JP2004037779A - 現像剤の充填方法、現像カートリッジおよびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像カートリッジに振動を与えて現像剤の充填を行うことで、緩み見かけ密度以上の密度で現像剤の充填が可能な現像カートリッジへの現像剤の充填方法、現像カートリッジおよびそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーによる汚損防止のため、トナー注入口70と同じ左側面にギア群71が設けられた現像カートリッジ24を、その左側面を上方にしてトナー充填装置60のホルダ64に載置する。このとき、現像ローラ31の軸方向は上下方向となる。現像カートリッジ24内部はトナーホッパーと現像室とに仕切られており、その間が現像ローラ31より細幅のトナー供給口で連通されている。振動台63から縦方向の振動を与えられトナーの充填が行われるが、現像ローラ31は現像室内に収容されており、トナー供給口によって現像室に供給される現像剤の量が規制されるので、トナーの圧力がかかりにくくなっている。
【選択図】 図8
【解決手段】トナーによる汚損防止のため、トナー注入口70と同じ左側面にギア群71が設けられた現像カートリッジ24を、その左側面を上方にしてトナー充填装置60のホルダ64に載置する。このとき、現像ローラ31の軸方向は上下方向となる。現像カートリッジ24内部はトナーホッパーと現像室とに仕切られており、その間が現像ローラ31より細幅のトナー供給口で連通されている。振動台63から縦方向の振動を与えられトナーの充填が行われるが、現像ローラ31は現像室内に収容されており、トナー供給口によって現像室に供給される現像剤の量が規制されるので、トナーの圧力がかかりにくくなっている。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはそれらの複合機などの画像形成装置に使用される現像カートリッジへの現像剤の充填方法、現像カートリッジおよびそれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ式のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはそれらの複合機などの画像形成装置では、現像剤が収容された着脱可能な現像カートリッジが利用されている。この現像カートリッジは、現像剤を収容するためのトナーホッパーと、画像形成装置の感光体ドラムに現像剤を供給するための現像ローラとが一体となって収容されている。現像カートリッジが画像形成装置に装着された場合、画像形成装置から駆動力が伝達されて回転する現像ローラの表面に現像剤が静電吸着されて薄層を形成し、感光体ドラムに現像剤が供給される。
【0003】
この現像剤としては、粉砕トナー、重合トナーなどの粉体が使用され、これら粉体の粒子径は数〜十数μm程度の大きさである。そして、現像剤を現像カートリッジに充填する場合には、現像カートリッジの現像ローラと現像カートリッジの筐体との間の間隙より現像剤が漏れないように注意しながら、現像剤の重力を利用して、現像剤充填機のホッパーより現像剤を落下させ、充填を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法で現像剤の充填を行った場合、現像カートリッジには緩み見かけ密度、すなわち現像剤の自重による圧縮密度以上の密度で現像剤の充填を行うことができず、現像剤の重量に比べて現像カートリッジの容積が大きくなってしまうという問題があった。これにより、現像カートリッジの筐体の小型化はもとより、画像形成装置の小型化を図る場合の弊害となっていた。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、現像カートリッジの筐体の小型化を図ることができる現像カートリッジへの現像剤の充填方法、現像カートリッジおよびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明の現像剤の充填方法は、現像剤を収容する収容室と、当該収容室に収容された現像剤を静電潜像が形成される静電潜像担持体に供給するための現像剤担持体とを備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、前記収容室に現像剤を充填する充填工程と、当該充填工程中またはそれ以後に、前記現像カートリッジに振動を与える振動工程とを有している。
【0007】
また、請求項2に係る発明の現像剤の充填方法は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記収容室が、前記現像剤担持体の軸方向に沿って延設された筒形状を有する現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、前記充填工程前に、前記現像剤担持体の軸方向と重力方向とが略平行となるように前記現像カートリッジを配置させる配置工程を有している。
【0008】
また、請求項3に係る発明の現像剤の充填方法は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記現像剤担持体を筐体の外部に露出させるため、前記現像剤担持体の軸方向に沿って筐体外壁に開口された開口部を備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、前記充填工程前に、前記現像剤担持体の軸方向を重力方向に略一致させ、前記開口部が筐体側面にくるように前記現像カートリッジを配置させる配置工程を有している。
【0009】
また、請求項4に係る発明の現像剤の充填方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記充填工程では、前記現像カートリッジに充填される現像剤として、略球形状をした球形トナーが充填されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明の現像剤の充填方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記現像カートリッジの前記現像剤担持体の軸方向の一端側に、前記現像剤担持体を回転駆動するため、筐体外部から付加される駆動力を伝達するギアを備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、
前記充填工程前に、前記ギアの設けられた側が上方となるように前記現像カートリッジが配置される配置工程を有している。
【0011】
また、請求項6に係る発明の現像剤の充填方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、筐体の内部に、駆動力が伝達されて回転駆動される回転部材と、筐体の内部の壁面に前記回転部材が前記筐体を貫通しないように形成された前記回転部材の軸受とを備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、前記充填工程前に、前記回転部材の軸受の設けられた側が下方となるように前記現像カートリッジが配置される配置工程を有している。
【0012】
また、請求項7に係る発明の現像剤の充填方法は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記現像剤担持体を収容する現像室と、当該現像室と前記収容室との間の壁面に、前記現像剤担持体の軸方向に沿って開口された、前記現像剤担持体の直径よりも細幅の連通孔とを備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、前記充填工程前に、前記連通孔の長手方向と重力方向とが略平行となるように前記現像カートリッジを配置させる配置工程を有している。
【0013】
また、請求項8に係る発明の現像カートリッジは、現像剤を静電潜像が形成される静電潜像担持体に供給するための現像剤担持体と、筐体に振動が与えられて現像剤が充填された収容室とを備えている。
【0014】
また、請求項9に係る発明の現像カートリッジは、現像剤を静電潜像が形成される静電潜像担持体に供給するための現像剤担持体と、前記現像剤の密度が緩み見かけ密度よりも高い密度で充填された収容室とを備えている。
【0015】
また、請求項10に係る発明の現像カートリッジは、請求項8または9に記載の発明の構成に加え、前記現像剤担持体の軸方向の一端側である前記筐体の側面に、現像剤を充填するための充填口が設けられたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項11に係る発明の現像カートリッジは、請求項10に記載の発明の構成に加え、筐体の内部には、駆動力が伝達されて回転駆動する回転部材が設けられ、当該回転部材の軸受は、前記トナー充填口と反対側における筐体の内部の壁面に前記回転部材が前記筐体を貫通しないように形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項12に係る発明の現像カートリッジは、請求項11に記載の発明の構成に加え、前記充填口が設けられた側の前記筐体の側面に、前記現像剤担持体を回転駆動するため、筐体外部から付加される駆動力を伝達するギアを備えている。
【0018】
また、請求項13に係る発明の現像カートリッジは、請求項8乃至12のいずれかに記載の発明の構成に加え、筐体内に、前記現像剤担持体を収容する現像室を備え、当該現像室と前記収容室とは、前記現像剤担持体の軸方向に沿って開口された、前記現像剤担持体の直径よりも細幅の連通孔によって連通されていることを特徴とする。
【0019】
また、請求項14に係る発明の現像カートリッジは、請求項8乃至13のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記収容室には略球形状した球形トナーが充填されることを特徴とする。
【0020】
また、請求項15に係る発明の画像形成装置は、請求項8乃至14のいずれかに記載の現像カートリッジを備えている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した現像剤の充填方法、現像カートリッジおよびそれを備えた画像形成装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図7を参照して、本発明が用いられる現像カートリッジおよび画像形成装置の一例である現像カートリッジ24およびレーザプリンタ1の構成について説明する。図1は、レーザプリンタ1の中央断面図である。図2は、プロセスカートリッジ17を側方より見た断面図である。図3は、現像カートリッジ24の斜視図である。図4は、現像カートリッジ24の左側面図である。図5は、現像カートリッジ24の右側面図である。図6は、アジテータ36の支持部25a付近の平面図である。図7は、図6に示す1点鎖線B−B’における矢視方向から見たアジテータ36の支持部25a付近の部分断面図である。
【0022】
図1に示すように、レーザプリンタ1は、断面視、本体ケース2内に、被記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に印刷するための画像形成部を構成するスキャナユニット16、プロセスカートリッジ17および定着器18等を備えている。尚、レーザプリンタ1において、図中右手方向が前面となる。
