JP2955668B2 - 近接露光に適用される位置検出方法及びウエハと露光マスク - Google Patents

近接露光に適用される位置検出方法及びウエハと露光マスク

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JP2955668B2
JP2955668B2 JP7121659A JP12165995A JP2955668B2 JP 2955668 B2 JP2955668 B2 JP 2955668B2 JP 7121659 A JP7121659 A JP 7121659A JP 12165995 A JP12165995 A JP 12165995A JP 2955668 B2 JP2955668 B2 JP 2955668B2
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アライメント時の位置
検出方法に関し、特に、近接露光のスループット向上に
適した位置検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズ系と画像処理系とを組み合わせた
アライメント装置において、アライメント時のウエハと
マスクの位置合わせ方法として、垂直検出法と斜方検出
法が知られている。垂直検出法は、アライメントマーク
をマスク面に垂直な方向から観測する方法であり、斜方
検出法は、斜めから観測する方法である。
【0003】垂直検出法で用いられる合焦方法として、
色収差二重焦点法が知られている。色収差二重焦点法
は、マスクに形成されたマスクマークとウエハに形成さ
れたアライメントマークとを異なる波長の光で観測し、
色収差を利用して同一平面に結像させる方法である。色
収差二重焦点法は、原理的にレンズの光学的な分解能を
高く設定できるため、絶対的な位置検出精度を高めるこ
とができる。
【0004】一方、アライメントマークを垂直方向から
観測するために、観測のための光学系が露光領域に入り
込む。このままで露光すると、光学系が露光光を遮るこ
とになるため、露光時には光学系を露光領域から退避さ
せる必要がある。退避させるための移動時間が必要にな
るため、スループットが低下する。また、露光時にアラ
イメントマークを観測できないため位置検出ができなく
なる。これは、露光中のアライメント精度低下の原因に
なる。
【0005】斜方検出法は、光軸がマスク面に対して斜
めになるように光学系を配置するため、露光光を遮らな
いように配置することができる。このため、露光中に光
学系を退避させる必要がなく、露光中でもアライメント
マークを観測することができる。従って、スループット
を低下させることなく、かつ露光中の位置ずれを防止す
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】斜方検出法は、アライ
メントマークとマスクマークを斜方から観測して結像さ
せるため、像歪により位置検出の絶対精度が低下する。
また、照明光の光軸と観測光の光軸が一致していないた
め、照明光の光軸を観測光の光軸と同軸に配置すること
ができない。従って、照明光軸が理想的な光軸からずれ
易くなる。照明光軸が理想的な光軸からずれると、像が
変化し正確な位置検出を行うことが困難になる。
【0007】本発明の目的は、スループットを落とすこ
となく高精度なアライメントを行うことができる位置検
出方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、入射光を散乱させるエッジを有する位置合わせ用ウ
エハマークが形成された露光面を有するウエハと、入射
光を散乱させるエッジを有する位置合わせ用のマスクマ
ークが形成された露光マスクとを、前記露光面が前記露
光マスクに対向するように間隙を挟んで配置する工程
と、前記ウエハマーク及びマスクマークに照明光を斜入
射し、ウエハマーク及びマスクマークのエッジからの散
乱光を観測して、前記ウエハと前記露光マスクとの相対
位置を検出する工程とを含み、前記ウエハマークのエッ
ジ及びマスクマークのエッジが、前記照明光の入射面に
対して垂直な方向に沿って複数個配置されており、前記
相対位置を検出する工程が、前記照明光の入射面に対し
て垂直な方向に沿って複数個配置されたウエハマーク及
びマスクマークのエッジからの散乱光を観測する工程を
含む位置検出方法が提供される。
【0009】本発明の他の観点によると、前記ウエハマ
ークのエッジと前記マスクマークのエッジとが、位置合
わせが完了した状態では一方を平行移動して他方に重ね
ることができるように配置されている位置検出方法が提
供される。
【0010】本発明の他の観点によると、前記ウエハマ
ークのエッジ及びマスクマークのエッジが、前記ウエハ
マーク及びマスクマークごとに前記照明光の入射面に対
して垂直な方向に沿って少なくとも3個配置され、その
間隔が均一でない位置検出方法が提供される。
【0011】本発明の他の観点によると、前記ウエハマ
ークの複数のエッジの長さが相互に均一ではなく、前記
マスクマークの複数のエッジの長さが相互に均一ではな
い位置検出方法が提供される。
【0012】本発明の他の観点によると、前記相対位置
を検出する工程が、対物レンズを有する光学系で前記散
乱光を観測し、前記ウエハマークのエッジのうち少なく
とも1つ、及び前記マスクマークのエッジのうち少なく
とも1つは、その長さが前記対物レンズの分解能以下で
ある位置検出方法が提供される。
【0013】本発明の他の観点によると、前記ウエハマ
ークのエッジ及び前記マスクマークのエッジが、前記照
明光の入射面に対して平行な方向に複数個配列されてい
る位置検出方法が提供される。
【0014】本発明の他の観点によると、入射光を散乱
させるエッジを有する位置合わせ用ウエハマークが形成
された露光面を有し、前記エッジが、前記入射光の入射
面に対して垂直な方向に沿って複数個配置されている半
導体基板が提供される。
【0015】本発明の他の観点によると、入射光を散乱
