JP2004038137A - カプリング剤を含む蛍光フォトサーモグラフ画像形成要素 - Google Patents

カプリング剤を含む蛍光フォトサーモグラフ画像形成要素 Download PDF

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Abstract

高い写真感度、高いコントラストおよび改善された画像弁別を示す、著しく改善された蛍光画像形成要素を提供する。
【解決手段】カプラー剤には、露光したハロゲン化銀との反応時に酸化形態を生ずる現像主薬と、その現像主薬の酸化形態との反応によって安定な反応生成物、好ましくは色素を生成できる分子との組み合わせが含まれる。これは、現像時に生成される酸化された現像主薬のためのシンク効果を有する。色素形成化学が蛍光画像形成と結びついて、蛍光方式の性能に劇的な改善をもたらす。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱処理時に現像される画像が蛍光によって検出されるフォトサーモグラフ要素に関する。当該フォトサーモグラフ要素には、感光性で、熱現像可能な銀画像、および蛍光強度が露光量の関数として調整される蛍光材料(発蛍光団)と像様反応生成物を生ずるカプリング剤の両者、好ましくはその発蛍光団により吸収されるか、あるいは放射される光の一部または全部を吸収する色素が含まれる。
【0002】
【従来の技術】
慣用の写真では、画像は写真フィルム上に記録され、次いでこのフィルムが一連の処理溶液に含浸処理されて、フィルム構造における発色材料の濃度変化として原光景における光強度の記録が与えられる。黒白画像の場合には、その記録は、通常、可視光の全体の強度からなり、そして発色材料は、典型的に像様現像によって形成される金属銀である。典型的に、フルカラーの処理では、その記録は、フィルムにシアン、マゼンタおよびイエロー色素の濃度変化で記録された、原光景における別個の赤色−、緑色−および青色情報からなっている。そのように記録された画像情報は、次いで(投影用のスライドにおけるように)直接に見られるか、あるいは(写真ネガからのプリントの作製におけるように)見るための第2画像をプリントするために使用される。
【0003】
慣用写真での制約の一つは、カラー補正である。スライド画像の場合には、一度処理がなされると、演色、最小濃度、画像コントラストなどの補正は全く不可能であり、その画像は、本質的に直接見られる。更にカラープリントの場合にも、画質を改善するためにはある種の補正のみが実行可能であり、フィルムまたは印画紙の発色剤を操作したり、あるいは印刷パラメータ(露光量、カラーバランス等)を調節したりすることには困難が伴う。
【0004】
慣用写真の他の制約には、処理時に消費される薬剤の量、輸送、取扱いおよび廃棄において提起される問題がある。ハロゲン化銀フィルムの処理に使用される溶媒および処理剤の量を制限することは、常に望ましい。上記で指摘したように、カラーフィルム用の伝統的な写真処理機構には、現像、定着および漂白、および洗浄が含まれ、各工程には、典型的に、必要な薬剤溶液を保存するタンクに浸漬することが含まれる。
【0005】
フォトサーモグラフフィルムを用いることによって、処理溶液を全く無くするか、あるいはこれに代えて、処理溶液およびそれに含まれる錯体剤の量を最小となすことが可能となろう。定義によるフォトサーモグラフ(PTG)フィルムは、現像を達成するためにエネルギー、典型的には熱を要するフィルムである。乾式のフォトサーモグラフフィルムでは、熱のみが必要となる。ある実施態様において、溶液を最小限とするフォトサーモグラフフィルムでは、現像を達成するために少量のアルカリ水溶液が必要となることがあるが、その量は、過剰な溶液ではなくて、単にフィルムを膨潤させるに必要な量だけであってよい。しかしながら、完全に乾式のフォトサーモグラフ処理が、一般的には好ましい。
【0006】
フォトサーモグラフフィルムは、典型的には、走査されているので、画質を高めるカラー補正の機会が与えられる。電子的走査およびディジタル化によって画像情報を取得することは、現代の画像形成技術の常套手段となっている特徴である。もしも取得された画像が最初にディジタル化されるならば、画像ファイルのコンピュータ処理によって非常に広範囲の変形が可能である。同時に、視覚的に満足のいく画像が、通常は見たりプリントしたりするには不適であるフィルム上の画像から記録されたディジタル情報より作成できる。フォトサーモグラフフィルムでは銀が残留するから、フィルム画像は、高い最小光学濃度(Dmin)を有している。これらの画像は、容易にディジタル化することができ、そして慣用の光学プリントを用いて可能であるものよりも一層魅力的なプリントを得るための操作も可能である。
【0007】
カラー補正に加えて、慣用のカラー写真では、カラー記録を記録する画像色素が不変的にシアン、マゼンタおよびイエローであるのに対して、非常に広範囲のカラー色素が適当なスキャナーによって使用できるというその他の走査上の利点もある。例えば、赤色光の情報は、IR吸収色素の濃度で記録されるので、それらは擬似カラーであってもよい。更に、二つの異なるカラー記録に相当する色素が、実質的にオーバーラップしている吸収スペクトルを有すること、または、その光景がフィルム上に記録されているように、光景にRGB情報が混合されているように増感することさえ、可能である。そのディジタル情報の代数的操作を用いれば、このオーバーラップまたはその色混合に係る大部分で相殺させることができるので、原光景における真の赤色、緑色、および青色(RGB)光レベルが、これらの部分的に入り組んだデータからでさえ再生が可能である。
【0008】
殆どのディジタル方式には、慣用の処理に通常使用される同種の情報、つまり現像画像に像様に組み込まれた色素による光の吸収によって透過光ビームを調整することが含まれる。しかしながら、ディジタル化によって、視覚的に満足できる画像を再生するために必要なデータを収集する全く新規な方法が得られる。種々な方式が提案されている。例えば、一部が反射性の中間層、吸収性の中間層、または反射性の中間層とすることによって、全てが同じ色調に(例えば、銀灰色スケールに)あるカラー記録を分離させるのに役立たせることができる。この種の画像記録方式は、例えば、米国特許第5,334,469号、同第5,350,651号、同第5,350,664号、同第5,389,503号および同第5,418,119号明細書に提案されている。同じ目標へのその他のアプローチは、蛍光中間層を用いることであり、この方法は、米国特許第5,350,650号明細書および欧州特許第0702483号明細書に提案されている。
【0009】
画像を記録するその他の方法は、Schumann 等の米国特許第4,543,308号明細書に開示されているが、そこでは、多数のカラーフィルムおよび印画紙様式から像様情報を記録するために、残留増感色素からの蛍光を使用している。Schumann 等は、蛍光画像形成方式には、色素の吸収に基づく画像形成方式に優る利点があることを書き留めている。例えば、蛍光の検出は、非常に低レベルでなし得るので、画像形成には極少量の発蛍光団しか必要としない。発蛍光団が、慣用のアプローチにおける高価な色素形成カプラーの大量使用に取って代わることができ、それによってフィルムの製造がより安価となる。また、少量の画像形成発蛍光団によって、実質的により薄いフィルム構造の塗膜となし得るので、画像構造と製造との経済性の点で改善が可能となる。しかしながら、Schumann 等の要素は、全てが慣用の方法によって処理されていて、そこには熱現像によって生成される画像は含まれていない。
【0010】
Schumann 等は、仮に色素形成カプラーが用いられても、それらは何ら悪影響を及ぼさないが、この色素形成カプラーは、蛍光画像形成には不要であると述べている。しかしながら、当該カプラーを用いると、その発明の主たる利点、つまり、はるかに少量の蛍光色素によって高価なカプラーと置換できること、およびそれに続いてより薄い画像形成層の作製が可能となるというその発明の利点を徐々に減退させてしまうことになろう。比較の目的で、実施例7では、Schumann 等は、カプラーから発色色素を形成するときに銀を除去することを採用しているが、当該カプラーの使用を開示している。このように、Schumann 等の蛍光画像形成方式にカプラーを使用することから生じるある不都合については述べられているが、明白な利点は全くない。
【0011】
【特許文献1】
米国特許第4,543,308号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,334,469号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,350,650号明細書
【特許文献4】
欧州特許第0 702 483号明細書
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のことを考慮すると、蛍光画像形成が画像情報の記録に用いられてきた全ての場合に、画像を現像および/または作成し、銀または現像色素のいずれかに光を吸収させることによって蛍光を調節することの湿式化学手段が含まれている。熱処理したフィルムに蛍光画像形成することは、以前には達成されていなかった。かかる画像形成方式では、蛍光材料が、高温処理条件とフォトサーモグラフ要素内に格別に存在している化学成分とに充分に共存できることが必要となる。その蛍光材料(「発蛍光団」)は、それが大きくて、活性があり、しかも反応性の実在であるといっても、フォトサーモグラフ要素中で銀現像を起すに必要な複雑な組み合わせの薬剤の存在下で高温に耐えられることが必要とされる。化学成分は、フォトサーモグラフ要素内に存在するが、慣用の方式では存在せず、例えば、それには、有機銀塩、溶融した形成体、およびブロック化した現像現像主薬または熱現像時に反応性中間体を発生する他の化合物が含まれている。蛍光潜像がフォトサーモグラフ要素に形成されるのか、あるいは検出できるのかは未だ決定されていないというよりも、むしろ、慣用の処理で洗い出された還元および酸化の両形態にある現像主薬のような成分を含めて、前述した薬剤成分または障害を及ぼすことがある他のフィルム成分によって抑制されるか、あるいは損なわれるということであろう。
【0013】
Schumann 等の米国特許第4,543,308号明細書では、多層のカラー写真材料における画像形成には、分解露光または白色光露光が使われている。更に、白色光露光の全ては、漂白−定着材料に相応する。したがって、Schumann 等は、未定着層間の妨害が大きい場合のフィルムでは勿論のこと、慣用のフィルムで可能であることを実質的に示してはいなかった。未漂白で未定着であるフォトサーモグラフフィルムでは、いずれの蛍光画像も、他の色を強く散乱および吸収する層の存在下で、しかもそれを通して、目に見えることが求められるであろう。
【0014】
最後に、Schumann 等は、蛍光潜像の殆どは、低レベルの銀および銀現像で現れることを教示している。この所見によれば、蛍光潜像は低カブリレベルに対しても同様に感光することを示唆している。フォトサーモグラフ要素、特に発色要素は、実質的なカブリの存在の影響を受け、これが蛍光画像の基準に悪影響を及ぼすことが考えられる。種々な未知で潜在的な問題があるのにも拘わらず、フォトサーモグラフ材料における蛍光画像形成を達成することは、非常に望ましい。
【0015】
かかる蛍光画像形成の利点は、慣用のフィルムに反して、Schumann 等によれば定着および漂白が必要とされないこと、そしてフォトサーモグラフフィルムでは湿式現像が必要とされないことから、特にフォトサーモグラフ要素に適している。したがって、Schumann 等によって教示される処理と比較すると、フォトサーモグラフフィルムでは、全く湿式処理は必要とされない。慣用のフィルムについては、とにかく湿式現像を必要とするので、定着や漂白の不存在も利点ではなく、改善という理由で望ましくさえない。これに反して、フォトサーモグラフ方式については、その湿式現像のないことが、乾式処理を用いて画像形成されたプリントを迅速に顧客に提供するために売店を使用することが可能となり、また他方、任意に後で湿式処理を用いて治療することも可能となる。
【0016】
走査およびディジタル化の目的の一つは、その環境および職業上の安全リスクと共に、この複雑な処理薬剤の経費および不都合をできるだけ多く避けることであるので、走査技術をより簡単な処理、例えば、露光フィルムのサンプルを単に加熱するだけで画像形成の目的に好適な銀画像を生成させる熱処理と結びつけることが好都合である。画像の現像のために単に熱処理することしか要しない、色素による光吸収に基づく慣用の画像形成方式を用いて走査可能のフィルムを設計するために、相当量の仕事がなされてきた。
【0017】
出願中の共願され、一般承継された米国出願第       (整理番号81568)号明細書には、支持体上に塗付された、本質的な要素として感光性ハロゲン化銀乳剤、蛍光材料(発蛍光団)および混入された現像主薬を含む少なくとも一つの層を含んでなる熱処理可能な蛍光画像形成要素について記載されている。蛍光画像は、この要素を露光および熱処理することによって得られるが、その画像は、最高の画質からはなっていない。これらの要素により得られる画像のコントラスト(露光における変化量の程度は、蛍光強度の変化量で表わされる)は、比較的に低く、そして写真感度(光に対する要素の感度)も、同じハロゲン化銀乳剤を用いる同様の要素と比較して低いが、目で見える色素画像を得るために水溶液で処理される。蛍光画像形成要素の感光性と写真応答性の両者を改善する方法を見出すために、画像形成に対するこのアプローチを実際に適用することは、非常に有益であろう。
【0018】
【本発明の概要】
本発明によれば、蛍光物質(「発蛍光団」)とカプリング剤を含有する少なくとも一層のハロゲン化銀画像形成層を含むフォトサーモグラフ画像形成要素が記載され、そこでは、画像形成要素が露光され、次いで加熱によって処理されて、当該要素からの蛍光強度が像様調節され、当該要素が露光された光の強度の蛍光画像を得ることで画像が形成される。この蛍光画像からは、次いでスキャナーのような適当なディジタル検出装置を用いてディジタル化され、そしてディジタル処理されてプリントされ、原データの視覚的に到達可能な画像(つまり、写真画像)が得られる。