【0023】
排紙トレイ46は、本体ケース2の上部中央より前側にかけての位置に、印刷された用紙3を積層保持できるように、本体ケース2の前側ほど傾斜が小さくなるように凹部形成されている。また、本体ケース2の前面の上寄り部位には、プロセスカートリッジ17の挿入のための一部開放状の空間があり、プロセスカートリッジ17は、本体ケース2の右端(前面側)のカバー54を下向きに回動させて大きく開いた状態で着脱される。
【0024】
本体ケース2内の後部(図中左手側)には、本体ケース2内の下部後端側に設けられた定着器18から排出された用紙3が上部に設けられた排紙トレイ46に導かれるように、本体ケース2の背面に沿って上下方向に半弧を描くように排紙パス44が設けられ、この排紙パス44に、用紙3の搬送を行う排紙ローラ45が設けられている。
【0025】
フィーダ部4は、本体ケース2内の底部に設けられた給紙ローラ8と、レーザプリンタ1の前面より前後方向に着脱可能に装着される給紙カセット6と、給紙カセット6内に設けられ、用紙3を積層保持して用紙3を給紙ローラ8に圧接する用紙押圧板7と、給紙カセット6の一端側端部の上方に設けられ、給紙ローラ8に向かって押圧され、給紙時に給紙ローラ8と協働して用紙3を一枚毎に分離する分離パッド9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられ、印刷の際の用紙3の送り出しのタイミングを調整するレジストローラ12とを備えている。
【0026】
用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタックすることができ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部に設けられた支軸7aが給紙カセット6の底面に支持されることによって、この支軸7aを回動中心として、近い方の端部が上下方向に移動可能とされており、また、その裏側からバネ7bによって給紙ローラ8の方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるにともない、支軸7aを支点として、バネ7bの付勢力に抗して下向きに揺動される。そして、給紙ローラ8および分離パッド9は互いに対向するように配設され、分離パッド9の裏側に配設されるバネ13によって、分離パッド9が給紙ローラ8に向かって押圧されている。
【0027】
画像形成部のスキャナユニット16は、本体ケース2内において排紙トレイ46の直下に配置され、レーザ光を出射するレーザ発光部(図示外)、レーザ発光部より出射されたレーザ光を回転駆動して主走査方向に走査するポリゴンミラー19、ポリゴンミラー19に走査されたレーザ光の走査速度を一定にするfθレンズ20、走査されたレーザ光を反射する反射ミラー21a,21b、反射ミラー21aで反射されたレーザ光を反射ミラー21bを介して感光体ドラム27上で結像するために焦点位置を調整するリレーレンズ22等で構成されている。スキャナユニット16は、印刷データに基づいてレーザ発光部から出射されるレーザ光を、ポリゴンミラー19、fθレンズ20、反射ミラー21a、リレーレンズ22、反射ミラー21bの順に通過あるいは反射させて、プロセスカートリッジ17の感光体ドラム27の表面上に露光走査するものである。
【0028】
画像形成部の定着器18は、プロセスカートリッジ17の側方下流側に配設され、加熱ローラ41、この加熱ローラ41を押圧する加圧ローラ42、およびこれら加熱ローラ41および加圧ローラ42の下流側に設けられる一対の搬送ローラ43を備えている。加熱ローラ41は、金属製で、筒状のローラの内部に加熱のためのハロゲンランプ41aを備えており、プロセスカートリッジ17において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する間に加圧加熱定着させ、その後、その用紙3を搬送ローラ43によって、排紙パス44に搬送するようにしている。
【0029】
次に、図2に示すように、画像形成部のプロセスカートリッジ17は、ドラムカートリッジ23と、ドラムカートリッジ23に着脱可能な現像カートリッジ24とから構成されている。ドラムカートリッジ23は、感光体ドラム27、スコロトロン型帯電器29、転写ローラ30等を備えている。現像カートリッジ24は、現像ローラ31、供給ローラ33、層厚規制ブレード32、シール部材40、現像室37およびトナーホッパー34等を備えている。
【0030】
ドラムカートリッジ23の感光体ドラム27は、現像ローラ31の側方に感光体ドラム27の回転軸が現像ローラ31の回転軸と平行に配置され、その現像ローラ31と接触する状態で矢印方向(図中時計方向)に回転可能に配設されている。この感光体ドラム27は、導電性基材の上に、正帯電の有機感光体を塗布したものであり、電荷発生材料を電荷輸送層に分散された正帯電有機感光体である。感光体ドラム27はレーザ光等の照射を受けると、光吸収によって電荷発生材料で電荷が発生され、電荷輸送層で感光体ドラム27の表面と、導電性基材とにその電荷が輸送されて、スコロトロン型帯電器29に帯電されたその表面電位をうち消すことで、照射を受けた部分の電位と、受けていない部分の電位との間に電位差を設けることができるようになっている。印刷データに基づいてレーザ光を露光走査することにより、感光体ドラム27には静電潜像が形成されるのである。尚、感光体ドラム27が、本発明における「静電潜像担持体」である。
【0031】
帯電手段としてのスコロトロン型帯電器29は、感光体ドラム27の上方に、感光体ドラム27に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。スコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの放電用のワイヤからコロナ放電を発生させるスコロトロン型の帯電器であり、帯電バイアス回路部(図示外)によりオン・オフされて感光体ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0032】
また、現像カートリッジ24がドラムカートリッジ23に装着された状態では、現像ローラ31は、感光体ドラム27の回転方向(図中時計方向)におけるスコロトロン型帯電器29の配置位置より下流に配設されており、矢印方向(図中反時計方向)に回転可能に配設されている。この現像ローラ31は、金属製のローラ軸に導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、現像バイアス回路部(図示外)から現像バイアスが印加される。尚、現像ローラ31が、本発明における「現像剤担持体」である。
【0033】
次に、供給ローラ33は、現像ローラ31の側方位置で、現像ローラ31を挟んで感光体ドラム27の反対側の位置に回転可能に配設されており、現像ローラ31に対して圧縮するような状態で当接されている。この供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されており、現像ローラ31に供給するトナーを摩擦帯電するようになっている。
【0034】
また、トナーホッパー34は、供給ローラ33の側方位置に設けられており、その内部に供給ローラ33を介して現像ローラ31に供給される現像剤を充填している。本実施の形態では、現像剤として正帯電性の非磁性1成分のトナーが使用されており、このトナーは、重合性単量体、例えばスチレンなどのスチレン系単量体やアクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーである。このような重合トナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動性を向上させるために、シリカなど外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。尚、トナーホッパー34が、本発明における「収容室」である。
【0035】
アジテータ36は、略長方形をした粗い網目状の板形状を有し、その端に、トナーホッパー34の内壁を摺擦するように構成されているフィルム部材が設けられており、その長手側の一縁端が回転軸35となっている。そして、トナーホッパー34の長手方向の両端中心位置で軸35が支持されたアジテータ36が矢印方向(図中時計方向)へ回転することによって、トナーホッパー34内のトナーが攪拌される。尚、アジテータ36が、本発明における「回転部材」である。
【0036】
層厚規制ブレード32は、現像ローラ31の軸方向に延設された細幅の金属の板ばね材からなるブレードであって、その短手方向の一端(自由端)に、長手方向に沿って設けられた絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部材を有しており、短手方向の他端(固定端)が現像ローラ31の近傍において現像カートリッジ24の内壁に固定され、押圧部材がブレード本体の弾性力によって現像ローラ31上に圧接されるように構成されている。
【0037】
また、シール部材40は、現像ローラ31と現像カートリッジ24の内壁との間の間隙よりトナーが漏出されないようにするための部材であって、現像ローラ31の軸方向に延設された細幅のプラスチックフィルムである。短手方向の一端(固定端)は、現像ローラ31を挟んで層厚規制ブレード32と対向する位置の現像カートリッジ24の内壁に固定され、その固定位置よりもトナーホッパー34側の位置において他端(自由端)が現像ローラ31の外周面に弾性接触されるようになっている。
【0038】
また、感光体ドラム27の回転方向の現像ローラ31の下流で、感光体ドラム27の下方位置には、転写ローラ30が配設されており、矢印方向(図中反時計方向)に回転可能に支持されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、転写バイアス回路部(図示外)から転写バイアスが印加されるように構成されている。転写バイアスとは、感光体ドラム27の表面上に静電付着したトナーが転写ローラ30の表面上に電気的に吸引される方向に電位差が生じるように転写ローラ30に印加するバイアスである。
【0039】
このレーザプリンタ1では、転写ローラ30によって感光体ドラム27から用紙3にトナーが転写された後に、感光体ドラム27の表面上に残存する残存トナーを現像ローラ31で回収する、いわゆるクリーナーレス現像方式を採用している。
【0040】
そして、プロセスカートリッジ17から現像カートリッジ24が取りはずされる場合には、まず、ドラムカートリッジ23と現像カートリッジ24とを固定するストッパ(図示外)が開放されてから、図中2点鎖線Aで示すように、現像ローラ31の軸を支点として、感光体ドラム27から現像ローラ31が離間する方向に現像カートリッジ24を回転しながら引き離すことによってはずされる。
【0041】
