JP2004037787A - 印刷機および印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造を簡素化して組み立て調整の手間を削減し、高品質な印刷物を安定的に得ることのできる印刷機およびその印刷機による印刷方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】感光体ドラム11、中間転写ドラム12およびバックアップドラム13を備えた印刷機において、感光体ドラム11およびバックアップドラム13を、それぞれ機械本体10の所定の位置に回転可能に固定し、中間転写ドラム12を感光体ドラム11およびバックアップドラム13に対して接近・離隔可能、かつ、加圧可能とする。感光体ドラム11と描画装置の位置関係を一定に保つことができ、簡単な構造とすることができるので、安定的に高品質な印刷物を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】感光体ドラム11、中間転写ドラム12およびバックアップドラム13を備えた印刷機において、感光体ドラム11およびバックアップドラム13を、それぞれ機械本体10の所定の位置に回転可能に固定し、中間転写ドラム12を感光体ドラム11およびバックアップドラム13に対して接近・離隔可能、かつ、加圧可能とする。感光体ドラム11と描画装置の位置関係を一定に保つことができ、簡単な構造とすることができるので、安定的に高品質な印刷物を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間転写体を用いた印刷機およびその印刷機を用いた印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、液体トナーを用いた印刷機の構造を示す。帯電器2により帯電された感光体ドラム1の表面に、描画データに基づいてレーザ描画装置3のレーザにより露光走査して静電潜像を作成する。作成された静電潜像は液体トナー6を供給することにより現像される。
液体トナー6は、溶媒に樹脂と顔料を混ぜた後、正または負に帯電されるように電気的な特性が与えられ、現像桶5に収容されている。また、現像桶5には現像ローラ4が設置され、この現像ローラ4の下面が液体トナー6に浸っている。
【0003】
図6ではプロセスカラー4色の液体トナー6がそれぞれ収容された4つの現像桶5が設置されている。感光体ドラム1に形成する各色静電潜像に対応して現像桶5が水平移動し、その現像桶5に設置されている現像ローラ4が感光体ドラム1の真下、つまり感光体ドラム1の最下面に対して現像ローラ4の最上面が所定間隔だけ離れた位置に停止するようになっている。
【0004】
この状態で、現像ローラ4は、回転駆動される。現像ローラ4の回転により、現像桶5内の液体トナー6が現像ローラ4に付着して現像ローラ4の周囲に層を作り、感光体ドラム1の表面に供給される。この液体トナー6は、電気的な特性を有しているため、感光体ドラム1上の同じく電気的な特性を有する静電潜像に引張られて移動し(これを電気泳動と呼ぶ)、静電潜像に静電吸着して画像を形成する。
【0005】
このようにして感光体ドラム1の表面に画像を形成した後の従来の印刷手順を図7に示す。図7(A)は感光体ドラム1に画像Gを形成した直後の各ドラムの状態を示す。その後、図7(B)に示すように、感光体ドラム1を上昇させて中間転写ドラム7に接触させ、所定の圧力で加圧し、感光体ドラム1と中間転写ドラム7を反対方向に回転させることによって画像Gは、徐々に感光体ドラム1からに中間転写ドラム7に転写される。完全に画像Gが中間転写ドラム1に転写されたら、図7(C)に示すように感光体ドラム1を下降させる。なお画像Gを欠けることなく、すべて転写させるために、ドラムの上昇、下降によるドラムの離接は、ドラム上に画像の無い場所G0で行う。
【0006】
次に図7(D)で示すように、中間転写ドラム7とバックアップドラム8の間に印刷媒体である印刷用紙9を挟み、バックアップドラム8を下降させて中間転写ドラム7側に移動させる。その後中間転写ドラム7との間に挟み込まれる印刷用紙9を介して中間転写ドラム7を所定圧で加圧するとともに、中間転写ドラム7とバックアップドラム8を回転させて中間転写ドラム7上の画像Gをすべて印刷用紙9に転写させる。図7(E)で示すように印刷用紙9が中間転写ドラム7とバックアップドラム8の間を抜けたら、印刷は終了となり、バックアップドラム8を上昇させ、初期位置に戻す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