【0019】
本明細書で使用する用語「スキャナー」とは、二次元画像から画像担持電気信号を形成する装置のことをいい、そして、本明細書で使用する「走査」とは、写真フィルムをコンピュータによって使用可能な電子的形態に転換する方法のことをいう。また、スキャナーは、電子信号をディジタル形式に転換できることが好ましい。好ましい実施態様では、スキャナーには、1次元または2次元のCCDアレー検出器が含まれる。
【0020】
本発明の好ましい実施態様では、異なる波長領域に個々の感度を有する少なくとも三種の感光性ユニットを有し、そのユニットのそれぞれには、少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤、一種以上の有機銀塩、およびバインダー、および現像主薬またはその先駆体が含まれるカラーフォトサーモグラフフィルムを指向している。
【0021】
また、本発明では、カメラで像様露光されたフォトサーモグラフフィルムの処理方法であって、その方法が、順に、(a)前記フィルムを実質的に乾式処理で80℃を超える温度に加熱することを含む、外的に付加した現像主薬を含まないで当該フィルムを熱現像する工程、および(b)少なくとも一層の画像形成層(カラーフィルム中のカラー感光性ユニットのいずれか一つまたは全て)と関連する蛍光色素によって発光される蛍光潜像を検出すること、それに基づいて、ポジ画像を発生させることができるディジタル電子記録をディスプレー要素に与えること(その際にフィルム内の銀およびハロゲン化銀塩の実質的量または全てが検出前に除かれていないこと)を含む方法を指向している。熱の活性化は、約80〜180℃の範囲の温度で起こることが好ましい。本発明の一実施態様では、少なくとも最初の処理が、売店で行なわれる。
【0022】
本出願人等は、カプリング剤をその蛍光画像形成要素に混入すると、結果的に驚くほど蛍光画像形成が改善されることを見出している。この改質された蛍光画像形成要素は、より高い写真感度、より高いコントラスト、および改良された画像弁別を表示できる。
【0023】
本発明の好ましい実施態様では、露光されたハロゲン化銀との反応時に酸化された形態を生ずる現像主薬とその酸化された形態の現像主薬との反応によって発色色素の反応生成物を生成できるカプラーとの組み合わせを含む色素形成剤が用いられる。この種の薬剤は、通常、慣用の画像形成方式である、現像のために熱処理されるものおよび普通の湿式化学手段を用いるものの両者に使用される。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明では、光強度の入力または捕獲情報は、蛍光画像形成によって少なくとも部分的に得られる。これは、原光景における光強度情報が、2次元フィルム構造に固定された蛍光材料によって放射される光の空間変位(変調)として、捕獲後に検出される。より詳細には、本発明には、蛍光強度の変調が熱処理可能なハロゲン化銀画像形成要素に達成できる蛍光フィルムが含まれる。好ましくは、この要素には、支持体上に塗布された少なくとも三層の画像形成層、感光性ハロゲン化銀乳剤を含む少なくとも一層、混入された現像主薬、蛍光化合物(「発蛍光団」)および酸化された現像主薬との反応生成物を形成するカプラーが含まれる。
【0025】
本明細書中、用語「カプラー」または「カプリング剤」とは、酸化された現像主薬との安定な分子状反応生成物を生成し、それによって当該系から酸化された現像主薬を除くのに役立つ化合物のことをいう。好ましい実施態様では、反応生成物は、蛍光画像の識別性を高める発色色素である。
【0026】
好ましい実施態様には、カラー画像形成が含まれる。慣用の発色ハロゲン化銀画像形成におけるように、本発明手段によるカラー画像の記録には、光の強度を再現する原光景の視覚に訴える表現を創生するためのその光強度情報を使用する能力と共に、可視スペクトルの三つの異なる領域、例えば赤色、緑色および青色の領域での光強度情報を得ることが必要となる。その(最終観察のための)再現は、(コンピュータスクリーン上に形成される画像におけるように)赤色、緑色および青色光か、あるいは、仮に、例えば白色反射支持体上の写真プリントとして画像を見ることになっているならば、シアン、マゼンタおよびイエロー色素のレベルのいずれかであってよい。
【0027】
上記に示したように、本発明によるフォトサーモグラフ要素には、蛍光化合物、即ち「発蛍光団」を含有する少なくとも一層のハロゲン化銀画像形成層が含まれる。発蛍光団は、スペクトルのある領域の光を吸収し、次いで、適度な効率で、第2の、より長い波長領域で光を放射する化合物である。
【0028】
この発蛍光団は、分光増感色素であってもよいが、その分光増感色素の能力は、蛍光画像形成には重要でないJ凝集体を形成する能力に依存しているので、そうでないことが好ましい。これに代えて、好ましい発蛍光団を選択すると、それは、(1)最小量の発蛍光団での使用を可能とする、励起光に対する高い吸収能を示し、(2)分光増感色素が発光する程度までは増感しないため、好ましくは分光増感色素によって示されるよりも大きい高い発光量子効率を示し、(3)熱安定性を示し、(4)大きなストークスシフトを示し、(5)狭い吸収帯域を示し、そして(6)狭い発光帯域を示すことである。
【0029】
一つの実施態様では、この発蛍光団は、10L/モル−cmより大きい分子吸光係数を示し、この発蛍光団は、1%、好ましくは10%を超える発光量子効率を示し、この発蛍光団のストークスシフトは、10nm、好ましくは30nmを超え、この発蛍光団は、100nmより小さい吸収帯域を示し、そしてこの発蛍光団は、150nmより小さい発光帯域を示している。蛍光発光のための高い量子効率は重要であるが、必ずしも全てのこれら要件が、ある所定の発蛍光団に合致していなければならないということではない。好適には、発蛍光団は、画像形成層に10−9〜10−3モル/m、好ましくは10−8〜10−6モル/m量で使用される。
【0030】
本発明の好ましい実施態様では、この画像形成要素は、カメラ内での画像捕獲媒体として用いて、使用光景からの光を記録し、次いで熱処理される。この処理された要素は、その後、当該層または複数層における一種以上の蛍光化合物の蛍光を励起する方法で照らされ、そしてその放射光が、ディジタル捕獲装置、例えばCCD(電荷結合装置)線状アレーのようなスキャナーによって捕獲されて、ディジタル画像を生じる。それから、このディジタル画像は、コンピュータによって適当に処理された後に、これを用いて、インクジェットプリンター、感熱色素転写プリンター、写真プリンター用のレーザ露光装置のようなある種のディジタル出力装置を駆動したり、あるいはビデオディスプレイ装置に画像を映すことができる。
【0031】
本発明の利点のいくつかは、上記で挙げた重大な要素、即ち、感光性ハロゲン化乳剤、混入された現像主薬、発蛍光団、およびカプラーを含有する単一の一層構造であるという点で説明できる。光景から高強度の光に曝されるフィルムの領域(Dmax域)では、混入されたハロゲン化銀粒子上に潜像の生成が起こり、その結果、混入された現像主薬の存在下での熱処理時に、金属銀および酸化された現像主薬が形成され、その酸化された現像主薬が、順次、カプラーと反応して、漂白はしないが銀と反応する化合物が生成される。(現像主薬と潜像との反応は可逆的であるから、酸化された現像主薬用のシンク(sink)がないと、潜像の一部が過剰の酸化された現像主薬によって破壊されると思われる。)暗い(Dmin領域)光景の領域には、露光時に、潜像は殆どあるいは全く生成されず、その結果、現像時に、金属銀は殆どあるいは全く形成されない。銀画像の形成を促進させる添加剤は、DmaxとDminとの顕著な識別性を得るため、つまり、良好な画像弁別を得るために有効である。例えば、銀ドナー(物理現像による現像処理に銀イオンを供給する適度に可溶性の銀塩)は、溶融形成剤、可塑剤、カブリ防止剤、現像促進剤、塩基離型剤等と共に用いると、画像形成工程を促進させ、かつ高低露光面の間に大きな弁別を与えることができる。
【0032】
銀イオンの銀金属への還元は、酸化された現像主薬の形成によってフィルム内で達成されるが、これは、慣用の処理では、画像形成の目的で使用される光吸収色素を生成させるために用いられる。カプラーの不存在下では、この酸化された現像主薬が像様に発蛍光団を破壊するか、あるいはこれに代わって、非蛍光先駆体から像様に発蛍光団を生成する。また、いかなる種類の反応も、酸化された現像主薬と混入した蛍光化合物との間に起こらず、そして画像弁別が、下記するように単に物理的手段によってのみ得られることも、可能である。
【0033】
本発明では、カプリング剤、好ましくは色素形成カプラーを熱蛍光画像形成系に混入すると、その際に、好ましくは発色色素を形成させるためにこれらカプラーとの反応が可能な混入現像主薬を一緒に用いると、驚くほど改善された写真感度の結果が得られることが見出されている。所定の画像形成要素または層に使用するためのもっとも望ましいカプラーは、その要素または層内で発蛍光団の励起光または放射光のいずれか一方もしくは両方を吸収する色素を形成するものである。例えば、仮に、青色または青緑色の領域で発光する青色光吸収発蛍光団がある層に使われるならば、その最も有益なカプラーは、スペクトルの青色または青緑色の領域で光を吸収するものである。コントラストおよび画像弁別およびDminは、特に、カプラー/ブロック化現像主薬の組み合わせの存在に影響され、それが存在すると全てが大いに改善される。このカプラーが、シアン、マゼンタ、イエロー、赤外、または紫外の色相の色素である反応生成物を形成することが、一層好ましい。着色フィルムの場合には、その色相は、それぞれのカラーユニットで異なる。
【0034】
理論に縛られたくはないが、感度が増大するのは、酸化された現像主薬と未現像の潜像との反応の結果であると推測される。カプラーの存在下では、その酸化された現像主薬が、カプラーとの反応によって優先的に破壊され、その結果写真感度が向上する。
【0035】
本発明の熱処理方式では、未露光のハロゲン化銀についてもまた現像銀についてもその実質的除去は予想されていないことに留意されたい。したがって、フィルムの露光領域には、未現像のハロゲン化銀の一部と共に銀粒子が含まれているのに対して、未露光(Dmin)領域には、本質的に未現像のハロゲン化銀のみが含まれている。銀粒子は非常に暗くて、そのため全ての可視波長の光を吸収してしまうのに対して、ハロゲン化銀粒子は、単に少量の光を吸収するのみで、散乱が大きい。露光され、処理されたフィルムのサンプルが発蛍光団によって吸収される波長の光に曝されるときに、層内にこれらの散乱中心が存在すると、有効な光学距離を増大させ、それによって入射光が蛍光色素によって吸収される確率が上がる。したがって、Dminの領域では、蛍光色素は、比較的効率よく励起する。それに反して、Dmaxの領域では、高い吸収性の銀の金属粒子が存在すると、有効な励起を抑制してしまう。同様に、発蛍光団が光子を放射するときは、Dminの領域では、光子が構造物から速やかに散乱され、そこで光子がスキャナーまたはCCDカメラによって検出される。Dmaxの領域では、光子は、フィルムから逃れる前に銀粒子によって吸収される高い確率を有する。この物理的機構は、我々が観察する光強度の多くの変化の原因となっているものと思われる。しかしながら、また、発蛍光団が、酸化された現像主薬との反応によって一部破壊される可能性もある。仮に、この反応が起リ、そしてその反応生成物が非蛍光性であるならば、画像弁別の更なる向上が期待される。
【0036】
基本的な蛍光画像形成要素は、以下のように図式的に示される。
【表1】
Figure 2004038137
【0037】
カプラーが存在しないと、コントラスト、画像弁別、および写真感度は、画像捕捉装置としてのCCDスキャナーを用いて画像形成情報を得るのに劣っている。コントラストと画像弁別は、二つの特に重要なパラメータである。写真技術により記録される光景には、多くのオーダーの強さの大きさによって変化する光のレベルが含まれる。光景を記録するのに使われるフィルムは、できるだけ多くのこれらのレベルを識別できなければならず、典型的には、市販の写真フィルムでは、色素濃度のレベルより10,000倍以上の強さで変化する光のレベルを記録できる。本発明では、入射光の強度は、色素濃度に代わって種々の蛍光強度の変量で記録されている。この蛍光強度の変量は、適当なアナログ/ディジタル(A/D)変換装置を用いてディジタル的に測定、記録される。
【0038】
好ましい実施態様では、このA/D変換装置は、CCDカメラであり、これは、蛍光強度レベルを離散したグレーレベルとして記録する。グレーレベルの数は、多くの他のパラメータ:カメラノイズ(暗流)の程度、全体の蛍光濃度、およびデータ捕捉時間と共に、カメラ内の情報を記録するために使われるCCDカメラの谷の深さ(つまり、画素当たりの最大電子数)によって決定される。これらパラメータの重要性を理解するために、最大の強度の領域で、そのCCDの画素の谷が殆ど完全に満たされているような捕捉時間を用いて、中庸のコントラストと中間の最大蛍光強度をもつフィルムから画像を得ることを考えてみよう。スケールの他端で、信号レベルは、捕捉時間の増大に伴って一定速度で大きくなる暗流レベルを超えるある光電子の獲得数か、あるいはDmax(最低強度)領域で放射する光の強度のいずれかによって決定される。最大効率のビット深さ、および良好なグレースケール、即ち演色を達成するために、信号レベルは、Dmax における発光強度によるよりも、むしろ暗流によって実質的に限定されることが望ましい。この望ましい状態は、(Dmin−max)/Dmin 比によって測定される画像弁別が充分に大きく、そして、蛍光画像のコントラストが、少なくとも典型的な光景で出会う露光レベルの範囲を越えるこの範囲に達成するに充分なほど高い場合にのみ到達する。また、Dminでの発光の絶対量も、捕捉時間(これは、高い生産性のためにはできるだけ短いことが必要である)、およびこの捕捉時間を通しての全体の暗流信号を決めるのはこの値であるから、それは重要である。暗流信号は、捕捉時間に伴って直線的に増大するから、短い捕捉時間であればこの根源からは小さな信号しか得られず、よって、画像信号を記録するためには、利用可能な大規模な範囲の検出器の応答が必要である。