尚、現像カートリッジ24の内部はトナーホッパー34と現像室37とに仕切られており、現像カートリッジ24の現像室37には、前述したように、現像ローラ31を感光体ドラム27と接触させるため、その一部を露出させるための開口部28が、現像ローラ31の軸方向に沿って長方形状に開口されている。また、現像室37とトナーホッパー34との間には、現像ローラ31の軸方向に延び、現像ローラ31の直径よりも細幅のトナー供給口47が開口されており、このトナー供給口47によって、トナーホッパー34内のトナーが現像室37に供給される量が規制されるので、現像室37にかかるトナーの圧力が緩和される。尚、トナー供給口47が、本発明における「連通孔」である。
【0042】
次に、図3〜図5に示すように、現像カートリッジ24の長手方向の左側面(レーザプリンタ1へプロセスカートリッジ17の装着時における装着方向の左手側の側面)24aには、現像カートリッジ24内に収容される現像ローラ31の軸31a、供給ローラ33の軸33a、およびアジテータ36の軸35の軸受穴がそれぞれ貫通されており、左側面24aより現像カートリッジ24の筐体外部に露出したそれぞれの軸31a,33a,35にはそれぞれを回転中心としたギアが設けられている。そして、これらギアと、ギア同士を連結する連結ギアとによって、ギア群71が構成されている。このギア群71には駆動力入力部72に設けられたギアが噛合されており、プロセスカートリッジ17がレーザプリンタ1に装着された場合に、レーザプリンタ1からの駆動力が、駆動力入力部72を介してギア群71に伝達されることによって、現像ローラ31、供給ローラ33およびアジテータ36がそれぞれ回転駆動される。尚、ギア群71が、本発明における「ギア」である。
【0043】
また、左側面24aにおいてギア群71と干渉しない位置には、トナーホッパー34に連通するトナー注入口70が開口されている。現像カートリッジ24の製造工程において、トナーは、このトナー注入口70より充填され、充填後にポリプロピレン等の材料からなるキャップ70aによってトナー注入口70が封止されるようになっている。尚、トナー注入口70が、本発明における「充填口」である。
【0044】
そして、トナーの残量検知用の窓38a,38bは、現像カートリッジ24の左側面24aと右側面(レーザプリンタ1へプロセスカートリッジ17の装着時における装着方向の右手側の側面)24bとのそれぞれに設けられている。トナーの残量検知は、例えばLED光が、左側面24aの窓38aから現像カートリッジ24内に向けて投光され、そのLED光を右側面24bの窓38bを介してフォトセンサ(図示外)が検出できるか否かによって行われる。このため、前述したアジテータ36と軸35の軸対称の位置であって、軸35の両端の位置にはウレタンゴム等のクリーナ39(図2参照)がそれぞれ設けられており、アジテータ36の回転駆動にともないクリーナ39によって窓38a,38bがそれぞれ清掃されるようになっている。
【0045】
また、右側面24bには、左側面24aと同様に現像ローラ31の軸31a、および供給ローラ33の軸33aのための軸受穴がそれぞれ貫通されている。
【0046】
この右側面24bには、アジテータ36の軸35の軸受穴は貫通されておらず、トナーホッパー34の壁面に凹部として形成されている。図6,図7に示すように、現像カートリッジ24の筐体の右側面24bの内面側の面には、右側面24bと現像カートリッジ24の上蓋24c(図3参照)との接合部からアジテータ36の軸35が右側面24bに当接する部分である支持部25aにかけて狭窄状に凹部形成された軸案内溝25が設けられている。現像カートリッジ24の組み立て時に、アジテータ36の軸35の一方を左側面24aの軸受穴に通し、他方をこの右側面24bの軸案内溝25に沿って支持部25aの位置に配置させ、軸案内溝25に、これと嵌合するストッパ26を一体で成形した上蓋24cをはめ込んで接合することによって、ストッパ26が固定され、軸35が支持部25aの位置で回転可能に固定支持される。尚、支持部25aが、本発明における「軸受」である。
【0047】
次に、図1,図2を参照して、レーザプリンタ1の印刷時の動作について説明する。給紙カセット6の用紙押圧板7上に積層されたうちの最上位にある用紙3は、用紙押圧板7の裏側からバネ7bによって給紙ローラ8に向かって押圧されている。ホストコンピュータ(図示外)からの印刷データの受信に基づいて印刷が開始されると、用紙3は、回転する給紙ローラ8との間の摩擦力によって送られ、給紙ローラ8と分離パッド9との間に挟まれる。単葉に分離された用紙3はレジストローラ12に送られる。
【0048】
一方、スキャナユニット16では、エンジンコントローラ(図示外)で生成されたレーザ駆動信号に基づいてレーザ発光部(図示外)で発生されたレーザ光が、ポリゴンミラー19に対して出射される。ポリゴンミラー19は入射したレーザ光を主走査方向(用紙3の搬送方向と直交する方向)に走査し、fθレンズ20に対して出射する。fθレンズ20は、ポリゴンミラー19で等角速度に走査されたレーザ光を等速度走査に変換する。そして、レーザ光は、反射ミラー21aで進行方向を変化され、リレーレンズ22によって収束され、反射ミラー21bを介して感光体ドラム27の表面上で結像する。
【0049】
また、感光体ドラム27は、スコロトロン型帯電器29によって、その表面電位が、例えば約1000Vに帯電される。矢印方向(図2において時計方向)に回転する感光体ドラム27は、次に、レーザ光の照射を受ける。レーザ光は用紙3の主走査線上において、現像を行う部分は照射、行わない部分は非照射となるように出射されており、レーザ光の照射を受けた部分(明部)は、その表面電位が、例えば約100Vに下がる。そして、感光体ドラム27の回転によって、レーザ光は副走査方向(用紙3の搬送方向)にも照射され、レーザ光が照射されなかった部分(暗部)と明部とで、感光体ドラム27表面上には電気的な不可視画像、すなわち静電潜像が形成される。
【0050】
また、トナーホッパー34内のトナーは、アジテータ36の回転にともなって現像室37内に搬出され、この現像室37内の供給ローラ33の回転により、現像ローラ31に供給される。このとき、トナーは、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電され、さらに、層厚規制ブレード32によって一定厚さの薄層となるように調整されて現像ローラ31上に担持される。この現像ローラ31には、例えば約300〜400Vの正のバイアスが印加されている。現像ローラ31の回転により、現像ローラ31上に担持され、かつ正帯電されているトナーが、感光体ドラム27に対向して接触するときに、感光体ドラム27の表面上に形成されている静電潜像に転写する。すなわち、現像ローラ31の電位は、暗部の電位(+1000V)より低く、明部の電位(+100V)より高いので、トナーは電位の低い明部に対して選択的に転写する。こうして、感光体ドラム27の表面上に、トナーによる現像剤像としての可視像が形成され、現像が行われる。
【0051】
レジストローラ12は用紙3をレジストし、回転する感光体ドラム27の表面上に形成された可視像の先端と用紙3の先端とが一致するタイミングで用紙3を送り出す。そして、感光体ドラム27と転写ローラ30との間を用紙3が通過する際に、転写ローラ30の電位が明部の電位(+100V)よりさらに低くなるように、転写ローラ30には負の定電流を印加することで、感光体ドラム27の表面上に形成された可視像が用紙3上に転写される。
【0052】
そして、トナーが転写された用紙3は、定着器18に搬送される。定着器18は、トナーの載った用紙3に、加熱ローラ41による約200度の熱と加圧ローラ42による圧力とを加え、トナーを用紙3上に溶着させて永久画像を形成する。尚、加熱ローラ41と加圧ローラ42とはそれぞれダイオードを介して接地されており、加熱ローラ41の表面電位より加圧ローラ42の表面電位が低くなるように構成されている。そのため、用紙3の加熱ローラ41側に載置されている正帯電性のトナーは、用紙3を介して加圧ローラ42に電気的に吸引されるので、定着時に加熱ローラ41にトナーが引き寄せられることによる画像の乱れが防止されている。
【0053】
トナーが加圧加熱定着された用紙3は、搬送ローラ43によって定着器18はら排出され、排紙パス44上を搬送されて、排紙ローラ45によって印刷面を下向きにして排紙トレイ46に排出される。次に印刷される用紙3も同様に、先に排出された用紙3の上に印刷面を下にして排紙トレイ46に積層される。こうして、利用者は、印刷順に整列された用紙3を得ることができる。
【0054】
次に、図8を参照して、トナー充填装置60の構成について説明する。図8は、トナー充填装置60の構成を示す模式図である。図8に示すように、トナー充填装置60は、現像カートリッジ24を保持可能なホルダ64が設けられた振動台63と、現像カートリッジ24のトナー注入口70に挿入するためのノズル62が設けられたホッパー61とで構成されている。
【0055】
振動台63は、例えば100Hzの振動を発生することのできる偏心モータ式の振動発生装置であり、ホルダ64に対して垂直方向の振動を伝達する。ホッパー61は、現像カートリッジ24に供給するためのトナーを収容し、ノズル62を介して現像カートリッジ24にトナーを充填する装置である。
【0056】
次に、図3,図8を参照して、現像カートリッジ24にトナーを充填する方法について説明する。まず、現像カートリッジ24は、右側面24bが下側となるように、トナー充填装置60のホルダ64に載置される。次いで、現像カートリッジ24の上方に配置されているホッパー61が下方に移動し、トナー注入口70にノズル62が挿入される。そして、ホッパー61の内部の弁(図示外)が開放されることによって、ホッパー61の収容するトナーが、その自重で、ノズル62を介して現像カートリッジ24内に自然落下することによってトナーの充填が行われる。この場合に、振動台63の偏心モータ(図示外)が駆動されることで、ホルダ64を介して約100Hzの縦振動が現像カートリッジ24に伝達される。
【0057】
トナーホッパー34内に順次充填されるトナーは、トナー供給口47を介して現像室37内にも流入する。このとき、現像カートリッジ24は現像ローラ31の軸方向が縦向きとなるように載置されており、現像カートリッジ24の開口部28から露出されるように配置されている現像ローラ31と開口部28付近の筐体の壁面との間の隙間部分を封止する層厚規制ブレード32やシール部材40の現像カートリッジ24への固定部分が垂直方向となっているので、それぞれの自由端のしなり方向は、振動方向に直交する水平方向となる。従って、層厚規制ブレード32およびシール部材40は、振動によるしなりが起きにくくなっており、層厚規制ブレード32およびシール部材40と現像ローラ31の外周面との間には、間隙が生じにくくなっている。
【0058】
また、前述したように、層厚規制ブレード32およびシール部材40は、それぞれの固定端から自由端にかけて、現像カートリッジ24の筐体内壁から現像ローラ31に向かう方向に傾斜を有しているので、現像室37内に流入するトナーの圧力が開口部28に向かう方向に加わることで、層厚規制ブレード32およびシール部材40のそれぞれの自由端は、現像ローラ31の外周面に押しつけられる方向に圧力が加わる。これによって、充填されるトナーの現像ローラ31付近から開口部28への漏出が防止されている。
【0059】