感光体ドラム1とバックアップドラム8を駆動させなければならず、機構が複雑となり、印刷機も高価なものとなる。印刷機の組み立て調整にも手間がかかってしまう。感光体ドラム1の表面をレーザ描画装置3で露光し、安定した静電潜像を作成するためには感光体ドラム1とレーザ描画装置3との位置関係を同一に保つ必要がある。感光体ドラム1を上下方向に移動させると、感光体ドラム1を所定位置に止める時に常に安定した位置に保持できない。このため露光画像の焦点が合わなくなり、鮮明な印刷物が得られなくなる。
【0008】
本発明は、構造を簡素化して組み立て調整の手間を削減し、高品質な印刷物を安定的に得ることのできる印刷機およびその印刷機による印刷方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、次の構成を採用する。
請求項1に記載の印刷機は、表面に画像が形成される回転可能な感光体ドラムと、この感光体ドラムと略平行に配置され前記感光体の画像を受容する回転可能な中間転写ドラムと、この中間転写ドラムと略平行に配置され前記中間転写ドラムを押圧し前記中間転写ドラムとの間に挟まれた印刷媒体に前記中間転写ドラム上の画像を転写する回転可能なバックアップドラムと、を備えた印刷機において、前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムは、それぞれ機械本体の所定の位置に固定する手段と、前記中間転写ドラムを前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムに対して接近・離隔、かつ、加圧する手段と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、感光体ドラムおよびバックアップドラムを機械の所定位置に固定し、中間転写ドラムのみを移動させて印刷を行うことにより、駆動機構を簡素にすることができ、組み立て調整の手間を削減することができる。また前記感光体ドラムは固定されるので常に安定した露光による静電潜像を得ることができる。
【0011】
請求項2に記載の印刷機は、請求項1に記載の印刷機において、前記中間転写ドラムは、両端の回転軸部を支持する支持ブラケットを備え、これらの支持ブラケットは、前記機械本体との間にわたって設けられた移動・加圧手段により前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムに接近・隔離、かつ、加圧可能とされていることを特徴とする。
この発明によれば、移動・加圧手段が支持ブラケットと機械本体との間にわたって設けられているので、装置をコンパクトにできる。
【0012】
請求項3に記載の印刷機は、請求項2に記載の印刷機において、前記移動・加圧手段は、前記機械本体に設けられたレール部材と、前記支持ブラケットに設けられ前記レール部材に沿ってスライドするスライダと、前記支持ブラケットを移動させ前記中間転写ドラムを前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムに対して加圧する駆動手段と、を備えて構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、中間転写ドラムはレール部材に沿ってスライドするスライダを備えているので、感光体ドラムおよびバックアップドラムとの位置関係を略平行に保ちながらスムーズに移動できるので、圧力を均一に加えることができる。
【0013】
請求項4に記載の印刷機は、請求項3に記載の印刷機において、前記駆動手段は、サーボモータにより駆動される電動シリンダを備えて構成され、この電動シリンダの軸の両先端には、前記中間転写ドラムの前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムに対する加圧力を制御する加圧制御機構が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、圧縮バネ等を介して加圧する機械的な加圧制御機構を設ければ、サーボモータの位置決め精度が多少悪くても、常に一定な加圧力が得られ、印刷物の品質を一定に保つことができる。
【0014】