【0039】
したがって、いずれの蛍光画像形成方式でも、可能な最高の蛍光発光効率を有すること、可能な最大の画像弁別を有すること、および選ばれた検出器を用いて適当な画像形成を得るために充分に高いコントラストを有することが、重要である。また、ある単純な装置でコントラストを操作する能力も、それがフィルムの設計に役立ち、実際システムでのフィルムと検出器の共同設計に有益である。
【0040】
フルカラーの画像形成要素は、上述したものと類似する単一層の要素の支持体上に重ねることによって構成される。各層には、適宜増感されたハロゲン化銀乳剤、混入された現像主薬、発蛍光団、およびカプラーが含まれる。一つの実施態様では、三種の異なる発蛍光団が使用され、そのそれぞれは、異なる励起特性および発光特性を有する。本発明の基本的な特徴は、以下の構造Iを満足する多色フォトサーモグラフ要素の構成および用途を考慮することによって理解できる。この構造、および以下の議論は、単に例証的であるようにと意図し、そしてその機能についての構造および議論は、共にこの目的のために極めて単純化しており、その基本的なアプローチについての多くの変形は、予想されるところである。
【0041】
【表2】
Figure 2004038137
【0042】
上記のカラーの実施態様では、露光および熱処理後に、この要素は、三つの別個の工程で、三種の異なる色の励起光で照らされる。青色光が表面層の青色吸収発蛍光団を励起させ、その結果この発蛍光団からの緑色発光が、その層内の銀を現像することによって強く変調される。それに相応して、緑色光の励起が緑感性層内の発蛍光団を励起させ、その結果として緑色層内での銀現像によって変調されたスペクトルの赤色域で発光する。同様に、赤色光の励起と赤外線の検出によって、主として赤色層についての情報が得られる。
【0043】
照明および検出装置の構造にもよるが、励起ビームと発光ビームのいずれか、あるいは両方が一層以上の層を通過する。例えば、線形検出方式(図1に概略的に示されるのもの)を考えてみると、そこでは、光源1からの全ての励起光は、フィルム内の発蛍光団を励起する領域の光の狭い帯域を通す干渉フィルター5を通過する。干渉フィルター5を通過した後、励起光が、フィルム4の支持体2および画像層3を通過する。つまり、その構造は、上記構造Iに示されるフィルムの底部から照らされる。青色記録(BU)における発蛍光団を励起するために、その励起光は、赤感層および緑感層(RUおよびGU)を通過しなければならない。これらの層の銀画像は、青色光を像様に吸収するため、青色記録における励起強度には、出力強度に反映される赤色層および緑色層についての情報が含まれる。同様に、赤色層(RU)内の発蛍光団によって発光する光は、この方式で検出されるために緑色層および青色層(GUおよびBU)を通過しなければならず、したがって、その強度は、それら層内の銀の存在によって変調される。その後、フィルム4内の発蛍光団によって発光した光は、励起光に不透明である波長を受入れないが、発蛍光団によって発光する光の透過を許す干渉フィルター6上で衝突する。この光は、後にスキャナー7によって記録される。
【0044】
層の下側から発生する青色光は、イエローのフィルター色素層によって強く吸収され、その理由で、その構造体の前面を青色光で照らすか、あるいはイエローフィルター層によって吸収されるものより長い波長で効率的に励起される表面層内の色素を少なくとも用いることが(代替的な実施態様では)好ましいことがある。
【0045】
三個の異なるセットの干渉フィルター5および6が、緑色、赤色、および青色露光についての情報を有する三個の別個のチャンネルを得るために使用される。各セットのフィルターは、対応するカラー層内の発蛍光団から最適な応答を得るように選択される。したがって、当該フィルムは、図2の三色のR、G、B記録を得るように各セットのフィルターを用いて、順次的に走査される。
【0046】
いかなる場合でも、記録された赤色、緑色、および青色の蛍光強度は、赤色光、緑色光、および青色光(FGB信号)における露光量を完全には反映しないが、その代わり、全ての三色における露光量についての異なる関数であることが期待されている。したがって、コンピュータ操作には、蛍光強度の情報からRGB露光量の情報を再生することが要求されている。この状況は、慣用の写真方式でも同様に遭遇し、そこでは、特に現像銀が回収されない方式では、銀現像が色素の生成と結びついている。
【0047】
本発明の蛍光画像形成の利点は、検出器の設計において、また発光および励起波長の選択において、より柔軟性があり、その結果、RGBの露光信号の解析をより最適化しうることである。カラー弁別のために一セットの3種の色素による光の吸収に依存する方式の場合には、線形の光学的機構が通常用いられ、そこでは、白色光が、支持体、次に色素を有する画像形成層、次いで一セットのフィルターのそれぞれを通過する。その後、検出器(CCDカメラまたは同様の装置)が、透過光の強度を要素に係る位置情報として記録する。検出器の応答の最適化には、単一の自由度(フィルターセットの透過最大値)しかない。これに反して、蛍光画像形成では、それぞれの記録の場合に、検出器の応答およびカラー記録間の分解を最適にするように二つの波長を調節することが可能である。更に加えて、励起光は、いずれの側からも(前面からまたは支持体を通して)処理されたフィルムを照らすことができる。また、吸光測定値によって蛍光強度の測定を補足することもできる。例えば、三種の記録における全部の現像銀が、蛍光強度の測定におけると同じ検出器および光源を用いるが、その光路に発光フィルターを用いないで、全体の構造を通す透過光の吸収量によって測定することが可能となる。この情報は、蛍光強度の測定値を補足するため、およびRGB情報のより正確な分解を可能とするために用いることができる。
【0048】
構造I以外の多くの他の構造を用いても、当業者には明らかであるが、少なくとも一層に本発明の特異な組み合わせを使用する限り、フルカラーの画像形成が達成可能である。例えば、Evans、Rider および Simons の米国特許第5,350,651号明細書に示される構造であれば、いずれもこれを使用することができる。これら構造の多くでは、赤色、緑色、および青色の画像形成層が、処理の際に同じ色相(通常は、黒)の色を形成し、そして、そのRGB情報は、画像形成層の間に挟まれた中間層の蛍光色素からの蛍光性の光を読み出すことによって得られる。また、混成構造または画像の取得処理も、上記したように使用でき、蛍光発光と色素および/または銀による光の吸収とを併用すると、画像形成またはカラー記録の分解が高まる。そのような混成処理の一具体例は、上記したが、現像銀による光の吸収を用いて、蛍光画像形成情報を補足することである。同様の役割は、フィルムの一以上の層に像様に形成された色素によって演ずることができ、そこでは、その色素による光の吸収が蛍光画像情報を補足して、コンピュータ操作後に強化したカラー記録の分解を得ることができる。
【0049】
Schumann 等の米国特許第4,543,308号明細書、特に10欄以降、および Gasper 等の米国特許第5,350,650号明細書、表II、14〜17欄に挙げられる発蛍光団を含め、熱処理条件に耐えられる発蛍光団であれば、いずれも本発明で有用である。他の具体例は、以下の表XXにある。メチン、トリメチン、およびペンタメチンのオキサノール色素は、特に好ましい発蛍光団である。多くの場合に、乳剤の増感色素は、他の更なる発蛍光団の添加が無くても蛍光画像形成を許容するに充分な蛍光特性を有する。数個の増感色素は、Gaspar 等(諸所に引用)により記載されているが、以下の表XXに示される構造は、特に本発明に有用であることが見出されている。
【0050】
フォトサーモグラフ画像の形成用のカプラーとして用いることができる化合物に関しては、特許文献および技術文献が充実している。典型的に、カプラーは、銀に対して0.05〜1.0、そして一般には0.1〜0.5のモル比でハロゲン化銀乳剤層中に混入されている。
【0051】
酸化された発色現像主薬との反応時にシアン色素を形成するカプラーは、典型的にフェノールおよびナフトールである。酸化された発色現像主薬との反応時にシアン色素を形成する画像色素形成カプラーは、「Farbkupper−eine LiteratureUbersicht」、Agfa Mitteilungen 社発行、第III巻、156〜175頁(1961年)、並びに米国特許第2,367,531号、同第2,423,730号、同第2,474,293号、同第2,772,162号、同第2,895,826号、同第3,002,836号、同第3,034,892号、同第3,041,236号、同第4,333,999号、同第4,746,602号、同第4,753,871号、同第4,770,988号、同第4,775,616号、同第4,818,667号、同第4,818,672号、同第4,822,729号、同第4,839,267号、同第4,840,883号、同第4,849,328号、同第4,865,961号、同第4,873,183号、同第4,883,746号、同第4,900,656号、同第4,904,575号、同第4,916,051号、同第4,921,783号、同第4,923,791号、同第4,950,585号、同第4,971,898号、同第4,990,436号、同第4,996,139号、同第5,008,180号、同第5,015,565号、同第5,011,766号、同第5,017,467号、同第5,045,442号、同第5,051,347号、同第5,061,613号、同第5,071,737号、同第5,075,207号、同第5,091,297号、同第5,094,938号、同第5,104,783号、同第5,178,993号、同第5,813,729号、同第5,187,057号、同第5,192,651号、同第5,200,305号、同第5,202,224号、同第5,206,130号、同第5,208,141号、同第5,210,011号、同第5,215,871号、同第5,223,386号、同第5,227,287号、同第5,256,526号、同第5,258,270号、同第5,272,051号、同第5,306,610号、同第5,326,682号、同第5,366,856号、同第5,378,596号、同第5,380,638号、同第5,382,502号、同第5,384,236号、同第5,397,691号、同第5,415,990号、同第5,434,034号、同第5,441,863号明細書、欧州特許第0246616号、同第0250201号、同第0271323号、同第0295632号、同第0307927号、同第0333185号、同第0378898号、同第0389817号、同第0487111号、同第0488248号、同第0539034号、同第0545300号、同第0556700号、同第0556777号、同第0556858号、同第0569979号、同第0608133号、同第0636936号、同第0651286号、同第0690344号明細書、独国特許出願公開第4,026,903号、同第3,624,777号、および同第3,823,049号明細書のような代表的な特許および刊行物に記載されている。典型的なかかるカプラーは、フェノール、ナフトール、またはピラゾロアゾールである。
【0052】
酸化された発色現像主薬との反応時にマゼンタ色素を形成するカプラーは、ピラゾロン、ピラゾロトリアゾール、ピラゾロベンズイミダゾールおよびインダゾロンである。酸化された発色現像主薬との反応時にマゼンタ色素を形成するカプラーは、「Farbkupper−eine Literature Ubersicht」、Agfa Mitteilungenn 社発行、第III巻、126〜156頁(1961年)、並びに米国特許第2,311,082号、同第2,369,489号、同第2,343,701号、同第2,600,788号、同第2,908,573号、同第3,062,653号、同第3,152,896号、同第3,519,429号、同第3,758,309号、同第3,935,015号、同第4,540,654号、同第4,745,052号、同第4,762,775号、同第4,791,052号、同第4,812,576号、同第4,835,094号、同第4,840,877号、同第4,845,022号、同第4,853,319号、同第4,868,099号、同第4,865,960号、同第4,871,652号、同第4,876,182号、同第4,892,805号、同第4,900,657号、同第4,910,124号、同第4,914,013号、同第4,921,968号、同第4,929,540号、同第4,933,465号、同第4,942,116号、同第4,942,117号、同第4,942,118号、同第4,959,480号、同第4,968,594号、同第4,988,614号、同第4,992,361号、同第5,002,864号、同第5,021,325号、同第5,066,575号、同第5,068,171号、同第5,071,739号、同第5,100,772号、同第5,110,942号、同第5,116,990号、同第5,118,812号、同第5,134,059号、同第5,155,016号、同第5,183,728号、同第5,234,805号、同第5,235,058号、同第5,250,400号、同第5,254,446号、同第5,262,292号、同第5,300,407号、同第5,302,496号、同第5,336,593号、同第5,350,667号、同第5,395,968号、同第5,354,826号、同第5,358,829号、同第5,368,998号、同第5,378,587号、同第5,409,808号、同第5,411,841号、同第5,418,123号、同第5,424,179号明細書;欧州特許第0257854号、同第0284240号、同第0341204号、同第0347235号、同第0365252号、同第0422595号、同第0428899号、同第0428902号、同第0459331号、同第0467327号、同第0476949号、同第0487081号、同第0489333号、同第0512304号、同第0515128号、同第0534703号、同第0554778号、同第0558145号、同第0571959号、同第0583,832号、同第0583834号、同第0584793号、同第0602748号、同第0602749号、同第0605918号、同第0622672号、同第0622673号、同第0629912号、同第0646841号、同第0656561号、同第0660177号、同第0686872号明細書;WO90/10253号、同92/09010号、同92/10788号、同92/12464号、同93/01523号、同93/02392号、同93/02393号、同93/07534号パンフレット;英国特許出願第2,244,053号明細書;特開平03−192350号公報;独国特許出願公開第3,624,103号、同第3,912,265号、および同第4,008,067号明細書のような代表的な特許および刊行物に記載されている。典型的には、かかるカプラーは、酸化された発色現像主薬との反応時にマゼンタ色素を生成するピラゾロン、ピラゾロアゾール、またはピラゾロベンズイミダゾールである。