さらに、現像カートリッジ24の載置方向の下側となる右側面24bにおいて、トナーホッパー34内のアジテータ36の軸35の支持部25aは、凹部形成されており筐体外には貫通していないので、充填されるトナーがトナーホッパー34から筐体外へ漏出することはない。また、右側面24bの現像ローラ31の軸31aや供給ローラ33の軸33aの軸受穴は現像室37内にあるので、トナーホッパー34に充填されるトナーの圧力は、トナー供給口47を介することで、現像室37には緩和されて加わる。従って、これら軸受穴からトナーが漏出されにくくなっている。
【0060】
そして、トナーホッパー34内に充填されるトナーは、この振動台63から伝達される縦振動によって個々の粒子間の間隔が狭められ、振動が伝達されない場合と比べ、より密に充填される。この場合、トナーの粒子の自重による充填密度、すなわち緩み見かけ密度(0.390g/cm3)と比べ、約1.5倍〜2倍の密度でトナーの充填を行うことができる。さらに、ギア群71がトナー充填時の上方に位置するので、現像カートリッジ24の振動時に万が一トナーが漏れた場合でも、ギア群71に塗布されているグリス等が汚損されることがないため、ギア群71を洗浄しなおす必要がなく、修理が容易となる利点がある。
【0061】
現像カートリッジ24にトナーの充填が完了すると、振動台63の振動が停止されてホッパー61が上方に移動され、ノズル62が現像カートリッジ24から抜脱される。そして、キャップ70aがトナー注入口70に嵌められることで、トナーの充填が完了する。
【0062】
以上説明したように、現像カートリッジ24へのトナーの充填方法では、左側面24aを上方にしてトナー充填装置60のホルダ64に載置された現像カートリッジ24に、振動台63から縦方向の振動を与えられて、左側面24aに設けられたトナー注入口70からトナーの充填が行われるので、充填されたトナーの密度を緩み見かけ密度より高い密度とすることができる。また、現像カートリッジ24の現像ローラ31やアジテータ36に駆動力を伝達するギア群71がこの左側面24aに設けられており、ギア群71に塗布されているグリス等の汚損を防止することができる。
【0063】
また、内部に収容されたアジテータ36の軸35の軸受が、右側面24bにおいて貫通されていないので、充填されるトナーの漏れが防止される。さらに、トナーホッパー34と現像室37との間を連通するトナー供給口47が、現像ローラ31の直径よりも細幅に開口されており、トナーホッパー34内のトナーが現像室37に供給される量が規制されるので、現像室37にかかるトナーの圧力を緩和することができる。
【0064】
尚、本発明は、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、振動台63は偏心モータ式でなくともよく、電磁式であっても超音波式であっても圧電式であってもよく、現像カートリッジ24に振動が与えられればよい。また、振動方向は縦方向でなくともよい。また、トナーの充填を行う場合に、間欠的に現像カートリッジ24に振動を与えてもよい。
【0065】
また、トナー供給口47はメッシュ状でもスリット状でもよく、現像室37にかかるトナーの圧力を規制できればよい。また、現像カートリッジ24とドラムカートリッジ23とが一体となったプロセスカートリッジ17に、前記方法でトナーを充填してもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明の現像剤の充填方法では、充填工程では、収容室に現像剤が充填され、振動工程では、充填工程中またはそれ以後に、現像カートリッジに振動が与えられる。従って、緩み見かけ密度以上の密度で多くの現像剤を充填することができるため、現像カートリッジの小型化が可能となる。
【0067】
また、請求項2に係る発明の現像剤の充填方法では、請求項1に係る発明の効果に加え、配置工程では、充填工程前に、現像剤担持体の軸方向と重力方向とが略平行となるように現像カートリッジが配置される。従って、現像カートリッジの長手方向が縦方向となるので、充填するトナーを、トナーの自重の働きによって圧縮しやすくすることができる。
【0068】
また、請求項3に係る発明の現像剤の充填方法では、請求項1に係る発明の効果に加え、配置工程では、充填工程前に、現像剤担持体の軸方向を重力方向に略一致され、開口部が筐体側面にくるように現像カートリッジが配置される。従って、充填される現像剤の重力の影響を現像剤担持体にかかりにくくすることができ、現像剤担持体と開口部との間からトナーが漏れるのを防止することができる。
【0069】
また、請求項4に係る発明の現像剤の充填方法では、請求項1乃至3のいずれかに係る発明の効果に加え、充填工程では、現像カートリッジに充填される現像剤として、略球形状をした球形トナーが充填される。従って、球形状の流動性のため、振動することにより現像剤の充填密度を高くすることができる。
【0070】
また、請求項5に係る発明の現像剤の充填方法では、請求項1乃至4のいずれかに係る発明の効果に加え、配置工程では、充填工程前に、ギアの設けられた側が上方となるように現像カートリッジが配置される。従って、充填工程または振動工程において、例え、下側から現像剤が漏れたとしても、現像剤によるギアの汚損を防止することができる。
【0071】
また、請求項6に係る発明の現像剤の充填方法では、請求項1乃至5のいずれかに係る発明の効果に加え、配置工程では、充填工程前に、回転部材の軸受の設けられた側が下方となるように現像カートリッジが配置される。従って、軸受が筐体外に貫通していないので、充填工程または振動工程において軸受からの現像剤漏れを防止することができる。
【0072】
また、請求項7に係る発明の現像剤の充填方法では、請求項1乃至6のいずれかに係る発明の効果に加え、配置工程では、充填工程前に、連通孔の長手方向と重力方向とが略平行となるように現像カートリッジが配置される。従って、現像剤担持体の直径よりも細幅の連通孔によって、収容室に充填される現像剤の圧力の影響を現像室の現像剤担持体にかかりにくくすることができ、開口部と現像剤担持体との間からのトナー漏れを防止することができる。
【0073】
また、請求項8に係る発明の現像カートリッジでは、現像剤担持体と収容室とを備えた筐体を振動して現像剤が充填されている。従って、現像剤の充填密度を高くして、多くの現像剤を収容することができる。
【0074】
また、請求項9に係る発明の現像カートリッジでは、現像剤の充填密度を緩み見かけ密度よりも高くすることで、現像カートリッジの小型化を図ることができる。
【0075】
また、請求項10に係る発明の現像カートリッジでは、請求項8または9に係る発明の効果に加え、現像剤担持体の軸方向の一端側である筐体の側面に、現像剤を充填するための充填口を設けることができる。従って、現像剤を充填する場合の現像剤担持体にかかる圧力を低減することができ、開口部と現像剤担持体との間からのトナー漏れを防止することができる。
【0076】
また、請求項11に係る発明の現像カートリッジでは、請求項10に係る発明の効果に加え、回転部材が筐体を貫通しないように、筐体の内部の壁面に回転部材の軸受を形成することができる。従って、現像剤を充填する場合の前記軸受からの現像剤漏れを防止することができる。
【0077】
また、請求項12に係る発明の現像カートリッジでは、請求項11に係る発明の効果に加え、充填口が設けられた側の筐体の側面にギアを備えているので、例え、現像剤を充填しているときに現像剤が下側から漏れたとしても、現像剤によるギアの汚損を防止することができる。
【0078】
また、請求項13に係る発明の現像カートリッジでは、請求項8乃至12のいずれかに係る発明の効果に加え、筐体内の収容室と現像室とを現像剤担持体の直径よりも細幅の連通孔で連通することができる。従って、現像剤担持体の直径よりも細幅の連通孔によって、収容室に充填される現像剤の圧力の影響を現像室の現像剤担持体にかかりにくくすることができ、開口部と現像剤担持体との間からのトナー漏れを防止することができる。
【0079】
また、請求項14に係る発明の現像カートリッジでは、請求項8乃至14のいずれかに係る発明の効果に加え、収容室には現像剤として略球形状した球形トナーが充填される。従って、球形状の流動性のため、振動することにより現像剤の充填密度を高くすることができる。
【0080】
また、請求項15に係る発明の画像形成装置では、請求項8乃至14のいずれかに記載の現像カートリッジを備えているので、収容量の増加に基づいて現像カートリッジを長期間使用することが可能となり、また、充填するための容積を減少させることで装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、レーザプリンタ1の中央断面図である。
【図2】図2は、プロセスカートリッジ17を側方より見た断面図である。
【図3】図3は、現像カートリッジ24の斜視図である。
【図4】図4は、現像カートリッジ24の左側面図である。
【図5】図5は、現像カートリッジ24の右側面図である。
【図6】図6は、アジテータ36の支持部25a付近の平面図である。
【図7】図7は、図6に示す1点鎖線B−B’における矢視方向から見たアジテータ36の支持部25a付近の部分断面図である。
【図8】図8は、トナー充填装置60の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ
24 現像カートリッジ
25a 支持部
27 感光体ドラム
28 開口部
31 現像ローラ
34 トナーホッパー
36 アジテータ
37 現像室
47 トナー供給口
70 トナー注入口
71 ギア群
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはそれらの複合機などの画像形成装置に使用される現像カートリッジへの現像剤の充填方法、現像カートリッジおよびそれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ式のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはそれらの複合機などの画像形成装置では、現像剤が収容された着脱可能な現像カートリッジが利用されている。この現像カートリッジは、現像剤を収容するためのトナーホッパーと、画像形成装置の感光体ドラムに現像剤を供給するための現像ローラとが一体となって収容されている。現像カートリッジが画像形成装置に装着された場合、画像形成装置から駆動力が伝達されて回転する現像ローラの表面に現像剤が静電吸着されて薄層を形成し、感光体ドラムに現像剤が供給される。
【0003】