させるエッジを有する位置合わせ用マスクマークが形成
され、前記エッジが、前記入射光の入射面に対して垂直
な方向に沿って複数個配置されている露光マスクが提供
される。
【0016】
【作用】一般に、照明光軸と観測光軸とを同軸とし、光
軸を露光面に対して斜めに配置すると、通常ウエハマー
ク及びマスクマークからの反射光が観測光軸の方向に戻
ってこないため、これらマークを観測することができな
い。ウエハマーク及びマスクマークに入射光を散乱させ
るエッジを設けておくと、散乱光の一部が観測光軸の方
向に戻ってくるため、このエッジを観測することができ
る。
【0017】ウエハマーク及びマスクマークのエッジ
を、入射面に対して垂直な方向に複数個配置すれば、複
数個のエッジを同時に結像させることができる。複数の
エッジの像を同時に観測して位置検出を行えば、製造工
程における各エッジの形状のばらつきによる位置検出誤
差を吸収することができる。
【0018】ウエハマークを平行移動してマスクマーク
に重ね合わせることができるように、ウエハマーク及び
マスクマークを構成することにより、ウエハマーク及び
マスクマークの画像信号の自己相関関数を求めて相対位
置を検出することができる。
【0019】マスクマークのエッジの長さ及びウエハマ
ークのエッジの長さを不均一にしておけば、相似性パタ
ーンマッチングにおいてウエハマークとマスクマークの
エッジのうち対応しないエッジの像は完全には重ならな
い。ウエハマーク及びマスクマークのエッジの像が完全
に重なったときに相関値が大きなピークを示すが、対応
しないエッジの像が一部重なっても、相関値はそれほど
大きくならない。完全に重なったときと一部重なったと
きの相関値のピークの高さの比が大きくなるため、一部
重なった状態を完全に重なった状態と誤認することを防
止できる。
【0020】また、ウエハマーク及びマスクマークのエ
ッジ列のピッチを不均一にしても同様の作用を奏する。
ウエハマークもしくはマスクマークのエッジの長さをレ
ンズの分解能以下にすると、このエッジからの散乱光に
よる像は、レンズの点像強度分布に近似される。また、
エッジの長さがレンズの分解能以上であると、このエッ
ジからの散乱光による像はレンズの線像強度分布に近似
される。
【0021】線像強度分布及び点像強度分布にそれぞれ
近似される線像及び点像に含まれる位置検出誤差要因は
異なるものと予想される。従って、線像及び点像の2種
類の像を用いて位置検出を行うことにより、高精度に位
置検出を行うことができると考えられる。
【0022】ウエハマーク及びマスクマークのエッジを
照明光の入射面に対して平行に複数個配列し、照明光軸
方向からエッジを観測すると、複数のエッジのうちいず
れかのエッジに焦点が合う。従って、ウエハとマスクと
の間隔が目標とする間隔からずれても、いずれかのエッ
ジを鮮明に観測することができる。
【0023】
【実施例】図1(A)は、本発明の実施例で使用する位
置検出装置の概略断面図を示す。位置検出装置はウエハ
/マスク保持部10、光学系20、及び制御装置30を
含んで構成されている。
【0024】ウエハ/マスク保持部10は、ウエハ保持
台15、マスク保持台16、及び駆動機構17から構成
されている。位置合わせ時には、ウエハ保持台15の上
面にウエハ11を保持し、マスク保持台16の下面にマ
スク12を保持する。ウエハ11とマスク12とは、ウ
エハ11の露光面とマスク12との間に一定の間隙が形
成されるように平行に配置される。ウエハ11の露光面
には、位置合わせ用のウエハマーク13が形成され、マ
スク14の下面(マスク面)には位置合わせ用のマスク
マーク14が形成されている。以下、ウエハマークとマ
スクマークとを総称してアライメントマークと呼ぶ。
【0025】ウエハマーク13及びマスクマーク14に
は、入射光を散乱させるエッジが形成されている。これ
らのマークに光が入射すると、エッジに当たった入射光
は散乱し、その他の領域に当たった入射光は正反射す
る。ここで、正反射とは、入射光のうちほとんどの成分
が、同一の反射方向に反射することをいう。
【0026】駆動機構17は、ウエハ保持台15及びマ
スク保持台16を相対的に移動することができる。図の
左から右にx軸、紙面に垂直な方向に表面から裏面に向
かってy軸、露光面の法線方向にz軸をとると、ウエハ
11とマスク12は相対的に、x軸方向、y軸方向、z
軸方向、及びz軸の回りの回転方向(θ方向)に移動可
能である。
【0027】光学系20は、像検出装置21、レンズ2
2、ハーフミラー23、及び光源24を含んで構成され
ている。光学系20は、その光軸25が露光面に対して
斜めになるように配置されている。光源24から放射さ
れた照明光はハーフミラー23で反射して光軸25に沿
った光束とされ、レンズ22を通して露光面に斜入射さ
れる。光源24はレンズ22の像側の焦点に配置されて
おり、光源24から放射された照明光はレンズ22でコ
リメートされて平行光束になる。なお、光源24は、照
射光の強度を調整することができる。
【0028】ウエハマーク13及びマスクマーク14の
エッジで散乱された散乱光のうちレンズ22に入射する
光は、レンズ22で収束されて像検出装置21の受光面
上に結像する。このように、光学系20による照明はテ
レセン照明とされ、照明光軸と観測光軸は同一光軸とさ
れている。
【0029】像検出装置21は、受光面に結像したウエ
ハマーク及びマスクマークの像を光電変換し画像信号に
変換する。画像信号は制御装置30に入力される。制御
装置30は、像検出装置21から入力された画像信号を
処理して、ウエハマーク13とマスクマーク14の相対
位置を検出する。さらに、ウエハマーク13とマスクマ
ーク14が所定の相対位置関係になるように、駆動機構
17に対して制御信号を送出する。駆動機構17は、こ
の制御信号に基づいて、ウエハ保持台15もしくはマス
ク保持台16を移動させる。
【0030】図1(B)は、ウエハマーク13及びマス
クマーク14の相対位置関係を示す平面図である。四辺
