JP2004037215A - 組織標本の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エタノールで易溶な蛍光タンパク質等を発現するレポーター遺伝子の発現産物で標識された生体組織細胞の標本を容易に作製することができ、発現産物により標識された生体組織細胞を、微細構造まで明確に観察することを長期に亘って可能とする、長期保存可能な生体組織細胞の包埋標本や、その製造方法を提供する。
【解決手段】生体組織細胞の標本を製造するにあたり、レポーター遺伝子の発現産物で標識された生体組織細胞をアセトンを用いて脱水した後、親水性樹脂で包埋する。レポーター遺伝子の発現産物が、蛍光タンパク質であることが好ましく、アセトンによる脱水に先立ち、レポーター遺伝子の発現産物により標識された生体組織細胞の固定や、固定後洗浄を行なうことが好ましい。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組織標本や組織標本の製造方法に関し、より詳しくは生体蛍光タンパク質で標識された組織標本や組織標本の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
遺伝子組換えにおける遺伝子産物の組織内の発現状況を解析する際、遺伝子のプロモーターの下流に連結させたレポーター遺伝子に組換え遺伝子を結合させ、組織内でレポーター遺伝子が発現する物質の活性を測定することにより、組換えられた遺伝子産物の組織細胞内での発現の有無や局在、その発現の強さの状況を確認し、組織学的解析が行なわれている。このようなレポーター遺伝子の産物には、活性の測定が容易であること、細胞毒性がないこと、組織あるいは個体レベルでの染色による検出ができること等が要求され、かかる条件を備えた産物を発現するレポーター遺伝子として、クロランフェニコールアセチル基転移酵素(chloramphenicol acetyltransferase:CAT)を発現するCAT遺伝子や、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ(β−galactosidase)を発現するlacZ遺伝子や、β−グルクロニダーゼ(β‐glucronidase)を発現するβ−グルクロニダーゼ(β‐glucronidase)遺伝子や、発光生物由来のルシフェラーゼを発現するルシフェラーゼ遺伝子等が挙げられ、近年、蛍光を発する蛍光タンパク質、例えば、発光クラゲ(オワンクラゲ)由来の緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein:GFP)を発現するGFP遺伝子等は、発現する蛍光タンパク質をその蛍光により直接視覚的に観察できるため多用されている。
【0003】
ここで、一般に、組織細胞の解析においては、光学顕微鏡観察に利用できるように標本を作成する際、組織細胞の安定性を図るため、目的の組織から切り取った組織片をホルムアルデヒド等の試薬により固定し、その後、脱水、包埋、薄切、染色等の処理を行なっている。このように組織を試薬により固定し、脱水を行なう場合、脱水にエタノールや無水エタノールが使用されているが、上記のGFP等の蛍光タンパク質を発現するレポーター遺伝子が組み込まれ、その活性作用により蛍光タンパク質が発現した組織細胞に対しては、GFP等の蛍光タンパク質がエタノール易溶出性のため、脱水にエタノールを使用できない。このため、蛍光タンパク質を発現するレポーター遺伝子の組み込まれた組織は、凍結乾燥等の物理固定による凍結切片法により標本を作成している。
【0004】
凍結切片法では、標本組織片を水溶性の包埋剤に組織を包埋し、低温環境下、例えば−80℃で、凍結させ、保存用の包埋標本とする。このように凍結という物理的な固定法では、凍結の際に微細構造の破壊等がおこる。また、このような包埋標本の保存は、極低温下、例えば−80℃で行なう必要があるだけでなく、保存中の水分の蒸発により標本自体の破壊が生じてしまうため、通常1ヶ月以上の長期にわたる保存は不可能である。また、形態を良好に保持したまま薄切切片を作成することには熟練が必要であり、特に大きな薄切切片の作成時には困難を要する。特に、大きな凍結切片、例えば、薄切面が約4cm×4cm以上の凍結切片を作成する方法として、水溶性包埋剤中に凍結包埋した未固定脱灰の硬組織、実験動物の全身等の生物試料を凍結薄切装置に固定し、その固定した試料の所定面に粘着剤を塗布した薄いプラスチックフィルムを貼り付け、粘着プラスチックフィルムが貼り付いた試料を、所定の刃物により所定の厚さに薄切するための特開平2002−31586号公報に記載されている装置もある。