【0053】
酸化された発色現像主薬との反応時にイエロー色素を生成するカプラーは、ベンゾイルアセトアニリドおよびピバリルアセトアニリドのようなアシルアセトアニリドである。酸化された発色現像主薬との反応時にイエロー色素を生成するカプラーは、「Farbkupper−eine Literature Ubersicht」、Agfa Mitteilungenn 社発行、第III巻、112〜126頁(1961年)、並びに米国特許第2,298,443号、同第2,407,210号、同第2,875,057号、同第3,048,194号、同第3,265,506号、同第3,447,928号、同第4,022,620号、同第4,443,536号、同第4,758,501号、同第4,791,050号、同第4,824,771号、同第4,824,773号、同第4,855,222号、同第4,978,605号、同第4,992,360号、同第4,994,361号、同第5,021,333号、同第5,053,325号、同第5,066,574号、同第5,066,576号、同第5,100,773号、同第5,118,599号、同第5,143,823号、同第5,187,055号、同第5,190,848号、同第5,213,958同、同第5,215,877号、同第5,215,878号、同第5,217,857号、同第5,219,716号、同第5,238,803号、同第5,283,166号、同第5,294,531号、同第5,306,609号、同第5,328,818号、同第5,336,591号、同第5,338,654号、同第5,358,835号、同第5,358,838号、同第5,360,713号、同第5,362,617号、同第5,382,506号、同第5,389,504号、同第5,399,474号、同第5,405,737号、同第5,411,848号、同第5,427,898号明細書;欧州特許第0327976号、同第0296793号、同第0365282号、同第0379309号、同第0415375号、同第0437818号、同第0447969号、同第0542463号、同第0568037号、同第0568196号、同第0568777号、同第0570006号、同第0573761号、同第0608956号、同第0608957号、および同第0628865号明細書のような代表的な特許および刊行物に記載されている。かかるカプラーは、典型的には、開鎖ケトメチレン化合物である。
【0054】
酸化された発色現像主薬との反応時に無色の生成物を生成するカプラーは、英国特許第861,138号明細書、米国特許第3,632,345号、同第3,928,041号、同第3,958,993号および同第3,961,959号明細書のような代表的な特許に記載されている。典型的には、かかるカプラーは、酸化された発色現像主薬との反応時に無色の生成物を生成する環状カルボニル含有化合物である。
【0055】
米国特許第4,301,235号、同第4,853,319号および同第4,351,897号明細書に記載されるもののような公知のバラストまたはカプリング離脱基を有するいずれかのカプラーを組み合わせて使用すると、有効であることがある。このカプラーには、米国特許第4,482,629号明細書に記載されるような可溶性基が含まれてもよい。また、このカプラーは、「ロング(wrong)」カラードカプラーと一緒に(例えば、中間層の補正レベルを調整するために
)使われてよく、そしてカラーネガの用途では、欧州特許第213,490号明細書;特開昭58−172647号公報;米国特許第2,983,608号、同第4,070,191号、および同第4,273,861号明細書;独国特許出願第2,706,117号および同第2,643,965号明細書;英国特許第1,530,272号明細書および特開昭58−113935号公報に記載されるもののようなマスキングカプラーと一緒に用いられてもよい。所望の場合には、このマスキングカプラーは、シフトされ、あるいはブロックされてもよい。
【0056】
カプラーは、画質を改善するために、例えば漂白や定着の処理工程を促進し、そうでなければ改質する写真的に有用な基(PUGS)を放出する物質と併用してもよい。欧州特許第193,389号、同第301,477号明細書;米国特許第4,163,669号、同第4,865,956号および同第4,923,784号明細書に記載されるもののような漂白促進剤放出型カプラーは、有用である。また、当該配合物を、核剤、現像促進剤またはその先駆体(英国特許第2,097,140号、同第2,131,188号明細書)、電子移動剤(米国特許第4,859,578号、同第4,912,025号明細書)、ヒドロキノンの誘導体、アミノフェノール、アミン、没食子酸;カテコール;アスコルビン酸;ヒドラジド;スルホンアミドフェノールのようなカブリ防止剤およびカラー混合防止剤、および無発色カプラーと併用することも考えている。
【0057】
本発明によるフォトサーモグラフフィルムの処理方法に言及すると、好ましい実施態様には、乾式熱処理が含まれる。「乾式熱処理」とは、本明細書中では、写真要素を像様露光した後に、フィルムを液体処理することなく、好ましくは水溶液を適用しない本質的な乾式処理で、当該フォトサーモグラフ要素またはフィルムの温度を少なくとも約80℃、好ましくは少なくとも約100℃、より好ましくは約120℃〜180℃の温度にまで上げる加熱を用いることによって得られた潜像を現像することを含む処理を意味する。本質的な乾式処理とは、液体、溶媒、または水溶液でフィルムが均一飽和することを含まない処理を意味する。
【0058】
好ましくは、熱現像時に、三種の感光性ユニットのそれぞれと反応関係で内部に配置されているブロックされた現像主薬が、解離して現像主薬を生成し、それによってその解離した現像主薬が現像時に像様酸化される。
【0059】
この熱現像には、典型的に、現像された画像が生成されるまで、例えば約0.5〜約60秒以内で、フォトサーモグラフ要素を加熱することが含まれる。その熱処理温度を高めたり、低めたりすることによって、処理時間をより短くまたはより長くすることは、有効である。フォトサーモグラフ分野で知られる加熱手段は、露光したフォトサーモグラフ要素に好ましい処理温度を与えるために有用である。この加熱手段は、例えば、単一のホットプレート、アイロン、ローラー、加熱ドラム、マイクロウェーブ加熱器、加熱空気、蒸気等がある。熱処理は、好ましくは、周囲の加圧および加湿条件下で実施される。通常の大気圧および湿度以外の条件が有効である。
【0060】
所望の画像を得るためには、写真の組み合わせ成分は、相互に「関連して」いることが必要である。本明細書では、用語「関連して」とは、フォトサーモグラフ要素において、写真ハロゲン化銀と画像形成との組み合わせが、相互に所望の処理を可能とし、有用な画像を生成するような位置関係にあることを意味する。これには、異なる層における成分の配置も含まれる。
【0061】
好ましくは、現像処理は、(i)60秒より短い時間、(ii)120℃〜180℃の温度で、かつ(iii)いかなる水溶液も適用すること無く、実施される。
【0062】
消費者のカメラに関して一般使用のためにカラーフォトサーモグラフフィルムを乾式熱現像することは、それが湿式処理の溶液無しに熱を加えることによって現像されるから、処理の容易性と便宜性において意味のある利点がもたらされる。このようなフィルムは、本質的に乾式の設備を用いるので、特に、売店や家庭での現像になじみ易い。よって、この乾式フォトサーモグラフ方式は、(消費者による画像の獲得という段階から消費者の手の内にあるプリントという段階まで)現像の便宜さ、近づき易さ、および感度を一層大きくし、更には、広範な断面の消費者に対し家庭での本質的な「即時の」現像にまで至る新しい機会を開拓するものである。
【0063】
説明に役立つ目的で、通常の乾式熱現像工程を含むフォトサーモグラフフィルム処理についての未だ検討し尽くしていないリストを挙げれば、以下のとおりである。
1.熱現像⇒走査⇒安定化(例えば、積層で)⇒走査⇒復帰可能な記録保管フィルムの獲得。
2.熱現像⇒定着浴⇒水浴⇒乾操⇒走査⇒復帰可能な記録保管フィルムの獲得。
3.熱現像⇒走査⇒漂白定着⇒乾操⇒走査⇒フィルム中の銀の全部または一部の回収。
4.熱現像⇒漂白積層⇒定着積層⇒走査⇒フィルム中の銀の全部または一部の回収。
5.熱現像⇒漂白⇒洗浄⇒定着⇒洗浄⇒乾操⇒比較的ゆっくりの、高画質の走査。
【0064】
本発明の実施に有用な典型的なカラーネガフィルムの構造は、以下の要素、SCN−1によって説明される。
【表3】
Figure 2004038137
【0065】
支持体Sは、反射性、透明、または部分的透明(半透明)であってよい。反射性または半透明であるときは、支持体は、白色であり、現在カラープリント要素に使用されているいかなる慣用の支持体の形態を採ってもよく、あるいは支持体の反射性および透過性の特性を最適にするために、特別に作られてもよい。半透明な支持体は、図1の線形の照射−検出機構を用いるときには特に有用である。この場合、励起光の一部または全部は、支持体を通過しなければならず、その結果、高い透過性を有する支持体を用いると、光源による電力消費が減少する。しかしながら、支持体の反射率が高いときは、検出器で発光した蛍光の光強度が高まることが見出されている。支持体の光学特性は、より強力な光源と関連する検出感度とコスト間の最適バランスを達するように調整する必要がある。支持体が透明であるときは、それは無色であっても、着色されていてもよく、そして現在カラーネガ要素に使われている−例えば、無色または着色の透明フィルム支持体の、いかなる慣用の形態を採ってもよい。支持体構造の詳細は、当該分野で周知である。有用な支持体の具体例は、ポリ(ビニルアセタール)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、ポリ(エチレンナフタレート)フィルム、ポリカーボネートフィルム、および関連フィルムおよび樹脂材料、並びに紙、布、ガラス、金属、および予想される処理条件に耐える他の支持体である。当該要素には、追加の層、例えばフィルター層、中間層、オーバーコート層、下塗り層、ハレーション防止層等が含まれてもよい。透明および反射性の支持体構造は、接着性を高める下塗層を含めて、Research DisclosureIの第XV節に開示されている。
【0066】
また、本発明の写真要素には、Research Disclosure、第34390項、1992年11月に記載されるような磁気記録材料、または、米国特許第4,279,945号および同第4,302,523号明細書に記載される透明支持体の下側に磁気粒子を含有する層のような透明な磁気記録層が有効に含まれてもよい。
【0067】
青色、緑色および赤色の記録層ユニット、BU、GUおよびRUのそれぞれは、一種以上の親水性コロイド層からなり、そして少なくとも一種の放射線感光性ハロゲン化銀乳剤が含まれる。その緑色および赤色の記録ユニットは、増大した記録ラチチュードおよび小さくした画像粒度を与えるように、少なくとも二層の記録層サブユニットに分割されることが好ましい。最も単純に考えられる構造では、層ユニットまたは層サブユニットのそれぞれが、乳剤とカプラーを含有する単一の親水性コロイド層からなる。
【0068】
優れた画像の鮮鋭度を確保するために、そして製造を容易にし、カメラで使用するために、増感層の全ては、支持体の共通面上に配置されることが好ましい。スプール形態で用いられるときは、カメラ内でスプールが巻き戻されるときに、露出光が、これらの層を担持する支持体面に当たる前に増感層の全体に当たるように、当該要素がスプールに巻き取られる。更に、要素上で露光される画像の優れた鮮鋭度を確保するためには、支持体上における層ユニットの厚さの全体がコントロールされねばならない。一般には、支持体の露光面上の増感層、中間層および保護層の厚さの全体は、35μm未満である。
【0069】
慣用の放射線感光性ハロゲン化銀乳剤の中から便宜的に選ばれるものは、この層ユニット内に含有されてよく、そして本発明の分光吸収能を与えるために用いられてよい。最も普通には、少量の沃化物を含有する高臭素化物乳剤が使用される。より高速な処理を実現するためには、高塩化物乳剤が使用されてよい。放射線感光性の塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、塩臭化銀、臭塩化銀、沃塩臭化銀および沃臭塩化銀の全てが、意図されている。粒子は、規則的でも、不規則(例えば、平板状)であってもよい。平板状粒子乳剤、全体の粒子投影面積の少なくとも50(好ましくは、少なくとも70、そして最適には、少なくとも90)%を平板状粒子が占めるものが、粒度に関して感度を高めるために特に有効である。平板状であると考えられるためには、粒子は、その厚さに対するその等価円直径(ECD)の比が少なくとも2である二つの主要な並行面を必要とする。特に好ましい平板状粒子乳剤は、少なくとも5、そして最適には8を超える平板状粒子の平均アスペクト比を有するものである。好ましい平板状粒子の平均厚さは、0.3μm未満(最も好ましくは0.2μm未満)である。超薄の平板状粒子乳剤、0.07μm未満の平板状粒子の平均厚さをもつものが、特に考えられている。この粒子は、それらが、本発明のカラーネガフィルムの形態で表面現像主薬にて処理されるときにネガ画像を生じるように、表面潜像を形成することが好ましい。