請求項5に記載の印刷方法は、表面に画像が形成される回転可能な感光体ドラムと、この感光体ドラムと略平行に配置され前記感光体の画像を受容する回転可能な中間転写ドラムと、この中間転写ドラムと略平行に配置され前記中間転写ドラムを押圧し前記中間転写ドラムとの間に挟まれた印刷媒体に前記中間転写ドラム上の画像を転写する回転可能なバックアップドラムと、を備えた印刷機による印刷方法であって、前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムは、それぞれ機械本体の所定の位置に固定されるとともに、画像が形成された前記感光体ドラムに対して前記中間転写ドラムを近接させ、かつ、加圧して画像を受容させ、その後、前記中間転写ドラムを前記感光体ドラムから離隔させ、バックアップローラに対しては接近させ、かつ、加圧して前記中間転写ドラムの画像を、当該中間転写ドラムと前記バックアップドラムとの間に配置された印刷媒体に転写して印刷し、印刷終了後は、前記中間転写ドラムを前記バックアップローラから離隔させることを特徴とする。
この発明によれば、前記印刷機と同様の作用、効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。図1、2は、本発明による印刷機を示していて、図1が各ドラムの側面方向から見た図、図2は正面方向から見た図である。なお帯電器、レーザ描画装置、現像桶等は従来の印刷機と同様であるので、ここでは省略する。
感光体ドラム11は、回転軸11Aの両端をそれぞれブラケット14で支持されており、これらのブラケットは、ボルト17により機械本体10に固定されている。バックアップドラム13も同様に、回転軸13Aの両端をそれぞれブラケット16で支持され、これらのブラケット16は、ボルト17により機械本体10に固定されている。
【0016】
これに対して中間転写ドラム12は、回転軸12Aの両端をそれぞれブラケット15で支持されており、これらのブラケット15と機械本体10とは、LMガイド21によって結合されており、ブラケット15は機械本体10に対して上下動することができるようになっている。LMガイド21は、ブラケット15にボルト等で固定されたスライダ22と、機械本体10にボルト等で固定されたレール23とで構成されている。またブラケット15には、正面図(図2参照)で互いに外側に突出した腕19が設けられている。
【0017】
機械本体10の側面には、サーボモータで駆動される電動シリンダ18が設けられていて、中間転写ドラム12を上下動させる。この電動シリンダ18のロッドの先端には図3に示すように、軸24が固定されており、この軸24は、前記腕19に開けられた穴19Aに貫通され、上下動可能なっている。また、軸24には圧縮バネ20が装着されている。この圧縮バネ20は、腕19の上下に、軸24をガイドとして装着された、ほぼ等しい強さの圧縮バネ20A、20Bで構成されている。
電動シリンダ18を駆動させて軸24を上下方向に移動させることにより、中間転写ドラム12は、腕19、ブラケット15およびLMガイド21を介して上下方向に移動可能となっている。
【0018】
ロードセル等の力センサを用いて力を検出し、アクチュエータにフィードバックして加圧力を制御する方法もあるが、本実施形態では、電動シリンダ18を駆動させるサーボモータの回転角度をサーボモータに内臓してあるエンコーダで検出してフィードバックし、回転角度を制御することにより電動シリンダ18のロッドの位置を制御し、最終的には加圧力を制御する。圧縮バネ20を介して加圧するので、回転角度制御の精度が低くても一定の加圧力が得られ、このような簡単で安価な構成でも印刷物の品質を向上させることができる。
また、機械の組み立て精度が悪く、各ドラムの平行度が維持されていない場合でも、圧縮バネ20がある程度の誤差を吸収するので、印刷物の品質を向上させることができる。
【0019】
本実施形態の印刷機を用いた印刷手順を図4に示す。図4(A)は感光体ドラム11に画像Gを形成した直後の各ドラムの状態を示す。その後、図4(B)に示すように、中間転写ドラム12を下降させて感光体ドラム11に接触させ、所定の圧力で加圧し、感光体ドラム11と中間転写ドラム12を反対方向に回転させることによって画像Gは、徐々感に光体ドラム11から中間転写ドラム12に転写される。画像Gが中間転写ドラム12にすべて転写されたら、図4(C)に示すように、中間転写ドラム12を上昇させて感光体ドラム11と離間させる。なお画像Gを欠けることなく、すべて転写させるために、ドラムの上昇、下降によるドラムの離接は、ドラム上に画像の無い場所G0で行う。
【0020】
次に図4(D)に示すように、中間転写ドラム12とバックアップドラム13の間に印刷媒体である印刷用紙9を挟み、中間転写ドラム12を上昇させてバックアップドラム13側に移動させる。その後中間転写ドラム12との間に挟み込まれる印刷用紙9を介してバックアップドラム13を所定圧で加圧するとともに、中間転写ドラム12とバックアップドラム13を回転させて中間転写ドラム12上の画像Gをすべて印刷用紙9に転写させる。図4(E)で示すように印刷用紙9が中間転写ドラム12とバックアップドラム13の間を抜けたら、印刷は終了となり、中間転写ドラム12を下降させ、初期位置に戻す。