しかしながら、一般的に凍結切片方法においては、蛍光タンパク質を直接観察することは可能であるが、微細構造の保持は困難で、その包埋標本を長期に亘って保存することができない。
【0005】
また、レポーター遺伝子の発現する蛍光タンパク質を染色して検出する免疫化学方法もあるが、直接的に蛍光タンパク質を観察するものではなく、従来のレポーター遺伝子の発現産物を発色可能な物質により発色させ、組織細胞を解析する方法と変わるものではなく、蛍光タンパク質を発現するレポーター遺伝子を用いたことの利点を生かした観察となっていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、エタノールに易溶な蛍光タンパク質等を発現するレポーター遺伝子の発現産物で標識された生体組織の標本を容易に作製することができ、発現産物により標識された生体組織を、微細構造まで明確に観察することを長期にわたって可能とする、長期保存可能な生体組織の包埋標本や、その製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、蛍光タンパク質等のレポーター遺伝子の発現産物で標識された生体組織をアセトンで脱水し、その後、かかる発現産物を保持した状態の生体組織を親水性樹脂で包埋することにより、エタノールに易溶な発現産物が生体組織から脱落されることを抑制することができ、微細構造まで明確に標識することができ、しかもレポーター遺伝子産物による生体組織の標識作用を長期に亘って保持しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、レポーター遺伝子の発現産物で標識された組織を、アセトンを用いて脱水した後、親水性樹脂で包埋することを特徴とする組織標本の製造方法(請求項1)に関し、特に、レポーター遺伝子の発現産物が、生体蛍光タンパク質であることを特徴とする請求項1記載の組織標本の製造方法(請求項2)や、生体蛍光タンパク質が、緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein:GFP)であることを特徴とする請求項1又は2記載の組織標本の製造方法(請求項3)や、アセトンによる脱水に先立ち、レポーター遺伝子の発現産物により標識された組織の固定を行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の組織標本の製造方法(請求項4)や、レポーター遺伝子の発現産物により標識された組織の固定後洗浄を行なうことを特徴とする請求項4記載の組織標本の製造方法(請求項5)や、レポーター遺伝子の発現産物により標識された組織の脱水後包埋を行なうために親水性樹脂の浸漬を行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の組織標本の製造方法(請求項6)や、親水性樹脂がメタクリル酸又はその誘導体の重合体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の組織標本の製造方法(請求項7)や、親水性樹脂が2−ヒドロキシエチルメタクリレート重合体であることを特徴とする請求項7記載の組織標本の製造方法(請求項8)に関する。
【0009】
また、本発明は、レポーター遺伝子の発現産物で標識された組織を、アセトンを用いて脱水後、親水性樹脂で包埋されたことを特徴とする組織標本(請求項9)に関し、特に、レポーター遺伝子の発現産物が、生体蛍光タンパク質であることを特徴とする請求項9記載の組織標本(請求項10)や、生体蛍光タンパク質が、緑色蛍光タンパク質であることを特徴とする請求項9または10記載の組織標本(請求項11)や、アセトンによる脱水に先立ち、レポーター遺伝子の発現産物により標識された組織の固定を行なうことを特徴とする請求項9〜11のいずれか記載の組織標本(請求項12)や、レポーター遺伝子の発現産物により標識された組織の固定後洗浄を行なうことを特徴とする請求項12記載の組織標本(請求項13)や、レポーター遺伝子の発現産物により標識された組織の脱水後包埋を行なうために親水性樹脂の浸漬を行なうことを特徴とする請求項9〜13のいずれか記載の組織標本(請求項14)や、親水性樹脂がメタクリル酸又はその誘導体の重合体であることを特徴とする請求項9〜14のいずれか記載の組織標本(請求項15)や、親水性樹脂が2−ヒドロキシエチルメタクリレート重合体であることを特徴とする請求項15記載の組織標本(請求項16)に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の生体組織の標本の製造法としては、レポーター遺伝子の発現産物で標識された組織をアセトンを用いて脱水した後、親水性樹脂で包埋する方法であれば特に制限されるものではなく、また、標本の対象となる生体組織としては、特に制限されないが、蛍光タンパク質を発現するレポーター遺伝子により標識可能な動物や植物の組織細胞や酵母、細菌等の微生物細胞を含むものなどを挙げることができ、これらの生体細胞の細胞質と核全体が標識される生体細胞であっても、又は後述するレポーター遺伝子に局在化配列が付加されることにより、ミトコンドリア、細胞膜、核、細胞骨格等、細胞内の局在化した部位が標識される生体細胞を含むものでもよく、又は後述するレポーター遺伝子と分泌タンパク質遺伝子との結合産物により、細胞外の構造が標識された組織でもよい。
【0011】
かかるレポーター遺伝子としては、その発現産物により生体組織を標識することができるものであればどのようなものでもよいが、発現産物の活性の測定が容易であり、発現産物に毒性がなく、発現産物が染色物質により容易に標識される遺伝子、例えば、クロラムフェニコールアセチル基転移酵素(chroramphenicol acetyltransferase)を発現産物とするCAT遺伝子や、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ(β−galactosidase)を発現産物とするlacZ遺伝子や、β−グルクロニダーゼ(β‐glucronidase)を発現産物とするβ−グルクロニダーゼ遺伝子等であってもよいが、所定の波長の励起光を吸収することにより蛍光を発する蛍光タンパク質を発現産物とする蛍光タンパク質遺伝子が好ましい。かかる蛍光タンパク質遺伝子としては、緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein:GFP)遺伝子、黄色蛍光タンパク質(yellow fluorescent protein:YFP)遺伝子、青色蛍光タンパク質(blue fluorescent protein:BFP)遺伝子、シアン蛍光タンパク質(cyan fluorescent protein:CFP)遺伝子等を挙げることができ、このうち、緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein:GFP)遺伝子が安定した蛍光を長期に亘って発光できるため好ましい。また、これらの蛍光タンパク質遺伝子の2種以上の組み合わせでも使用することもでき、この場合は、発現産物の蛍光タンパク質からの発光の波長の差が大きいものの組み合わせ、例えば、CFP遺伝子とYFP遺伝子等の組み合わせとして使用することもできる。
【0012】
上記GFP遺伝子の発現物質であるGFPは、発光クラゲ由来の緑色蛍光タンパク質であって、238のアミノ酸よりなり、分子量は約27kDaの化学的に非常に安定なタンパク質であって、pH6〜12の間で所定の波長の光が照射されることにより蛍光を発し、約70℃までその活性が損なわれず、プロテアーゼに耐性を示すものである。また、GFPとして、蛍光強度を大幅に向上させたGFPの派生体(EGFP:商品名 クロンテック社製)等も使用することができる。GFPにおいては、7〜229番目のアミノ酸残基までが蛍光を発するために必要とされ、更に固有の発色団(Chromophore)の形成が不可欠であり、酸素分子の存在下で徐々に発光団が形成されることにより、蛍光が放出される。
本発明の標本の製造方法において、このような産物を発現するレポーター遺伝子が、プロモーターやエンハンサーの下流、目的遺伝子の上流に組み込まれ、レポーター遺伝子に連結された目的遺伝子が生体細胞に導入されることにより、生体組織がレポーター遺伝子の発現産物の蛍光タンパク質等に由来する蛍光等によって標識される。
【0013】
