合がある。また、片面だけでなく、両面に形成されたチップやパターンを観察する場合は、表面のパターンと裏面のパターンを観察する必要があるため、従来の光学顕微鏡だけでは観察しにくい。この問題を解決する方法として、基板の両側に顕微鏡を配置する構成が考えられるが、2つの顕微鏡の光軸を合わせることが難しく、光軸を合わせた後もそれを維持することが困難であった。更に、装置が大型化するという欠点もあった。
【0005】
一方、半導体などの分野では、フォトリソグラフィを用いて製造することが多い。この際には、マスクとウェハを0.01μmオーダで精密に位置合わせする必要がある。フォトリソグラフィの工程では、平行あるいは平板形状といった比較的単純形状の光学素子が多く、精度が要求されるが、アライメント方法及び計測方法は多くの例が報告されている。例えばステッパーやX線アライナーにおけるアライメント方式は、パターン計測方法と回折光を利用した方式に大別される。回折光を利用した方式は例えば特開平2−51217号公報に詳しく述べられている。これらいずれの方式にも一長一短あるが、いずれも共通してコスト高である。
【0006】
また、特開2000−276233号公報(以下従来例1と称す)には、複数台の赤外線撮像装置がXY面に直交する共通光軸を介して各ワークを一方向から同軸的に撮像する位置ずれ検出装置が提案されている。詳細には、撮像光学系の撮像装置として赤外線撮像装置を用いているので、ワークが可視光を透過しない不透明なものであっても、赤外光を透過する材質で形成されていれば、その赤外光によりワークを透かしてアライメントマークを撮像できる。したがって、撮像光学系をワークの間に進退させる必要はなく、ワークの位置合わせを行う場合に、そのクリアランスを極めて小さく設定することができ、各ワークを重ね合わせるときの移動距離も短くなる。また、各赤外線撮像装置の合焦領域は、夫々のアライメントマークを択一的に撮像できる位置に設定されているので、一つの赤外線撮像装置で2つのアライメントマークを同時に撮像することはない。したがって、各撮像装置の出力信号に基づいてアライメントマークの座標を算出する場合に、夫々の画面には一つのアライメントマークしか撮像されないので、その画像信号に基づいて各アライメントマークの中心座標を容易に求めることができる。
【0007】
更に、特開平9−146007号公報(以下従来例2と称す)には、光軸上の複数の点を同時に重ねて観察することができ、露光装置の位置合わせ用光学顕微鏡に適用した場合には、マスクと基板、既存のパターンとマスク、マスクとマスクなど離れた複数の素子を同時に重ねて観察することができ、したがって容易に位置合わせを行うことができるよう適切に構成した光学系が提案されている。詳細には、回折光学素子を含まない照明光学系と、回折型レンズ、正パワーを有する少なくとも一つの屈折レンズ素子、及び負パワーを有する少なくとも一つの屈折レンズ素子を含む屈折レンズ系からなる観察光学系とを有する光学系であって、回折型レンズを、これにより生成される強度が最も強い回折次数の回折光の強度に対して、70%以上の強度を有する別の回折次数の回折光を生成するよう構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例1によれば、Z軸を動作させることなく測定できるが、段差の高さを変更することはできない。また、平行平板など決まったワークでなくてはならず、汎用性に乏しい。更に、倒れがあると水平方向の位置測定に誤差となり測定精度に大きく影響するが、従来例1ではワークと光学系の光軸の倒れは検出できない。
【0009】
また、上記従来例2によれば、光学系に使用されるレンズには高度な設計、製作技術が要求されるので、生産設備が大掛かりになり、コストも増大する。また、ワークは厚さがほぼ一定の平行平板など、特定の形状に対応した設計になるため、ワーク形状が変わると光学系そのものを変更しなくてはならない可能性もあり、計測装置としての汎用性に乏しい。更に、従来例2によってもやはりワークと光学系の光軸の倒れは検出できない。
【0010】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、複雑な形状をした光学素子自身の相対的な位置関係、もしくは複数の光学素子間の相対的な位置関係や光軸を、より簡単に、低コストに測定でき、かつ汎用性に優れた光学素子の測定方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、光学素子を構成する複数の形状特性を持つ各素子部材の相対的な位置を測定する、本発明の光学素子の測定方法は、光学素子全体を位置決めし、任意の位置決め位置との誤差が小さくなるように位置を微調整する第1の工程と、各素子部材の形状又は位置情報を含む光学的特性情報を、予め校正された光学系を有する光電変換手段によって光電変換して電気信号の画像情報を得る第2の工程と、必要に応じて補正手段で補正し、画像情報を解析し、解析した画像情報に基づいて各素子部材と光電変換手段の相対的位置を変える第3の工程とを有し、更に各素子部材に対して第2の工程及び第3の工程を繰り返しながら得られた各素子部材の画像情報に基づいて各素子部材と光電変換手段の相対的位置を測定する。よって、複雑な形状をした光学素子を単品、もしくはアレイ状に配列されているにかかわらず、比較的簡素な構成で、非破壊的手法で、高速、高精度、非接触に軸の倒れを比較的簡単に補正し、もしくは測定時に軸の倒れの影響を受けにくく測定することが可能となる。