この現像剤としては、粉砕トナー、重合トナーなどの粉体が使用され、これら粉体の粒子径は数〜十数μm程度の大きさである。そして、現像剤を現像カートリッジに充填する場合には、現像カートリッジの現像ローラと現像カートリッジの筐体との間の間隙より現像剤が漏れないように注意しながら、現像剤の重力を利用して、現像剤充填機のホッパーより現像剤を落下させ、充填を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法で現像剤の充填を行った場合、現像カートリッジには緩み見かけ密度、すなわち現像剤の自重による圧縮密度以上の密度で現像剤の充填を行うことができず、現像剤の重量に比べて現像カートリッジの容積が大きくなってしまうという問題があった。これにより、現像カートリッジの筐体の小型化はもとより、画像形成装置の小型化を図る場合の弊害となっていた。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、現像カートリッジの筐体の小型化を図ることができる現像カートリッジへの現像剤の充填方法、現像カートリッジおよびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明の現像剤の充填方法は、現像剤を収容する収容室と、当該収容室に収容された現像剤を静電潜像が形成される静電潜像担持体に供給するための現像剤担持体とを備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、前記収容室に現像剤を充填する充填工程と、当該充填工程中またはそれ以後に、前記現像カートリッジに振動を与える振動工程とを有している。
【0007】
また、請求項2に係る発明の現像剤の充填方法は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記収容室が、前記現像剤担持体の軸方向に沿って延設された筒形状を有する現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、前記充填工程前に、前記現像剤担持体の軸方向と重力方向とが略平行となるように前記現像カートリッジを配置させる配置工程を有している。
【0008】
また、請求項3に係る発明の現像剤の充填方法は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記現像剤担持体を筐体の外部に露出させるため、前記現像剤担持体の軸方向に沿って筐体外壁に開口された開口部を備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、前記充填工程前に、前記現像剤担持体の軸方向を重力方向に略一致させ、前記開口部が筐体側面にくるように前記現像カートリッジを配置させる配置工程を有している。
【0009】
また、請求項4に係る発明の現像剤の充填方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記充填工程では、前記現像カートリッジに充填される現像剤として、略球形状をした球形トナーが充填されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明の現像剤の充填方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記現像カートリッジの前記現像剤担持体の軸方向の一端側に、前記現像剤担持体を回転駆動するため、筐体外部から付加される駆動力を伝達するギアを備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、
前記充填工程前に、前記ギアの設けられた側が上方となるように前記現像カートリッジが配置される配置工程を有している。
【0011】
また、請求項6に係る発明の現像剤の充填方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、筐体の内部に、駆動力が伝達されて回転駆動される回転部材と、筐体の内部の壁面に前記回転部材が前記筐体を貫通しないように形成された前記回転部材の軸受とを備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、前記充填工程前に、前記回転部材の軸受の設けられた側が下方となるように前記現像カートリッジが配置される配置工程を有している。
【0012】
また、請求項7に係る発明の現像剤の充填方法は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記現像剤担持体を収容する現像室と、当該現像室と前記収容室との間の壁面に、前記現像剤担持体の軸方向に沿って開口された、前記現像剤担持体の直径よりも細幅の連通孔とを備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、前記充填工程前に、前記連通孔の長手方向と重力方向とが略平行となるように前記現像カートリッジを配置させる配置工程を有している。
【0013】
また、請求項8に係る発明の現像カートリッジは、現像剤を静電潜像が形成される静電潜像担持体に供給するための現像剤担持体と、筐体に振動が与えられて現像剤が充填された収容室とを備えている。
【0014】
また、請求項9に係る発明の現像カートリッジは、現像剤を静電潜像が形成される静電潜像担持体に供給するための現像剤担持体と、前記現像剤の密度が緩み見かけ密度よりも高い密度で充填された収容室とを備えている。
【0015】
また、請求項10に係る発明の現像カートリッジは、請求項8または9に記載の発明の構成に加え、前記現像剤担持体の軸方向の一端側である前記筐体の側面に、現像剤を充填するための充填口が設けられたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項11に係る発明の現像カートリッジは、請求項10に記載の発明の構成に加え、筐体の内部には、駆動力が伝達されて回転駆動する回転部材が設けられ、当該回転部材の軸受は、前記トナー充填口と反対側における筐体の内部の壁面に前記回転部材が前記筐体を貫通しないように形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項12に係る発明の現像カートリッジは、請求項11に記載の発明の構成に加え、前記充填口が設けられた側の前記筐体の側面に、前記現像剤担持体を回転駆動するため、筐体外部から付加される駆動力を伝達するギアを備えている。
【0018】
また、請求項13に係る発明の現像カートリッジは、請求項8乃至12のいずれかに記載の発明の構成に加え、筐体内に、前記現像剤担持体を収容する現像室を備え、当該現像室と前記収容室とは、前記現像剤担持体の軸方向に沿って開口された、前記現像剤担持体の直径よりも細幅の連通孔によって連通されていることを特徴とする。
【0019】
また、請求項14に係る発明の現像カートリッジは、請求項8乃至13のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記収容室には略球形状した球形トナーが充填されることを特徴とする。
【0020】
また、請求項15に係る発明の画像形成装置は、請求項8乃至14のいずれかに記載の現像カートリッジを備えている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した現像剤の充填方法、現像カートリッジおよびそれを備えた画像形成装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図7を参照して、本発明が用いられる現像カートリッジおよび画像形成装置の一例である現像カートリッジ24およびレーザプリンタ1の構成について説明する。図1は、レーザプリンタ1の中央断面図である。図2は、プロセスカートリッジ17を側方より見た断面図である。図3は、現像カートリッジ24の斜視図である。図4は、現像カートリッジ24の左側面図である。図5は、現像カートリッジ24の右側面図である。図6は、アジテータ36の支持部25a付近の平面図である。図7は、図6に示す1点鎖線B−B’における矢視方向から見たアジテータ36の支持部25a付近の部分断面図である。
【0022】
図1に示すように、レーザプリンタ1は、断面視、本体ケース2内に、被記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に印刷するための画像形成部を構成するスキャナユニット16、プロセスカートリッジ17および定着器18等を備えている。尚、レーザプリンタ1において、図中右手方向が前面となる。
【0023】
排紙トレイ46は、本体ケース2の上部中央より前側にかけての位置に、印刷された用紙3を積層保持できるように、本体ケース2の前側ほど傾斜が小さくなるように凹部形成されている。また、本体ケース2の前面の上寄り部位には、プロセスカートリッジ17の挿入のための一部開放状の空間があり、プロセスカートリッジ17は、本体ケース2の右端(前面側)のカバー54を下向きに回動させて大きく開いた状態で着脱される。
【0024】
本体ケース2内の後部(図中左手側)には、本体ケース2内の下部後端側に設けられた定着器18から排出された用紙3が上部に設けられた排紙トレイ46に導かれるように、本体ケース2の背面に沿って上下方向に半弧を描くように排紙パス44が設けられ、この排紙パス44に、用紙3の搬送を行う排紙ローラ45が設けられている。
【0025】
フィーダ部4は、本体ケース2内の底部に設けられた給紙ローラ8と、レーザプリンタ1の前面より前後方向に着脱可能に装着される給紙カセット6と、給紙カセット6内に設けられ、用紙3を積層保持して用紙3を給紙ローラ8に圧接する用紙押圧板7と、給紙カセット6の一端側端部の上方に設けられ、給紙ローラ8に向かって押圧され、給紙時に給紙ローラ8と協働して用紙3を一枚毎に分離する分離パッド9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられ、印刷の際の用紙3の送り出しのタイミングを調整するレジストローラ12とを備えている。
【0026】
用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタックすることができ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部に設けられた支軸7aが給紙カセット6の底面に支持されることによって、この支軸7aを回動中心として、近い方の端部が上下方向に移動可能とされており、また、その裏側からバネ7bによって給紙ローラ8の方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるにともない、支軸7aを支点として、バネ7bの付勢力に抗して下向きに揺動される。そして、給紙ローラ8および分離パッド9は互いに対向するように配設され、分離パッド9の裏側に配設されるバネ13によって、分離パッド9が給紙ローラ8に向かって押圧されている。
【0027】
画像形成部のスキャナユニット16は、本体ケース2内において排紙トレイ46の直下に配置され、レーザ光を出射するレーザ発光部(図示外)、レーザ発光部より出射されたレーザ光を回転駆動して主走査方向に走査するポリゴンミラー19、ポリゴンミラー19に走査されたレーザ光の走査速度を一定にするfθレンズ20、走査されたレーザ光を反射する反射ミラー21a,21b、反射ミラー21aで反射されたレーザ光を反射ミラー21bを介して感光体ドラム27上で結像するために焦点位置を調整するリレーレンズ22等で構成されている。スキャナユニット16は、印刷データに基づいてレーザ発光部から出射されるレーザ光を、ポリゴンミラー19、fθレンズ20、反射ミラー21a、リレーレンズ22、反射ミラー21bの順に通過あるいは反射させて、プロセスカートリッジ17の感光体ドラム27の表面上に露光走査するものである。
【0028】
画像形成部の定着器18は、プロセスカートリッジ17の側方下流側に配設され、加熱ローラ41、この加熱ローラ41を押圧する加圧ローラ42、およびこれら加熱ローラ41および加圧ローラ42の下流側に設けられる一対の搬送ローラ43を備えている。加熱ローラ41は、金属製で、筒状のローラの内部に加熱のためのハロゲンランプ41aを備えており、プロセスカートリッジ17において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する間に加圧加熱定着させ、その後、その用紙3を搬送ローラ43によって、排紙パス44に搬送するようにしている。
【0029】
次に、図2に示すように、画像形成部のプロセスカートリッジ17は、ドラムカートリッジ23と、ドラムカートリッジ23に着脱可能な現像カートリッジ24とから構成されている。ドラムカートリッジ23は、感光体ドラム27、スコロトロン型帯電器29、転写ローラ30等を備えている。現像カートリッジ24は、現像ローラ31、供給ローラ33、層厚規制ブレード32、シール部材40、現像室37およびトナーホッパー34等を備えている。
【0030】
ドラムカートリッジ23の感光体ドラム27は、現像ローラ31の側方に感光体ドラム27の回転軸が現像ローラ31の回転軸と平行に配置され、その現像ローラ31と接触する状態で矢印方向(図中時計方向)に回転可能に配設されている。この感光体ドラム27は、導電性基材の上に、正帯電の有機感光体を塗布したものであり、電荷発生材料を電荷輸送層に分散された正帯電有機感光体である。感光体ドラム27はレーザ光等の照射を受けると、光吸収によって電荷発生材料で電荷が発生され、電荷輸送層で感光体ドラム27の表面と、導電性基材とにその電荷が輸送されて、スコロトロン型帯電器29に帯電されたその表面電位をうち消すことで、照射を受けた部分の電位と、受けていない部分の電位との間に電位差を設けることができるようになっている。印刷データに基づいてレーザ光を露光走査することにより、感光体ドラム27には静電潜像が形成されるのである。尚、感光体ドラム27が、本発明における「静電潜像担持体」である。
【0031】
帯電手段としてのスコロトロン型帯電器29は、感光体ドラム27の上方に、感光体ドラム27に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。スコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの放電用のワイヤからコロナ放電を発生させるスコロトロン型の帯電器であり、帯電バイアス回路部(図示外)によりオン・オフされて感光体ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0032】
また、現像カートリッジ24がドラムカートリッジ23に装着された状態では、現像ローラ31は、感光体ドラム27の回転方向(図中時計方向)におけるスコロトロン型帯電器29の配置位置より下流に配設されており、矢印方向(図中反時計方向)に回転可能に配設されている。この現像ローラ31は、金属製のローラ軸に導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、現像バイアス回路部(図示外)から現像バイアスが印加される。尚、現像ローラ31が、本発明における「現像剤担持体」である。
【0033】
次に、供給ローラ33は、現像ローラ31の側方位置で、現像ローラ31を挟んで感光体ドラム27の反対側の位置に回転可能に配設されており、現像ローラ31に対して圧縮するような状態で当接されている。この供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されており、現像ローラ31に供給するトナーを摩擦帯電するようになっている。
【0034】
また、トナーホッパー34は、供給ローラ33の側方位置に設けられており、その内部に供給ローラ33を介して現像ローラ31に供給される現像剤を充填している。本実施の形態では、現像剤として正帯電性の非磁性1成分のトナーが使用されており、このトナーは、重合性単量体、例えばスチレンなどのスチレン系単量体やアクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーである。このような重合トナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動性を向上させるために、シリカなど外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。尚、トナーホッパー34が、本発明における「収容室」である。
【0035】
アジテータ36は、略長方形をした粗い網目状の板形状を有し、その端に、トナーホッパー34の内壁を摺擦するように構成されているフィルム部材が設けられており、その長手側の一縁端が回転軸35となっている。そして、トナーホッパー34の長手方向の両端中心位置で軸35が支持されたアジテータ36が矢印方向(図中時計方向)へ回転することによって、トナーホッパー34内のトナーが攪拌される。尚、アジテータ36が、本発明における「回転部材」である。
【0036】
層厚規制ブレード32は、現像ローラ31の軸方向に延設された細幅の金属の板ばね材からなるブレードであって、その短手方向の一端(自由端)に、長手方向に沿って設けられた絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部材を有しており、短手方向の他端(固定端)が現像ローラ31の近傍において現像カートリッジ24の内壁に固定され、押圧部材がブレード本体の弾性力によって現像ローラ31上に圧接されるように構成されている。
【0037】
また、シール部材40は、現像ローラ31と現像カートリッジ24の内壁との間の間隙よりトナーが漏出されないようにするための部材であって、現像ローラ31の軸方向に延設された細幅のプラスチックフィルムである。短手方向の一端(固定端)は、現像ローラ31を挟んで層厚規制ブレード32と対向する位置の現像カートリッジ24の内壁に固定され、その固定位置よりもトナーホッパー34側の位置において他端(自由端)が現像ローラ31の外周面に弾性接触されるようになっている。
【0038】
また、感光体ドラム27の回転方向の現像ローラ31の下流で、感光体ドラム27の下方位置には、転写ローラ30が配設されており、矢印方向(図中反時計方向)に回転可能に支持されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、転写バイアス回路部(図示外)から転写バイアスが印加されるように構成されている。転写バイアスとは、感光体ドラム27の表面上に静電付着したトナーが転写ローラ30の表面上に電気的に吸引される方向に電位差が生じるように転写ローラ30に印加するバイアスである。
【0039】
このレーザプリンタ1では、転写ローラ30によって感光体ドラム27から用紙3にトナーが転写された後に、感光体ドラム27の表面上に残存する残存トナーを現像ローラ31で回収する、いわゆるクリーナーレス現像方式を採用している。
【0040】
そして、プロセスカートリッジ17から現像カートリッジ24が取りはずされる場合には、まず、ドラムカートリッジ23と現像カートリッジ24とを固定するストッパ(図示外)が開放されてから、図中2点鎖線Aで示すように、現像ローラ31の軸を支点として、感光体ドラム27から現像ローラ31が離間する方向に現像カートリッジ24を回転しながら引き離すことによってはずされる。
【0041】
尚、現像カートリッジ24の内部はトナーホッパー34と現像室37とに仕切られており、現像カートリッジ24の現像室37には、前述したように、現像ローラ31を感光体ドラム27と接触させるため、その一部を露出させるための開口部28が、現像ローラ31の軸方向に沿って長方形状に開口されている。また、現像室37とトナーホッパー34との間には、現像ローラ31の軸方向に延び、現像ローラ31の直径よりも細幅のトナー供給口47が開口されており、このトナー供給口47によって、トナーホッパー34内のトナーが現像室37に供給される量が規制されるので、現像室37にかかるトナーの圧力が緩和される。尚、トナー供給口47が、本発明における「連通孔」である。
【0042】
次に、図3〜図5に示すように、現像カートリッジ24の長手方向の左側面(レーザプリンタ1へプロセスカートリッジ17の装着時における装着方向の左手側の側面)24aには、現像カートリッジ24内に収容される現像ローラ31の軸31a、供給ローラ33の軸33a、およびアジテータ36の軸35の軸受穴がそれぞれ貫通されており、左側面24aより現像カートリッジ24の筐体外部に露出したそれぞれの軸31a,33a,35にはそれぞれを回転中心としたギアが設けられている。そして、これらギアと、ギア同士を連結する連結ギアとによって、ギア群71が構成されている。このギア群71には駆動力入力部72に設けられたギアが噛合されており、プロセスカートリッジ17がレーザプリンタ1に装着された場合に、レーザプリンタ1からの駆動力が、駆動力入力部72を介してギア群71に伝達されることによって、現像ローラ31、供給ローラ33およびアジテータ36がそれぞれ回転駆動される。尚、ギア群71が、本発明における「ギア」である。
【0043】
また、左側面24aにおいてギア群71と干渉しない位置には、トナーホッパー34に連通するトナー注入口70が開口されている。現像カートリッジ24の製造工程において、トナーは、このトナー注入口70より充填され、充填後にポリプロピレン等の材料からなるキャップ70aによってトナー注入口70が封止されるようになっている。尚、トナー注入口70が、本発明における「充填口」である。
【0044】
そして、トナーの残量検知用の窓38a,38bは、現像カートリッジ24の左側面24aと右側面(レーザプリンタ1へプロセスカートリッジ17の装着時における装着方向の右手側の側面)24bとのそれぞれに設けられている。トナーの残量検知は、例えばLED光が、左側面24aの窓38aから現像カートリッジ24内に向けて投光され、そのLED光を右側面24bの窓38bを介してフォトセンサ(図示外)が検出できるか否かによって行われる。このため、前述したアジテータ36と軸35の軸対称の位置であって、軸35の両端の位置にはウレタンゴム等のクリーナ39(図2参照)がそれぞれ設けられており、アジテータ36の回転駆動にともないクリーナ39によって窓38a,38bがそれぞれ清掃されるようになっている。
【0045】
また、右側面24bには、左側面24aと同様に現像ローラ31の軸31a、および供給ローラ33の軸33aのための軸受穴がそれぞれ貫通されている。
【0046】
この右側面24bには、アジテータ36の軸35の軸受穴は貫通されておらず、トナーホッパー34の壁面に凹部として形成されている。図6,図7に示すように、現像カートリッジ24の筐体の右側面24bの内面側の面には、右側面24bと現像カートリッジ24の上蓋24c(図3参照)との接合部からアジテータ36の軸35が右側面24bに当接する部分である支持部25aにかけて狭窄状に凹部形成された軸案内溝25が設けられている。現像カートリッジ24の組み立て時に、アジテータ36の軸35の一方を左側面24aの軸受穴に通し、他方をこの右側面24bの軸案内溝25に沿って支持部25aの位置に配置させ、軸案内溝25に、これと嵌合するストッパ26を一体で成形した上蓋24cをはめ込んで接合することによって、ストッパ26が固定され、軸35が支持部25aの位置で回転可能に固定支持される。尚、支持部25aが、本発明における「軸受」である。