【0021】
以上のように構成された実施形態では、中間転写ドラム12のみを移動させるので、構造も簡単になり、組み立て、調整の手間が削減できる。また、感光体ドラム11は移動しないので、常にレーザ描画装置との位置関係は変化せず、印刷を繰り返しても安定して高品質な印刷物を得ることができる。
【0022】
また、サーボモータにより駆動される電動シリンダ18のロッド先端に設けた圧縮バネ20を介して中間転写ドラム12を加圧しているので、サーボモータの制御性能が低かったり、機械の組み立て精度が悪く、各ドラムの平行度が適切に維持されていない場合でも、これらの圧縮バネ20によって精度誤差を吸収し、中間転写ドラム12の両側の電動シリンダ18で均一に加圧することができ、印刷物を高品質に保つことができる。機械の構造も簡単で安価に製造することができる。
【0023】
また、ここでは圧縮バネ20により中間転写ドラム12の加圧力の制御を行っているが、これに限らず、電動シリンダ18を駆動するサーボモータに力(トルク)を検出するロードセル等のセンサおよび、検出した力をサーボモータにフィードバックして制御する制御回路等を備え付けて、加圧力の制御を行ってもよい。
ここでは印刷機の3つのドラムは下から感光体ドラム11、中間転写ドラム12、バックアップドラム13の順に縦に並んでいるが、これらの構成を変化させてもかまわない。図5に本発明の他の実施形態を示す。図5(A)に示す実施形態は下からバックアップドラム13、中間転写ドラム12、感光体ドラム11の順に並んでいる。また、図5(B)に示すようには3つのドラムを傾けて配置したり、図5(C)のように3つのドラムを水平に配置してもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明の印刷機およびその印刷機による印刷方法は、印刷機の構造を簡素化して機械の信頼性を保つことができ、高品質の印刷物の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷機の側面図である。
【図2】前記実施形態の正面図である。
【図3】前記実施形態の中間転写ドラムの詳細図である。
【図4】本発明の印刷の手順を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る印刷機の構造を示す概略図である。
【図6】従来の印刷機を示す概略図である。
【図7】従来の印刷の手順を示す図である。
【符号の説明】
9 印刷用紙
10 機械本体
11 感光体ドラム
12 中間体ドラム
13 バックアップドラム
14、15、16 ブラケット
17 ボルト
18 電動シリンダ
19 腕
20 圧縮バネ
21 LMガイド
22 スライダ
23 レール
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間転写体を用いた印刷機およびその印刷機を用いた印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、液体トナーを用いた印刷機の構造を示す。帯電器2により帯電された感光体ドラム1の表面に、描画データに基づいてレーザ描画装置3のレーザにより露光走査して静電潜像を作成する。作成された静電潜像は液体トナー6を供給することにより現像される。
液体トナー6は、溶媒に樹脂と顔料を混ぜた後、正または負に帯電されるように電気的な特性が与えられ、現像桶5に収容されている。また、現像桶5には現像ローラ4が設置され、この現像ローラ4の下面が液体トナー6に浸っている。
【0003】
図6ではプロセスカラー4色の液体トナー6がそれぞれ収容された4つの現像桶5が設置されている。感光体ドラム1に形成する各色静電潜像に対応して現像桶5が水平移動し、その現像桶5に設置されている現像ローラ4が感光体ドラム1の真下、つまり感光体ドラム1の最下面に対して現像ローラ4の最上面が所定間隔だけ離れた位置に停止するようになっている。
【0004】
この状態で、現像ローラ4は、回転駆動される。現像ローラ4の回転により、現像桶5内の液体トナー6が現像ローラ4に付着して現像ローラ4の周囲に層を作り、感光体ドラム1の表面に供給される。この液体トナー6は、電気的な特性を有しているため、感光体ドラム1上の同じく電気的な特性を有する静電潜像に引張られて移動し(これを電気泳動と呼ぶ)、静電潜像に静電吸着して画像を形成する。
【0005】