【0012】
また、位置情報を各素子部材に形成された加工痕跡とし、そして各素子部材の加工痕跡と曲率中心の検出位置に基づいて光学系の光軸を算出することにより、光学系のレンズ等に形成されている加工痕跡から当該レンズ等の光軸を算出し、簡単に光学系の光軸との位置関係を明らかにすることができる。
【0013】
更に、位置情報を各素子部材の所定位置に形成されたアライメントマークとし、そして各素子部材のアライメントマークと曲率中心の検出位置に基づいて光学系の光軸を算出することにより、光学系のレンズ等に形成されているアライメントマークから当該レンズ等の光軸を算出し、より簡単に、かつ精度よく、光学系の光軸との位置関係を明らかにすることができる。
【0014】
また、算出した光軸と光学系の光軸との角度誤差に応じて画像情報に補正を施すことにより、位置の微調整をしなくても軸倒れの影響による測定誤差を排除できる。
【0015】
更に、算出した光軸と光学系の光軸との角度誤差に応じて両軸が平行になるように位置調整することにより、光学素子にそりなどの変形があっても、レンズ光軸と測定軸を平行にさせることができ、そして軸倒れの影響による測定誤差を排除できるので補正をしなくても高精度に測定することが可能になる。
【0016】
また、補正手段は、光学素子の少なくとも3箇所を測定して光学素子の変形に伴う変形情報を算出し、当該変形情報に基づいて画像情報を補正する。よって、光学素子にそりなどの変形があっても、補正をすることで高精度に測定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の光学素子の測定方法は、先ず第1の工程として、光学素子全体を位置決めし、任意の位置決め位置との誤差が小さくなるように位置を微調整する。そして、第2の工程として、各素子部材の形状又は位置情報を含む光学的特性情報を、予め校正された光学系を有する光電変換手段によって光電変換して電気信号の画像情報を得る。その後、第3の工程として、必要に応じて補正手段で補正し、画像情報を解析し、解析した画像情報に基づいて各素子部材と光電変換手段の相対的位置を変える。各素子部材に対して第2の工程及び第3の工程を繰り返しながら得られた各素子部材の画像情報に基づいて各素子部材と光電変換手段の相対的位置を測定する。
【0018】
【実施例】
図1及び図2は本発明の一実施例に係る光学素子の測定方法による測定する被測定対象物の光学素子を示す図である。
はじめに、図1の(a)に示すような平行平板11や図1の(b)に示すような平凸レンズ12を考える。図1の(a)のように単なる平行平板の場合もあるが、図2にあるように何らかのアライメントマークや形状に特徴、例えば図2の(a)に示すように表面には中心に1個の十字マーク13があって裏面には2重円マーク14がある平行平板11、また図2の(b)に示すように表面には複数の十字マーク13があって裏面にはV溝15が加工してある平行平板11、更に図2の(c)に示すように表面にはV溝15があって裏面には段付き溝16が加工されている平行平板11が用いられることがある。このときこれらの平板の表面と裏面の位置関係が知りたい場合、例えば表裏のアライメントマークのずれを知りたい場合、あるいはV溝とアライメントマークの位置関係を知りたいといった場合には図3に示すような構成で測定を実施する。図3の(a)に示すように、このとき測定する光学素子は表面に十字マークのアライメントマーク21、裏面に2重円マークのアライメントマーク22が記された平行平板11とする。事前にメカ系と光学系の誤差は校正手段(図示せず)によって校正されているものとする。光源(図示せず)の光を光ファイバ(図示せず)によって導光し、光源の熱が測定物に直接伝わらない状態で、光量を一定にし、光学素子の検出条件を一定化する。次に、光学素子ホルダ(図示せず)もしくは撮像デバイス31の検出手段に取り付けられたアライメント手段(図示せず)によって、光学素子と検出部の位置関係を測定に適した位置にアライメントする。このとき、アライメントの状況をセンサや、画像でモニタして最適位置に調整する制御機構を有してもよい。
【0019】
ところで、この装置に用いられるレンズ部32には焦点深度の浅いレンズ、例えば顕微鏡対物レンズなどが用いられている。通常は高さ方向に段差がある物体でも検出できるように焦点深度の深いレンズが用いられることが多いがこの方法では明るさと解像度の低下招くという欠点がある。そのため、本装置では焦点深度の浅いレンズを用いている。焦点深度が浅ければ、解像度を上げることができ、高精度測定が可能になる。また、焦点位置以外の深さ方向の情報が限られるので、目的形状以外の像やフレアやゴーストといった画像処理をする際のノイズに対して強くなり、またテレセントリック光学系を組む必要もないので、光学系の設計に比較的自由度があり明るさも確保しやすいというメリットがある。
【0020】