【0047】
次に、図1,図2を参照して、レーザプリンタ1の印刷時の動作について説明する。給紙カセット6の用紙押圧板7上に積層されたうちの最上位にある用紙3は、用紙押圧板7の裏側からバネ7bによって給紙ローラ8に向かって押圧されている。ホストコンピュータ(図示外)からの印刷データの受信に基づいて印刷が開始されると、用紙3は、回転する給紙ローラ8との間の摩擦力によって送られ、給紙ローラ8と分離パッド9との間に挟まれる。単葉に分離された用紙3はレジストローラ12に送られる。
【0048】
一方、スキャナユニット16では、エンジンコントローラ(図示外)で生成されたレーザ駆動信号に基づいてレーザ発光部(図示外)で発生されたレーザ光が、ポリゴンミラー19に対して出射される。ポリゴンミラー19は入射したレーザ光を主走査方向(用紙3の搬送方向と直交する方向)に走査し、fθレンズ20に対して出射する。fθレンズ20は、ポリゴンミラー19で等角速度に走査されたレーザ光を等速度走査に変換する。そして、レーザ光は、反射ミラー21aで進行方向を変化され、リレーレンズ22によって収束され、反射ミラー21bを介して感光体ドラム27の表面上で結像する。
【0049】
また、感光体ドラム27は、スコロトロン型帯電器29によって、その表面電位が、例えば約1000Vに帯電される。矢印方向(図2において時計方向)に回転する感光体ドラム27は、次に、レーザ光の照射を受ける。レーザ光は用紙3の主走査線上において、現像を行う部分は照射、行わない部分は非照射となるように出射されており、レーザ光の照射を受けた部分(明部)は、その表面電位が、例えば約100Vに下がる。そして、感光体ドラム27の回転によって、レーザ光は副走査方向(用紙3の搬送方向)にも照射され、レーザ光が照射されなかった部分(暗部)と明部とで、感光体ドラム27表面上には電気的な不可視画像、すなわち静電潜像が形成される。
【0050】
また、トナーホッパー34内のトナーは、アジテータ36の回転にともなって現像室37内に搬出され、この現像室37内の供給ローラ33の回転により、現像ローラ31に供給される。このとき、トナーは、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電され、さらに、層厚規制ブレード32によって一定厚さの薄層となるように調整されて現像ローラ31上に担持される。この現像ローラ31には、例えば約300〜400Vの正のバイアスが印加されている。現像ローラ31の回転により、現像ローラ31上に担持され、かつ正帯電されているトナーが、感光体ドラム27に対向して接触するときに、感光体ドラム27の表面上に形成されている静電潜像に転写する。すなわち、現像ローラ31の電位は、暗部の電位(+1000V)より低く、明部の電位(+100V)より高いので、トナーは電位の低い明部に対して選択的に転写する。こうして、感光体ドラム27の表面上に、トナーによる現像剤像としての可視像が形成され、現像が行われる。
【0051】
レジストローラ12は用紙3をレジストし、回転する感光体ドラム27の表面上に形成された可視像の先端と用紙3の先端とが一致するタイミングで用紙3を送り出す。そして、感光体ドラム27と転写ローラ30との間を用紙3が通過する際に、転写ローラ30の電位が明部の電位(+100V)よりさらに低くなるように、転写ローラ30には負の定電流を印加することで、感光体ドラム27の表面上に形成された可視像が用紙3上に転写される。
【0052】
そして、トナーが転写された用紙3は、定着器18に搬送される。定着器18は、トナーの載った用紙3に、加熱ローラ41による約200度の熱と加圧ローラ42による圧力とを加え、トナーを用紙3上に溶着させて永久画像を形成する。尚、加熱ローラ41と加圧ローラ42とはそれぞれダイオードを介して接地されており、加熱ローラ41の表面電位より加圧ローラ42の表面電位が低くなるように構成されている。そのため、用紙3の加熱ローラ41側に載置されている正帯電性のトナーは、用紙3を介して加圧ローラ42に電気的に吸引されるので、定着時に加熱ローラ41にトナーが引き寄せられることによる画像の乱れが防止されている。
【0053】
トナーが加圧加熱定着された用紙3は、搬送ローラ43によって定着器18はら排出され、排紙パス44上を搬送されて、排紙ローラ45によって印刷面を下向きにして排紙トレイ46に排出される。次に印刷される用紙3も同様に、先に排出された用紙3の上に印刷面を下にして排紙トレイ46に積層される。こうして、利用者は、印刷順に整列された用紙3を得ることができる。
【0054】
次に、図8を参照して、トナー充填装置60の構成について説明する。図8は、トナー充填装置60の構成を示す模式図である。図8に示すように、トナー充填装置60は、現像カートリッジ24を保持可能なホルダ64が設けられた振動台63と、現像カートリッジ24のトナー注入口70に挿入するためのノズル62が設けられたホッパー61とで構成されている。
【0055】
振動台63は、例えば100Hzの振動を発生することのできる偏心モータ式の振動発生装置であり、ホルダ64に対して垂直方向の振動を伝達する。ホッパー61は、現像カートリッジ24に供給するためのトナーを収容し、ノズル62を介して現像カートリッジ24にトナーを充填する装置である。
【0056】
次に、図3,図8を参照して、現像カートリッジ24にトナーを充填する方法について説明する。まず、現像カートリッジ24は、右側面24bが下側となるように、トナー充填装置60のホルダ64に載置される。次いで、現像カートリッジ24の上方に配置されているホッパー61が下方に移動し、トナー注入口70にノズル62が挿入される。そして、ホッパー61の内部の弁(図示外)が開放されることによって、ホッパー61の収容するトナーが、その自重で、ノズル62を介して現像カートリッジ24内に自然落下することによってトナーの充填が行われる。この場合に、振動台63の偏心モータ(図示外)が駆動されることで、ホルダ64を介して約100Hzの縦振動が現像カートリッジ24に伝達される。
【0057】
トナーホッパー34内に順次充填されるトナーは、トナー供給口47を介して現像室37内にも流入する。このとき、現像カートリッジ24は現像ローラ31の軸方向が縦向きとなるように載置されており、現像カートリッジ24の開口部28から露出されるように配置されている現像ローラ31と開口部28付近の筐体の壁面との間の隙間部分を封止する層厚規制ブレード32やシール部材40の現像カートリッジ24への固定部分が垂直方向となっているので、それぞれの自由端のしなり方向は、振動方向に直交する水平方向となる。従って、層厚規制ブレード32およびシール部材40は、振動によるしなりが起きにくくなっており、層厚規制ブレード32およびシール部材40と現像ローラ31の外周面との間には、間隙が生じにくくなっている。
【0058】
また、前述したように、層厚規制ブレード32およびシール部材40は、それぞれの固定端から自由端にかけて、現像カートリッジ24の筐体内壁から現像ローラ31に向かう方向に傾斜を有しているので、現像室37内に流入するトナーの圧力が開口部28に向かう方向に加わることで、層厚規制ブレード32およびシール部材40のそれぞれの自由端は、現像ローラ31の外周面に押しつけられる方向に圧力が加わる。これによって、充填されるトナーの現像ローラ31付近から開口部28への漏出が防止されている。
【0059】
さらに、現像カートリッジ24の載置方向の下側となる右側面24bにおいて、トナーホッパー34内のアジテータ36の軸35の支持部25aは、凹部形成されており筐体外には貫通していないので、充填されるトナーがトナーホッパー34から筐体外へ漏出することはない。また、右側面24bの現像ローラ31の軸31aや供給ローラ33の軸33aの軸受穴は現像室37内にあるので、トナーホッパー34に充填されるトナーの圧力は、トナー供給口47を介することで、現像室37には緩和されて加わる。従って、これら軸受穴からトナーが漏出されにくくなっている。
【0060】
そして、トナーホッパー34内に充填されるトナーは、この振動台63から伝達される縦振動によって個々の粒子間の間隔が狭められ、振動が伝達されない場合と比べ、より密に充填される。この場合、トナーの粒子の自重による充填密度、すなわち緩み見かけ密度(0.390g/cm3)と比べ、約1.5倍〜2倍の密度でトナーの充填を行うことができる。さらに、ギア群71がトナー充填時の上方に位置するので、現像カートリッジ24の振動時に万が一トナーが漏れた場合でも、ギア群71に塗布されているグリス等が汚損されることがないため、ギア群71を洗浄しなおす必要がなく、修理が容易となる利点がある。
【0061】
現像カートリッジ24にトナーの充填が完了すると、振動台63の振動が停止されてホッパー61が上方に移動され、ノズル62が現像カートリッジ24から抜脱される。そして、キャップ70aがトナー注入口70に嵌められることで、トナーの充填が完了する。
【0062】
以上説明したように、現像カートリッジ24へのトナーの充填方法では、左側面24aを上方にしてトナー充填装置60のホルダ64に載置された現像カートリッジ24に、振動台63から縦方向の振動を与えられて、左側面24aに設けられたトナー注入口70からトナーの充填が行われるので、充填されたトナーの密度を緩み見かけ密度より高い密度とすることができる。また、現像カートリッジ24の現像ローラ31やアジテータ36に駆動力を伝達するギア群71がこの左側面24aに設けられており、ギア群71に塗布されているグリス等の汚損を防止することができる。
【0063】
また、内部に収容されたアジテータ36の軸35の軸受が、右側面24bにおいて貫通されていないので、充填されるトナーの漏れが防止される。さらに、トナーホッパー34と現像室37との間を連通するトナー供給口47が、現像ローラ31の直径よりも細幅に開口されており、トナーホッパー34内のトナーが現像室37に供給される量が規制されるので、現像室37にかかるトナーの圧力を緩和することができる。
【0064】
尚、本発明は、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、振動台63は偏心モータ式でなくともよく、電磁式であっても超音波式であっても圧電式であってもよく、現像カートリッジ24に振動が与えられればよい。また、振動方向は縦方向でなくともよい。また、トナーの充填を行う場合に、間欠的に現像カートリッジ24に振動を与えてもよい。
【0065】
また、トナー供給口47はメッシュ状でもスリット状でもよく、現像室37にかかるトナーの圧力を規制できればよい。また、現像カートリッジ24とドラムカートリッジ23とが一体となったプロセスカートリッジ17に、前記方法でトナーを充填してもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明の現像剤の充填方法では、充填工程では、収容室に現像剤が充填され、振動工程では、充填工程中またはそれ以後に、現像カートリッジに振動が与えられる。従って、緩み見かけ密度以上の密度で多くの現像剤を充填することができるため、現像カートリッジの小型化が可能となる。