本発明の標本の製造方法は、このように標識された生体組織をアセトンを用いて脱水を行なうことを大きな特徴とする。アセトンによる脱水に先立ち、レポーター遺伝子が組み込まれたその発現産物により標識された生体組織の安定化を図るための固定を行なうことが好ましい。生体組織の固定は、生体組織によって構成される組織の外形、内部構造、組成を生きている状態に近い状態で保存するため、あるいは研究目的に合致するように一部の物質を溶出させて選択的に内部構造、物質を保存することにより、生きていた状態を推察可能とするために行なうものであり、その後の処理を容易にするために行なわれる。生体組織の固定に用いる固定液としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドや、これらとの酸化オスミニウム、酢酸、アルコール等との混合液、例えば、グルタルアルデヒドと四酸化オスミウムの混合液であるカルノフスキー固定液や、ホルムアルデヒド5・飽和ピクリン酸15・氷酢酸1のブアン固定液等を挙げることができるが、4%パラホルムアルデヒド/リン酸緩衝液食塩水(pH7.4)が好ましい。これら固定液を用いての生体組織の固定は、固定液に切り出された生体組織を浸漬して行なうことができ、例えば、4%パラホルムアルデヒド/リン酸緩衝液食塩水を用いる場合は、低温、例えば、4℃前後で所定時間浸漬することが好ましく、固定処理時間は、レポーター遺伝子の発現産物の種類、標識された生体組織や、構成する組織の大きさ等により適宜選択することができ、例えば、1〜16時間、好ましくは4〜8時間である。固定液は、生体組織に対して濃度勾配が生じないように、攪拌、循環されることが好ましい。
【0014】
本発明の標本の製造方法において、標識された生体組織を固定後、洗浄を行なうことが好ましく、洗浄はリン酸緩衝液食塩水等を洗浄液として用い、具体的には、洗浄液に標識された生体組織を浸漬したり、生体組織を浸漬した洗浄液を攪拌、循環させるなどの方法によることができる。洗浄により、生体組織に残存する余剰のパラホルムアルデヒド等の固定に用いた固定液成分を除去し、生体組織や、生体組織のレポーター遺伝子の発現産物を含む構成物質に対する過剰な変性等を抑制することができる。洗浄液や洗浄時間は、レポーター遺伝子の発現産物の種類、標識された生体組織の種類や大きさなどにより適宜選択することができるが、例えば、リン酸緩衝液食塩水等を洗浄液として使用し、1〜6時間洗浄することが好ましい。
【0015】
本発明の標本の製造方法において、上記方法により固定された生体組織をアセトンを用いて脱水する。生体組織の脱水はアセトンを用いて行なうことにより、レポーター遺伝子の発現産物である蛍光タンパク質等を溶出させず、生体組織において蛍光タンパク質等によって標識された状態を維持して脱水を行なうことが可能となる。脱水は、標識された生体組織をアセトンに浸漬したり、浸漬したアセトンを攪拌、循環させる方法等によることができるが、アセトンを交換しながら所定時間浸漬する方法によることが好ましい。アセトンにより脱水する時間は、レポーター遺伝子の発現物質の種類、標識された生体組織の大きさ等により適宜選択できるが、1時間程度とすることができる。
【0016】
本発明の標本の製造方法において、かかる脱水包埋前に、生体組織を包埋に用いる親水性樹脂の重合前の基質と重合剤からなる浸漬液に浸漬することが、樹脂を組織に十分浸潤させるため好ましい。親水性樹脂の基質は、特に制限されるものではないが、光透過性が高く、短時間で硬化し、長期に亘って変質しないものが好ましく、標識物質への影響を与えない非アルコール系のものが好ましく、メタクリル酸又はその誘導体であることが好ましく、メタクリル酸の誘導体としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(グリコールメタクリレート:GMA)、2―ヒドロキシメチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシプロピル)メタクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル等を挙げることができ、これらのうち、特に2−ヒドロキシエチルメタクリレートを好適なものとして例示することができる。また、可塑剤としてヒドロキシエーテルが添加されていることが好ましい。重合剤としては、過酸化ジベンゾイル又はぺルオキシドルシドール等が好ましく、このうち、ペルオキシドルシドールが好ましい。このような親水性樹脂としては、例えば、テクノビット8100(商品名:クルツァー社製(ドイツ))や、ヒストレジンプラス(商品名:ファインッテク社製(ドイツ))や、JB−4(商品名:ポリサイエンス社製(アメリカ))を使用することができる。このような親水性樹脂からなる浸漬液に標識された生体組織を浸漬する時間は、レポーター遺伝子の発現物質の種類、標識された生体組織の大きさ等により適宜選択することができるが、4〜16時間、好ましくは6〜8時間である。