次に、本実施例の測定手順を図3に従って説明すると、先ず図3の(b)に示すように、上部焦点位置33に光学素子の十字マークのアライメントマーク21の位置が合うように、検出系もしくは被測定物の光学素子を位置調整する。焦点位置に一致すれば、レンズ部32を通過した光は撮像デバイス31で結像する。このとき画面に入るような適当な光学倍率を選んでいれば、十字マークのアライメントマーク21が検出される。次に、図3の(c)に示すように、下部焦点位置34に光学素子の2重円マークのアライメントマーク22の位置が合うように、検出系もしくは光学素子を位置調整する。このときレンズ部32を通過した光は撮像デバイス31で結像し、2重円マークのアライメントマーク22が検出される。なお、撮像デバイス31はCCDやC−MOSといったデバイスが用いられることが多い。相対的な運動が可能であればラインCCDでもよい。検出を安定させるために光源が必要であるが、例えば赤外線カメラの場合は光源がなくても撮像可能であり、被測定物の材質によっては遮光された背後の状態も検出可能な場合がある。ここで、十字マークのアライメントマーク21の上部観察像35と2重円マークのアライメントマーク22の下部観察像36は、解析手段、例えばコンピュータや電子計算機でそれぞれの画像情報が蓄えられており、その画像に適した解析処理がなされる。例えば、得られた画像が暗ければ明るさの補正処理、ノイズが多ければノイズ除去処理、アライメントマークのエッジを強調したければ微分処理を実施するなど、目的に応じた画像処理を実施し、画像の特徴を抽出する。また、特徴抽出後には画像認識、例えば十字マークを十字マークとして認識させる処理を実施する。このようにして、十字マークの交点の位置や同心円の中心位置を認識する。事前に校正がなされていれば、位置情報を定量的に、例えば半径10mmの円マークなどと解析することが可能である。
【0021】
次に、上部観察像35と下部観察像36を解析手段で比較することで、相対的な位置関係を明らかにする。例えば、上部観察像35の十字マークの交点を第1の位置とし、下部観察像36の円の中心を第2の位置とすると、それぞれの位置を比較することで上部と下部のアライメントマークの位置にずれがあるのかないのかが判明する。このとき校正がなされていれば、画像情報から定量的に、例えば上部は下部に対してX方向に+10μmずれていると測定が可能になる。あるいは予め2つの画像を合成し、その合成像37を解析して位置関係を明らかにしても、同様の結果を得ることができる。
【0022】
なお、本実施例では、アライメントマークといった、比較的高さが均一な形状のものであったが、光学素子にはレンズやプリズムといった高さの異なるものもある。このように高さが異なる場合には、レンズ部に用いているレンズ系の焦点深度が浅いことを利用して、光学系の光軸方向に少しずつ動かし、その都度画像を解析装置に蓄積し、解析手段で焦点の合った画像部分のみを抽出し、それら複数の画像情報を合成すると、高さの異なる光学素子であっても全域に渡って焦点の合った画像を得ることができる。
【0023】
次に、図4にあるように平板とレンズ部からなる光学素子を用いた場合について説明する。通常、レンズ部は研削・研磨加工、あるいはプラスチック成形、ガラスモールドといった手法で作成される。このときレンズ部には工具の加工痕跡が残る場合がある。一般的に、この加工痕跡は十分小さく、光学素子の光学的特性にはほとんど影響を与えない場合が多い。そこで、この加工痕跡を利用して光学素子の位置関係を抽出することができる。もちろん、加工痕跡だけでなく、光学特性に影響を与えない範囲でアライメントマークを取り付けてもよい。何らかのアライメントマークや形状に特徴がある、例えば図4の(a)に示すようなレンズ面に同心円マーク41があるものや図4の(b)に示すようなレンズ面にうずマーク42があるもの、そして図4の(c)に示すようなレンズ面にらせんマーク43があるものがある。これらのマークは、加工時の加工痕跡として刻まれる場合もあるし、光学素子の特性に影響ない範囲で任意に取り付けてもかまわない。また、図4の(a)に示すように裏面には何もない場合、図4の(b)に示すように裏面に2重円マーク44、また図4の(c)に示すように十字マーク45が記されている場合などがある。
【0024】
これらの位置関係を把握するためには、図5に示すような構成で測定を実施する。装置構成そのものは図3で説明した構成と同様である。なお、測定する光学素子は、表面をうず状の加工痕跡51のあるレンズ面とし、裏面を十字のアライメントマーク52が記された平板を組み合わせた平凸レンズであるとする。ここでいう加工痕跡とは、例えばプラスチック成形光学素子であれば、製作には金型と金駒が必要となってくるが、この金駒にレンズ面を加工する際に、工作機械によって、同心円状、渦状、らせん状の加工痕跡が残る場合がある。この加工痕跡が成形時にプラスチックに転写される場合があり、ここではそのようなものを総称している。この加工痕跡は十分に小さいので、光学素子の光学的特性にはほとんど影響を与えない。通常、これらの加工痕跡は観察してもはっきりしないことが多いが、高倍率にするなど光学系を工夫することによって安定して観察できる。もちろん、光学特性に影響が大きくない範囲で、アライメントマークを付加してもよい。アライメントマークには、印字や印刷、工具による切り込み、接着剤による貼り付け、同質材の添加などがある。