【0070】
慣用の放射線感光性ハロゲン化銀乳剤の実例は、上記で引用された Research Disclosure I の第I節、乳剤粒子およびその調製に記載されている。乳剤の化学増感、これはいかなる慣用の形態を採ってもよいが、第IV節、化学増感に説明されている。化学増感剤として有用な化合物には、例えば、活性ゼラチン、硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イリジウム、オスミウム、レニウム、リン、またはそれらの組み合わせが含まれる。化学増感は、一般に、5〜10のpAgレベル、4〜8のpHレベル、30〜80℃の温度で実施される。分光増感および増感色素、これはいかなる慣用の形態を採ってもよいが、第V節、分光増感および減感に記載されている。その色素は、ハロゲン化銀粒子と親水性コロイドからなる乳剤に、写真要素上に乳剤を塗付する前のいかなる時点(例えば、化学増感時もしくはその後)に、あるいはその塗布と同時に添加されてよい。その色素は、例えば、水溶液もしくはアルコール溶液として、あるいは固体粒子の分散液として添加されてよい。また、乳剤層には、典型的に、一種以上のカブリ防止剤または安定化剤が含まれてもよいが、これはいかなる形態を採ってもよく、第VII節、カブリ防止剤および安定化剤に説明されている。
【0071】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、当該分野で公知な方法、例えば、上記に引用した Research Disclosure I 、および James 著の The Theory of thePhotographic Process (写真処理の理論)に記載される方法に従って調製されてよい。これらには、例えば、アンモニア性乳剤作製法、中性または酸性乳剤作製法、および当該分野で周知なその他の作製法が含まれる。これらの方法には、一般に、保護コロイドの存在下で水溶性銀塩と水溶性ハロゲン化物塩を混合し、そして、沈殿によるハロゲン化銀の生成中に、温度、pAg、pH値等を適当な値にコントロールすることが含まれる。
【0072】
粒子の沈降の最中に、一種以上のドーパント(銀およびハロゲン化物以外の粒子の吸蔵)が、粒子特性を変えるために導入されてもよい。例えば、Research Disclosure I、第I節、乳剤粒子とその調製、サブセクションG、粒子の変性条件と調節、パラグラフ(3)、(4)および(5)に開示される種々の慣用のドーパントは、いずれも本発明の乳剤中に存在してもよい。更に、Olm 等の米国特許第5,360,712号明細書(この開示は、ここに引用したことにより本明細書中に含める)に教示されるような、一種以上の有機配位子を含む遷移金属の六配位錯体を持つ粒子をドープすることも、特に考えている。
【0073】
Research disclosure、第36736項、1994年11月(ここで参照したことにより、本明細書に含める)に議論されているように、粒子の面心立方晶格子に浅い電子トラップ(以後、SETという。)を形成することによって、画像形成感度を促進させることが可能なドーパントを混入することを、特に考えている。
【0074】
本発明の写真要素には、一般のように、乳剤の形態でハロゲン化銀が与えられている。一般に、写真乳剤には、写真要素の一層として乳剤を塗布するためのビヒクルが含まれる。有用なビヒクルには、蛋白質、蛋白質誘導体、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル、セルロースエーテル、およびアニオン置換およびカチオン置換セルロースの両者)、ゼラチン(例えば、牛骨ゼラチンまたは皮革ゼラチンのようなアルカリ処理ゼラチン、あるいは豚皮ゼラチンのような酸処理ゼラチン)、脱イオン化ゼラチン、ゼラチン誘導体(例えば、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン等)のような両天然産出物質、および Research disclosure、Iの記載されるようなその他のものが含まれる。また、ビヒクルまたはビヒクル増量剤として、親水性の水透過性コロイドも有用である。これらには、合成ポリマー解膠剤、キャリアー、および/またはポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルラクタム)、アクリルアミドポリマー、ポリビニルアセタール、アルキルおよびスルホアルキルアクリレートとメタクリレートのポリマー、加水分解されたポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリビニルピリジン、メタクリルアミドコポリマーのようなバインダーが含まれる。ビヒクルは、写真乳剤に有効ないかなる量で乳剤中に存在してもよい。また、そのビヒクルには、写真乳剤に有効であることが知られているいかなる添加剤が含まれてもよい。
【0075】
本発明に有用な要素には、ハロゲン化銀のような感光性銀のいかなる有効量が用いられてもよいが、その全量は、10g/m未満の銀であることが好ましい、7g/m未満の銀量であれば好ましく、そして5g/m未満の銀量であれば更に一層好ましい。その銀の量が低いほど、要素の光学特性が改善され、かくして、当該要素を用いると、より鮮明な写真が得られる。
【0076】
中間層IL1およびIL2は、その主たる機能として色汚染の減少−つまり、酸化された現像主薬が、色素画像形成カプラーとの反応前に、隣接記録層ユニットへマイグレーションすることを防止すること−を有する親水性コロイド層である。その中間層は、酸化された現像主薬が移行しなければならない拡散路長を増大化させることにのみ、部分的に有効である。酸化された現像主役を遮断させるための中間層の効果を増大化させるためには、酸化された現像主薬と反応できる還元剤を混入することが慣用の手段である。汚染防止剤(酸化された現像主薬スカベンジャー)は、Research Disclosure I,X.色素画像形成剤および変性剤,D.色相変性剤/安定化剤、パラグラフ(2)に開示されているものの中から選定できる。GUおよびRU中の一種以上のハロゲン化銀乳剤が高臭素化物乳剤であり、それによって青色光に有意な固有の感光性を有するときには、IL1内にケアレー・リー(Carey Lea)銀またはイエロー処理溶液脱色性色素のようなイエローフィルターを混入することが好ましい。好適なイエローフィルター色素は、Research Disclosure I、第VIII節、吸収および散乱物質、B.吸収物質によって説明されるものの中から選ばれてよい。本発明の要素では、マゼンタ着色フィルター材料がIL2およびRUから除かれている。
【0077】
ハレーション防止層ユニットAHUには,典型的に、現像可能ハロゲン化銀を得るために乳剤層には用いられていない露出光を吸収できる顔料または色素の単独またはその組み合わせのような光吸収物質が含まれる。熱漂白可能な化合物は、本発明に特に好ましい。好適な材料は、Research Disclosure I、第VIII節、吸収材料に開示されるものの中から選択されてよい。AHUのための普通の代替位置は、支持体Sとその支持体に最も近接して塗付された記録層ユニットとの間である。
【0078】
表面オーバーコートSOCは、取り扱いおよび処理時にカラーネガ要素を物理的に保護するために与えられる親水性コロイド層である。また、各SOCは、カラーネガ要素の表面またはその近傍で最も効果的である添加物の慣用の配合位置に与えられる。ある場合には、その表面オーバーコートは、表面層と中間層に分割され、その後者は、表面層ユニットの添加剤と隣接記録層ユニットの添化剤との間のスペーサ−として機能する。その他の普通の可変形態では、添化剤は、その表面層と中間層との間で分配され、その後者には、隣接の記録層ユニットと混和性である添加剤が含まれる。最も典型的には、SOCには、Research Disclosure I、第IX節、塗膜物性の変性添加剤に説明されるような、塗工助剤,可塑剤および滑剤,帯電防止剤および艶消し剤のような添化剤が含まれる。その乳剤層を覆うSOCには、Research Disclosure I,第VI節、UV色素/光学増白剤/蛍光色素,パラグラフ(1)に説明されるような、紫外線吸収剤が付加的に含まれることが好ましい。
【0079】
要素SCN−1の層ユニットシーケンスに代えて、代替的な層ユニットシーケンスが採用されてよく、そして特に、いくつかの乳剤の選定にとって魅力的である。BU、GUおよびRUの位置が全て相互交換可能な高塩化物乳剤および/または薄い(<0.2μmの平均粒子厚さ)平板状粒子乳剤は、これらの乳剤が可視スペクトルにおいて無視し得る程度の固有の感光度しか示さないので、そのマイナスの青色記録の青色光汚染についての危険無しに受け入れが可能である。同じ理由で、中間層に青色光吸収体を混入することは必要ない。
【0080】
Research Disclosure I、第XIV節,走査促進の特徴に説明されているように、カラーネガ要素の多くの変形が、走査に適応させるために提案されてきた。本発明の実施に使用するためには、これらの方式が、上記したカラーネガ要素の構造と両立できる程度のものであることが考えられる。
【0081】
また、本発明の画像形成要素は、慣用でない増感機構が使われてもよいと考えている。例えば、スペクトルの赤色、緑色および青色領域に増感した画像形成層を用いる代わりに、感光性材料が、光景の蛍光を記録するための一層の白色感光性層と光景の色を記録するための2層のカラー感光層を有していてよい。現像に続いて、得られた画像を走査し、ディジタル的に再処理して、米国特許第5,962,205号明細書に記載されるような原光景のフルカラーを再構成することができる。また、画像形成要素は、色分解露光に伴うパン増感乳剤が含まれてもよい。この実施態様では、本発明の現像主薬は、着色画像または中性画像を発生し、その分解露光と組み合わせて原光景のカラー値を完全に再生することが可能となる。かかる要素では、画像は、現像銀の濃度、一種以上の慣用のカプラー、またはレゾルシノールカプラーのような「黒色」カプラーのいずれかによって形成される。分解露光は、順次に適当なフィルターを通して、あるいは同時に空間的に離れたフィルター要素系(普通、「カラーフィルターアレイ」と呼ばれる)を通してなされる。
【0082】
また、本発明の画像形成要素は、例えば、パン増感されたハロゲン化銀乳剤および本発明の現像主薬からなる黒白画像形成材料であってよい。この実施態様では、処理が続く現像銀の濃度によって、あるいは中性画像の色調スケールを運ぶのに使われる色素を発生するカプラーによって画像が形成されてもよい。
【0083】
本発明の写真要素は、好ましくは、Research Disclosure I、第XVI節に開示されるものを含む、公知の技術のいずれかを用いて像様露光される。これには、典型的に、スペクトルの可視領域での露光が含まれ、そして典型的には、かかる露光はレンズを通す活像からなるが、また、この露光には、発光装置(例えば、発光ダイオード、CRT等)によって格納された画像(例えば、コンピュータ格納画像)に対する露光も含まれる。また、フォトサーモグラフ要素は、電磁スペクトルの紫外および赤外領域、並びに電子ビームおよびβ放射線、ガンマ線、X線、α粒子、中性放射線および他の形態のレーザによって生成される非干渉性(ランダム相)または干渉性(同位相)のいずれかの粒子波様の放射エネルギーを含む、種々の形態のエネルギーによって露光されてもよい。露光は、写真ハロゲン化銀の分光増感によるモノクロクロマチック、オルソクロマチック、またはパンクロマチックである。
【0084】
本発明のフォトサーモグラフ要素は、好ましくは、Research Disclosure I に開示されるようなタイプBからなる。タイプB要素には、感光性ハロゲン化銀、還元剤または現像主薬、任意に活性剤、塗工ビヒクルもしくはバインダー、および銀イオンをもつ有機化合物の塩または錯体が反応関係で含まれる。これらの方式では、この有機錯体が、現像時に還元されて、銀金属となる。その有機銀塩は、銀ドナーと呼ばれる。このような画像形成要素が記載される参照例には、例えば、米国特許第3,457,075号、同第4,459,350号、同第4,264,725号および同第4,741,992号明細書が含まれる。タイプBのフォトサーモグラフ材料では、ハロゲン化銀由来の潜像銀は、処理時に、前記した画像形成化合物の触媒として働くと考えられている。これらの方式では、写真ハロゲン化銀の好ましい濃度は、フォトサーモグラフ材料における銀ドナーのモル当たり写真ハロゲン化銀0.01〜100モルの範囲内にある。
【0085】
このタイプBのフォトサーモグラフ要素には、有機銀塩の酸化剤を含有する酸化還元画像形成化合物が含まれる。有機銀塩は、比較的光に安定であるが、露光された光触媒(つまり、感光性ハロゲン化銀)および還元剤の存在下で80℃以上に加熱されたときに、銀画像の生成を助ける銀塩である。
【0086】
適当な有機銀塩には、カルボキシル基を有する有機化合物の銀塩が含まれる。その好ましい具体例には、脂肪族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩が含まれる。好ましい脂肪族カルボン酸の銀塩の具体例には、ベヘン酸銀、ステアイン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、フロン酸銀、リノール酸銀、酪酸銀および樟脳酸銀、その混合物等が含まれる。ハロゲン原子またはヒドロキシル基と置換可能性の銀塩も、有効に使用される。好ましい芳香族カルボン酸の銀塩および他のカルボキシル基含有化合物には、安息香酸銀、銀3,5−ジヒドロキシベンゾエート、銀 o−メチルベンゾエート、銀m−メチルベンゾエート、銀p−メチルベンゾエート、銀2,4−ジクロロベンゾエート、銀アセトアミドベンゾエート、銀p−フェニルベンゾエート等のような銀置換された安息香酸塩、没食子酸銀、タンニン酸銀、フタル酸銀、テレフタル酸銀、サリチル酸銀、フェニル酢酸銀、ピロメリン酸銀、米国特許第3,785,830号明細書に記載されるような3−カルボキシメチル−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオン等の銀塩、および米国特許第3,330,663号明細書に記載されるようなチオエーテル基を含む脂肪族カルボン酸の銀塩が含まれる。