【0017】
本発明の標識の製造方法において、上記浸漬液に浸漬された生体組織を、浸漬液に用いた親水性樹脂を重合させることで包埋する。この結果生じる重合体としては、上記例示のメタクリル酸又はその誘導体の重合体や、これらの共重合体、グラフト共重合体や、その他のエチレン、プロピレン等との共重合体等を挙げることができ、かかる共重合体としては、エチレン・メタクリル酸共重合体、メチレン・メタクリル酸・ヒドロキシエチレンメタクリル酸共重合体等を具体的に例示することができる。このような親水性樹脂としては、例えば、テクノビット8100(商品名:クルツァー社製(ドイツ))や、ヒストレジンプラス(商品名:ファインッテク社製(ドイツ))や、JB−4(商品名:ポリサイエンス社製(アメリカ))を使用することができる。かかる親水性樹脂による生体組織の包埋は、生体組織の浸漬に用いた浸漬液に所定の量の硬化剤を添加し重合を開始させたものや、あるいは新たに浸漬液と同じ組成の液に所定の量の硬化剤を添加したものを包埋液として行なう。硬化剤としては、例えば、ジメチルアニリン等を用いることができるが、例えば、テクノビット8100(商品名:クルツァー社製(ドイツ))や、ヒストレジンプラス(商品名:ファインッテク社製(ドイツ))や、JB−4(商品名:ポリサイエンス社製(アメリカ))等を用いる場合には、製品に添付されている硬化剤を用いることが好ましい。かかる親水性樹脂による生体組織の包埋は、硬化剤が添加、混合された液状の上記メタクリル酸又はその誘導体からなる包埋液を、包埋板上載置した生体組織を覆うように流し込み、カバーフォイルあるいはパラフィルム等で空気を遮断して重合を促進することにより行なうことができる。
本発明の生体組織の標本の製造方法によって作製された標本は、必要に応じて適宜、包埋された生体組織を所定の薄切用の刃を取り付けたミクロトーム等により薄切し、切り取られた切片を水に浮かべ、シランコートされたスライドガラス上等に掬い取り乾燥し、直接観察の対象とされる。
【0018】
上記本発明の製造方法により作製された本発明の生体組織の標本は、発現産物で標識された状態が長期に亘って維持される。蛍光タンパク質等を発現産物としてレポーター遺伝子により標識された生体組織の標本においては、標識された細胞核、細胞質全体や、局在的に標識されたミトコンドリア、細胞膜、核、細胞骨格等の部位に所定の波長の光が照射されることにより蛍光が放出される。蛍光は蛍光顕微鏡、蛍光実体顕微鏡等で検出することができ、2種以上の蛍光タンパク質を発現産物とする標本の場合は、異なる蛍光タンパク質から発光されるそれぞれの蛍光の波長領域に適したフィルターを使用して発現産物の識別を可能とすることもできる。また、蛍光強度の定量は、CCDカメラで撮像し、適切な画像解析により行なうことができる。
本発明の生体組織の包埋標本は遮光下で半年以上保存した場合も、蛍光タンパク質の蛍光発光が低下しにくく、標本の長期保存を可能とする。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
参考例[試料の調製]
(トランスジェニックマウスの作製)
精巣の全構成細胞を蛍光タンパク質eGFPで標識するため、レポーター遺伝子としてアクロシン/eGFP(Acr3−eGFP; Nakanishi et al. 1999)及びpCXN−eGFP (Niwa et al. 1991; Okabe et al. 1997) のDNA断片を導入遺伝子として調製した。これら二つのDNA断片をC57BL/6マウス由来の受精卵に注入し、トランスジェニックマウスの系統を作成した。Fの仔を励起光下で調べ、pCXN−eGFP遺伝子の組み込まれているマウスを確認し選別した。この初代マウスをC57BL/6マウスと交配させ、Fの雄の精巣を以下に述べるのと同様に本法により作製した標本により、組織学的分析を蛍光顕微鏡下で行なって、Acr3−eGFP遺伝子の組み込み及び伝達を調べた。このようにして得たトランスジェニックマウスを、以下「ニューグリーンマウス」(C57BL/6TgN[acro/act−EGFP]0sbN01)とする。
【0020】
(グリーン生殖細胞の移植)
日本国浜松市の日本SLC社より、雄の生後8週例のC57BL/6マウスを購入した。かかるマウスにアルキル化剤であるブスルファンの腹腔内注射を40mg/kgの投与量で一回行ない、精子を形成する細胞を破壊し、そのマウスを4週間後にレシピエントとして使用した。