【0025】
先ず、図5の(b)に示すように、上部焦点位置33に光学素子のうず状の加工痕跡51の位置が合うように、検出系もしくは光学素子を動かす。このときレンズ部32を通過した光は撮像デバイス31で結像し、画面に入るような適当な倍率を選んでいれば、うず状の加工痕跡51が検出される。次に、図5の(c)に示すように、十字のアライメントマーク52に焦点が合うように検出系もしくは光学素子を動かす。このときレンズ部32を通過した光は撮像デバイス31で結像し、曲率中心画像が検出される。ここで、うず状の上部観察像53と十字状の下部観察像54は、解析手段、例えばコンピュータにその画像情報が蓄えられており、それぞれの画像に適した解析処理がなされる。例えば、得られた画像が暗ければ明るさの補正処理、ノイズが多ければノイズ除去処理、アライメントマークのエッジを強調したければ微分するなど、目的に応じた画像処理を実施し、画像の特徴を抽出する。
【0026】
次に、解析手段によって上部観察像53と下部観察像54を比較することで、相対的な位置関係を明らかにする。例えば、上部観察像53のうず画像の中心位置を第1の位置とし、下部観察像54の十字の交点の位置を第2の位置とすると、それぞれの位置を比較することで上部と曲率中心の位置にずれがあるのかないのかが判明する。上部のアライメントマークの位置とレンズ中心の関係が明らかになっていれば、十字のアライメントマークとの相対的位置関係が把握され、解析手段によってレンズ面の光軸を推定することができる。
【0027】
なお、図5に示すような平行平板と平凸レンズで構成する光学素子を説明したが、それ以外の形状でももちろんかまわない。例えば、図6の(a)に示すようなプリズム61は上部に十字マークのアライメントマーク62と下部にプリズム面63を持つ光学素子であるが、図3の方法と同様に、上部ではアライメントマーク62を、下部ではプリズム面63の稜線64の画像をそれぞれ取得し、解析手段で得られた画像情報を解析すると十字マークのアライメントマーク62とプリズム面63の稜線64との相対的な位置ずれを測定することができる。同様に、図6の(b)に示すような、うず状マークのアライメントマーク65とプリズム面63の稜線64の関係や、図6の(c)に示すような、変形した十字マークのアライメントマーク66と変形したプリズム面67の相対的位置関係でも同様である。なお、透過率や反射率の違いを利用して検出してもよい。例えば、プリズムの各面の透過率や反射率が異なっている場合には戻り光の強度を、検出することで位置関係を特定することも可能である。
【0028】
また、図7の(a)に示すようなレンズ面72とプリズム面73を持つ光学素子71、上部にプリズム面74と下部にもプリズム面75を持つ光学素子71の相対的位置関係の測定も可能である。例えば、図8の(a)に示すような十字マークのアライメントマーク81や図8の(b)に示すようなうず状マークのアライメントマーク82の入ったレンズ面72とプリズム面73を持つ光学素子71の相対的位置関係の測定も可能である。ここで、図8の(b)に示すようにうず状マークはアライメントマークだけではなく加工痕跡でもよい。また、凸レンズだけでなく、図8の(c)に示すように凹レンズ83の場合も同様に測定できる。
【0029】
これまでは、単一の光学素子で説明してきたが、図9のように、1次元状に集積された光学素子91、2次元状に集積された光学素子92でも、同様の測定が可能である。この場合は、光学素子単体の位置関係のほかにも、複数の光学素子の位置関係についても測定できる。
【0030】
次に、本発明に係る測定装置を利用した光学的特性による測定について説明する。詳細には、光学素子のレンズ面と曲率中心、あるいは裏面との位置関係が知りたい、例えばレンズ面の光軸を算出したい、レンズ光軸と裏面の位置関係を知りたいといった場合の測定について説明する。
【0031】
これらの位置関係を把握するためには、図10に示すような構成で測定を実施する。装置構成そのものは図3で説明した構成と同様である。図10の(a)に示すように、ここでの測定する光学素子は表面がレンズ面で、裏面はプリズム面という光学素子とする。
【0032】
先ず、図10の(b)に示すように、上部焦点位置33に光学素子100のうず状の加工痕跡101の位置が合うように、検出系もしくは光学素子を位置調整する。このときレンズ部32を通過した光は撮像デバイス31で結像し、画面に入るような適当な倍率を選んでいれば、うず状のアライメントマークの上部観察像105が検出される。次に、曲率中心位置106に焦点が合うように検出系もしくは光学素子を位置調整する。このときレンズ部32を通過した光は撮像デバイス31で結像し、曲率中心画像107が検出される。なお、撮像デバイス31は通常のCCDやC−MOSでもよいし、相対的な運動が可能であればラインCCDでもよい。曲率中心を観察する場合には、光の重心位置を検出できればよいので、PSDなどの半導体光検出器を用いてもよい。検出を安定させるために光源が必要であるが、例えば赤外線カメラの場合は光源がなくても撮像可能である。
【0033】
次に、うず状の上部観察像105と曲率中心観察像107は、解析手段、例えばコンピュータにその画像情報が蓄えられており、それぞれの画像に適した解析処理がなされる。例えば、得られた画像が暗ければ明るさの補正処理、ノイズが多ければノイズ除去処理、アライメントマークのエッジを強調したければ微分する、光の重心位置の算出など、目的に応じた画像処理を実施し、画像の特徴を抽出する。そして、解析手段によって上部観察像105と曲率中心観察像107を比較することで、相対的な位置関係を明らかにする。例えば、上部観察像105のうず画像の中心位置を第1の位置とし、曲率中心観察像107の光重心の位置を第2の位置とすると、それぞれの位置を比較することで上部と曲率中心の位置にずれがあるのかないのかが判明する。このときレンズ中心と曲率半径中心を結んだ直線をレンズの光軸とみなすことができる。また、上部の加工痕跡とレンズ中心の関係が明らかになっていれば、曲率中心位置との相対的位置関係が把握され、解析手段によってレンズ面の光軸を推定することができる。更に、本装置の構成において光学系の光軸とレンズの光軸が平行であれば、加工痕跡またはアライメントマークから解析されるレンズ中心と、曲率中心の位置は、ほぼ同じ座標になる。言い換えれば、その2つの合成像は重なるはずである。逆に、重ならなければ光学系の光軸とレンズの光軸は平行ではなく、そのままでは位置測定に誤差を生じていると判断できる。このとき、図10の(a)に示すアライメントマーク102を用いて光軸を算出してもよい。例えば、アライメントマーク102の位置関係が判明していれば、アライメントマーク102と曲率中心位置から光軸を算出できる。ただし、アライメントマーク102は光学特性に影響を与える場合があるので、通常は光学特性に影響の少ない素子の周辺部に設置されることが多い。そうすると光学系の倍率が大きければ視野に入りきらない場合があるので、ステージで移動したり、倍率を落としたりする必要がある。また、ゴーストやフレア光などで曲率中心画像の取得が難しい場合などは、加工痕跡跡とアライメントマークから光軸を算出してもよい。しかし、この手法は曲率中心を用いる場合に比べて、一般的に精度は低下する。このように、複数の特性を解析することで、被測定物がレンズであればレンズの光軸を算出できる。
【0034】
次に、プリズムの上面のアライメントマークとプリズム稜線部の相対的位置ずれを測定する場合の測定誤差について考える。
図11はプリズム上部に記されたうず状マークとプリズム面のプリズム稜線部の位置関係を測定する様子を示す図である。
先ず、図11の(b)に示すようにプリズム上部に記されたうず状マーク111にレンズの焦点を合わせ、プリズム上部に記されたうず状マーク111の画像を撮像デバイス31で取得し、解析手段で特徴抽出を行い、上部観察像114を得る。次に、図11の(c)に示すようにプリズム面112のプリズム稜線部113にレンズの焦点を合わせて、下部観察像115を取得する。この2つの画像から上部と下部の相対的位置関係を検出する。この場合、図11の(d)に示すような合成像116は上部と下部の中心位置が一致しており位置ずれはないことがわかる。
【0035】
次に、上部と下部の位置関係がずれている場合について説明する。図12の(a)に示すように、うず状マーク121はうずの中心がプリズム上部の中心とはずれた所にマーキングされている。図11と同様に測定すると、図12の(d)に示すような合成像126では上部と下部の中心位置がずれていることがわかる。これによりプリズム面122の稜線123とうず状マーク121の相対的な位置ずれが測定できる。しかし、この測定方法は光学系の光軸と光学素子の位置関係が正しく設置されている場合にのみ正確に測定できる。例えば、図13では、うず状マーク131とプリズム面132の位置関係は図12と同様であるにもかかわらず、撮像デバイス31の光学系の光軸が倒れていた場合は、測定結果が図13の(d)に示すようにあたかもうず状マークがずれていたような合成像136が得られる。この光学系の光軸の倒れの影響は、精密さが要求されるほど誤差の割合として大きくなり、例えば、数μmオーダーでの位置ずれ測定では数分以内の光学系の光軸倒れしか許容できない。また、光学系の光軸が理想的な姿勢であったとしても、光学素子のセッティングが悪ければ、同様にずれが生じる。このように光学素子と、光学系の光軸の位置関係が正規の位置関係からずれている場合には正確な測定はできない。よって、極力倒れをなくす、あるいは倒れ量を補正する必要がある。
【0036】
そこで、光学素子がレンズ面を持っていれば、図10に示したようにレンズ中心と曲率中心の位置より光軸を算出し、この誤差の影響を排除する。例えば、光学系の光軸とレンズ光軸が平行でなく倒れがある場合は、レンズ中心の位置と曲率中心の位置が撮像デバイス上で異なった位置にずれて結像される。そこでこのすれ量を解析することによって、倒れ量(角度)が判明するので、測定データに補正をかけて、光学系の光軸とレンズ光軸の倒れによる測定誤差を排除することができる。また、倒れ量(角度)がわかれば、アライメント機構で倒れ量が小さくなるように位置調整することも可能である。この場合は倒れ量(角度)が小さくなり、光学系の光軸とレンズ光軸がほとんど平行になるため、測定データに倒れによる補正を実施する必要がない場合が多い。
【0037】