がx軸もしくはy軸に平行に配置された長方形パターン
をx軸方向に3個配列して、1個のマークが構成されて
いる。なお、後述するように3個以上の長方形パターン
を配列してもよい。ウエハマーク13は一対で構成され
ており、マスクマーク14が一対のウエハマーク13の
間に配置されている。
【0031】図1(A)のウエハマーク13及びマスク
マーク14は、図1(B)の一点鎖線A1−A1におけ
る断面を示している。ウエハマーク13及びマスクマー
ク14に入射した照明光は、図1(B)の各長方形パタ
ーンの光軸に向かって突き出したエッジで散乱される。
エッジ以外の領域に照射された光は正反射し、レンズ2
2には入射しない。従って、像検出装置21でエッジか
らの散乱光のみを検出することができる。
【0032】次に、エッジ散乱光による像の性質につい
て説明する。インコヒーレントな単色光による像の光強
度分布Iは、
【0033】
【数1】 と表される。ここで、O(x,y)は観測物体表面から
の反射光の強度分布、PSF(x,y)はレンズの点像
強度分布(point spread function )、積分は観測物体
の表面全域における積分を表す。
【0034】図1(B)の各長方形パターンの1つのエ
ッジに着目すると、光を反射する微小な点がy軸に平行
に配列したものと考えることができる。この微小な1点
からの反射光強度分布をディラックのデルタ関数δと仮
定する。実際に、微小な1点からの散乱光の強度分布は
デルタ関数に近似することができるであろう。レンズの
アイソプラナティズムが成立する範囲で、エッジがy軸
方向に延びているとすると、O(x,y)=δ(x)と
おくことができる。
【0035】式(1)は、
【0036】
【数2】 と変形できる。このI(x)はレンズの線像強度分布
(line spred function )であり、
【0037】
【数3】 I(x)=LSF(x) …(3) と書くことができる。ここで、LSF(x)はレンズの
線像強度分布を表す。
【0038】照明光が連続スペクトルを有する場合に
は、
【0039】
【数4】 と表される。ここで、λは光の波長、LSFλは波長λ
の線像強度分布、Δxλは波長λの光に対するレンズの
色収差による線像の横ずれ量、積分は全波長領域におけ
る積分を表す。
【0040】式(4)から、エッジからの散乱光を観測
することはレンズの線像強度分布を観測していることと
等価になることがわかる。従って、エッジからの散乱光
を観測することにより、観測物体からの反射光の面内強
度分布に左右されることなく、常に安定した像を得るこ
とができる。
【0041】図1(C)の左図は、図1(A)の像検出
装置21の受光面に結像した像の形状を示す。観測光軸
を含む入射面と受光面との交線方向をx軸、受光面内の
x軸に直交する方向をy軸とすると、1つのエッジによ
る像はy軸に平行な直線状形状になる。従って、各マー
クの像は、y軸に平行な直線状の像がx軸方向に3個配
列した形状になる。
【0042】ウエハマーク13のエッジ散乱光による一
対の像13Aの間に、マスクマーク14のエッジ散乱光
による像14Aが形成されている。また、観測光軸が露
光面に対して斜めであるため、マスクマークの像14A
とウエハマークの像13Aとは、x軸方向に関して異な
る位置に検出される。
【0043】図1(C)の右図は、ウエハマークの像1
3A及びマスクマークの像14Aのy軸方向の光強度分
布を示す。一方のウエハマークの像13Aとマスクマー
クの像14Aとのy軸方向の距離をy1、他方のウエハ
マークの像13Aとマスクマークの像14Aとのy軸方
向の距離をy2とする。y1とy2を測定することによ
り、図1(B)におけるウエハマーク13とマスクマー
ク14のy軸方向の相対位置関係を知ることができる。
【0044】例えば、マスクマークがy軸方向に関して
一対のウエハマークの中央にくるように位置決めしたい
場合には、y1とy2とが等しくなるように、ウエハも
しくはマスクのうち一方を他方に対して相対的に移動さ
せればよい。このようにして、図1(B)におけるy軸
方向に関して位置合わせすることができる。図1
(A)、(B)に示すような位置合わせ用のマークと光
学系とを3組配置することにより、x軸、y軸及びθ方
向に関して位置合わせすることができる。なお、図1
(A)では、照明光軸と観測光軸とが同軸である場合を
説明したが、必ずしも同軸である必要はない。正反射光
が観測光学系の対物レンズに入射せず、散乱光のみが入
射する条件であればよい。
【0045】次に、露光面とマスク面との間隔を測定す
る方法について説明する。像検出装置21の受光面に結
像している物点は、光学系20の物空間において光軸に
垂直な平面上にある。以下、この平面を「被結像面」と
よぶ。
【0046】ウエハマーク及びマスクマークの各エッジ
のうち、被結像面上にあるエッジは受光面上に合焦する
が、被結像面上にないエッジは合焦せず被結像面から遠
ざかるに従ってピントがぼける。従って、各マークのエ
ッジのうち被結像面に最も近い位置にあるエッジの像が
最も鮮明になり、そのエッジからx軸方向に離れるに従
って像がぼける。
【0047】図1(C)において、距離x1 は、ウエハ
マークの像13Aとマスクマークの像14Aのそれぞれ
最もピントが合っている点のx軸方向の距離を表す。す
なわち、距離x1 は、ウエハマークの合焦点とマスクマ
ークの合焦点とを入射面へ垂直投影した点の距離にほぼ
等しい。
【0048】図1(D)は、ウエハ面11及びマスク面
12の被結像面近傍の入射面における断面図を示す。点
2 はウエハ面11と被結像面との交線上の点、点Q1
はマスク面12と被結像面との交線上の点である。線分
1 2 の長さが図1(C)における距離x1 に対応す
る。
【0049】線分Q1 2 の長さをL(Q1 2 )で表
すと、露光面11とマスク面12との間隔δは、
【0050】
【数5】 δ=L(Q1 2 )×sin(α) …(5) と表される。ここで、αはウエハ面11の法線方向と光
軸25とのなす角である。従って、図1(C)における