【0087】
炭素、および酸素、硫黄および窒素の中から選ばれる2個のヘテロ原子までを含む他の環原子を持つ、5または6員環の原子(その少なくとも一つの原子は、窒素である)を含有する複素環核を有するメルカプトまたはチオン置換化合物の銀塩を、特に考えている。典型的な好ましい複素環核には、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、チアゾリン、イミダゾリン、イミダゾール、ジアゾール、ピリジンおよびトリアジンが含まれる。これら複素環式化合物の好ましい具体例には、3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−トリアゾールの銀塩、2−メルカプトベンズイミダゾールの銀塩、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾールの銀塩、2−(2−エチルグリコールアミド)ベンゾチアゾールの銀塩、5−カルボキシ−1−メチル−2−フェニル−4−チオピリジンの銀塩、メルカプトトリアジンの銀塩、2−メルカプトベンズオキサゾールの銀塩、米国特許第4,123,274号明細書に記載されるような銀塩、例えば、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−チアゾールのような1,2,4−メルカプトチアゾール誘導体の銀塩、米国特許第3,201,678号明細書に開示されるような3−(2−カルボキシエチル)−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオンの銀塩のような、チオン化合物の銀塩が含まれる。複素環核を含有しない他の有用なメルカプトまたはチオン置換化合物の具体例は、以下:特開昭48−28221号公報に記載されるような、S−アルキルチオグリコール酸(ここで、アルキル基は、12〜22個の炭素原子を有する)の銀塩のようなチオグリコール酸の銀塩、ジチオ酢酸の銀塩のようなジチオカルボン酸の銀塩、およびチオアミドの銀塩によって例証される。
【0088】
更に、イミノ基を含有する化合物の銀塩が使用できる。好ましいこれら化合物の具体例には、特開昭44−30270号および同45−18146号公報に記載されるようなベンゾトリアゾールおよびその誘導体の銀塩、例えば、ベンゾトリアゾールまたはメチルベンゾトリアゾール等の銀塩、5−クロロベンゾトリアゾール等の銀塩のようなハロゲン置換ベンゾトリアゾールの銀塩、1,2,4−トリアゾールの銀塩、3−アミノ−5−メルカプトベンジル−1,2,4−トリアゾールの銀塩、米国特許第4,220,709号明細書に記載されるような1H−テトラゾールの銀塩、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体の銀塩等が含まれる。
【0089】
また、銀半石鹸を用いることは、好都合であることが見出されているが、そのうち、市販のベヘン酸のナトリウム塩と分解性の約14.5%の銀との水溶液からの沈殿によって得られる、ベヘン酸銀とベヘン酸との等モルのブレンドは、好ましい具体例を示している。透明フィルムのバッキング上に作製された透明シート材料には透明な塗膜が必要で、この目的のためには、約4または5%以上のベヘン酸と分解性の約25.2%の銀とを含有する銀ベヘン酸の完全石鹸が用いられてもよい。銀石鹸分散液の作製法は当該分野で周知であり、Research Disclosure 、1983年10月、(23419)および米国特許第3,985,565号明細書に開示されている。
【0090】
また、銀塩錯体は、例えば硝酸銀のような銀イオン種の水溶液と、銀で錯体化される有機配位子の溶液との混合によって調製されてもよい。その混合操作は、ハロゲン化銀の沈降処理に採用されるものを含むいかなる慣用な形態が採られてもよい。安定化剤が、銀錯体粒子の凝集を避けるために用いられてよい。安定化剤は、写真分野で有用であることが知られている材料、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコールまたはポリマー界面活性剤やモノマー界面活性剤のいずれであってもよいが、これらに限定されない。
【0091】
感光性ハロゲン化銀粒子およびその有機銀塩は、それらが現像時に触媒的に近接して存在しているように塗布される。それらは、連続層で塗布されるが、塗布前に混合されることが好ましい。慣用の混合技術は、上記した Research Disclosure、第17029項、並びに米国特許第3,700,458号明細書、特開昭50−32928号、同49−13224号、同50−17216号および同51−42729号公報に説明されている。好適には、画像形成層における銀量は、0.04g/m〜4g/m、好ましくは0.2g/m〜2g/mである。
【0092】
ブロック化された現像主薬に加えて、還元剤が、フォトサーモグラフ要素中に含まれてよい。有機銀塩のための還元剤は、いかなる材料でもよく、好ましくは銀イオンを金属銀に還元できる有機材料である。3−ピラゾリジノン、ヒドロキノン、p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミンおよびカテコールのような慣用の写真現像主薬が有効であるが、ヒンダードフェノール還元剤が好ましい。その還元剤は、フォトサーモグラフ層の5〜25%範囲の濃度で存在することが好ましい。
【0093】
広範囲の還元剤が、フェニルアミドキシム、2−チエニルアミドキシムおよびp−フェノキシ−フェニルアミドキシムのようなアミドキシム、アジン(例えば、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒドアジン);アスコルビン酸と併用する2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニルβフェニルヒドラジドのような脂肪族カルボン酸アリールヒドラジドとアスコルビン酸との組み合わせ;ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシアミン、レダクトンおよび/またはヒドラジンとの組み合わせ、例えば、ヒドロキノンとビス(エトキシエチル)ヒドロキシアミン、ピぺリジノヘキソースレダクトンまたはホルミル−4−メチルフェニルヒドラジン、フェニルヒドロキシム酸、p−ヒドロキシフェニル−ヒドロキシム酸、および o−アラニンヒドロキシム酸のようなヒドロキシム酸との組み合わせ;アジンとスルホンアミドフェノールの組み合わせ、例えば、フェノールチアジンと2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノールとの組み合わせ;エチルα−シアノ−2−メチルフェニルアセテート、エチルα−シアノ−フェニルアセテートのようなα−シアノ−フェニル酢酸の誘導体;2,2´−ジヒドロキシル−1−ビナフチル、6,6´−ジブロモ−2,2´−ジヒドロキシ−1,1´−ビナフチル、およびビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタンによって説明されるようなビス−β−ナフトール;ビス o−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体との組み合わせ、(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンまたは2,4−ジヒドロキシアセトフェノン);3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンのような5−ピラゾロン;ジメチルアミノヘキソースレダクトン、無水ジヒドロアミノヘキソースレダクトン、および無水ジヒドロ−ピぺリドン−ヘキソースレダクトンで説明されるようなレダクトン;2,6−ジクロロ−4−ベンゼン−スルホン−アミド−フェノール、およびp−ベンゼンスルホンアミドフェノールのようなスルファミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオン等;2,2−ジメチル−7−t−ブチル−6−ヒドロキシクロマンのようなクロマン;2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルベトキシ−1,4−ジヒドロピリジンのような1,4−ジヒドロピリジン;ビスフェノール、例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−メタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロパン;4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノール);および2,2−ビス (3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;アスコルビン酸誘導体、例えば、1−アスコルビル−パルミテート、アスコルビルステアレートおよびベンジルとジアセチルのような不飽和アルデヒドとケトン;ピラゾリジン−3−オン;および不特定のインダン−1,3−ジオンを含む、乾式方式に開示されている。
【0094】
フォトサーモグラフ要素における有機還元剤の最適濃度は、特定のフォトサーモグラフ要素、所望の画像、処理条件、特定の有機銀塩および特定の酸化剤のような因子に依存して変わる。
【0095】
フォトサーモグラフ要素は、熱溶媒を含んでよい。熱溶媒の具体例には、例えば、サリシルアニリド、フタルイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−カリウム−フタルイミド、コハク酸イミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド、フタルアジン、1−(2H)−フタルアジノン、2−アセチルフタルアジノン、ベンズアニリド、およびベンゼンスルホンアミドが含まれる。先行技術の熱溶媒は、例えば、Windender の米国特許第6,013,420号明細書に開示されている。調色剤および調色剤の組み合わせの具体例は、例えば、Research Disclosure、1978年、第17029項および米国特許第4,123,282号明細書に記載されている。
【0096】
後処理画像安定剤および潜像保持安定化剤は、フォトサーモグラフ要素に有効である。フォトサーモグラフ分野で知られる安定化剤のいずれも、前記フォトサーモグラフ要素に有効である。有用な安定化剤の例証的具体例には、例えば、米国特許第4,459,350号明細書に記載されるような光学的に活性な安定化剤および安定化剤の先駆体が含まれる。有用な安定化剤の他の具体例には、米国特許第3,877,940号明細書に記載されるような、アゾールチオエーテルおよびブロック化されたアゾリンチオン安定化剤の先駆体およびカルバモイル安定化剤の先駆体が含まれる。
【0097】
フォトサーモグラフ要素には、好ましくは、種々の層に、ビヒクルおよびバインダーとして、種々のコロイドおよびポリマーが単独でまたは組み合わされて含まれる。有用な材料は、親水性または疎水性である。それらは、透明または半透明で、かつゼラチン、ゼラチン誘導体、セルロース誘導体、多糖のような、またデキストラン、アラビアゴム等のような両天然産生物質;およびポリ(ビニルピロリドン)およびアクリルアミドポリマーのような水溶性ポリビニル化合物などの合成ポリマー物質が含まれる。有用な他の合成ポリマー化合物には、ラテックスフォームのような分散したビニル化合物および特に、写真要素の寸法安定性を増大させるものが含まれる。効果的なポリマーには、アルキルアクリレートおよびメタクリレート、アクリル酸、スルホアクリレート、および架橋部分を有するモノのようなアクリレートの水不溶性ポリマーが含まれる。好ましい高分子量材料および樹脂には、ポリ(ビニルブチラール)、セルロースアセテートブチレート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニルピロリドン)、エチルセルロース、ポリスチレン、ブタジエン−スチレンコポリマー、塩化ビニルおよび酢酸ビニルのコポリマー、ポリ(ビニルアルコール)およびポリカーボネートが含まれる。塗布が有機溶媒を用いて行なわれるときは、有機の可溶性樹脂を、塗布配合物に直接混合することによって塗布されてよい。水溶液から塗布されるときは、有用な有機可溶性材料は、いずれもラテックスまたは他の微細粒子の分散液として混入されてよい。
【0098】
上記したようなフォトサーモグラフ要素には、有用な画像の形成に役立つことが知られている添加剤が含まれてよい。このフォトサーモグラフ要素には、Research Disclosure、1978年12月、第17643項、および Research Disclosure、1978年6月、第17029項に記載されるような、感度増強化合物として働く現像改質剤、増感色素、硬膜液、帯電防止剤、可塑剤および滑剤、塗工助剤、蛍光増白剤、吸収およびフィルター色素が含まれてよい。
【0099】
フォトサーモグラフ要素の層は、浸漬塗布、エアーナイフ塗布、カーテン塗布またはホッパーを用いる押出塗布を含む、写真分野で知られている塗布手順によって支持体上に塗布される。所望の場合には、2層以上の層が同時に塗布されてもよい。
【0100】