これらの手法を用いることで、被測定物がレンズであればその光軸を算出し、光学系の光軸と平行であるかどうか、またその倒れ量(角度)を測定することができる。平行でない場合には、倒れ量(角度)より、測定データから倒れ量を補正したり、アライメント装置で倒れ自体を無くすことで、高精度に測定することができる。
【0038】
次に、上述した測定方法を用いてアレイ状の光学素子の測定装置について図14を用いて説明する。
図14において、光学素子の測定装置は、除振台(図示せず)上に光学素子の位置調整治具として、XYステージ201、回転ステージ202、弾性ヒンジ204とアクチエータ203と球面ジョイント203とを含んで構成されているリンク式アライメント機構205、光学素子設置用天板206、光学素子取付け用のホルダ207を有している。検出系は、検出部ベース208にXYステージ216、焦点位置調整用にZ軸ステージ215を有している。光学系210は、長作動かつ焦点深度の浅い顕微鏡対物レンズ209と光源211、偏光ユニット212、CCD取付け部213、光電変換ユニットとして高画素のCCDニット214を有している。
【0039】
先ず、ホルダ207に被測定物の光学素子をセットし、位置調整治具に取り付ける。この光学素子は図15の(a)に示すようなレンズ面152,153を2個、ルーフプリズム面154を1個もつ光学素子151で、ルーフプリズムレンズ(RPLA)とも呼ばれている。ここではレンズ面153が上になるように、すなわちレンズ面153の光軸と光学系の光軸が平行になるように光学素子をセットする。この光学素子は1個の場合もあるが、多くの場合、図15の(b)に示すようにこの光学素子を複数個並べたルーフプリズムレンズアレイ155として使用する。このときレンズ面156,157、プリズム面158は規則正しく並んでおり、位置情報取得用にアライメントマーク159,160が記されている場合もある。この素子の場合、さらに数十個から数百個並べて、FAX、複写機、プリンタなどの読み取りレンズや書込みレンズとして用いることもある。
【0040】
次に、図14の光学素子の測定装置の動作について説明すると、先ず光学素子を光学系の光軸に対して適正な位置になるようにXYステージ201、回転ステージ202、リンク式アライメント機構で位置調整を実施する。そして、図15の(a)のレンズ面153に焦点が合うようにZ軸ステージを下方向に動かす。ところで、このようなアレイ状の光学素子はプラスチック成形やガラスモールドで製作されることがある。プラスチック成形であれば、金駒には作成する際に工作機械によってつけられた、微小な加工痕跡が残る場合がある。例えば、レンズ金駒を旋盤で加工した場合は、工具刃先によって加工された加工痕跡がうず状、あるいはらせん状に形成される。高精度な光学素子を成形するためには、高精度な金型転写技術が必要であり、その結果、金型に形成された微小な加工痕跡は、プラスチック成形品に転写される。プラスチックに転写された加工痕跡は、微小なためそのままでは視認しにくいが、倍率を上げるなどの工夫によって、その加工痕跡跡画像を撮像デバイスから取得できる。次に、Z軸ステージ215を下に動かして、曲率中心に焦点が合うように位置調整を実施する。このときの曲率中心画像を取得する。そして、Z軸ステージ215を下に動かして、図15の(a)のプリズム面154に焦点が合うように位置調整を実施する。このときプリズム面の稜線部は光学系の光軸に対して45°の角度をなしているが、相対的な位置ずれを検出するのが目的であるので、停止位置の精度もそれほどは厳しい仕様は要求されない。次に、Z軸ステージ215を下に動かして、図15の(a)のレンズ面152に焦点が合うように位置調整を実施する。このときレンズ面153と同様に加工痕跡跡画像を取得できる。
【0041】
このように、複数の画像情報を入手することで相対的位置ずれ情報、例えば、レンズ面153とプリズム面154の稜線部の横方向位置ずれや、レンズ面153とレンズ面152の位置ずれを検出できる。
【0042】
ところで、アレイ状の光学素子の場合、そりなどの変形が測定誤差に影響を及ぼす場合がある。図16のように、レンズ面161とプリズム面162の位置ずれを測定する場合、ルーフプリズムレンズ中央部163は誤差の混入も少なく測定できるが、それに対しルーフプリズムレンズ左端部164、ルーフプリズムレンズ右端部165の測定の場合は、光学素子アレイのそりによる曲がりがあるために、光学系の光軸と平行でなくなり、倒れによる測定誤差が発生する。
【0043】
この問題を解決するには、図17のように、少なくとも3箇所の位置情報を予め測定しておき、光学素子のそりを算出し、凸状のそりの場合、凹状のそりの場合に合わせて、測定データに補正をかける方法がある。また、光学素子アレイが平行になるように、両端部付近で測定し、位置調整治具で光学系の光軸に対して倒れが小さくなるように調整する方法がある。しかし、これらの方法はそりが凸状もしくは凹状の場合を想定しており、S字状のそりを持つ場合には乖離部171が発生し、測定誤差となる部分が生じてしまう。そこで、曲率中心を利用して光学素子の位置合わせを行う。図10に示す例と同様に、レンズ面のアライメントマークや加工痕跡からレンズ中心を割り出し、曲率中心位置を測定することで、その光学素子の光学系の光軸に対するレンズ光軸の倒れを測定することができる。倒れ量がわかれば、位置調整治具で光学素子の姿勢を変化させて、光学系の光軸に対してレンズ光軸がほぼ平行になるまで位置調整を行う。両者の軸が平行になった時点で測定を開始すれば、軸倒れの影響は排除される。もちろん、倒れ量がわかっているので、測定データに補正をしても軸倒れによる誤差は排除できる。