距離x1 を測定して線分Q1 2 の長さを求めることに
より、間隔δを知ることができる。間隔δをより正確に
知るためには、距離x1 を正確に測定することが好まし
い。このためには、レンズの焦点深度が浅いほうがよ
い。
【0051】制御装置30に、予め距離x1 の目標値を
記憶させておき、測定された距離x 1 が目標値に近づく
ように駆動機構17を制御することにより、ウエハ面1
1とマスク面12との間隔を所望の間隔に設定すること
ができる。
【0052】次に、ウエハマークからの散乱光を観察し
た実験結果について説明する。図2(A)は、観察実験
に用いたウエハマークの平面図を示す。3本の長方形の
パターンが平行に配置されて1つのウエハマークを構成
している。長方形パターンの幅は6μm、長さは100
μmである。各長方形パターンは、入射光を散乱させる
エッジを有する。以下、この長方形パターンのように、
入射光を散乱させるエッジを有するパターンをエッジパ
ターンと呼ぶ。
【0053】図2(B)及び図2(C)は、共に図2
(A)の一点鎖線B2−B2における断面図を示す。図
2(B)に示すウエハにおいては、シリコン基板40の
表面上に、レジストパターン41(シプレー社製のマイ
クロポジット2400)が形成されている。レジストパ
ターン41の厚さH1は1.2μm、幅Wは6μmであ
る。
【0054】中央のエッジパターンの中心線と両側のエ
ッジパターンの中心線との距離を、それぞれy3、y4
とする。実験に使用したウエハには、y3−y4が0n
m、20nm、40nm、60nm、・・・180nm
の10種類のウエハマークが形成されている。以下、y
3−y4を中央のエッジパターンの変位量と呼ぶ。な
お、各マークともy3+y4は26μmである。
【0055】図2(C)に示すウエハにおいては、シリ
コン基板40の表面上にシリコンの凸部44が形成され
ている。凸部44の高さH2は0.5μmである。シリ
コン基板40の表面を覆うように厚さ0.7μmのフォ
スフォシリケートガラス(PSG)膜42、厚さ1.4
5μmのレジスト膜43がこの順番に積層されている。
凸部44の幅及び間隔は図2(B)に示すそれと同様で
ある。
【0056】図3(A)は、図2(B)に示すレジスト
パターンで形成されたウエハマークを、図1(A)に示
すように斜方から観察したときの像を示す。観察に用い
た顕微鏡は、対物レンズの開口数NAが0.4、検出倍
率が100倍のものである。照明光軸の入射面が図2
(A)の各エッジパターンの長手方向に平行で、露光面
の法線とのなす角が30°であり、照明光軸と同軸の観
測光軸を有する光学系で観察した。図3(A)では、3
つのウエハマークに対応する像が観察される。各ウエハ
マークごとに3つ並んだ長円状の像が現れている。これ
らは、図2(A)のエッジパターンの短辺からの散乱光
による像である。
【0057】なお、図中、3つ並んだ長円状の像の下方
に現れている像は、各マークの下方に形成された通し番
号マークからのエッジ散乱光によるものである。ただ
し、像検出装置で図3(A)の横方向に走査し、3つ並
んだ長円状の像に掛かる走査線の画像信号のみを基に位
置検出を行えば、下方の像による影響を回避することが
できる。
【0058】図3(B)は、図2(B)に示すレジスト
パターンで形成されたウエハマークを、露光面の法線方
向から観察したときの像を示す。図3(B)には、3つ
のウエハマークに対応する像が現れている。各マークの
下方に形成された数字マークは、ウエハマークの通し番
号を示す数字である。
【0059】図4は、図3(A)の長円状の像に掛かる
走査線に対応する画像信号のうち、1つのウエハマーク
に相当する部分を示す。横軸は露光面上の位置を表し、
縦軸は光強度を表す。3つ並んだ長円状の像に対応して
3つの矩形状のピークが現れている。このように、エッ
ジ散乱光を検出することにより、エッジ部分に対応して
ピークを示す画像信号を得ることができる。
【0060】図3、図4では、図2(B)に示すレジス
トパターンで形成したウエハマークを観察した場合の像
及び画像信号を示したが、図2(C)に示す積層構造を
有するウエハマークについても、同様の像及び画像信号
を得ることができた。
【0061】図5は、画像信号を信号処理して、中央の
エッジパターンの変位量y3−y4を測定した結果を示
す。図5(A)は、図2(B)に示すレジストパターン
で形成したウエハマークの場合、図5(B)は、図2
(C)に示す積層構造のウエハマークの場合である。横
軸は、ウエハマークの通し番号を表す。ここで、通し番
号nのウエハマークの変位量y3−y4はn×20nm
である。縦軸は、観測により求めた変位量y3−y4を
単位nmで表す。
【0062】図中の記号◆は、垂直検出により観測した
変位量を示し、記号■は、エッジ散乱光により観測した
変位量を示す。エッジ散乱光により観測した変位量は、
相似性パターンマッチング(特開平2−91502号公
報の第4頁左下欄14行目〜第7頁左上欄3行目)によ
り求めた。
【0063】以下に、相似性パターンマッチングによる
変位量の測定方法を簡単に説明する。まず、図4に示す
画像信号を微分した微分画像信号を得る。この微分画像
信号の自己相関関数を計算する。図4の中央のピークと
左側のピーク、及び中央のピークと右側のピークが重な
るときに自己相関関数が極大値を示す。従って、自己相
関関数が極大値をとるときの移動量を求めることによ
り、距離y3及びy4を求めることができる。このよう
にして求めた距離y3及びy4から変位量y3−y4を
計算する。
【0064】距離y3及びy4をより正確に求めるため
には、ウエハマークに対応する微分画像信号のピークを
平行移動したときに、マスクマークに対応する微分画像
信号のピークにほぼ重なるように、相似性を保った形状
とすることが好ましい。
【0065】図5(A)に示すように、レジストパター
ンでウエハマークを形成した場合には、エッジ散乱光を
観測して求めた変位量y3−y4が、ウエハマークの通