Bellve(1993)の手順を少々改良して、生後7日のニューグリーンマウスの精巣からドナー細胞を調製した。すなわち、精巣から白膜を除去したのち、精細管を、コラゲナーゼI型(1mg/ml)及びヒアルロニダーゼ(1mg/ml)を含むpH7.3のHEPES緩衝液(20mM)を加えたDulbecco’s modified Eangle’s medium(DMEM)中で、5分おきにピペットでピペッティングしながら、37℃で15分間消化した。カルシウムを含まないリン酸緩衝液(PBS)で消化された精細管を2度洗浄し、その後0.25%のトリプシンを含むPBS中で、5分おきにピペットでピペッティングしながら、37℃で15分間消化して細胞懸濁液とした。ウシ胎児血清を同量、細胞懸濁液に加えて、トリプシンを不活化した後、かかる細胞懸濁液を孔径30μmのナイロン網で濾過し、未消化の大きな細胞塊を除去した。600Gで5分間の遠心により細胞を分離し、その後10個/mlの濃度で、細胞を移植用培地(138mMのNaCl、1mMのNaHPO、2.7mMのKCl、1.1mMのKHPO、0.1mMのエチレンジアミン四酢酸[EDTA]、5.5mMのグルコース、5mg/mlのウシ血清アルブミン、100mg/mlのDnaseI、0.4mg/mlのトリパンブルーに再懸濁した。移植は、Ogawa et al.(1997)の方法に従って、輸出管を目安に精巣網を通じて行なった。ブスルファン処理をしたレシピエントマウスの精細管に10μlの量を注入した。移植用培地に添加されているトリパンブルーにより、精細管のおよそ70から90%がドナーの細胞懸濁液で満たされていることを確認した。生殖細胞特異的なモノクローナル抗体(TRA104; Tanaka et al. 1997)で染色することにより、ドナーの細胞懸濁液中で生殖細胞が占めるパーセンテージを見積もった。
【0021】
(移植した精巣グリーン細胞の生体観察)
精細管に移植した細胞の経時的動態を追跡及び観察するため、麻酔下のマウスにおいて、腹部下部を切開して精巣を露出し、紫外線(UV)の励起光に曝露し、蛍光実体顕微鏡下で、PXL  KAF1400−G2デジタルカメラ(Photometrics社製)で撮影した。精巣を陰嚢に戻した後、腹壁を縫合閉鎖した。その後は、適宜間隔をおき、同じ精巣の写真を同じ方法で撮影した。移植を受けた精細管を詳しく観察する場合は、精巣を摘出し、被膜を剥離して、精細管をPBS中で単離した。50%のグリセロールを含むPBS中に蛍光陽性の精細管断片を回収し、スライドガラスに封入し、蛍光顕微鏡で観察した。減数分裂期までの精細胞は、細胞質中のpCXN−eGFP遺伝子由来の蛍光産物により、さらに分化した半数体の精子細胞は、アクロゾーム内のAcr−3−eGFP遺伝子由来の蛍光産物により確認した(Nakanishi et al. 1999)。このようにレポーターとして蛍光タンパク質は、生体内での細胞や遺伝子産物の局在を直接観察できる。
【0022】
実施例[標本の作製]
移植の8週間後のレシピエントマウスと8週齢のニューグリーンマウスの精巣をそれぞれ摘出・採取した。それぞれの精巣は、GFPで標識された細胞をその構成物として含む。採取した精巣を、4℃に保持した4%パラホルムアルデヒド/リン酸緩衝食塩水(pH7.4)に8時間浸漬し、組織を固定した。その後、リン酸緩衝食塩水に1〜4時間浸漬して洗浄を行なった後、100%アセトン中でアセトンを交換しながら1時間程度浸漬し、脱水を行なった。その後、親水性樹脂である2−ヒドロキシメタクリレートとしてテクノビット8100(クルツァー社製)を用い、樹脂への包埋を行なった。すなわち、テクノビット浸漬液中に4℃で6〜8時間浸漬し、テクノビット包埋液を、包埋板に移した組織片に流し込み、カバーフォイルで空気を遮断した状態で、4℃で重合させた。包埋された組織を固定台にとりつけ包埋標本を作製した。その包埋標本をミクロトームで薄切し、切片を水に浮かべ、シランコートされたスライドガラスに掬い取り、37℃で乾燥させ、薄切標本を作製した。
得られた標本を蛍光顕微鏡(ライカ社製)で観察し、GFPを直接観察した。観察後、ヘマトキシリンなどの対比染色を行ない、封入剤を用い、カバーガラスで封入した。蛍光顕微鏡により撮像したニューグリーンマウスの精巣切片の標本の組織の拡大像を図1(a)に、レシピエントマウスの精巣切片の標本の組織の拡大像を図1(b)に示す。
【0023】