【0044】
この方法を用いれば、事前に光学素子アレイのそりを測定することなく、測定データの倒れ量補正をする必要がなく、S字状はもとより、大きくそっている光学素子アレイでも正確に測定することができる。
【0045】
その他にもさまざまな誤差の混入が考えられるが、本実施例のように相対的位置関係を明らかにする場合には撮像デバイスの取付けにより取得画像に回転方向誤差が考えられる。この誤差は光学系の光軸に対する撮像デバイスの自転に相当するものである。この誤差があると、例えば本来はプリズム稜線が垂直に撮像されるものが、斜めに撮像されたりする。この誤差を小さくするために、予め校正を実施する。まず平面度の出ている定盤に光学系を固定し、同じく定盤上に固定されたナイフエッジやストレートエッジを撮像デバイスで撮像し、そのとき得られる角度誤差を初期校正値とする。光学素子を測定する場合には測定値に校正値から得られた値で補正をすることで、撮像デバイスの自転による測定誤差を除去できる。また、光学系には長作動カかつ焦点深度が浅い特殊な光学系を使用している。光学系は十分注意を払って設計されてはいるが、完全には収差をとりきれていない。なかでも像面歪曲は定量的な位置測定に対しては誤差要因となる。そこで、平面度の出ている定盤に光学系を固定し、チャート、例えば図18に示すような格子状チャート181やレチクルを撮像し、その取得画像182から周辺部の画像歪曲の値を算出する。この値を初期校正値とする。光学素子を測定する場合には測定値に校正値から得られた値で補正をすることで、光学系の収差による測定誤差の影響を除去できる。
【0046】
また、位置調整治具と光学系の光軸の垂直配置は重要であるが、使用していくうちにずれが生じる場合がある。そこで常に垂直に配置されていることを確認するために、位置調整治具上に配置されたマスターチャートの画像を読み取る。本装置の光学系は焦点深度が浅いレンズを使用しているので、光学系の光軸と位置調整治具の直交性が失われると、XYステージを動かしてチャートを見た場合に、焦点の合わない位置が出てくる。よって、測定前にこのチャートをスキャンし焦点が合っていれば、光学系の光軸と位置調整治具の直交性が確保されていることが確認できる。上記のような測定手順で光学素子を測定する。なお、光学素子アレイでは、一度に視野に入りきらない場合がある。そのような場合には図14のXYステージ201,216や回転ステージ202を動かして、撮像デバイスの視野に入れて逐次測定していく。
【0047】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、光学素子を構成する複数の形状特性を持つ各素子部材の相対的な位置を測定する、本発明の光学素子の測定方法は、光学素子全体を位置決めし、任意の位置決め位置との誤差が小さくなるように位置を微調整する第1の工程と、各素子部材の形状又は位置情報を含む光学的特性情報を、予め校正された光学系を有する光電変換手段によって光電変換して電気信号の画像情報を得る第2の工程と、必要に応じて補正手段で補正し、画像情報を解析し、解析した画像情報に基づいて各素子部材と光電変換手段の相対的位置を変える第3の工程とを有し、更に各素子部材に対して第2の工程及び第3の工程を繰り返しながら得られた各素子部材の画像情報に基づいて各素子部材と光電変換手段の相対的位置を測定する。よって、複雑な形状をした光学素子を単品、もしくはアレイ状に配列されているにかかわらず、比較的簡素な構成で、非破壊的手法で、高速、高精度、非接触に軸の倒れを比較的簡単に補正し、もしくは測定時に軸の倒れの影響を受けにくく測定することが可能となる。
【0049】
また、位置情報を各素子部材に形成された加工痕跡とし、そして各素子部材の加工痕跡と曲率中心の検出位置に基づいて光学系の光軸を算出することにより、光学系のレンズ等に形成されている加工痕跡から当該レンズ等の光軸を算出し、簡単に光学系の光軸との位置関係を明らかにすることができる。
【0050】
更に、位置情報を各素子部材の所定位置に形成されたアライメントマークとし、そして各素子部材のアライメントマークと曲率中心の検出位置に基づいて光学系の光軸を算出することにより、光学系のレンズ等に形成されているアライメントマークから当該レンズ等の光軸を算出し、より簡単に、かつ精度よく、光学系の光軸との位置関係を明らかにすることができる。
【0051】
また、算出した光軸と光学系の光軸との角度誤差に応じて画像情報に補正を施すことにより、位置の微調整をしなくても軸倒れの影響による測定誤差を排除できる。
【0052】
更に、算出した光軸と光学系の光軸との角度誤差に応じて両軸が平行になるように位置調整することにより、光学素子にそりなどの変形があっても、レンズ光軸と測定軸を平行にさせることができ、そして軸倒れの影響による測定誤差を排除できるので補正をしなくても高精度に測定することが可能になる。
【0053】