し番号0〜9のすべてについて従来の垂直検出により求
めたそれとほぼ等しい。
【0066】図5(B)に示すように、シリコンの凸部
でウエハマークを形成した場合には、エッジ散乱光を観
測して求めた変位量y3−y4が、マークの通し番号0
〜9のすべてについて従来の垂直検出により求めたそれ
よりもやや大きくなった。観測された変位量の増分は、
約13nmであった。13nm程度の差は、例えばX線
露光におけるアライメントで大きな問題になる量ではな
い。また、後に実施例で説明するようなウエハマーク形
状とすることにより、この差は小さくなるであろう。
【0067】上述の方法では、ウエハマーク及びマスク
マークの1つのエッジからの散乱光により位置検出を行
っている。マスク製造工程もしくはウエハ製造工程のば
らつきにより、各マークのエッジ形状が理想的な形状か
らずれると、正確な位置検出ができなくなる。次に、ウ
エハマーク及びマスクマークの形状を、製造工程のばら
つきによる影響を受けにくい形状とした第1の実施例に
ついて説明する。
【0068】図6(A)は、本発明の第1の実施例によ
るアライメントマークの平面図を示す。露光面をxy平
面とし、その法線方向をz軸とする座標系を考える。一
対のウエハマーク52A及び52Bがy軸に沿って配置
され、その間にマスクマーク62が配置されている。な
お、後述する他の実施例についても同様の座標系を用い
て説明する。
【0069】ウエハマーク52A、52Bは、共に入射
光を散乱させるエッジを有する長方形状のパターン(エ
ッジパターン)51がx軸及びy軸に沿って格子状に配
置された構成とされている。図6(A)では、y軸に沿
って3個、x軸に沿って5個のエッジパターン51が配
置されている場合を示している。マスクマーク62も同
様に、エッジパターン61が格子状に配置された構成と
されている。
【0070】図6(B)は、図6(A)の一点鎖線B6
−B6における断面図を示す。ウエハ50の表面上にエ
ッジパターン51が形成されている。マスク60の下面
にエッジパターン61が形成されている。
【0071】図6(C)は、図6(A)の一点鎖線C6
−C6における断面図を示す。各アライメントマーク内
において、y軸方向の長さがWのエッジパターン51も
しくは61が、y軸に沿ってピッチPで配置されてい
る。ウエハマーク52Aとマスクマーク62との中心間
距離をy5、ウエハマーク52Bとマスクマーク62と
の中心間距離をy6とする。
【0072】図6(D)は、図6(A)〜(C)に示す
アライメントマークからのエッジ散乱光を、xz面に含
まれる斜光軸から観測した場合の画像信号を示す。横軸
はy軸方向の位置、縦軸は信号強度を表す。各アライメ
ントマークにおいてy軸方向に並んだ3つのエッジパタ
ーンは、斜光軸に対して垂直な平面上にある。このた
め、y軸方向に並んだ3つのエッジパターンが同時に観
測光学系の被結像面上に並ぶことができ、各エッジパタ
ーンからのエッジ散乱光はいずれも鮮明な像を結ぶ。ウ
エハマーク52A、52B、及びマスクマーク62に対
応する位置に、それぞれ3個のピークが観測される。ピ
ークの幅は、エッジパターンのy軸方向の長さWに等し
く、ピーク列のピッチは、エッジパターンのy軸方向の
ピッチPに等しい。
【0073】図6(E)は、図6(D)に示す画像信号
を微分した微分画像信号の自己相関関数を示す。横軸は
y軸方向の移動量Δyを表し、縦軸は相関値を表す。図
6(D)において、ウエハマーク52Aに対応するピー
クをy軸の正の向きに平行移動する。ウエハマーク52
Aの右端のピークがマスクマーク62の左端のピークに
重なったところで相関値が大きくなり、図6(E)に示
すようにピークa1が現れる。
【0074】さらにy軸の正の向きにピッチPだけ移動
すると、ウエハマーク52Aの右端と中央のピークが、
それぞれマスクマーク62の中央と左端のピークに重な
る。このとき、画像信号の2つのピークが重なっている
ため、1つのピークが重なっているときよりも相関値が
大きくなり、ピークa1よりも高いピークa2が現れ
る。
【0075】さらにy軸の正の向きにピッチPだけ移動
すると、ウエハマーク52Aの3つのピークがマスクマ
ーク62の3つのピークに重なる。このとき相関値が最
大になり、最も高いピークa3が現れる。さらに移動す
ると、ピークa2及びa1とほぼ同じ高さのピークが順
番に現れる。最も高いピークa3を与える移動量Δy
が、ウエハマーク52Aとマスクマーク62との中心間
距離y5に相当する。ウエハマーク52Bとマスクマー
ク62との中心間距離y6も、同様に求めることができ
る。
【0076】このように、y軸方向に3つのエッジパタ
ーンを配置すると、同時に3つのエッジパターンからの
エッジ散乱光を観測することができる。このため、製造
工程のばらつき等によって1つのエッジ部分の形状が理
想的な形状からずれても、他のエッジ部分のエッジ散乱
光も同時に観測しているため高精度に位置検出すること
ができる。なお、y軸方向に沿って配置するエッジパタ
ーンの数は3個に限らず、2個以上のパターンを配置す
ることにより、同様の効果を得ることができるであろ
う。
【0077】図6(A)〜(C)に示すアライメントマ
ークを用いた場合には、図6(E)に示すように、最大
のピークa3の両側にやや高さの低いピークa2が現れ
る。ピークa2を最大のピークと誤認した場合には、正
確な位置検出ができなくなる。この誤認は、y軸に沿っ
て配置されたエッジパターンの数が増加した場合や、画
像信号のS/N比が低下した場合に起こりやすくなる。
以下、アライメントマークを、ピークの誤認が生じにく
い形状とした第2の実施例について説明する。
【0078】図7(A)は、第2の実施例によるアライ
メントマークの断面図を示す。なお、アライメントマー
クの平面配置は図6(A)に示す第1の実施例の場合と
同様である。各アライメントマーク52A、52B、及
び62は、y軸に沿って配置された3個のエッジパター
ンを含んで構成されている。各アライメントマークにお