上記したようなフォトサーモグラフ要素には、好ましくは、露光および処理前にこのフォトサーモグラフ要素を安定化するのに役立つ熱安定化剤が含まれる。かかる熱安定化剤は、保管中のフォトサーモグラフ要素に改善された安定性を与える。好ましい熱安定化剤は、2−ブロモ−2−p−トリスルホニルアセトアミドのような2−ブロモ−2−アリールスルホニルアセトアミド;2−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾール;および6−メチルまたは6−フェニル−2,4−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンのような6−置換2,4−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンである。
【0101】
像様露光は、フォトサーモグラフ要素に現像可能な潜像を作るのに充分な時間と強度のために好ましい。
【0102】
フォトサーモグラフ要素を像様露光した後、その得られた潜像は、種々の方法で現像できる。その最も単純な方法は、当該要素を熱処理温度まで全て加熱することである。この全体加熱には、現像画像が生成されるまで、例えば約0.5から約60秒以内、約90℃〜約180℃の範囲の温度にフォトサーモグラフ要素を単に加熱することが含まれる。この熱処理温度を増減することによって、より短いあるいはより長い処理時間が有効となる。好ましい熱処理温度は、約100℃〜約160℃の範囲内である。フォトサーモグラフ分野で知られる加熱手段は、露光されたフォトサーモグラフ要素に対して望ましい処理温度を与えるために有効である。その加熱手段は、例えば、単一のホットプレート、アイロン、ローラ、加熱ドラム、マイクロウェーブ加熱手段、加熱空気、蒸気などである。
【0103】
フォトサーモグラフ要素用の処理機の設計を、当該要素の保管および使用に用いられるカセットまたはカートリッジの設計と関連させることを考えている。また、フィルムまたはカートリッジに格納されたデータを用いて、要素の処理条件や走査を変えてもよい。画像形成方式におけるこれらの工程を達成する方法は、1999年12月7日に出願された、一般承継された共願の米国特許出願第09/206,586号、同第09/206,612号、および同第09/206,583号明細書に開示されているが、これらを参照したことで、これを本明細書中に含める。処理機を用いて情報を要素に書き込む装置、情報を用いて処理、走査、および画像表示を調整することも、予想される。この方式は、1998年12月7日に出願された米国特許出願第09/206,914号明細書、および1999年6月15日に出願された同第09/333,092号明細書に開示されているが、これらも、ここで参照したことにより本明細書中に含める。
【0104】
熱処理は、好ましくは、周囲の圧力および湿度条件下で実施される。しかしながら、正常な大気圧および湿度以外の条件が、ある状況下では有効であり、そして有用な画像の形成に役立ち得る。高湿度条件下での処理は、特に有益である。
【0105】
フォトサーモグラフ要素の成分は、所望の画像を当える要素内のどの位置にあってもよい。所望の場合には、一以上の成分が、要素の一以上の層にあってもよい。例えば、ある場合には、還元剤、トナー、安定化剤および/または他の添加剤のある割合が、当該要素のフォトサーモグラフの画像記録層を覆うオーバーコート層内に含まれることが望ましい。これにより、いくつかのケースでは、当該要素の層内におけるある添加剤のマイグレーションが低減する。
【0106】
熱処理条件に耐えられる発蛍光団は、いずれも本発明に有効である。例えば、Schumann 等の米国特許第4,543,308号明細書の10欄以降、および Gaspar 等の米国特許第5,350,650号明細書(1994年)の表II、14〜17欄を参照されたい。他の具体例は、以下の実施例の表にある。メチン、トリメチン、およびペンタメチンのオキサノール色素は、特に好ましい発蛍光団である。
【0107】
多くの場合に、乳剤増感色素は、更に発蛍光団を添加すること無く蛍光画像形成を与えるに充分な蛍光性である。いくつかの増感色素は、Gaspar 等(諸所に引用)の明細書に記載されているが、以下の表に示される構造は、本発明に特に有用であることが見出されている。
【0108】
非画像形成の銀塩は、熱処理時に、物理的な現像可能銀のための出所源としての役割を果たすが、それには、ベヘン酸銀、銀ベンゾトリアゾール、および他の比較的不溶性の銀塩のような銀カルボキシレートが含まれる。
【0109】
本発明の画像形成要素は、当該要素からハロゲン化銀が除去される前に走査することを考えられている。残留ハロゲン化銀からは濁った塗膜が生じ、そしてかかる方式用の改善された走査画質は、散乱性の照明レンズを使用するスキャナーを用いることによって得られることが見出されている。散乱性の照明を生ずる当該分野で知られるいかなる技術も、使用可能である。好ましい方式には、内壁が高度の散乱反射性を生じるように特別に設計された散乱空洞を使用する反射方式、およびスペクトル光のビーム散乱がビーム中に置かれた散乱光に役立つ光学要素を用いることによって達成される透過方式が含まれる。かかる要素は、所望の散乱を生ずる成分を含むか、あるいは所望の散乱を促進させる表面処理が施されれたガラスまたはプラスチックのいずれであってもよい。また、半透明、散乱性の支持体上の塗膜も、この目的を達成することができる。
【0110】
画像記録の質を最大にするための技術を含む、走査信号操作の例証的な方式は、Bayer の米国特許第4,553,156号、Urabe 等の同第4,591,923号、Sasaki 等の同第4,631,578号、Alkofer の同第4,654,722号、Yamada 等の同第4,670,793号、Klees の同第4,694,342号および同第4,962,542号、Powell の同第4,805,031号、Mayne 等の同第4,829,370号、Abdulwahab の同第4,839,721号、Matsunawa 等の同第4,841,361号および同第4,937,662号、Mizukoshi 等の同第4,891,713号、Petilli の同第4,912,569号、Sullivan 等の同第4,920,501号および同第5,070,413号、Kimoto 等の同第4,929,979号、Hirosawa 等の同第4,972,256号、Kaplan の同第4,977,521号、Sakai の同第4,979,027号、Ng の同第5,003,494号、Katayama 等の同第5,008,950号、Kimura 等の同第5,065,255号、Osamu 等の同第5,051,842号、Lee 等の同第5,012,333号、Bowers 等の同第5,107,346号、Telle の同第5,105,266号、MacDonald 等の同第5,105,469号、および Kwon 等の同第5,081,692号明細書により開示されている。走査時のカラーバランス調整技術は、Moore 等の米国特許第5,049,984号および Davidの同第5,541,645号明細書に開示されている。
【0111】
一度獲得されたディジタルカラー記録は、多くの場合、満足できるカラーバランスが採られた視覚画像を得るために、また、ビデオモニター上にあるいは慣用のカラープリントとしてプリントされる時のいずれかに、出力を種々変換または供給することによって画像保持信号のカラー忠実度を保持するために、調整される。走査後の画像保持信号の好ましい変換技術は、Giorgianni 等の米国特許第5,267,030号明細書に開示されているが、これを参照したことによって、この開示を本明細書に含める。当業者がカラーディジタル画像情報を扱う可能性についての更なる説明は、Giorgianni および Madden 著の Digital Color Management (ディジタルカラーの操作)、Addison Wesley、1998年により提供されている。
【0112】
図2は、カラーネガフィルムによって与えられる画像情報を用いることを想定した事項が、ブロック図形式で示される。図1に記載されるような画像スキャナー7が、像様蛍光情報を得るために用いられる。要素4が、アレー電荷結合装置(CCD)のようなアレー検出器を用いて画素毎に走査されるか、あるいは線形アレーCCDのような線形アレー検出器を用いて走査線毎に走査されて、スキャナーから得られる空間位置情報と相関できる一連のR,G、およびBの画像要素信号が創生される。信号強度および位置情報は、ワークステーション8に送られ、その情報が、電子形態のR´、G´、およびB´に変換されて、それが適宜、格納装置9に格納される。
【0113】
R”、G”、およびB”で示される、その必要によって変更されたディジタル画像情報を受けるビデオモニター10は、ワークステーションによって受けた画像情報を見ることを可能とする。陰極線管によるビデオモニターに代えて、液晶表示パネルまたは他の適当な画像視覚化装置が置き換えられてもよい。ビデオモニターは、一般に、キーボードとカーソルを含む画像コントロール装置12に依存しており、これによって、ワークステーションの操作者が、表示されるビデオ画像およびディジタル画像情報から再生されるべき画像を変更するための画像操作コマンドを与えることが可能となる。
【0114】
画像の変更は、ビデオディスプレー10上で、それが導入されたままの形で見ることができ、そして格納装置9に格納することもできる。変更した画像情報R’’’、G’’’、およびB’’’ は、出力装置14に送られて視覚用の再生画像を提供することができる。その出力装置は、例えば、感熱色素転写、インクジェット、静電気、電子写真、感熱色素昇華または他のタイプのプリンターのような、いかなる好都合な慣用要素の書込み機であってもよい。増感写真印画紙にCRTまたはLED印刷することも考えられる。当該出力装置を用いて、慣用のハロゲン化銀カラー印画紙の露出量をコントロールすることもできる。出力装置は、視覚用の再生画像を保持する出力媒体16を創生する。ノイズ(粒状度)、鮮鋭さ、コントラスト、およびカラーバランスに関して末端使用者によって最後に観察され、判断されるのは、出力媒体における画像である。また、ビデオディスプレー上の画像も、インターネットコンピュータネットワークの世界的規模のウェブ上でのパーティー間に送信される画像の場合と同じく、ノイズ,鮮鋭さ,色調スケール,カラーバランスおよびカラー再現性に関して末端使用者によって最終的に観察され、判断されてもよい。
【0115】
図2に示されるタイプの配置を用いると、本発明に従って要素内に含まれる画像は、ディジタル様式に変換され、操作されて、可視形態で再生される。フィルムのカラーパッチは、読み取られて、それぞれのカラーパッチに相当するR、G、およびB画像保持信号が提供される。コード値パターン発生機の信号値パターンによって、対照ビデオディスプレーに提供されるRGB強度変調信号が与えられる。それぞれのテストカラー用のR´、G´、およびB´コード値は、計測器または人の観測者に相当する等色装置が、そのビデオディスプレーのテストカラーとポジフィルムのテストカラーまたはプリントネガのカラーとが一致していることを示すように調整される。変換装置は、フィルムのテストカラー用のR、G、およびBの画像保持信号を、対応するテストカラーのR´、G´、およびB´コード値に変換する。この変換は、ロックアップテーブルやマトリックス化操作を用いる適当な数学的操作を使用してコンピュータ内で実行してよい。この目的のためのロックアップテーブルやマトリックスは、伝送濃度情報に代わる各画素からの蛍光強度を用いて、標準カラーパターンの適当な試行露光,処理、および慣用の伝送画像からなる画像を操作するために使用されるものと類似した画像の取得によって作成されてよい。
【0116】
画像が電子形態にある間は、画像処理は、前記の特定の操作に制限されないということが認識されるべきである。画像がこの形態にある間は、(一以上のネガ内の領域濃度に基づく濃度バランスおよびカラーバランスのための補正を決めるための)標準光景バランスアルゴニズム、フィルムの露光不足ガンマを増幅するための色調スケール操作、渦巻状または鮮明でないマスキングによる順応性の無いまたは順応性のある鮮鋭化、赤目の減少、および順応性の無いまたは順応性のある粒子ノイズの抑制を含むが,これに限定されない付加的な画像操作が使用されてよい。更に、この画像は、芸術的に操作され、ズーミングされ、トリミングされ、そして追加の画像と結合され、または当該分野で知られる他の操作と組み合わされてもよい。一度画像が補正され、何らかの付加的な画像処理および操作が起こると、その画像は、電子的に遠隔地に伝送されるか、あるいはハロゲン化銀フィルムまたは印画紙への書込み機、感熱プリンター、電子写真プリンター,インクジェットプリンター、ディスプレーモニター、CDディスク,光学的および磁気的電子信号格納装置、および当該分野で知られる他のタイプの格納装置およびディスプレー装置を含むが,これらに限定されない種々の出力装置にローカル的に書き込まれてよい。
【0117】
本発明の更なる実施態様では、Arakawa 等の米国特許第5,962,205号明細書に記載される蛍光性で発色性の増感および画像抽出製品並びにその方法を用いることができる。Arakawa 等の開示は、これを参照したことにより本明細書中に含める。
【0118】
実施例
銀塩分散液AgDI:
攪拌される反応容器に、431gの石灰処理ゼラチンと6569gの蒸留水を装填した。214gのベンゾトリアゾール、2150gの蒸留水、および790gの2.5モル水酸化ナトリウムを含む溶液を調製した(溶液B)。反応容器内の混合物を、溶液B、硝酸、および必要に応じて水酸化ナトリウムを添加して、pAg7.25およびpH8.00に調製した。
【0119】
4Lの0.54モル硝酸銀溶液を、250CC/分で反応釜に添加し、そして溶液Bを同時に加えてpAgを7.25に保持した。この処理を硝酸銀溶液が無くなるまで続け、その時点で、限外濾過によってこの混合物を濃縮させた。得られた銀塩の分散液は、銀ベンゾトリアゾールの細かい粒子を含んでいた。
【0120】
銀塩分散液AgD3:
攪拌される反応容器に、431gの石灰処理ゼラチンと6569gの蒸留水を装填した。320gの1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2044gの蒸留水、および790gの2.5モル水酸化ナトリウムを含む溶液を調製した(溶液B)。反応容器内の混合物を、溶液B、硝酸、および必要に応じて水酸化ナトリウムを添加して、pAg7.25およびpH8.00に調製した。