【0067】
また、請求項2に係る発明の現像剤の充填方法では、請求項1に係る発明の効果に加え、配置工程では、充填工程前に、現像剤担持体の軸方向と重力方向とが略平行となるように現像カートリッジが配置される。従って、現像カートリッジの長手方向が縦方向となるので、充填するトナーを、トナーの自重の働きによって圧縮しやすくすることができる。
【0068】
また、請求項3に係る発明の現像剤の充填方法では、請求項1に係る発明の効果に加え、配置工程では、充填工程前に、現像剤担持体の軸方向を重力方向に略一致され、開口部が筐体側面にくるように現像カートリッジが配置される。従って、充填される現像剤の重力の影響を現像剤担持体にかかりにくくすることができ、現像剤担持体と開口部との間からトナーが漏れるのを防止することができる。
【0069】
また、請求項4に係る発明の現像剤の充填方法では、請求項1乃至3のいずれかに係る発明の効果に加え、充填工程では、現像カートリッジに充填される現像剤として、略球形状をした球形トナーが充填される。従って、球形状の流動性のため、振動することにより現像剤の充填密度を高くすることができる。
【0070】
また、請求項5に係る発明の現像剤の充填方法では、請求項1乃至4のいずれかに係る発明の効果に加え、配置工程では、充填工程前に、ギアの設けられた側が上方となるように現像カートリッジが配置される。従って、充填工程または振動工程において、例え、下側から現像剤が漏れたとしても、現像剤によるギアの汚損を防止することができる。
【0071】
また、請求項6に係る発明の現像剤の充填方法では、請求項1乃至5のいずれかに係る発明の効果に加え、配置工程では、充填工程前に、回転部材の軸受の設けられた側が下方となるように現像カートリッジが配置される。従って、軸受が筐体外に貫通していないので、充填工程または振動工程において軸受からの現像剤漏れを防止することができる。
【0072】
また、請求項7に係る発明の現像剤の充填方法では、請求項1乃至6のいずれかに係る発明の効果に加え、配置工程では、充填工程前に、連通孔の長手方向と重力方向とが略平行となるように現像カートリッジが配置される。従って、現像剤担持体の直径よりも細幅の連通孔によって、収容室に充填される現像剤の圧力の影響を現像室の現像剤担持体にかかりにくくすることができ、開口部と現像剤担持体との間からのトナー漏れを防止することができる。
【0073】
また、請求項8に係る発明の現像カートリッジでは、現像剤担持体と収容室とを備えた筐体を振動して現像剤が充填されている。従って、現像剤の充填密度を高くして、多くの現像剤を収容することができる。
【0074】
また、請求項9に係る発明の現像カートリッジでは、現像剤の充填密度を緩み見かけ密度よりも高くすることで、現像カートリッジの小型化を図ることができる。
【0075】
また、請求項10に係る発明の現像カートリッジでは、請求項8または9に係る発明の効果に加え、現像剤担持体の軸方向の一端側である筐体の側面に、現像剤を充填するための充填口を設けることができる。従って、現像剤を充填する場合の現像剤担持体にかかる圧力を低減することができ、開口部と現像剤担持体との間からのトナー漏れを防止することができる。
【0076】
また、請求項11に係る発明の現像カートリッジでは、請求項10に係る発明の効果に加え、回転部材が筐体を貫通しないように、筐体の内部の壁面に回転部材の軸受を形成することができる。従って、現像剤を充填する場合の前記軸受からの現像剤漏れを防止することができる。
【0077】
また、請求項12に係る発明の現像カートリッジでは、請求項11に係る発明の効果に加え、充填口が設けられた側の筐体の側面にギアを備えているので、例え、現像剤を充填しているときに現像剤が下側から漏れたとしても、現像剤によるギアの汚損を防止することができる。
【0078】
また、請求項13に係る発明の現像カートリッジでは、請求項8乃至12のいずれかに係る発明の効果に加え、筐体内の収容室と現像室とを現像剤担持体の直径よりも細幅の連通孔で連通することができる。従って、現像剤担持体の直径よりも細幅の連通孔によって、収容室に充填される現像剤の圧力の影響を現像室の現像剤担持体にかかりにくくすることができ、開口部と現像剤担持体との間からのトナー漏れを防止することができる。
【0079】
また、請求項14に係る発明の現像カートリッジでは、請求項8乃至14のいずれかに係る発明の効果に加え、収容室には現像剤として略球形状した球形トナーが充填される。従って、球形状の流動性のため、振動することにより現像剤の充填密度を高くすることができる。
【0080】
また、請求項15に係る発明の画像形成装置では、請求項8乃至14のいずれかに記載の現像カートリッジを備えているので、収容量の増加に基づいて現像カートリッジを長期間使用することが可能となり、また、充填するための容積を減少させることで装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、レーザプリンタ1の中央断面図である。
【図2】図2は、プロセスカートリッジ17を側方より見た断面図である。
【図3】図3は、現像カートリッジ24の斜視図である。
【図4】図4は、現像カートリッジ24の左側面図である。
【図5】図5は、現像カートリッジ24の右側面図である。
【図6】図6は、アジテータ36の支持部25a付近の平面図である。
【図7】図7は、図6に示す1点鎖線B−B’における矢視方向から見たアジテータ36の支持部25a付近の部分断面図である。
【図8】図8は、トナー充填装置60の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ
24 現像カートリッジ
25a 支持部
27 感光体ドラム
28 開口部
31 現像ローラ
34 トナーホッパー
36 アジテータ
37 現像室
47 トナー供給口
70 トナー注入口
71 ギア群
Claims (15)
- 現像剤を収容する収容室と、当該収容室に収容された現像剤を静電潜像が形成される静電潜像担持体に供給するための現像剤担持体とを備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、
前記収容室に現像剤を充填する充填工程と、
当該充填工程中またはそれ以後に、前記現像カートリッジに振動を与える振動工程と
を有することを特徴とする現像剤の充填方法。 - 前記収容室が、前記現像剤担持体の軸方向に沿って延設された筒形状を有する現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、
前記充填工程前に、前記現像剤担持体の軸方向と重力方向とが略平行となるように前記現像カートリッジを配置させる配置工程を有することを特徴とする請求項1に記載の現像剤の充填方法。 - 前記現像剤担持体を筐体の外部に露出させるため、前記現像剤担持体の軸方向に沿って筐体外壁に開口された開口部を備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、
前記充填工程前に、前記現像剤担持体の軸方向を重力方向に略一致させ、前記開口部が筐体側面にくるように前記現像カートリッジを配置させる配置工程を有することを特徴とする請求項1に記載の現像剤の充填方法。 - 前記充填工程では、前記現像カートリッジに充填される現像剤として、略球形状をした球形トナーが充填されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像剤の充填方法。
- 前記現像カートリッジの前記現像剤担持体の軸方向の一端側に、前記現像剤担持体を回転駆動するため、筐体外部から付加される駆動力を伝達するギアを備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、
前記充填工程前に、前記ギアの設けられた側が上方となるように前記現像カートリッジが配置される配置工程を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の現像剤の充填方法。 - 筐体の内部に、駆動力が伝達されて回転駆動される回転部材と、
筐体の内部の壁面に前記回転部材が前記筐体を貫通しないように形成された前記回転部材の軸受と
を備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、
前記充填工程前に、前記回転部材の軸受の設けられた側が下方となるように前記現像カートリッジが配置される配置工程を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の現像剤の充填方法。 - 前記現像剤担持体を収容する現像室と、
当該現像室と前記収容室との間の壁面に、前記現像剤担持体の軸方向に沿って開口された、前記現像剤担持体の直径よりも細幅の連通孔と
を備えた現像カートリッジへの現像剤の充填方法であって、
前記充填工程前に、前記連通孔の長手方向と重力方向とが略平行となるように前記現像カートリッジを配置させる配置工程を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の現像剤の充填方法。 - 現像剤を静電潜像が形成される静電潜像担持体に供給するための現像剤担持体と、
筐体に振動が与えられて現像剤が充填された収容室と
を備えたことを特徴とする現像カートリッジ。 - 現像剤を静電潜像が形成される静電潜像担持体に供給するための現像剤担持体と、
前記現像剤の密度が緩み見かけ密度よりも高い密度で充填された収容室と
を備えたことを特徴とする現像カートリッジ。 - 前記現像剤担持体の軸方向の一端側である前記筐体の側面に、現像剤を充填するための充填口が設けられたことを特徴とする請求項8または9に記載の現像カートリッジ。
- 筐体の内部には、駆動力が伝達されて回転駆動する回転部材が設けられ、
当該回転部材の軸受は、前記トナー充填口と反対側における筐体の内部の壁面に前記回転部材が前記筐体を貫通しないように形成されていることを特徴とする請求項10に記載の現像カートリッジ。 - 前記充填口が設けられた側の前記筐体の側面に、前記現像剤担持体を回転駆動するため、筐体外部から付加される駆動力を伝達するギアを備えたことを特徴とする請求項11に記載の現像カートリッジ。
- 筐体内に、前記現像剤担持体を収容する現像室を備え、
当該現像室と前記収容室とは、前記現像剤担持体の軸方向に沿って開口された、前記現像剤担持体の直径よりも細幅の連通孔によって連通されていることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の現像カートリッジ。 - 前記収容室には略球形状した球形トナーが充填されることを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載の現像カートリッジ。
- 請求項8乃至14のいずれかに記載の現像カートリッジを備えた画像形成装置。
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