このようにして感光体ドラム1の表面に画像を形成した後の従来の印刷手順を図7に示す。図7(A)は感光体ドラム1に画像Gを形成した直後の各ドラムの状態を示す。その後、図7(B)に示すように、感光体ドラム1を上昇させて中間転写ドラム7に接触させ、所定の圧力で加圧し、感光体ドラム1と中間転写ドラム7を反対方向に回転させることによって画像Gは、徐々に感光体ドラム1からに中間転写ドラム7に転写される。完全に画像Gが中間転写ドラム1に転写されたら、図7(C)に示すように感光体ドラム1を下降させる。なお画像Gを欠けることなく、すべて転写させるために、ドラムの上昇、下降によるドラムの離接は、ドラム上に画像の無い場所G0で行う。
【0006】
次に図7(D)で示すように、中間転写ドラム7とバックアップドラム8の間に印刷媒体である印刷用紙9を挟み、バックアップドラム8を下降させて中間転写ドラム7側に移動させる。その後中間転写ドラム7との間に挟み込まれる印刷用紙9を介して中間転写ドラム7を所定圧で加圧するとともに、中間転写ドラム7とバックアップドラム8を回転させて中間転写ドラム7上の画像Gをすべて印刷用紙9に転写させる。図7(E)で示すように印刷用紙9が中間転写ドラム7とバックアップドラム8の間を抜けたら、印刷は終了となり、バックアップドラム8を上昇させ、初期位置に戻す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
感光体ドラム1とバックアップドラム8を駆動させなければならず、機構が複雑となり、印刷機も高価なものとなる。印刷機の組み立て調整にも手間がかかってしまう。感光体ドラム1の表面をレーザ描画装置3で露光し、安定した静電潜像を作成するためには感光体ドラム1とレーザ描画装置3との位置関係を同一に保つ必要がある。感光体ドラム1を上下方向に移動させると、感光体ドラム1を所定位置に止める時に常に安定した位置に保持できない。このため露光画像の焦点が合わなくなり、鮮明な印刷物が得られなくなる。
【0008】
本発明は、構造を簡素化して組み立て調整の手間を削減し、高品質な印刷物を安定的に得ることのできる印刷機およびその印刷機による印刷方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、次の構成を採用する。
請求項1に記載の印刷機は、表面に画像が形成される回転可能な感光体ドラムと、この感光体ドラムと略平行に配置され前記感光体の画像を受容する回転可能な中間転写ドラムと、この中間転写ドラムと略平行に配置され前記中間転写ドラムを押圧し前記中間転写ドラムとの間に挟まれた印刷媒体に前記中間転写ドラム上の画像を転写する回転可能なバックアップドラムと、を備えた印刷機において、前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムは、それぞれ機械本体の所定の位置に固定する手段と、前記中間転写ドラムを前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムに対して接近・離隔、かつ、加圧する手段と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、感光体ドラムおよびバックアップドラムを機械の所定位置に固定し、中間転写ドラムのみを移動させて印刷を行うことにより、駆動機構を簡素にすることができ、組み立て調整の手間を削減することができる。また前記感光体ドラムは固定されるので常に安定した露光による静電潜像を得ることができる。
【0011】
請求項2に記載の印刷機は、請求項1に記載の印刷機において、前記中間転写ドラムは、両端の回転軸部を支持する支持ブラケットを備え、これらの支持ブラケットは、前記機械本体との間にわたって設けられた移動・加圧手段により前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムに接近・隔離、かつ、加圧可能とされていることを特徴とする。
この発明によれば、移動・加圧手段が支持ブラケットと機械本体との間にわたって設けられているので、装置をコンパクトにできる。
【0012】
請求項3に記載の印刷機は、請求項2に記載の印刷機において、前記移動・加圧手段は、前記機械本体に設けられたレール部材と、前記支持ブラケットに設けられ前記レール部材に沿ってスライドするスライダと、前記支持ブラケットを移動させ前記中間転写ドラムを前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムに対して加圧する駆動手段と、を備えて構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、中間転写ドラムはレール部材に沿ってスライドするスライダを備えているので、感光体ドラムおよびバックアップドラムとの位置関係を略平行に保ちながらスムーズに移動できるので、圧力を均一に加えることができる。