いて、エッジパターンのy軸に沿ったエッジの長さは均
一ではない。各エッジパターンは、1つのアライメント
マークをy軸に沿って平行移動して他のアライメントマ
ークに重ね合わせたとき、対応するエッジパターンのエ
ッジの長さが等しくなるように形成されている。
【0079】図7(A)に示す各アライメントマークの
中央のエッジパターンのエッジの長さはW2、両側のエ
ッジパターンのエッジの長さはW1である。各アライメ
ントマーク内において、エッジパターンのy軸方向のピ
ッチはPである。ウエハマーク52Aとマスクマーク6
2との中心間距離はy5、ウエハマーク52Bとマスク
マーク62との中心間距離はy6である。
【0080】図7(B)は、図7(A)に示すアライメ
ントマークからのエッジ散乱光を、xz面内の斜光軸か
ら観測した場合の画像信号を示す。ウエハマーク52
A、52B、及びマスクマーク62に対応する位置に、
それぞれ3個のピークが観測される。各アライメントマ
ークの中央のピークの幅はW2、両側のピークの幅はW
1になる。1つのアライメントマーク内において、ピー
ク列のピッチは、エッジパターンのy軸方向のピッチP
に等しい。
【0081】図7(C)は、図7(B)に示す画像信号
を微分した微分画像信号の自己相関関数を示す。図6
(E)の場合と同様に5個のピークが現れている。ピー
クb1はウエハマーク52Aの右端のピークとマスクマ
ーク62の左端のピークが重なったときに対応し、ピー
クb2は、ウエハマーク52Aの右端及び中央のピーク
がそれぞれマスクマーク62の中央及び左端のピークに
重なったときに対応している。ピークb3は、ウエハマ
ーク52Aとマスクマーク62の3つのピークがそれぞ
れ重なったときに対応している。
【0082】ピークb2を示す状態において、相互に重
なっている信号強度のピーク幅が異なるため、ピーク幅
が等しい場合に比べて相関値が小さい。このため、ピー
クb2の高さは、図6(E)におけるピークa2の高さ
よりも低くなる。最大のピークb3とその両側のピーク
b2との高さの比が大きくなるため、最大ピークの誤認
が生じにくくなる。
【0083】なお、図7(A)では、各アライメントマ
ーク内のエッジパターンのエッジの長さを不均一にした
場合を示したが、エッジの長さを均一にしエッジパター
ンのピッチを不均一にしてもよい。また、エッジの長さ
とピッチの双方を不均一にしてもよい。なお、ミスアラ
イメントの発生を抑制するためには、エッジの長さもし
くはピッチの不均一の程度を±10%以上とすることが
好ましい。
【0084】次に、図8、図9を参照して第3の実施例
について説明する。図8(A)は、ウエハマークの1つ
のエッジパターンの斜視図を示す。図のxz平面内の斜
光軸に沿って照明光を斜入射させ、y軸に沿って延在す
るエッジからの散乱光を観測する。この場合、散乱光に
よる像は、前述の式(4)で示す強度分布になるため、
図8(B)に示すようなレンズの線像強度分布に相当す
る像が得られる。
【0085】図8(C)に示すように、y軸に沿って延
在するエッジの長さを短くする。エッジの長さがレンズ
の解像度よりも短くなると、式(1)における反射光の
強度分布O(x,y)はδ(x,y)とおくことができ
るであろう。従って、式(1)は、
【0086】
【数6】 と変形することができる。ここで、PSF(x,y)
は、レンズの点像強度分布を表す。
【0087】照明光が連続スペクトルを有する場合に
は、
【0088】
【数7】 と表すことができる。ここで、λは光の波長、PSFλ
は波長λの点像強度分布、Δxλは波長λの光に対する
レンズの色収差による点像の横ずれ量、積分は全波長領
域における積分を表す。
【0089】このように、エッジの長さをレンズの分解
能以下にすることにより、図8(D)に示すようにレン
ズの点像強度分布に近似される点像を得ることができ
る。線像強度分布及び点像強度分布にそれぞれ近似され
る線像及び点像に含まれる位置検出誤差要因は異なるも
のと予想される。エッジ散乱光による像をエッジの長さ
方向に積分したとき、誤差成分が累積されるような誤差
要因は、線像に大きく影響を与えるが点像には大きな影
響を与えないと考えられる。逆に誤差成分が打ち消し合
うような誤差要因は、点像に大きく影響を与えるが線像
には大きな影響を与えないと考えられる。
【0090】アライメントマークに、線像を結ぶエッジ
と点像を結ぶエッジとを形成することにより、総合的に
位置検出誤差が小さくなるものと考えられる。図9
(A)は、第3の実施例によるアライメントマークの断
面図を示す。ウエハ50の表面上にウエハマーク52A
及び52Bが形成されている。マスク60の下面にマス
クマーク62が形成されている。各アライメントマーク
は、y軸に沿って配置された5個のエッジパターンを含
んで構成されている。5個のエッジパターンのうち両端
のものは、y方向に延在するエッジの長さがレンズの解
像度よりも短い。
【0091】図9(B)は、図9(A)のアライメント
マークからのエッジ散乱光を、xz面内の斜光軸から観
測した場合の画像信号を示す。ウエハマーク52A、5
2B及びマスクマーク62に対応する位置に、それぞれ
5本のピークが現れている。5本のピークのうち両端の
ピーク幅は狭く、レンズの点像強度分布に近似できる。
この画像信号を微分した微分画像信号を用いて相似性パ
ターンマッチングを行うことにより、点像及び線像の両
方を用いて位置検出を行うことができる。
【0092】上記第1〜第3の実施例では、エッジパタ
ーンを入射面の法線方向に沿って配置し、位置検出誤差
を低減する方法を説明した。次に、エッジパターンを入
射面に平行な方向に配列し、ウエハとマスクとの間隔の
ばらつきに影響を受けないで位置検出を行う方法を説明
する。
【0093】図10(A)は、第4の実施例によるウエ
ハマークの平面図を示す。21個の長方形状のエッジパ
ターン70がx軸に沿って4μmピッチで配列してい
る。このエッジパターン70の列がy軸方向に3列配置
されている。
【0094】図10(B)は、図10(A)のウエハマ