また、補正手段は、光学素子の少なくとも3箇所を測定して光学素子の変形に伴う変形情報を算出し、当該変形情報に基づいて画像情報を補正する。よって、光学素子にそりなどの変形があっても、補正をすることで高精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光学素子の測定方法による測定する被測定対象物の光学素子を示す図である。
【図2】本実施例に係る光学素子の測定方法による測定する被測定対象物の光学素子を示す図である。
【図3】本実施例の光学素子の測定方法による測定手順を示す図である。
【図4】本実施例に係る光学素子の測定方法による測定する被測定対象物の光学素子を示す図である。
【図5】本実施例の光学素子の測定方法による測定手順を示す図である。
【図6】本実施例に係る光学素子の測定方法による測定する被測定対象物の光学素子を示す図である。
【図7】本実施例に係る光学素子の測定方法による測定する被測定対象物の光学素子を示す図である。
【図8】本実施例に係る光学素子の測定方法による測定する被測定対象物の光学素子を示す図である。
【図9】1次元又は2次元に集積された被測定対象物の光学素子の例を示す図である。
【図10】本実施例の光学素子の測定方法による測定手順を示す図である。
【図11】本実施例の光学素子の測定方法による測定手順を示す図である。
【図12】光学素子を形成する上部素子部材と下部素子部材の位置関係がずれている場合における本実施例の光学素子の測定方法による測定手順を示す図である。
【図13】撮像デバイスの光学系の光軸が倒れていた場合の測定手順を示す図である。
【図14】本実施例の光学素子の測定方法を実現する測定装置の構成を示す正面図である。
【図15】本実施例に係る光学素子の測定方法による測定する被測定対象物の光学素子の一例を示す斜視図である。
【図16】アレイ状の光学素子のそりなどの変形が測定誤差に影響を及ぼす例を説明する図である。
【図17】アレイ状の光学素子の多種のそりなどの変形が測定誤差に影響を及ぼす例を説明する概略図である。
【図18】像面歪曲を補正する際に用いる格子状チャートの一例を示す図である。
【符号の説明】
31;撮像デバイス、32;レンズ部、33;上部焦点位置、
34;下部焦点位置、51;加工痕跡、52;アライメントマーク、
53;上部観察像、54;下部観察像。

Claims (7)

  1. 光学素子を構成する複数の形状特性を持つ各素子部材の相対的な位置を測定する光学素子の測定方法において、
    前記光学素子全体を位置決めし、任意の位置決め位置との誤差が小さくなるように位置を微調整する第1の工程と、
    前記各素子部材の形状又は位置情報を含む光学的特性情報を、予め校正された光学系を有する光電変換手段によって光電変換して電気信号の画像情報を得る第2の工程と、
    必要に応じて補正手段で補正し、前記画像情報を解析し、解析した前記画像情報に基づいて前記各素子部材と前記光電変換手段の相対的位置を変える第3の工程とを有し、
    前記各素子部材に対して前記第2の工程及び前記第3の工程を繰り返しながら得られた前記各素子部材の画像情報に基づいて前記各素子部材と前記光電変換手段の相対的位置を測定することを特徴とする光学素子の測定方法。
  2. 前記位置情報を前記各素子部材に形成された加工痕跡とする請求項1記載の光学素子の測定方法。
  3. 前記位置情報を前記各素子部材の所定位置に形成されたアライメントマークとする請求項1記載の光学素子の測定方法。
  4. 前記各素子部材の前記加工痕跡と曲率中心の検出位置に基づいて前記光学系の光軸を算出する請求項2記載の光学素子の測定方法。
  5. 算出した前記光軸と前記光学系の角度誤差に応じて前記画像情報に補正を施す請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子の測定方法。
  6. 算出した前記光軸と前記光学系の光軸との角度誤差に応じて両軸が平行になるように位置調整する請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子の測定方法。
  7. 前記補正手段は、前記光学素子の少なくとも3箇所を測定して前記光学素子の変形に伴う変形情報を算出し、該変形情報に基づいて前記画像情報を補正する請求項1記載の光学素子の測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009008889A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Sony Corp フライアイレンズ、光学ユニットおよび表示装置
JP2009156862A (ja) * 2007-11-01 2009-07-16 Asml Netherlands Bv 位置測定システムおよびリソグラフィ装置
JP2019215378A (ja) * 2013-04-30 2019-12-19 コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド オプティカルトラッキングシステムの作動方法及びオプティカルトラッキングシステム

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