【0013】
請求項4に記載の印刷機は、請求項3に記載の印刷機において、前記駆動手段は、サーボモータにより駆動される電動シリンダを備えて構成され、この電動シリンダの軸の両先端には、前記中間転写ドラムの前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムに対する加圧力を制御する加圧制御機構が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、圧縮バネ等を介して加圧する機械的な加圧制御機構を設ければ、サーボモータの位置決め精度が多少悪くても、常に一定な加圧力が得られ、印刷物の品質を一定に保つことができる。
【0014】
請求項5に記載の印刷方法は、表面に画像が形成される回転可能な感光体ドラムと、この感光体ドラムと略平行に配置され前記感光体の画像を受容する回転可能な中間転写ドラムと、この中間転写ドラムと略平行に配置され前記中間転写ドラムを押圧し前記中間転写ドラムとの間に挟まれた印刷媒体に前記中間転写ドラム上の画像を転写する回転可能なバックアップドラムと、を備えた印刷機による印刷方法であって、前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムは、それぞれ機械本体の所定の位置に固定されるとともに、画像が形成された前記感光体ドラムに対して前記中間転写ドラムを近接させ、かつ、加圧して画像を受容させ、その後、前記中間転写ドラムを前記感光体ドラムから離隔させ、バックアップローラに対しては接近させ、かつ、加圧して前記中間転写ドラムの画像を、当該中間転写ドラムと前記バックアップドラムとの間に配置された印刷媒体に転写して印刷し、印刷終了後は、前記中間転写ドラムを前記バックアップローラから離隔させることを特徴とする。
この発明によれば、前記印刷機と同様の作用、効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。図1、2は、本発明による印刷機を示していて、図1が各ドラムの側面方向から見た図、図2は正面方向から見た図である。なお帯電器、レーザ描画装置、現像桶等は従来の印刷機と同様であるので、ここでは省略する。
感光体ドラム11は、回転軸11Aの両端をそれぞれブラケット14で支持されており、これらのブラケットは、ボルト17により機械本体10に固定されている。バックアップドラム13も同様に、回転軸13Aの両端をそれぞれブラケット16で支持され、これらのブラケット16は、ボルト17により機械本体10に固定されている。
【0016】
これに対して中間転写ドラム12は、回転軸12Aの両端をそれぞれブラケット15で支持されており、これらのブラケット15と機械本体10とは、LMガイド21によって結合されており、ブラケット15は機械本体10に対して上下動することができるようになっている。LMガイド21は、ブラケット15にボルト等で固定されたスライダ22と、機械本体10にボルト等で固定されたレール23とで構成されている。またブラケット15には、正面図(図2参照)で互いに外側に突出した腕19が設けられている。
【0017】
機械本体10の側面には、サーボモータで駆動される電動シリンダ18が設けられていて、中間転写ドラム12を上下動させる。この電動シリンダ18のロッドの先端には図3に示すように、軸24が固定されており、この軸24は、前記腕19に開けられた穴19Aに貫通され、上下動可能なっている。また、軸24には圧縮バネ20が装着されている。この圧縮バネ20は、腕19の上下に、軸24をガイドとして装着された、ほぼ等しい強さの圧縮バネ20A、20Bで構成されている。
電動シリンダ18を駆動させて軸24を上下方向に移動させることにより、中間転写ドラム12は、腕19、ブラケット15およびLMガイド21を介して上下方向に移動可能となっている。
【0018】
ロードセル等の力センサを用いて力を検出し、アクチュエータにフィードバックして加圧力を制御する方法もあるが、本実施形態では、電動シリンダ18を駆動させるサーボモータの回転角度をサーボモータに内臓してあるエンコーダで検出してフィードバックし、回転角度を制御することにより電動シリンダ18のロッドの位置を制御し、最終的には加圧力を制御する。圧縮バネ20を介して加圧するので、回転角度制御の精度が低くても一定の加圧力が得られ、このような簡単で安価な構成でも印刷物の品質を向上させることができる。