ークをxz面に含まれる入射角30°の光軸方向から観
測する場合の、ウエハマーク及び光学系の概略断面図を
示す。ウエハ71の表面上にエッジパターン70が形成
されている。斜光軸73に平行な照明光を斜入射し、エ
ッジパターン70のエッジからの散乱光を観測する。図
中の破線72は観測光学系の被結像面を表している。
【0095】ウエハ71が図のu1の位置にあるとき、
図の左から5番目のエッジパターンが被結像面72上に
位置する。ウエハ71を光軸73に沿って平行移動し、
ウエハ71が図のu2及びu3の位置に来ると、それぞ
れ図の左から3番目及び左端のエッジパターンが被結像
面72上に位置することになる。
【0096】エッジパターン70のx軸方向のピッチが
4μmのとき、ウエハ71を光軸方向に2μm移動させ
れば、被結像面72上に位置するエッジパターンが1つ
ずれることになる。従って、レンズの焦点深度を1μm
にすれば、常にいずれかのエッジパターンに焦点を合わ
せることができる。
【0097】図10(C)は、図10(A)に示すウエ
ハマークを図10(B)に示す方法で観測して、エッジ
パターンの位置検出を行ったときの検出位置のウエハ位
置依存性を示す。横軸は焦点が合っているエッジパター
ンの通し番号を表し、縦軸は検出値を単位nmで表す。
ここで、検出値は、y軸方向に関して中央にあるエッジ
パターンとその両側にあるそれぞれのエッジパターンと
の間隔の相互の差分の半分と定義した。
【0098】1番目のエッジパターンを観測している状
態から21番目のエッジパターンを観測している状態ま
での、ウエハの光軸方向の移動距離は40μmである。
図10(C)に示すように、ウエハを40μm移動して
も、検出値は−17nm〜+25nmの範囲に納まる。
【0099】このように、ウエハを光軸方向に移動させ
ても比較的高精度にエッジパターンの位置を検出するこ
とができる。また、検出値のばらつきの主な要因はエッ
ジパターンの形状のばらつきによるものと思われる。従
って、第1の実施例で説明したように、エッジパターン
をy軸方向に複数配置し、複数のエッジパターンを同時
に観測して位置検出を行えば、より高精度の位置検出を
行うことができるであろう。
【0100】図11は、入射面に平行な方向に複数のエ
ッジパターンを配列したウエハマーク及びマスクマーク
の断面図を示す。図中の破線72は、観測光学系の被結
像面を示す。
【0101】ウエハ71が図のv1もしくはv2で表さ
れる位置にあるとき、いずれかのエッジパターンが被結
像面72上に位置するため、ウエハ71がv1もしくは
v2のいずれの位置にあっても、ウエハマーク及びマス
クマークからの散乱光によるエッジの像を鮮明に検出す
ることができる。また、マスクマークもx軸方向に複数
のエッジパターンを配列して構成されているため、マス
クのz軸方向の位置がずれてもマスクマークからの散乱
光によるエッジの像を鮮明に検出することができる。な
お、いずれかのエッジパターンがレンズの焦点深度内に
納まるようにエッジパターン列のピッチを選んでおけ
ば、エッジが丁度被結像面上になくてもエッジの像を鮮
明に検出することができる。
【0102】従って、ウエハ及びマスクのz軸方向の位
置が一定の範囲内で変動しても安定して位置検出を行う
ことができる。また、図1(C)、(D)で説明したの
と同様の方法で、ウエハとマスクとの間隔を求めること
ができる。
【0103】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
斜方からウエハマーク及びマスクマークを観察して、高
精度に位置検出することができる。位置合わせを行った
後にウエハを露光する場合、露光範囲に光学系を配置す
る必要がないため、露光期間中も常時位置検出を行うこ
とができる。このため、高精度な露光が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明の実施例で使用する位置
検出装置の概略断面図、図1(B)は、ウエハマーク及
びマスクマークの平面図、図1(C)は、ウエハマーク
及びマスクマークからのエッジ散乱光による像及び像面
内の光強度分布を示す図、図1(D)は、ウエハ面及び
マスク面の被結像面近傍の断面図である。
【図2】エッジ散乱光の観測実験に使用したウエハマー
クの平面図及び断面図である。
【図3】図3(A)は、図2(B)に示すウエハマーク
からのエッジ散乱光による像の写真をスケッチした図、
図3(B)は、図2(B)に示すウエハマークを垂直検
出した像の写真をスケッチした図である。
【図4】図2(B)に示すウエハマークからのエッジ散
乱光による像の画像信号を示す図である。
【図5】画像信号を信号処理して、変位量を測定した結
果を示すグラフである。
【図6】図6(A)は、第1の実施例によるアライメン
トマークの平面図、図6(B)は、図6(A)の一点鎖
線B6−B6における断面図、図6(C)は、図6
(A)の一点鎖線C6−C6における断面図、図6
(D)は、エッジ散乱光による像の画像信号を表す図、
図6(E)は、図6(D)に示す画像信号の自己相関関
数を示すグラフである。
【図7】図7(A)は、第2の実施例によるアライメン
トマークの断面図、図7(B)は、エッジ散乱光による
像の画像信号を表す図、図7(C)は、図7(B)に示
す画像信号の自己相関関数を示すグラフである。
【図8】図8(A)及び(C)は、ウエハマークを構成
する1つのエッジパターンの斜視図、図8(B)及び
(D)は、それぞれ図8(A)及び(C)に示すエッジ
パターンからのエッジ散乱光による像を表す図である。
【図9】図9(A)は、第3の実施例によるアライメン
トマークの断面図、図9(B)は、エッジ散乱光による
像の画像信号を表す図である。
【図10】図10(A)は、第4の実施例によるウエハ
マークの平面図、図10(B)は、図10(A)のウエ
ハマークを斜め方向から観測する場合のウエハマーク及
び観測光学系の概略断面図、図10(C)は、図10
(A)に示すウエハマークを図10(B)に示す方法で