【0121】
4Lの0.54モル硝酸銀溶液を、250CC/分で反応釜に添加し、そして溶液Bを同時に加えてpAgを7.25に保持した。この処理を硝酸銀溶液が無くなるまで続け、その時点で、限外濾過によってこの混合物を濃縮させた。得られた銀塩の分散液は、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールの銀塩の細かい粒子を含んでいた。
【0122】
ハロゲン化銀乳剤:
この実施例で使用した乳剤は、全て当該分野で周知な慣用手段によって沈殿させた沃臭化銀の平板状粒子であった。以下の表1には、その沃化物含量(残部は、臭化物であると推定)、その寸法、および分光感度を与えるために用いた増感色素と共に、種々の乳剤を挙げた。これら乳剤の全ては、最適感度を生じるように当該分野で周知な化学増感が与えられている。
【0123】
【表4】
Figure 2004038137
【0124】
現像主薬を、以下の式のジルコニアビーズを用いて、3日間、水性スラリー中でボールミル粉砕した。混入した現像主薬のそれぞれのg当たり、0.2gのナトリウムトリイソプロピルナフタレンスルホネート、10gの水、および25mLのビーズを添加した。粉砕に続き、ジルコニウムビーズを濾過で取り除いた。このスラリーを、使用前に冷凍保管した。
【0125】
フィルムサンプル
本願に記載したフィルムサンプルを二つの方法の一方で作製した。少量の材料を用いる高速スクリーニング実験のため、小さな、自動化したブレード塗布装置を使用した。約3インチ幅の透明フィルム支持体(通常、下塗りした7ミルの Estar(登録商標)ポリエステル)のストリップを、4ミル間隔でドクターブレードを備えた可動ブロックを覆ってセットした。そのストリップを、それがぴんと張られるように各端でしっかりと締め付けた。そのブロックを、支持されたストリップの一方の端まで移動した。適当な溶融溶液をドクターブレードの前に塗布して、ブロックを、プーリー集成装置によってストリップの他端まで引っ張った。この装置における未乾操付着量は、約4.5mL/ft であることが分った。
【0126】
大規模で、付着量を超える大きな調整能力をもち、同じく改善された均一性と塗布精度をもつフィルムサンプルを調製するために、押出ホッパーを備えた単一層塗工機を使用した。多層の塗膜は、その装置の多数回通過を用いて作製した。
【0127】
写真露光
それぞれが16mmか35mmのいずれかの幅と12インチ長の、塗付されたフィルムサンプルのストリップを、Eastman インテンシティースケール感光計、タイプ1Bを用いて露光した。サンプルのセンシトメトリー応答を評価するための露光は、中性濃度パッチの段階をつけた範囲からなるフィルムストリップと接触させてステップタブレットを通過させることによって行なった。二つの異なるステップタブレット:11ステップの0〜3の光学濃度(OD)タブレットと21ステップの0〜4ODタブレットを用いた。種々のラッテンフィルターを光ビーム中において、フィルムを異なる色の光に曝した。そのフィルターカラーとコードを含む使用したラッテンフィルターを、以下の表2に示す。
【0128】
【表5】
Figure 2004038137
熱処理
露光後、そのフィルムストリップを、2個の加熱した金属ブロック間の間隙を通してゆっくりと引くことによって処理した。その移送速度は、数秒〜54秒までの加熱帯域における滞留時間を与えるようにコントロールでき、そしてそのブロックの温度は、室温〜約200℃の間でコントロールすることができる。これらの条件は、必要なときに画像弁別を最適にするように変えたが、典型的な処理条件は、135℃で、32秒の滞留時間を含んでいた。
【0129】
塗膜を作製するために使用した化合物の構造は、表3に示される。
【表6】
Figure 2004038137
【0130】
【表7】
Figure 2004038137
【0131】
【表8】
Figure 2004038137
【0132】
【表9】
Figure 2004038137
【0133】
蛍光測定
蛍光センシトメトリーを、順次、光源、第1(励起)干渉フィルター、フィルムサンプル、第2(発光)干渉フィルター、および検出器としての光学エネルギー計測器の線形アレーからなる装置を用いて実施した。使用した干渉フィルターの関連光学特性は、表4に示される。
【0134】
【表10】
Figure 2004038137
【0135】
塗膜のセンシトメトリー応答を測定するため、塗膜サンプルを、ステップタブレット(0〜4OD,21ステップ)を通して適当な色の光に曝し、次いで、適当な温度で加熱ブロックを通して引っ張ること(滞留時間、20秒)によって熱処理した。その後、検出器によって受ける放射光の光学エネルギーを、処理サンプルの各ステップに関して記録した。各ステップでの光学エネルギー対相対露光量のグラフを作成したが、その典型的な結果は、図3に示されるようなものであった。センシトメトリーを記載するために用いたパラメータは、このグラフから測定した:Dmin およびDmax、それぞれ低露光量平坦域および高露光量平坦域での強度;コントラスト(ガンマ)、強度−露光量曲線の接線の最大勾配;および感度、最大コントラスト線が強度Dmin を有する点での相対露光量。Dmax およびDmin は、入射光強度の一部として表わされる。写真画像は、光学エネルギー計測器に代えて、冷却したCCDカメラを用いて同様の実験装置に記録した。
【0136】
実施例1
三層の塗膜を、押出ホッパー(X−ホッパー)塗工装置を用いて、表5に示す塗膜構造で作製した。各塗膜は、装置に連続的に通過させることによって塗布した。オーバーコート層は、硬膜剤用のビヒクルとして、併せて熱処理時の掻き傷防止として施した。
【0137】
【表11】
Figure 2004038137
【0138】
カプラーおよびハロゲン化銀乳剤の特性を変えたが、これらの成分および現像主薬の量は表6に示されるようなものであった。使用した乳剤は、0.73μmの色素F−1で増感した青感性臭沃化物乳剤(乳剤E−1)、0.75μmの色素F−2およびF−3の4.5:1の混合物で増感した緑感性臭沃化物乳剤(乳剤E−2)、および0.72μmの色素F−4およびF−5の2:1の混合物で増感した赤感性臭沃化物乳剤(乳剤E−3)であった。
【0139】
【表12】
Figure 2004038137
【0140】
本発明の塗膜には、中心点を含む、カプラーと現像主薬の量における二量要因分析が含まれる。各乳剤に係る対照では、塗膜が単に乳剤と現像主薬を含むように、カプラーを省いている。
【0141】
塗膜のそれぞれのサンプルを、ステップタブレット(0〜4OD、21ステップ)を用いた1B感光計内で適当な色の光に曝し、次いで、上記したような種々の温度下で、加熱ブロックを通して引っ張ること(滞留時間、20秒)によって熱処理した。
露光条件:
塗膜1〜6:  0.01秒、ラッテン74
塗膜7〜12: 0.01秒、ラッテン47
塗膜13〜18:0.01秒、ラッテン24
【0142】
それぞれの塗膜について、蛍光センシトメトリーを得た。そのフィルムサンプルは、励起光がTiO層を通過するように、測定時に、発光フィルターの方向に向けて乳剤塗膜と共に延伸した。実施例2の塗膜に係る蛍光センシメトリーを記載するパラメータは、表7に示す。
【0143】
【表13】
Figure 2004038137
【表14】
Figure 2004038137
【表15】
Figure 2004038137
【0144】
この表における結果は、蛍光熱画像形成要素にカプラーを混入すると、その蛍光センシトメトリーに関して多くの非常に有益な効果を有することを明瞭に示している。6組の実験を報告しているが、そこでは、青感性乳剤、緑感性乳剤、および赤感性乳剤を用いる実施例の単色塗膜は、二つの条件下、140℃で20秒間か155℃で20秒間かのいずれかで、処理した。そのデータは、ペアを組んで配置されている。それぞれのペア内では、適当なカプラーの量は、ペアの最初のメンバーから第2のメンバー(カプラーおよび現像主薬の塗布量は、当該表の最後の欄に示されている)に向かって増加している。センシトメトリーの結果をペア同士で比較する限り、画像形成のコントラストは、カプラーの量が増えるにつれて不可避的に増大し、時には、劇的でさえあることを示している。例えば、処理温度140℃と155℃での塗膜11と8(青感性)に関して記録されたコントラストを比較すると、単に5mg/ftのカプラーY−1しかもたない塗膜11では、140℃で3.6のコントラストを示すのに、155℃では単に0.6のコントラストしか示していない。これに反して、20mg/ftのY−1を含む塗膜8では、そのコントラストは、140℃で9.0、そして155度では4.3である。カプラーをもたない塗膜(塗膜7)では、140℃で1.3、そして155℃で1.0のコントラストを有している。
【0145】
同様の結果が、当該実施例における他の組の塗膜に関しても得られている。それぞれの場合に、カプラーを含まない対照塗膜は、カプラーを有する比較の塗膜に比して非常に低いコントラストしか有していない。全ての場合に、カプラーの量、および処理に際する像様色素の形成量が増すと、著しくコントラストが改善(増大)する。現像主薬とカプラー濃度の関数としてのコントラストに見られる広大な変動によれば、コントラストは、使用する検出器の能力に適合するように最適化できることを示している。
【0146】
また、蛍光の画像弁別も、殆どいつでもカプラーの混入によって向上する。唯一の例外は、140℃で処理された塗膜1および4(緑感性)の比較において、塗膜1(対照、カプラーを全く含んでいない)は1.8の画像弁別を有しているのに対して、他方、塗膜4(本発明)では1.1の画像弁別を有していることである。これら二つの数値は、実験の再現性の中では殆ど同一であり、そしていずれの場合にも、本発明の塗膜(塗膜4)における全体の画像形成は、対照と比較して、カプラーを含有する塗膜におけるコントラストがより高いため(5.3(塗膜4)対1.9(塗膜1))、大きく改善している。この表における他の場合でも、全て、カプラーの量が増大するに連れて、より高いコントラストがより良好な画像弁別を伴っている。殆どのペア同士の比較では、高いカプラー量でのこれらパラメータの両者では、大きな改善が示されている。
【0147】
また、写真感度は、一般に、カプラーの混入によって改善されるが、ここでの結果は、必ずしもそれほど劇的ではない。表7に記録される感度のパラメータは、フィルムでの画像形成の応答を生ずることが可能な最小の露光量の測定値であるから、その数値が低いほど、より感光性の画像形成要素であることを表わしている。再度、カプラー量の関数としてのペア同士の比較から見る限り、18個のペアの中から、17が同じかあるいは改善された写真感度を示すことが示されている。その例外は、155℃で処理された緑感性塗膜6と3の比較で見られ、そこでは、20mg/ftのカプラーM−1をもつ塗膜3に関して0.69の感度を示すのに比較して、5mg/ftのカプラーM−1をもつ塗膜6に関しては0.45の感度が記録されている。前記したように、全体の画像形成の応答では、塗膜3の方が、より高い量のカプラーをもつことで、コントラストが高く、そして大きく改善された画像弁別を有するため、塗膜6よりもやはり改善されている。更に、低い温度で処理された同じペアの塗膜では、カプラーの量が増大すると、僅かに異なる処理条件下で、三つのパラメータ(感度、コントラスト、および画像弁別)の全てにおいて大きな改善が得られることが示されている。
【0148】
これらの実施例によれば、大きく改善される写真の応答は、像様色素の形成が可能である要素中にカプラーと現像主薬を混入して熱処理した蛍光画像形成要素から得られることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、蛍光潜像情報を検出し、画像を形成する装置の一実施態様としてのブロック図を示す。
【図2】図2は、蛍光の検出によって得られる画像形成を処理して、視覚化するためのブロック図形式の装置を示す。
【図3】図3は、実施例1における蛍光測定の結果を示す。フィルムの赤色露光量の関数として蛍光放射の強い変化があり、本発明による熱処理された蛍光性フィルムは、画像形成情報を効果的に発生することを示している。

Claims (3)

  1. 感光性ハロゲン化銀乳剤、バインダー、現像主薬の先駆体を含む混入現像主薬、少なくとも一種のルミネセンスが可能な発蛍光団、および要素の露光および熱処理時に酸化された形態の現像主薬との反応によって反応生成物を生成できる混入カプラーを含む少なくとも一層の画像形成層を含んでなるフィルムを用いる写真記録方法において、当該方法が、順に:
    (a)カメラ内でフィルムを像様露光すること、
    (b)ハロゲン化銀乳剤における露光されたハロゲン化銀と反応関係にある混入現像主薬または現像主薬の先駆体から生成される現像主薬が、銀画像および蛍光潜像を生成するように、本質的に乾式処理で、80℃を超える温度まで前記フィルムを加熱することを含む、フィルムを熱現像すること、
    (c)前記発蛍光団のルミネッセンスの励起に好適な波長の実質的に単色の光でフィルムを照らして、異なる波長域の蛍光信号、放射光を生じさせること、およびその蛍光信号の像様強度を測定して、ハードまたはソフトの表示要素に画像を発生させることができる電子画像の記録を生じさせることによって、フィルムを脱銀または定着すること無く、当該フィルムに蛍光潜像を検出すること、
    を含んでなる方法。
  2. 前記フィルムが、実質的に単色の光によって画像域を横切って均一に照らされ、そしてCCDまたは他の電子的光センサーを含む光学検出器で蛍光信号の像様強度を測定して、ハードまたはソフトの表示要素に画像を発生させることができる電子画像の記録を生じさせる、請求項1に記載の写真記録方法。
  3. 前記発蛍光団が前記画像形成層に10−9〜10−3モル/mの量で使用される、請求項1に記載の写真記録方法。
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