また、機械の組み立て精度が悪く、各ドラムの平行度が維持されていない場合でも、圧縮バネ20がある程度の誤差を吸収するので、印刷物の品質を向上させることができる。
【0019】
本実施形態の印刷機を用いた印刷手順を図4に示す。図4(A)は感光体ドラム11に画像Gを形成した直後の各ドラムの状態を示す。その後、図4(B)に示すように、中間転写ドラム12を下降させて感光体ドラム11に接触させ、所定の圧力で加圧し、感光体ドラム11と中間転写ドラム12を反対方向に回転させることによって画像Gは、徐々感に光体ドラム11から中間転写ドラム12に転写される。画像Gが中間転写ドラム12にすべて転写されたら、図4(C)に示すように、中間転写ドラム12を上昇させて感光体ドラム11と離間させる。なお画像Gを欠けることなく、すべて転写させるために、ドラムの上昇、下降によるドラムの離接は、ドラム上に画像の無い場所G0で行う。
【0020】
次に図4(D)に示すように、中間転写ドラム12とバックアップドラム13の間に印刷媒体である印刷用紙9を挟み、中間転写ドラム12を上昇させてバックアップドラム13側に移動させる。その後中間転写ドラム12との間に挟み込まれる印刷用紙9を介してバックアップドラム13を所定圧で加圧するとともに、中間転写ドラム12とバックアップドラム13を回転させて中間転写ドラム12上の画像Gをすべて印刷用紙9に転写させる。図4(E)で示すように印刷用紙9が中間転写ドラム12とバックアップドラム13の間を抜けたら、印刷は終了となり、中間転写ドラム12を下降させ、初期位置に戻す。
【0021】
以上のように構成された実施形態では、中間転写ドラム12のみを移動させるので、構造も簡単になり、組み立て、調整の手間が削減できる。また、感光体ドラム11は移動しないので、常にレーザ描画装置との位置関係は変化せず、印刷を繰り返しても安定して高品質な印刷物を得ることができる。
【0022】
また、サーボモータにより駆動される電動シリンダ18のロッド先端に設けた圧縮バネ20を介して中間転写ドラム12を加圧しているので、サーボモータの制御性能が低かったり、機械の組み立て精度が悪く、各ドラムの平行度が適切に維持されていない場合でも、これらの圧縮バネ20によって精度誤差を吸収し、中間転写ドラム12の両側の電動シリンダ18で均一に加圧することができ、印刷物を高品質に保つことができる。機械の構造も簡単で安価に製造することができる。
【0023】
また、ここでは圧縮バネ20により中間転写ドラム12の加圧力の制御を行っているが、これに限らず、電動シリンダ18を駆動するサーボモータに力(トルク)を検出するロードセル等のセンサおよび、検出した力をサーボモータにフィードバックして制御する制御回路等を備え付けて、加圧力の制御を行ってもよい。
ここでは印刷機の3つのドラムは下から感光体ドラム11、中間転写ドラム12、バックアップドラム13の順に縦に並んでいるが、これらの構成を変化させてもかまわない。図5に本発明の他の実施形態を示す。図5(A)に示す実施形態は下からバックアップドラム13、中間転写ドラム12、感光体ドラム11の順に並んでいる。また、図5(B)に示すようには3つのドラムを傾けて配置したり、図5(C)のように3つのドラムを水平に配置してもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明の印刷機およびその印刷機による印刷方法は、印刷機の構造を簡素化して機械の信頼性を保つことができ、高品質の印刷物の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷機の側面図である。
【図2】前記実施形態の正面図である。
【図3】前記実施形態の中間転写ドラムの詳細図である。
【図4】本発明の印刷の手順を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る印刷機の構造を示す概略図である。
【図6】従来の印刷機を示す概略図である。
【図7】従来の印刷の手順を示す図である。
【符号の説明】
9 印刷用紙
10 機械本体
11 感光体ドラム
12 中間体ドラム
13 バックアップドラム
14、15、16 ブラケット
17 ボルト
18 電動シリンダ
19 腕
20 圧縮バネ
21 LMガイド
22 スライダ
23 レール
Claims (5)
- 表面に画像が形成される回転可能な感光体ドラムと、この感光体ドラムと略平行に配置され前記感光体の画像を受容する回転可能な中間転写ドラムと、この中間転写ドラムと略平行に配置され前記中間転写ドラムを押圧し前記中間転写ドラムとの間に挟まれた印刷媒体に前記中間転写ドラム上の画像を転写する回転可能なバックアップドラムと、を備えた印刷機において、