観測してエッジパターンの位置検出を行ったときの検出
位置のウエハ位置依存性を示すグラフである。
【図11】第4の実施例によるウエハマーク及びマスク
マークの断面図である。
【符号の説明】
10 ウエハ/マスク保持部 11 ウエハ 12 マスク 13 ウエハマーク 14 マスクマーク 15 ウエハ保持台 16 マスク保持台 17 駆動機構 20 光学系 21 像検出装置 22 レンズ 23 ハーフミラー 24 光源 25 光軸 30 制御装置 40、50、71 ウエハ 41、44、52A、52B ウエハマーク 42 PSG膜 43 レジスト膜 51、61、70、75 エッジパターン 60、74 マスク 62 マスクマーク 72 被結像面 73 光軸

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光を散乱させるエッジを有する位置
    合わせ用ウエハマークが形成された露光面を有するウエ
    ハと、入射光を散乱させるエッジを有する位置合わせ用
    のマスクマークが形成された露光マスクとを、前記露光
    面が前記露光マスクに対向するように間隙を挟んで配置
    する工程と、 前記ウエハマーク及びマスクマークに照明光を斜入射
    し、ウエハマーク及びマスクマークのエッジからの散乱
    光を観測して、前記ウエハと前記露光マスクとの相対位
    置を検出する工程とを含み、 前記ウエハマークのエッジ及びマスクマークのエッジ
    が、前記照明光の入射面に対して垂直な方向に沿って複
    数個配置されており、 前記相対位置を検出する工程が、前記照明光の入射面に
    対して垂直な方向に沿って複数個配置されたウエハマー
    ク及びマスクマークのエッジからの散乱光を観測する工
    程を含む位置検出方法。
  2. 【請求項2】 前記ウエハマークのエッジと前記マスク
    マークのエッジとは、位置合わせが完了した状態では一
    方を平行移動して他方に重ねることができるように配置
    されている請求項1に記載の位置検出方法。
  3. 【請求項3】 前記ウエハマークのエッジ及びマスクマ
    ークのエッジは、前記ウエハマーク及びマスクマークご
    とに前記照明光の入射面に対して垂直な方向に沿って少
    なくとも3個配置され、その間隔が均一でない請求項1
    または2に記載の位置検出方法。
  4. 【請求項4】 前記ウエハマークの複数のエッジの長さ
    が相互に均一ではなく、前記マスクマークの複数のエッ
    ジの長さが相互に均一ではない請求項1〜3のいずれか
    に記載の位置検出方法。
  5. 【請求項5】 前記相対位置を検出する工程は、対物レ
    ンズを有する光学系で前記散乱光を観測し、 前記ウエハマークのエッジのうち少なくとも1つ、及び
    前記マスクマークのエッジのうち少なくとも1つは、そ
    の長さが前記対物レンズの分解能以下である請求項1〜
    4のいずれかに記載の位置検出方法。
  6. 【請求項6】 前記ウエハマークのエッジ及び前記マス
    クマークのエッジが、前記照明光の入射面に対して平行
    な方向に複数個配列されている請求項1〜5のいずれか
    に記載の位置検出方法。
  7. 【請求項7】 表面に対して斜めに入射する入射光を散
    乱させるエッジを有する位置合わせ用ウエハマークが形
    成された露光面を有し、前記エッジが、前記入射光の入
    射面に対して垂直な方向に沿って複数個配置されている
    半導体基板。
  8. 【請求項8】 前記複数のエッジの長さが均一ではない
    請求項7に記載の半導体基板。
  9. 【請求項9】 前記エッジが、前記入射光の入射面に対
    して垂直な方向に沿って少なくとも3個配置されてお
    り、その間隔が均一ではない請求項7または8に記載の
    半導体基板。
  10. 【請求項10】 前記エッジが、前記入射光の入射面に
    対して平行な方向に沿って複数個配列されている請求項
    7〜9のいずれかに記載の半導体基板。
  11. 【請求項11】 表面に対して斜めに入射する入射光を
    散乱させるエッジを有する位置合わせ用マスクマークが
    形成され、前記エッジが、前記入射光の入射面に対して
    垂直な方向に沿って複数個配置されている露光マスク。
  12. 【請求項12】 前記複数のエッジの長さが均一ではな
    い請求項11に記載の露光マスク。
  13. 【請求項13】 前記エッジが、前記入射光の入射面に
    対して垂直な方向に沿って少なくとも3個配置されてお
    り、その間隔が均一ではない請求項11または12に記
    載の露光マスク。
  14. 【請求項14】 前記エッジが、前記入射光の入射面に
    対して平行な方向に沿って複数個配列されている請求項
    11〜13のいずれかに記載の露光マスク。
  15. 【請求項15】 前記相対位置を検出する工程が、前記
    ウエハマーク及びマスクマークのエッジの長手方向に関
    する相対位置を検出する請求項1〜6のいずれかに記載
    の位置検出方法。
JP7121659A 1995-05-11 1995-05-19 近接露光に適用される位置検出方法及びウエハと露光マスク Expired - Fee Related JP2955668B2 (ja)

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DE19619280A DE19619280C2 (de) 1995-05-11 1996-05-13 Positionsdetektierverfahren mit der Beobachtung oder Überwachung von Positionsdetektiermarkierungen
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