比較例として、実施例と同様にしてそれぞれの精巣を採取し、固定洗浄を行なった。その後、凍結切片用の水溶性包埋剤であるOCTコンパウンド中に組織片おき、−70℃で凍結させ、包埋標本とし、クライオスタットで薄切切片の作製し、スライドガラスに融解付着させ、乾燥し、薄切標本を作製した。得られた標本を同様に蛍光顕微鏡(ライカ社製)で観察し、GFPを直接観察した。観察後、ヘマトキシリンなどの対比染色を行ない、封入剤を用い、カバーガラスで封入した。蛍光顕微鏡により撮像したニューグリーンマウスの精巣切片の標本の組織の拡大像を図2(a)に、レシピエントマウスの精巣切片の標本の組織の拡大像を図2(b)に示す。
図1および図2からも明らかなように、凍結切片法により作製された標本と比較して実施例により作製された標本においては、微細構造まで明確に観察できることが示された。
【0024】
【発明の効果】
本発明の生体組織の標本や、その製造方法によれば、蛍光タンパク質等の発現産物により標識された生体組織をアセトンで脱水することにより、エタノールに易溶な蛍光タンパク質等を発現するレポーター遺伝子の発現産物で標識された生体組織の標本を容易に作製することができ、発現産物により標識された生体組織を、微細構造まで明確に観察することを長期に亘って可能とする、長期保存が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の組織細胞の標本の製造方法によるニューグリーンマウスの精巣切片の標本を示す図である。
(b)本発明の組織細胞の標本の製造方法によるレシピエントマウスの精巣切片の標本を示す図である。
【図2】(a)凍結切片法により再生されたニューグリーンマウスの精巣切片の標本を示す図である。
(b)凍結切片法により再生されたレシピエントマウスの精巣切片の標本を示す図である。

Claims (16)

  1. レポーター遺伝子の発現産物で標識された組織を、アセトンを用いて脱水した後、親水性樹脂で包埋することを特徴とする組織標本の製造方法。
  2. レポーター遺伝子の発現産物が、生体蛍光タンパク質であることを特徴とする請求項1記載の組織標本の製造方法。
  3. 生体蛍光タンパク質が、緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein:GFP)であることを特徴とする請求項1又は2記載の組織標本の製造方法。
  4. アセトンによる脱水に先立ち、レポーター遺伝子の発現産物により標識された組織の固定を行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の組織標本の製造方法。
  5. レポーター遺伝子の発現産物により標識された組織の固定後洗浄を行なうことを特徴とする請求項4記載の組織標本の製造方法。
  6. レポーター遺伝子の発現産物により標識された組織の脱水後包埋を行なうために親水性樹脂の浸漬を行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の組織標本の製造方法。
  7. 親水性樹脂がメタクリル酸又はその誘導体の重合体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の組織標本の製造方法。
  8. 親水性樹脂が2−ヒドロキシエチルメタクリレート重合体であることを特徴とする請求項7記載の組織標本の製造方法。
  9. レポーター遺伝子の発現産物で標識された組織を、アセトンを用いて脱水後、親水性樹脂で包埋されたことを特徴とする組織標本。
  10. レポーター遺伝子の発現産物が、生体蛍光タンパク質であることを特徴とする請求項9記載の組織標本。
  11. 生体蛍光タンパク質が、緑色蛍光タンパク質であることを特徴とする請求項9又は10記載の組織標本。
  12. アセトンによる脱水に先立ち、レポーター遺伝子の発現産物により標識された組織の固定を行なうことを特徴とする請求項9〜11のいずれか記載の組織標本。
  13. レポーター遺伝子の発現産物により標識された組織の固定後洗浄を行なうことを特徴とする請求項12記載の組織標本。
  14. レポーター遺伝子の発現産物により標識された組織の脱水後包埋を行なうために親水性樹脂の浸漬を行なうことを特徴とする請求項9〜13のいずれか記載の組織標本。
  15. 親水性樹脂がメタクリル酸又はその誘導体の重合体であることを特徴とする請求項9〜14のいずれか記載の組織標本。
  16. 親水性樹脂が2−ヒドロキシエチルメタクリレート重合体であることを特徴とする請求項15記載の組織標本。
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