前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムは、それぞれ機械本体の所定の位置に固定する手段と、前記中間転写ドラムを前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムに対して接近・離隔、かつ、加圧する手段と、を備えていることを特徴とする印刷機。 - 請求項1に記載の印刷機において、
前記中間転写ドラムは、両端の回転軸部を支持する支持ブラケットを備え、これらの支持ブラケットは、前記機械本体との間にわたって設けられた移動・加圧手段により前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムに接近・隔離、かつ、加圧可能とされていることを特徴とする印刷機。 - 請求項2に記載の印刷機において、
前記移動・加圧手段は、前記機械本体に設けられたレール部材と、前記支持ブラケットに設けられ前記レール部材に沿ってスライドするスライダと、前記支持ブラケットを移動させ前記中間転写ドラムを前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムに対して加圧する駆動手段と、を備えて構成されていることを特徴とする印刷機。 - 請求項3に記載の印刷機において、
前記駆動手段は、サーボモータにより駆動される電動シリンダを備えて構成され、この電動シリンダの軸の両先端には、前記中間転写ドラムの前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムに対する加圧力を制御する加圧制御機構が設けられていることを特徴とする印刷機。 - 表面に画像が形成される回転可能な感光体ドラムと、この感光体ドラムと略平行に配置され前記感光体の画像を受容する回転可能な中間転写ドラムと、この中間転写ドラムと略平行に配置され前記中間転写ドラムを押圧し前記中間転写ドラムとの間に挟まれた印刷媒体に前記中間転写ドラム上の画像を転写する回転可能なバックアップドラムと、を備えた印刷機による印刷方法であって、
前記感光体ドラムおよび前記バックアップドラムは、それぞれ機械本体の所定の位置に固定されるとともに、画像が形成された前記感光体ドラムに対して前記中間転写ドラムを近接させ、かつ、加圧して画像を受容させ、その後、前記中間転写ドラムを前記感光体ドラムから離隔させ、バックアップローラに対しては接近させ、かつ、加圧して前記中間転写ドラムの画像を、当該中間転写ドラムと前記バックアップドラムとの間に配置された印刷媒体に転写して印刷し、印刷終了後は、前記中間転写ドラムを前記バックアップローラから離隔させることを特徴とする印刷機による印刷方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002194053A JP2004037787A (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 印刷機および印刷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002194053A JP2004037787A (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 印刷機および印刷方法 |
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JP2004037787A true JP2004037787A (ja) | 2004-02-05 |
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Family Applications (1)
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JP2002194053A Pending JP2004037787A (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 印刷機および印刷方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004037787A (ja) |
-
2002
- 2002-07-03 JP JP2002194053A patent/JP2004037787A/ja active Pending
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